JPH10299975A - 電気融着継手およびその製造方法 - Google Patents

電気融着継手およびその製造方法

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JPH10299975A
JPH10299975A JP9168663A JP16866397A JPH10299975A JP H10299975 A JPH10299975 A JP H10299975A JP 9168663 A JP9168663 A JP 9168663A JP 16866397 A JP16866397 A JP 16866397A JP H10299975 A JPH10299975 A JP H10299975A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】インナーを用いず、コアの外周面に直接電熱線
を巻いたコアを用いて射出成形しても電熱線の移動が生
じず、規定の適正間隔で配設されて電気的ショートが生
じず、しかも接続樹脂管への伝熱効率が良く、電熱線へ
の通電融着時間が短縮される電気融着継手、およびこの
電気融着継手の製造方法を提供する。 【解決手段】熱可塑性樹脂を射出成形して継手本体の内
周部に電熱線を埋設した電気融着継手において、電熱線
は一部を継手本体内周面に露出させて埋設し、内周面に
埋設部と露出部を交互に設ける。また継手本体を形成す
る金型内に、継手本体の内周部を形成する電熱線を巻回
したコアを装着する。コアは電熱線の巻回し用溝を形成
して軸線方向に延びる可動片をコア本体と軸線方向相対
移動可能に、コア本体外周上に複数個所装着した可動片
付コアを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエチレン管等の
熱可塑性樹脂管を融着するのに使用される内周面に電熱
線を埋設した電気融着継手とその製造方法に関するもの
で、詳しくは金型内に装着して継手内周部を形成するコ
アの外周面に、直接電熱線を巻き付けて射出成形した、
いわゆるインナーを用いない電気融着継手およびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気融着継手は、継手の内周面に接続す
る樹脂管を挿入した後、継手内周面に埋設した電熱線に
通電して発熱させ、樹脂管の外周面と継手の内周面とを
加熱溶融し、両者を一体に溶融接続するものである。こ
の管継手の製造方法としては、例えば特公昭62ー12
437号公報で開示されたごとく、あらかじめ継手本体
の内周面を形成する薄肉円筒状の電熱線巻溝付樹脂製イ
ンナーを形成しておき、このインナーをコア外面に装着
し、インナー外周面の電熱線の巻溝に電熱線を巻いた
後、このインナー付きコアを金型内に装着し、インナー
の外周側に継手本体を形成するアウター溶融樹脂を射出
成形して電気融着継手を得る製造方法がある。この方法
では上記アウターの射出成形時でも電熱線はインナーの
巻溝内に巻かれているため、電熱線が移動せず、継手内
周面に均一に埋設巻線された電気融着継手が得られる。
しかし樹脂製インナーを前もって用意しておかねばなら
ないので製造上煩雑である。またインナーの外面にアウ
ターの溶融樹脂を射出成形する際、インナーの肉厚が薄
く形成されているため、アウターの溶融樹脂による射出
圧と熱によってインナーが溶融し、インナーの巻溝に巻
いた電熱線が移動して電熱線同志が重なり、通電融着時
に電熱線が短絡して正常な融着が行なえない問題があっ
た。
【0003】また別の製造方法として特開平2ー305
17号公報で開示された図16に示すごとく、上記のイ
ンナーを用いず、継手の内周面を形成するためのコアの
外周面に直接、樹脂被覆した電熱線を巻いて金型内に装
着し、この樹脂被覆電熱線の外面に溶融樹脂を射出成形
し、継手の内周面が樹脂被覆電熱線の樹脂によって形成
されると共に電熱線が埋設された電気融着継手を得る、
いわゆる前記のインナーを用いない電気融着継手の製造
方法がある。このインナーなしの製造方法は図16で示
すように、中央部で分割嵌合した中実コア5、5の平坦
な外周面に樹脂被覆電熱線3を巻き付け、電熱線3の端
部はターミナルピン4に接続し、これを金型7内にセッ
トして継手本体を射出成形し、射出成形した後の成形品
