JPH10308228A - 高分子電解質型燃料電池及びその製造方法 - Google Patents

高分子電解質型燃料電池及びその製造方法

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JPH10308228A
JPH10308228A JP9115681A JP11568197A JPH10308228A JP H10308228 A JPH10308228 A JP H10308228A JP 9115681 A JP9115681 A JP 9115681A JP 11568197 A JP11568197 A JP 11568197A JP H10308228 A JPH10308228 A JP H10308228A
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fuel cell
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高分子電解質のイオン伝導度を維持したまま、
高分子電解質膜の機械的強度を強くした高分子電解質型
燃料電池を提供すること。 【解決手段】高分子電解質1の少なくとも一方の面の周
縁部に炭化フッソ系の樹脂2が被覆されており、炭化フ
ッソ系樹脂2で被覆した高分子電解質の中心部に炭化フ
ッソ系樹脂2と接する大きさの電極触媒層4が被覆され
ており、電極触媒層4より大きいガス拡散相33が電極
触媒層4と接するよう接合されている構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子電解質型燃料電
池及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の高分子電解質型燃料電池は、電解
質である炭化フッソ系の高分子電解質薄膜と、アノ−ド
およびカソ−ドの電極、さらにカ−ボンあるいは金属製
のセパレ−タ−や冷却板から構成されてきた。
【0003】電池反応に寄与する電極と電解質は、貴金
属触媒を担持したカ−ボン粉末と電解質と同等の材料の
混合物を構成材料とし、これに場合によってはフルオロ
カ−ボン化合物系の撥水材などを添加した混合物を、カ
−ボン繊維から構成されるカ−ボンペ−パ−などに保持
し、電解質である高分子膜と接合して構成してきた。通
常、アノ−ドおよびカソ−ドの構成材料は同一であり、
炭化水素系燃料を改質した水素リッチなガスを燃料とす
る場合、改質ガス中に含まれる一酸化炭素による触媒の
被毒を抑制するため、アノ−ド側のみにルテニウムなど
の耐CO被毒材料を添加して構成することも考えられて
きた。
【0004】電解質は、スルホン基を含む炭化フッソ系
の高分子であり、プロトン伝導性の電解質である。燃料
電池の性能を向上させるためには、電解質のイオン伝導
度を向上させることが重要な因子の一つであるため、通
常は高分子電解質の膜厚を薄くすることによって内部抵
抗を小さくすることが試みられている。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、従来の
高分子電解質型燃料電池では、高分子電解質を薄くすれ
ばするほど電解質の抵抗は小さくなるが、それに反して
電解質膜の機械的強度が小さくなると言う課題が有っ
た。
【0006】本発明は、従来の高分子電解質型燃料電池
のこの様な課題を考慮し、高分子電解質のイオン伝導度
を実質上維持したまま、高分子電解質の機械的強度を従
来に比べてより一層強くすることが出来る高分子電解質
型燃料電池及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、高分子電解質と、その高分子電解質を挟持するガス
拡散電極としてのアノ−ドとカソ−ドとを有する高分子
電解質型燃料電池において、前記高分子電解質は前記ア
ノード及び/又は前記カソードより面積が大きく、前記
高分子電解質の少なくとも一方の面における、前記高分
子電解質と前記アノード又は前記カソードとの接合面以
