JPH10310780A - 重質油の軽質化方法および装置 - Google Patents

重質油の軽質化方法および装置

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JPH10310780A
JPH10310780A JP13574497A JP13574497A JPH10310780A JP H10310780 A JPH10310780 A JP H10310780A JP 13574497 A JP13574497 A JP 13574497A JP 13574497 A JP13574497 A JP 13574497A JP H10310780 A JPH10310780 A JP H10310780A
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兵治 榎本
Yoshihisa Saito
喜久 斎藤
Takehiko Moriya
武彦 守谷
Masami Miki
正美 三樹
Masatoshi Ishikawa
雅敏 石川
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Japan Petroleum Exploration Co Ltd
SEKIYU SHIGEN KAIHATSU KK
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Japan Petroleum Exploration Co Ltd
SEKIYU SHIGEN KAIHATSU KK
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コークスなどの生成が少なく、経済性に優れ
た重質油の軽質化方法を提供する。 【解決手段】 (A)地下に埋蔵されている重質油を、
坑井内で水と接触せしめて地上にくみ上げ、(B)工程
(A)で地上にくみ上げられた重質油と水からなる混合
物を、反応器内で加熱および/または加圧し、超臨界水
を含む高温熱水と接触、反応せしめて、重質油をより低
粘度の油に軽質化し、(C)工程(B)の留出物を炭化
水素ガス、油、水に分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オイルサンド、重
質原油等の重質油の軽質化方法およびその装置に関す
る。さらに詳しくは、地表下に埋蔵されている重質油を
含む鉱物を水と接触せしめて、重質油を鉱物と分離する
ことによって重質油と水からなる混合物を調製し、その
混合物を加熱および/または加圧し、重質油を超臨界水
を含む高温熱水と接触,反応せしめて、より低粘度の油
に軟質化する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】石油はエネルギー源として、近代産業の
根幹をなす重要なものである。しかし、地球上に埋蔵さ
れている石油の量には限界があり、将来において石油資
源の枯渇の傾向があることから、近年、超重質原油、オ
イルサンドおよびオイルシェールといった非在来型の石
油開発の重要性が高まっている。これらの中で特に、オ
イルサンド(タールサンド油、ビチュメン等を含む)は
世界的に埋蔵量が多く、石油に次ぐ貴重な炭化水素源と
して有望であり、カナダやベネズエラにおいてその開発
が積極的に進められている。
【0003】オイルサンド油の回収方法としては、水蒸
気刺激攻法、スチームフラッド法、SAGD(Steam As
sisted Gravity Drainage)法のような、水蒸気を利用し
た3つの方法が知られている。水蒸気刺激攻法は、切替
え弁22a,22bを適宜開閉させることにより、図1
(a)に示したように、1本の井戸21に矢印Aで示し
たように、水蒸気を注入し、また図1(b)に示したよ
うに、時間をおいてその井戸21から矢印Bで示したよ
うに、オイルサンド層からオイルサンド油と凝縮水およ
