JPH10317046A - 直流アーク溶解炉 - Google Patents

直流アーク溶解炉

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JPH10317046A
JPH10317046A JP12450797A JP12450797A JPH10317046A JP H10317046 A JPH10317046 A JP H10317046A JP 12450797 A JP12450797 A JP 12450797A JP 12450797 A JP12450797 A JP 12450797A JP H10317046 A JPH10317046 A JP H10317046A
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JP
Japan
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furnace
arc
scrap
gas
signal
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Pending
Application number
JP12450797A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Mizukami
秀昭 水上
Keiji Wakahara
啓司 若原
Hirotsugu Kubo
博嗣 久保
Shuzo Uchino
周三 内野
Hidehiko Yato
秀彦 矢戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

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  • Discharge Heating (AREA)
  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Vertical, Hearth, Or Arc Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 炉内2次燃焼率および着熱効率の向上、並び
に排ガス顕熱およびアーク熱の着熱効率の向上を図り、
且つ溶解時の短絡大電流の通流防止を図る。 【解決手段】 スクラップ全量を1回で装入でる炉容を
有し、アーク電圧が設定値以下になったら電圧低下信号
を、アーク電流が設定値より大きい場合は通流信号を送
り、サイドアーク判定部47は両信号を受けてサイドアー
ク信号を、また両信号を所定時間継続して受けたら短絡
信号に切り換えて調節部39に送り、調節部39は各場合
に、可動電極12をそのまま保持し、また急速に上昇させ
る。炉内二次燃焼用ノズルを3本以上、フリーボードL
と湯面からの高さhをh/L=0.15〜0.55、ガス吹出し
方向を電極を回避し且つ電極との開き角度を40°未満
とする。炉内高さと炉内径との比を0.6 〜1.4 とし、1.
0 〜1.4 のときは、ノズルを2段以上に各3本以上設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、直流アーク溶解
炉に関するものであって、操業中の溶解炉から発生する
排ガス中のCOを炉内スクラップ層内で燃焼させ、その
際発生する燃焼熱を炉内のスクラップおよび溶鋼に効率
良く着熱させると共に、炉内で発生するアークエネルギ
ーをスクラップおよび溶鋼に効率良く着熱させ、更に、
溶解期においてスクラップの崩れ落ち時に発生するアー
クの短絡制御による操業時間の増大を抑制し、もって効
率的な電気炉操業を行なうことができる直流アーク溶解
炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の製鋼用アーク溶解炉における通常
の操業条件における1溶解・精錬当たりの入熱および出
熱のヒートバランスをみると、例えば、出熱の内約35
%を排ガスの顕熱と潜熱とで占め、この内約1/2が排
ガス中の可燃分であるCOのCO2 への燃焼熱が占めて
いる。ここで、COは、スクラップと共に装入した銑鉄
等に含有される炭素や鋼浴中に吹き込んだ炭材の、炉内
空間への吹込みO2 や溶鋼中への吹込み酸素等による酸
化反応により生成し、次いで、生成したCOは炉内空間
に侵入した空気中のO2 ガスによる酸化反応でCO2
なる。
