JPH10310074A - 操舵制御装置 - Google Patents

操舵制御装置

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Publication number
JPH10310074A
JPH10310074A JP12111597A JP12111597A JPH10310074A JP H10310074 A JPH10310074 A JP H10310074A JP 12111597 A JP12111597 A JP 12111597A JP 12111597 A JP12111597 A JP 12111597A JP H10310074 A JPH10310074 A JP H10310074A
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JP
Japan
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steering
load
turning
wheel
control amount
Prior art date
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Application number
JP12111597A
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English (en)
Inventor
Nobuyoshi Sugitani
伸芳 杉谷
Yutaka Kawaguchi
裕 川口
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸力センサによって転舵負荷を検知していた
が、軸力センサを可動部に設ける構造となり、配索や耐
久性に問題があった。 【解決手段】 転舵軸22を駆動する転舵軸モータ23
に電流センサ26を設け、この電流センサ26の検出結
果に基づいて転舵負荷を演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操舵ハンドルに連
動して転舵輪を転舵させる操舵制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の操舵制御装置の一例が、例えば特
開平4−38270号に開示されている。この操舵制御
装置では、操舵角センサによって操舵ハンドルの操舵角
を検出すると共に、転舵輪の転舵角を転舵角センサで検
出し、これらの検出結果に基づいて転舵輪の転舵制御を
行っている。また、転舵輪と転舵軸との間に介在するタ
イロッドに対して軸力センサを設け、転舵の際にタイロ
ッドに加わる軸力としての転舵負荷(転舵反力)を検出
し、この検出結果に基づいて操舵ハンドルに付与する操
舵反力を制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように従来では、
軸力センサによって転舵負荷を検出しているが、この軸
力センサを、可動するタイロッドに対して設けているた
め、配線等の配索が困難であり、しかも耐久性が低いも
のとなってしまう。
【0004】そこで本発明は、軸力センサを設けること
なく転舵負荷を検知し、配索や耐久性などの課題を解決
し得る操舵制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる操舵制
御装置は、操舵ハンドルに連動して転舵輪を転舵させる
操舵制御装置において、操舵ハンドルと機械的に分離さ
れ、転舵輪に連結された転舵手段と、転舵手段を変位駆
動する転舵駆動手段と、転舵駆動手段の負荷状態をもと
に、転舵負荷を演算する転舵負荷演算手段とを備えて構
成する。
【0006】転舵負荷は転舵駆動手段に加わる外力であ
るため、反対に転舵駆動手段の負荷状態を検知すること
で、転舵負荷を検知することができる。例えば、転舵駆
動手段が直流モータの場合には、モータへの印可電圧値
とモータの回転数によってモータの負荷状態を検知で
き、また、このモータを流れる電流値によってもモータ
の負荷状態が検知できる。転舵負荷演算手段では、この
ように検知されたモータの負荷状態を基に転舵負荷を演
算する。
【0007】請求項2にかかる操舵制御装置は、請求項
1に係る操舵制御装置において、転舵輪の目標転舵位置
と実転舵位置との偏差及び転舵負荷に基づき、転舵駆動
手段に付与する転舵制御量を演算する転舵制御量演算手
段を備えて構成する。
