JPH10310933A - ゴム補強用ポリエステルマルチフィラメント糸及びその製造方法 - Google Patents
ゴム補強用ポリエステルマルチフィラメント糸及びその製造方法Info
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- JPH10310933A JPH10310933A JP11677697A JP11677697A JPH10310933A JP H10310933 A JPH10310933 A JP H10310933A JP 11677697 A JP11677697 A JP 11677697A JP 11677697 A JP11677697 A JP 11677697A JP H10310933 A JPH10310933 A JP H10310933A
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- multifilament yarn
- polyester multifilament
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- rubber reinforcement
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ゴムとの接着性に優れ、しかも工業的規模で
且つ廉価に生産しうるゴム補強用ポリエステルマルチフ
ィラメント糸を提供する。 【解決手段】 固有粘度が0.9以上のポリエチレンテ
レフタレートを200〜1200m/分の速度で紡糸
し、次いで最大延伸倍率の70%以上で延伸した後、温
度180℃以上のプレートヒーター上で19%以上リラ
ックス熱処理して、糸表面に長さが5〜15mmのアー
チ状ループを20個/m以上有したゴム補強用ポリエス
テルマルチフィラメント糸を得る。
且つ廉価に生産しうるゴム補強用ポリエステルマルチフ
ィラメント糸を提供する。 【解決手段】 固有粘度が0.9以上のポリエチレンテ
レフタレートを200〜1200m/分の速度で紡糸
し、次いで最大延伸倍率の70%以上で延伸した後、温
度180℃以上のプレートヒーター上で19%以上リラ
ックス熱処理して、糸表面に長さが5〜15mmのアー
チ状ループを20個/m以上有したゴム補強用ポリエス
テルマルチフィラメント糸を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴムとの接着性に
優れ、ゴム資材補強用コードとして好適に用いることが
できるゴム補強用ポリエステルマルチフィラメント糸及
びその製造方法に関する。
優れ、ゴム資材補強用コードとして好適に用いることが
できるゴム補強用ポリエステルマルチフィラメント糸及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は高強力で寸法安定性
に優れているため、タイヤ、ホース、コンベアベルト等
のゴム補強用材料として広く使用されている。通常ゴム
補強用繊維材料は、繊維を束(マルチフィラメント糸)
となし、これに撚りをかけた生コードに、レゾルシン−
ホルマリン−ゴムラテックス混合物に代表される接着剤
を処理することによりゴムとの接着が行われる。しかし
ながらポリエステル繊維は、同じくゴム補強用材料とし
て用いられるポリアミド繊維と比べると、ゴムとの接着
性が劣るという欠点を有している。従来、かかる接着性
の欠点を改善するために接着剤の改良が主として検討さ
れてきたが、未だ十分な性能を持つ接着剤は提案されて
いない。
に優れているため、タイヤ、ホース、コンベアベルト等
のゴム補強用材料として広く使用されている。通常ゴム
補強用繊維材料は、繊維を束(マルチフィラメント糸)
となし、これに撚りをかけた生コードに、レゾルシン−
ホルマリン−ゴムラテックス混合物に代表される接着剤
を処理することによりゴムとの接着が行われる。しかし
ながらポリエステル繊維は、同じくゴム補強用材料とし
て用いられるポリアミド繊維と比べると、ゴムとの接着
性が劣るという欠点を有している。従来、かかる接着性
の欠点を改善するために接着剤の改良が主として検討さ
れてきたが、未だ十分な性能を持つ接着剤は提案されて
