JPH10316962A - 油性スカム含有廃水のゲル化剤、及び、これを用いた油性スカムの処理方法 - Google Patents

油性スカム含有廃水のゲル化剤、及び、これを用いた油性スカムの処理方法

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JPH10316962A
JPH10316962A JP9131264A JP13126497A JPH10316962A JP H10316962 A JPH10316962 A JP H10316962A JP 9131264 A JP9131264 A JP 9131264A JP 13126497 A JP13126497 A JP 13126497A JP H10316962 A JPH10316962 A JP H10316962A
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Japan
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oily scum
wastewater
gelling agent
scum
ethylene oxide
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Application number
JP9131264A
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English (en)
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Yoshihiro Kawamori
吉宏 河盛
Satoshi Hiratsuna
訓 平綱
Yoshio Ogoshi
芳男 大越
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DKS Co Ltd
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TOKYO MET GOV GESUIDO SERVICE KK
Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 家庭や工場から出る下水中の油性スカムを
容易に回収処理することのできる処理薬剤及び処理方法
を提供する。 【解決手段】下記(i)〜(iii)の特徴を有するエチ
レンオキシド−プロピレンオキシドランダム共重合体
に、芳香族ジイソシアネートをNCO−/OH−当量比
3.5〜8で付加反応させて得られるウレタンプレポリ
マーからなるゲル化剤を用いる。このゲル化剤により、
油性スカムを含有する廃水を固形化する。 (i)エチレンオキシド単位とプロピレンオキシド単位
との重量比が70/30〜90/10であり、(ii)エ
チレンオキシド及びプロピレンオキシドの付加反応の出
発物質がトリオールであり、(iii)水酸基価から求め
られる平均分子量が6000〜9000である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭や工場から出
る下水中の油性スカムを回収処理するための固形化剤及
び、これを用いた油性スカム含有液の処理方法に関す
る。
【0002】油性スカムとは、下水中にあって、植物性
及び動物性の油脂等からなる液状及び固形状の粘性の浮
遊物である。
【0003】
【従来の技術】食堂や家庭の厨房から排出される下水中
には、種々の食用油脂が分散浮遊している。食用油脂と
しては、例えば、天ぷらや揚げ物等に用いられるゴマ油
等の植物油、食肉やインスタントラーメンに含まれる牛
脂やラード分が挙げられる。
【0004】これらの油脂分は、下水処理場の導水路や
第1沈殿槽といった流速が低下する場所で水面近くにま
で浮上して浮遊滞留する。このような油性スカムを含む
廃水を長時間静置するならば表層に油脂の層をなす。油
性スカムは、表層に浮上するため、水処理剤や活性汚泥
による処理が困難である。そのため、通常、手作業で回
収され、場合によってはさらに静置分離された後、埋め
立て廃棄されている。
【0005】ところが、油性スカムは粘度及び粘着性が
大きく、極めて取り扱いにくいため、回収作業は困難を
極めている。また、埋め立て廃棄に対する規制及び近隣
住民の反発が強くなるにつれて、処分用地の確保が年々
困難になっている。
【0006】油性スカムを含有する廃水に、分散剤を加
えて乳化し、燃料油とともに燃焼処理することも考えら