外の部位が炭化フッ素系樹脂で被覆されている高分子電
解質型燃料電池である。
【0008】請求項2記載の本発明は、高分子電解質
と、その高分子電解質を挟持するガス拡散電極としての
アノ−ドとカソ−ドとを有する高分子電解質型燃料電池
において、前記高分子電解質は前記アノード及び/又は
前記カソードより面積が大きく、前記高分子電解質の少
なくとも一方の面における、前記高分子電解質と前記ア
ノード又は前記カソードとの接合面以外の部位が炭化フ
ッ素系樹脂で被覆されており、前記少なくとも一方の面
における前記アノード又は前記カソードは、前記少なく
とも一方の面における前記炭化フッソ系樹脂で被覆され
ていない面積より大きい高分子電解質型燃料電池であ
る。
【0009】請求項3記載の本発明は、高分子電解質
と、その高分子電解質を挟持するガス拡散電極としての
アノ−ドとカソ−ドとを有し、前記アノ−ドおよびカソ
−ドが、電極触媒を担持したカ−ボン粉末を主体とする
電極触媒層と、前記電極触媒を担持していないカ−ボン
粉末又はカ−ボン繊維を主体とするガス拡散相とから構
成されている高分子電解質型燃料電池において、前記高
分子電解質の少なくとも一方の面の外周部付近に炭化フ
ッソ系の樹脂が被覆されており、前記少なくとも一方の
面における前記炭化フッソ系樹脂で被覆されていない前
記高分子電解質の実質上中心部に前記炭化フッソ系樹脂
と接する大きさの電極触媒層が被覆されており、前記電
極触媒層より大きいガス拡散相が前記電極触媒層と接す
るよう接合されている高分子電解質型燃料電池である。
【0010】請求項6記載の本発明は、高分子電解質
と、その高分子電解質を挟持するガス拡散電極としての
アノ−ドとカソ−ドとを有し、前記アノ−ドおよびカソ
−ドが、電極触媒を担持したカ−ボン粉末を主体とする
電極触媒層と、前記電極触媒を担持していないカ−ボン
粉末又はカ−ボン繊維を主体とするガス拡散相とから構
成されている高分子電解質型燃料電池の製造方法であっ
て、前記高分子電解質の少なくとも一方の面の外周部付
近に炭化フッソ系の樹脂を被覆する樹脂被覆工程と、前
記樹脂被覆工程の後、前記少なくとも一方の面における
前記炭化フッソ系樹脂で被覆されていない前記高分子電
解質の実質上中心部に、前記炭化フッソ系樹脂の内周端
部と接する大きさの電極触媒層を形成する電極触媒層形
成工程と、前記電極触媒層形成工程の後、前記電極触媒
層より大きいガス拡散相を前記電極触媒層と接するよう
接合する接合工程とを備えている高分子電解質型燃料電
池の製造方法である。
【0011】このような構成により、例えば、高分子電
解質のイオン伝導度を維持したまま、高分子電解質膜の
機械的強度を強くすることが可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる高分子電解
質型燃料電池の実施の形態を図面を参照しながら説明す
る。
【0013】図1は、本発明の一実施の形態の高分子電
解質型燃料電池の概略の構成を説明するためのイメ−ジ
図であり、同図を用いて本実施の形態の構成及び作用を
述べる。
【0014】図1中において、1が高分子電解質膜、2
が炭化フッソ系樹脂の相である。高分子電解質は、通常
10μm〜100μm程度の膜厚を有するプロトン伝導
体であり、発明が解決しょうとする課題の欄で述べた様
に、抵抗を小さくするため膜厚を薄くすると機械的強度
が弱くなり、電極13のアノ−ド側とカソ−ド側に導入
するガスの差圧などが生じると電解質膜が破れて、アノ
−ドガスとカソ−ドガスのクロスリ−クが発生しやすく
なる。ここで、電極13は、図1に示した高分子電解質
膜1上で、炭化フッソ系樹脂の相2に囲まれた中央部の
四角形の穴の位置に設けられている。尚、図1は、高分
子電解質膜1上において、アノードとカソードの双方の
電極の内、その片側の電極の記載を省略している。
【0015】このとき、アノ−ドとカソ−ドに挟持され
た部分の電解質膜の機械的強度は比較的強く、電極と接
合されていない部分の電解質膜が破れることがほとんど
である。
【0016】そこで、本実施の形態の様に、高分子電解
