JPH10298648A - 高一様伸び低降伏比高張力鋼材の製造方法 - Google Patents

高一様伸び低降伏比高張力鋼材の製造方法

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JPH10298648A
JPH10298648A JP10645697A JP10645697A JPH10298648A JP H10298648 A JPH10298648 A JP H10298648A JP 10645697 A JP10645697 A JP 10645697A JP 10645697 A JP10645697 A JP 10645697A JP H10298648 A JPH10298648 A JP H10298648A
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uniform elongation
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less
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Hajime Ishikawa
肇 石川
Atsuhiko Yoshie
淳彦 吉江
Toshizo Tarui
敏三 樽井
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はスポット溶接性に優れたPC鋼材の
製造方法を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.1〜0.4%、S
i:0.5〜2.5%、Mn:0.3〜2.0%、P:
0.03%以下、S:0.02%以下を含有し、残部が
Feおよび不可避的不純物からなる線材を、オーステナ
イト領域に加熱し、この温度領域から300〜400℃
の温度領域に急冷し、この温度領域で5〜150秒間恒
温保持し、引き続き400〜550℃の温度領域に5〜
150秒間保持する焼戻を行った後、直ちに急冷または
放冷することを特徴とする焼戻ベイナイトまたは焼戻マ
ルテンサイトまたは該組織に残留オーステナイトを含有
する複合組織を有する高一様伸び低降伏比高張力鋼材の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スポット溶接性に
優れた引張強さ1000MPa以上の強度レベルで高い
延性を有するPC(プレストレス・コンクリート)鋼材
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリートパイルの中でも剛性および
曲げ強さの向上、コンクリートのひび割れ防止の目的で
コンクリートに圧縮を与えて強化するものはPCパイル
と称され、以下の方法で製造されている。まず、円周上
に並列に配したPC鋼材に軟鋼線を螺旋状に巻き付けた
後(以後螺旋筋と称す)、PC鋼材と螺旋筋の交点を固
定して円筒状の籠片型補強体(以下補強体と略称)を製
造する。次いで、この補強体を型枠に導入し、補強体を
構成するPC鋼材の両端を固定して、引張強さの70%
前後の応力で緊張する。型枠内に注入したコンクリート
が固化した後に、PC鋼材の緊張力が除去され、同時に
コンクリートに圧縮力が付与されてPCパイルが製造さ
れる。この製造工程中、補強体の組立を自動化するため
に、溶接性の良好な低中炭素鋼の熱処理強化型PC鋼材
が使用され、PC鋼材と螺旋筋の固定はスポット溶接に
より行われる。
【0003】近年、鋼構造物の巨大化にともない、その
部材に使用される鋼材はますます高強度化する傾向にあ
る。例えば、コンクリートパイルに主筋として使用され
るPC鋼棒は、JIS G3109に規定されるよう
に、引張強さ1420MPa以上とされている。一般
に、線材の強度と延性はその性質が相反するもので、高
張力鋼ほど伸びで代表される延性は低下する。特に、一
様伸びの値は極端に低下する。現在、多く使用さている
PC鋼棒は、熱間圧延材を焼入焼戻することによって所
定の強度、延性が付与されている。しかしながら、この
ような焼戻マルテンサイト組織で高強度化を図ると、一
様伸びは約3%程度になる。一様伸びが低値の場合、コ
ンクリート構造物に地震などの大きな衝撃荷重が加わる
とPC鋼棒が破断し、もはや鉄筋としての役割を果たさ
ない。
【0004】特開平8−158010号公報では、高S
i−Al系でフェライトを含有する組織で高一様伸び化
を図っている。しかしながら、高Si−Al系では熱処
理時に通電性を低下させるスケールが多量に生成し、ス
ポット溶接性が低下する。また、特開昭57−1206
22号公報では、ベイナイトを生成させて高張力鋼の高
一様伸び化を図っている。しかしながら、近年コンクリ
ート構造物の耐震性を確保するために、高一様伸びと同
様に低降伏比(低YR)が要求される傾向にあるが、特
開昭57−120622号公報では低降伏比に関する検
討は実施していない。