【0003】アーク溶解炉におけるエネルギーコスト低
減のためには、排ガスが有するエネルギーを有効に利用
することが重要であり、そのためには排ガスの顕熱およ
び潜熱を有効に利用しなければならない。排ガス顕熱の
利用に関しては特に溶解期におけるスクラップへの熱伝
達率を向上させることが重要であり、排ガス潜熱の利用
に関しては炉内空間におけるCOガスの燃焼率(二次燃
焼率)の向上および被加熱物(スクラップおよび溶鋼)
への着熱効率の向上が重要である。また、溶鋼浴内のC
燃焼(一次燃焼)熱の溶鋼への着熱効率向上も重要であ
る。
【0004】炉内二次燃焼技術のシステムとしては、通
常、溶解炉から発生する排ガスから所定のサンプリング
をし、COおよびCO2 濃度を測定し、CO濃度に応じ
て炉内吹込みO2 量を調整してCOの燃焼熱をスクラッ
プおよび溶鋼に着熱させるものである。
【0005】上記エネルギーコスト低減のためには、更
に、炉内で発生するアークエネルギーのスクラップおよ
び溶鋼へ着熱効率向上、並びに、スクラップ溶解時にお
けるスクラップと可動電極との短絡発生時の通電中断に
よる熱放散ロス等を最小限に抑制しなければならない。
【0006】アーク溶解炉における排ガスの潜熱回収と
しての二次燃焼技術として、例えば、特開平5−983
64号公報は、炉内側壁に高さ方向二段にわたって側壁
内周の同一高さで等間隔の位置にO2 ガスジェットラン
スを炉空間の垂直軸に対してほぼ切線方向に設け、且
つ、各段のO2 ガス噴出方向は同一円周方向に向かせ、
上段と下段とは噴出方向を逆まわり方向に向かせた吹込
み装置を有するアーク溶解炉(以下、「先行技術1」と
いう)を開示している。
【0007】一方、アーク溶解炉によるスクラップの溶
解期には、ある程度溶解した時期にスクラップが崩れ落
ちて、炉内にスクラップを追加装入するための容積が形
成されたところで再装入をする方法がとられている。こ
れに対して最近、追加装入時の炉熱放散による熱損失お
よび炉外への粉塵発生による環境悪化を改善するため
に、1溶解の出湯に要するスクラップの全量を初装入の
1チャンスで装入し、しかる後に溶解作業に入る方法が
提案されている。
【0008】上述した初装入チャンスでスクラップ全量
を装入する操業方法に使用されるアーク溶解炉は、炉内
容積を大きくするに当たり、溶解および精錬の全期間を
通じた熱効率改善の観点から、炉高を高くした形状の電
気炉が提案されている。アーク溶解炉で発生する排ガス
の顕熱利用に有利なアーク溶解炉として、例えば、実開
平1−167594号公報は、溶解途中で金属スクラッ
プを追加装入する際の炉内熱エネルギー損失を抑制する
ために、初装入でスクラップの全量を装入することがで
きる炉体形状を得ることとし、シルレベル(スラグ排出
口の上端面を指す)から炉本体上端までの高さHを、炉
殻の内径Dの0.75倍以上とする、即ち、H≧0.7
5Dとするアーク溶解炉(以下、「先行技術2」とい
う)を開示し、更に、二次燃焼技術として、同炉におい
てシルレベルから0.35D以上の高さの炉内側壁にO
2 または空気吹込み用の開口を設け、排ガス中のCO濃
度に応じてCOのCO2 への酸化に必要な空気量を吹き
込む方法を開示している。
【0009】次に、従来の直流アーク溶解炉におけるス
クラップ溶解時の電力制御について説明する。スクラッ
プ溶解は炉本体の上部に炉蓋を通して炉内に昇降される
可動電極とスクラップとの間に発生するアーク熱により
加熱・溶解される。この間、正常なアークの発生時と、
溶けて崩れ落ちたスクラップと可動電極との接触による
短絡発生時とに分けられる。
【0010】図12に、電源系を含む従来の直流アーク
溶解炉例の全体構成図を示す。電源系として、一次側の
送電系統Eから遮断器32を経て炉用変圧器33の二次
側にあるサイリスタ整流器34の正極側に、リアクトル
35を介して炉底電極20が接続され、サイリスタ整流
器35の負極側には可動電極12が接続されている。制
御系として、アーク電圧制御系とアーク電流制御系とが
設けられている。
【0011】スクラップの正常溶解時についてみると、
アーク電圧制御系は、電圧検出器36からの検出電圧と
電圧設定器37からの設定電圧とが加算器38に送られ
て偏差電圧が求められ、調節部39に送られる。調節部
39は比例制御に従って偏差電圧に応じた昇降制御信号
を求め、可動電極昇降用の油圧駆動装置28に送出し、
これにより可動電極12とスクラップ15との間に適正
なギャップを保持し、アーク電圧を所定値に制御する。