質と電極との接合面以外の電極周辺部の高分子電解質の
少なくとも一方の面を炭化フッ素系樹脂で被覆すること
によって、高分子電解質のイオン伝導度を維持したま
ま、高分子電解質膜の機械的強度を強くすることが可能
である。
【0017】尚、高分子電解質1は、一般的にスルホン
基を含む炭化フッソ系の高分子が利用される。そのため
補強用に用いる炭化フッソ系樹脂の相2もこれと同じス
ルホン基を含む炭化フッソ系樹脂を用いても良いが、ス
ルホン基を含む炭化フッソ系樹脂は高価であるので、テ
フロン等を用いる方が、価格的に安くなり更に良い。
【0018】次に、図2は、本発明の他の実施の形態の
高分子電解質型燃料電池の概略の構成を説明するための
イメ−ジ図であり、同図を用いて本実施の形態の構成及
び作用を述べる。
【0019】図2において、1が高分子電解質膜、2が
炭化フッソ系樹脂の相、3が電極である。高分子電解質
は、通常10μm〜100μm程度の膜厚を有するプロ
トン伝導体であり、抵抗を小さくするため膜厚を薄くす
ると機械的強度が弱くなり、アノ−ド側とカソ−ド側に
導入するガスの差圧などが生じると電解質膜が破れて、
アノ−ドガスとカソ−ドガスのクロスリ−クが発生しや
すくなる。このとき、アノ−ドとカソ−ドに挟持された
部分の電解質膜の機械的強度は比較的強く、電極と接合
されていない部分の電解質膜が破れることがほとんどで
ある。特に、電極周辺のエッジ部で電解質膜が破れる場
合が多い。そこで、高分子電解質1と電極3との接合面
以外の電極周辺部の高分子電解質の少なくとも一方の面
を炭化フッ素系樹脂2で被覆し、炭化フッソ系樹脂で被
覆されていない高分子電解質の中心部の面積より大きい
電極3を有して構成することによって、高分子電解質の
イオン伝導度を維持したまま、高分子電解質膜の機械的
強度、特に電極周辺のエッジ部の機械的強度を強くする
ことが可能である。
【0020】次に、図3は、本発明の他の実施の形態の
高分子電解質型燃料電池の概略の構成を説明するための
イメ−ジ図であり、同図を用いて本実施の形態の構成及
び作用を述べる。
【0021】図3において、1が高分子電解質膜、2が
炭化フッソ系樹脂の相、33が電極の一部を構成するガ
ス拡散相、4が電極の一部を構成する電極触媒層であ
る。高分子電解質は、通常10μm〜100μm程度の
膜厚を有するプロトン伝導体であり、抵抗を小さくする
ため膜厚を薄くすると機械的強度が弱くなり、アノ−ド
側とカソ−ド側に導入するガスの差圧などが生じると電
解質膜が破れて、アノ−ドガスとカソ−ドガスのクロス
リ−クが発生しやすくなる。このとき、アノ−ドとカソ
−ドに挟持された部分の電解質膜の機械的強度は比較的
強く、電極と接合されていない部分の電解質膜が破れる
ことがほとんどである。特に、電極周辺のエッジ部で電
解質膜が破れる場合が多い。そこで、高分子電解質1の
少なくとも一方の面の周縁部(外周部付近)に炭化フッ
ソ系の樹脂2を被覆し、炭化フッソ系樹脂で被覆した高
分子電解質の中心部に炭化フッソ系樹脂と接する大きさ
の電極触媒層4を被覆し、電極触媒層より大きいガス拡
散相33を電極触媒層4と接するよう接合することによ
って、高分子電解質のイオン伝導度を維持したまま、高
分子電解質膜の機械的強度、特に電極周辺のエッジ部の
機械的強度を強くすることが可能である。
【0022】次に、図4は、本発明の他の実施の形態の
高分子電解質型燃料電池の概略の構成を説明するための
イメ−ジ図であり、同図を用いて本実施の形態の構成及
び作用を述べる。
【0023】図4において、1が高分子電解質膜、2が
炭化フッソ系樹脂の相、33が電極の一部を構成するガ
ス拡散相、4が電極の一部を構成する電極触媒層であ
る。高分子電解質は、通常10μm〜100μm程度の
膜厚を有するプロトン伝導体であり、抵抗を小さくする
ため膜厚を薄くすると機械的強度が弱くなり、アノ−ド
側とカソ−ド側に導入するガスの差圧などが生じると電
解質膜が破れて、アノ−ドガスとカソ−ドガスのクロス
リ−クが発生しやすくなる。このとき、アノ−ドとカソ
