JPH10313949A - 歯ブラシ用毛材およびその製造方法 - Google Patents

歯ブラシ用毛材およびその製造方法

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JPH10313949A JP12928097A JP12928097A JPH10313949A JP H10313949 A JPH10313949 A JP H10313949A JP 12928097 A JP12928097 A JP 12928097A JP 12928097 A JP12928097 A JP 12928097A JP H10313949 A JPH10313949 A JP H10313949A
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紘紀 西村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯との摩擦抵抗が高く、歯と歯の隙間に付
着した異物や歯垢を効果的に除去することができる歯の
清掃性にすぐれた歯ブラシ用毛材、およびこの歯ブラシ
用毛材を効率的に製造する方法を提供する。 【解決手段】 本発明の歯ブラシ用毛材は、合成樹脂を
溶融紡糸してなるモノフィラメント毛材の少なくとも一
端側をテーパー化してなり、かつこのテーパー化部分の
毛材表面に、平均直径が1〜15μmの微細凹部を多数
形成したことを特徴とする。微細凹部は、平均直径が1
〜15μmの範囲にあり、かつ先鋭化部分のモノフィラ
メント表面30μm平方当りに3〜30個存在するのが
好ましい。また、本発明の歯ブラシ用毛材は、界面活性
剤0.1〜2.0重量%および/または無機粒子0.1
〜5.0重量%を含有するモノフィラメント毛材の少な
くとも一端側を、前記モノフィラメント毛材を溶解し、
かつ前記界面活性剤および/または無機粒子を溶解また
は分解する溶剤で処理することにより、テーパー化部分
を形成すると同時に、このテーパー化部分の表面に多数
の微細凹部を形成する方法により製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯との摩擦抵抗が
高く、歯と歯の隙間に付着した異物や歯垢を効果的に除
去することができる歯の清掃性にすぐれた歯ブラシ用毛
材、およびこの歯ブラシ用毛材を効率的に製造する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、合成樹脂製歯ブラシ用毛材の形態
としては、ラウンド型、テーパー型、先球型、およびカ
ットのみのままなどの多種多様な態様がとられている
が、なかでも、歯周ポケット中の異物や歯垢を除去する
機能を付与するためには、毛先をテーパー化した毛材が
最適であると考えられている。
【0003】そして、毛先をテーパー化した歯ブラシ用
毛材の製造方法としては、合成樹脂モノフィラメント毛
材を溶解する性能を有する溶剤中に、前記毛材の少なく
とも一端側を浸漬し、毛材の一部を溶解する方法が従来
から主として適用されており、この方法によれば、毛先
がテーパー状に先細りになり、歯と歯との隙間や歯と歯
肉との間に入り込み易い形状を確保することが可能であ
るが、テーパー化部分の繊維表面は比較的滑らかである
ため、表面が鱗片状を呈した獣毛に比較して、汚れや異
物を除去する性能、つまり歯の清掃性が劣るという欠点
があった。
【0004】上記の欠点を改良した歯ブラシ用毛材とし
ては、合成樹脂製毛材の毛先にテーパー化部分と、10
0μ単位の痘痕状および/または蛇腹状の凹凸とを同時
に形成したものが、特開平8−47423号公報により
知られているが、この毛材は、その凹凸のピッチが10
0μ前後と大きく、獣毛における約10μ程度の鱗片状
とはかけ離れているため、いまだに歯の清掃性が不十分
なばかりか、凹凸部分に折損を招き易く耐久性に劣ると
いう問題があった、また、この歯ブラシ用毛材は、毛材
を柄に植毛した後で、この毛材の自由端を溶媒に浸漬
し、これに超音波振動を付与する方法により製造される
が、この方法では大量の毛材を一度に超音波処理するこ
とができず、生産性に劣るという問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来の歯ブラシ用毛材が有する問題点の解決を課題として
検討した結果達成されたものである。
【0006】したがって、本発明の目的は、歯との摩擦
抵抗が高く、歯と歯の隙間に付着した異物や歯垢を効果
的に除去することができる歯の清掃性にすぐれた歯ブラ
シ用毛材、およびこの歯ブラシ用毛材を効率的に製造す
る方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の歯ブラシ用毛材は、合成樹脂を溶融紡糸
