JPH10304565A - 電力系統評価方法と装置及び電力系統潮流最適化方法と装置並びに電力系統計画支援方法と装置 - Google Patents

電力系統評価方法と装置及び電力系統潮流最適化方法と装置並びに電力系統計画支援方法と装置

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JPH10304565A
JPH10304565A JP9109477A JP10947797A JPH10304565A JP H10304565 A JPH10304565 A JP H10304565A JP 9109477 A JP9109477 A JP 9109477A JP 10947797 A JP10947797 A JP 10947797A JP H10304565 A JPH10304565 A JP H10304565A
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cost
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泰志 冨田
Chihiro Fukui
千尋 福井
Shigeru Tamura
田村  滋
Shikao Tanaka
愁佳夫 田中
Shinobu Inoue
忍 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より的確な評価が得られるようにした電力系
統評価方法と装置の提供と、さらに、この結果を用いた
電力系統潮流最適化方法と装置並びに電力系統計画支援
方法と装置を提供すること。 【解決手段】 RG指標計算部3を設け、平常時総発電
コストと、コストで換算した故障時損失期待値を合計し
たものとして与えられるRG指標を求め、これにより電
力系統の評価指標としたもの。 【効果】 RG指標は、その値が小さい程、その電力系
統の運用コストが低いことになり、コストが考慮されて
いるので、電力系統の運用の適否を的確に表すことがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連系構成された電
力系統の評価技法に係り、特に、その評価した結果に基
づいて、電力系統の評価を行ない、潮流の最適化を図
り、電力系統の計画立案を支援する方法と装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電力系統の運用に際しては、需要と供給
を均衡させ、電力系統の円滑、且つ経済的な運用が得ら
れるようにするのが望ましい。そして、このためには、
電力系統の特性、例えば経済性を評価し、その評価結果
に基づいて電力系統を制御する必要がある。
【0003】ところで、このような連系構成された電力
系統の評価に関する従来技術としては、例えば、平成5
年10月発行、電気学会論文誌B113巻10号「需要
端予備率に基づく発電・送電系統の信頼度評価」を挙げ
ることができる。
【0004】そして、この論文には、各送電線のルート
断時での供給支障量の総量を最小化するのに必要な各発
電機の出力を、線形計画法により求める技術が開示され
ており、そこでは、需要と、送電線潮流制約と、発電機
出力制約を制約条件とし、各送電線のルート断時の供給
支障量の総計を目的関数とする定式化が行なわれてい
る。
【0005】また、電力系統における送電線増設計画の
立案に際しては、送電線増設によりもたらされる効果の
評価が重要なポイントになるが、この増設効果として
は、その結果として電力系統にもたらされる信頼度及び
経済性の両面を評価する必要がある。
【0006】上記の論文では、発電機の出力上下限制約
や送電線の送電容量制約から生じる需要端の供給支障
量、或いは供給支障となるまでの裕度(需要端予備率)を
評価指標とし、供給支障量や需要端予備率のレベルによ
って系統内の信頼度分布を表現することによって、系統
計画立案を支援するアイデアについても開示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、電力
系統の評価に際して考慮すべき要素の多様性について配
慮しない。例えば、上記従来技術では、供給支障量を最
小化するように各発電機出力を調整しているが、通常の
運用状態での電力系統における総発電コストは考慮され
ていない。この結果、系統内に複数の発電所が存在して
いた場合、各発電所の発電コストに違いがあるため、単
に供給支障量を最小化するように、各発電機の出力を調
整したのでは、平常時での総発電コストが増加してしま
う可能性がある。
【0008】また、系統でのルート断時の供給支障量
は、実際にルート断が発生しなければ現実のものとはな
らず、且つ、その発生確率はかなり低いので、このよう
な条件をもつルート断時供給支障量については、単に最
小化だけを図るのではなく、場合によっては増加させた
方が、平常時の総発電コストは削減でき、経済的には有
利になる可能性がある。さらに、故障時損失としては、
ルート断以外の故障時に、系統全体の安定化のために一
部の発電機を強制遮断することによる総発電コストの増
加もある。
【0009】従って、以上をまとめると、ルート断によ
る故障時損失によるコストと、ルート断以外の故障時損
失によるコストと、平常時の総発電コストを定量的に勘
案して、各発電機の出力を最適化することが課題とな
る。しかし、この場合、目的関数が線形とはならないた
め、従来技術のように線形計画法を適用することは困難
である。
【0010】次に、電力系統での総発電コストは、与え
られた各発電機の発電コスト特性データを用いて各発電
機の出力値に対する発電コストを求め、これを全ての発
電機について合計することによって計算する。このと
き、系統の信頼度は、故障発生時の損失の大きさと考え
ることができるが、上記従来技術は、これを送電線ルー
ト断時の供給支障量によって評価している。
【0011】しかし、上記したように、故障時損失とし
ては、ルート断時以外の故障時に、系統全体の安定化の
ために行なわれる一部の発電機の強制遮断による総発電
コストの増加もある。また、送電線増設により、信頼度
の観点も含めて各送電線に予め設定されている潮流限度
(潮流制約)が緩和され、各発電機出力配分が改善される
ことにより実現される総発電コストが削減される可能性
がある。そこで、この総発電コストの削減も送電線増設
の効果として評価する必要がある。これを計算するため
には、送電線増設により各送電線の潮流制約を再計算す
る必要がある。
【0012】本発明の目的は、より的確な評価が得られ
るようにした電力系統評価方法と装置を提供することに
あり、さらに、この結果を用いた電力系統潮流最適化方
法と装置並びに電力系統計画支援方法と装置を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】まず、上記目的は、信頼
性に富んだ確率的な量であるルート断時とルート断以外