いない。
【0003】また別法として、特開昭63―28233
0号公報には、マルチフィラメント糸に無数の小さなル
ープを形成させ、いわゆるアンカー効果によって接着性
を向上させる方法が提案されている。しかしながら、こ
の方法においては、繊度の異なる2種のフィラメント群
を別々に紡糸し、これらを流体による交絡処理で合糸す
るに際し、細繊度フィラメントを特定範囲のオーバーフ
ィード率で供給することによって得ているため、得られ
る糸は表面に細繊度のフィラメントからなるループを有
し、これによるアンカー効果によってゴムとの接着性は
向上するものの、アンカーとなるべきループ状のフィラ
メントが相対的に細いために剥離強力が未だ不十分であ
るという問題がある。さらには2種類のフィラメント群
を異なるオーバーオフィード率で複合しているため、オ
ーバーフィード率の高い方は強力に寄与し難く、一定の
コード強力を得るためにはコードのトータルデニールを
大きくする必要があるという問題もある。
0号公報には、マルチフィラメント糸に無数の小さなル
ープを形成させ、いわゆるアンカー効果によって接着性
を向上させる方法が提案されている。しかしながら、こ
の方法においては、繊度の異なる2種のフィラメント群
を別々に紡糸し、これらを流体による交絡処理で合糸す
るに際し、細繊度フィラメントを特定範囲のオーバーフ
ィード率で供給することによって得ているため、得られ
る糸は表面に細繊度のフィラメントからなるループを有
し、これによるアンカー効果によってゴムとの接着性は
向上するものの、アンカーとなるべきループ状のフィラ
メントが相対的に細いために剥離強力が未だ不十分であ
るという問題がある。さらには2種類のフィラメント群
を異なるオーバーオフィード率で複合しているため、オ
ーバーフィード率の高い方は強力に寄与し難く、一定の
コード強力を得るためにはコードのトータルデニールを
大きくする必要があるという問題もある。
【0004】また別の方法として、熱収縮率が異なる2
種以上のマルチフィラメントを混繊して複合糸となし、
これを熱処理することによってループを形成させる方法
も提案されている(特開平4−174760号公報)。
しかしこの場合も、ループを形成するフィラメントは相
対的に強度が低く、ゴム補強用のコードとした場合に剥
離強力の低下をきたすという問題がある。
種以上のマルチフィラメントを混繊して複合糸となし、
これを熱処理することによってループを形成させる方法
も提案されている(特開平4−174760号公報)。
しかしこの場合も、ループを形成するフィラメントは相
対的に強度が低く、ゴム補強用のコードとした場合に剥
離強力の低下をきたすという問題がある。
【0005】さらに上記2方法では、ループ形成のため
に互いに性質の異なるフィラメントを別々の紡糸機で紡
糸する必要がある上、特殊な交絡処理あるいは熱処理を
必要とするので処理の高速化に限界があるため、製造コ
ストが高いものとなる。この様に、工業的に廉価な方法
でゴムとの接着性に優れたゴム補強用ポリエステルマル
チフィラメント糸を提供する方法は未だ知られていない
のが実情である。
に互いに性質の異なるフィラメントを別々の紡糸機で紡
糸する必要がある上、特殊な交絡処理あるいは熱処理を
必要とするので処理の高速化に限界があるため、製造コ
ストが高いものとなる。この様に、工業的に廉価な方法
でゴムとの接着性に優れたゴム補強用ポリエステルマル
チフィラメント糸を提供する方法は未だ知られていない
のが実情である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の有する欠点に鑑みなされたもので、その目的は、
ゴムとの接着性に優れ、しかも工業的規模で且つ廉価に
生産しうるゴム補強用ポリエステルマルチフィラメント
糸及びその製造方法を提供することにある。
技術の有する欠点に鑑みなされたもので、その目的は、
ゴムとの接着性に優れ、しかも工業的規模で且つ廉価に
生産しうるゴム補強用ポリエステルマルチフィラメント
糸及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、上記本発明の目的は、「固有粘度が0.85以上の
ポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルマル
チフィラメント糸であって、該糸表面には長さが5〜1
5mmのアーチ状ループを20個/m以上有しているこ
とを特徴とするゴム補強用ポリエステルマルチフィラメ
ント糸。」により達成される。
ば、上記本発明の目的は、「固有粘度が0.85以上の
ポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルマル
チフィラメント糸であって、該糸表面には長さが5〜1
5mmのアーチ状ループを20個/m以上有しているこ
とを特徴とするゴム補強用ポリエステルマルチフィラメ
ント糸。」により達成される。
【0008】また本発明の別の目的は、「固有粘度が
0.9以上のポリエチレンテレフタレートを複数の吐出
孔を有する紡糸口金から溶融吐出し、該吐出糸条を冷却
固化した後に200〜1200m/分の速度で引取り、
次いで該引取り未延伸糸の最大延伸倍率の70%以上の
延伸倍率で延伸した後、180℃以上に加熱されたプレ
ートヒーターを用いてリラックス率19%以上でリラッ
クス熱処理することを特徴とする、ゴム補強用ポリエス
テルマルチフィラメント糸の製造方法。」により達成で
きる。
0.9以上のポリエチレンテレフタレートを複数の吐出
孔を有する紡糸口金から溶融吐出し、該吐出糸条を冷却
固化した後に200〜1200m/分の速度で引取り、
次いで該引取り未延伸糸の最大延伸倍率の70%以上の
延伸倍率で延伸した後、180℃以上に加熱されたプレ
ートヒーターを用いてリラックス率19%以上でリラッ
クス熱処理することを特徴とする、ゴム補強用ポリエス
テルマルチフィラメント糸の製造方法。」により達成で
きる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のマルチフィラメント糸を
構成するポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート
を主たる対象とするが、繰り返し単位の10モル%未
満、好ましくは5モル%未満の範囲で他の共重合成分を
有していてもよい。かかるポリエステルの固有粘度IV
は0.85以上,好ましくは0.9〜1.2とする必要
がある。固有粘度が0.85未満の場合には、ゴム補強
用として十分な力学的特性を有する糸を得ることが困難
となり、本発明の目的を達成することができなくなる。
一方、固有粘度の上限は、溶融紡糸が可能であれば特に
限定する必要はないが、あまりに高くなりすぎると安定
に製糸することが困難となるので、通常は1.2以下が
好ましい。
構成するポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート
を主たる対象とするが、繰り返し単位の10モル%未
満、好ましくは5モル%未満の範囲で他の共重合成分を
有していてもよい。かかるポリエステルの固有粘度IV
は0.85以上,好ましくは0.9〜1.2とする必要
がある。固有粘度が0.85未満の場合には、ゴム補強
用として十分な力学的特性を有する糸を得ることが困難
となり、本発明の目的を達成することができなくなる。
一方、固有粘度の上限は、溶融紡糸が可能であれば特に
限定する必要はないが、あまりに高くなりすぎると安定
に製糸することが困難となるので、通常は1.2以下が
好ましい。
【0010】上記ポリエステルからなる本発明のマルチ
フィラメント糸は、その糸表面に長さが5〜15mm、
好ましくは7〜12mmのアーチ状ループを20個/m
以上、好ましくは20〜200個/m有していることが
肝要である。糸表面のループが長さ5mm以下といった
あまりに小さいアーチ状ループや、環状になったコイル
状ループの場合では、ループ中には接着剤が浸透しやす
いが芯部には接着剤が浸透し難くなるため、剥離時にル
ープ状部分と芯部分とが分離しやすく、結局剥離強力は
低いものとなってしまうため好ましくない。さらにコイ
ル状ループの場合では、引張強力にも寄与し難くなるの
でコードの強力が低くなるという欠点もある。一方長さ
が15mmを超えるアーチ状ループの場合では、アンカ
ーとしての効果が小さくなって十分な接着力は得られな
くなるので好ましくない。
フィラメント糸は、その糸表面に長さが5〜15mm、