れる。しかし、大がかりな専用設備を必要とするだけで
なく、固形油脂やその他の固形ゴミによってボイラーへ
の供給配管が目詰まりするという問題がある。
【0007】一方、特開昭53−108070において
は、廃油に、同重量以下の水と、同重量程度のポリイソ
シアネート(実施例ではポリメリックMDI)をアミン
触媒とともに加えて攪拌することにより、固形化するこ
とが開示されている。しかし、このような廃油の処理方
法を、比較的低濃度の油脂が浮遊する廃水に適用した場
合、ポリイソシアネートを水中に分散させるためには強
力な攪拌混合が必要であり特殊な装置を必要とする。ま
た、多量のポリイソシアネートを使用するので、コスト
高となるだけでなく、得られた固形体は有害ガスと煤煙
の発生なしに燃焼廃棄することが困難である。ポリイソ
シアネートと水との反応で生成した固形体は、窒素組成
が高く、炭化を起こしやすいものであり、外部加熱なし
には完全燃焼が容易でない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みなされたものであり、回収処理作業が非常に困難
であった下水中の油性スカムを処理するための薬剤及び
方法において、取扱の容易な固形体に簡易に変換するこ
とができ、この固形体の廃棄も容易であり、しかも特別
な設備を必要としないものを提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の油性ス
カム含有廃水のゲル化剤においては、濃度50重量%以
下の油性スカムを含有した廃水に添加混合されて、この
廃水をゲル化するゲル化剤であって、下記(i)〜(ii
i)の特徴を有するエチレンオキシド−プロピレンオキ
シドランダム共重合体に、ポリイソシアネートをNCO
−/OH−当量比3.5〜8で付加反応させて得られる
ウレタンプレポリマーからなる油性スカム含有廃水のゲ
ル化剤。
【0010】(i)エチレンオキシド単位とプロピレン
オキシド単位との重量比が70/30〜90/10であ
り、(ii)エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの
付加反応の出発物質が、末端に2〜4個の活性水素基を
有する低分子量化合物であり、(iii)水酸基価から求
められる平均分子量が6000〜9000である。
【0011】上記構成により、油性スカム含有廃水を取
扱の容易なゲル体に簡易に変換できる。
【0012】請求項2に記載の油性スカム含有廃水のゲ
ル化剤においては、請求項1記載の油性スカム含有廃水
のゲル化剤において、前記活性水素基を有する低分子量
化合物がトリオールであり、前記ポリイソシアネートが
芳香族ジイソシアネートであることを特徴とする。
【0013】請求項3に記載の油性スカム含有廃水のゲ
ル化剤においては、請求項1記載の油性スカム含有廃水
のゲル化剤において、濃度50重量%以下の油性スカム
を含有した廃水に添加混合されることを特徴とする。
【0014】請求項4に記載の油性スカムの処理方法に
おいては、下記(i)〜(iii)の特徴を有するエチレ
ンオキシド−プロピレンオキシドランダム共重合体に、
ポリイソシアネートをNCO−/OH−当量比3.5〜
8で付加反応させて得られるウレタンプレポリマーから
なるゲル化剤を、油性スカムを含有した廃水100重量
部に対して5〜100重量部混合添加することにより前
記廃水をゲル化することを特徴とする。
【0015】(i)エチレンオキシド単位とプロピレン
オキシド単位との重量比が70/30〜90/10であ
り、(ii)エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの
付加反応の出発物質が、トリオールであり、(iii)水
酸基価から求められる平均分子量が6000〜9000
である。
【0016】請求項5に記載の油性スカムの処理方法に
おいては、請求項4に記載の油性スカムの処理方法にお
いて、廃水中に50重量%以下の濃度で含有される油性
スカムを処理することを特徴とする。
【0017】請求項6に記載の油性スカムの処理方法に
おいては、請求項4に記載の油性スカムの処理方法にお
いて、前記ゲル化の後に燃焼廃棄することを特徴とす
る。
【0018】上記構成により、ゲル化物を容易に廃棄で
きる。
【0019】請求項7に記載の油性スカムの処理方法に
おいては、請求項6に記載の油性スカムの処理方法にお
いて、含水率30%以下にまで乾燥を行い、得れらた固
形物を燃料として用いることを特徴とする。
【0020】請求項8に記載の含水ウレタンゲル又は親
水性ウレタンゲルにおいては、油性スカムを網目構造中
