JPH10299718A - 緩衝機構付き流体圧シリンダ、緩衝体を有するピストンの製造方法、緩衝体を有するシリンダカバーの製造方法 - Google Patents

緩衝機構付き流体圧シリンダ、緩衝体を有するピストンの製造方法、緩衝体を有するシリンダカバーの製造方法

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JPH10299718A
JPH10299718A JP10754697A JP10754697A JPH10299718A JP H10299718 A JPH10299718 A JP H10299718A JP 10754697 A JP10754697 A JP 10754697A JP 10754697 A JP10754697 A JP 10754697A JP H10299718 A JPH10299718 A JP H10299718A
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piston
buffer
cylinder
fluid
annular
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JP10754697A
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Inventor
Junji Rikuura
淳二 陸浦
Terumasa Takeuchi
輝正 竹内
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CKD Corp
Original Assignee
CKD Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール性の改善により衝撃緩衝能に優れた緩
衝機構付き流体圧シリンダを提供すること。 【解決手段】 この流体圧シリンダ1は、シリンダ内部
に区画される圧力作用室17,18内への流体の給排に
基づいて駆動されるピストン15と、シリンダカバー
5,6とを備える。ピストン15とシリンダカバー5,
6との間には、弾性を有する環状の緩衝体21が配設さ
れている。ピストン15の衝撃は、緩衝体21が形成す
る流体溜まりS1 内の流体の抗力と、緩衝体21自身の
弾性復帰力とにより緩衝される。緩衝体21は圧力作用
室17,18を区画しているピストン15に取り付けら
れる。ピストン15と緩衝体21との界面には、流体溜
まりS1 の内外を隔てる環状密着部が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、緩衝機構付き流体
圧シリンダ、緩衝体を有するピストンの製造方法、緩衝
体を有するシリンダカバーの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】流体圧を利用した各種のシリンダにおい
ては、ストロークエンドに到ったピストンの慣性エネル
ギーを適当に吸収することによって、同ピストンがシリ
ンダカバーに与える衝撃を緩衝する必要がある。ゆえ
に、従来より衝撃緩衝機構付きのシリンダがいくつか提
案されている。
【0003】この種の従来装置の一例を図10に示す。
同図に示された流体圧シリンダ81では、シリンダチュ
ーブ82の両端が金属製のシリンダカバー83で閉塞さ
れている。シリンダチューブ82内には、片面にロッド
84が連結された金属製のピストン85が摺動可能に収
容されている。同ピストン85は、シリンダ81内を2
つの圧力作用室に区画する。ピストン85の端面とシリ
ンダカバー83の内端面との間には、緩衝体としてのゴ
ムクッション86が配設されている。前記ゴムクッショ
ン86は弾性体であって、環状基部86aと環状のリッ
プ部86bとを備えている。環状基部86aは中心部に
貫通孔を有し、その一方の端面にはリップ部86bが形
成されている。リップ部86bは通常の状態において環
状基部86aの端面から捲れ上がっており、両者86
a,86b間の切れ込み88は開いている。また、ゴム
クッション86を構成する環状基部86aの他端面側は
ピストン85の端面に対向して配置されており、かつ当
該部分に対して接着剤を用いることなく遊嵌されてい
る。
【0004】従って、ポート87を介して圧力作用室に
エアを供給した場合には、ピストン85がいずれかの方
向に移動する結果、ゴムクッション86にシリンダカバ
ー83が当接する。すると、図11に示されるように、
シリンダ81内にはエア溜まりS1 が形成される。ピス
トン85がストロークエンドに近づくと、まずリップ部