び/または水蒸気の混合物を取り出す方法であるため、
オイルサンド油の回収は断続的に行なわれるものであ
る。
【0004】スチームフラッド法は、図2に示したよう
に、1つの井戸21aから矢印Aで示したように、水蒸
気を注入し、別の井戸21bから矢印Bで示したよう
に、オイルサンド油と凝縮水および/または水蒸気を取
り出す方法であるが、オイルサンド層13の底部に水飽
和率の高い層23が必要であり、また、その厚さが厚す
ぎると経済性が低くなる。
【0005】SAGD法は、図3に示したように、オイ
ルサンド層13に上下2本の水平坑井24,25を掘
り、上位のレベルに位置する水平坑井24を有する坑井
26から水蒸気を注入し、下位のレベルに位置する水平
坑井25を有する坑井27からからオイルサンド油と凝
縮水および/または水蒸気を取り出す方法である。
【0006】一方、このようなオイルサンド油は一般的
に重質であるため、従来より、水素化分解法、熱分解
法、接触分解法、溶剤抽出法などによる改質が試みられ
ている。例えば、オイルサンド油の改質の1つの方法と
して、シンクルードカナダ社などにおいて、以下に示す
ような水素化分解と熱分解を組合わせた方法を用いてオ
イルサンド油を軽質の合成原油に改質する方法が実用化
されている。
【0007】ここで、軽質化処理は次の2段階に分けら
れる。まず、第1段階において、加熱されたオイルサン
ド油は水素化分解工程または高温熱分解工程で処理され
る。前者では、オイルサンド油に水素添加を行うことに
より、オイルサンド油が分解され、軽質油が生成され
る。後者では、高温処理でオイルサンド油の長い分子構
造を熱分解することにより、ナフサおよび軽質油が生成
する。また、熱分解された残さの炭素分がコークとして
除去される。次に、第1段階から得られた製品(ナフサ
および軽質油)は硫黄、窒素を多く含み再処理する必要
があるため、触媒を用いて高温高圧下で水素と反応させ
ることによって、硫黄と窒素が除去される。水素化処理
されたナフサと軽質油は最終的に再度混合され、合成原
油となる。平均的には、1m3 のオイルサンドから、
0.21m3 のオイルサンド油が回収され、さらにこの
オイルサンド油から0.18m3 の合成原油と10kg
の硫黄および22kgのコークスが得られる。さらに、
その他のオイルサンド油の改質方法として、本発明者に
より、超臨界水を含む高温熱水による重質油の改質方法
が特開平6−279763号公報に開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記先行技術
において、熱分解法、接触分解法、溶剤抽出法などによ
る改質方法ではコークスなどの副生成物が多く、また、
液収率が低いなどの問題があった。また、水素化分解法
においては高価な水素や特殊な触媒を使用することで精
製コストが高くなること、および分解率を上げるとコー
キングを起こし運転不能となることなどの問題があっ
た。一方、前記特開平6−279763号公報記載の超
臨界水を含む高温熱水による改質方法は、コークスなど
の副生成物が少ない重質油の改質方法であるが、実用的
なプロセスには至っていない。すなわち、前記公報記載
の場合は、重質油を軽質化するために使用した水を再循
環させて再使用する形式ではないので、反応後の比較的
高温の熱水を利用できないので、熱効率がわるくコスト
が高くなり、実用的ではない。したがって、経済性に優
れた重質油の軽質化方法が望まれるところである。本発
明の目的は、従来の問題点を解決し、コークスなどの副
生成物が少なく、かつ、経済性に優れた重質油の軽質化
プロセス(方法)および装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、重質油の軽
質化についてさらに検討した結果、地表下に埋蔵されて
いる重質油を坑井内または容器内で水と接触せしめて、
重質油と水からなる混合物を調製し、ついでその混合物
をそのまま加熱および/または加圧して、超臨界水を含
む高温熱水を調製し、反応器内で重質油と接触,反応せ