を金型7から取り出し、コア5を成形品から軸線方向に
引き抜いて外し、内周面に樹脂被覆電熱線3を埋設した
電気融着継手を得ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記インナーを用いな
い従来の電気融着継手およびその製造方法では、コア5
の外周面に巻かれた樹脂被覆電熱線3が、金型7内に射
出成形する際の溶融樹脂の熱と射出圧力によってコア5
の平坦な外周面上を移動し、成形後の電熱線3の巻線間
隔が不揃いになったり、継手内周面の正しい融着位置に
電熱線3が埋設配置されていなかったりする。このため
継手内の電熱線に通電して管と融着接続する際、継手本
体の電熱線巻線間隔が密な個所で電熱線同志が電気的に
ショートを起こして正常な通電が行な得ず、正常に加熱
されずに融着出来ない不良品が生じる問題があった。こ
のため、上記電熱線3は必ず電気絶縁性を備えた熱可塑
性樹脂で被覆した電熱線を用いて電気的ショートを防止
しなければならず、この樹脂被覆電熱線を用いて成形し
ても、金型内に溶融樹脂を射出成形する際、射出溶融樹
脂の熱と射出圧力によって、電熱線の被覆樹脂が溶融し
て結果的にショートを起こす問題があった。またこの樹
脂被覆電熱線は、線の全長に亘って均一な厚みで樹脂を
被覆することが困難で、このため電熱線から継手内周面
迄の距離が均一にならず、場所によって熱エネルギーの
ばらつきが生じる問題があった。
【0005】また前記インナー有りの電気融着継手にし
てもインナーなしの電気融着継手にしても、継手内周側
の電熱線は継手内周面の樹脂で覆われて埋設されてお
り、従って管と融着時に電熱線の発熱によって、まず継
手本体側の樹脂が加熱され、次いでこの熱が接続樹脂管
の外周面に伝導して両者が溶融される。従って、継手本
体側の樹脂を加熱するだけでも多くの熱エネルギーを必
要とし、管と継手が融着される迄の継手側の加熱時間が
長くなって過度の加熱により継手内電熱線周囲の樹脂が
劣化したり、加熱時間が長くなって継手本体の全体が軟
化変形するなどの問題があった。本発明は、インナーを
用いず、コアの外周面に直接電熱線を巻いたコアを用い
て射出成形しても、電熱線の移動が生じず、規定の適正
間隔で配設されて電気的ショートが生じず、しかも接続
樹脂管への伝熱効率が良く、電熱線への通電融着時間が
短縮される電気融着継手、およびこの電気融着継手を能
率よく製造できる製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、熱可塑
性樹脂を射出成形して継手本体の内周部に電熱線を埋設
した電気融着継手において、前記電熱線は円周上の少な
くとも一部を継手本体内周面に露出させて埋設したこと
を特徴とする電気融着継手である。上記において、電熱
線は継手本体の内周面に円周上埋設して表われる部分と
露出して表われる部分とを交互に設けて埋設するのが好
適である。上記において、電熱線は外周に樹脂を被覆し
てない裸電熱線を用いることができる。また継手本体の
内周面に表われる電熱線の埋設部と露出部の円周上の長
さは60mm迄が適当で、通常20〜40mm程度の長
さで円周上交互に埋設形成される。また上記電熱線の埋
設部は、電熱線の全周を継手本体の樹脂で包んだもので
なくともよく、継手の内周面に電熱線の一部が露出して
見える部分があってもよい。 また上記電熱線の露出部
は、電熱線の全てが露出しているのではなく、電熱線の
内周側が継手本体の内周面に露出しており、外周側の一
部が樹脂内に埋設されて固定されているものがよい。更
に継手本体内周面の電熱線露出部は、軸線方向電熱線と
電熱線との間の継手本体内面を電熱線の内面とほぼ同じ
内周径の内面に設けることができる。また継手本体内面
の融着部と融着部間を連絡する中央部内面の電熱線渡し
部分は、内面に樹脂スリーブを装着して、電熱線を露出
させずに継手本体内に埋設させることができる。
【0007】また、継手本体の外周部を形成する金型内
に、継手本体の内周部を形成する電熱線を巻回したコア
を装着し、この金型内に溶融樹脂を射出成形して継手本
体の内周部に電熱線を埋設した電気融着継手の製造方法
であって、前記コアはコア本体の外周上に、電熱線の巻
回し用溝を形成した軸線方向に延びる可動片をコア本体
と軸線方向及び半径方向に相対移動可能に、コア本体外
周上に複数個所装着した可動片付コアを用い、この可動