【0008】このような転舵制御量演算手段は、転舵制
御系が過渡状態を経て定常状態となった場合に、目標転
舵位置と実転舵位置との偏差(定常偏差)をゼロにする
制御方式に適用される。目標転舵位置と実転舵位置との
偏差に基づく制御量は、転舵輪が転舵負荷に抗して目標
転舵位置まで変位するために必要となる運動エネルギー
に相当する制御量となり、転舵負荷に基づく制御量は、
転舵輪が目標転舵位置まで移動した後、その位置に静止
するために必要となる、転舵負荷と釣り合うエネルギー
(位置エネルギー)に相当する制御量となる。転舵制御
量演算手段では、これら2つの制御量の和として転舵制
御量を演算する。
【0009】請求項3にかかる操舵制御装置は、請求項
1に係る操舵制御装置において、転舵輪の目標転舵位置
と実転舵位置との偏差に基づき、転舵駆動手段に付与す
る転舵制御量を演算すると共に、演算された転舵制御量
を転舵負荷に基づいて補正する転舵制御量演算手段を備
えて構成する。
【0010】このような転舵制御量演算手段は、転舵制
御系が過渡状態を経て定常状態となった場合に、目標転
舵位置と実転舵位置との偏差として、所定の定常偏差を
残す制御方式に適用される。このような制御方式を採用
した場合には、転舵負荷の大きさに応じて定常偏差が変
化してしまうため、目標転舵位置と実転舵位置との偏差
に基づく転舵制御量を転舵負荷に基づいて補正すること
により、転舵負荷によらず定常偏差を一定とすることが
できる。
【0011】請求項4にかかる操舵制御装置は、請求項
1にかかる操舵制御装置において、操舵ハンドルに操舵
反力を付与する反力付与手段と、操舵ハンドルの目標操
舵位置と実操舵位置との偏差及び転舵負荷に基づいて、
反力付与手段に付与する反力制御量を演算する反力制御
量演算手段とを備えて構成する。
【0012】反力制御量演算手段において、目標操舵位
置と実操舵位置との偏差だけでなく、転舵負荷に基づい
て反力制御量を演算することで、操舵ハンドルに対し、
転舵負荷の状態に応じた手応え感を与えることができ
る。
【0013】請求項5にかかる操舵制御装置は、請求項
1にかかる操舵制御装置において、目標ヨーレートと実
ヨーレートとの偏差及び転舵負荷に基づき、転舵駆動手
段に付与する転舵制御量を演算する転舵制御量演算手段
を備えて構成する。
【0014】このような転舵制御量演算手段は、転舵制
御系が過渡状態を経て定常状態となった場合に、制御目
標となる目標ヨーレートと検出された実ヨーレートとの
偏差をゼロにする制御方式を採用した、ヨーレートフィ
ードバック方式の4輪操舵システムに適用される。この
場合には、転舵負荷演算手段によって、後輪となる転舵
輪に連結された転舵駆動手段の負荷状態をもとに後輪側
の転舵負荷を演算する。また、転舵制御量演算手段によ
って、目標ヨーレートと実ヨーレートとの偏差及び転舵
負荷を基に、後輪側の転舵駆動手段に付与する転舵制御
量を演算する。これにより、4輪操舵システムに適用し
た場合にも、後輪側の転舵負荷状態に応じた転舵制御が
可能となる。
【0015】請求項6にかかる操舵制御装置は、請求項
1にかかる操舵制御装置において、目標ヨーレートと実
ヨーレートとの偏差に基づき、転舵駆動手段に付与する
転舵制御量を演算し、演算された転舵制御量を転舵負荷
に基づいて補正する転舵制御量演算手段を備えて構成す
る。
【0016】このような転舵制御量演算手段は、転舵制
御系が過渡状態を経て定常状態となった場合に、制御目
標となる目標ヨーレートと検出された実ヨーレートとの
偏差として、所定の定常偏差を残す制御方式を採用し
た、ヨーレイトフィードバック方式の4輪操舵システム
に適用される。この場合には、転舵負荷演算手段によっ
て、後輪となる転舵輪に連結された転舵駆動手段の負荷
状態をもとに後輪側の転舵負荷を演算する。また、転舵
制御量演算手段によって、制御目標となる目標ヨーレー
トと検出された実ヨーレートとの偏差に基づき、後輪側
の転舵駆動手段に付与する転舵制御量を演算すると共
に、この転舵制御量を転舵負荷に基づいて補正する。こ
れにより、目標ヨーレートと実ヨーレートとの定常偏差
を転舵負荷によらず一定とすることができ、4輪操舵シ
ステムに適用した場合にも、後輪側の転舵負荷状態に応
じた転舵制御が可能となる。
【0017】なお、各請求項で挙げた各種の演算手段で
行う演算には、数式を用いて演算する場合に限定するも
のではなく、例えば、予め演算結果をマップ化してお
き、各検知結果に基づいてこのマップを検索することで
演算結果を得る場合も含まれる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につき、