に捕捉していることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明においては、油性スカムを
含有する廃水について、エチレンオキシド−プロピレン
オキシドランダム共重合体にポリイソシアネートを付加
して得られる親水性ウレタンプレポリマーからなるゲル
化剤によりゲル化する。これにより、油性スカムが含水
ウレタンゲル中に捕捉される。
【0022】本発明による処理に適した油性スカム含有
廃水としては、油性スカムの濃度が0.3〜50重量%
のもの、特には濃度1〜40重量%のものである。
【0023】本発明の方法により、油性スカムが、ゴマ
油や牛脂といった植物性及び動物性の油脂からなるもの
の他、エンジンオイル、ギヤーオイル、グリース、潤滑
油廃油等からなるものであっても容易に処理することが
できる。また、このような油脂又は油分の他に固形ゴミ
が多量に混在したものであっても同様に処理することが
できる。
【0024】本発明におけるエチレンオキシド−プロピ
レンオキシドランダム共重合体を生成する重付加反応の
出発物質(ポリエーテルポリオール生成の開始剤)とし
ては、末端に2〜4個、好ましくは3個の活性水素基を
有する低分子量化合物(分子量1000以下)を用い
る。特に、トリオールが好ましい。トリオールとして
は、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロ
ールエタン、1,2,6−ヘキサントリオールといった
単純な構造のトリオールの他、ソルビトール、ペンタエ
リスリトール等の多価アルコールを脂肪酸により部分エ
ステル化して得られるトリオール化合物、又は、トリエ
タノールアミン等の化合物が挙げられる。場合によって
は、エチレングリコール、ジエチレングリコールといっ
たジオールや、ペンタエリスリトールといったテトラオ
ールを用いることも可能である。
【0025】エチレンオキシド−プロピレンオキシドラ
ンダム共重合体を生成するための重付加反応における、
エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの重量比は、
70/30〜90/10である。エチレンオキシドのプ
ロピレンオキシドに対する重量比が70/30未満の場
合、即ち、アルキレンオキシド総量中のエチレンオキシ
ドの重量%が70%未満である場合には、得られるウレ
タンプレポリマーの水への拡散性が悪く、ゲル化性能が
不良である。一方、エチレンオキシドのプロピレンオキ
シドに対する重量比が90/10を越える場合、即ち、
アルキレンオキシド総量中のエチレンオキシドの重量%
が90%を越える場合には、得られるウレタンプレポリ
マーの凝固点及び粘度が高くなるので、やはり、水との
混合拡散が困難であり、取扱が困難である。また、ラン
ダム共重合体自体の製造コストも高くなる。
【0026】エチレンオキシド−プロピレンオキシドラ
ンダム共重合体の平均分子量は、6000〜9000で
ある。平均分子量が6000未満であると、得られる親
水性ウレタンプレポリマー(ゲル化剤)を油性スカム含
有廃水と混合した場合におけるゲル化性能が低く、部分
的にのみゲル化して均一なゲル体が得られない。したが
って、油性スカムをトラップして固形化する効果が不十
分である。一方、平均分子量が9000を越えると、得
られるゲル化剤を油性スカム含有廃水と混合した場合
に、混合拡散性が悪い上にゲル化時間が極端に短いため
に取り扱いが難しい。また、平均分子量が9000を越
えると、濾過が困難となり工業生産コストが高くなる。
【0027】ここで、平均分子量は、水酸基価から算出
される数平均分子量である。水酸基価の測定は公知の一
般的な方法による。
【0028】本発明のゲル化剤(親水性ウレタンプレポ
リマー)の製造に際して、必要によっては、アセタール
化ポリオールを上記エチレンオキシド−プロピレンオキ
シドランダム共重合体に添加しておくことができる。
【0029】添加するアセタール化ポリオールは、例え
ば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロ
ールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタ
エリスリトール、ソルビトール、スクロース(ショ糖)
といったポリオールに、アセトアルデヒド、プロピルア
ルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒドといっ
たアルデヒドを縮合させて得たものである。代表的なア