【0005】このため、スポット溶接性に優れ、高一様
伸びでかつ低降伏比の高張力鋼材がコンクリート構造物
の耐震性確保の観点から求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、コンクリー
トポール、パイルなどのコンクリート構造物に使用され
るスポット溶接性に優れたPC鋼材の製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】コンクリートポール、パ
イルなどのコンクリート構造物に使用されるPC鋼材の
場合には、一般に約1300MPa以上の強度が要求さ
れている。このような高張力鋼で高一様伸びとスポット
溶接性の両特性を満足させるために、本発明者らは、一
様伸び特性および降伏比におよぼす製造条件の影響の詳
細な検討を実施した。その結果、高張力鋼に、微細なオ
ーステナイトを300〜400℃の温度領域で恒温保持
してマルテンサイトまたはベイナイトを生成させること
により高張力化が図れ、またベイナイトの生成により高
延性化が図れることを見出した。また、図1に示すよう
に、恒温変態時間を短くすると低降伏比化が図れること
を見出した。これは、恒温変態時間を短くするとマルテ
ンサイト分率が上昇し、降伏が起こりやすくるためであ
る。
【0008】また、300〜400℃の恒温変態で一様
伸びに有効なベイナイトと低降伏比化のためのマルテン
サイトを安定して生成させ、引き続き400〜550℃
の温度域で焼戻すことにより、初期に硬化し過ぎた主と
してマルテンサイトの焼戻により強度の最適化とともに
高一様伸び化が図れることを見出した。本発明は、上記
の知見に基づいてなされたものであり、その要旨とする
ところは下記のとおりである。
【0009】(1)重量%で、C:0.1〜0.40
%、Si:0.5〜2.5%、Mn:0.3〜2.0
%、P:0.03%以下、S:0.02%以下を含有
し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる線材を、
オーステナイト領域に加熱し、この温度領域から300
〜400℃の温度領域に急冷し、この温度領域で5〜1
50秒間恒温保持し、引き続き400〜550℃の温度
領域に5〜150秒間保持する焼戻を行った後、直ちに
急冷または放冷することを特徴とする焼戻ベイナイトま
たは焼戻マルテンサイトまたは該組織に残留オーステナ
イトを含有する複合組織を有する高一様伸び低降伏比高
張力鋼材の製造方法。
【0010】(2)さらに、線材の化学成分として、重
量%で、Nb:0.005〜0.5%、Ti:0.00
5〜0.5%、Al:0.10%以下、V:0.005
〜0.060%、Cu:0.05〜1.0%、Ni:
0.05〜1.0%、Cr:0.05〜1.0%、M
o:0.05〜0.35%、B:0.0005〜0.0
05%の1種または2種以上を含有することを特徴とす
る請求項1記載の高一様伸び低降伏比高張力鋼材の製造
方法。
【0011】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。まず、
本発明の化学成分の限定理由を述べる。 C:Cはマルテンサイトまたはベイナイトの強度を高め
るために添加するが、0.1%未満ではその効果は少な
い。一方、Cを過量に添加するとスポット溶接部の硬さ
が高くなり、溶接割れ感受性が上昇するため、その上限
を0.4%とする。
【0012】Si:Siは強度およびリラクゼーション
特性確保のために必要な元素であるが、0.5%未満で
はその効果がない。一方、Si量が2.5%超になると
スポット溶接に有害なスケールが多量に生成するため、
上限を2.5%とした。 Mn:Mnは一様伸びと焼入性向上のために必要である
が、0.3%未満ではその効果はない。一方、Mnを
2.0%超添加しても強度改善効果は飽和し、また中心
偏析部にミクロマルテンサイトを生成して延伸性を低下
させる。したがってMn量は0.3〜2.0の範囲とす
る。
【0013】P:Pは粒界に偏析して粒界脆化を起こし
やすくするため、0.03%以下にする必要がある。不
純物元素であるPは極力低減することが望ましい。 S:SもPと同様に粒界に偏析して粒界脆化を起こしや
すくするため、0.02%以下にする必要がある。不純
物元素であるSは極力低減することが望ましい。
【0014】本発明鋼材は、上記元素を含有し、残部が
Feおよび不可避的不純物からなるものであるが、さら
に、特性向上を図るために、下記の元素の1種または2
種以上を含有することができる。 Nb:NbはNb析出物のピニング効果によりオーステ
ナイト粒を微細化して延性を向上させる。そのためには
0.005%以上の添加が必要である。しかしながら、
0.05%超添加するとスポット溶接部の硬さを上昇さ
せ、溶接割れ感受性を上昇させる。このためNbの適正
範囲を0.005〜0.05%とした。
【0015】Ti:TiはTi析出物のピニング効果に
よりNbと同様に組織を微細化する。そのためには0.
