JPH10305879A - エアゾール製品およびその製法 - Google Patents

エアゾール製品およびその製法

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JPH10305879A
JPH10305879A JP10050533A JP5053398A JPH10305879A JP H10305879 A JPH10305879 A JP H10305879A JP 10050533 A JP10050533 A JP 10050533A JP 5053398 A JP5053398 A JP 5053398A JP H10305879 A JPH10305879 A JP H10305879A
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gas
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品圧を低くすることができ、しかも製造が
容易なエアゾール製品およびその製法を提供する。 【解決手段】 移動可能かつ内容物を分離可能な隔壁に
よって分離された二室容器内部の一方の空間部に吐出す
る内容物が充填され、他方の空間部に加圧する圧縮ガス
が充填されたエアゾール製品であって、前記圧縮ガスが
少なくとも2種の混合ガスからなる混合圧縮ガスであ
り、前記隔壁の少なくとも一部が圧縮ガス透過性であ
り、前記混合圧縮ガスを選択的に前記隔壁を透過して内
容物に溶解され、吐出可能となることを特徴とするエア
ゾール製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエアゾール製品に関
する。さらに詳しくは製品圧を低くすることができ、し
かも製造が容易なエアゾール製品およびその製法に関す
る。また、本発明は内容物の充填量を従来より多くする
ことができるエアゾール製品に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、エアゾール製品の内容物を細かい霧状の粒にして
噴霧したり、または発泡状態で吐出するために、噴射剤
として、あらかじめエアゾール容器内に炭酸ガス(CO
2)などの圧縮ガスを充填し、内容物に溶解させてい
る。
【0003】前記圧縮ガスを内容物に溶解させるばあ
い、まず、所定量の内容物を容器内に充填し、ついで、
前記容器内に圧縮ガスを高圧で充填している。このと
き、圧縮ガスが原液(内容物)に溶解するので、最終の
平衡状態下のエアゾール製品の内圧を大幅に上回る高圧
をかける必要がある。
【0004】このことを、オストワルド吸収係数(以
下、単にオストワルド係数という)が1である圧縮ガス
と内容物とからなり、容器内圧が0.6MPa(以下、
すべてゲージ圧とする)で内容物容積が容器容積の約6
0%を占め、圧縮ガス容積が約40%となっている一般
的なエアゾール製品について説明する。
【0005】ここで、オストワルド係数とは、要する
に、気体の分圧が760mmHgであるとき温度t℃の
溶媒1mlに溶解する気体の体積(ml)を数値のみで
表わしたものをいい、同温度下では溶解率は圧力に比例
する。
【0006】したがって、まず大気圧下で容器内に約6
0%容積分の内容物を注入し、つぎには1.5MPaの
圧縮ガスを注入しなければならない。なぜなら、容器内
の平衡圧力(40%容積の圧縮ガスと60%容積のエア
ゾール)を0.6MPaとすれば最初に40%容積に注
入すべきガス圧力Pは、 P×0.4=0.6×0.4+(0.6×0.6)×1 から1.5MPaとなる。これを一般式で示すと、下記
(1)式となる。
【0007】 P1=P2×{χ+β(1−χ)}/χ (1) これは、圧縮ガスの充填が完了するまでは圧縮ガスが内
容物に溶解しないものと仮定したばあいであって、実際
は圧縮ガスの充填とともにわずかに内容物に溶解するた
め、前記例においては最高圧力は1.5MPaよりわず
かに低く1.4MPa程度となる。
【0008】しかし、この程度の圧力であっても現在の
一般的なエアゾール容器は耐えることができない。たと
え耐えることができてもエアゾールバルブの取付(クリ
ンプ)がゆるむなどの弊害が生じる。また、かかる高圧
に耐えうる容器を使用しようとしても、製造コストが大
幅に上昇する。