してなるモノフィラメント毛材の少なくとも一端側をテ
ーパー化してなり、かつこのテーパー化部分の毛材表面
に、平均直径が1〜15μmの微細凹部を多数形成した
ことを特徴とする。
【0008】なお、本発明の歯ブラシ用毛材は、上記の
微細凹部が先鋭化部分のモノフィラメント表面30μm
平方当りに3〜30個存在すること、モノフィラメント
毛材がポリエステルからなること、およびモノフィラメ
ント毛材の直径が0.01〜0.3mm、長さが20〜
40mmであることが好ましく、これらの条件を満たす
場合にはさらにすぐれた効果を発揮する。
【0009】また、本発明の歯ブラシ用毛材の製造方法
は、界面活性剤0.1〜2.0重量%および/または無
機粒子0.1〜5.0重量%を含有するモノフィラメン
ト毛材の少なくとも一端側を、前記モノフィラメント毛
材を溶解し、かつ前記界面活性剤および/または無機粒
子を溶解または分解する溶剤で処理することにより、テ
ーパー化部分を形成すると同時に、このテーパー化部分
の表面に多数の微細凹部を形成することを特徴とする。
【0010】なお、本発明の歯ブラシ用毛材の製造方法
においては、多数のモノフィラメント毛材を束ねて、そ
の一端側を溶剤で処理することにより、多数のモノフィ
ラメント毛材を同時に処理することが望ましく、この場
合には最良の効果が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明についてさらに詳細
に説明する。
【0012】本発明の歯ブラシ用毛材の構成素材は、ナ
イロン6、ナイロン610、ナイロン612などのポリ
アミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレートなどのポリエステル、およびポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンなどの合成樹
脂を溶融紡糸してなる直径が0.01〜0.3mmの合
成樹脂モノフィラメント、好ましくは長さが20〜40
mm程度のモノフィラメント毛材である。
【0013】なお、上記合成樹脂のなかでも特にポリエ
チレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレー
トなどのポリエステルが好ましく使用され、これらの合
成樹脂は、本発明の目的を阻害しない範囲であれば、耐
熱剤、耐候剤、可塑剤、および着色剤などの通常の添加
剤を含むことができる。
【0014】モノフィラメント毛材の直径は、0.01
〜0.3mm、特に0.10〜0.26mmの範囲が好
ましく、0.01mm未満では繊維の腰が弱く、また
0.3mmを越えると繊維の腰が強すぎて、歯茎を痛め
易くなるなるため好ましくない。
【0015】また、モノフィラメント毛材の長さは、適
用する歯ブラシの種類によって適宜選択されるが、通常
は20〜40mm、特に25〜35mmの範囲が好適で
ある。
【0016】本発明の歯ブラシ用毛材は、上述した従来
例と同様に、モノフィラメント毛材の少なくとも一端側
に先鋭化が施されたものであるが、この先鋭化ととも
に、先鋭化部分の表面に多数の微細凹部を形成すること
によって、歯との摩擦抵抗を高め、清掃性を改良した点
を特徴とするものである。
【0017】そして、上記の微細凹部は、予め界面活性
剤および/または無機粒子の特定量を含有させたモノフ
ィラメントを製造し、このモノフィラメントを適宜の長
さに切断してモノフィラメント毛材となし、このモノフ
ィラメント毛材の少なくとも一端側をまず機械的に先鋭
化した後、さらに前記界面活性剤および/または無機粒
子を溶解または分解する溶剤で処理することにより、微
細凹部を形成する方法、および界面活性剤および/また
は無機粒子の特定量を含有するモノフィラメント毛材の
少なくとも一端側を、モノフィラメントを溶解しかつ前
記界面活性剤および/または無機粒子を溶解または分解
する性能を有する溶剤で処理することにより、モノフィ
ラメント毛材の先鋭化と微細凹部の形成を一挙に行う方
法などにより形成することができるが、なかでも後者の
方法が工程的に有利である。
【0018】モノフィラメントに含有せしめる界面活性
剤としては、ポリアクリル酸、メタクリル酸と無水マレ
イン酸との共重合体などのアニオン性界面活性剤、ポリ
エチレングリコール、ポリアミン、アクリル酸アシド誘
導体などのカチオン性界面活性剤およびメタクリル酸と
ポリエチレングリコールとのエステル、N−メトキシメ
チル化されたポリアミドなどの非イオン性界面活性剤な
どが挙げられる。
【0019】また、同じく無機粒子としては、酸化ケイ
素、酸化アルミニウム、酸化硼素、炭酸マグネシウムお
よび炭酸カルシウムなどの微粉末が挙げられ、これら無
機粒子の粒径は、0.1〜2.0μ、特に0.5〜1.