−ドに挟持された部分の電解質膜の機械的強度は比較的
強く、電極と接合されていない部分の電解質膜が破れる
ことがほとんどである。特に、電極周辺のエッジ部で電
解質膜が破れる場合が多い。そこで、高分子電解質1の
両方の面の周縁部に炭化フッソ系の樹脂2を被覆し、炭
化フッソ系樹脂で被覆した高分子電解質の中心部に炭化
フッソ系樹脂と接する大きさの電極触媒層4を被覆し、
電極触媒層より大きいガス拡散相33を電極触媒層と接
するよう接合することによって、高分子電解質のイオン
伝導度を維持したまま、高分子電解質膜の機械的強度、
特に電極周辺のエッジ部の機械的強度を強くすることが
可能である。
【0024】次に、図5は、本発明の他の実施の形態の
高分子電解質型燃料電池の概略の構成を説明するための
イメ−ジ図であり、同図を用いて本実施の形態の構成及
び作用を述べる。
【0025】図5において、1が高分子電解質膜、2が
炭化フッソ系樹脂の相、33が電極の一部を構成するガ
ス拡散相、4が電極の一部を構成する電極触媒層、5が
燃料である水素や酸化材である空気などを電極に供給す
るためのガスマニホ−ルドである。高分子電解質は、通
常10μm〜100μm程度の膜厚を有するプロトン伝
導体であり、抵抗を小さくするため膜厚を薄くすると機
械的強度が弱くなり、アノ−ド側とカソ−ド側に導入す
るガスの差圧などが生じると電解質膜が破れて、アノ−
ドガスとカソ−ドガスのクロスリ−クが発生しやすくな
る。このとき、アノ−ドとカソ−ドに挟持された部分の
電解質膜の機械的強度は比較的強く、電極と接合されて
いない部分の電解質膜が破れることがほとんどである。
特に、電極周辺のエッジ部で電解質膜が破れる場合が多
い。そこで、高分子電解質1の両方の面の周縁部に炭化
フッソ系の樹脂2を被覆し、炭化フッソ系樹脂2で被覆
した高分子電解質の中心部に炭化フッソ系樹脂と接する
大きさの電極触媒層4を被覆し、電極触媒層より大きい
ガス拡散相33を電極触媒層と接するよう接合すること
によって、高分子電解質のイオン伝導度を維持したま
ま、高分子電解質膜の機械的強度、特に電極周辺のエッ
ジ部の機械的強度を強くすることが可能である。また、
このとき炭化フッ素系の樹脂の相2はガスマニホ−ルド
の周縁部をガスシ−ルするガスケットの役目を同時に果
たしている。
【0026】次に、上記実施の形態で述べた構成による
具体的な実験例を図面を用いて述べ、同時に本発明の高
分子電解質型燃料電池の製造方法にかかる一実施の形態
についても説明する。 (実験例1)本実験例は、図1で述べた構成とほぼ対応
した高分子電解質型燃料電池の単セルによる例である。
【0027】即ち、本実験例では、高分子電解質として
16cm角に切断したデュポン社製のナフィオン112
(図1の高分子電解質膜1に対応)を用いた。アセチレ
ンブラック系カ−ボン粉末に平均粒径約30オングスト
ロームの白金触媒を30wt%担持した触媒担持カ−ボ
ン粉末と、デュポン社製のナフィオン溶液を酢酸ブチル
溶媒に分散し、ペ−スト状の電極触媒スラリ−を得た。
この電極触媒スラリ−を、10cm角に切断した東レ製
のカ−ボン不織布の一方の面に、白金触媒量がカ−ボン
不織布の面積に対して0.3mg/cm2となるようス
クリ−ン印刷法により塗布し、電極(図1の電極13に
対応)とした。カ−ボン不織布に塗布した電極触媒スラ
リ−を粗乾燥後、塗布面が高分子電解質膜と接するよう
にそれら2枚の電極で高分子電解質膜の中央部を挟持
し、150℃、50kg/cm2でホットプレスして高
分子電解質膜と電極を接合した。接合した電極/高分子
電解質膜接合体の電極周辺部の高分子電解質膜の一方の
面に、炭化フッ素系樹脂製の粘着剤付きテ−プを(幅:
1cm、厚さ:50μm)、電極との隙間ができないよ
うに張り付け高分子電解質膜を補強した。即ち、この場
合、粘着剤付きテ−プを4枚用意して、それらを電極の
周辺に張り付けるものである(図1の炭化フッソ系樹脂
の相2に対応)。
【0028】この電極/高分子電解質膜接合体を、グラ
ッシ−カ−ボン製のセパレ−タ−に組み込んで高分子電
解質型燃料電池の単セルを構成した.高分子電解質型燃