【0009】したがって、現状では、別に大型の耐圧容
器を用いて、エアゾール溶液を製造し、これを各エアゾ
ール容器に順次充填する方法などを用いることもある。
この方法にしても、設備コストの大幅な上昇および工数
の増大を伴うという問題を有している。
【0010】また、前記従来のような圧縮ガス製品に一
重缶を用いたエアゾール製品では、内容物を噴霧するに
したがって、容器内部の圧力が減少していく。それによ
り、圧縮ガスの溶解量が減少し、内容物の霧の粒を細か
くする作用を維持することが困難になる。したがって、
この理由によって初期圧を高くしたり、ガスの充填率を
高くしておく必要がある。
【0011】また、誤操作したばあい(たとえば、正立
仕様にもかかわらず倒立で使用したばあい)、ガスのみ
が噴射され、製品圧力が著しく降下してしまう。従来こ
の問題を解決する手段としては、バルブに備わっている
チューブの先端に重りの付いた製品があるが、重りが充
分に作動しないなどの原因によって、確実ではない。
【0012】そこで、かかる問題を解決すべく、噴霧回
数が増えていっても圧縮ガスの溶解量の減少を抑えるこ
とができるように、内筒および外筒からなる二室容器を
用いたエアゾール製品が提案されている(特開平8−2
53408号)。
【0013】この二室容器を用いたエアゾール製品で
は、内容物が内筒内部に充填され、当該内容物に圧縮ガ
スが溶解され、内筒と外筒とのあいだの空間部には、加
圧剤として液化石油ガス(LPG)、チッ素などの圧縮
ガスが充填されている。内筒は合成樹脂などからなる可
撓性を有する袋体からなるため、使用するに従って、内
筒中の内容物が減少しても前記加圧剤からの圧力によっ
て内筒が収縮するため、内容物中の圧縮ガスの溶解量の
減少を防止することができる。
【0014】前記二室容器に圧縮ガスを充填するばあ
い、主に2つの方法があり、たとえば、まず、前者のい
わゆるTN充填の方法では、内容物(原液)を内筒に充
填し、バルブを外筒にクリンプする。ついで、バルブの
ステムから内容物に溶解させるための圧縮ガスを内筒に
充填する。そののち、外筒の底栓から内筒を圧縮させる
ための圧縮ガスを充填する。
【0015】また、後者の充填方法として、内筒の底部
に内筒から外筒へのガスの流れのみを許す(なお、内容
物の流れは許さないものとする)逆止弁が設けられた二
室容器を採用するばあい、まず、噴射バルブを外筒にク
リンプする。ついで、圧縮ガスを噴射バルブのステムか
ら、内筒および前記逆止弁を経由して、外筒へ充填す
る。ついで、噴射バルブのステムから内筒内部の圧縮ガ
スを外部へパージする。これにより、内筒はしぼんだ状
態になり、一方、外筒の空間部内部は、逆止弁が閉じる
ため、圧縮ガスが充填された状態を維持する。そのの
ち、内容物(原液)、および内容物に溶解させるための
圧縮ガスを前記噴射バルブから内筒の内部に順次充填す
れば充填作業が完了する。
【0016】しかしながら、前記従来の二室容器を用い
たエアゾール製品では、内容物に溶解される圧縮ガスと
は別に内筒を収縮させるための圧縮ガスを充填する必要
があり、製造の手間が掛かる。
【0017】しかも、内容物に溶解された圧縮ガスとは
別に、内筒と外筒とのあいだの空間部に圧縮ガスを充填
することによって所望の製品圧をうるため、内筒に充填
される内容物の充填量が外筒の内容積に対して一重缶と
同程度の60%程度までしか確保することができないと
いう問題がある。
【0018】また、ステムから内袋へ圧縮ガスを充填さ
せる前者のTN充填のばあい、内袋内部のスペースが外
筒のスペースと比較して小さいため、所定量の圧縮ガス
を内袋へ充填するときの充填圧力が大きくなる。そのた
め、内袋が破裂するという問題がある。
【0019】一方、後者の充填方法では、TN充填も可
能であるが、内容物(原液)に溶解用の圧縮ガスをあら
かじめ溶解および/または混合させた状態で内袋に充填
することができる。しかし、外部に溶解混合用のタンク
が必要となる。
【0020】さらに、従来の二室容器を用いたエアゾー
ル製品では、未発泡の内容物が多く(つまり、内容物
(原液)に圧縮ガス(噴射剤)が充分に溶解していな
い)、整髪用樹脂などステムに詰まりやすい樹脂を多く
含有する内容物には不向きである。
【0021】本発明はかかる問題を解消するためになさ
れたものであり、製品圧を低くすることができ、しかも