時の故障時損失によるコストと、平常時の総発電コスト
を定量的に勘案して得た評価指標を用い、これにより電
力系統を評価することにより達成され、さらにこの評価
指標を用いて発電機の出力を制御することにより達成さ
れる。
【0014】具体的には、上記目的は、以下の手段を用
いることにより達成される。まず、ルート断故障時の負
荷強制遮断量及びルート断以外の故障時での発電機強制
遮断による負荷遮断量の合計をコスト換算して求めた負
荷遮断量コストに、前記発電機強制遮断による総発電コ
ストの変化量を合算した値を故障時損失コストとした上
で、この故障時損失コストを故障ケース毎に付与される
重み係数により合算し、これを平常時の総発電コストと
合算して電力系統の評価指標とし、この評価指標により
電力系統の評価を行うようにして達成される。
【0015】次に、ルート断故障時の負荷遮断量を計算
する手段と、ルート断以外故障時の発電機強制遮断によ
る負荷遮断量を計算する手段と、前記負荷遮断量をコス
ト換算する手段と、前記故障時の発電機強制遮断による
総発電コストの変化量を計算する手段と、故障時の負荷
遮断コストと総発電コスト変化量を合算して、これを故
障ケース毎の重み係数により合算して故障時損失コスト
とする手段と、この故障時損失コストと平常時総発電コ
ストを合算し、評価指標として出力する手段とを設ける
ことにより達成される。
【0016】また、ルート断故障時の負荷強制遮断量及
びルート断以外の故障時での発電機強制遮断による負荷
遮断量の合計をコスト換算して求めた負荷遮断量コスト
に、前記発電機強制遮断による総発電コストの変化量を
合算した値を故障時損失コストとした上で、この故障時
損失コストを故障ケース毎に付与される重み係数により
合算し、これを平常時の総発電コストと合算して電力系
統の評価指標とし、この評価指標が最小化されるよう
に、発電機の出力を制御するようにして達成される。
【0017】さらに、ルート断故障時の負荷遮断量を計
算する手段と、ルート断以外故障時の発電機強制遮断に
よる負荷遮断量を計算する手段と、前記負荷遮断量をコ
スト換算する手段と、前記故障時の発電機強制遮断によ
る総発電コストの変化量を計算する手段と、故障時の負
荷遮断コストと総発電コスト変化量を合算して、これを
故障ケース毎の重み係数により合算して故障時損失コス
トとする手段と、この故障時損失コストと平常時総発電
コストを合算し、評価指標として出力する手段と、この
評価指標を最小化するのに必要な各発電機の出力を計算
する手段とを設けることにより達成される。
【0018】上記の手段により、与えられた系統状態及
び各種制約条件のもとで、ルート断時及びルート断以外
時の負荷遮断量及び総発電コスト増加量を計算してコス
ト換算し、これに各故障ケース毎の重み係数(例えば故
障発生確率)を乗じて平常時の総発電コストとの合計か
らなる電力系統の評価指標が得られ、さらに、この評価
指数を最小化するのに必要な各発電機の出力が計算でき
る。
【0019】また、本発明の目的は、確率的な量である
故障時損失と平常時の総発電コストを統一的かつ定量的
な指標により計算する手段と、送電線増設後系統の各送
電線の送電容量制約値を計算する手段、それに送電線増
設前後における前記指標の差を計算する手段とを設け、
送電線増設が信頼度及び経済性に及ぼす効果を定量的に
かつ統一的な指標で評価することにより達成される。
【0020】具体的には、上記目的は、以下の手段を用
いることにより達成される。すなわち、まず、電力系統
の送電線増設による信頼度及び経済性の向上効果を評価
する電力系統計画支援方法において、ルート断故障時の
負荷強制遮断量及びルート断以外の故障時での発電機強
制遮断による負荷遮断量の合計をコスト換算して求めた
負荷遮断量コストに、前記発電機強制遮断による総発電
コストの変化量を合算した値を故障時損失コストとした
上で、この故障時損失コストを故障ケース毎に付与され
る重み係数により合算し、これを平常時の総発電コスト
と合算して電力系統の評価指標とし、この評価指標を送
電線増設前後の系統に対して求めて、その差によって送
電線増設による信頼度及び経済性の向上を評価すること
により達成される。
【0021】次に、電力系統の送電線増設による信頼度
及び経済性の向上効果を評価する電力系統計画支援装置
において、ルート断故障時の負荷遮断量を計算する手段
と、ルート断以外故障時の発電機強制遮断による負荷遮
断量を計算する手段と、前記負荷遮断量をコスト換算す
る手段と、前記故障時の発電機強制遮断による総発電コ
ストの変化量を計算する手段と、故障時の負荷遮断コス
トと総発電コスト変化量を合算して、これを故障ケース
毎の重み係数により合算して故障時損失コストとする手
段と、この故障時損失コストと平常時総発電コストを合
算し、評価指標として出力する手段と、送電線増設後系
統の各送電線の潮流制約値を計算する手段と、送電線増
設前後系統の電力系統評価指標の差を前記の各手段を用
いて計算する手段とを設けることにより達成される。
【0022】上記の手段により、送電線増設後の系統に
対して、まず各送電線の潮流制約を計算し、その次にル
ート断時とルート断以外時の負荷遮断量及び総発電コス
ト増加量を計算してコスト換算し、これに各故障ケース
毎の重み係数(例えば故障発生確率)を乗じて平常時の総
発電コストとの合計をとることができる。
【0023】そして、送電線増設後系統に対する値から
送電線増設前系統に対する値を差し引き、その結果を送
電線増設による信頼度及び経済性向上効果として出力す
ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、図示の実
施形態により詳細に説明する。まず、本発明の一実施形
態では、与えられた電力系統の状態のもとで、RG指標
を求めるようにした電力系統評価方法と装置として具現
され、更にこの指標を最小にするのに必要な発電機の出
力値を求めるようにした電力系統潮流最適化方法及び装
置として具現されている。ここで、RG指標とは、平常
時総発電コストと、コストで換算した故障時損失期待値
を合計したものであり、従って、このRG指標が小さい
程、その電力系統の運用コストが低いことになり、コス
トが考慮されているので、電力系統の運用の適否を的確
に表す評価指標として用いることができるのである。
【0025】そして、故障時損失期待値とは、予めリス
トアップしておいた故障ケースに対する障時損失を、予
め故障ケース毎に付与されている重み係数(例えば故障
発生確率)を乗じて合計したものであり、また、故障時
損失とは、故障時に保護装置が動作して負荷遮断が起動
されたときと、ルート断以外故障時の発電機強制遮断が
起動されることにより生じる需要家及び系統側が被る損
失の合計である。
【0026】このときの需要家側の損失としては、例え
ば負荷遮断により発生する需要家の停電によるものが考
えられ、系統側の損失としては、例えばルート断以外故