しめることによって、上記目的を達成することができる
ことを見出し、この知見に基づき、本発明を完成するに
至った。
【0010】すなわち本発明は、地表下に埋蔵されてい
る重質油を、超臨界水を含む高温熱水と接触,反応せし
めて、より低粘度の油に軽質化するに際して、重質油を
含む鉱物を坑井内または容器内で水または下記工程Cか
ら分離された水を少なくとも一部に含む水と接触せしめ
て、重質油を鉱物と分離して、重質油と水とからなる混
合物を調製する工程(A)と、工程(A)で調製した重
質油と水からなる混合物を、反応器内で加熱および/ま
たは加圧して、超臨界水を含む高温熱水と接触,反応せ
しめ、重質油をより低粘度の油に軽質化する工程(B)
と、工程(B)の留出物を、炭化水素ガス,油,水に分
離する工程(C)とからなることを特徴とする重質油の
軽質化方法にある。また本発明は、工程Aで、重質油を
含む鉱物と接触せしめる水が、100℃以上のスチーム
および/または超臨界水を含む熱水であることを特徴と
する。また本発明は、工程Aで、地表下に埋蔵されてい
る重質油が、地下50m以深に埋蔵されているものであ
ることを特徴とする。また、本発明は、工程(B)で重
質油中に含有される硫黄分やNi,Vなどの重金属分の
低減化が図られるものであることを特徴とする。また本
発明は、水蒸気圧入井2に圧入された水蒸気により生産
井3から重質油と水からなる混合物を排出させ、前記重
質油をより低粘度の油に連続的に軽質化する重質油の軽
質化装置において、前記生産井3の出口に水熱分解器7
が管路および熱交換器6を介して接続され、前記水熱分
解器7の出口と、気液分離器9の入口とが、前記熱交換
器6を介して管路により直列に接続されていることを特
徴とする。また本発明は、水蒸気を圧入する水蒸気圧入
井2と、重質油と水からなる混合物を排出する生産井3
と、その混合物を低粘度の油に軽質化するための水熱分
解器7および気液分離器9を備えた重質油の軽質化装置
において、前記気液分離器9における水排出用出口と前
記圧入井2とを水供給用管路により接続し、前記気液分
離器9から排出される水を密閉式に循環使用させるよう
にしたことを特徴とする。また本発明は、貯水槽に管路
および圧送用ポンプおよび水蒸気発生装置を介して接続
された水蒸気を圧入する水蒸気圧入井2と、重質油と水
からなる混合物を排出する生産井3と、その混合物を低
粘度の油に軽質化するための水熱分解器7および気液分
離器9を備えた重質油の軽質化装置において、前記気液
分離器9における水排出用出口と前記圧送用ポンプの入
口側とを管路を介して接続し、前記気液分離器から排出
される水を密閉式に循環使用させるようにしたことを特
徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明方法の第一工程である工程
(A)は、坑井内または容器内で、地表下に埋蔵されて
いる重質油を含む鉱物に水を接触させて、鉱物から重質
油を分離した後、重質油と水の混合物を調製することか
らなる。本工程で、地表下の重質油が50mよりも浅い
位置に埋蔵されている場合には、露天掘りによって地上
に取り出されることが多いので、その場合には、地上の
容器内で、重質油を含む鉱物と水とを接触させて、鉱物
を分離し、重質油と水とからなる混合物を調製すること
ができる。一方、地表下の重質油が50mよりも深い位
置に埋蔵されている場合には、井戸を掘り、坑井内に水
を注入し、重質油を鉱物から分離後、重質油と水とから
なる混合物を地上にくみ上げることができる。
【0012】本工程で、重質油を含む鉱物と接触させる
際の水の存在形態は、水、熱水、水蒸気、それらの混合
体のいずれの形態でもよいが、通常、水蒸気の形態が好
ましい。本工程に供給する水の温度範囲は、20〜35
0℃であるが、通常100〜320℃がより好ましく、
特に180〜320℃がさらに望ましい。供給する水量
は、重質油との混合物中の水分含有率換算で、10wt
%以上であるが、40〜90wt%がより好ましく、5