製造が容易なエアゾール製品およびその製法を提供する
ことを目的とする。また、本発明は内容物の充填量を従
来より多くすることができるエアゾール製品を提供する
ことを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明のエアゾール製品
は、移動可能かつ内容物を分離可能な隔壁によって分離
された二室容器内部の一方の空間部に吐出される内容物
が充填され、他方の空間部に加圧する圧縮ガスが充填さ
れたエアゾール製品であって、前記圧縮ガスが少なくと
も2種の混合ガスからなる混合圧縮ガスであり、前記隔
壁の少なくとも一部が圧縮ガス透過性であり、前記混合
圧縮ガスが選択的に前記隔壁を透過して内容物に溶解さ
れ、吐出可能となることを特徴としている。
【0023】前記加圧する圧縮ガスが、前記内容物に対
するオストワルド係数が25℃において0.5以上であ
る圧縮ガス、および0.3以下である第2圧縮ガスの混
合ガスからなるのが好ましい。
【0024】前記内容物が水、1価のアルコール、また
はこれらの混合液を含み、前記第1圧縮ガスが炭酸ガス
であり、前記第2圧縮ガスがチッ素であるのが好まし
い。
【0025】前記隔壁がオレフィン系樹脂、とくに好ま
しくはポリエチレンまたはポリプロピレンからなるのが
好ましい。
【0026】前記隔壁が前記外部容器の内面と摺動可能
に設けられたピストンであり、前記ピストンの材質がポ
リエステル、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂またはナイロ
ンであるのが好ましい。
【0027】本発明のエアゾール製品の製法は、少なく
とも一部がガス透過性を有する、移動可能かつ内容物を
分離可能な隔壁によって分離された二室容器を用いたエ
アゾール製品の製法であって、(a)前記二室容器内部
の一方の空間部に吐出される内容物を充填する工程と、
(b)前記二室容器内部の他方の空間部に、少なくとも
2種の混合ガスからなる加圧する混合圧縮ガスを充填す
る工程と、(c)前記混合圧縮ガスを選択的に前記隔壁
を透過させて内容物に溶解させる工程とからなることを
特徴としている。
【0028】前記二室容器として、ガス透過性を有する
内筒を収容する外筒上に噴射バルブが嵌着されてなるエ
アゾール容器を用いたエアゾール製品の製法であって、
(a)前記内筒に内容物を充填する工程と、(b)前記
外筒と内筒とのあいだの空間部に混合圧縮ガスを充填す
る工程と、(c)前記混合圧縮ガスを選択的に前記内筒
を透過させて内容物に溶解させる工程とからなるのが好
ましい。
【0029】前記二室容器として、筒状の外部容器、当
該外部容器内に、前記外部容器の内面と摺動可能に設け
られたピストン、前記外部容器内で前記ピストンによっ
て仕切られて形成された上部室および下部室を有し、前
記外部容器の開口端に噴射バルブが嵌着されたピストン
型エアゾール容器を用いたエアゾール製品の製法であっ
て、(a)前記上部室および下部室のうちのいずれか一
方の内部に内容物を充填する工程と、(b)前記上部室
および下部室のうちの他方の内部に混合圧縮ガスを充填
する工程と、(c)前記混合圧縮ガスを選択的に前記ピ
ストンを透過させて内容物に溶解させる工程とからなる
のが好ましい。
【0030】本発明のエアゾール製品では、二室容器の
内部を2つの空間部に隔てる隔壁(内筒、ピストン)と
して、ガス透過性を有する隔壁を採用しているため、一
方の空間部に吐出される内容物を充填し、ついで他方の
空間部に加圧する圧縮ガスを充填して放置することによ
り、前記混合圧縮ガスを選択的に前記隔壁に透過させて
内容物に溶解させることができるため、製造が容易であ
る。
【0031】また、本発明のエアゾール製品は、内袋な
どの隔壁を有する二室容器を採用しているため内袋など
をもたない従来の一重容器を用いるエアゾール製品と比
較して圧力降下が小さく、そのため最終製品圧を低くす
ることができる。
【0032】また、内容物に溶解される圧縮ガスとし
て、内筒と外筒とのあいだの空間部にある混合圧縮ガス
を選択的に利用しているため、圧縮ガスを適宜選定する
ことにより、たとえば、前記内容物に対するオストワル
ド係数が25℃において0.5以上である第1圧縮ガス
(たとえば、炭酸ガス)、および0.3以下である第2
圧縮ガス(たとえば、チッ素)の混合ガスを用いること