セタール化ポリオールとしては、ソルビトールのベンズ
アルデヒドによるモノ、ジ、及びトリアセタール、1,
2,6−ヘキサントリオールのベンズアルデヒドアセタ
ール、及びトリメチロールプロパンのアセトアルデヒド
アセタールが挙げられる。
【0030】アセタール化ポリオールの添加により、ゲ
ル化剤の粘度を下げることができ、油性スカムとの親和
性を向上させることができる。特に、ゲル化剤を油性ス
カム含有廃水に添加した際の、混合液の初期の粘度を下
げることができるので、油性スカムの濃度が高く粘度の
高い廃水を処理する場合に効果がある。
【0031】アセタール化ポリオールは、このような場
合に、上記エチレンオキシド−プロピレンオキシドラン
ダム共重合体に対して、0.5〜10%、好ましくは1
〜3%加える。
【0032】本発明のゲル化剤を製造するためのポリイ
ソシアネートとしては、ウレタンプレポリマー化等の誘
導体化がされていないものであればいずれも使用可能で
あるが、特に、TDI−80(トリレンジイソシアネー
トであって、2,4−TDIと2,6−TDIとの比率
が80/20であるもの)、NDI(ナフタレンジイソ
シアネート)、ピュアMDI(ピュアのジフェニルメタ
ンジイソシアネート)、ポリメリックMDI(ポリメチ
レンポリフェニルイソシアネート)、XDI(キシレン
ジイソシアネート)といった芳香族ポリイソシアネート
の他、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネート、IPDI
(イソホロンジイソシアネート)といった脂肪族ポリイ
ソシアネート、及び、これらの混合物が挙げられる。特
に好ましいものは、芳香族ジイソシアネートである。
【0033】上記のエチレンオキシド−プロピレンオキ
シドランダム共重合体とポリイソシアネートとからポリ
ウレタンプレポリマーを生成する反応における、イソシ
アネート/水酸基(NCO/OH)当量比は、3.5〜
8である。NCO/OH当量比が3.5未満の場合に
は、得られるポリウレタンプレポリマーの貯蔵安定性が
悪くなる。一方、NCO/OH当量比が8を越える場合
には、水への拡散性が悪いので、均一なゲル体を形成す
ることが困難である。
【0034】本発明に用いる不活性溶媒としては、キシ
レン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、イソパラフィ
ン、n−パラフィン、アセトン、メチルエチルケトン、
ジオキサン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジブチ
ルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DO
P)、メチレンクロリド、1,1,1−トリクロロエタ
ン、パークロロエチレンなどが好ましいものとして挙げ
られる。
【0035】上記のような不活性溶媒の添加により、得
られるポリウレタンプレポリマーの水に対する溶解、分
散性を著しく高めることができる。特に、アセトン、メ
チルエチルケトン、ジメチルホルムアミド(DMF)な
どを用いた場合にその効果が顕著となり、廃水中に簡単
に分散させるだけで、ほとんど攪拌を加えなくても均一
なゲル体を得ることができる。
【0036】
【実施例】
<ウレタンプレポリマー(ゲル化剤)の合成例>本発明
に用いるウレタンプレポリマーの合成例の一つ(合成例
2)について以下に説明する。
【0037】グリセリンに水酸化カリウムを0.8重量
%加え、減圧下に脱水と窒素置換を行う。エチレンオキ
シドとプロピレンオキシドとを重量比80/20で混合
した混合アルキレンオキシドを、反応温度100〜13
0℃、反応圧力1〜4Kg/平方センチにて加え、4〜
5時間で反応を終了する。
【0038】この反応生成物に合成珪酸マグネシウムを
3重量%加え温度110〜120℃で減圧中和処理を約
1時間かけて行う。この後、濾過機で濾過することによ
り、高純度で透明なエチレンオキシド−プロピレンオキ
シドランダム共重合体を得る。濾過後の生成物は、重金
属含有量が10ppm以下であり、水分が0.5%以下
である。これに、必要によっては上記のアセタール化ポ
リオールを添加する。
【0039】次に、TDI−80を添加し、温度80℃
で2時間窒素気流中に攪拌することにより反応を完了さ
せる。
【0040】得られたウレタンプレポリマーは、水溶性
であって取扱が容易な粘性であるので固形化剤に適して
いる。また、得られたウレタンプレポリマーにおける遊
離イソシアネート基部分の含量は、3〜8重量%であ
る。
【0041】反応完了後のウレタンプレポリマーに対し