一方、アーク電流制御系は、電流検出器41からの検出
電流と電流設定器42からの設定電流とが加算器43に
送られて偏差電流が求められ、ゲート制御部46に送ら
れる。ゲート制御部46は偏差電流に応じてサイリスタ
整流器34の点弧角を制御し、アーク電流を所定値に制
御する。
【0012】以上の構成により可動電極12とスクラッ
プ15との間にアーク26を発生させスクラップ15を
加熱・溶解する。これに対して溶解中にスクラップ15
が崩れ落ち、スクラップ15’が可動電極12に接触し
て電気的に短絡が発生するとアーク電圧が0となり、電
力が下がる。この場合には、アーク電圧監視部40およ
びアーク電流監視部44が機能する。
【0013】アーク電圧監視部40は、所定の比較電圧
(例えば、100V)と検出電圧とを比較して検出電圧
が比較電圧よりも低下したときに電圧低下信号を送出す
る機能を有し、また、アーク電流監視部44は、所定の
比較電流(例えば定格電流の20%)と検出電流とを比
較して検出電流が比較電流を超過したときに通流信号を
送出する機能を有する。そして、電圧低下信号および通
流信号が短絡判定部45に送出され、短絡判定部45は
これを受けて短絡発生信号を調節部39に送る。調節部
39はこれを受けて電極昇降装置Sにより可動電極12
を急速上昇させて短絡を解消させる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述した先行技術1お
よび2はいずれも、排ガスからの炉内スクラップおよび
溶鋼へのエネルギー回収により、電気炉の消費電力原単
位の低減に寄与する利点を有する。
【0015】即ち、先行技術1によれば、二次燃焼技術
の改善により着熱効率が向上する点で有利である。しか
しながら、1回装入可能な炉体ではないので、溶解スク
ラップの全量に対する着熱効率向上を図ることはできな
い。また、先行技術1に開示された形状の炉体を有する
アーク溶解炉に対して先行技術2に開示された2次燃焼
技術を適正に採用して所期の目的を達成するためには、
2 ガスジェットランスの適正な配設位置、同ランスの
配設個数および同ランスの噴出方向等の適正化を図らな
ければならない。
【0016】先行技術2のアーク溶解炉によれば、1溶
解で使用するスクラップの全量を初装入で装入すること
ができる点において、溶解期における熱効率の向上を図
ることができ、排ガスによるスクラップ予熱効果が発揮
される点で優れている。しかしながら、排ガスの二次燃
焼に関しては未だ十分とはいえない。即ち、二次燃焼ノ
ズル位置等の詳細な設定はなされていない。単に、ブロ
アーで空気等を炉内に送り込むことが記載されているだ
けである。また、炉本体の形状を先行技術2に示された
ように竪長にしただけでは、この発明の重要な課題の一
つである、スクラップが溶解過程で崩れ落ちた時に、可
動電極と接触して発生する短絡を制御するのに要する時
間を短縮し、通電停止時間を短くして効率的な操業を行
なうことは困難である。
【0017】図13に、背高型の直流アーク溶解炉にお
いてスクラップの溶解が進行し、崩れ落ちたスクラップ
が電極と接触して短絡が発生するに至る過程の説明図を
示す。同図において、アーク溶解炉は直流アーク溶解炉
の場合であり、12は可動電極、20は炉底電極そして
23は溶湯である。溶解初期の所謂ボーリング(a)に
おいては、可動電極12から発生するアーク26熱によ
りその下端部周囲のスクラップ15を溶解しつつ可動電
極12は下降し、溶湯23が炉底に溜まると共にスクラ
ップ15の下積み領域の溶解が進行してそこに空洞27
が形成される(b)。更に溶解が進行すると可動電極1
2周囲のスクラップ15が溶解すると共に崩れ落ち(崩
れ落ちたスクラップ15’)、可動電極12と接触して
短絡が発生し、アーク電圧は零となる(c)。
【0018】これは、多量のスクラップが崩れ落ち電極
に接触したまま居座ってしまうような状況の場合であ
る。ところが、スクラップの溶解期には、ボーリング中
に発生する「サイドアーク」がある。
【0019】図14に、ボーリング時におけるサイドア
ークの発生経過と電極上昇によるアーク切れを説明する
図を示す。同図(a)は可動電極12の周辺にスクラッ
プ小塊15”が形成された状況、(b)はスクラップ小
塊15”が離脱して可動電極12の周壁と接触しながら
転がり落ちる状況、(c)はサイドアーク26’が発生
し可動電極12を上昇させる状況、そして(d)は瞬時
的短絡は解消したが可動電極12を上昇させためにアー