0〜80wt%がさらに好ましい。供給する水の圧力
は、1kg/cm2 以上であるが、坑井に注入する場合
には、注入する深度によって規定されるので、5〜10
0kg/cm2 が好ましい。さらに、場合によっては、
産油効率を向上させるため、各種金属の珪酸塩や炭酸塩
のような乳化剤や界面活性剤、アルカリ水溶液などを添
加してもよい。
【0013】本発明方法の第二工程である工程(B)
は、工程(A)で調製した重質油と水からなる混合物
を、反応器内で加熱および/または加圧して、超臨界水
を含む高温熱水と接触,反応せしめ、重質油をより低粘
度の油に軽質化させると共に、重質油中の硫黄分やN
i,Vなどの重金属分を低減化させることからなる。こ
こで用いられる重質油は、一般的に常温では流動性に乏
しく、粘度は50℃で3500cp以上、30℃で13
000cp以上である場合が多い。具体的には、カナダ
およびベネズエラ産等の重質油を用いることができる。
工程(A)から留出する重質油と水の混合物の温度範囲
は、通常、20〜350℃であるが、水熱分解反応のた
めにはできるだけ高温であることが望ましい。本工程
で、反応器に供給される重質油と水の混合割合は、水の
含有率として、通常、10wt%以上、好ましくは15
〜75wt%の範囲で適宜選択することができる。
【0014】また、超臨界水を含む高温熱水による重質
油の水熱分解反応を行うに際し、反応温度は通常、20
0〜500℃が好ましく、300〜500℃がさらに好
ましい。反応圧力は通常、50〜500kg/cm2
好ましく、200〜500kg/cm2 がさらに好まし
い。したがって、工程(A)から供給される混合物の水
含有率や混合物の温度と圧力が反応条件に適合していな
い場合には、反応条件に応じて水含有率や混合物の温
度、圧力を適宜調整する。後述の坑井(生産井3)に接
続している場合には、水熱分解に用いられる水の少なく
とも一部は、工程(A)で重質油を鉱物から分離するた
めに供給された水であり、アルカリ金属、アルカリ土類
金属、遷移金属などの無機金属が鉱物中から溶け込んで
いるため、純水のみを用いた場合に比べて優れた水熱分
解特性を発揮するが、必要に応じてナトリウム化合物、
カリウム化合物などの触媒を添加してもよい。工程
(B)で用いられる反応器形式としては、チューブ式反
応器が最適であるが、攪拌式加圧反応容器あるいはその
他の形式の反応器において実施されてもよい。
【0015】本発明方法の第三工程である工程(C)
は、工程(B)の留出物を、炭化水素ガス、改質油分お
よび水分に分離することからなる。分離方法としては、
工程(C)の気液分離工程以前で多段の熱交換器および
温度調整器によって工程(B)の流出物を好ましくは1
00℃まで冷却し、気液分離器によって液状炭化水素、
水および炭化水素ガスに分離することが好ましい。この
場合、液状炭化水素をさらに蒸留工程に供給して、ナフ
サ分、灯・軽油分、ワックス分等に分離してもよい。工
程(C)の気液分離工程で分離される炭化水素ガスの少
なくとも一部は、本プロセスの燃料ガスとして利用で
き、一部は工程(A),(B),(C)に各々供給され
る。また、工程(C)で分離された水は工程(A)に再
循環される。工程(C)に用いられる気液分離器、熱交
換器、蒸留器は当業界で周知のいずれの装置を用いても
よい。プロセス全体として、地下の重質油の生産から重
質油の改質までを一貫して行い、水に関しては採油に用
いた水を再循環して使用するので、系外への水の排出を
極力少なくすることにより、また、水熱分解反応の留出
物については熱交換器を用いて熱回収を行うことによ
り、水使用量と光熱費の低減化が図られる。
【0016】図4は、本発明による超臨界水を含む高温
熱水を用いた重質油の軽質化方法の実施態様を例示する
フローシートである。以下の実施例は本発明をさらに具
体的に説明するためであって、本発明はこれに限定され
るものではない。
【0017】次に図4に示す本発明の一実施形態の重質