により、第1圧縮ガスを主として前記内筒に透過させて
内容物に溶解させ、一方、内容物に溶けにくい第2圧縮
ガスを主とした残りのガスを用いて前記内筒を収縮させ
ることができる。このばあい、内容物に第1圧縮ガス
(炭酸ガス)だけが溶解する(一方、内筒外には第2圧
縮ガス(チッ素)がある)ので、噴射後に発生するガス
だまりが少なく、噴射時の第1圧縮ガスのガスぬけが防
止でき、圧力降下を小さくできる。そのため、内容物の
充填量を外筒の内容積に対して70%程度まで確保する
ことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】つぎに、図面を参照しながら、本
発明のエアゾール製品を詳細に説明する。図1は本発明
のエアゾール製品の一実施例を示す断面説明図、図2は
図1のエアゾール製品の噴射後の状態を示す断面説明
図、図3は図1のエアゾール製品の空間部内部の混合圧
縮ガスの圧力変化を示すグラフ、図4は本発明のエアゾ
ール製品の他の実施例を示す断面説明図、図5は本発明
のエアゾール製品のさらに他の実施例を示す断面説明図
および図6は本発明のエアゾール製品のさらに他の実施
例を示す断面説明図である。
【0034】図1に示されるエアゾール容器は、隔壁と
して可撓性を有する内筒1を用いたものであり、ガス透
過性を有する内筒1内部の内容物Aが内筒1と外筒2と
のあいだの空間部7内部の圧縮ガスBにより押し出され
る、いわゆる二室圧力容器であり、前記内筒1を収納す
る外筒2上には噴射バルブ3を支持するマウンテンカッ
プ4が液密に嵌着されている。またバルブステム6には
ボタン20が嵌合されている。
【0035】また、図1に示されるエアゾール容器に
は、内筒1内の内容物Aが所定量以上減少したときに内
筒1を突き刺して空間部7内部の圧縮ガスBを噴射バル
ブ3のバルブステム6を通して容器外へ確実に排出させ
ることができるように、ガス抜き治具9が前記バルブハ
ウジング5の下部に取り付けられている。ガス抜き治具
9は、外周部位に前記内筒1の内壁に向けて傾斜し、先
端8aが尖っている三角錐状の先鋭突起8から構成され
ている。先鋭突起8の底部には、内容物Aを噴射バルブ
3内に導入するための排出導管10が支持されている。
【0036】内筒1は、ガス透過性を有し、かつ内容物
を分離可能(すなわち、内容物について実質的に非透過
性)な材料によって作製されている。内筒1は、酸やア
ルカリに対する耐薬品性とガス透過性に優れたオレフィ
ン系樹脂のうち、とくに安価なポリプロピレン(PP)
またはポリエチレン(PE)などによって作製されるの
が好ましい。
【0037】圧縮ガスBは、空間部7内部に充填され、
選択的に前記ガス透過性を有する内筒1を通過して内容
物Aに溶解している。圧縮ガスBの充填は、一重缶と同
じ従来公知の方法を用いることができる。たとえば、内
容物A(原液)を内筒1に充填し、噴射バルブ3を外筒
2上に載せ、ついで内筒1と外筒2とのすき間から空間
部7へ後述の混合した圧縮ガスを充填し、そののち、噴
射バルブ3(具体的には、マウンテンカップ4)をクリ
ンプすればよい。この充填方法は、二室容器では今まで
にない簡便な充填方法である。
【0038】圧縮ガスBは、2つの機能、すなわち、内
容物Aに溶解して内容物Aを細かい霧状の粒にして噴霧
したりまたは発泡状態で吐出する機能、および内筒1を
収縮させる機能を奏する少なくとも1種のガスによって
組成され、たとえば、従来から用いられる炭酸ガス(C
O2)、チッ素(N2)、酸素(O2)、亜酸化チッ素
(N2O)または空気などから選定される。空気は主に
チッ素と酸素の混合物であるが、空気は混合ガスとして
考えない。ただし、前記液化石油ガスなどの液化ガスと
比較して、他の炭酸ガス、チッ素、酸素、亜酸化チッ
素、空気を用いたばあい、低温時に圧力の低下が少ない
ので、内筒内の圧力と外筒と内筒の間の空間部7との圧
力差が少なく、内筒1が裂ける心配がない。
【0039】そのうち、とくに前記内容物Aに対するオ
ストワルド係数が25℃において0.5以上である第1
圧縮ガスおよび0.3以下である第2圧縮ガスの混合ガ
スからなるのが好ましい。この混合ガスを用いることに
より、第1圧縮ガスを主として前記内筒1に透過させて
内容物Aに溶解させ、一方、内容物Aに溶けにくい第2
圧縮ガスを主とした残りのガス(図1における圧縮ガス