障時の発電機強制遮断(以下、電制という)により供給停
止させられた発電量を補うために残りの各発電機の出力
が変化することによって生じる総発電コストの増加によ
るものが考えられる。
【0027】図1は、本発明の一実施形態における機能
ブロック図で、図示のように、入出力部1と発電機出力
調整部2、RG指標計算部3、潮流制約付発電コスト最
小化潮流データ生部4、系統分断時負荷遮断量計算部
5、電制機計算部6、電制量計算部7、電制時負荷遮断
量計算部8、負荷遮断量コスト換算部9、それに総発電
コスト計算部10とで構成されている。
【0028】そして、さらに、各種のデータの保持用と
して、系統状態データベース部11と故障データベース
部12、パラメータデータベース部13、RG指標計算
用潮流データ部14が設けられている。入出力部1は、
運用者からの入力を電力系統潮流最適化装置に取込み、
逆に発電機出力調整部2から受け取った各発電機出力値
を運用者、もしくは電力系統の発電機出力制御装置へ送
る働きをする。
【0029】発電機出力調整部2は、系統状態データベ
ース部11から与えられる各種の条件データ(系統構成
データ、潮流データ、総需要データ、発電機出力上下限
データ、固定供給力出力データ、発電コスト特性デー
タ、送電線潮流制約データ、分断点許容電源脱落量デー
タ、許容電制量データ)のもとで、RG指標を最小にす
るのに必要な各発電機出力を計算し、結果を出力する働
きをするもので、このとき、潮流制約付発電コスト最小
化潮流データ生成部4及びRG指標計算部3と連携しな
がら処理を行うようになっており、処理の詳細について
は後述する。
【0030】RG指標計算部3は、系統状態データベー
ス部11から与えられる条件データ(系統構成データ、
総需要データ、発電機出力上下限データ、固定供給力出
力データ、発電コスト特性データ、送電線潮流制約デー
タ、分断点許容電源脱落量データ、許容電制量デー
タ)、及びRG指標計算用潮流データ部14、さらに故
障データベース部12から与えられる故障ケースに関す
る条件のもとで、RG指標を計算し、結果を出力する働
きをするもので、処理の詳細については後述する。
【0031】潮流制約付発電コスト最小化潮流データ生
成部4は、与えられた発電機出力上下限制約、固定供給
力出力制約、送電線潮流制約、それに総需要制約のそれ
ぞれを満たす範囲内で、総発電コストが最小となるよう
な潮流データを生成し、そのデータを出力する働きをす
るもので、処理の詳細については後述する。
【0032】系統分断時負荷遮断量計算部5は、系統分
断を生じる故障ケースに対して、安定化に必要な負荷遮
断量を計算し、その結果を出力する働きをするもので、
処理の詳細については後述する。電制機決定部6は、系
統分断を生じない故障ケースに対して、安定化に必要な
電制対象発電機を選択し、結果を出力する働きをするも
ので、処理の詳細については後述する。
【0033】電制量計算部7は、与えられた電制対象発
電機の出力値の合計を計算し、結果を出力する働きをす
るもので、処理の詳細については後述する。電制時負荷
遮断量計算部8は、与えられた電制量に対して、安定化
のために必要な負荷遮断量を計算し、結果を出力する働
きをするもので、処理の詳細については後述する。
【0034】負荷遮断量コスト換算部9は、与えられた
負荷遮断量をコスト換算し、結果を出力する働きをする
もので、処理の詳細については後述する。総発電コスト
計算部10は、与えられた各発電機の発電コスト特性デ
ータと出力データから総発電コストを計算し、結果を出
力する働きをするもので、処理の詳細については後述す
る。
【0035】系統状態データベース部11は、潮流最適
化の対象とする系統の状態や各種制約条件に関するデー
タを管理するものである。故障データベース部12は、
故障時損失を計算すべき対象となる故障ケースに関する
データを管理する働きをする。
【0036】パラメータデータベース部13は、RG指
標計算部3や発電機出力調整部2で必要とする各種パラ
メータ値を管理するものである。一方、RG指標計算用
潮流データ部14は、RG指標を計算すべき対象となる
系統の潮流条件を与えるのに必要なデータを管理するも
のである。
【0037】次に、各データベース部で管理されるデー
タについて、図2により説明する。まず、系統状態デー
タベース部11では、図示のように、系統構成データと
潮流データ、総需要データ、発電機出力上下限データ、
固定供給力出力データ、発電コスト特性データ、送電線
潮流制約データ、分断点許容電源脱落量データ、それに
許容電制量データを与えるようになっている。
【0038】そして、これらデータの詳細は以下の通り
である。系統構成データとは、送電線のインピーダンス
や発電機の定格容量などの系統設備の各定数、及び各系
統設備間の接続情報のことである。潮流データとは、発
電機や負荷や送電線など各系統設備上の電気データ(有
効電力、無効電力、電圧など)のことである。総需要デ
ータとは、全ての負荷の有効電力の合計である。
【0039】発電機出力上下限データとは、各発電機毎
に与えられる有効電力出力の上下限値のことである。固
定供給力出力データとは、幾つかの発電機に対して有効
電力出力値を指定するデータのことである。発電コスト
特性データとは、各発電機の発電コストを出力に応じて
与えるデータのことである。送電線潮流制約データと
は、各送電線の有効電力潮流量の上限を与えるデータこ
とである。
【0040】分断点許容電源脱落量データとは、系統を
分断する個所について、そこを分断したときに生じる双
方の分断系統それぞれについて許容し得る発電量不足量
上限値を与えるデータのことである。許容電制量データ
とは、系統全体で許容できる発電量不足量上限値を与え
るデータのことである。
【0041】次に、故障データベース部12では、図示
のように、各故障ケース毎に、故障点データと故障シー
クエンスデータ、それに重み係数データを与えるように
なっている。そして、これらデータの詳細は以下の通り
である。
【0042】故障点データとは、系統中における故障設
備を指定するデータのことである。故障シークエンスデ
ータとは、故障内容や系統操作内容をその発生時刻と共
に与えるデータのことである。重み係数データとは、そ
の故障ケースの影響をどの程度まで重くみるかを決める
データのことで、例えば故障発生確率を与えるデータの
ことである。
【0043】また、パラメータデータベース部13で
は、発電機出力調整幅初期値データと発電機出力調整幅
しきい値データ、それに負荷遮断量コスト換算定数デー
タを与えるようになっている。なお、これらのデータの
内容と、使用目的については、後述する。
【0044】次に、各部の処理について説明する。ま
ず、発電機出力調整部2での処理について説明すると、
ここでの大まかな処理は以下の通りである。 (1) 各発電機について、出力を一定量(発電機出力調整
幅ΔP)変化させたときのRG指標の変化量(ΔRGi)