料電池は50℃の電池温度で作動させ、アノ−ド側には
60℃で加湿した純水素を、カソ−ド側には40℃で加
湿した空気をそれぞれ大気圧で供給し、アノ−ド側の燃
料利用率は、電流密度1000mA/cm2のとき95
%となるよう水素流量を調整した。
【0029】本実験例に基づく高分子電解質型燃料電池
の性能曲線6(図6では、白丸で表した)と、比較のた
めに従来法によって構成した炭化フッ素系樹脂による補
強なしの高分子電解質型燃料電池の性能曲線7(図6で
は、黒丸で表した)を図6に示す。図6より、本実験例
の高分子電解質型燃料電池は従来と同等の性能が得られ
ることを確認した。図6の横軸、縦軸は、それぞれ電流
密度と電池電圧を示している。
【0030】次に、本実験例に基づく高分子電解質型燃
料電池のクロスリ−ク特性曲線8(図7では、白丸で表
した)と、比較のために従来法によって構成した炭化フ
ッ素系樹脂による補強なしの高分子電解質型燃料電池の
クロスリ−ク特性曲線9(図7では、黒丸で表した)を
図7に示す。このとき、高分子電解質型燃料電池は50
℃の電池温度で作動させ、カソ−ド側には50℃で加湿
した空気を大気圧で供給した。アノ−ド側は、出口を絞
り、無加湿の純水素を所定の圧力で供給し、アノ−ド側
とカソ−ド側に所定の差圧が発生するよう調整して、ア
ノ−ド側にクロスリ−クした空気中の窒素量をガスクロ
マトグラフィ−で定量して、クロスリ−ク量を求めた。
図7より、明らかに本実験例の高分子電解質型燃料電池
の性能を維持したまま、高分子電解質膜の機械的強度、
特に電極周辺のエッジ部の機械的強度を強くし、耐差圧
特性も向上することを確認した。試験後、比較のために
従来法によって構成した炭化フッ素系樹脂による補強な
しの高分子電解質型燃料電池を解体し調べたところ、電
極周辺部、つまり電極と高分子電解質膜との界面近傍の
高分子電解質膜が破れていることが判明した。 (実験例2)本実験例は、図2で述べた構成とほぼ対応
した高分子電解質型燃料電池の単セルによる例である。
【0031】即ち、高分子電解質として16cm角に切
断したデュポン社製のナフィオン112(図2の高分子
電解質膜1に対応)を用いた。中心部10cm角を切断
して穴をあけた、15cm角の炭化フッソ系樹脂製の粘
着剤付きシ−ト(厚さ:50μm、図1の炭化フッソ系
樹脂の相2に対応)を、上記高分子電解質膜の一方の面
に張り付けた。アセチレンブラック系カ−ボン粉末に平
均粒径約30オングストロームの白金触媒を30wt%
担持した触媒担持カ−ボン粉末と、デュポン社製のナフ
ィオン溶液を酢酸ブチル溶媒に分散し、ペ−スト状の電
極触媒スラリ−を得た。この電極触媒スラリ−を、1
0.2cm角に切断した東レ製のカ−ボン不織布の一方
の面に、白金触媒量がカ−ボン不織布の面積に対して
0.3mg/cm2となるようスクリ−ン印刷法により
塗布し、電極(図2の電極3に対応)とした。カ−ボン
不織布に塗布した電極触媒スラリ−を粗乾燥後、塗布面
が高分子電解質膜と接するように2枚の電極で炭化フッ
素系樹脂シ−ト付きの高分子電解質膜を挟持し、150
℃、50kg/cm2でホットプレスして高分子電解質
膜と電極を接合した。このとき炭化フッ素系樹脂シ−ト
の中心部の10cm角の穴の部分に電極がきて、高分子
電解質膜と電極が直接接合し、かつ炭化フッ素系樹脂の
穴より電極は4辺が1mmづつ大きいため、電極周辺部
は炭化フッ素系樹脂と重なりを持つように接合した。
【0032】この電極/高分子電解質膜接合体を、グラ
ッシ−カ−ボン製のセパレ−タ−に組み込んで高分子電
解質型燃料電池の単セルを構成した。高分子電解質型燃
料電池は50℃の電池温度で作動させ、アノ−ド側には
60℃で加湿した純水素を、カソ−ド側には40℃で加
湿した空気をそれぞれ大気圧で供給し、アノ−ド側の燃
料利用率は、電流密度1000mA/cm2のとき95
%となるよう水素流量を調整した。
【0033】本実験例に基づく高分子電解質型燃料電池
の性能曲線6(図8では、白丸で表した)と、比較のた
めに従来法によって構成した炭化フッ素系樹脂による補