添付図面を参照して説明する。
【0019】図1に第1の実施形態にかかる操舵制御装
置の構成を概略的に示す。この操舵制御装置は、運転者
が操作するマスタ部A、転舵輪21を転舵させるスレー
ブ部B、機械的に分離されたマスタ部Aとスレーブ部B
とを電気的に制御する制御部Cで構成される。
【0020】マスタ部Aは、操舵ハンドル11が取り付
けられた操舵軸12と、操舵軸12を回転駆動する操舵
軸モータ14とを備えており、この操舵軸モータ14
は、例えば直流モータで構成される。また、操舵軸12
には、操舵ハンドル11の実操舵位置を検出する操舵角
センサ13を備えている。
【0021】スレーブ部Bは、転舵軸22を変位駆動す
る際の駆動源となる転舵軸モータ23を備えており、こ
の転舵軸モータ23は、例えば直流モータで構成され
る。転舵軸モータ23と転舵軸22との間には、転舵軸
モータ23の回転運動を直線運動に変換して転舵軸22
を軸方向に変位させる変換器24を設けている。また、
転舵軸モータ23には、この転舵軸モータ23に流れる
電流値を検出する電流センサ26を設けており、後に詳
述するように、電流センサ26で検出された電流値をも
とに、転舵軸22に加わる軸力としての転舵負荷を求め
ている。一方、転舵軸22には、この転舵軸22の変位
位置を検出するストロークセンサ25が設けられてお
り、転舵軸22の変位位置と転舵輪21の転舵位置が対
応するため、転舵軸22の変位位置をストロークセンサ
25で検出することで、転舵輪21の転舵位置を検知し
ている。
【0022】制御部Cは、操舵角センサ13、車速セン
サ15、ストロークセンサ25及び電流センサ26の検
出結果が与えられ、この検出結果をもとに転舵制御及び
反力制御を行っている。この制御部Cは、転舵制御部3
0と反力制御部40とを備えており、転舵制御部30は
転舵軸モータ23の駆動制御を行うことで転舵輪21の
転舵位置を制御し、反力制御部40は操舵軸モータ14
の駆動制御を行うことで操舵ハンドル11に付与する操
舵反力の制御を行っている。
【0023】これら両制御部30,40は、転舵軸22
に与えられる軸力を検出する軸力センサを設けることな
く、転舵軸モータ23の負荷状態をもとに転舵負荷を演
算している。すなわち、転舵軸22に加わる軸力が転舵
負荷であり、この転舵負荷が転舵軸モータ23に負荷と
して作用する。従って、転舵軸モータ23の負荷トルク
を転舵負荷として求め、両制御部30,40は、求めら
れた転舵負荷に基づいて各制御を実施している。
【0024】ここで、転舵軸モータ23の負荷状態から
転舵負荷を求める演算手法について説明する。図2に、
転舵軸モータ23を構成する直流モータの基本特性を示
す。モータに電圧Voを印加すると、モータに負荷が与
えられていない状態では、モータはある回転数まで達し
て定回転となる。このときのモータの回転数をRo、こ
のときモータに流れる電流をIoで示す。この状態から
電磁ブレーキ等でモータに負荷をかけていくと、回転数
は低下し電流は増加して、やがては停止する。このとき
のモータの負荷トルクをTo、電流をInで示す。図2
のグラフには、この電流Iと回転数Rとを縦軸、モータ
の負荷トルクTを横軸にとって、R−T特性とI−T特
性とがそれぞれ直線で示されている。
【0025】このグラフより、モータへの印加電圧がV
oで、モータの負荷トルクがTsのとき、モータに流れ
る電流値はIs、モータの回転数はR1である。従っ
て、R−T特性より、モータの負荷状態を示す回転数を
検出することでモータの負荷トルクとしての転舵負荷を
求めることができる。なお、通常、直流モータは印加電
圧を変化させることで駆動制御を行うため、印加電圧値
は既知の値である。
【0026】また、モータへの印加電圧をVoからV1
に変更すると、モータの回転数はR1からR2に変化す
るが、その時の電流値Isに変化はない。従って、モー
タを流れる電流値は印加電圧に関わらずモータの負荷を
代表する値となることが分かり、I−T特性をもとに、
モータを流れる電流値を検出することで、モータの負荷
トルクとしての転舵負荷を求めることができる。
【0027】一例として、回転数R2と印加電圧V1を
もとにモータの負荷トルクを実際に求める。この際、例
えば100%duty時の印加電圧時など、基準となる印加
電圧V0におけるモータの基本特性が既知であるとする
と、図2のグラフより、このモータのR−T基本特性
は、 T=−(To/Ro)・R+To と表すことができる。モータの特性は印加電圧のduty値