を計算する。 (2) ΔRGi<0で、|ΔRG|が最大の発電機(Gi)を
選択する。 (3) 発電機Giの出力を調整幅ΔPだけ変化させる。
【0045】(4) ΔRGi<0になる発電機が存在しな
くなるまで、上記(1)〜(3)の処理を繰り返す。 (5) 全ての発電機についてΔRGi≧0となったら、調
整幅ΔPを小さくする。 (6) ΔPがしきい値(発電機出力調整幅しきい値δ)より
小さくなるまで、上記(1) 〜(5)の処理を繰り返す。 (7) 調整幅ΔPがしきい値δより小さくなったら処理を
終了する。
【0046】次に、以上の発電機出力調整部2での詳細
な処理の流れを、図3のPAD図に従って説明する。 (1) 初期処理 ・調整幅パラメータΔPの初期値をパラメータデータベ
ース部13から読み出す。 ・しきい値パラメータδの初期値をパラメータデータベ
ース部13から読み出す。 ・系統状態データベース部11の潮流データをRG指標
計算用潮流データにコピーする。
【0047】(2) 調整幅ΔP≧δである間、以下の(3)
〜(17)の処理を繰り返す。 (3) RG指標計算部3にRG指標計算起動信号を出力
し、RG指標値RG0データを受け取る。 ・発電機出力調整前RG指標RG0の計算。 (4) 全ての調整対象発電機に対して、以下の(5)〜(12)
の処理を繰り返す。 ・選択された発電機をGiとおく。
【0048】(5) 系統状態データベース部11から、発
電機出力上下限データと固定供給力出力データ、送電線
潮流制約データ、それに総需要データをそれぞれ読み出
し、発電機Giの出力値を調整幅ΔP増加させ、その値
を固定供給力出力データに加えて、潮流制約付発電コス
ト最小化潮流データ生成部4へ送り、潮流データを受け
取る。
【0049】・受け取った潮流データは、発電機Giの
出力値を調整幅ΔPだけ増加させたときの潮流データと
なる。 (6) RG指標計算用潮流データを更新する。 (7) RG指標計算部3にRG指標計算起動信号を出力
し、RG指標値RGi+ データを受け取る。 ・発電機Gi出力調整後のRG指標RGi+ を計算す
る。
【0050】(8) ΔRGi+ =RGi+−RG0とお
く。 (9) 系統状態データベース部11から、発電機出力上下
限データ、固定供給力出力データ、送電線潮流制約デー
タ、総需要データを読み出し、発電機Giの出力値をΔ
P減少させた値を固定供給力出力データに加えて、潮流
制約付発電コスト最小化潮流データ生成部4へ送り、潮
流データを受け取る。 ・受け取った潮流データは、発電機Giの出力値を調整
幅ΔPだで減少させたときの潮流データとなる。
【0051】(10) RG指標計算用潮流データを更新す
る。 (11) RG指標計算部3にRG指標計算起動信号を出力
し、RG指標値RGi-データを受け取る。 ・発電機Gi出力調整後のRG指標RGi- を計算す
る。
【0052】(12) ΔRGi- =RGi-−RG0とお
く。
【0053】(13) ΔRGi+、ΔRGi- の最小値を選
択し、ΔRGix とおく。 (14)ΔRGix≧0ならばΔPを更新し、(2)の処理に
戻る。 ・例えば、ΔP=ΔP/2とすることが考えられる。
【0054】(15) ΔRGix <0ならば発電機Giの
出力を更新し、(2)の処理に戻る。 ・x=+なら、系統状態データベース部11から、発電
機出力上下限データと固定供給力出力データ、送電線潮
流制約データ、それに総需要データをそれぞれ読み出
し、発電機Giの出力値をΔPだけ増加させ、その値を
固定供給力出力データに加えて潮流制約付発電コスト最
小化潮流データ生成部4に送り、潮流データを受け取っ
て、系統状態データベース中の潮流データとして格納す
る。
【0055】・x=−なら、系統状態データベース部1
1から、発電機出力上下限データと固定供給力出力デー
タ、送電線潮流制約データ、それに総需要データをそれ
ぞれ読み出し、発電機Giの出力値をΔPだけ減少させ
た値を固定供給力出力データに加えて潮流制約付発電コ
スト最小化潮流データ生成部4に送り、潮流データを受
け取って、系統状態データベース中の潮流データとして
格納する。
【0056】(16) 発電機出力調整終了 ・系統状態データベース中の潮流データに示された各発
電機出力値が、調整結果となる。
【0057】次に、RG指標計算部3での処理の流れ
を、図4に示すPAD図に従って説明する。 (1) 故障データベース部12で与えられる全ての故障ケ
ースについて、以下の(2)〜(12)の処理を行う。 ・選択された故障ケースをFiとおく。 (2) 故障ケースFiが系統分断を発生させる場合は(3)
の処理を行い、系統分断を発生させない場合は(4)〜(9)
の処理を行う。
【0058】(3) 系統状態データベース部11中の各分
断点許容電源脱落量データから故障ケースFiの故障点
の周波数低下側系統の許容電源脱落量を読み出し、ま
た、RG指標計算用潮流データから故障点の故障前潮流
量を読み出して、これらを系統分断時負荷遮断量計算へ
送り、系統分断時負荷遮断量データを受け取る。
【0059】(4) 系統状態データベース部11から読み
出した系統構成データとRG指標計算用潮流データを電
制機決定部6に送り、電制機データを受け取る。 (5) 電制機の出力値をRG指標計算用潮流データから読
み取って電制量計算へ送り、電制量データを受け取る。 (6) 系統状態データベース部11から読み出す許容電制
量データと電制量データを電制時負荷遮断量計算へ送
り、電制時負荷遮断量データを受け取る。
【0060】(7) 系統状態データベース部11から、発
電機出力上下限データと固定供給力出力データ、送電線
潮流制約データ、それに総需要データをそれぞれ読み出
し、電制機の出力を0とした固定供給力出力データを加
えて、潮流制約付発電コスト最小化潮流データ生成部4
へ送り、潮流データを受け取る。 (8) RG指標計算用潮流データを更新する。
【0061】(9) RG指標計算用潮流データから各発電
機出力値を読み出し、系統状態データベース部11から
各発電機の発電コスト特性データを読み出して、総発電
コスト計算部10へ送り、総発電コストを受け取る。 (10) 系統分断時負荷遮断量と電制時負荷遮断量を合計
し、負荷遮断量とする。 (11) 負荷遮断量を負荷遮断量コスト換算部9へ送り、
負荷遮断量コストデータを受け取る。 (12) 負荷遮断量コストと総発電コストを合計し、これ
に故障ケースFiに付与されている重み係数を乗じる。 ・結果をRGiとおく。 (13) 全てのRGiを合計し、これをRG指標とする。
【0062】次に、潮流制約付発電コスト最小化潮流デ
ータ生成部4の処理について説明する。まず、このとき
の送電線潮流制約がない場合の処理としては、一般にラ
グランジェの未定係数法を用いた方法が知られており、
これについては、例えば、関根泰次 他4名 著、「電力
系統工学」コロナ社、昭和54年3月発行に詳細に開示
されている。