油の軽質化装置を説明する。地中に配設される鋼製縦管
(主管)2aと、これに接続され、かつオイルサンド層
13内に水平に配設されると共に、多数の透孔2cを備
えている複数の鋼製横管(枝管)2bとにより、水蒸気
を圧入するための鋼製圧入井2が構成され、前記鋼製横
管2bの一端側は多数の透孔2cにより開口されて横井
が構成されている。
【0018】前記鋼製縦管2aと間隔を置いて平行に鋼
製縦管3aが地中に配設され、その鋼製縦管3a(主
管)とこれに接続され、かつオイルサンド層13内に水
平に配設されると共に、多数の透孔3cを有する複数の
鋼製横管(枝管)3bとにより、オイルサンド油と水蒸
気(凝縮水)との混合物を取り出すための鋼製の生産井
(排出井)3が構成され、前記鋼製横管3bの一端側は
多数の透孔3cにより開口されて横井が構成されてい
る。前記生産井3における横管3bはオイルサンド層中
の垂直面上において、前記圧入井2における鋼製横管2
bよりも例えば5m程度低レベルに配設される。
【0019】前記鋼製縦管2aの上端部に坑口装置1が
装着され、該坑口装置1は水蒸気等の供給用配管17b
及び水蒸気発生装置20及び圧送用ポンプ14及び配管
17aを介して貯水槽11に接続されている。貯水槽1
1には外部からの水の供給が可能なように水供給用配管
11aが接続されている。
【0020】前記生産井3における鋼製縦管3aの上端
部に坑口装置4が装着され、前記坑口装置4は油水生産
用(排出用)配管5を介して熱交換器6の第1入口に接
続され、これに連通する前記熱交換器6の第1出口と水
熱分解器7の入口とは配管15を介して接続され、前記
水熱分解器7の出口と前記熱交換器6の第2入口とは配
管8を介して接続され、前記熱交換器6の第2入口に連
通する第2出口と温度調整器19とは配管16aを介し
て接続され、前記温度調整器19と気液分離器9の入口
とは配管16bを介して接続され、前記気液分離器9に
おける水排出口9cと、不純物除去のための水処理施設
28とは配管10aで接続され、前記水処理施設28の
出口と前記貯水槽11とは配管10bで接続され、前記
貯水槽11と圧送用ポンプ14の吸込口とは、配管17
aで接続され、前記圧送用ポンプ14の吐き出し口と水
蒸気発生装置20とは配管17cで接続され、前記水蒸
気発生装置20の出口と前記坑口装置1とは配管17b
により接続されている。前記気液分離器9におけるガス
排出用出口9aはこれに接続するガス輸送管18aによ
り輸送されて加熱用燃料として熱交換器6または水熱分
解器7あるいは水蒸気発生装置20における加熱用燃料
として使用することができる。また前記気液分離器9に
おける改質油排出用出口9bはこれに接続する改質油輸
送管18bにより輸送されてタンク等に収容される。な
お、前記気液分離器9より排出される水中の不純物が前
記水蒸気発生装置20の運転に支障を与えない程度に少
ない場合には、水処理施設28を省略することができ
る。
【0021】図4に示す上位のレベルに位置する圧入井
2と下位のレベルに位置する生産井(排出井)3は、初
期においては、オイルサンドの油層を加熱するために、
両坑井2,3ともそれぞれ独立してスチームを循環させ
(図示を省略した)、各坑井2,3からの熱伝導等によ
って坑井周辺の油層(オイルサンド層)を加熱し、固結
している状態のオイルサンド粗原油(ビチューメン)を
可動(流動)状態にし、その後図4に示すように圧入井
2からスチームを圧入することにより、圧入されたスチ
ームとオイルサンド粗原油をその比重差を利用して置換
するようにし、油層の下部から鋼製横管3bを通じて重
質油と水の混合物(オイルサンド油)を生産井3から排
出するようにする。
【0022】生産井3から排出された重質油と水の混合
物は、熱交換器6で昇温された後、水熱分解器7内で加
熱および/または加圧されて、超臨界水を含む高温熱水
と接触および反応して、低粘度の油に軽質化された後、
気液分離器9で、炭化水素ガスと、改質油と、水とに分
離される。なお、低粘度の油に軽質化された軽質油は熱