好ましくは7〜12mmのアーチ状ループを20個/m
以上、好ましくは20〜200個/m有していることが
肝要である。糸表面のループが長さ5mm以下といった
あまりに小さいアーチ状ループや、環状になったコイル
状ループの場合では、ループ中には接着剤が浸透しやす
いが芯部には接着剤が浸透し難くなるため、剥離時にル
ープ状部分と芯部分とが分離しやすく、結局剥離強力は
低いものとなってしまうため好ましくない。さらにコイ
ル状ループの場合では、引張強力にも寄与し難くなるの
でコードの強力が低くなるという欠点もある。一方長さ
が15mmを超えるアーチ状ループの場合では、アンカ
ーとしての効果が小さくなって十分な接着力は得られな
くなるので好ましくない。
【0011】またアーチ状ループの個数が20個/m未
満の場合には、アンカーが少なくなりすぎてやはり十分
な接着力向上効果は得られなくなるので好ましくない。
なお、ループの数があまりに多くなりすぎると、該ルー
プの長さが小さくなる傾向にあり、また接着剤が芯部に
浸透し難くなるので200個/m以下が好ましい。
満の場合には、アンカーが少なくなりすぎてやはり十分
な接着力向上効果は得られなくなるので好ましくない。
なお、ループの数があまりに多くなりすぎると、該ルー
プの長さが小さくなる傾向にあり、また接着剤が芯部に
浸透し難くなるので200個/m以下が好ましい。
【0012】本発明のポリエステルマルチフィラメント
糸は、ゴム補強用として用いるためには、高強力で且つ
タフネスにも優れていることが要求されるので、強度は
6.0g/de以上、伸度は25%以上で、且つタフネ
スが32以上であることが望ましいが、あまりに強度や
タフネスが高すぎるものは安定に製造することが困難な
ので、通常強度は6.0〜9.0g/de、伸度は10
〜40%、タフネスは20〜40の範囲が適当である。
なお、ここでいうタフネスとは、強度(g/de)×
(伸度(%))1/2 で表されるものである。
糸は、ゴム補強用として用いるためには、高強力で且つ
タフネスにも優れていることが要求されるので、強度は
6.0g/de以上、伸度は25%以上で、且つタフネ
スが32以上であることが望ましいが、あまりに強度や
タフネスが高すぎるものは安定に製造することが困難な
ので、通常強度は6.0〜9.0g/de、伸度は10
〜40%、タフネスは20〜40の範囲が適当である。
なお、ここでいうタフネスとは、強度(g/de)×
(伸度(%))1/2 で表されるものである。
【0013】以上に述べた本発明のポリエステルマルチ
フィラメント糸は、例えば以下の方法により製造するこ
とができる。すなわち、固有粘度が0.85以上の延伸
糸を得るためには、溶融紡糸に供するポリエチレンテレ
フタレート(以下単にポリエステルと称することがあ
る)の固有粘度は0.9以上、好ましくは1.0〜1.
3の範囲のものを用いる必要がある。固有粘度が0.9
未満の場合には、溶融紡糸時の熱分解や加水分解のため
に得られる糸の固有粘度を0.85以上にすることが困
難となる。
フィラメント糸は、例えば以下の方法により製造するこ
とができる。すなわち、固有粘度が0.85以上の延伸
糸を得るためには、溶融紡糸に供するポリエチレンテレ
フタレート(以下単にポリエステルと称することがあ
る)の固有粘度は0.9以上、好ましくは1.0〜1.
3の範囲のものを用いる必要がある。固有粘度が0.9
未満の場合には、溶融紡糸時の熱分解や加水分解のため
に得られる糸の固有粘度を0.85以上にすることが困
難となる。
【0014】溶融されたポリエステルは、孔径0.3〜
1.0mmのノズル孔を複数個有する紡糸口金から吐出
し、該吐出糸条を冷却固化した後に200〜1200m
/分、好ましくは400〜900m/分の速度で引取っ
て未延伸糸を得る。この際、引取速度が高くなりすぎる
と得られる未延伸糸の配向度や結晶化度が高くなりす
ぎ、次ぎの延伸工程で単糸切れや断糸が多発する要因と
なるので好ましくない。本発明においては、未延伸糸の
配向度は低いほど延伸性が向上するので好ましく、未延
伸糸の複屈折率Δnは300×10-5以下、特に100
×10-5以下が適当である。この様な低配向度の未延伸
糸を得るには、引取速度を低くすればよいが、200m