86bに弾性変形が生じる。その結果、リップ部86b
の捲れ上がりが解消され、リップ部86bが環状基部8
6aの端面に押し付けられる。ピストン85がさらにス
トロークエンドに近づくと、今度はピストン85によっ
てゴムクッション86が全体的に圧縮され、最終的には
ピストン85が停止する。
【0005】なお、エア溜まりS1 の容積はピストン8
5がストロークエンドに近づくに従って小さくなる。ゆ
えに、その内部にあるエアは徐々に圧縮状態となり、そ
れに伴ってピストン85に対する抗力も増加する。従っ
て、このシリンダ81では、ゴムクッション86の弾性
復帰力に加え、エア溜まりS1 内のエアの圧力上昇によ
る抗力が作用することによって、ピストン85の衝撃が
緩衝される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のこの
種の流体圧シリンダ81では、ゴムクッション86は、
ピストン85やロッド84に対して単に遊嵌させること
により取り付けられていた。このため、ゴムクッション
86とクッション取付面との界面におけるシール性が充
分ではなかった。ゆえに、リップ部86bの弾性変形が
ある程度進行して弾性復帰力が増加するまでの間は、前
記界面を介してエア溜まりS1 側から開放領域側にエア
が回り込んで抜け出しやすかった(図11の矢印A1 参
照)。従って、エア溜まりS1 内の圧力上昇による抗力
を速やかに得ることができず、衝撃緩衝能を高くするこ
とができないという欠点があった。
【0007】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、シール性の改善により衝撃緩衝能
に優れた緩衝機構付き流体圧シリンダを提供することに
ある。
【0008】また、本発明の別の目的は、上記の優れた
緩衝機構付き流体圧シリンダの製造に適した、緩衝体を
有するピストンの製造方法及び緩衝体を有するシリンダ
カバーの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、シリンダ内部に区画
される圧力作用室内への流体の給排に基づいて駆動され
るピストンとシリンダカバーとの間に弾性を有する環状
の緩衝体を配設し、その緩衝体が形成する流体溜まり内
の流体の抗力と同緩衝体自身の弾性復帰力とにより、前
記ピストンの衝撃が緩衝される流体圧シリンダにおい
て、前記緩衝体は前記圧力作用室を区画している区画部
材に取り付けられ、前記区画部材と前記緩衝体との界面
には前記流体溜まりの内外を隔てる環状密着部が設けら
れていることを特徴とする緩衝機構付き流体圧シリンダ
をその要旨とする。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、前記環状密着部は、前記区画部材に形成された環状
溝内に前記緩衝体における被保持部を隙間なく密着した
状態で保持させてなるものであるとした。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項2におい
て、前記環状溝は前記ピストンの端面または前記シリン
ダカバーの内端面に形成されているとした。請求項4に
記載の発明は、請求項2または3において、前記環状溝
は開口部が窄まった断面形状を有しているとした。
【0012】請求項5に記載の発明は、緩衝体の外部形
状に対応する形状の成形凹部を有する成形型に、あらか
じめ環状溝が形成されたピストンを配置した後、前記成
形凹部内に未硬化の緩衝体形成用の樹脂材料を充填し、
さらにその樹脂材料を硬化させることを特徴とする、緩
衝体を有するピストンの製造方法をその要旨とする。
【0013】請求項6に記載の発明は、緩衝体の外部形
状に対応する形状の成形凹部を有する成形型に、あらか
じめ環状溝が形成されたシリンダカバーを配置した後、
前記成形凹部内に未硬化の緩衝体形成用の樹脂材料を充
填し、さらにその樹脂材料を硬化させることを特徴とす
る、緩衝体を有するシリンダカバーの製造方法をその要
旨とする。
【0014】以下、本発明の「作用」について説明す
る。請求項1〜4に記載の発明によると、環状密着部に
より流体溜まりの内外が隔てられているため、流体溜ま
り内の流体が衝撃緩衝時に区画部材と緩衝体との界面を
介して圧力作用室内の開放領域へ漏れ出すことがない。
このため、区画部材と緩衝体との界面のシール性が改善
され、流体溜まり内の流体の圧力上昇による抗力を速や
かに得ることができる。よって、衝撃緩衝能に優れたも
のとすることができる。
【0015】請求項2に記載の発明によると、環状密着
部が入り組んだ構造になるため、区画部材に対する緩衝