片付コアの前記可動片に設けた電熱線巻回し用溝部分と
コア本体の平らな外面部分とに亘って電熱線を巻回して
前記金型内にセットし、該金型内に溶融樹脂を射出成形
し、その後成形品からコア本体を引き抜く際に前記可動
片を軸芯側に縮径移動させて可動片付コアを成形品から
取外し、継手本体の内周部に電熱線の埋設部と露出部を
交互に配設したことを特徴とする電気融着継手の製造方
法である。
【0008】更に、継手本体の外周部を形成する金型内
に、継手本体の内周部を形成する電熱線を巻回したコア
を装着し、この金型内に溶融樹脂を射出成形して継手本
体の内周部に電熱線を埋設した電気融着継手の製造方法
であって、前記コアはコア本体の外周上に、電熱線の巻
回し用溝を形成した軸線方向に延びる可動片をコア本体
と軸線方向相対移動可能に、コア本体外周上に複数個所
装着した可動片付コアを用い、この可動片付コアの前記
可動片に設けた電熱線巻回し用溝部分とコア本体の平ら
な外面部分とに亘って電熱線を巻回して前記金型内にセ
ットし、該金型内に溶融樹脂を射出成形し、その後成形
品からコア本体を引き抜く際に前記可動片を成形品の内
周部に残してコア本体を取出し、その後成形品から可動
片を取外し、継手本体の内周部に電熱線の埋設部と露出
部を交互に配設したことを特徴とする電気融着継手の製
造方法である。上記の各製造方法において、前記コアの
コア本体は中央部で左右に分割してあり、左右のコア本
体外周面に前記可動片が軸線方向にスライドする複数個
所のスライド溝を設けて可動片がコア本体と軸線方向相
対移動自在に装着してある。また上記の各製造方法にお
いて、可動片に設けた電熱線巻回し用溝は、巻溝の底面
がコア本体の外周面とほぼ同じ高さになるように設け、
電熱線をコアに巻いた際、電熱線がコア本体の外周面に
沿って巻かれ可動片の巻溝内に装着されるのがよい。ま
た可動片の巻溝深さは電熱線断面径の略半分迄の深さで
よく、電熱線は樹脂被覆しない裸の電熱線を用いること
ができる。また可動片の電熱線巻回し用溝と溝の間に、
該溝の底面と同じ深さの凹溝を周方向に設けて成形する
ことによって、継手本体電熱線露出部の電熱線と電熱線
の間に電熱線の内面と同じ内周径の継手本体樹脂内面に
設けることができる。更に継手本体内面の融着部と融着
部間を連絡するコア外周面に樹脂スリーブを装着して電
熱線を連絡渡すことにより、融着部を除く部分は継手本
体内に電熱線を埋設することができる。
【0009】
【作用】本発明は上記の構成であって、コアの外周面に
は電熱線の巻回し用溝付きの可動片をコア本体のスライ
ド溝内に軸線方向に相対移動可能に装着してあり、また
この可動片はコア本体の外周上に複数個所設けてあるの
で、この可動片の電熱線巻回し用溝内に沿って電熱線を
巻くことにより、従来の溝付樹脂インナーを用いなくと
も電熱線は可動片の巻溝に合致して規定の適正な間隔で
容易に巻かれ電熱線の配置が固定される。このため電熱
線を巻線した可動片付きコアを金型内にセットしコアの
外面に溶融樹脂が射出されても、射出樹脂圧力による電
熱線の移動が生じず規定の巻線間隔で継手本体が成形さ
れる。樹脂が固化したら、例えば、先に金型内からコア
付きの成形品を取出し、次にコアが成形品から取外され
る。あるいは先にコアが成形品から取り外され、その後
金型内から成形品が取出される。
【0010】この成形品からコアを取り外す際、コアの
コア本体と可動片はスライド溝内に軸線方向に相対移動
自在に装着されており、コア本体は巻溝がない平らな外
周面であるから、まずコア本体が成形品から軸線方向に
引き抜かれる。この時可動片は、電熱線巻溝が成形され
た樹脂や電熱線に係止されて軸線方向には引き抜かれ
ず、コア本体のスライド溝内で相対移動しコア本体のみ
移動する。この際、スライド溝をコア本体の軸芯方向に
順次縮径するように設けておくことによって、コア本体
の引き抜き移動によって可動片がコア本体の軸芯方向に
順次縮径し、可動片が徐々に成形品の電熱線との係止か
ら外れ、可動片もコア本体と共に成形品から取り外せ
る。
【0011】また、成形品からコアを取り外す際、コア
本体と可動片がスライド溝内に軸線方向に相対移動自在
に装着されているので、まずコア本体が成形品から引き
抜かれ、次に成形品の内周面に残った可動片を成形品の
内周側軸芯方向に手動あるいは工具を用いて移動させる