/分未満では生産性が低下するため工業的とはいえなく
なる。なお未延伸糸の配向度を低く抑えるため、口金直
下300〜400mmの範囲にわたって雰囲気温度を3
50〜450℃に保持して紡糸する口金下加熱紡糸方法
が好ましく、特に固有粘度の高いポリエステルを紡糸す
る場合には、得られる糸の均一性も向上する。
1.0mmのノズル孔を複数個有する紡糸口金から吐出
し、該吐出糸条を冷却固化した後に200〜1200m
/分、好ましくは400〜900m/分の速度で引取っ
て未延伸糸を得る。この際、引取速度が高くなりすぎる
と得られる未延伸糸の配向度や結晶化度が高くなりす
ぎ、次ぎの延伸工程で単糸切れや断糸が多発する要因と
なるので好ましくない。本発明においては、未延伸糸の
配向度は低いほど延伸性が向上するので好ましく、未延
伸糸の複屈折率Δnは300×10-5以下、特に100
×10-5以下が適当である。この様な低配向度の未延伸
糸を得るには、引取速度を低くすればよいが、200m
/分未満では生産性が低下するため工業的とはいえなく
なる。なお未延伸糸の配向度を低く抑えるため、口金直
下300〜400mmの範囲にわたって雰囲気温度を3
50〜450℃に保持して紡糸する口金下加熱紡糸方法
が好ましく、特に固有粘度の高いポリエステルを紡糸す
る場合には、得られる糸の均一性も向上する。
【0015】得られた未延伸糸は、一旦巻取った後延伸
してもよいが、通常は連続して延伸する。このときの延
伸倍率は小さすぎるとゴム資材補強用としては強度が不
十分となるので、該未延伸糸の最大延伸倍率の70%以
上、好ましくは85%以上とする必要がある。しかしあ
まりに延伸しすぎると単糸切れや断糸しやすくなるので
該未延伸糸の最大延伸倍率の90%以下、好ましくは8
5%以下とするのが望ましい。なお、延伸は一段で行っ
ても2段以上に分けて多段延伸してもよいが、特に高強
度を得るためには多段延伸する方が好ましい。
してもよいが、通常は連続して延伸する。このときの延
伸倍率は小さすぎるとゴム資材補強用としては強度が不
十分となるので、該未延伸糸の最大延伸倍率の70%以
上、好ましくは85%以上とする必要がある。しかしあ
まりに延伸しすぎると単糸切れや断糸しやすくなるので
該未延伸糸の最大延伸倍率の90%以下、好ましくは8
5%以下とするのが望ましい。なお、延伸は一段で行っ
ても2段以上に分けて多段延伸してもよいが、特に高強
度を得るためには多段延伸する方が好ましい。
【0016】本発明の製造方法においては、延伸に引き
続いてリラックス処理を施す必要がある。この際、18
0℃以上、好ましくは180〜300℃に加熱されたプ
レートヒーター上に糸条を接触させながら、リラックス
率19%以上、好ましくは19〜26%のリラックス処
理を施す必要がある。このリラックス処理でプレートヒ
ーターを用いない場合、例えば加熱ローラーを用いる場
合には、ロール間で糸条が過度にたるみやすく、糸切れ
等のトラブルが多発するようになるだけでなく、形成さ
れるアーチ状ループの数が少なくなって、本発明のポリ
エステルマルチフィラメント糸を得ることが困難とな
る。またリラックス率が19%未満の場合にも、フィラ
メント単糸間に収縮率差を生じにくくなるため、形成さ
れるアーチ状ループの数が少なくなって本発明のポリエ
ステルマルチフィラメント糸を得ることができなくな
る。一方、リラックス率は高くするほど単糸間に収縮率
差が生じやすく糸表面にループを形成しやすいが、あま
りに高くしすぎると過度に糸条がたるんで延伸ロールに
糸条が巻きついて断糸が多発するようになるので、26
%以下とするのが好ましい。なお、プレートヒーター上
でリラックス処理を施しているので、プレートヒーター
に糸条が部分的に接触することになり、この接触した部
分とそうでない部分との間に収縮率の差が生じる結果、
さらにアーチ状ループを形成しやすくなっている。
続いてリラックス処理を施す必要がある。この際、18
0℃以上、好ましくは180〜300℃に加熱されたプ
レートヒーター上に糸条を接触させながら、リラックス
率19%以上、好ましくは19〜26%のリラックス処
理を施す必要がある。このリラックス処理でプレートヒ
ーターを用いない場合、例えば加熱ローラーを用いる場
合には、ロール間で糸条が過度にたるみやすく、糸切れ