に比例して変化するので、Txはグラフより、 Tx=To・V1/Vo と表わすことができる。直線の傾きは基本特性と同一で
あるので、Rx、Txを結ぶ直線は T=−(To/Ro)・R+Tx =−(To/Ro)・R+To・V1/Vo となる。従ってこのときのモータの負荷トルクTsは、
上式のRに回転数R2を代入することにより Ts=−(To/Ro)・R2+To・V1/Vo …(1) として求めることができる。
【0028】また、モータを流れる電流値Isをもとに
モータの負荷トルクTsを求めるには、図2のグラフに
おけるI−T特性より、a、bを定数として、 T=a・I+b と表すことができる。従って、上式のIに検出された電
流値Isを代入することで、モータの負荷トルクTs
は、 Ts=a・Is+b …(2) として求めることができる。
【0029】制御部Cを構成する転舵制御部30及び反
力制御部40では、このようにしてモータの負荷トルク
を転舵負荷として演算し、演算された転舵負荷を基に各
制御量を演算している。
【0030】以下、転舵制御部30で実施される演算処
理について説明する。
【0031】転舵制御部30は、転舵制御系が過渡状態
を経て定常状態となった場合に、転舵輪21の目標転舵
位置Xmと実転舵位置Xrとの偏差(定常偏差)をゼロ
にする制御方式を採用しており、図3の制御ブロック図
で示すように、目標転舵位置演算部31、負荷演算部3
2及び印加電圧演算部33を備えている。
【0032】目標転舵位置演算部31では、転舵輪21
の制御目標となる目標転舵位置Xmが演算される。目標
転舵位置Xmは、操舵ハンドル11の実操舵位置θrと
車速Sを変数とする関数Fより、Xm=F(θr、S)
として求めることができるため、目標転舵位置演算部3
1は、実操舵位置θrと車速Sとの値から目標転舵位置
Xmが得られる2次元マップを備えており、操舵角セン
サ13で検出された操舵ハンドル11の実操舵位置θr
と、車速センサ15で検出された車速Sとに基づき、目
標転舵位置Xmをマップ検索する。そして、ストローク
センサ25の検出結果となる実転舵位置Xrとの偏差
(Xm−Xr)が、印加電圧演算部33に与えられる。
【0033】負荷演算部32では、前述したように電流
センサ26の検出結果Isから転舵負荷を前出の(2)
式より求め、その演算結果を印加電圧演算部33に与え
ている。
【0034】印加電圧演算部33では、目標転舵位置演
算部31と負荷演算部32との演算結果を基に、転舵軸
モータ23に付与する印加電圧のDuty値を示す制御
量(転舵制御量)Vを下記の(3)式に基づいて演算し
ている。
【0035】 V=Kp1・(Xm−Xr)+Vs …(3) (3)式の右辺第1項は、転舵輪21の目標転舵位置X
mと実転舵位置Xrとの偏差に比例ゲインKp1を乗じ
た項であり、偏差に比例した制御量が演算されることに
なり、転舵輪21が目標転舵位置まで変位する際に必要
となる運動エネルギーに相当する制御量を示している。
また、右辺第2項のVsは、負荷演算部32で演算され
た転舵負荷に基づく項であり、転舵輪21が目標転舵位
置Xmまで移動した後、その位置に静止するために必要
となる、転舵負荷と釣り合うエネルギー(位置エネルギ
ー)に相当する制御量を示している。換言すると、制御
量としての電圧値Vsは、目標転舵位置において、転舵
輪21が転舵負荷Tsと釣り合って静止するように、転
舵軸モータ23に付与する印加電圧である。この印加電
圧Vsは、前出の図2のグラフより、転舵軸モータ23
の回転数がゼロで、モータ負荷がTsとなる印加電圧値
であり、このモータの基本特性との関係により、Vsは
下記(4)式で求まる。
【0036】 Vs=(Ts/To)・Vo …(4) 転舵制御部30では、このようにして転舵軸モータ23
に付与する制御量Vを演算しており、このような制御方
式を採用することで、転舵負荷に影響を及ぼす車速、転
舵量、路面状態、タイヤの状態、乗車人員数などが変化
した場合にも、同一のゲインで制御が可能となる。
【0037】また、モータの始動特性である、始動時に
大電流が流れるという特性を利用できるため、応答遅れ
を十分に抑えることができる。図4(a),(b)を参
照して具体的に説明すると、操舵ハンドル11を操作す
ることで、目標転舵位置が図4(b)のように変化した
とすると、転舵軸モータ23は所定のDuty値(D
1)の印加電圧で回転を始め、回転数が増加する。する
と、転舵輪21の実転舵位置が目標転舵位置に近づくの
で、転舵制御部30は、転舵軸モータ23の回転数を低