【0063】そして、この方法では、総発電量が総需要
と一致し、かつ出力調整対象の各発電機の増分運転費
(ある出力で運転中に、出力を単位量だけ増加させるの
に必要な運転費)が等しくなるように各発電機の出力を
決めるようになっている。ここで、増分運転費の関数が
有界でなければ、必ずそのような出力値が存在する。
【0064】しかし、この場合でも、求まった出力値が
各発電機出力の上下限値から外れる可能性がある。しか
して、この場合でも、上限を越えた発電機については、
その出力を上限値と設定して出力調整対象発電機から除
外し、総需要からその発電量を差し引いた需要量と、残
りの出力調整対象発電機について再度ラグランジェの未
定係数法を適用し、これを繰り返し行うことで、各発電
機の出力上下限を考慮した出力値が決定できる。
【0065】本発明でも、系統状態データベースで与え
られる発電コスト特性データは、各発電機の出力に対す
る運転費を与えるものであり、従って、これを用いるこ
とにより各発電機の増分運転費を求め、ラグランジェの
未定係数法を適用することができる。
【0066】そこで、この実施形態における潮流制約付
発電コスト最小化潮流データ生成部4では、与えられた
発電機出力上下限制約、固定供給力出力制約、送電線潮
流制約、総需要制約を満たす範囲内で、総発電コストが
最小となるような潮流データを生成するようになってい
る。すなわち、ある1系統の送電線Lに潮流制約がある
場合の処理は次の通りである。
【0067】(1) 総発電コストを最小化する発電機出力
を等増分燃料費法により求める。 (2) 求められた各発電機出力での各送電線の潮流量を計
算する。 (3) 送電線Lの潮流量が潮流制約以下の場合は、ここで
処理を終了し、そうでない場合は(4)以下の処理を行
う。 (4) 送電線Lの受電側系統内で、総需要=受電側系統内
総発電量+送電線Lの潮流制約超過量として、等増分燃
料費法を適用し、各発電機出力を求める。
【0068】(5) 送電線Lの送電側系統内で、総需要=
送電側系統内総発電量−送電線Lの潮流制約超過量とし
て、等増分燃料費法を適用し、各発電機出力を求める。
一方、潮流制約のある送電線が複数系統ある場合は、予
め付与されている優先順位に従って、順次上記の処理を
実行することにより、全ての潮流制約を考慮するのであ
る。
【0069】次に、系統分断時負荷遮断量計算部5の処
理について説明すると、ここでの系統分断時負荷遮断量
は、与えられた周波数低下側系統許容電源脱落量と故障
点故障前潮流量から次の式によって計算するようになっ
ている。 系統分断時負荷遮断量=故障点故障前潮流量−周波数低
下側系統許容電源脱落量
【0070】次に、電制機決定部6での処理について説
明する。なお、電制機とは、電制される発電機のことで
ある。
【0071】ここで、故障ケースFiに対する電制機の
決定方式としては、例えばその一方式が、電気学会論文
誌B115巻、1号、平成7年1月「オンライン安定度
計算による脱調未然防止システム(TSC)の開発」で詳
細に述べられているが、本発明の実施形態による電制機
決定部6の処理も、この方式を採用しており、その内容
は、以下の通りである。
【0072】まず、電制機を求める対象となる故障ケー
スを想定し、それをFiとする。そして、故障ケースF
iの電制機無しの場合の過渡安定度計算を行い、安定か
否かを判定する。そして、もし安定であれば、この想定
故障に対する電制機は無しと決定する。しかして、不安
定であれば、過渡安定度計算の結果から電制効果が最大
と思われる発電機を1台選択する。これが1台目の電制
機である。
【0073】次に、今度は所定のタイミングで、先に選
択された発電機の遮断シークエンスを挿入し、再び過渡
安定度計算を行って、安定度判定を行う。そして、もし
安定であれば、現在得られている電制機がこの想定故障
に対する電制機の全てであることになる。
【0074】しかして、今度も不安定であれば、過渡安
定度計算の結果から電制効果が最大と思われる発電機を
さらに1台選択する。これが2台目の電制機である。以
下、この処理を過渡安定度計算の結果が安定となるまで
繰り返すことにより故障ケースFiに対する電制機を決
定することができる。こうして電制機が決定されたら、
電制量計算部7では、上記したように、これらの電制機
の出力値を合計し、電制量が計算される。
【0075】次に、電制時負荷遮断量計算部8での処理
について説明する。ここでの電制時負荷遮断量は、与え
られた電制量と許容電制量を用いて、次の式によって計
算する。 電制時負荷遮断量=電制量−許容電制量
【0076】次に、負荷遮断量コスト換算部9での処理
について説明する。ここでの負荷遮断量のコスト換算
は、予めパラメータデータベース部13に設定してある
単位電力量kWh当りのコスト(負荷遮断量コスト換算
定数データ)を負荷遮断量に乗じて負荷遮断量コストと
するのである。
【0077】次に、総発電コスト計算部10での処理に
ついて説明する。ここでの処理は、与えられた各発電機
の発電コスト特性データを用いることにより、各発電機
の出力値に対する発電コストを求め、これを全ての発電
機について合計することにより、総発電コストを計算す
る処理である。
【0078】従って、以上の実施形態によれば、与えら
れた系統状態及び各種制約条件のもとで、ルート断時及
びルート断以外時の負荷遮断量及び総発電コスト増加量
を計算してコスト換算し、これに各故障ケース毎の重み
係数を乗じて平常時の総発電コストとの合計からなるR
G指標が得られることになる。
【0079】そして、このRG指標とは、上記したよう
に、平常時総発電コストと、コストで換算した故障時損
失期待値を合計したものなので、このRG指標が小さい
程、その電力系統の運用コストが低いことになり、且
つ、それはコストを考慮したもとなっているので、電力
系統の運用の適否を的確に表す適切な評価指標となって
おり、従って、上記実施形態によれば、極めて的確に電
力系統の評価を得ることができる。
【0080】また、この結果、上記実施形態によれば、
このRG指標を最小化するのに必要な各発電機の出力が
計算できるので、電力系統を常に最良な状態で運用する
ことができる。
【0081】次に、本発明の他の実施形態について説明
する。以下に説明する実施形態は、本発明を電力系統計
画支援装置として具体化したもので、送電線増設によっ
て得られる電力系統信頼度の向上及び総発電コストの削
減の程度を、上記した実施形態と同じく、本発明の特徴
であるRG指標を用いることにより、統一的に、且つ定
量的に計算し、評価することができるようにしたもので
ある。
【0082】まず、図5は、この実施形態の機能ブロッ
ク図で、この実施形態は、図1の実施形態に、制御部1
5と送電線増設効果計算部16、系統データ設定部1
7、送電線潮流制約計算部18を設けた上で、系統状態
データベース部11に代えて、増設前系統データベース
部19と増設後系統データベース部20、それにRG指