B)を用いて前記内筒Aを収縮させることができる。こ
のばあい、第1圧縮ガスのみの圧縮ガスのばあい(たと
えば、後述する炭酸ガスのみのばあい)と比較して内筒
内部の圧力降下が小さくなるため、内容物の充填量を外
筒の内容積に対して70%程度まで確保することができ
る。
【0040】なお、第1圧縮ガスのオストワルド係数
は、圧縮ガスとしての性能を発揮したり、または発泡剤
として作用するために溶解度の大きいものが好ましく、
0.5以上であることが好ましい。一方、第2圧縮ガス
のオストワルド係数は、加圧剤として作用するために溶
解度の小さなものが好ましく、0.3以下であることが
好ましい。
【0041】第1圧縮ガスと第2圧縮ガスとの混合割合
は、10〜90:90〜10さらには20〜80:80
〜20程度の割合が好ましい。
【0042】とくに、オストワルド係数0.5以上の圧
縮ガスが内容物に溶解したばあい、以下の3つの効果が
ある。
【0043】(1)微発泡物がえられる。
【0044】たとえば、発泡性成分を含む内容物に溶解
する圧縮ガスがオストワルド係数2のばあい、圧力0.
1MPaのばあいに内容物(原液)1mlあたり圧縮ガ
ス2mlが溶解する。したがって、圧力0.3MPaの
ばあいは6ml程度溶解する(すなわち、原液の約5〜
10倍の体積の圧力ガスが溶解する)。とくにLPG
(液化石油ガス)のばあい、泡比重(発泡物の単位容積
当りの重量)が0.03〜0.05である。したがっ
て、原液の約30〜20倍の体積の発泡物がえられる。
圧縮ガスが溶解した発泡物は、液化ガスによる発泡物よ
りも液膜内のガスが小さく、非常に多くの微細な泡を含
んだもの(微発泡物)である。
【0045】このように微発泡物がえられるため、未発
泡物に比べてステム内部などの通路に残った内容物も充
分に発泡しているので、密度も非常に小さい。そのた
め、内容物に含まれる樹脂などが通路中に少ししか付着
しないため、通路が詰まりにくい。その結果、整髪用樹
脂などの詰まりやすい樹脂を多く含有する内容物にも二
室容器を好ましく適用することができる。
【0046】(2)微粒子化が可能になる。
【0047】発泡性成分を含まない内容物に対して、オ
ストワルド係数0.5以上の圧縮ガスが溶解したばあ
い、噴射される内容物は、多量に溶解した圧縮ガスが急
速に内容物から放出することにより、微粒子となって噴
射することができる。
【0048】(3)pH調整ができる。
【0049】オストワルド係数0.5以上の圧縮ガスと
して、炭酸ガスを用いたばあい、内容物に炭酸ガスが溶
解すると酸性側へ移行するため、内容物を所望のpHに
調整することができる。その結果、内容物の血行促進効
果を奏することができる(特公昭63−47684号公
報参照)。
【0050】ここで、前記圧縮ガスBを具体的に選定す
るために、炭酸ガス(CO2)、チッ素(N2)、酸素
(O2)、亜酸化チッ素(N2O)、空気について、エア
ゾール製品一般について従来より用いられている水−エ
チルアルコール系の溶媒に対する溶解度を調べる。表1
には、25℃における各々のガスの水に対する溶解度
と、エチルアルコールに対する溶解度が示されている
(ただし、空気のエチルアルコールに対するオストワル
ド係数は実測値が示されている)。
【0051】
【表1】
【0052】表1より、オストワルド係数が25℃にお
いて0.5以上である第1圧縮ガスには、炭酸ガス、亜
酸化チッ素が含まれ、一方、0.3以下である第2圧縮
ガスには、チッ素、酸素、空気が含まれることがわか
る。そのうち、とくに炭酸ガスとチッ素との混合ガスが
エアゾール製品の安定性(容器、内容物など)を考慮し
たばあい最も好ましい。
【0053】また、参考として、前記炭酸ガス、チッ
素、酸素、亜酸化チッ素、空気の各々の臨界温度を表2
に示す。なお、臨界温度とは、高い圧力をかけても液化
することができずに単に高度に圧縮された気体が生じる
にすぎない状態になる温度である。
【0054】
【表2】
【0055】表2より、前記オストワルド係数と臨界温
度とのあいだで相関関係があることがわかる。したがっ
て、表1〜2を比較すれば、前記第1圧縮ガスの定義と
して臨界温度が0〜50℃であるガスとし、一方、前記
第2圧縮ガスの定義として臨界温度が−100℃以下で
あるガスとしてもよい。
【0056】図1に示されるエアゾール製品を製造する