体の取り付け状態が改善され、区画部材からの緩衝体の
脱落が確実に防止される。
【0016】請求項3に記載の発明によると、ピストン
の端面またはシリンダカバーの内端面に緩衝体が形成さ
れることになるため、流体圧シリンダの組み付け時に予
想される困難性も小さい。よって、製造の容易な流体圧
シリンダを得ることができる。
【0017】請求項4に記載の発明によると、環状密着
部がよりいっそう入り組んだ構造になるため、区画部材
に対する緩衝体の取り付け状態がさらに改善され、区画
部材からの緩衝体の脱落がより確実に防止される。
【0018】請求項5に記載の発明によると、成形凹部
内に樹脂材料を充填すると、その樹脂材料は流動して環
状溝を完全にかつ隙間なく埋め尽くす。この状態で樹脂
材料を硬化させれば、所望形状の緩衝体を形成すること
ができる。また、前記緩衝体は環状溝内にある部分を被
保持部としてピストンに取り付けられた状態となり、し
かも緩衝体とピストンとの界面には上述した環状密着部
が形成された状態となる。以上のように、本発明によれ
ば緩衝体を有するピストンを簡単にかつ確実に製造する
ことができる。
【0019】請求項6に記載の発明によると、成形凹部
内に樹脂材料を充填すると、その樹脂材料は流動して環
状溝を完全にかつ隙間なく埋め尽くす。この状態で樹脂
材料を硬化させれば、所望形状の緩衝体を形成すること
ができる。また、前記緩衝体は環状溝内にある部分を被
保持部としてシリンダカバーに取り付けられた状態とな
り、しかも緩衝体とシリンダカバーとの界面には上述し
た環状密着部が形成された状態となる。以上のように、
本発明によれば緩衝体を有するシリンダカバーを簡単に
かつ確実に製造することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態の緩衝機構付き流体圧シリンダ1を図1〜図4に基
づき詳細に説明する。
【0021】図1に示されるように、本実施形態の流体
圧シリンダ1を構成するシリンダチューブ2は、円筒状
の金属製部材である。このシリンダチューブ2の開口部
のうち、図1の右側の開口部は、シリンダカバーとして
のヘッドカバー5によって閉塞されている。また、図1
の左側の開口部は、シリンダカバーとしてのロッドカバ
ー6によって閉塞されている。本実施形態では、これら
のカバー5,6はともに金属製である。
【0022】ヘッドカバー5の内端面には、シリンダチ
ューブ2の開口部に嵌合可能な大きさをした円形状の嵌
合凸部7が突設されている。同ヘッドカバー6の外周面
には、第1の流体給排用のポート3が形成されている。
このポート3は、流体流路8を介して嵌合凸部7の中央
部にある凹部9に連通している。
【0023】同様に、ロッドカバー6の内端面には円形
状の嵌合凸部7が突設され、ロッドカバー6の外周面に
は第2の流体給排用ポート4が形成されている。このポ
ート4は、流体流路10を介して、嵌合凸部7の中央部
を貫通するロッド挿通孔11の部分に連通している。
【0024】シリンダチューブ2内に形成された内部空
間には、金属製のピストン15がチューブ長手方向に沿
って摺動可能に収容されている。このピストン15の中
心部にはロッド固定用孔が透設されており、金属製のロ
ッド16の右端はその孔に対して螺着されている。シリ
ンダ1の内部空間は、このピストン15の存在によって
2つの圧力作用室17,18に区画されている。具体的
にいうと、ヘッド側圧力作用室17は、ヘッドカバー5
の内端面、シリンダチューブ2の内周面及、ストン15
の右端面及びロッド16の右端面によって、即ち複数の
部材によって区画されている。このようなヘッド側圧力
作用室17には、第1のポート3を介して流体としての
エアが給排される。ロッド側圧力作用室18は、ロッド
カバー6の内端面、シリンダチューブ2の内周面、ピス
トン15の左端面及びロッド16の周面によって、即ち
複数の部材によって区画されている。このようなロッド
側圧力作用室18には、第2のポート4を介してエアが
給排される。
【0025】ピストン15に連結されたロッド16の左
端は、ロッドカバー6に設けられたロッド挿通孔11を
貫通してシリンダチューブ2の外部に突出している。こ
のロッド挿通孔11の内壁面には、ロッド16との摺動
抵抗の低減を図るための軸受け部19となる領域が設け
られている。また、前記軸受け部19となる領域よりも
外側の領域にはパッキン装着凹部が設けられており、そ
の中には環状のロッドパッキン20が装着されている。
そして、このロッドパッキン20によって、ロッド16
の周面とロッド挿通孔11の内壁面とのシールが図られ