005%以上の添加が必要である。しかし、0.05%
超添加すると粗大なTiNが多量に析出するため材質特
性を劣化させる。このため、Tiの上限を0.05%と
した。 Al:Alは脱酸元素として鋼に添加されるが、過量に
添加すると粗大なアルミナ系酸化物の生成して延性を低
下させるため、その上限を0.10%とした。
【0016】V:Vは炭窒化物を析出させ、γ粒を微細
化して強度、延性を向上させる。そのためには0.00
5%以上の添加が必要であり、下限値を0.005%と
した。しかし、多量の添加では効果が飽和するため、上
限値を0.060%とした。 Cu:Cuは0.05%未満では焼入性の向上が十分で
ないため、0.05%を下限値とした。しかし、1.0
%を超えると熱間割れを引き起こすため、上限値を1.
0%とした。
【0017】Ni:Niは0.05%未満では焼入性の
向上が十分でないため、0.05%を下限値とした。し
かし、1.0%を超えると効果は飽和するため、上限値
を1.0%とした。 Cr:Crは固溶強化、焼入性向上により鋼の強度を上
昇させるが、0.05%未満では効果が不十分であるた
め、0.05%を下限とした。一方、1.0%を超える
と効果は飽和するため、上限値を1.0%とした。
【0018】Mo:Moはリラクゼーション特性を向上
させるために有効な元素である。しかしながら、少なく
とも0.05%添加しないとその効果は認められない。
また、0.35%超添加するとスポット溶接部の割れ感
受性が上昇する。このため、Moの成分範囲を0.05
〜0.35%とした。 B:Bは0.0005%未満では焼入性の向上が十分で
ないため、0.0005%を下限値とした。しかし、
0.005%を超えると効果は飽和するため、上限値を
0.005%とした。
【0019】次に、熱処理条件を限定した理由を述べ
る。400℃超の温度で恒温変態させると一部に疑似パ
ーライトが生成し、所定の強度が得られず、また安定な
ベイナイト変態が進行しない。一方、300℃未満の温
度域ではベイナイト変態が殆ど起こらず、高延性化が図
れない。前述したように、高一様伸びにするためにはベ
イナイトの生成率を上昇させる必要があり、また低降伏
比化のためにはマルテンサイト分率を上昇させる必要が
あるため、所望の強度に応じて恒温変態温度を変える必
要がある。本発明においては、組織の分率のバランスに
ついては言及しないが、通常の強度のPC鋼材として使
用する場合には、望ましくは350℃以下がよい。
【0020】また、ベイナイト変態を終了させると恒温
変態時のマルテンサイト分率が低下するため、低降伏比
化が図れない。このため、恒温変態時間を150秒以下
とする必要がある。一方、恒温変態時間を5秒未満とす
るとベイナイト変態が殆ど起こらず、一様伸びが低下す
る。引き続き連続的に400〜550℃の温度域に焼戻
すことにより、主として強度の調整を図る。焼戻温度が
550℃を超えると強度が著しく低下する。また、40
0℃未満では焼戻としての効果が得られず、一様伸びの
向上が図れない。このため、焼戻温度は400〜550
℃とした。焼戻時間は5秒未満では効果がなく、また1
50秒を超えても強度に関する効果はほぼ飽和するた
め、5〜150秒とした。
【0021】次に、組織を規定した理由について述べ
る。強度確保のためにベイナイトおよびマルテンサイト
の複合組織とし、延性を確保するためにはベイナイト組
織とする必要がある。このため、恒温変態時にベイナイ
トとマルテンサイトを生成させる。所望の強度を確保す
るために、焼戻ベイナイトと焼戻マルテンサイトの複合
組織とする。すなわち、高一様伸びの確保の観点からは
ベイナイトの生成を増加させる必要があるが、マルテン
サイトを焼戻すことにより一様伸びの低下は抑えられ
る。また、低降伏比化のためにマルテンサイトを生成さ
せる。