下させる制御に移り、印加電圧のDuty値がDsに低
下する。このDuty値Dsで、転舵軸モータ23は外
力となる転舵負荷と釣り合って、転舵輪が21がその位
置で静止する。この制御動作の間、転舵軸モータ23の
負荷トルクは、電圧の印加とともに急激に増大し、回転
数がR3に近づくに連れて転舵負荷と釣り合う。また、
モータの回転数を低下させても負荷トルクは変動しな
い。このため、このような制御方法を採用することで、
転舵負荷と釣り合うバランス点を早期に推定できる。ま
た、始動時に素早く立ち上がるので、応答遅れを十分に
抑えることができる。
【0038】次に、反力制御部40で実施される演算処
理について説明する。
【0039】反力制御部40は、図5に示すように、目
標操舵位置演算部41、負荷演算部42及び印加電圧演
算部43を備えている。
【0040】目標操舵位置演算部41は、制御目標とな
る操舵ハンドル11の目標操舵位置θmを、ストローク
センサ25の検出結果となる実転舵位置Xrと車速セン
サ15の検出結果Sとを基に演算している。この演算に
は、転舵位置と操舵位置との関係に一義的な相関を持た
せるために、転舵制御部30において使用した関数Fの
逆関数Gを使用する。関数Fは実操舵位置θrと車速S
とから目標転舵位置Xmを演算する関数であり、この関
数Fの逆関数となる、実転舵位置Xrと車速Sとから目
標操舵位置θmを演算する関数Gを用いることで、転舵
輪21の転舵位置と操舵ハンドル11の操舵位置との関
係に一義的な相関を持たせることができる。従って目標
操舵位置θmは、実転舵位置Xrと車速Sを変数とする
関数Gより、θm=G(Xr、S)として求めることが
できるため、目標操舵位置演算部41は、実転舵位置X
rと車速Sとの値から目標操舵位置θmが得られる2次
元マップを備えており、ストロークセンサ25で検出さ
れた実転舵位置Xrと車速センサ15で検出された車速
Sとに基づき、操舵ハンドル11の目標操舵位置θmを
マップ検索する。そして、操舵角センサ13の検出結果
となる実操舵位置θrとの偏差(θm−θr)が、印加
電圧演算部43に与えられる。
【0041】負荷演算部42では、前述したように電流
センサ26の検出結果Isから転舵負荷を前出の(2)
式より求め、その演算結果を印加電圧演算部43に与え
ている。
【0042】印加電圧演算部43では、目標操舵位置演
算部41と負荷演算部42との演算結果を基に、操舵軸
モータ14に付与する印加電圧のDuty値を示す制御
量(反力制御量)Vを下記の(5)式に基づいて演算し
ている。
【0043】 V=−Kp2・(θm−θr)+Kp3・Ts …(5) (5)式では、操舵ハンドル11を戻し方向に回転させ
る向きの印加電圧を+としている。右辺第1項は目標操
舵位置θmと実操舵位置θrとの偏差に比例ゲインKp
2を乗じた項である。この項により偏差に比例した制御
量が演算されることになり、操舵ハンドル11に与えら
れる重さに相当する項となる。これにより、操舵ハンド
ル11の実操舵位置と目標操舵位置との偏差に比例した
トルクが操舵軸モータ14に与えられる。また、右辺第
2項は、転舵軸モータ23で検出された転舵負荷Tsに
比例ゲインKp3を乗じた項であり、この第2項によ
り、転舵負荷Tsに比例したトルクが、操舵ハンドル1
1を中立位置に戻す方向に加えられる。
【0044】反力制御部40では、このようにして操舵
軸モータ14に付与する制御量Vを演算しており、この
ような制御方式を採用することで、路面に凹凸、縁石と
の衝突、路面μの路面状態、タイヤの状態、乗車人員等
の変化によって起こる転舵負荷の変化を、操舵ハンドル
11に加わる重さの違いとして運転者に実感させること
ができる。
【0045】なお、印加電圧演算部43では、前出の
(5)式に代えて、Kp4,Kp5を比例ゲインとし
て、 V=−Kp4・(θm−θr)+Kp5・Ts …(6) 或いは V=−Kp5・Ts・(θm−θr) …(7) の演算式を用いることもできる。この際、Kp5=f
(θr,S)として、Kp5を実操舵位置θrと車速S
とに基づいて設定する。これにより、操舵ハンドル11
に付与する転舵負荷の大きさを、実操舵位置θrと車速
Sとに基づいて補正することができ、特に(6)式の場
合には転舵負荷がゼロであっても、操舵ハンドル11の
中立位置への戻り制御を行うことができる。
【0046】次に、第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態では、転舵制御部30において、転
舵制御系が過渡状態を経て定常状態となった場合に、転