標計算用系統データ部21を設け、更に入出力部1の機
能とパラメータデータベース部13のデータ内容の一部
を変更したものであり、従って、他の構成は、図1の実
施形態と同じである。
【0083】入出力部1は、外部(運用者や他システム
など)から、この電力系統計画支援装置にのデータを取
り込み、また、この電力系統計画支援装置から外部にデ
ータを出力する働きをするもので、基本的には、図1の
実施形態と同じであるが、具体的には異なっていて、ま
ず外部からのシステム起動入力を制御部2に送るだけで
はなく、系統データ設定部17からの指示信号に従っ
て、送電線増設前後系統に関するデータを外部から取り
込み、系統データ設定部17に渡す働きをすると共に、
制御部15を介して受け取った送電線増設効果値ΔRG
を外部へ出力する働きをするものである。
【0084】制御部15は、入出力部1を介して運用者
から与えられる送電線増設効果計算の起動信号によっ
て、まず送電線増設前後の系統に関するデータの増設前
系統データベース部19と増設後系統データベース部2
0への格納を系統データ設定部17に指示し、次に送電
線増設効果計算部16へ送電線増設効果計算起動信号を
送り、送電線増設効果値として、送電線増設前後のRG
指標の差ΔRGを受け取り、この送電線増設効果値ΔR
Gを入出力部1を介して外部に出力する働きをする。
【0085】送電線増設効果計算部16は、増設前系統
データベース部19から与えられる各種の条件データに
基づくRG指標と、増設後系統データベース部20から
与えられる各種の条件データに基づくRG指標の2種の
RG指標を、それぞれRG指標計算部3を用いて計算
し、更に、それらの差を計算して、送電線増設効果量と
して出力する働きをするもので、処理の詳細については
後述する。
【0086】なお、ここで、増設前系統データベース部
19から与えられる各種の条件データとは、上述の通
り、系統構成データと初期潮流データ、総需要データ、
発電機出力上下限データ、固定供給力出力データ、発電
コスト特性データ、送電線潮流制約関連データ、分断点
許容電源脱落量データ、許容電制量データ、それに電制
テーブルデータのことである。
【0087】また、増設後系統データベース部20から
与えられる各種の条件データとは、これも上述の通り、
系統構成データと初期潮流データ、総需要データ、発電
機出力上下限データ、固定供給力出力データ、発電コス
ト特性データ、送電線潮流制約関連データ、分断点許容
電源脱落量データ、許容電制量データ、それに電制テー
ブルデータのことである。
【0088】系統データ設定部17は、制御部15から
の起動信号を受け、以下に(a)〜(c)で示す3種の処理を
実行する。 (a) 入出力部1から送電線増設前系統に関する各種のデ
ータ(系統構成データ、初期潮流データ、総需要デー
タ、発電機出力上下限データ、固定供給力出力データ、
発電コスト特性データ、送電線潮流制約関連データ、分
断点許容電源脱落量データ、許容電制量データ、電制テ
ーブルデータ)を取り込み、増設前系統データベース部
19に格納する処理。
【0089】(b) 同じく入出力部1から、送電線増設後
系統に関する各種のデータ(系統構成データ、初期潮流
データ、総需要データ、発電機出力上下限データ、固定
供給力出力データ、発電コスト特性データ、送電線潮流
制約関連データ、分断点許容電源脱落量データ、許容電
制量データ、電制テーブルデータ)を取り込み、増設後
系統データベース部20に格納する処理。
【0090】(c) 増設後系統データベース部20から、
系統構成データ、初期潮流データ、送電線潮流制約関連
データ、電制テーブルデータ、各分断点許容電源脱落量
データを送電線潮流制約計算部18に送り、各送電線潮
流制約関連データを再計算させ、その出力である各送電
線の潮流制約関連データを受け取り、増設後系統データ
ベース部19へ格納する処理。
【0091】次に、送電線潮流制約計算部18は、与え
られた系統構成データ、初期潮流データ、送電線潮流制
約関連データ、電制テーブルデータ、各分断点許容電源
脱落量データに基づいて、各送電線の潮流制約関連デー
タを再計算し、それを出力する働きをするもので、その
際、電制機決定部6と協調して処理を行うようになって
いる。なお、処理の詳細については後述する。
【0092】増設前系統データベース部19は、送電線
増設前の系統に関して、系統状態に関するデータや各種
制約条件に関するデータなど、RG指標の計算に必要な
データを管理するものである。そして、この増設前系統
データベース部19では、図6に示すように、送電線増
設前の系統構成データと初期潮流データ、総需要デー
タ、発電機出力上下限データ、固定供給力出力データ、
発電コスト特性データ、送電線潮流制約データ、分断点
許容電源脱落量データ、許容電制量データ、それに電制
テーブルデータを管理する。
【0093】増設後系統データベース部20は、送電線
増設後の系統に関して、系統状態に関するデータや各種
制約条件に関するデータなど、RG指標の計算に必要な
データを管理するもので、増設前系統データベース部1
9と同じく、図6に示すように、送電線増設後の系統構
成データ、初期潮流データ、総需要データ、発電機出力
上下限データ、固定供給力出力データ、発電コスト特性
データ、送電線潮流制約関連データ、分断点許容電源脱
落量データ、許容電制量データ、電制テーブルデータを
管理するものである。
【0094】ここで、これらデータベース部19、20
が管理するデータについて詳細に説明すると、以下の通
りである。系統構成データとは、送電線のインピーダン
スや発電機の定格容量などの系統設備の各定数、及び各
系統設備間の接続情報のことである。初期潮流データと
は、発電機や負荷や送電線など、各系統設備上の電気デ
ータ(有効電力、無効電力、電圧など)の初期値のことで
ある。総需要データとは、全ての負荷の有効電力を合計
した値のことである。
【0095】発電機出力上下限データとは、各発電機毎
に与えられる有効電力出力の上下限値のことである。固
定供給力出力データとは、幾つかの発電機に対して有効
電力出力値を指定するデータのことである。発電コスト
特性データとは各発電機の発電コストを出力に応じて与
えるデータのことである。
【0096】送電線潮流制約関連データとは、各送電線
の有効電力潮流量の上限を与えるデータのことであり、
熱容量面潮流制約データと周波数面潮流制約データ、及
び安定度面潮流制約データの3種のデータと、その最小
値で定義される送電線潮流制約データとで構成されてい
るものである。
【0097】分断点許容電源脱落量データとは、系統を
分断する個所について、そこを分断したときに生じる2
系統の分断系統それぞれについて許容できる発電量不足
量上限値を与えるデータのことである。許容電制量デー
タとは、系統全体で許容できる発電量不足量上限値を与
えるデータのことである。
【0098】電制テーブルデータとは、故障点・故障内