ク切れが誘発される直前の状況を示す。このように可動
電極12が上昇され、一旦アーク切れが発生すると、電
極を下降させスクラップに接触させた後、電極を引き上
げ再点弧する制御が起動するが、その間は通電が停止し
ていることになり、操業時間の損失となる。
【0020】図14のボーリング時において(b)の場
合は、スクラップ小塊15”が可動電極12に接触しつ
つ転がり落ちるので瞬時的短絡とアークとを繰り返す
「サイドアーク」を発生させながらも最後には「サイド
アーク」は自然解消する。
【0021】従来型アーク炉の電極昇降制御では、上記
図13(c)のような短絡発生と図14(c)のような
「サイドアーク」発生とを区別せず、いずれが発生して
も可動電極を上昇させ、アークの再点弧を行なう制御が
起動する。従って、自然解消するはずの瞬時的な短絡を
伴なう「サイドアーク」発生時における電極上昇とそれ
によって引き起こされるアーク切れにより電力の投入効
率の悪化(平均投入電力の低下)をきたし、操業時間が
長引くという問題がある。
【0022】従って、可動電極を上昇させないと解消し
ない短絡と、「サイドアーク」との両者をまとめて「従
来短絡」と呼ぶことにし、「従来短絡」と、サイドアー
クを除いた短絡とを区別する。
【0023】一方、アーク炉本体が背高炉の場合には、
スクラップの装入高さが高い分だけ従来型アーク炉より
もボーリングの所要時間が長くなり、またサイドアーク
の発生頻度も増加するので、一層上記問題の解決が重要
となる。
【0024】本発明者等は、アーク溶解炉のスクラップ
溶解期において、短絡発生に対する制御とサイドアーク
発生に対する制御とを区別し、各々に適した制御をする
ことにした。
【0025】従って、この発明が解決しようとする課題
は上述したように、直流アーク溶解炉において、炉内
で発生する高温排ガス顕熱および潜熱の熱回収効率を高
めること、炉内で発生するアークエネルギーのスクラ
ップおよび溶鋼へ着熱効率を高めること、並びに、
「サイドアーク」発生時には通電を中断することなく継
続して平均投入電力の低下を抑制し、操業時間の損失を
低減して生産性を向上させることを実現できる直流アー
ク溶解炉を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
観点から直流アーク溶解炉を開発すべく鋭意研究を重ね
た。
【0027】先ず、アーク溶解炉の溶解期における熱バ
ランスについて検討した。溶解熱バランス式を簡略化す
ると下記(3)式で表わすことができる。 ηe e +ηc c +ηm m +Qpr=Qs ------------(3) 但し、Qe :投入電力量 Qc :炭素の炉内燃焼発熱量=(QCO+QCO2 ×PC
D)×WC /860 Qm :金属(主に、Fe、Mn、Al、Si等)の酸化
による発熱量(通常、80〜90kWh/ton 程度) ηe :投入電力の平均着熱効率(0.7〜0.8程度) ηc :炭素の炉内燃焼熱の平均着熱効率 ηm :金属酸化熱の平均着熱効率、 Qpr:スクラップ予熱による顕熱量 Qs :スクラップ溶解に必要な着熱量(通常380kWh/ton
程度) WC :溶解期溶鋼単位重量当たり炉内燃焼C量(Kg/to
n) PCD(Post Combution Degre
e):二次燃焼率 即ち、スクラップ溶解に必要な着熱量Qs は、投入電力
量Qe 、炭素の炉内燃焼発熱量Qc および金属酸化によ
る発熱量Qm からなる各発熱量の平均着熱効率、並び
に、スクラップ予熱の持ち込み顕熱に依存する。本発明
の課題はこれら各熱量の内、特に炭素の炉内燃焼熱を高
効率で利用することにあり、従って、その平均着熱効率
ηc を大きくすることにある。かくして、排ガスエネル
ギー利用を図ることができる。
【0028】上記(3)式中、ηc は、浴内での下記
(4)式による炭素の一次燃焼、および、炉内空間で
の下記(5)式による炭素の二次燃焼によって発生する
燃焼熱の炉内被加熱物(スクラップおよび溶湯)への平
均着熱効率である。
【0029】 C+(1/2)O2 →CO+Qco,Qco=2450Kcal/Kg炭素----(4) CO+(1/2)O2 →CO2 +Qco2 ,Qco2=5630Kcal/Kg 炭素 ---------------- (5) 但し、CO2 :排ガス中のCO2 CO :排ガス中のCO そして、ηc は下記(6)式で表わすことができる。