ことにより取り外される。コアが取り外された成形後の
電気融着継手は、成形前に可動片の電熱線巻回し用溝に
巻かれた電熱線部分が電熱線の内周側を巻溝で覆われて
成形されるので、この巻溝に装着された電熱線部分に樹
脂が入り込まず、成形後の継手本体内周面は図9及び図
10に示すように、継手本体内周面に電熱線の内周側が
露出して表われる。またコア本体の平らな円周上に巻か
れた部分の電熱線は、電熱線の周囲を覆わずに成形され
るので、図11乃至図12に示すように継手本体の成形
樹脂で外周囲のほぼ全体が覆われて埋設される。ここで
成形された継手内周面の電熱線埋設部は、可動片の電熱
線巻溝の底面がコア本体の平らな外周面と同程度ないし
は低く形成されていると、電熱線がコア本体の平らな外
周面上と同程度に密着して巻かれて成形されるので、成
形された継手の内周面は図10に示すごとく、電熱線の
周囲のほぼ全部が樹脂で覆われるものの、電熱線の内周
側の一部が継手内周面に露出して表われる。また可動片
の電熱線巻溝の底面がコア本体の外周面より高い状態に
形成されていると、電熱線がコア本体の外周面上より浮
いた状態で巻かれるので、成形後のコア本体上に位置す
る電熱線は、周囲全部が継手本体の樹脂で覆われた埋設
状態に成形される。このように電熱線は可動片の巻溝に
装着して巻かれた状態で射出成形されるので、樹脂圧に
よって電熱線が移動することがなく、コア本体上に巻か
れた電熱線の埋設部分による固定によって規定通りの適
正間隔に巻線された状態を保ち、継手の内周面に配設さ
れる。従って継手の内周面に円周状交互に電熱線の埋設
部と露出部が生じた状態で埋設固定され、巻線間隔が一
定の品質の良い電気融着継手が安定して得られる。
【0012】このようにして得られた電気融着継手は、
従来のように樹脂被覆電熱線を用いなくとも裸電熱線を
用いることができるので容易に安価に製造できる。また
裸電熱線が継手内周面に交互に露出して埋設されるの
で、継手の内周面に挿入した接続樹脂管の表面に近接し
て効率よく加熱する。従って従来の樹脂被覆電熱線を用
いて成形した場合やインナーを用いて継手を成形した場
合よりも、直ちに継手内周面と樹脂管表面との融着界面
を加熱するので、接続樹脂管表面の温度上昇が早く行な
われる。このため電熱線への通電加熱時間が短縮できて
確実な融着が行なえる。また融着界面のみを加熱して余
分な継手本体内部分の加熱が防止される結果、継手本体
部分の軟化変形が防止され、短時間で高い融着強度で仕
上がりのきれいな融着接続が行なえる。また電熱線露出
部の樹脂内面を電熱線の内面と同じ内周径の内面とする
ことにより、電熱線と電熱線間を含む本体内面が同じ内
周面になるので、電熱線周囲に樹脂が設けられる形とな
り、管融着時における管表面との間の空間がなくなり、
熱伝達が確実に行なわれ、スムースな融着が行なえる。
また本体内面の電熱線と電熱線間の窪みの樹脂面にゴミ
等が溜る問題がなくなり、更に融着する前に行なう継手
内周面の汚れ等拭き取り作業も容易に確実に行なえる。
更に継手内面の融着部以外の箇所の電熱線連絡渡し部分
を、樹脂スリーブによって電熱線を確実に樹脂本体内に
埋設できるので、融着部だけを確実に加熱させて融着す
ることができる。
【0013】
【発明の実施形態】以下本発明の実施例を図面に基づい
て説明する。図1は本発明の一実施例を示す金型にセッ
トした状態の断面図で、図2は可動片付きコア14を判
り易く説明する斜視図である。外金型11はその軸芯部
に凹状のキャビティ12と左右にコア保持部13、13
を有し、コア保持部13に可動片付きコア14をセット
してある。可動片付きコア14は、中央部で左右を凹凸
嵌合して組み合わせた円筒状のコア本体15、15と、
コア本体15の外周面に円周上例えば図2、図4では4
個所の軸線方向のスライド溝16を設け、このスライド
溝16に軸線方向スライド移動可能に嵌合した可動片1
7とよりなる。可動片17は外周面に電熱線18を螺旋
状に巻き回し装着するための巻溝19を設けてあり、巻
溝19の底面はコア本体15の外周面とほぼ面一で、溝
19の深さは、通常、電熱線18の断面径の略半分の溝
深さに設けてある。この電熱線巻溝19の深さは、太い
電熱線を用いる場合、また電熱線の巻回し力が強い場合
は、可動片の巻溝19の深さを浅くでき、最小、電熱線