交換器6において、油水生産用配管5から送られて来る
油水混合物を昇温させる為の熱源として利用される。前
記実施形態の場合は、重質油中の重金属及び硫黄成分を
効率よく取り除くことができると共にクローズドシステ
ムで、しかも連続的に重質油の改質処理をすることがで
きる。
【0023】図5の場合は、露天堀り等によって掘り出
された後に、重質油と水との混合物(スラリー状物)に
一次処理された重質油と水との混合物中の重質油を軽質
化する場合の実施形態を示すものであって、重質油と水
とからなる混合物を貯溜する貯溜槽32の下部にロータ
リー式切換弁29が設けられ、かつその切換弁29の下
部出口に連通する排出管30の一端側と水蒸気発生装置
20の出口とが配管17bにより接続され、かつ前記排
出管30の他端側と熱交換器6の第1入口とが配管31
により接続されているが、その他の構成については、図
4に示す場合と同様であるので、同一符号を付してその
説明を省略する。なお、前記一次処理する場合に、採掘
された重質油に鉱物が含有する場合には、その重質油に
前記気液分離器9から回収された水の一部または全部を
あらかじめ接触せしめて、重質油と水との混合物と、そ
れ以外の砂等を含む鉱物とを分離器(図示を省略した)
により分離し、前記重質油と水との混合物を、輸送管等
の搬送手段により搬送し、前記貯溜槽32に貯溜するこ
とにより、前記気液分離器9から排出される水を再循環
使用することもできる。すなわち、図5の場合は、この
ような重質油と水との混合物と、それ以外の砂等を含む
鉱物とを分離処理した後の重質油と水との混合物中の重
質油を軽質化する場合の実施形態を示している。
【0024】[実施例1]カナダ国アルバータ州の地下
に埋蔵されているオイルサンド層に井戸を掘り、図4に
示すような装置により坑井内にスチームを注入して、オ
イルサンドと水からなる混合物を地上に取り出した。以
下にスチーム注入条件と得られる混合物の留出条件を示
す。なお、スチーム注入条件と混合物の留出条件が変動
するため、幅をもって示した。
【0025】(スチーム注入条件) スチーム注入温度:200〜240℃ スチーム注入量 :200〜300kl/日 スチーム注入圧力:20〜30kg/cm2
【0026】(混合物留出条件) 留出温度:200〜240℃ 留出圧力:20〜30kg/cm2 水含有率:約66wt%(オイル/水=1/2)
【0027】次に、得られた混合物(水含有率=64.
3wt%)を用いて、水熱処理模擬実験を実施した。ま
ず、坑井から留出した混合物14g(オイル5g換算、
水9g換算)にKOH0.5g(KOH水溶液として約
1mol/dm3 )を反応用圧力容器(内容積45m
l)に仕込み、密封した。ついで、以下の条件下で水熱
処理したのち、加熱を停止し、徐冷させた。
【0028】(水熱反応条件) 容器に対する水充填率:20%(自己圧:370kg/
cm2 ) 反応温度:430℃ 反応時間:5,30分(430℃到達後)
【0029】次に、室温に冷却後、加圧容器を開け、油
状物(これを改質油とする)と水とを分離した。油状物
について、粘度測定を実施した。その結果、反応時間5
分後では粘度が約11cp(30℃)に、反応時間30
分後では粘度が約5cp(30℃)にそれぞれ低下して
おり、軽質化されたことが認められた。
【0030】[実施例2]坑井から留出した混合物14
g(オイル5g換算,水9g換算)に、水9gとKOH
1.0g(KOH水溶液として約1mol/dm3 )を
加えたこと、および反応時間を5,15,30分とした
こと以外は実施例1と同様にして以下の条件で水熱処理
を行った。
【0031】(水熱反応条件) 容器に対する水充填率:40%(自己圧:450kg/
cm2 ) 反応温度:430℃ 反応時間:5,15,30分(430℃到達後)
【0032】その結果、反応時間5分後では粘度が約2
50cp(30℃)に、反応時間15分後では粘度が約
30cp(30℃)に、反応時間30分後では粘度が約