等のトラブルが多発するようになるだけでなく、形成さ
れるアーチ状ループの数が少なくなって、本発明のポリ
エステルマルチフィラメント糸を得ることが困難とな
る。またリラックス率が19%未満の場合にも、フィラ
メント単糸間に収縮率差を生じにくくなるため、形成さ
れるアーチ状ループの数が少なくなって本発明のポリエ
ステルマルチフィラメント糸を得ることができなくな
る。一方、リラックス率は高くするほど単糸間に収縮率
差が生じやすく糸表面にループを形成しやすいが、あま
りに高くしすぎると過度に糸条がたるんで延伸ロールに
糸条が巻きついて断糸が多発するようになるので、26
%以下とするのが好ましい。なお、プレートヒーター上
でリラックス処理を施しているので、プレートヒーター
に糸条が部分的に接触することになり、この接触した部
分とそうでない部分との間に収縮率の差が生じる結果、
さらにアーチ状ループを形成しやすくなっている。
【0017】またプレートヒーター温度は180℃以上
とする必要がある。プレートヒーター温度が180℃未
満の場合には、高いリラックス率の処理を施すことがで
きなくなり、先に述べたアーチ状ループを有する本発明
のマルチフィラメント糸は得られなくなる。なお、プレ
ートヒーター温度は高すぎると、何かの原因で糸切れが
発生した場合に糸端がプレートヒーター上で融着するの
で、300℃以下とするのが望ましい。
とする必要がある。プレートヒーター温度が180℃未
満の場合には、高いリラックス率の処理を施すことがで
きなくなり、先に述べたアーチ状ループを有する本発明
のマルチフィラメント糸は得られなくなる。なお、プレ
ートヒーター温度は高すぎると、何かの原因で糸切れが
発生した場合に糸端がプレートヒーター上で融着するの
で、300℃以下とするのが望ましい。
【0018】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的
に説明する。なお実施例中における各評価項目は、下記
の方法によって測定した。 <固有粘度>オルソクロロフェノールを溶媒とし、オス
トワルド粘度計を用いて温度25℃で測定した。 <剥離強力>未加硫ゴムに接着処理コード5本を埋め込
み、温度160℃下、圧力65kg/cm2 の条件で2
0分間加硫すると同時にゴムを接着させた。このコード
の接着力を剥離試験法で測定した。
に説明する。なお実施例中における各評価項目は、下記
の方法によって測定した。 <固有粘度>オルソクロロフェノールを溶媒とし、オス
トワルド粘度計を用いて温度25℃で測定した。 <剥離強力>未加硫ゴムに接着処理コード5本を埋め込
み、温度160℃下、圧力65kg/cm2 の条件で2
0分間加硫すると同時にゴムを接着させた。このコード
の接着力を剥離試験法で測定した。
【0019】[実施例1]固有粘度1.0のポリエステ
ルチップをエクストルーダー内で溶融し、口径0.6m
m、口数192ホールの紡糸口金を用いて、最終的に得
られる延伸糸の総繊度が1000deとなるように紡糸
でのポリマー吐出量を調整しながら紡糸した。紡出され
た糸条は、温度380℃に加熱された雰囲気中を350
mm通過した後、温度25℃、風速0.4m/秒の冷却
風を、吹き出し長さ330mmにわたって吹き付けるよ
うにして冷却固化し、オイリングローラーで油剤を付与
した後、紡糸速度450m/分で引き取った。
ルチップをエクストルーダー内で溶融し、口径0.6m
m、口数192ホールの紡糸口金を用いて、最終的に得
られる延伸糸の総繊度が1000deとなるように紡糸
でのポリマー吐出量を調整しながら紡糸した。紡出され
た糸条は、温度380℃に加熱された雰囲気中を350
mm通過した後、温度25℃、風速0.4m/秒の冷却
風を、吹き出し長さ330mmにわたって吹き付けるよ
うにして冷却固化し、オイリングローラーで油剤を付与
した後、紡糸速度450m/分で引き取った。
【0020】一旦巻き取った未延伸原糸を、一段延伸倍
率3.5倍、二段延伸倍率1.5倍、総延伸倍率5.2
5倍( 最大延伸倍率の87%) で二段延伸した後、温度
200℃に加熱したプレートヒーター上でリラックス率
20%となるようにリラックス処理を行った。この際、
各ローラーの回転速度は、最終の捲取速度が500m/