外径の約1/4の深さでも射出成形を正常に行なえる。
この可動片17の端部にピン座20を設けて、ここに電
熱線18の端部と接続して継手外面に突出し外部から電
熱線18に通電するためのコネクターピン21を挿入固
定する。
【0014】コア本体のスライド溝16と可動片17と
の嵌合は、図1のごとくコア本体15の中央側に可動片
が移動できる均一深さのスライド溝16に設けてもよ
く、また図3、図4のごとく、スライド溝16の底面を
コア本体の中央側に向かって順次深く傾斜させて設ける
と共に、このスライド溝16の傾斜移動に沿って可動片
17がコア本体15内に縮径移動するように、可動片1
7との間で外方に分離しないような印ロー部22を形成
して、可動片17をコア本体の中央側にスライド移動可
能に設けてもよい。この場合、コア本体15を金型11
から軸線方向に引き抜くと同時に可動片17が電熱線に
係止されて軸線方向には移動せず、軸芯方向に縮径する
ので、ついには成形品から可動片17の巻溝19の係止
が外れ、コア本体15と共に可動片17も成形品から取
り外せる。尚、コア本体15のみ図示のように左右に分
割し、可動片17は左右のコア本体15のスライド溝1
6、16に亘ってスライド移動する一体の部材で設け、
左右のコア本体15、15を成形品から引き抜いて、そ
の後成形品に残った左右一体の可動片17を軸芯側に縮
径移動させて成形品から取り外してもよい。
【0015】射出成形時においては、可動片17をコア
本体15のスライド溝16にセットし、可動片17の電
熱線巻溝19にコア本体の一端から他端に亘って電熱線
18を巻き、電熱線の端部をコネクターピンに接続し、
コネクターピンは可動片のピン座20にセットされる。
尚図3に示すごとく、コア本体15、15の中央部に樹
脂製スリーブ23を装着した状態で上記電熱線18を巻
くことができる。この場合は成形された継手中央部の電
熱線18は樹脂スリーブ23によって内周面から遠ざか
って埋設配置されるので、継手の融着部以外の内周面近
傍の加熱が確実に防止される。またこの場合、樹脂管を
融着した後は、継手内周面に電熱線18の露出部がなく
なるので、電熱線の露出部から流体が継手内部に浸透す
るような不具合が生じない。このように準備されたコア
14を金型11内にセットして、金型11内のキャビテ
ィ12に射出成形機から溶融樹脂が射出される。射出成
形後、内部の樹脂が冷却したのを見計らって、通常、金
型11からコア14付の状態で成形品が取出される。図
5はこの取出されたコア14付きの成形品を示し、例え
ば図6、図7の順で成形品からコア14が取り外され
る。
【0016】コア本体15部分の外面は電熱線の巻溝1
9がない平らな外周面であり、電熱線の巻溝19を設け
た可動片17とはスライド溝16上をスライドするの
で、可動片17が成形品に係止した状態で、あるいは図
3図4の実施例では印ロー部22が中央側に向かって縮
径しているので、コア本体15の引き抜きと共に可動片
が電熱線に係止された状態で縮径して、ついには成形品
から外れ、左右のコア本体15が可動片17付の状態で
成形品から引き抜かれて図8の電気融着継手30が得ら
れる。また図1の実施例では左右のコア本体15を引き
抜いた後、図7のごとく成形品の内周面に左右の可動片
17、17が係止された状態になるが、残った可動片1
7を軸芯側に外すことにより、図8の電気融着継手が得
られる。尚成形品からのコア14の取外しは、金型11
内で成形品からコア14を取外した後、金型11内から
成形品を取出してもよい。
【0017】この完成した電気融着継手30の内周面
は、図8〜図12に示すごとく内周面の円周上交互に電
熱線18が露出した箇所24と継手本体の樹脂で埋設さ
れた箇所25ができる。図8の電熱線が露出した個所2
4の断面は図9で示し、図2図4等で示す可動片17の
巻溝19に装着して巻かれた部分の電熱線18部分が露
出して表われ、例えば図9のごとく、巻溝19で覆われ
た電熱線18の断面径のほぼ内周側半分が継手内周面に
露出し、外周側半分が継手本体3内に埋設される。ここ
で図13に示す可動片17の巻溝19と巻溝19の間に
巻溝19の底面と同じ深さの凹溝26を周方向に形成す
ることにより、図10で示すごとくの継手内周面電熱線
露出部分の断面形状になる。この場合、電熱線18と電
熱線18との間に継手内周径と同じ内面の本体樹脂内面