舵輪21の目標転舵位置Xmと実転舵位置Xrとの偏差
として、所定の定常偏差を残す制御方式を採用してい
る。この場合、制御ブロック図は前出の図3と同様であ
るが、印加電圧演算部33では、目標転舵位置演算部3
1と負荷演算部32との演算結果を基に、転舵軸モータ
23に付与する印加電圧のDuty値を示す制御量(転
舵制御量)Vを下記の(8)式に基づいて演算してい
る。
【0047】 V=Kp6・Ts・(Xm−Xr) …(8) (8)式中、Kp6は所定の定数で表される比例ゲイン
であり、Kp6・(Xm−Xr)として演算される制御
量が負荷演算部32で演算された転舵負荷Tsに応じて
補正されることになる。このような演算式を採用するこ
とで、転舵負荷の大きさに応じて、目標転舵位置Xmと
実転舵位置Xrとの定常偏差の大きさが変化してしまう
という不都合を生じることなく、定常偏差の大きさを転
舵負荷の大きさによらず一定とすることができる。すな
わち、印可電圧とモータの負荷トルクが比例するため、
転舵軸モータ23が転舵負荷Tsと釣り合った状態で
は、kを比例係数として、(8)式はk・Ts=Kp6
・Ts・(Xm−Xr)となる。よって、1/(k・K
p6)=Xm−Xr=const.となって、釣り合った状態
における定常偏差Xm−Xrは、転舵負荷によらず一定
となる。また(8)式によれば、ある偏差における印加
電圧は転舵負荷に比例して変化するので、例えば、路面
状態が急激に低μに変化した場合には、これに伴って転
舵負荷が減少し制御量Vとしての印加電圧のDuty値
が減少するため、転舵軸モータ23の回転数が低下し転
舵速度が遅くなる。このような作用によって、転舵負荷
が急激に低下した場合にも、急転舵を防ぐことができ
る。
【0048】次に第3の実施形態について説明する。第
1及び第2の実施形態における転舵制御部30の制御方
式を、前輪の操舵機構と後輪の操舵機構とが機械的に連
結されていないタイプの4輪操舵システムに適用するこ
とも可能であり、本実施形態では、一例として、前輪駆
動方式における後輪側の転舵輪の転舵位置制御に適用し
た場合について説明する。
【0049】図6に第3の実施形態にかかる操舵制御装
置の構成を概略的に示す。図中、図1と同一の構成要素
には同一の参照番号を付して示す。
【0050】マスタ部Aは、操舵軸12と前輪側の転舵
軸17とがギアボックス18を介して連結されており、
ギアボックス18に隣接する転舵用アクチュエータ19
によって操舵補助力を発生する電動式パワーステアリン
グシステムを構成している。スレーブ部Bは後輪側の転
舵機構を構成しており、後輪側の転舵軸22を転舵軸モ
ータ23で軸方向に沿って変位駆動し、電流センサ26
及びストロークセンサ25の検出結果が転舵制御部30
に与えられる。転舵制御部30には、この他、車速セン
サ15で検出された車速S、操舵角センサ13で検出さ
れた実操舵位置θrが与えられる。
【0051】転舵制御部30の制御ブロック図は前出の
図3と同様であるが、目標転舵位置演算部31では、後
輪側の転舵輪21の目標転舵位置を演算する。この際、
目標転舵位置演算部31は、実操舵位置θrと車速Sと
の値から、後輪側の転舵輪21の目標転舵位置Xmが得
られる2次元マップを備えており、検出された操舵ハン
ドル11の実操舵位置θrと車速Sとの値を基に、後輪
側の転舵輪の目標転舵位置Xmをマップ検索する。そし
て、後輪側の転舵軸22に設けたストロークセンサ25
の検出結果となる実転舵位置Xrとの偏差(Xm−X
r)が、印加電圧演算部33に与えられる。
【0052】負荷演算部32では、前述したように、電
流センサ26の検出結果Isから後輪側の転舵軸22に
加わる転舵負荷を前出の(2)式より求め、その演算結
果を印加電圧演算部33に与えている。
【0053】印加電圧演算部33では、後輪側の転舵軸
モータに与える印加電圧を前出の(3)式或いは(8)
式を用いて演算し、その演算結果となる制御量Vを後輪
側の転舵軸モータ23に付与する。
【0054】このように、第1及び第2の実施形態にお
ける転舵制御部30の制御方式を、4輪操舵システムに
おける後輪側の転舵制御にも適用することができ、この
場合には、後輪側の転舵負荷に応じた転舵制御を実施す
ることが可能となる。
【0055】次に第4の実施形態として、前輪の操舵機
構と後輪の操舵機構とが機械的に連結されていないタイ
プの4輪操舵システムにおけるヨーレート制御に対し、
第1の実施形態で採用した制御方式を適用した場合につ
いて説明する。
【0056】図7に第4の実施形態にかかる操舵制御装