て、必要によっては、50℃に温度を下げた段階で、上
記不活性溶媒を15〜70重量%添加することができ
る。
【0042】上記合成例2と同様にして得られた合成例
1〜9について、下記表1にまとめて示す。
【0043】
【表1】 <油性スカム含有廃水>試験に用いた油性スカム含有廃
水について、下記表2にまとめて示す。
【0044】油性スカムの濃度の測定は、ビーカーに採
取した油性スカム含有廃水について、105℃8時間の
加熱乾燥を行って水分を除去することにより行った。
【0045】表2中、廃水例5〜8における、油性スカ
ムの濃縮は、常圧若しくは加圧浮上、又は遠心分離とい
った物理的な方法により行った。
【0046】油性スカム含有廃水について濃度50%以
上に濃縮した場合には、流動性が極めて低いので、ゲル
化剤との混合が困難になる。また、濃縮のための工程操
作自身も非常に困難となる。
【0047】
【表2】 <油性スカム含有廃水のゲル化とその評価>上記廃水例
の油性スカム含有廃水100重量部に対して、前記合成
例のウレタンプレポリマーを5〜100重量部添加し、
攪拌棒又はスパチュラにて均一になるまで混合した後、
固形化するまで静置した。この攪拌及び静置の際の温度
は、20〜25℃である。
【0048】ゲル化についての評価は、以下のように行
った。
【0049】(保形性)得られたゲル化物を3cm角又
は5cm角の立方体、又は直径5cm高さ5cmの短円
柱に切り出して、平板上に1日静置した際の形状変化の
有無を観察した。変形の全く見られないものを○、底面
の膨張が少し見られるものを△、明らかに変形したもの
を×と評価した。
【0050】(粘着耐性)得られたゲル化物をハサミで
切断した際に、ハサミの刃への付着の有無について観察
した。付着が全く見られないものを○、付着が一部にだ
け見られるものを△、付着が顕著に見られるものを×と
評価した。
【0051】(油分耐分離性)保形性の評価の際に切り
出したゲル化物について、手による触感及び肉眼観察に
より油分の表面への滲み出しの有無を判定する。滲み出
しなしと判定された場合を○、滲み出しありと判定され
た場合を×と評価した。
【0052】(ゲル化時間の測定)油性スカム含有廃水
とウレタンプレポリマー(ゲル化剤)との混合後、全体
がゲル状になるまでの時間を測定した。
【0053】下記の表3に、ゲル化の条件と評価結果に
ついてまとめて示す。
【0054】
【表3】 上記表中の実施例1〜8から知られるように、油性スカ
ム含有廃水100重量部に対して、合成例1〜7で得ら
れたゲル化剤(ウレタンプレポリマー)を5重量部以上
添加して放置するだけで、取扱の容易なゲル化物に転換
することができた。
【0055】実施例1〜8のいずれにおいても、廃水と
ゲル化剤との混合は、攪拌棒によるわずかな攪拌で達成
された。また、得られたゲル化物は、プリン状〜こんに
ゃく状であって、ゲル表面における粘着性がないため取
扱が容易であった。
【0056】実施例1〜8についてのゲル化時間測定結
果から知られるように、廃水に対するゲル化剤の添加量
が多いほどゲル化が速い。しかし、実施例2の結果から
知られるように、ゲル化剤の添加量が5phr(廃水1
00部に対して5部)という比較的少ない量であっても
充分に短い時間内にゲル化が完了した。
【0057】上記表中の比較例1〜3から知られるよう
に、合成例8〜9のゲル化剤を用いた場合には、取扱が
容易なゲル化物は得られなかった。比較例1〜3のいず
れにおいても、ゲル化時間が極端に短いのに対して廃水
との混合拡散性が悪く均一なゲル化物が得られなかっ
た。合成例8のゲル化剤は、表1に示すように、出発物
質の官能基数が6であり、官能基数が多すぎることがゲ
ル化不良の原因であったと考えられる。合成例9のゲル
化剤は、出発物質が実施例のもの(合成例1〜7)と同
様であるが、ベースになるエチレンオキシド−プロピレ
ンオキシドランダム共重合体の平均分子量が10,00
0と高く、この分子量が高すぎることがゲル化不良の原
因であったと考えられる。
【0058】上記実施例により得られたゲル化物を外気
中に放置すると徐々に水を分離した。また、加熱送風乾
燥といった強制乾燥による濃縮も容易であり、このよう
な濃縮を促進するために粗粉砕することも可能であっ
た。粉砕後の再付着は全く見られなかった。
【0059】上記実施例1〜8により得られたゲル化物
について、1〜2cm角に切断し、105℃5時間乾燥
することにより、含水率30%以下の、より扱いやすい
固形体が得られた。また、これに、マッチの火を近づけ
たところ、容易に着火しスムーズに燃焼した。