【0030】 ηc ={Qcoηco+Qco2 PCDηco2 }/(Qco+Qco2 ×PCD) ------------------(6) ここで、ηcoは浴内での炭素の燃焼熱の着熱効率であ
り、これは溶解炉の形状や操業条件の影響を受けにく
く、且つ高効率である。また、二次燃焼率PCDは最近
の技術開発により0.8程度まで高められている。従っ
て、電力原単位低減にはPCDを高め、Qc を上げるこ
と、および、ηc を大きくするために、炉内空間でのC
Oの燃焼熱の着熱効率ηco2 を高めることが必須要件と
なる。
【0031】以上の検討結果を踏まえて、溶解炉内空間
への酸素含有ガス吹込み条件について検討した。はじめ
に、アーク溶解炉の炉内空間に酸素含有ガスを吹き込ん
で、溶解炉から発生する排ガス中COを燃焼させる場
合、吹込み用ガスノズルを1本、2本、3本と順次増や
していくと、上記(3)式中の炭素の炉内燃焼熱の平均
着熱効率η c が上昇することがわかった。この上昇は
(6)式より、COの2次燃焼率PCDの向上と共に炉
内空間でのCO燃焼熱の着熱効率ηco2 が上昇したこと
によるものであると考えられる。
【0032】図1は、ガスノズルの本数と炭素の炉内燃
焼熱の平均着熱効率ηc との関係を示すグラフである。
ここで、溶解炉は公称120tonの直流アーク溶解
炉、炉内径Dは7000mm、炉内湯面から炉内側壁の
上端までの高さ(以下、「フリーボード」という)Lは
4000mmでL/D=0.57であり、ガスノズルの
取り付け高さhは炉内湯面から1000mm、h/L=
0.25である。同図によれば、炭素の炉内燃焼熱の平
均着熱効率ηc を高めるためにガスノズルの本数を3本
以上とすべきである。
【0033】なお、炉内湯面とは、一溶解分のスクラッ
プが全量溶解したときの溶鋼の上表面を指すものとする
(以降、同じ)。図2に、フリーボードL、ガスノズル
3の取付け高さhおよび炉内径Dの定義を図示する。
【0034】一方、上記ガスノズルの本数が多すぎると
設備および運転コストが高くなるのでこの点からの制約
を受ける。また、ガスノズルの適正本数は、ηc に及ぼ
す各ガスノズル間隔と吹込みガスの初速または圧力との
関係が影響する。以上を考慮し、同一高さに設置するガ
スノズル本数は3〜6本の範囲内にするのが望ましい。
【0035】次に、ガスノズルを設置する高さは、低い
ほど炭素の炉内燃焼熱の平均着熱効率ηc は大きくなる
が、湯面から一定の高さを保持しないと溶湯スプラッシ
ュによりガスノズルが損傷し易い。一方、その位置が高
くなり過ぎると、ηc の低下が著しくなる。
【0036】図3は、ガスノズルの湯面からの取付け高
さhとフリーボードLとの比h/Lと、炭素の炉内燃焼
熱の平均着熱効率ηc との関係を示すグラフである。こ
こで、溶解炉は公称120tonの直流アーク溶解炉、
炉内径Dは7000mm、フリーボードLは4000m
mであり、ガスノズルは同一高さhに3本設置した場合
である。同図によれば、炭素の炉内燃焼熱の平均着熱効
率ηc を高めるためにガスノズルを設置すべき適正な高
さは、湯面からの配設高さhに依存し、フリーボードL
との間の関係が、h/L=0.55より小さい条件でη
c を大きくすることができることがわかる。h/Lは小
さい方がηC は上昇するが、上述したスプラッシュの問
題からh/L≧0.15が必要である。
【0037】ガスノズルを設置する高さの水準数(段
数)は、溶解炉のL/Dの値が増加し、炉体が縦長にな
るに従い増やすことによりガス流れの乱流を維持しηc
を高く維持することができる。この観点から、溶解炉の
L/Dが1.0超えの炉体の場合には、ガスノズルの設
置段数を2以上にすることが望ましい。
【0038】次に、ガスノズルの吹出し口の方向は、酸
素含有ガスの吹出し線が可動電極が降下した状態のとき
これと衝突してはならない。即ち、ガスノズルのガス吹
出し口の方向は、酸素含有ガスの吹出し線の水平面内へ
の投影線と、吹出し口と可動電極の中心軸線とを結ぶ直
線の上記水平面内への投影線(投影線Lc という)との
なす角度θは、酸素含有ガスの吹出し線が可動電極が降
下した状態のときに可動電極の周面と接するときの酸素
含有ガスの吹出し線の上記水平面内への投影線と上記投
影線Lc とのなす角度をθr (°)とすると、角度θは
θr よりも大きくする。しかも、角度θを40°未満と
すべきである。
【0039】ガスノズルの吹出し口の方向をこのように
限定するのは、酸素含有ガスが可動電極カーボンの酸化
損傷の原因となるのを防止しなければならず、一方、角