ばあい、まず、図1のガス透過性を有する内筒1に内容
物Aを充填し、ついで外筒2と内筒1とのあいだの空間
部7に混合圧縮ガスBを充填して放置すればよい。一定
時間放置することにより、前記混合圧縮ガスBを選択的
に前記内筒1に透過させて内容物Aに溶解させることが
できるため、製造が容易である。しかも、従来の充填方
法のように、大きい充填圧力で内袋(本実施例の内筒
1)に圧縮ガスを充填しなくてもよいため、内袋が破裂
する心配がない。また、溶解混合用のタンクも不要であ
る。
【0057】また、図1のエアゾール製品は、内筒1を
有する二室容器を採用しているため、内筒をもたない従
来の一重缶を用いたエアゾール製品と比較して誤使用の
心配がなく、圧力降下が小さく、そのため最終製品圧を
低くすることができる。たとえば、従来の一重缶では最
終製品圧が0.2MPa程度必要なのに対し、図1のよ
うな二室容器のばあい、最終製品圧が0.07MPa以
上、好ましくは0.1MPa以上であれば、所望の噴射
状態を維持することができる。
【0058】また、圧縮ガスBが溶解度の比較的大きい
炭酸ガスのみのばあいでは、内容物A中によく溶ける
し、また発泡した分が噴射したときに出ていくため、噴
射後の圧力降下が大きい。そのため、最終噴射状態を考
慮すると初期圧を若干高く(ただし、一重缶の最終製品
圧0.2MPaと比較してはるかに小さく、0.15M
Pa程度)しておく必要がある。しかも、図2に示され
るように、噴射後に内筒1がしぼみ、圧力が下がると、
内容物A中に溶け込んだ炭酸ガスが元の形状まで戻そう
とするので、内筒1の上部にガスだまりができ、次回噴
射したときに内容物Aが出ずにガスのみを噴射(いわゆ
る、ガスぬけ)するのでガスのロスとなる。
【0059】そこで、前述のように、炭酸ガスなどの第
1圧縮ガスとチッ素などの第2圧縮ガスとからなる混合
ガスを採用すれば、内筒1の外側の空間部7にチッ素が
ほとんど残っているので、噴射後の圧力降下が小さく、
ガスだまりが生じにくい。したがって、初期圧を低く設
定できるとともにガスのロスがほとんどなくなるという
効果を奏することができる。
【0060】ここで実施例として、ガス透過性樹脂製の
内袋内に精製水100g充填して、金属容器と内袋との
あいだの空間部に表3に示される種類の混合圧縮ガスを
充填した。充填直後および経過時間による空間部内部の
混合圧縮ガスの圧力変化を測定した。
【0061】表3および該表3のNo.I〜VIに対応す
る図3のグラフより明らかなように、両圧縮ガスともに
内袋を透過するが(窒素ガスのほうが炭酸ガスよりも分
子径は小さい)、オストワルド係数の違いにより、CO
2が選択的に溶解していることがわかる。
【0062】
【表3】
【0063】つぎに、隔壁としてピストンを用いたエア
ゾール製品について説明する。
【0064】図4に示されるエアゾール容器は、筒状の
外部容器11と、当該外部容器11内に、前記外部容器
11の内面と摺動可能に設けられた、ガス透過性を有
し、かつ内容物を分離可能(すなわち、内容物について
実質的に非透過性)なピストン12とから構成されてい
る。前記外部容器11内には、前記ピストン12によっ
て仕切られることにより、上部室13および下部室14
が形成されている。前記外部容器11の上部の開口端に
は噴射バルブ15を支持するマウンティングカップ16
が液密に嵌着されている。なお、20はボタンである。
【0065】前記上部室13には、前記吐出される内容
物Aが充填され、下部室14には前記加圧する圧縮ガス
Bが充填されている。下部室14の混合圧縮ガスBが選
択的にガス透過性のピストン12を透過することによ
り、内容物Aに溶解されている。
【0066】前記ピストン12に用いられるガス透過性
樹脂としては、ガス透過性および耐圧性にすぐれ、摺動
性があれば、とくに限定なく用いることができる。前記
ガス透過性樹脂の代表例としては、たとえばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、塩化ビニル樹脂、
ABS樹脂、ナイロンで代表されるポリアミドなどがあ
げられる。これらのガス透過性樹脂は、単独でまたは積
層体として用いることができる。
【0067】前記ピストン12は、たとえばブロー成形
法によって成形された成形品であってもよく、また射出