強なしの高分子電解質型燃料電池の性能曲線7(図8で
は、黒丸で表した)を図8に示す。図8より、本実験例
の高分子電解質型燃料電池は従来と同等の性能が得られ
ることを確認した。
【0034】次に、本実験例に基づく高分子電解質型燃
料電池のクロスリ−ク特性曲線8(図9では、白丸で表
した)と、比較のために従来法によって構成した炭化フ
ッ素系樹脂による補強なしの高分子電解質型燃料電池の
クロスリ−ク特性曲線9(図9では、黒丸で表した)を
図9に示す。このとき、高分子電解質型燃料電池は50
℃の電池温度で作動させ、カソ−ド側には40℃で加湿
した空気を大気圧で供給した。アノ−ド側は、出口を絞
り、無加湿の純水素を所定の圧力で供給し、アノ−ド側
とカソ−ド側に所定の差圧が発生するよう調整して、ア
ノ−ド側にクロスリ−クした空気中の窒素量をガスクロ
マトグラフィ−で定量して、クロスリ−ク量を求めた。
図9より、明らかに本実験例の高分子電解質型燃料電池
の性能を維持したまま、高分子電解質膜の機械的強度、
特に電極周辺のエッジ部の機械的強度を強くし、耐差圧
特性も向上することを確認した。試験後、比較のために
従来法によって構成した炭化フッ素系樹脂による補強な
しの高分子電解質型燃料電池を解体し調べたところ、電
極周辺部、つまり電極と高分子電解質膜との界面近傍の
高分子電解質膜が破れていることが判明した。 (実験例3)本実験例は、図4で述べた構成とほぼ対応
した高分子電解質型燃料電池の単セルによる例である。
【0035】高分子電解質として16cm角に切断した
デュポン社製のナフィオン112を用いた。この高分子
電解質膜(図4の高分子電解質膜1に対応)の両方の面
に、中心部10cm角を切断して穴をあけた、15cm
角の炭化フッソ系樹脂製の粘着剤付きシ−ト(厚さ:3
0μm、図4の炭化フッソ系樹脂の相2に対応)を張り
付けた。アセチレンブラック系カ−ボン粉末に平均粒径
約30オングストロームの白金触媒を30wt%担持し
た触媒担持カ−ボン粉末と、デュポン社製のナフィオン
溶液を酢酸ブチル溶媒に分散し、ペ−スト状の電極触媒
スラリ−を得た。この電極触媒スラリ−を、炭化フッ素
系樹脂シ−ト付きの高分子電解質膜の両面にドクタ−ブ
レ−ド法により白金触媒量が0.3mg/cm2となる
よう塗布した。このとき炭化フッ素系樹脂の中心部の1
0cm角の穴の内側に高分子電解質膜と接するよう約4
0μmの厚みで塗布した。塗布した電極触媒スラリ−
(図4の電極触媒層に対応)を粗乾燥後、10.2cm
角に切断した2枚の東レ製のカ−ボン不織布(図4のガ
ス拡散相に対応)で炭化フッ素系樹脂シ−ト付きの高分
子電解質膜を挟持し、150℃、50kg/cm2でホ
ットプレスして高分子電解質膜と電極を接合した。この
とき炭化フッ素系樹脂シ−トの中心部の10cm角の穴
の部分にカ−ボン不織布がきて、高分子電解質膜と電極
触媒スラリ−(電極触媒層)とカ−ボン不織布(ガス拡
散層)とが接合し、かつ炭化フッ素系樹脂の穴よりカ−
ボン不織布は4辺が1mmづつ大きいため、カ−ボン不
織布周辺部は炭化フッ素系樹脂と重なりを持つように接
合した。また、電極触媒層は炭化フッ素系樹脂シ−トの
厚みより若干厚めに塗布され、カ−ボン不織布とをホッ
トプレスする際、電極触媒層の一部がカ−ボン不織布に
めり込みながら、かつ均一に薄く高分子電解質膜と接合
されているため、無駄な電極触媒層がカ−ボン不織布に
存在することなく、効率的に電極反応に寄与するため、
実質的に白金などの貴金属触媒の電極面積当たりの担持
量を低減することができる。
【0036】この電極/高分子電解質膜接合体を、グラ
ッシ−カ−ボン製のセパレ−タ−に組み込んで高分子電
解質型燃料電池の単セルを構成した。高分子電解質型燃
料電池は50℃の電池温度で作動させ、アノ−ド側には
60℃で加湿した純水素を、カソ−ド側には40℃で加
湿した空気をそれぞれ大気圧で供給し、アノ−ド側の燃
料利用率は、電流密度1000mA/cm2のとき95
%となるよう水素流量を調整した。
【0037】本実験例に基づく高分子電解質型燃料電池