ている。また、シリンダチューブ2の内周面に対して摺
接するピストン15の周面にも、断面楕円形状をしたシ
ール部材としてのピストンパッキン14が装着されてい
る。
【0026】図1等に示されるように、このシリンダ1
は、圧力作用室17,18内に緩衝体としてのゴムクッ
ション21を備えている。圧力作用室17,18内にお
いてゴムクッション21は、圧力作用室17,18を区
画している区画部材(具体的にはピストン15)に取り
付けられている。なお、前記ゴムクッション21は、1
つの圧力作用室17,18内に1つずつ存在する。
【0027】本実施形態で使用されているゴムクッショ
ン21は、クッションとしての好適な弾性を有してお
り、具体的にはウレタンゴム製である。ウレタンゴムの
他にも、例えばNBR,HNBR,フッ素ゴム等のゴム
の選択が可能である。
【0028】このゴムクッション21は、環状基部22
とリップ部23と被保持部24とを備えている。環状基
部22は中心部に貫通孔を有している。リップ部23も
環状であって、環状基部22の片側面に一体的に設けら
れている。環状基部22においてリップ部23がある側
の面を、ゴムクッション21における自由端面E1 と定
義する。その反対側の面を、ゴムクッション21におけ
る固定端面E2 と定義する。環状基部22とリップ部2
3との間には、外周面から径方向に沿って延びる切れ込
み25が存在する。応力無付加時においては、このリッ
プ部23は環状基部22から捲れ上がっている。被保持
部24は、ゴムクッション21における固定端面E2 の
外周部に一体的に設けられている。この被保持部24は
環状であって、断面略L字状である。
【0029】図1等に示されるように、区画部材として
のピストン15は環状溝13を備えている。これらの環
状溝13は、ピストン14の両端面における外周部にそ
れぞれ形成されている。環状溝13は開口部が窄まった
断面形状を有している。具体的にいうと本実施形態で
は、環状溝13の断面形状は被保持部24と同じく略L
字状である。ゴムクッション21の被保持部24は、環
状溝13内に保持されている。環状溝13と被保持部2
4との間には隙間がなく、両者13,24は密着してい
る。その結果、ピストン15の両端面に対してそれぞれ
ゴムクッション21が取り付けられている。そして、環
状溝13と被保持部24とにより、後述する環状密着部
が構成されている。
【0030】ゴムクッション21を有するピストン15
は、例えば次のような手順により製造されることができ
る。まず、金属材料を用いてピストン15を金型成形す
るとともに、両端面の外周部にあらかじめ環状溝13を
形成しておく。環状溝13はピストン15の金型成形時
に同時に形成されてもよく、金型成形後の研削加工など
によって別個に形成されてもよい。本実施形態では後者
の方法を採用している。
【0031】次に、図2,図3に示されるような緩衝体
製造用の成形型26を用意する。本実施形態の成形型2
6は、複数の部材(第1部材26aが2つ,第2部材2
6bが1つ)からなる。また、前記第1部材26a及び
第2部材26bは、さらに真ん中で2つに分割可能に構
成されている。これらを分割可能に構成したのは、リッ
プ部23の型抜きの際の便宜を図るためである。第1部
材26aはピストン15の両端面に対向して配置され
る。第1部材26aの内壁面には成形凹部28が形成さ
れている。その成形凹部28は、形成されるべきゴムク
ッション21の外部形状に対応する形状を有する。第1
部材26aは、成形凹部28に連通するランナー27を
備えている。一方、第2部材26bは2つの第1部材2
6a間にあり、ピストン15の外周面に対向して配置さ
れる。
【0032】これらの部材26a,26bを組み合わせ
た場合、成形型26の内部にはピストン15を収容する
ことが可能な成形空間が区画される。図3には、このよ
うな成形空間内にピストン15を収容した状態が示され
ている。この状態で、未硬化の緩衝体形成用の樹脂材料
R1 をランナー27を介して圧入することにより、成形
凹部28内に樹脂材料R1 を充填する(図3参照)。そ
して、充填された樹脂材料R1 を硬化させた後、各部材
26a,26bを径方向に分割することにより、型抜き
を行う。以上の結果、所望のゴムクッション21を両端
面に有するピストン15を得ることができる。
【0033】次に、上記のように構成された流体圧シリ
ンダ1の動作を説明する。ヘッド側のストロークエンド
にピストン15がある状態で第1のポート3にエアを供
給すると、ヘッド側の圧力作用室17内にはエアが導入
され、同室17内の圧力が上昇する。すると、ピストン