成形法によって成形された成形品であってもよい。ま
た、前記ピストン12の形状についてもとくに限定がな
いが、その代表的なものとしては、たとえば円筒形状が
あげられる。前記ピストン12の肉厚は、かかるピスト
ン12を構成しているガス透過性樹脂の種類によって異
なるので一概には決定することができないが、充分な耐
圧性およびガス透過性を付与せしめるためには、0.5
〜2mm程度であることが好ましい。
【0068】図4に示されるエアゾール製品を製造する
ばあい、まず、上部室13および下部室14に混合圧縮
ガスを充填する。このとき、混合圧縮ガスを上部室に充
填するだけで、ピストン12の側面(外部容器11の内
面との接触部分)がガス充填時に撓むことによってガス
を下部室13に充填できる。ついで、上部室13内部の
混合圧縮ガスをパージし、そののち、内容物Aを上部室
13へ充填すればよい。一定時間放置することにより、
前記圧縮ガスBの一部を前記ピストン12に透過させて
内容物Aに溶解させることができるため、製造が容易で
ある。しかも、大きい充填圧力で圧縮ガスを充填しなく
てもよいため、ピストンが破損する心配がなく、また、
溶解混合用のタンクも不要である。
【0069】なお、図4には上部室13に内容物Aが充
填され、下部室13には圧縮ガスBが充填された例が示
されているが、本発明はこれに限定されるものではな
い。たとえば、隔壁としてピストンを用いたエアゾール
製品の他の例として、図5に示されるように、下部室1
4に内容物Aが充填され、上部室13に圧縮ガスBが充
填され、下部室14が前記ガス透過性を有するピストン
12を貫通するチューブ18を通して、噴射バルブ15
に連通してなるエアゾール製品であっても、前述と同様
の効果を奏することができる。なお、20はボタンであ
る。
【0070】さらに、図6に示されるような、隔壁とし
て前述のガス透過性を有する内筒1およびピストン12
の両方を用いたエアゾール製品であっても前述と同様の
効果を奏することができる。なお、図6のばあい、内筒
1および下部室14に内容物Aが充填され、上部室13
に圧縮ガスBが充填されている。なお、20はボタンで
ある。
【0071】以上のようなガス透過性を有する隔壁を備
えた二室エアゾール製品は、たとえば清拭剤(特開昭6
1−243900号参照)、ボディコロン(特開昭63
−141910号参照)、育毛用(特開昭63−141
917号参照)、かゆみ止め(特開昭63−14191
8号参照)、外用貼付剤(特開平1−230514号参
照)、接着剤(特開平3−9971号参照)、制汗剤
(特開平3−148212号参照)、温感フォーム(特
開平4−264186号参照)、消炎鎮痛剤(特開平5
−279250号参照)、口腔用(特開平5−3450
26号参照)、練り歯磨き(特公平6−55659、7
−42218号参照)、殺菌消毒(特開平6−3277
50号参照)、ヘアケア用(特開平7−206648号
参照)、およびスキンケア(特開平7−330540号
参照)に利用することができる。
【0072】
【発明の効果】本発明のエアゾール製品では、二室容器
の隔壁として、ガス透過性を有する隔壁を採用している
ため、混合圧縮ガスを選択的に隔壁に透過させて内容物
に溶解させることができるため、製造が容易である。し
かも、大きい充填圧力で圧縮ガスを充填しなくてもよい
ため、隔壁が破損する心配がない。また、溶解混合用の
タンクも不要である。
【0073】また、二室容器を採用しているため、内袋
をもたない従来のエアゾール製品と比較して最終製品圧
を低くすることができる。
【0074】さらに、圧縮ガスとして、内容物に対する
オストワルド係数が25℃において0.5以上である第
1圧縮ガス、および0.3以下である第2圧縮ガスの混
合ガスを用いれば、内容物を収容する空間部内部の圧力
降下が小さくなるため、内容物の充填量を従来より多く
確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアゾール製品の一実施例を示す断面
説明図である。
【図2】図1のエアゾール製品の噴射後の状態を示す断
面説明図である。
【図3】図1のエアゾール製品の空間部内部の混合圧縮
ガスの圧力変化を示すグラフである。
【図4】本発明のエアゾール製品の他の実施例を示す断
面説明図である。
【図5】本発明のエアゾール製品のさらに他の実施例を