置の構成を概略的に示す。図中、図1と同一の構成要素
には同一の参照番号を付して示す。
【0057】マスタ部Aは、操舵軸12と前輪側の転舵
軸17とがギアボックス18を介して連結されており、
ギアボックス18に隣接する転舵用アクチュエータ19
によって操舵補助力を発生する電動式パワーステアリン
グシステムを構成している。スレーブ部Bは後輪側の転
舵機構を構成しており、後輪側の転舵軸22を転舵軸モ
ータ23で駆動する。また、転舵軸モータ23を流れる
電流を電流センサ26で検出し、その検出結果Isがヨ
ーレート制御部50に与えられる。ヨーレート制御部5
0には、この他、車速センサ15で検出された車速S、
ヨーレートセンサ16で検出された実ヨーレートγrが
与えられる。ヨーレート制御部50では、これらの検出
結果をもとに、後輪側の転舵輪21の転舵位置を制御す
ることで、実操舵位置θrに対応したヨーレートを発生
するヨーレート制御を実施している。
【0058】図8の制御ブロック図に示すように、ヨー
レート制御部50は、目標ヨーレート演算部51、負荷
演算部52及び印加電圧演算部53を備えている。目標
ヨーレート演算部51は、実操舵位置θrと車速Sとの
値から目標ヨーレートγmが得られる2次元マップを備
えており、操舵角センサ13で検出された実操舵位置θ
rと、車速センサ15で検出された車速Sとに基づき、
目標ヨーレートγmをマップ検索する。そして、ヨーレ
ートセンサ16の検出結果となる実ヨーレートγrとの
偏差(γm−γr)が、印加電圧演算部53に与えられ
る。
【0059】負荷演算部52では、第1の実施形態と同
様に、電流センサ26の検出結果Isから後輪側の転舵
負荷を前出の(2)式より求め、その演算結果を印加電
圧演算部53に与えている。
【0060】印加電圧演算部53では、転舵制御系が過
渡状態を経て定常状態となった場合に、目標ヨーレート
γmと実ヨーレートγrとの偏差をゼロにする制御方式
を採用しており、目標ヨーレート演算部51と負荷演算
部52との演算結果を基に、転舵軸モータ23に付与す
る印加電圧のDuty値を示す制御量(転舵制御量)V
を下記の(9)式に基づいて演算している。なお、
(9)式中のVsは、前出の(4)式より算出してい
る。
【0061】 V=Kp7・(γm−γr)+Vs …(9) ヨーレート制御部50では、このようにして後輪側の転
舵軸モータ23に付与する制御量Vを演算しており、こ
のような制御方式を採用することで、転舵負荷に影響を
及ぼす車速、転舵量、路面状態、タイヤの状態、乗車人
員数などが変化した場合にも、同一のゲインで制御が可
能となる。また、モータの始動特性である、始動時に大
電流が流れるという特性を利用できるため、応答遅れを
十分に抑えることができる。
【0062】次に第5の実施形態について説明する。こ
の第5の実施形態では、ヨーレート制御部50におい
て、転舵制御系が過渡状態を経て定常状態となった場合
に、目標ヨーレートγmと実ヨーレートγrとの偏差と
して、所定の定常偏差を残す制御方式を採用している。
この場合、制御ブロック図は前出の図8と同様である
が、印加電圧演算部53では、目標ヨーレート演算部5
1と負荷演算部52との演算結果を基に、後輪側の転舵
軸モータ23に付与する印加電圧のDuty値を示す制
御量(転舵制御量)Vを下記の(10)式に基づいて演
算している。
【0063】 V=Kp8・Ts・(γm−γr) …(10) (10)式中、Kp8は所定の定数で表される比例ゲイ
ンであり、Kp8・(γm−γr)として演算される制
御量が負荷演算部52で演算された転舵負荷Tsに応じ
て補正されることになる。このような演算式を採用する
ことで、転舵負荷の大きさに応じて、目標ヨーレートγ
mと実ヨーレートγrとの定常偏差の大きさが変化して
しまうという不都合を生じることなく、定常偏差の大き
さを転舵負荷の大きさによらず一定とすることができ
る。
【0064】以上説明した各実施形態では、転舵軸モー
タ23の負荷状態を検知するために電流センサ26を設
けた例を示したが、例えば回転数センサによって転舵軸
モータ23の回転数を検出し、検出された回転数と既知
の印加電圧値とをもとに、転舵軸モータ23の負荷状態
を検知してもよい。
【0065】また、各実施形態では、各実施形態毎に負
荷演算部32、42、52をそれぞれ別個に備える例を
示したが、負荷演算部を1つとし、各実施形態における
各制御部では、この負荷演算部の演算結果を用いて所定
の演算を実施する構成にすることもできる。
【0066】さらに、各実施形態では、操舵軸モータ1