15及びロッド16がロッド側(即ち図1の左側)の方
向に移動するとともに、ロッド側の圧力作用室18内の
エアが第2のポート4を介して外部に排出される。
【0034】また、ロッド側のストロークエンドにピス
トン15がある状態で第2のポート4にエアを供給する
と、ロッド側の圧力作用室18内にはエアが導入され、
同室18内の圧力が上昇する。すると、ピストン15及
びロッド16がヘッド側(即ち図1の右側)の方向に移
動するとともに、ヘッド側の圧力作用室17内のエアが
第1のポート3を介して外部に排出される。
【0035】以下、ピストン15が右側方向に移動する
場合を例にとって説明する。ピストン15がヘッド側の
ストロークエンド付近にまで到達すると、ヘッドカバー
5の内端面にゴムクッション21のリップ部23が当接
し、ヘッド側の圧力作用室17内が2つの空間に区画さ
れる(図4(a) 参照)。そのうちの1つはゴムクッショ
ン21の自由端面E1 に区画される空間であって、その
空間は第1のポート3側に連通している。即ち、この空
間は開放された空間である。残りの1つはゴムクッショ
ン21の外周面側に区画される空間であって、その空間
は第1のポート3側とは非連通の状態になる。後者の空
間は、具体的にはゴムクッション21の外周面、シリン
ダチューブ2の内周面、ピストン15の右端面及びヘッ
ドカバー5の内端面によって区画され、その中には流体
としてのエアが密閉される。以下、後者の空間のことを
エア溜まりS1 と呼ぶ。この場合、ピストン15とゴム
クッション21との界面にある環状密封部、即ち前記環
状溝13及び被保持部24の存在によって、エア溜まり
S1 の内外が隔てられる。
【0036】ピストン15がさらにロッド側ストローク
エンドに近づくと、ピストン15の推力を受けることに
よりゴムクッション21に弾性変形が生じる。即ち、リ
ップ部23がその付け根部分を中心として環状基部22
側に変位し、リップ部23の捲れ上がりが解消される。
そして、リップ部23が環状基部22に押し付けられ
る。このとき、弾性体であるゴムクッション21には、
自身の弾性変形を解消させようとするような弾性復帰力
が生まれる。そして、この弾性復帰力がピストン15を
ストロークの反対方向に押し戻そうとする。
【0037】また、エア溜まりS1 の容積はピストン1
5がストロークエンドに近づくに従って小さくなる。ゆ
えに、その内部にあるエアは徐々に圧縮状態となり、そ
れに伴ってピストン15をストロークの反対方向へ押し
戻そうとする抗力も増加する。従って、このシリンダ1
では、ゴムクッション21の弾性復帰力に加え、エア溜
まりS1 のエアの圧力上昇による抗力が作用する。この
2つの力が作用することにより、ピストン15の慣性エ
ネルギーが吸収され、もって衝撃の緩衝が図られる。そ
の結果、図4(b)に示されるようにピストン15がロ
ッド側ストロークエンドにて停止する。
【0038】以下、本実施形態において特徴的な作用効
果を列挙する。 (イ)この流体圧シリンダ1では、ゴムクッション21
は圧力作用室17,18を区画しているピストン15に
取り付けられている。そして、ピストン15の両端面と
ゴムクッション21の固定端面E2 との界面には、エア
溜まりS1 の内外を隔てる環状密着部が設けられてい
る。従って、エア溜まりS1 内のエアは、衝撃緩衝時に
前記界面を介して圧力作用室17,18内の開放領域へ
漏れ出すことがない。このため、ピストン15とゴムク
ッション21との界面のシール性が改善され、エア溜ま
りS1 内のエアの圧力上昇による抗力を速やかに得るこ
とができる。よって、衝撃緩衝能に優れた流体圧シリン
ダ1とすることができる。
【0039】(ロ)この流体圧シリンダ1では、ピスト
ン15に形成された環状溝13内に被保持部24を隙間
なく密着した状態で保持させてなる環状密着部を設けて
いる。このようにすると、環状密着部が入り組んだ構造
になるため、ピストン15の両端面に対するゴムクッシ
ョン21の取り付け状態が改善される。特に本実施形態
では、開口部が窄まった断面形状である略L字状の断面
形状を環状溝13に採用しているので、ゴムクッション
21の取り付け状態が極めて高くなっている。ゆえに、
ピストン15からのゴムクッション21の脱落を確実に
防止することができる。
【0040】(ハ)この流体圧シリンダ1では、ピスト
ン15の両端面に環状溝13を形成したことから、当該
面をクッション取付面としてゴムクッション21が形成
される。かかる構成であると、流体圧シリンダ1の組み
付け時にゴムクッション21が邪魔になることもなく、
組み付け時に予想される困難性も小さい。よって、製造