示す断面説明図である。
【図6】本発明のエアゾール製品のさらに他の実施例を
示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 内筒 2 外筒 3、15 噴射バルブ 11 外部容器 12 ピストン 13 上部室 14 下部室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B65D 83/38

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動可能かつ内容物を分離可能な隔壁に
    よって分離された二室容器内部の一方の空間部に吐出さ
    れる内容物が充填され、他方の空間部に加圧する圧縮ガ
    スが充填されたエアゾール製品であって、前記圧縮ガス
    が少なくとも2種の混合ガスからなる混合圧縮ガスであ
    り、前記隔壁の少なくとも一部が圧縮ガス透過性であ
    り、前記混合圧縮ガスが選択的に前記隔壁を透過して内
    容物に溶解され、吐出可能となるエアゾール製品。
  2. 【請求項2】 前記加圧する圧縮ガスが、前記内容物に
    対するオストワルド吸収係数が25℃において0.5以
    上である第1圧縮ガス、および0.3以下である第2圧
    縮ガスの混合ガスからなる請求項1記載のエアゾール製
    品。
  3. 【請求項3】 前記内容物が水、1価のアルコール、ま
    たはこれらの混合液を含み、前記第1圧縮ガスが炭酸ガ
    スであり、前記第2圧縮ガスがチッ素である請求項2記
    載のエアゾール製品。
  4. 【請求項4】 前記隔壁がオレフィン系樹脂からなる請
    求項1、2または3記載のエアゾール製品。
  5. 【請求項5】 前記隔壁がポリエチレンまたはポリプロ
    ピレンからなる請求項4記載のエアゾール製品。
  6. 【請求項6】 前記隔壁が前記外部容器の内面と摺動可
    能に設けられたピストンであり、前記ピストンの材質が
    ポリエステル、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂またはナイ
    ロンである請求項1、2または3記載のエアゾール製
    品。
  7. 【請求項7】 少なくとも一部がガス透過性を有する、
    移動可能かつ内容物を分離可能な隔壁によって分離され
    た二室容器を用いたエアゾール製品の製法であって、
    (a)前記二室容器内部の一方の空間部に吐出される内
    容物を充填する工程と、(b)前記二室容器内部の他方
    の空間部に、少なくとも2種の混合ガスからなる加圧す
    る混合圧縮ガスを充填する工程と、(c)前記混合圧縮
    ガスを選択的に前記隔壁を透過させて内容物に溶解させ
    る工程とからなるエアゾール製品の製法。
  8. 【請求項8】 前記二室容器として、ガス透過性を有す
    る内筒を収容する外筒上に噴射バルブが嵌着されてなる
    エアゾール容器を用いたエアゾール製品の製法であっ
    て、(a)前記内筒に内容物を充填する工程と、(b)
    前記外筒と内筒とのあいだの空間部に混合圧縮ガスを充
    填する工程と、(c)前記混合圧縮ガスを選択的に前記
    内筒を透過させて内容物に溶解させる工程とからなる請
    求項7記載のエアゾール製品の製法。
  9. 【請求項9】 前記二室容器として、筒状の外部容器、
    当該外部容器内に、前記外部容器の内面と摺動可能に設
    けられたピストン、前記外部容器内で前記ピストンによ
    って仕切られて形成された上部室および下部室を有し、
    前記外部容器の開口端に噴射バルブが嵌着されたピスト
    ン型エアゾール容器を用いたエアゾール製品の製法であ
    って、(a)前記上部室および下部室のうちのいずれか
    一方の内部に内容物を充填する工程と、(b)前記上部
    室および下部室のうちの他方の内部に混合圧縮ガスを充
    填する工程と、(c)前記混合圧縮ガスを選択的に前記
    ピストンを透過させて内容物に溶解させる工程とからな
    る請求項7記載のエアゾール製品の製法。
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