5cp(30℃)にそれぞれ低下した。
【0033】[実施例3]ベネズエラ産重質油について
も、実施例1と同様にして軽質化を図ることができる。
そこで、以下の実験を行った。ベネズエラ産重質油5g
(30℃で粘度は100000cp)と水9.0gを用
いたこと、反応時間を15分にしたこと以外は、実施例
1と同様にして水熱処理を行った。その結果、反応後に
粘度が約11cp(30℃)に低下することを確認し
た。
【0034】〔実施例4〕実施例2と同様にして水熱処
理を行った後、油状物中の硫黄含有率を測定した。その
結果、水熱処理前の油状物の硫黄含有率は4.5wt%
であったものが、反応時間5分後の場合には2.2wt
%に、反応時間30分後の場合には1.3wt%にそれ
ぞれ低下してることが認められた。
【0035】〔実施例5〕反応時間を15分にしたこと
以外は実施例1と同様にして水熱処理を行った後、油状
物中のNi,V含有率を測定した。その結果、水熱処理
前の油状物のNi含有率は57.2ppm,V含有率は
160ppmであったものが、反応時間15分後の場合
には、Ni含有率は14.1ppm、V含有率は12.
0ppmにそれぞれ低下していることが認められた。
【0036】(参考例1)実施例1で、坑井から留出さ
せた混合物を冷却し、オイルサンド油を分離した。得ら
れたオイルサンド油について、実施例1と同様にして粘
度測定を実施した。その結果、粘度は25000cp
(30℃)以上であった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、地下に埋蔵されている
重質油と、水と接触せしめて地上にくみ上げ、重質油と
水からなる混合物を加熱および/または加圧し、重質油
を超臨界水を含む高温熱水と接触、反応せしめるため、
経済的かつ効率的に粘度5〜35程度の軽質な油を製造
することができる。
【0038】また本発明の装置によれば、生産井3から
排出される重質油と水からなる混合物を連続的に処理す
ることができ、そのため高能率で重質油を軽質な油に改
質処理でき、しかも採油に用いた水を水熱分解に使い、
かつその水を排出することなく再利用しており、しかも
ほぼクローズドシステムに近い状態で前記水を循環使用
できるので、効率よく経済的に使用でき、また公害を起
す恐れがなく、実用的な装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】水蒸気刺激攻法を示す模式図である。
【図2】スチームフラッド法を示す模式図である。
【図3】SAGD法を示す模式図である。
【図4】本発明方法の工程を示すフローシートである。
【符号の説明】
1 坑口装置 2 圧入井 3 生産井 4 坑口装置 5 油水生産用配管 6 熱交換器 7 水熱分解器 8 配管(油と水) 9 気液分離器 10 配管(水) 11 貯水槽 11a 水供給用配管 13 オイルサンド層 14 ポンプ 15 配管 16 配管 17 配管 18a ガス輸送管 18b 改質油輸送管 19 温度調整器 20 水蒸気発生装置 21a 井戸 21b 井戸 22a,22b 切替え弁 23 水飽和率の高い層 24 水平坑井 25 水平坑井 26 坑井 27 坑井 28 水処理施設 30 排出管 32 貯溜槽
【手続補正書】
【提出日】平成9年7月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】水蒸気刺激攻法を示す模式図である。
【図2】スチームフラッド法を示す模式図である。
【図3】SAGD法を示す模式図である。
【図4】本発明方法の工程を示すフローシートである。
【図5】本発明方法における他の工程を示すフローシー
トである。