の容易な流体圧シリンダ1を得ることができる。
【0041】(ニ)本実施形態では、ゴムクッション2
1を両端面に有するピストン15を上記の製造方法によ
って得ている。この方法では、成形凹部28内に樹脂材
料R1 を充填すると、その樹脂材料R1 は流動して環状
溝13を完全にかつ隙間なく埋め尽くす。この状態で樹
脂材料R1 を硬化させれば、所望形状のゴムクッション
21を形成することができる。また、ゴムクッション2
1は、環状溝13内にある部分を被保持部24としてピ
ストン15に取り付けられた状態となる。しかも、ゴム
クッション21とピストン15との界面には、上述した
環状密着部が形成された状態となる。以上のように、本
実施形態の製造方法によれば、ゴムクッション21を両
端面に有するピストン15を簡単にかつ確実に製造する
ことができる。それゆえ、かかる製造方法は、図1の緩
衝機構付き流体圧シリンダ1の製造に極めて適してい
る。
【0042】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ことはなく、例えば次のような別の形態に変更すること
が可能である。 ◎ 図5に示される別例の流体圧シリンダ31のように
構成してもよい。この流体圧シリンダ31のゴムクッシ
ョン32は、固定端面E2 の外周部がストローク方向に
向かっていくぶん浮き上がるように形成されている。ゆ
えに、被保持部24及び環状溝13は、実施形態に比べ
て内周部寄りの箇所に設けられている。それ以外の構成
については、別例のゴムクッション32と実施形態のゴ
ムクッション21とで本質的な差異はない。従って、図
5の流体圧シリンダ31も実施形態と同様の作用効果を
奏する。また、環状基部22を浮かせて配置したこの構
成であると、大きなクッションストロークが確保される
ので、衝撃緩衝能をより高くすることができる。
【0043】◎ 図6に示される別例の流体圧シリンダ
41のように構成してもよい。この流体圧シリンダ41
のピストン15の左端面には、実施形態のゴムクッショ
ン21と同一のものが取り付けられている。同ピストン
15の右端面には、前記ゴムクッション21と構成が若
干異なるゴムクッション21Aが取り付けられている。
即ち、このゴムクッション21Aは、環状基部22の代
わりに非環状の円板状基部42が用いられている点のみ
において実施形態と相違する。従って、ピストン15の
右端面は実施形態のような段付き形状である必要はな
く、フラットに形成されている。上記の点を除いては実
施形態の構成と本質的な差異はないので、図6の流体圧
シリンダ41も実施形態と同様の作用効果を奏する。ま
た、この構成であるとピストン15が単純な形状で足り
るため、ピストン15の製造が簡単になり、製造コスト
の低減につながる。
【0044】◎ 図7に示される別例の流体圧シリンダ
51のように構成してもよい。この流体圧シリンダ51
は、環状溝53がピストン15の周面に形成されている
点で実施形態と相違している。従って、ゴムクッション
52,52Aの被保持部24も、それに対応した形状に
形成されている。つまり、前記被保持部24は、環状基
部22または円板状基部42の外周側から延びてピスト
ン15の周面に回り込んでいる。このような構成であっ
ても、シール性の改善による衝撃緩衝能の向上という、
実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0045】◎ ゴムクッション21は、ピストン15
以外の区画部材に取り付けられてもよい。例えば、図8
に示される別例の流体圧シリンダ61では、ヘッドカバ
ー5の内端面及びロッドカバー6の内端面に、それぞれ
環状溝13が形成されている。そして、これらの環状溝
13に被保持部24を保持させることにより、ゴムクッ
ション62が両カバー5,6に取り付けられている。こ
のゴムクッション62は中心孔の径が実施形態のゴムク
ッション21に比べてやや大きく、この点を除いては同
ゴムクッション21の構成と本質的な差異はない。図8
の別例において、ゴムクッション62を有するシリンダ
カバー5,6を製造する手順は、実施形態の方法に準ず
るものとなる。つまり、専用の成形型を用意してその内
部にピストン15に代えてシリンダカバー5,6を配置
した後、樹脂材料R1 の充填・硬化を実施すればよい。
【0046】また、図示はしないがゴムクッションをシ
リンダチューブ2の内周面に取り付ける構成を採用する
ことも可能である。この場合においても、ゴムクッショ
ンを有するシリンダチューブ2を製造する手順は、実施
形態の方法に準ずるものとなる。つまり、専用の成形型