5μmであることが望ましい。
【0020】これら界面活性剤および無機粒子のモノフ
ィラメントに対する添加量は、界面活性剤の場合は0.
1〜2.0重量%、特に0.2〜1.0重量%、無機粒
子の場合は0.1〜5.0重量%、特に0.3〜3重量
%の範囲が好ましく、上記の範囲未満では微細凹部の形
成数が少なくて清掃性を十分に改良することができず、
また上記の範囲を越えるとシャープな先鋭化を達成する
ことが困難になるため好ましくない。
【0021】なお、界面活性剤および無機粒子は、それ
ぞれの単独添加であっても、両者の併用であってもよ
い。
【0022】上記先鋭化と微細凹部の形成を同時または
別途に行うために使用する溶剤としては、例えばモノフ
ィラメントがポリエステルからなる場合には、苛性ソー
ダまたは苛性カリなどのアルカリ化合物の水溶液が、ま
たモノフィラメントがポリアミドの場合には、塩化カル
シウムとメタノールの混合液、オレイルアルコール、エ
チレングリコールおよび塩化亜鉛水溶液などが好ましく
使用できる。
【0023】モノフィラメント毛材の先鋭化は、モノフ
ィラメント毛材を約2万〜10万本程度集束したモノフ
ィラメント束の一端側について、その約50%以下の所
定長部分を、溶剤に所定時間浸漬して引上げ、これをよ
く水洗することにより行われる。
【0024】かくして形成される微細凹部は、好ましく
は繊維軸方向に縦長の形状を有しており、その平均直径
が1〜15μm、特に3〜10μmの範囲にあり、かつ
先鋭化部分のモノフィラメント表面30μm平方当りに
3〜30個、特に4〜20個存在していることが重要で
ある。
【0025】ここで、微細凹部の平均直径が1μm未満
では清掃性の改良効果が不十分となり、15μmを越え
るとモノフィラメントが脆くなり、耐久性が低下するた
め好ましくない。
【0026】また、微細凹部の個数が先鋭化部分の繊維
表面30μm平方当り3個未満では清掃性の改良効果が
不十分であり、30個を越えると先鋭化が困難化すると
共に、モノフィラメントが脆く折れ易くなり、耐久性が
低下するため好ましくない。
【0027】以上の構成からなる本発明の歯ブラシ用毛
材は、公知の方法により柄部分に植毛されて歯ブラシを
構成するために使用されるが、かくして得られる歯ブラ
シは、歯との摩擦抵抗が高く、歯と歯の隙間に付着した
異物や歯垢を効果的に除去することができて、歯の清掃
性にきわめてすぐれている。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明の構成および
効果についてさらに詳細に説明する。
【0029】なお、実施例における各性能の評価は次の
方法にしたがって行った、 [微細凹部の平均直径および数]モノフィラメント毛材
の先鋭化部分先端部から7mm内側の位置を、走査電子
顕微鏡を用いて1000倍の倍率で2個所観察し、微細
凹部20個当りの直径の平均値および平均直径が2μ以
上の微細凹部の数を求めた。
【0030】[清掃性]先鋭化と微細凹部の形成を行な
って得られたモノフィラメント毛材を、柄に植毛して形
成した歯ブラシを用いて、以下の試験を行なった。すな
わち、直径:7mmのSUS製半球10本の間に、間隔
が0.05mm、0.10mmおよび0.30mmで、
それぞれの深さが2.0mmの3種類の隙間を繰返し設
けることにより、疑似歯のモデルを作成した。この各隙
間に予め歯科噛合せチェック用のスプレー(“OCCU
LUDE”)により見掛の汚れを付与しておき、上記の
歯ブラシを用いて負荷:300g、摺動数:180回/
分の条件にて3分間ブラッシングした。そして、ブラッ
シング後に汚れが付着していない部分の面積を測定し、
(ブラッシング後に汚れが付着していない面積)/(ブ
ラッシング前の汚れ全面積)×100の百分率で清掃性
を評価した。
【0031】[使用感覚]上記の歯ブラシの使用感覚の
評価(A.歯肉のマッサージ効果、B.歯と歯肉との間
への入り易さ、およびC.歯肉に対するるソフト感の3
項目)を、10人のパネラーに依頼し、次の基準で判定
した結果を平均値で示した。
【0032】 1……きわめて良好 2……良好 3……普通 4……やや不良 5……不良 [実施例1〜8,比較例1〜6] 固有粘度:1.00のポリブチレンテレフタレートに対
し、界面活性剤としてポリエチレングリコール(PE