容と故障点潮流量しきい値を電制起動条件データとし、
これに対して電制機データを対応させるものであり、故
障内容とは1回線事故や3相4線地絡などを表すデータ
で、故障点潮流量しきい値とは実際の故障点潮流量がそ
の値を越えた場合に電制を実施するという基準値のこと
である。
【0099】RG指標計算用系統データ部21は、RG
指標を計算する対象系統に関して、系統構成データ、初
期潮流データ、総需要データ、発電機出力上下限デー
タ、固定供給力出力データ、発電コスト特性データ、送
電線潮流制約データ、分断点許容電源脱落量データ、許
容電制量データ、電制テーブルデータを管理するもので
ある。
【0100】ここで、パラメータデータベース部13で
管理されるデータの内、負荷遮断量コスト換算定数デー
タについては、図1の実施形態と同じであるが、その他
のデータは送電線潮流量調整幅データになっている点
で、異なっている。なお、その他のブロックについて
は、図1の実施形態と同じでなので、説明は割愛する。
【0101】次に、送電線増設効果計算部16による処
理について、図7示すPAD図に従って説明する。 (1) 増設前系統データベース部14のデータを、RG指
標計算用系統データ部21にコピーする。 (2) RG指標計算用系統データ部21から、発電機出力
上下限データ、固定供給力出力データ、送電線潮流制約
データ、総需要データをそれぞれ読み出し、潮流制約付
発電コスト最小化潮流データ生成部4に送り、それから
潮流データを受け取る。
【0102】(3) 受け取った潮流データにより、RG指
標計算用潮流データ部14のデータを更新する。 (4) RG指標計算部3にRG指標計算起動信号を出力
し、それからRG指標値RG0データを受け取る。 (5) 増設後系統データベース部20のデータを、RG指
標計算用系統データ部21にコピーする。 (6) RG指標計算用系統データ部21から、発電機出力
上下限データ、固定供給力出力データ、送電線潮流制約
データ、総需要データをそれぞれ読み出し、潮流制約付
発電コスト最小化潮流データ生成部4に送り、それから
潮流データを受け取る。
【0103】(7) 受け取った潮流データによって、RG
指標計算用潮流データ部14を更新する。 (8) RG指標計算部4にRG指標計算起動信号を出力
し、それからRG指標値RG1データを受け取る。 (9) ΔRG=RG1−RG0とおく。 (10) このΔRGを、送電線増設効果量として出力す
る。 ここで、RG指標計算部3によるRG指標処理は、既に
図1の実施形態において、図4に示すPAD図を用いて
説明した通りである。
【0104】次に、送電線潮流制約計算部18による処
理について、図8に示すPAD図に従って説明する。図
1の実施形態では、送電線潮流制約データが、予め定数
として系統状態データベース部11に格納されている
が、この図5の実施形態では、送電線の増設を前提とし
ているので、定数として与えることができない。そこ
で、この図5の実施形態では、送電線潮流制約計算部1
8を設け、これにより、以下のようにして、送電線潮流
制約データが与えられるようにしているのである。
【0105】(1) 初期処理 ・系統構成データ、潮流データ、送電線潮流制約関連デ
ータ、電制テーブルデータ、各分断点許容電源脱落量デ
ータを受け取る。 ・送電線潮流量調整幅データを、パラメータデータベー
ス部13から読み出し、これをΔPとする。 ・P=−ΔPとする。
【0106】(2) 全ての送電線Liについて、以下の
(3)〜(9)の処理を行う。 (3) 送電線Liを故障点とする安定化不可能な故障ケー
スが存在するまで、(4)〜(7)の処理を行う。 (4) P=P+ΔPとする。 (5) 与えられた潮流データ中の送電線Liの受電側ノー
ドに+P、送電側ノードに−Pの負荷を追加設置する。 ・送電線Liの潮流量PLiをP増加させる。
【0107】(6) 故障データベース部12で与えられる
送電線Liを故障点とする全ての故障ケースについて、
(7)の処理を行う。 ・選択された故障ケースをFjとおく。
【0108】(7) 故障ケースFjのデータと、与えられ
た系統構成データ、与えられた電制テーブルデータ、そ
れに(5)の処理で修正した後の潮流データとを電制機決
定部6に送り、決定した電制機の電制により安定化が可
能か否かの結果を得る。
【0109】(8) P−ΔPを、送電線Liの安定度面潮
流制約値PLi3 とする。 (9) 送電線Liの熱容量面潮流制約データPLi1 を、
与えられた各送電線潮流制約関連データから読み出す。 (10) 送電線Liがループ系統の一部を構成している場
合は(11)の処理を行い、そうでない場合は(12)の処理を
行う。
【0110】(11) 送電線Liの周波数面潮流制約値P
Li2 を、max{PLi1、PLi3}として設定する。 (12) 与えられた各分断点許容電源脱落量データから、
送電線Liの周波数低下側系統の許容電源脱落量を読み
出し、これを送電線Liの周波数面潮流制約値PLi3
とする。 (13) 各送電線Liの潮流制約値PLiを、min{PLi
1、PLi2、PLi3}として設定する。
【0111】(14) PLi1 を各送電線Liの熱容量面
潮流制約データ、PLi2 を周波数面潮流制約データ、
PLi3 を安定度面潮流制約データ、そして、PLiを
送電線潮流制約データとして設定し、それぞれを系統デ
ータ設定部17から各データ部19、20に出力する。
【0112】従って、この実施形態によれば、運用者の
指示により、入出力部1から随時、容易に送電線増設前
後のRG指標の差からなる送電線増設効果値ΔRGを得
ることができることになり、この結果、運用者は、この
送電線増設効果値ΔRGを評価することにより、定量
的、且つ統一的な指標のもとで、送電線増設が信頼度及
び経済性に及ぼす効果を的確に判定することができる。
【0113】
【発明の効果】本発明によれば、ルート断時とルート断
以外時の故障時損失をコスト換算し、故障ケース毎に重
み付きで合計して、これと平常時の総発電コストを合計
して得られるRG指標の大小によって、確率的な概念で
ある信頼性と経済性をコストという統一された指標で定
量的に評価することができる。
【0114】また、このRG指標を、送電線の増設前後
の電力系統のそれぞれについて計算し、その差を計算す
ることにより、送電線増設が信頼度及び経済性に及ぼす
効果を定量的に統一的な指標で評価することができる。
また、このとき、送電線増設後系統の各送電線の潮流制
約を再計算することにより、送電線増設による発電機出
力再配分による総発電コスト改善量の評価を、より正確
に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す機能ブロック図
である。
【図2】第1の実施形態においてデータベースとして用
いられている各種のデータの説明図である。
【図3】本発明の実施形態における発電機出力調整部で
の処理フローの説明図である。