を用意してその内部に環状溝13をあらかじめ形成した
シリンダチューブ2を配置した後、樹脂材料R1 の充填
・硬化を実施すればよい。ただし、製造の容易さや組み
付けの容易さを考えると、やはり実施形態のようにゴム
クッション21をピストン15に設ける構成のほうが有
利である。
【0047】◎ 図9に示される別例の流体圧シリンダ
71のように構成してもよい。この流体圧シリンダ71
に使用されているゴムクッション72は、被保持部24
が形成されていない点が実施形態のゴムクッション21
と異なっている。従って、ゴムクッション72の固定端
面E2 はフラットになっている。ゴムクッション72の
固定端面E2 及び内周面と区画部材であるピストン15
との界面は、環状に塗布された接着剤73を介して接着
されている。その結果、この流体圧シリンダ71におい
ても、両者15,72の界面にエア溜まりS1 の内外を
隔てる環状密着部が設けられている。よって、シール性
の改善により衝撃緩衝能の向上が図られている。
【0048】◎ 実施形態のようにゴムクッション21
を2つともピストン15側に設けた構成や、図8の別例
のようにゴムクッション62を2つともカバー5,6側
に設けた構成に限定されることはない。例えば、ゴムク
ッションの一方をカバー5,6側に設け、他方をピスト
ン15側に設けた構成としても勿論よい。
【0049】◎ ゴム以外の合成樹脂を使用することに
よって、弾性を有する緩衝体を形成してもよい。 ◎ 実施形態等において環状溝13の断面形状は、断面
略L字以外のものであって開口部が窄まった形状、例え
ば断面略逆T状などに変更されることが可能である。ま
た、必ずしも環状溝13は窄まったものでなくてもよ
い。
【0050】◎ 上述したピストン15の製造方法、シ
リンダカバー5,6の製造方法、シリンダチューブ2の
製造方法によって得られるゴムクッションは、リップ部
23を備えるもののみに限定されない。また、これらの
製造方法は、エア溜まりS1の内外を隔てる環状密着部
が設けられている本発明の流体圧シリンダ1〜71の製
造ばかりでなく、かかる環状密着部が設けられていない
流体圧シリンダの製造にも利用されることができる。
【0051】ここで、特許請求の範囲に記載された技術
的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される
技術的思想をその効果とともに以下に列挙する。 (1) 請求項2において、前記環状溝は前記ピストン
の周面に形成されていることを特徴とする緩衝機構付き
流体圧シリンダ。この構成であると衝撃緩衝能の向上を
図ることができる。
【0052】(2) 請求項4,技術的思想1におい
て、前記環状溝は断面略L字状であることを特徴とする
緩衝機構付き流体圧シリンダ。この構成であると衝撃緩
衝能の向上を図ることができる。
【0053】(3) 請求項1乃至4、技術的思想1,
2のいずれか1項において、前記緩衝体は、環状基部の
片側面に環状のリップ部を捲れ上がらせるように形成し
たものであることを特徴とする緩衝機構付き流体圧シリ
ンダ。この構成であると衝撃緩衝能の向上を図ることが
できる。
【0054】(4) シリンダ内部に区画される圧力作
用室内への流体の給排に基づいて駆動されるピストンと
シリンダカバーとの間に弾性を有する環状の緩衝体を配
設し、その緩衝体が形成する流体溜まり内の流体の抗力
と同緩衝体自身の弾性復帰力とにより、前記ピストンの
衝撃が緩衝される流体圧シリンダにおいて、前記緩衝体
は前記圧力作用室を区画している区画部材に取り付けら
れ、前記区画部材と前記緩衝体との界面は環状に塗布さ
れた接着剤を介して接着されていることを特徴とする緩
衝機構付き流体圧シリンダ。この構成であると、シール
性の改善により衝撃緩衝能に優れた流体圧シリンダを提
供することができる。
【0055】(5) 緩衝体の外部形状に対応する形状
の成形凹部を有する成形型に、あらかじめ環状溝が形成
されたシリンダチューブを配置した後、前記成形凹部内
に未硬化の緩衝体形成用の樹脂材料を充填し、さらにそ
の樹脂材料を硬化させることを特徴とする、緩衝体を有
するシリンダチューブの製造方法。この方法によると、
緩衝体を有するシリンダチューブを簡単にかつ確実に製
造できるため、上記の優れた緩衝機構付き流体圧シリン
ダの製造に適したものとすることができる。
【0056】なお、本明細書中において使用した技術用
語を次のように定義する。 「流体: シリンダを駆動するために給排される窒素、
酸素、二酸化炭素、アルゴン、水素、それらの混合物で
ある空気などといった気体、その他これらに準ずる性質
を有する物質をいう。」