【符号の説明】 1 坑口装置 2 圧入井 3 生産井 4 坑口装置 5 油水生産用配管 6 熱交換器 7 水熱分解器 8 配管(油と水) 9 気液分離器 10 配管(水) 11 貯水槽 11a 水供給用配管 13 オイルサンド層 14 ポンプ 15 配管 16 配管 17 配管 18a ガス輸送管 18b 改質油輸送管 19 温度調整器 20 水蒸気発生装置 21a 井戸 21b 井戸 22a,22b 切替え弁 23 水飽和率の高い層 24 水平坑井 25 水平坑井 26 坑井 27 坑井 28 水処理施設 30 排出管 32 貯溜槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榎本 兵治 宮城県仙台市太白区鈎取4−5−16 (72)発明者 斎藤 喜久 宮城県仙台市青葉区中山七丁目2番1号 東北電力株式会社研究開発センター内 (72)発明者 守谷 武彦 宮城県仙台市青葉区中山七丁目2番1号 東北電力株式会社研究開発センター内 (72)発明者 三樹 正美 東京都品川区東品川二丁目2番20号 石油 資源開発株式会社生産部内 (72)発明者 石川 雅敏 茨城県牛久市栄町4丁目142−2番地

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地表下に埋蔵されている重質油を、超臨
    界水を含む高温熱水と接触,反応せしめて、より低粘度
    の油に軽質化するに際して、 (A)地表下の重質油を含む鉱物を、坑井内または容器
    内で水または下記工程Cで分離された水を少なくとも一
    部に含む水と接触せしめて、重質油と水からなる混合物
    を調製する工程と、 (B)工程Aで調製した混合物を、反応器内で加熱およ
    び/または加圧して、超臨界水を含む高温熱水と接触,
    反応せしめ、重質油をより低粘度の油に軽質化する工程
    と、 (C)工程Bの留出物を、炭化水素ガス,油,水に分離
    する工程 以上の工程A〜Cとよりなることを特徴とする、重質油
    の軽質化方法。
  2. 【請求項2】 工程Aで、重質油を含む鉱物と接触せし
    める水が、100℃以上のスチームおよび/または超臨
    界水を含む熱水であることを特徴とする請求項1記載の
    重質油の軽質化方法。
  3. 【請求項3】 工程Aで、地表下に埋蔵されている重質
    油が、地下50m以深に埋蔵されているものであること
    を特徴とする請求項1記載の重質油の軽質化方法。
  4. 【請求項4】 水蒸気圧入井2に圧入された水蒸気によ
    り生産井3から重質油と水からなる混合物を排出させ、
    前記重質油をより低粘度の油に連続的に軽質化する重質
    油の軽質化装置において、前記生産井3の出口に水熱分
    解器7が管路および熱交換器6を介して接続され、前記
    水熱分解器7の出口と、気液分離器9の入口とが、前記
    熱交換器6を介して管路により直列に接続されているこ
    とを特徴とする重質油の軽質化装置。
  5. 【請求項5】 水蒸気を圧入する水蒸気圧入井2と、重
    質油と水からなる混合物を排出する生産井3と、その混
    合物を低粘度の油に軽質化するための水熱分解器7およ
    び気液分離器9を備えた重質油の軽質化装置において、
    前記気液分離器9における水排出用出口と前記圧入井2
    とを管路により接続し、前記気液分離器9から排出され
    る水を循環使用させるようにしたことを特徴とする重質
    油の軽質化装置。
  6. 【請求項6】 貯水槽に管路および圧送用ポンプ並びに
    水蒸気発生装置を介して接続された水蒸気を圧入する水
    蒸気圧入井2と、重質油と水からなる混合物を排出する
    生産井3と、その混合物を低粘度の油に軽質化するため
    の水熱分解器7および気液分離器9を備えた重質油の軽
    質化装置において、前記気液分離器9における水排出用
    出口と前記圧送用ポンプの入口側とを管路を介して接続
    し、前記気液分離器9から排出される水を密閉式に循環
    使用させるようにしたことを特徴とする重質油の軽質化
    装置。
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