G)、および無機粒子として粒径が1.0μmの酸化ケ
イ素をそれぞれ表1に示した割合で配合し、これを常法
にしたがって溶融紡糸、延伸(延伸倍率:4.5倍)す
ることにより、直径:0.2mmの繊維を得た。
【0033】得られた各繊維を30mmに切断したモノ
フィラメント毛材を、約5万本引揃えて紙巻きした束
(束断面:円形、束直径:4.9cm)を繊維軸方向に
横置きとしてステンレス製の篭内に配置し、この篭を1
15℃に調整した水酸化ナトリウムの40重量%水溶液
内に、上記繊維束繊維軸方向の全面が完全に浸漬するよ
うに配置して75分間処理した後、十分に水洗し、脱
水、乾燥することにより先端先鋭化モノフィラメント毛
材を得た。
【0034】得られた各モノフィラメント毛材につい
て、先鋭化部分に存在する微細凹部の平均直径、数、お
よび歯ブラシとした場合の清掃性、使用感覚を評価した
結果を表1に併せて示す。
【0035】
【表1】 表1の結果から明らかなように、本発明の歯ブラシ用毛
材(実施例1〜8)は、本発明の条件を満たさない比較
例1〜6に比較して、清掃性および使用感覚がきわめて
すぐれている。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の歯ブラシ
用毛材は、歯との摩擦抵抗が高く、歯と歯の隙間に付着
した異物や歯垢を効果的に除去することができて、歯の
清掃性にきわめてすぐれた歯ブラシを与えることができ
る。
【0037】また、本発明の製造方法によれば、上記の
すぐれた特性を有する歯ブラシ用毛材を効率的に製造す
ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂を溶融紡糸してなるモノフィ
    ラメント毛材の少なくとも一端側をテーパー化してな
    り、かつこのテーパー化部分の毛材表面に、平均直径が
    1〜15μmの微細凹部を多数形成したことを特徴とす
    る歯ブラシ用毛材。
  2. 【請求項2】 微細凹部が、テーパー化部分のモノフ
    ィラメント表面30μm平方当りに3〜30個存在する
    ことを特徴とする請求項1に記載の歯ブラシ用毛材。
  3. 【請求項3】 モノフィラメント毛材がポリエステル
    からなることを特徴とする請求項1または2に記載の歯
    ブラシ用毛材
  4. 【請求項4】 モノフィラメント毛材の直径が0.0
    1〜0.3mm、長さが20〜40mmであることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯ブラシ
    用毛材。
  5. 【請求項5】 界面活性剤0.1〜2.0重量%およ
    び/または無機粒子0.1〜5.0重量%を含有するモ
    ノフィラメント毛材の少なくとも一端側を、前記モノフ
    ィラメント毛材を溶解し、かつ前記界面活性剤および/
    または無機粒子を溶解または分解する溶剤で処理するこ
    とにより、テーパー化部分を形成すると同時に、このテ
    ーパー化部分の表面に多数の微細凹部を形成することを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯ブラ
    シ用毛材の製造方法。
  6. 【請求項6】 多数のモノフィラメント毛材を束ね
    て、その一端側を溶剤で処理することにより、多数のモ
    ノフィラメント毛材を同時に処理することを特徴とする
    請求項5に記載の歯ブラシ用毛材の製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006141991A (ja) * 2004-10-21 2006-06-08 Kenji Nakamura ブラシ毛材
JP2008527198A (ja) * 2005-01-13 2008-07-24 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 化粧ブラシおよび他のブラシ用の合成フィラメント
JP2010519010A (ja) * 2007-03-13 2010-06-03 ベスト ファソンカンパニーリミテッド 生産効率を向上させる歯ブラシ用毛材のテーパー加工方法
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