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜4に記
載の発明によれば、シール性の改善により衝撃緩衝能に
優れた緩衝機構付き流体圧シリンダを提供することがで
きる。
【0058】請求項2に記載の発明によれば、区画部材
からの緩衝体の脱落を確実に防止することができる。請
求項3に記載の発明によれば、流体圧シリンダの製造の
容易化を図ることができる。
【0059】請求項4に記載の発明によると、区画部材
からの緩衝体の脱落をより確実に防止することができ
る。請求項5に記載の発明によれば、上記の優れた緩衝
機構付き流体圧シリンダの製造に適した、緩衝体を有す
るピストンの製造方法を提供することができる。
【0060】請求項6に記載の発明によれば、上記の優
れた緩衝機構付き流体圧シリンダの製造に適した、緩衝
体を有するシリンダカバーの製造方法を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の緩衝機構付き流体圧シリンダの断面
図。
【図2】ゴムクッションを有するピストンの製造手順を
説明するための断面図。
【図3】ゴムクッションを有するピストンの製造手順を
説明するための断面図。
【図4】(a),(b)は同流体圧シリンダのゴムクッ
ションを示す要部拡大断面図。
【図5】別例の流体圧シリンダの部分断面図。
【図6】別例の流体圧シリンダの部分断面図。
【図7】別例の流体圧シリンダの部分断面図。
【図8】別例の流体圧シリンダの部分断面図。
【図9】別例の流体圧シリンダのゴムクッションの部分
拡大断面図。
【図10】従来例の緩衝機構付き流体圧シリンダの部分
断面図。
【図11】同流体圧シリンダのゴムクッションの要部拡
大断面図。
【符号の説明】
1,31,41,51,61,71…緩衝機構付き流体
圧シリンダ、2…区画部材としてのシリンダチューブ、
5…区画部材としてのヘッドカバー、6…区画部材とし
てのロッドカバー、13,53…環状密着部を構成する
環状溝、15…区画部材としてのピストン、17,18
…圧力作用室、21,21A,32,52,52A,6
2,72…緩衝体としてのゴムクッション、24…環状
密着部を構成する被保持部、26…成形型、28…成形
凹部、73…環状密着部を構成する接着剤、S1 …流体
溜まりとしてのエア溜まり、R1 …樹脂材料。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ内部に区画される圧力作用室内へ
    の流体の給排に基づいて駆動されるピストンとシリンダ
    カバーとの間に弾性を有する環状の緩衝体を配設し、そ
    の緩衝体が形成する流体溜まり内の流体の抗力と同緩衝
    体自身の弾性復帰力とにより、前記ピストンの衝撃が緩
    衝される流体圧シリンダにおいて、 前記緩衝体は前記圧力作用室を区画している区画部材に
    取り付けられ、前記区画部材と前記緩衝体との界面には
    前記流体溜まりの内外を隔てる環状密着部が設けられて
    いることを特徴とする緩衝機構付き流体圧シリンダ。
  2. 【請求項2】前記環状密着部は、前記区画部材に形成さ
    れた環状溝内に前記緩衝体における被保持部を隙間なく
    密着した状態で保持させてなるものであることを特徴と
    する請求項1に記載の緩衝機構付き流体圧シリンダ。
  3. 【請求項3】前記環状溝は前記ピストンの端面または前
    記シリンダカバーの内端面に形成されていることを特徴
    とする請求項2に記載の緩衝機構付き流体圧シリンダ。
  4. 【請求項4】前記環状溝は開口部が窄まった断面形状を
    有していることを特徴とする請求項2または3に記載の
    緩衝機構付き流体圧シリンダ。
  5. 【請求項5】緩衝体の外部形状に対応する形状の成形凹
    部を有する成形型に、あらかじめ環状溝が形成されたピ
    ストンを配置した後、前記成形凹部内に未硬化の緩衝体
    形成用の樹脂材料を充填し、さらにその樹脂材料を硬化
    させることを特徴とする、緩衝体を有するピストンの製
    造方法。
  6. 【請求項6】緩衝体の外部形状に対応する形状の成形凹
    部を有する成形型に、あらかじめ環状溝が形成されたシ
    リンダカバーを配置した後、前記成形凹部内に未硬化の
    緩衝体形成用の樹脂材料を充填し、さらにその樹脂材料
    を硬化させることを特徴とする、緩衝体を有するシリン
    ダカバーの製造方法。
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