4及び転舵軸モータ23を直流モータとして例示した
が、直流モータ以外の他のモータも用いることが可能で
あり、この場合にも、用いるモータの特性に応じて、印
可電圧値、電流値、回転数などからモータの負荷状態を
検知し、この検知結果を基に転舵負荷を演算すればよ
い。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、各請求項にかかる
操舵制御装置によれば、転舵駆動手段の負荷状態をもと
に転舵負荷を演算する転舵負荷演算手段を備えるので、
従来のように軸力センサを設けることなく転舵負荷を検
知することが可能となる。また、この転舵駆動手段は通
常、不動部位に設けられるため、転舵負荷を検知するた
めの配索を容易に行うことができると共に、十分な耐久
性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態にかかる操舵制御装置を概略的
に示す構成図である。
【図2】直流モータの基本特性となる、回転数−負荷特
性及び電流−負荷特性を示すグラフである。
【図3】第1の実施形態にかかる転舵制御部の制御ブロ
ック図である。
【図4】(a)は印加電圧値に対する、回転数と負荷と
の関係を示すグラフであり、(b)は転舵制御におけ
る、転舵位置、回転数、負荷トルク、電流及び印加電圧
の推移を示すグラフである。
【図5】反力制御部の制御ブロック図である。
【図6】第3の実施形態にかかる操舵制御装置を概略的
に示す構成図である。
【図7】第4の実施形態にかかる操舵制御装置を概略的
に示す構成図である。
【図8】第4の実施形態におけるヨーレート制御部の制
御ブロック図である。
【符号の説明】
A…マスタ部、B…スレーブ部、C…制御部、11…操
舵ハンドル、12…転舵軸、13…操舵角センサ、14
…操舵軸モータ(反力付与手段)、15…車速センサ、
16…ヨーレートセンサ、22…転舵軸(転舵手段)、
23…転舵軸モータ(転舵駆動手段)、30…転舵制御
部、32…負荷演算部(転舵負荷演算手段)、33…印
加電圧演算部(転舵制御量演算手段)、40…反力制御
部、42…負荷演算部(転舵負荷演算手段)、43…印
加電圧演算部(反力制御量演算手段)、50…ヨーレー
ト制御部、52…負荷演算部(転舵負荷演算手段)、5
3…印加電圧演算部(転舵制御量演算手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B62D 119:00 121:00 137:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵ハンドルに連動して転舵輪を転舵さ
    せる操舵制御装置において、 操舵ハンドルと機械的に分離され、転舵輪に連結された
    転舵手段と、 前記転舵手段を変位駆動する転舵駆動手段と、 前記転舵駆動手段の負荷状態をもとに、転舵負荷を演算
    する転舵負荷演算手段とを備える操舵制御装置。
  2. 【請求項2】 転舵輪の目標転舵位置と実転舵位置との
    偏差及び前記転舵負荷に基づき、前記転舵駆動手段に付
    与する転舵制御量を演算する転舵制御量演算手段を備え
    る請求項1記載の操舵制御装置。
  3. 【請求項3】 転舵輪の目標転舵位置と実転舵位置との
    偏差に基づき、前記転舵駆動手段に付与する転舵制御量
    を演算すると共に、演算された転舵制御量を前記転舵負
    荷に基づいて補正する転舵制御量演算手段を備える請求
    項1記載の操舵制御装置。
  4. 【請求項4】 操舵ハンドルに操舵反力を付与する反力
    付与手段と、 操舵ハンドルの目標操舵位置と実操舵位置との偏差及び
    前記転舵負荷に基づいて、前記反力付与手段に付与する
    反力制御量を演算する反力制御量演算手段とを備える請
    求項1記載の操舵制御装置。
  5. 【請求項5】 目標ヨーレートと実ヨーレートとの偏差
    及び前記転舵負荷に基づき、前記転舵駆動手段に付与す
    る転舵制御量を演算する転舵制御量演算手段を備える請
    求項1記載の操舵制御装置。
  6. 【請求項6】 目標ヨーレートと実ヨーレートとの偏差
    に基づき、前記転舵駆動手段に付与する転舵制御量を演
    算すると共に、演算された転舵制御量を前記転舵負荷に
    基づいて補正する転舵制御量演算手段を備える請求項1
    記載の操舵制御装置。
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