分となるように調整した。得られた延伸糸の表面には4
2個/mの小ループ(平均ループ長さ12mm)が形成
されていた。
率3.5倍、二段延伸倍率1.5倍、総延伸倍率5.2
5倍( 最大延伸倍率の87%) で二段延伸した後、温度
200℃に加熱したプレートヒーター上でリラックス率
20%となるようにリラックス処理を行った。この際、
各ローラーの回転速度は、最終の捲取速度が500m/
分となるように調整した。得られた延伸糸の表面には4
2個/mの小ループ(平均ループ長さ12mm)が形成
されていた。
【0021】該延伸糸を通常の撚糸機を用いて40回/
10cmの撚りを掛け、次いで該撚り糸を2本あわせて
逆方向に40回/10cmの撚りを掛け、2000de
の生コードを得た。該生コードを、RFL系接着剤で調
整した処理浴に通して接着剤を塗布した後、1g/de
の張力を負荷しながら130℃で2分間乾燥させ、引き
続いて2分間230℃で熱処理を行って接着処理コード
を得た。このコードの接着評価結果を表1に示す。
10cmの撚りを掛け、次いで該撚り糸を2本あわせて
逆方向に40回/10cmの撚りを掛け、2000de
の生コードを得た。該生コードを、RFL系接着剤で調
整した処理浴に通して接着剤を塗布した後、1g/de
の張力を負荷しながら130℃で2分間乾燥させ、引き
続いて2分間230℃で熱処理を行って接着処理コード
を得た。このコードの接着評価結果を表1に示す。
【0022】[実施例2]実施例1と同様にして得た延
伸糸を、温度200℃のプレートヒーター上でリラック
ス率25%でリラックス処理を行い、1000deの延
伸糸を得た。得られた延伸糸の表面には126個/mの
小ループ(平均ループ長さ8mm)が形成されていた。
得られた延伸糸を、実施例1と同様の方法で撚糸、接着
処理を行って接着処理コードとなし、得られた処理コー
ドの接着評価結果を表1に示す。
伸糸を、温度200℃のプレートヒーター上でリラック
ス率25%でリラックス処理を行い、1000deの延
伸糸を得た。得られた延伸糸の表面には126個/mの
小ループ(平均ループ長さ8mm)が形成されていた。
得られた延伸糸を、実施例1と同様の方法で撚糸、接着
処理を行って接着処理コードとなし、得られた処理コー
ドの接着評価結果を表1に示す。
【0023】[比較例1]実施例1において、温度20
0℃のプレートヒーター上でのリラックス率を15%と
する以外は実施例1と同様に行った。得られた延伸糸の
表面にはループが形成されていなかった。該延伸糸を、
実施例1と同様な方法で撚糸、接着処理を行って接着処
理コードとなし、得られた処理コードの接着評価結果を
表1に示す。
0℃のプレートヒーター上でのリラックス率を15%と
する以外は実施例1と同様に行った。得られた延伸糸の
表面にはループが形成されていなかった。該延伸糸を、
実施例1と同様な方法で撚糸、接着処理を行って接着処
理コードとなし、得られた処理コードの接着評価結果を
表1に示す。
【0024】[比較例2]実施例1と同様にして得た延
伸糸を、プレートヒーター使用しないで20%のリラッ
クス率でリラックス処理を行い、1000deの延伸糸
を得た。得られた延伸糸の表面には18個/mのループ
(平均ループ長さ15mm)が形成されていた。またリ
ラックス処理時に過度の糸条たるみが発生し、最終ロー
ラーに糸条がとられて断糸する割合が高くなった。該延
伸糸を、実施例1と同様な方法で撚糸、接着処理を行っ
て接着処理コードとなし、得られた処理コードの接着評
価結果を表1に示す。
伸糸を、プレートヒーター使用しないで20%のリラッ
クス率でリラックス処理を行い、1000deの延伸糸
を得た。得られた延伸糸の表面には18個/mのループ
(平均ループ長さ15mm)が形成されていた。またリ
ラックス処理時に過度の糸条たるみが発生し、最終ロー
ラーに糸条がとられて断糸する割合が高くなった。該延
伸糸を、実施例1と同様な方法で撚糸、接着処理を行っ
て接着処理コードとなし、得られた処理コードの接着評
価結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明のポリエステルマルチフィラメン
ト糸は、糸表面にアーチ状ループを多数有しているた