に形成されるので、電熱線周りに空間がなくなって樹脂
で連続されるので熱伝達がスムースに行なわれ、空間内
の樹脂面にゴミ等が付着する問題がなくなり、更に融着
前に行なう継手内周面の汚れ等拭き取り作業が容易に行
なえる。図8の電熱線18が埋設された個所25の断面
は図11、図12に示し、コア本体15の平坦な外周面
に電熱線18を巻いた部分が表われる。コア本体の平坦
な外面に密着状態で巻かれると、図11に示すごとく電
熱線18の内周側に樹脂が入り込まないので継手内周面
に電熱線の内周側部分が露出するが、この内周側を除く
ほぼ全周囲が樹脂で覆われて埋設状態になる。また可動
片の巻溝19の底面がコア本体15の外周面より高く形
成されて電熱線18がコア本体の外周面に浮いた状態で
巻かれて成形されると、電熱線18の内周側にも樹脂が
入り込んで成形されるので、図12に示すごとく電熱線
18の全周囲が樹脂で覆われて埋設された状態になる。
この電気融着継手30は、可動片17の巻溝19に装着
されて電熱線の移動が生じない状態で射出成形されるた
め、従来の樹脂被覆電熱線でなく、裸の電熱線18を用
いることができる。また電熱線18の埋設部25はもち
ろんのこと露出部24でも継手本体の成形樹脂によって
固定されているので、樹脂管の挿入時や融着接続時も電
熱線が移動しなく、ショートが生じない。また電熱線1
8の露出部24はもちろんのこと埋設部25でも従来よ
りも継手内周側に挿入した管の外周面に近接して配置さ
れるので、電熱線18の加熱によって継手内周面と管外
周面との融着時の界面が加熱され、融着に不要な継手本
体部分の加熱が生じない。このため、接続樹脂管表面へ
の加熱伝熱効率が良く、従来に比べて短時間で融着強度
の高い融着が行なわれる。なお、電熱線18の露出部2
4及び埋設部25の円周上の長さは、継手の呼び口径大
きさにもよるが、可動片17やスライド溝16の製作上
から、また電熱線18の継手本体内への保持の面から、
60mm程度迄の長さが適当で、通常20〜40mmの
長さで交互に形成される。
【0018】以下、上記のように製造した電気融着継手
について、従来による電気融着継手の比較例と共にその
融着強度を試験した結果について説明する。尚、実施
例、比較例共に同じ樹脂、同じ射出成形機、射出条件に
て図8に示す寸法の電気融着継手30を成形した。ちな
みに電熱線部分の軸線方向の長さは図8のごとく、40
mmで、樹脂材料は中密度ポリエチレンで、成形温度は
220℃、コア及び金型温度は40℃で成形した。 本実施例 図4で例示するコア本体15の外周面上に可動片1個の
幅約35mmの可動片17を10個等分に配設し、可動
片17に設けた巻溝19に沿って裸電熱線18を可動片
付コア14の外周面に巻き、金型11内にて射出成形し
た。この電気融着継手内周面に表われた電熱線18の円
周上の露出部は約35mm、埋設部も約35mmであっ
た。 比較例 従来技術を示す図16で例示するコア本体5上に本実施
例と同じ材料同じ太さの電熱線の外面に樹脂を厚さ約1
mm被覆した樹脂被覆電熱線3を用いて、本実施例と同
じ巻数をコア5の平坦な外周面に巻き、金型7内にて射
出成形した。この電気融着継手の内周面は、電熱線に被
覆した樹脂によって電熱線の露出部がなく埋設状態にな
った。尚成形された継手内周面の一部には電熱線3の巻
線状態が不揃いの箇所が見られた。
【0019】融着強度比較試験 本実施例および比較例で得られたソケット形電気融着継
手共、図14に示すごとく、継手30の両端受け口に外
径216mmのポリエチレン管40を差し込み、周囲環
境温度ー5℃の下、管40を継手30に対して片側で3
度強制的に曲げた状態で、継手の電熱線に電流を流す通
電時間を520秒、580秒、700秒の3段階で電気
融着接合した。このようにして融着した継手30と管4
0を常温に冷却後、円周方向4箇所から図13に示す試
験片32を切り出し、この試験片32の継手側片31を
固定バイスに挟んで固定し、パイプ側片41をプライヤ
ーで挟んで引っ張り試験機に掛け、両者を引離す方向に
強制的に剥離させた。尚、試験温度は23℃の下、引張
り試験速度は20mm/minで行なった。上記のよう
にして強制的に継手30と管40を剥離した試験片32
の剥離部を観察し、継手の電熱線18部分から剥がれた
ものは電熱線18部分より融着部分45の強度が大のた