度θを40°未満とするのは酸素含有ガスが炉内側壁
(耐火物、水冷パネル等)材料に衝突することによる耐
火物の損傷を防止するためである。更に、上記条件に付
加してガスノズルの吹出し口の方向は、水平方向よりも
斜め下方に向け、ガスノズル設置段数が一つのときは浴
表面に向けることが望ましい。
【0040】酸素含有ガスとしては純酸素ガスを使用す
ると二次燃焼率PCDを一層向上させることができる。
また、純酸素ガスは排ガスで加熱して用いれば排ガスエ
ネルギーの利用率が一層向上する。
【0041】上述した直流アーク溶解炉において、一溶
解分のスクラップを初装入で全量収容することができる
炉(以下、「1回装入炉」という)を用いれば、初装入
スクラップの溶け落ち後にスクラップを追加装入する2
回装入炉または3回装入炉に比べて、ηc を更に高める
ことができる。
【0042】溶解炉内で発生した高温排ガスの有するエ
ネルギーおよびアークエネルギーのうち、アーク溶解炉
系外への熱損失は排ガスが持ち去る熱量と炉体を通して
逃げる熱量との和であるが、L/Dの適正範囲を求める
に当たっては、排ガスによる熱損失を指標としてその範
囲を求めた。フリーボードLと炉内径Dとの比L/D
は、効率的なアークの形状および発生方向と炉内のスク
ラップ装入分布との関係を左右する要因であって、ア−
クからスクラップへの着熱効率に大きく影響するものと
考えられる。そこで、この着熱効率に着目して、L×D
2 が一定であるという条件、即ち、炉内湯面よりも上方
の炉内容積を一定にした各種L/Dの実用小型ア−ク炉
を用いて、ア−ク炉外へ持ち去られる排ガスの熱損失に
ついて試験した。試験溶解はいずれのチャ−ジにおいて
も、嵩密度が一定のスクラップを用い、かつ、初装入で
全てのスクラップを装入し、常法によるア−ク炉試験操
業を行なった。
【0043】図4は、フリーボードLと炉内径Dとの比
L/Dと、排ガスの熱損失比との関係を示すグラフであ
る。同図は酸素含有ガスによる炉内2次燃焼を行なわな
かった場合であり、排ガスの熱損失比は、L/D=0.
55の場合の試験チャ−ジにおける排ガスの顕熱および
潜熱の和に対する、当該試験チャ−ジにおける排ガスの
顕熱および潜熱の和の割合で表わしたものである。
【0044】図4から明らかなように、L/Dが増加す
るに従い、排ガスの熱損失比は低下する。L/Dが0.
6における排ガスの熱損失比は0.90程度にまで改善
され、その効果も操業コスト上有用なものである。更
に、L/Dが大きくなると、排ガスの熱損失比は一層低
下している。しかしながら、L/Dが1.4を超えても
排ガスの熱損失比の改善は小さくほぼ飽和する。一方、
L/Dが大きくなるほど、電極昇降装置、建屋、クレ−
ン設備および炉体冷却設備等の諸元を大きくしなければ
ならないという不利益が発生し、L/Dが1.4を超え
ると上記不利益が問題となる。排ガスの熱損失比、並び
に、上記設備の投資および運転コストを考慮した場合、
L/Dは0.7〜1.2の範囲内であることが望まし
い。
【0045】従って、スクラップの溶解効率の向上を図
り、且つトータルコストを下げるためには、L/Dは下
記(2)式: L/D=0.6〜1.4 ----------------------(2) 望ましくは、下記(2')式: L/D=0.7〜1.2 ----------------------(2') を満たすべきである。
【0046】次に、L/Dが上記条件を満たす場合の、
フリーボードLおよび炉内径Dの値は下記方法で算出す
ることができる。即ち、1チャ−ジのスクラップ装入
量、および、L/Dを決定し、これに応じて定まるLお
よびDの値の各範囲を求めることができる。通常のア−
ク炉においては、L、D、および、スクラップの装入量
Mの間には、下記(7)式: L/D=(4/π){(ρl −ρS ’)/(ρl ρS ’)}(M/D3 ) ------------(7) 但し、ρl :溶鋼の密度 ρS ’:スクラップの嵩密度 M :スクラップの装入量 の関係がある。ア−ク炉においては種々の形態の製鋼用
スクラップが使用され、これらスクラップの嵩密度は
0.3〜1.0t/m3 の範囲内の種々のものにわたる
が、その加重平均値は、0.7t/m3 程度である。従
って、1チャ−ジのスクラップ装入量M、および、L/
Dを与えれば、フリーボードL、および、炉内径Dが求
められる。例えば、M=120tとすれば、この発明の
L/Dに関する要件、L/D=0.6〜1.4が満たさ
れるためには、炉内径Dは上記(7)式より、D=5.