【0060】実施例で得たゲル化物を乾燥した固形物
は、油脂含量が2%以上であり、また、固形体を形成す
る高分子構造が主としてエチレンオキシド及びプロピレ
ンオキシドからなるもの(70%以上)である。また、
元素組成における窒素組成率は4%以下である。このよ
うな理由により燃焼廃棄が容易であるものと考えられ
る。
【0061】すなわち、本発明の方法により生成したゲ
ル化物は、容易に燃焼廃棄することができる。このた
め、埋め立て廃棄といった環境に対する負荷と実施のコ
ストが大きい方法を用いる必要がない。また、燃焼廃棄
に際して、特殊な燃焼装置を必要としない。したがっ
て、環境問題に対応できるだけでなく、処分のためのコ
ストを低減することができる。
【0062】乾燥後の可燃固形物は、貯蔵及び輸送が容
易であるため、固形燃料として用いることも可能であ
る。
【0063】
【発明の効果】そのままでは極めて取り扱い難いもので
ある、油性スカムを含有する廃水を、取扱の容易な固形
物に簡易に変換することができる。しかも、得られる固
形物は容易に燃焼廃棄できる。したがって、環境問題に
対応できるだけでなく、油性スカムを処理するためのコ
ストを大幅に低減することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 3/00 103 C09K 3/00 103L C10L 5/46 ZAB C10L 5/46 ZAB 5/48 ZAB 5/48 ZAB

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油性スカムを含有した廃水に添加混合され
    て、この廃水をゲル化するゲル化剤であって、 下記(i)〜(iii)の特徴を有するエチレンオキシド
    −プロピレンオキシドランダム共重合体に、ポリイソシ
    アネートをNCO−/OH−当量比3.5〜8で付加反
    応させて得られるウレタンプレポリマーからなる油性ス
    カム含有廃水のゲル化剤。 (i)エチレンオキシド単位とプロピレンオキシド単位
    との重量比が70/30〜90/10であり、 (ii)エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの付加
    反応の出発物質が、末端に2〜4個の活性水素基を有す
    る低分子量化合物であり、 (iii)水酸基価から求められる平均分子量が6000
    〜9000である。
  2. 【請求項2】前記活性水素基を有する低分子量化合物が
    トリオールであり、前記ポリイソシアネートが芳香族ジ
    イソシアネートであることを特徴とする請求項1記載の
    油性スカム含有廃水のゲル化剤。
  3. 【請求項3】濃度50重量%以下の油性スカムを含有し
    た廃水に添加混合されることを特徴とする請求項1記載
    の油性スカム含有廃水のゲル化剤。
  4. 【請求項4】下記(i)〜(iii)の特徴を有するエチ
    レンオキシド−プロピレンオキシドランダム共重合体
    に、ポリイソシアネートをNCO−/OH−当量比3.
    5〜8で付加反応させて得られるウレタンプレポリマー
    からなるゲル化剤を、油性スカムを含有した廃水100
    重量部に対して5〜100重量部混合添加することによ
    り前記廃水をゲル化することを特徴とする油性スカムの
    処理方法。 (i)エチレンオキシド単位とプロピレンオキシド単位
    との重量比が70/30〜90/10であり、 (ii)エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの付加
    反応の出発物質が、トリオールであり、 (iii)水酸基価から求められる平均分子量が6000
    〜9000である。
  5. 【請求項5】廃水中に50重量%以下の濃度で含有され
    る油性スカムを処理することを特徴とする請求項4記載
    の油性スカムの処理方法。
  6. 【請求項6】前記ゲル化の後に燃焼廃棄することを特徴
    とする請求項4記載の油性スカムの処理方法。
  7. 【請求項7】含水率30%以下にまで乾燥を行い、得れ
    らた固形物を燃料として用いることを特徴とする請求項
    6記載の油性スカムの処理方法。
  8. 【請求項8】油性スカムを網目構造中に捕捉しているこ
    とを特徴とする含水ウレタンゲル又は親水性ウレタンゲ
    ル。
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