め剥離部とせず、電熱線18が継手側片31内に残った
状態で継手内面とパイプ外面との融着部45から剥がれ
たものを剥離部として、その軸線方向の長さを測定し、
剥離部長さ/電熱線部分長さを剥離率%として求めた。
その結果を表1により示す。
【0020】
【表1】
【0021】以上の融着強度試験結果から、本実施例で
は、電熱線への通電時間が580秒で融着部の剥離率が
0%と、継手内電熱線18部分よりも強度が高い完全な
融着状態を示した。また、通電時間が520秒でも剥離
率が6%以下と高い融着強度を示し、この値は比較例の
従来の電気融着継手の通電時間が700秒での剥離率約
10%よりも高い融着強度を示し、本実施例の電気融着
継手が短時間でも高い融着強度の融着接合が行なえるこ
とが実証された。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば従来のインナーを用いな
くとも、また樹脂被覆電熱線を用いなくとも製造でき、
コアの外周面に直接電熱線を巻いて射出成形することが
でき、電熱線の移動がない高品質の電気融着継手を得る
ことができる。しかも従来の融着接合時にショートして
接続不良を起こす等の種々の問題が解消された。また樹
脂被覆電熱線でなく裸の電熱線を用いることができるた
め、工程が省略され安価に製造できると共に、電熱線の
巻線間隔が一定で管表面への伝熱効率が良好な電気融着
継手が能率よく安定して得られ、電熱線が管との融着界
面を直接加熱する結果、従来の電気融着継手よりも短時
間で、融着強度の高い融着接合が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の金型にコアをセットした
状態の断面図である。
【図2】 本発明の一実施例の可動片付きコアの外観を
示す斜視図である。
【図3】 別の実施例の金型のコアをセットした状態を
示す断面図である。
【図4】 図3のコア本体と可動片の関係を示すコア1
4の断面図である。
【図5】 射出成形後のコア付き成形品を示す可動片部
分の断面図である。
【図6】 射出成形後の一端側のコア本体が外された成
形品の断面図である。
【図7】 同じく射出成形後の他端側のコア本体が外さ
れた成形品の断面図である。
【図8】 射出成形後のコア14が外された状態の電気
融着継手を示す部分断面図である。
【図9】 継手内周面の電熱線露出部24の断面を示す
図である。
【図10】 更に別の実施例の継手内周面の電熱線埋設
部25を示す断面図である。
【図11】 継手内周面の電熱線埋設部25の断面を示
す図である。
【図12】 同じく継手内周面の電熱線埋設部25の断
面を示す他の実施例である。
【図13】 可動片の別の実施例を示す電熱線巻溝部分
の図である。
【図14】 融着強度比較試験の際の融着時の継手と管
の装着状態を示す図である。
【図15】 融着強度を調べる継手とパイプの融着部試
験片の斜視図である。
【図16】 従来の製造方法を示す金型の断面図であ
る。
【符号の説明】
11 金型 12 キャビテ
イ部 13 コア保持部 14 可動片付
きコア 15 コア本体 16 スライド
溝 17 可動片 18 電熱線 19 電熱線の巻溝 20 ピン座 21 コネクターピン 22 印ロー部 23 樹脂製スリーブ 24 電熱線露
出箇所 25 電熱線埋設箇所 26 凹溝 27 継手本体の樹脂内面 30 電気融着
継手 31 継手側片 32 融着強度
試験片 40 ポリエチレン管 41 パイプ側
片 45 融着部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を射出成形して継手本体の
    内周部に電熱線を埋設した電気融着継手において、前記
    電熱線は円周上の少なくとも一部分を継手本体の内周面
    に露出させて埋設したことを特徴とする電気融着継手。
  2. 【請求項2】 前記電熱線は、継手本体の内周面に円周
    上埋設して表われる部分と露出して表われる部分とを交
    互に設けて埋設したことを特徴とする請求項1記載の電
    気融着継手。
  3. 【請求項3】 前記電熱線は裸電熱線からなる請求項1
    乃至2記載の電気融着継手。
  4. 【請求項4】 前記継手本体の内周面に電熱線を露出さ
    せた部分は、軸線方向の電熱線と電熱線との間の継手本