の性能曲線6(図10では、白丸で表した)と、比較の
ために従来法によって構成した炭化フッ素系樹脂による
補強なしの高分子電解質型燃料電池の性能曲線7(図1
0では、黒丸で表した)を図10に示す。図10より、
本実験例の高分子電解質型燃料電池は従来と同等の性能
が得られることを確認した。
【0038】次に、本実験例に基づく高分子電解質型燃
料電池のクロスリ−ク特性曲線8(図11では、白丸で
表した)と、比較のために従来法によって構成した炭化
フッ素系樹脂による補強なしの高分子電解質型燃料電池
のクロスリ−ク特性曲線9(図11では、黒丸で表し
た)を図11に示す。このとき、高分子電解質型燃料電
池は50℃の電池温度で作動させ、カソ−ド側には40
℃で加湿した空気を大気圧で供給した。アノ−ド側は、
出口を絞り、無加湿の純水素を所定の圧力で供給し、ア
ノ−ド側とカソ−ド側に所定の差圧が発生するよう調整
して、アノ−ド側にクロスリ−クした空気中の窒素量を
ガスクロマトグラフィ−で定量して、クロスリ−ク量を
求めた。図11より、明らかに本実験例の高分子電解質
型燃料電池の性能を維持したまま、高分子電解質膜の機
械的強度、特に電極周辺のエッジ部の機械的強度を強く
し、耐差圧特性も向上することを確認した。試験後、比
較のために従来法によって構成した炭化フッ素系樹脂に
よる補強なしの高分子電解質型燃料電池を解体し調べた
ところ、電極周辺部、つまり電極と高分子電解質膜との
界面近傍の高分子電解質膜が破れていることが判明し
た。
【0039】以上のように本発明は、高分子電解質と電
極との接合面以外の電極周辺部の高分子電解質の少なく
とも一方の面を炭化フッ素系樹脂で被覆することによっ
て、または、高分子電解質と電極との接合面以外の電極
周辺部の高分子電解質の少なくとも一方の面を炭化フッ
素系樹脂で被覆し、炭化フッソ系樹脂で被覆されていな
い高分子電解質の中心部の面積より大きい電極を有して
構成することによって、または、高分子電解質の少なく
とも一方の面の周縁部に炭化フッソ系の樹脂を被覆し、
炭化フッソ系樹脂で被覆した高分子電解質の中心部に炭
化フッソ系樹脂と接する大きさの電極触媒層を被覆し、
電極触媒層より大きいガス拡散相を電極触媒層と接する
よう接合することによって、高分子電解質のイオン伝導
度を維持したまま、高分子電解質膜の機械的強度を強く
することが可能である。
【0040】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、高分子電解質のイオン伝導度を維持したまま、
高分子電解質膜の機械的強度をより強く出来ると言う長
所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の概略構成図である。
【図2】本発明の他の実施の形態の概略構成図である。
【図3】本発明の他の実施の形態の概略構成図である。
【図4】本発明の他の実施の形態の概略構成図である。
【図5】本発明の他の実施の形態の概略構成図である。
【図6】本発明に基づいた実験例1の高分子電解質型燃
料電池の特性図である。
【図7】本発明に基づいた実験例1の高分子電解質型燃
料電池のクロスリ−ク特性図である。
【図8】本発明に基づいた実験例2の高分子電解質型燃
料電池の特性図である。
【図9】本発明に基づいた実験例2の高分子電解質型燃
料電池のクロスリ−ク特性図である。
【図10】本発明に基づいた実験例3の高分子電解質型
燃料電池の特性図である。
【図11】本発明に基づいた実験例3の高分子電解質型
燃料電池のクロスリ−ク特性図である。
【符号の説明】
1 高分子電解質膜 2 炭化フッソ系樹脂の相 3 電極 4 電極触媒層 5 ガスマニホ−ルド 6 実験例の高分子電解質型燃料電池の性能曲線 7 従来法による高分子電解質型燃料電池の性能曲線 8 実験例の高分子電解質型燃料電池のクロスリ−ク
特性曲線 9 従来法による高分子電解質型燃料電池のクロスリ
−ク特性曲線 33 ガス拡散相