2〜6.9(m)であることが必要となる。従って、こ
の例においてフリーボードLと炉内径Dとがとりうる各
値の範囲は、図5の斜線の領域で表わされる。
【0047】なお、1回装入炉で操業すると、操業中の
炉蓋の開閉に伴う炉熱損失が無くなること、また、溶解
期においては、可動電極からのアークがスクラップに囲
まれて発生しているので投入電力のスクラップへの着熱
効率も高くなることの二つの効果も加わる。
【0048】上述した1回装入炉を用いた場合と従来の
2回または3回装入炉を用いた場合とを、炭素の炉内燃
焼熱の平均着熱効率ηc について比較する。図6は、溶
解期における炭素の炉内燃焼熱の平均着熱効率ηc に及
ぼす、1回、2回および3回装入炉の違いによる影響を
示すグラフである。同図によれば、2回および3回装入
炉に比較して1回装入炉の場合には、炭素の炉内燃焼熱
の平均着熱効率ηc が大幅に向上している。
【0049】本発明者等は、高温排ガスの有するエネル
ギーおよびアークエネルギーからの熱回収に関して上述
した知見を得ることにより、トータルエネルギーを炉内
被加熱物(加熱中スクラップおよび溶湯)に対して従来
よりも更に高い着熱効率が得られるアーク溶解炉を考案
し、従来みられなかった効果が得られることを確認し、
本発明を完成させた。
【0050】本発明の特徴は次の通りである。溶解炉で
原料を加熱し溶解しそして精錬する際に発生する高温の
排ガス中の可燃物質例えば、COガスを燃焼させるため
に、炉内側壁に、酸素含有ガスを炉内空間に吹き込むた
めのガスノズルを設ける。ガスノズルは排ガス中の可燃
物質の燃焼効率向上のため、湯面上の実質的に同一高さ
に3本以上を設け、その位置は炉内湯面からの高さをh
とし、フリーボードをLとすると、下記(1)式: h/L=0.15〜0.55 ---------------- (1) の関係を満たすものである。
【0051】更に、上記ガスノズルのガス吹出し口の方
向は、酸素含有ガスの吹出し線の水平面内への投影線
(以下、「投影線Lg 」という)と、上記吹出し口と可
動電極の中心軸線(以下、「G」という)とを結ぶ直線
の上記水平面内への投影線(以下、「投影線Lc 」とい
う)とのなす角度θは、酸素含有ガスの吹出し線が可動
電極が降下した状態のときにこの可動電極の周面と接す
るときの酸素含有ガスの吹出し線の上記水平面内への投
影線が上記投影線Lc となす角度をθr (°)とした場
合に、θr <θ<40°なる関係を満たすものとする。
この発明は上記条件をすべて満たすことに特徴を有す
る。
【0052】更に、上述したガスノズルの取付高さは、
炉内湯面から同一水準の高さに限定せず、即ち一段のみ
に限定せず、2次燃焼の効果をより大きくするためにフ
リーボードが大きい場合には高さを二段以上に設けるこ
とが望ましい。そして、各々の段に3本以上のガスノズ
ルを設けるものとする。
【0053】そして、更に、溶解炉の内容積は、一溶解
分のスクラップ全量を初装入チャンスに装入することが
できるものとする。この場合、フリーボードLと炉内径
Dとの間の関係が下記(2)式: L/D=0.6〜1.4 ---------------------- (2) を満たすようにする。かくして、排ガスエネルギーおよ
びアークエネルギーを一層効率よく利用することができ
る。
【0054】更に、この発明の特徴は、溶解期に発生す
るスクラップと電極との間に発生する短絡と「サイドア
ーク」とを区別し、それぞれに適した電力制御を行なう
ことにある。そのための直流アーク溶解炉は、アーク電
圧監視部、アーク電流監視部、サイドアーク判定部、調
節部およびゲート制御部を備えた制御装置を有し、各制
御部は次の機能を有するものであることに特徴を有す
る。即ち、(a)アーク電圧監視部は、アーク電圧測定
値が所定の電圧よりも低くなった場合に電圧低下信号を
送出する機能を有し、(b)アーク電流監視部は、アー
ク電流測定値が所定の電流よりも大きくなった場合に通
流信号を送出する機能を有し、(c)サイドアーク判定
部は、電圧低下信号と通流信号との両方を受けたときに
サイドアーク信号を送出し、そして電圧低下信号と通流
信号との両方が所定時間t* 以上継続した場合にはサイ
ドアーク信号を短絡信号に切り替えて送出する機能を有
し、そして、(d)調節部は、サイドアーク信号を受け