【図4】本発明の実施形態におけるRG指標計算部での
処理フローの説明図である。
【図5】本発明の第2の実施形態を示す機能ブロック図
である。
【図6】本発明の第2の実施形態においてデータベース
として用いられている各種のデータの説明図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における送電線増設効
果計算部での処理フローの説明図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における送電線潮流制
約計算部での処理フローの説明図である。
【符号の説明】
1 入出力部 2 制御部 3 RG指標計算部 4 潮流制約付発電コスト最小化潮流データ生成部 5 系統分断時負荷遮断量計算部 6 電制機決定部 7 電制量計算部 8 電制時負荷遮断量計算部 9 負荷遮断量コスト換算部 10 総発電コスト計算部 11 系統状態データベース部 12 故障データベース部 13 パラメータデータベース部 14 RC指標計算用潮流データ部 15 制御部 16 送電線増設効果計算部 17 系統データ設定部 18 送電線潮流制約計算部 19 増設前系統データベース部 20 増設後系統データベース部 21 RG指標計算用系統データ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 滋 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 田中 愁佳夫 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 井上 忍 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ルート断故障時の負荷強制遮断量及びル
    ート断以外の故障時での発電機強制遮断による負荷遮断
    量の合計をコスト換算して求めた負荷遮断量コストに、
    前記発電機強制遮断による総発電コストの変化量を合算
    した値を故障時損失コストとした上で、この故障時損失
    コストを故障ケース毎に付与される重み係数により合算
    し、これを平常時の総発電コストと合算して電力系統の
    評価指標とし、この評価指標により電力系統の評価を行
    うことを特徴とする電力系統評価方法。
  2. 【請求項2】 ルート断故障時の負荷遮断量を計算する
    手段と、ルート断以外故障時の発電機強制遮断による負
    荷遮断量を計算する手段と、前記負荷遮断量をコスト換
    算する手段と、前記故障時の発電機強制遮断による総発
    電コストの変化量を計算する手段と、故障時の負荷遮断
    コストと総発電コスト変化量を合算して、これを故障ケ
    ース毎の重み係数により合算して故障時損失コストとす
    る手段と、この故障時損失コストと平常時総発電コスト
    を合算し、評価指標として出力する手段とで構成されて
    いることを特徴とする電力系統評価装置。
  3. 【請求項3】 ルート断故障時の負荷強制遮断量及びル
    ート断以外の故障時での発電機強制遮断による負荷遮断
    量の合計をコスト換算して求めた負荷遮断量コストに、
    前記発電機強制遮断による総発電コストの変化量を合算
    した値を故障時損失コストとした上で、この故障時損失
    コストを故障ケース毎に付与される重み係数により合算
    し、これを平常時の総発電コストと合算して電力系統の
    評価指標とし、この評価指標が最小化されるように発電
    機の出力を制御することを特徴とする電力系統潮流最適
    化方法。
  4. 【請求項4】 ルート断故障時の負荷遮断量を計算する
    手段と、ルート断以外故障時の発電機強制遮断による負
    荷遮断量を計算する手段と、前記負荷遮断量をコスト換
    算する手段と、前記故障時の発電機強制遮断による総発
    電コストの変化量を計算する手段と、故障時の負荷遮断
    コストと総発電コスト変化量を合算して、これを故障ケ
    ース毎の重み係数により合算して故障時損失コストとす
    る手段と、この故障時損失コストと平常時総発電コスト
    を合算し、評価指標として出力する手段と、この評価指
    標を最小化するのに必要な各発電機の出力を計算する手
    段とで構成されていることを特徴とする電力系統潮流最
    適化装置。
  5. 【請求項5】 請求項2の発明において、 前記故障ケースの重み係数として現在の故障発生確率を
    オンラインで与える手段と、 現在の系統状態をオンラインで取り込む手段とを設けた
    ことを特徴とする電力系統評価装置。
  6. 【請求項6】 請求項4の発明において、 前記故障ケースの重み係数として現在の故障発生確率を
    オンラインで与える手段と、 現在の系統状態をオンラインで取り込む手段とを設けた
    ことを特徴とする電力系統潮流最適化装置。
  7. 【請求項7】 電力系統の送電線増設による信頼度及び
    経済性の向上効果を評価する電力系統計画支援方法にお
    いて、 ルート断故障時の負荷強制遮断量及びルート断以外の故
    障時での発電機強制遮断による負荷遮断量の合計をコス
    ト換算して求めた負荷遮断量コストに、前記発電機強制
    遮断による総発電コストの変化量を合算した値を故障時
    損失コストとした上で、この故障時損失コストを故障ケ
    ース毎に付与される重み係数により合算し、これを平常
    時の総発電コストと合算して電力系統の評価指標とし、
    この評価指標を送電線増設前後の系統に対して求めて、
    その差によって送電線増設による信頼度及び経済性の向
    上を評価することを特徴とする電力系統計画支援方法。
  8. 【請求項8】 電力系統の送電線増設による信頼度及び
    経済性の向上効果を評価する電力系統計画支援装置にお
    いて、 ルート断故障時の負荷遮断量を計算する手段と、ルート
    断以外故障時の発電機強制遮断による負荷遮断量を計算
    する手段と、前記負荷遮断量をコスト換算する手段と、
    前記故障時の発電機強制遮断による総発電コストの変化
    量を計算する手段と、故障時の負荷遮断コストと総発電
    コスト変化量を合算して、これを故障ケース毎の重み係
    数により合算して故障時損失コストとする手段と、この
    故障時損失コストと平常時総発電コストを合算し、評価
    指標として出力する手段と、送電線増設後系統の各送電
    線の潮流制約値を計算する手段と、送電線増設前後系統
    の電力系統評価指標の差を前記の各手段を用いて計算す
    る手段とで構成されていることを特徴とする電力系統計
    画支援装置。
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