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蒲生 孝治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子電解質と、その高分子電解質を挟
    持するガス拡散電極としてのアノ−ドとカソ−ドとを有
    する高分子電解質型燃料電池において、 前記高分子電解質は前記アノード及び/又は前記カソー
    ドより面積が大きく、前記高分子電解質の少なくとも一
    方の面における、前記高分子電解質と前記アノード又は
    前記カソードとの接合面以外の部位が炭化フッ素系樹脂
    で被覆されていることを特徴とする高分子電解質型燃料
    電池。
  2. 【請求項2】 高分子電解質と、その高分子電解質を挟
    持するガス拡散電極としてのアノ−ドとカソ−ドとを有
    する高分子電解質型燃料電池において、 前記高分子電解質は前記アノード及び/又は前記カソー
    ドより面積が大きく、前記高分子電解質の少なくとも一
    方の面における、前記高分子電解質と前記アノード又は
    前記カソードとの接合面以外の部位が炭化フッ素系樹脂
    で被覆されており、 前記少なくとも一方の面における前記アノード又は前記
    カソードは、前記少なくとも一方の面における前記炭化
    フッソ系樹脂で被覆されていない面積より大きいことを
    特徴とする高分子電解質型燃料電池。
  3. 【請求項3】 高分子電解質と、その高分子電解質を挟
    持するガス拡散電極としてのアノ−ドとカソ−ドとを有
    し、前記アノ−ドおよびカソ−ドが、電極触媒を担持し
    たカ−ボン粉末を主体とする電極触媒層と、前記電極触
    媒を担持していないカ−ボン粉末又はカ−ボン繊維を主
    体とするガス拡散相とから構成されている高分子電解質
    型燃料電池において、 前記高分子電解質の少なくとも一方の面の外周部付近に
    炭化フッソ系の樹脂が被覆されており、前記少なくとも
    一方の面における前記炭化フッソ系樹脂で被覆されてい
    ない前記高分子電解質の実質上中心部に前記炭化フッソ
    系樹脂と接する大きさの電極触媒層が被覆されており、
    前記電極触媒層より大きいガス拡散相が前記電極触媒層
    と接するよう接合されていることを特徴とする高分子電
    解質型燃料電池。
  4. 【請求項4】 前記被覆された炭化フッソ系樹脂がガス
    ケットを兼ねることを特徴とする請求項1から3のいず
    れか一つに記載の高分子電解質型燃料電池。
  5. 【請求項5】 前記皮膜された炭化フッ素系樹脂は、粘
    着剤付きの又は粘着剤付きでない薄膜シ−ト状であるこ
    とを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の
    高分子電解質型燃料電池。
  6. 【請求項6】 高分子電解質と、その高分子電解質を挟
    持するガス拡散電極としてのアノ−ドとカソ−ドとを有
    し、前記アノ−ドおよびカソ−ドが、電極触媒を担持し
    たカ−ボン粉末を主体とする電極触媒層と、前記電極触
    媒を担持していないカ−ボン粉末又はカ−ボン繊維を主
    体とするガス拡散相とから構成されている高分子電解質
    型燃料電池の製造方法であって、 前記高分子電解質の少なくとも一方の面の外周部付近に
    炭化フッソ系の樹脂を被覆する樹脂被覆工程と、 前記樹脂被覆工程の後、前記少なくとも一方の面におけ
    る前記炭化フッソ系樹脂で被覆されていない前記高分子
    電解質の実質上中心部に、前記炭化フッソ系樹脂の内周
    端部と接する大きさの電極触媒層を形成する電極触媒層
    形成工程と、 前記電極触媒層形成工程の後、前記電極触媒層より大き
    いガス拡散相を前記電極触媒層と接するよう接合する接
    合工程と、を備えていることを特徴とする高分子電解質
    型燃料電池の製造方法。
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