め、ゴム補強用として使用した場合、従来のフィラメン
ト糸に比較して接着力の向上効果が見られる。また本発
明の製造方法によれば、高倍率延伸、高弛緩率リラック
ス処理を施しているため、得られるフィラメント糸のタ
フネスは高いものとなり、コンベアベルト等のタフネス
を要求されるゴム資材の補強用として特に優れている。
また高リラックス率でリラックス処理を施しているので
熱収縮率も低いものとなり、高い寸法安定性を要求され
るゴム補強用コードとして好適に使用することができ
る。さらに本発明の製造方法は、通常の生産ラインで、
かつ通常の延伸速度で生産することができ、従来提案さ
れている方法に比べて、極めて生産性の高い優れた方法
である。
ト糸は、糸表面にアーチ状ループを多数有しているた
め、ゴム補強用として使用した場合、従来のフィラメン
ト糸に比較して接着力の向上効果が見られる。また本発
明の製造方法によれば、高倍率延伸、高弛緩率リラック
ス処理を施しているため、得られるフィラメント糸のタ
フネスは高いものとなり、コンベアベルト等のタフネス
を要求されるゴム資材の補強用として特に優れている。
また高リラックス率でリラックス処理を施しているので
熱収縮率も低いものとなり、高い寸法安定性を要求され
るゴム補強用コードとして好適に使用することができ
る。さらに本発明の製造方法は、通常の生産ラインで、
かつ通常の延伸速度で生産することができ、従来提案さ
れている方法に比べて、極めて生産性の高い優れた方法
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 固有粘度が0.85以上のポリエチレン
テレフタレートからなるポリエステルマルチフィラメン
ト糸であって、該糸表面には長さが5〜15mmのアー
チ状ループを20個/m以上有していることを特徴とす
るゴム補強用ポリエステルマルチフィラメント糸。 - 【請求項2】 マルチフィラメント糸の強度が6g/d
e以上、伸度が25%以上、タフネス指数(但し、強度
(g/de)×(伸度(%))1/2 )が32以上である
請求項1記載のゴム補強用ポリエステルマルチフィラメ
ント糸。 - 【請求項3】 固有粘度が0.9以上のポリエチレンテ
レフタレートを複数の吐出孔を有する紡糸口金から溶融
吐出し、該吐出糸条を冷却固化した後に200〜120
0m/分の速度で引取り、次いで該引取り未延伸糸の最
大延伸倍率の70%以上の延伸倍率で延伸した後、18
0℃以上に加熱されたプレートヒーターを用いてリラッ
クス率19%以上でリラックス熱処理することを特徴と
する、ゴム補強用ポリエステルマルチフィラメント糸の
製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11677697A JPH10310933A (ja) | 1997-05-07 | 1997-05-07 | ゴム補強用ポリエステルマルチフィラメント糸及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11677697A JPH10310933A (ja) | 1997-05-07 | 1997-05-07 | ゴム補強用ポリエステルマルチフィラメント糸及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10310933A true JPH10310933A (ja) | 1998-11-24 |
Family
ID=14695445
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11677697A Pending JPH10310933A (ja) | 1997-05-07 | 1997-05-07 | ゴム補強用ポリエステルマルチフィラメント糸及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10310933A (ja) |
-
1997
- 1997-05-07 JP JP11677697A patent/JPH10310933A/ja active Pending
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