【0022】なお、本発明においてはSi量が高いた
め、残留オーステナイトが少量生成するが、材質特性を
劣化させるものではない。このため、焼戻処理後急冷ま
たは放冷しても材質特性は劣化しない。したがって、必
要に応じて急冷または放冷を選択する。
【0023】
【発明の実施の形態】
〔実施例〕以下、本発明の実施例について説明する。表
1、表2(表1のつづき)の化学成分の供試鋼を使い、
表3に示す熱処理を行った。これによって得られた鋼材
の機械的性質およびスポット溶接性の結果を表4に示
す。また、引張試験の一様伸びの評価方法はGL(評価
部)を30dとし、破断位置およびその両隣を除いた長
さから算出された一様伸びの平均値を示した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】本発明鋼の鋼1〜10は材質特性を満足し
た。鋼11〜14は適切な鋼成分ではないので、良好な
機械的性質または溶接性が確保できなかった。鋼11は
C量が低いため強度不足となった。鋼12はC量が高く
スポット溶接性が低下した。鋼13はSi量が低くリラ
クゼーション特性が低下した。鋼14はSiが過量に添
加されているためスポット溶接性が低下した。
【0029】鋼15〜21は適正な製造条件になってお
らず、良好な材質特性が得られなかった。鋼15は恒温
変態時間が長いためマルテンサイト分率が減少して低降
伏比化が図れなかった。また、鋼16は恒温変態時間を
短くしたためベイナイトが生成せず一様伸びが低下し
た。鋼17は恒温変態温度が高くパーライトが生成して
強度の低下を招いた。鋼18は恒温変態温度が低くベイ
ナイト量が減少して一様伸びが低下した。鋼19は恒温
変態後の焼戻温度が高いため強度が低下した。
【0030】
【発明の効果】本発明により、溶接性に優れた高強度P
C鋼線用鋼材を得ることができ、工業的に非常に有用で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】恒温変態時間と降伏比の関係を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C:0.1〜0.40%、 Si:0.5〜2.5%、 Mn:0.3〜2.0%、 P:0.03%以下、 S:0.02%以下 を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる線
    材を、オーステナイト領域に加熱し、この温度領域から
    300〜400℃の温度領域に急冷し、この温度領域で
    5〜150秒間恒温保持し、引き続き400〜550℃
    の温度領域に5〜150秒間保持する焼戻を行った後、
    直ちに急冷または放冷することを特徴とする焼戻ベイナ
    イトまたは焼戻マルテンサイトまたは該組織に残留オー
    ステナイトを含有する複合組織を有する高一様伸び低降
    伏比高張力鋼材の製造方法。
  2. 【請求項2】 さらに、線材の化学成分として、重量%
    で、 Nb:0.005〜0.5%、 Ti:0.005〜0.5%、 Al:0.10%以下、 V:0.005〜0.060%、 Cu:0.05〜1.0%、 Ni:0.05〜1.0%、 Cr:0.05〜1.0%、 Mo:0.05〜0.35%、 B:0.0005〜0.005% の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求
    項1記載の高一様伸び低降伏比高張力鋼材の製造方法。
JP10645697A 1997-04-23 1997-04-23 高一様伸び低降伏比高張力鋼材の製造方法 Pending JPH10298648A (ja)

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