    体樹脂内面を電熱線の内面とほぼ同じ内周径の内面に設
    けたことを特徴とする請求項1乃至3記載の電気融着継
    手。
  5. 【請求項5】 継手本体内面の融着部と融着部間を連絡
    する中央部内面の電熱線渡し部分は、内面に樹脂スリー
    ブを装着して該スリーブの外面に電熱線を配設し、電熱
    線を内面に露出させずに継手本体内に埋設したことを特
    徴とする請求項1乃至4記載の電気融着継手。
  6. 【請求項6】 継手本体の外周部を形成する金型内に、
    継手本体の内周部を形成する電熱線を巻回したコアを装
    着し、この金型内に溶融樹脂を射出成形して継手本体の
    内周部に電熱線を埋設した電気融着継手を得る製造方法
    であって、 前記コアはコア本体の外周上に、電熱線の巻回し用溝を
    形成した軸線方向に延びる可動片を、コア本体と軸線方
    向及び半径方向に相対移動可能に、複数個所装着した可
    動片付コアを用い、 この可動片付コアの前記可動片に設けた電熱線巻回し用
    溝部分と前記コア本体の平らな外周面部分とに亘って電
    熱線を巻回して前記金型内にセットし、該金型内に溶融
    樹脂を射出成形し、その後成形品からコア本体を引き抜
    く際に前記可動片をコア軸芯側に縮径移動させて可動片
    付コアを成形品から取外し、継手本体の内周部に電熱線
    の埋設部と露出部を交互に配設したことを特徴とする電
    気融着継手の製造方法。
  7. 【請求項7】 継手本体の外周部を形成する金型内に、
    継手本体の内周部を形成する電熱線を巻回したコアを装
    着し、この金型内に溶融樹脂を射出成形して継手本体の
    内周部に電熱線を埋設した電気融着継手の製造方法であ
    って、 前記コアはコア本体の外周上に、電熱線の巻回し用溝を
    形成した軸線方向に延びる可動片をコア本体と軸線方向
    相対移動可能に、複数個所装着した可動片付コアを用
    い、 この可動片付コアの前記可動片に設けた電熱線巻回し用
    溝部分とコア本体の平らな外面部分とに亘って電熱線を
    巻回して前記金型内にセットし、該金型内に溶融樹脂を
    射出成形し、その後成形品からコア本体を引き抜く際に
    前記可動片を成形品の内周部に残してコア本体を取出
    し、その後成形品から可動片を取外し、継手本体の内周
    部に電熱線の埋設部と露出部を交互に配設したことを特
    徴とする電気融着継手の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記コアのコア本体は中央部で左右に分
    割してあり、外周面に前記可動片が軸線方向にスライド
    する複数個所のスライド溝を設けてあり、このスライド
    溝に可動片を軸線方向相対移動自在に装着してあること
    を特徴とする請求項6乃至7記載の電気融着継手の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 前記可動片に設けた電熱線巻回し用溝
    は、巻溝の底面がコア本体の外周面とほぼ同じ高さにな
    るように設け、前記巻溝内に装着される電熱線がコア本
    体の外周面に沿って巻かれることを特徴とする請求項6
    乃至8記載の電気融着継手の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記可動片の外面に設けた電熱線巻回
    し用溝の軸線方向溝と溝の間に、該溝の底面と同じ深さ
    の凹溝を周方向に更に設けた可動片を用い、前記射出成
    形することを特徴とする請求項6乃至9記載の電気融着
    継手の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記コアの軸線方向中央部分に樹脂製
    スリーブを装着し、該スリーブの外面に融着部間を連絡
    渡す電熱線を配設して前記射出成形したことを特徴とす
    る請求項6乃至10記載の電気融着継手の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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