たときは可動電極の昇降を固定し、そして、短絡信号を
受けたときは可動電極を急速に上昇させる機能を有す
る。
【0055】
【発明の実施の形態】次に、この発明を、図面を参照し
ながら更に説明する。図7はこの発明の直流アーク溶解
炉の一実施態様を示す概略全体構成図であり、図8〜1
1は図7の溶解炉1の要部概略断面図であって、図8お
よび9はそれぞれ図7の溶解炉1のX−X線およびY−
Y線水平断面図であり、図10および11はそれぞれ図
8および9のA−A線およびB−B線縦断面図である。
【0056】はじめに、この発明の直流アーク溶解炉の
第一の特徴について説明する。図7に示すように、溶解
炉1本体の炉内側壁13の内部には、高さ方向2段にわ
たり酸素含有ガスを炉内に吹き込むためのガスノズルが
各段に3個ずつ、合計6個のガスノズル3a、3b、3
c、3d、3e、3fが取り付けられており、各ガスノ
ズルは、酸素含有ガス配管系4を介して酸素含有ガス供
給装置5に接続している。一方、溶解炉1の炉蓋6(図
2参照)には排ガス系配管7(図2参照)が接続し溶解
炉排風機(図示せず)に通じている。電気炉排ガス25
が排ガス系配管7の途中から排ガスサンプリング装置8
を経て排ガス分析装置9が接続され、これからガス供給
制御装置10に送信ケーブルが接続され、更に酸素含有
ガス供給装置5に接続している。
【0057】図8および9に示すように、ガスノズル3
は各段に炉内側壁13の内周等間隔に3個ずつ取り付け
られ、各ガスノズルにはガス吹出し孔が1孔ずつ設けら
れている。ガス吹出し線の水平面内への投影線(直線L
g )と、ガス吹出し口と可動電極12の中心軸線(G)
とを結ぶ直線の水平面内への投影線(直線Lc )とのな
す角度θ(図8参照)がそれぞれ所定の角度で炉内方向
を向いている。ここで、角度θは酸素含有ガスの吹出し
線が可動電極12が降下した状態のとき電極の周面と接
するときの角度θr よりも大きく、且つ、40°未満に
設定する。そして、下段および上段のガスノズルからの
吹出し方向はそれぞれ時計廻りおよび反時計廻りとなっ
ている。
【0058】図10および11に示すように、下段およ
び上段に取り付けられたガスノズル3の高さは、湯面か
らそれぞれh1 /L=0.25、h2 /L=0.50の
位置であり、各ガスノズルは水平方向Hに対してそれぞ
れ所定の角度αの下方向を向いている。
【0059】この発明の直流アーク溶解炉の第二の特徴
は、溶解炉1本体が1溶解分のスクラップ全量を初装入
チャンスに収容することができ、しかもスクラップへの
アーク熱伝達効率が良好である点にある。即ち、図2に
示したように炉体形状は、一溶解分のスクラップ全量が
溶解した時の炉内湯面レベル14から炉内側壁13の上
端13’までの高さ(フリーボード)Lと、炉の内径D
との比L/Dは、0.6〜1.4の範囲内にあり、一溶
解分のスクラップは全量初回の装入チャンスで収容する
ことができる、所謂1回装入炉である。
【0060】この発明の直流アーク溶解炉の第三の特徴
は、スクラップ溶解中に可動電極とスクラップとの間に
電気的短絡が発生しても、適正且つ迅速な対処ができる
機能を備えていることである。上記図7を参照しながら
電力制御系とその作用を説明する。
【0061】溶解炉本体1の上部には炉内に昇降する可
動電極12が、また炉底部には炉底電極20が設けら
れ、炉内にスクラップ15が装入される。可動電極12
は電極昇降装置Sによって昇降される。即ち、所定の昇
降制御信号が電極昇降動力源の油圧駆動装置28に送ら
れ、油圧シリンダー29によりマスト30およびホルダ
ーアーム31を介して可動電極12が炉内に昇降され
る。
【0062】電力供給系及び電力制御系には、図12に
示した従来のものに加えて「サイドアーク」判定部47
を備えている。そして、スクラップ溶解の正常時には従
来と同じ方法で可動電極12の昇降を制御してアーク電
圧を制御すると共に、アーク電流を制御する。ところ
が、アーク電圧監視部40からの電圧低下信号およびア
ーク電流監視部44からの通流信号は先ず「サイドアー
ク」判定部47に送られる。そして、図14(c)に示
した「サイドアーク」26’が発生したものと判断す
る。前述したように「サイドアーク」は発生後時間t*
(例えば、数秒)以内に接触スクラップ小塊15”は下
に転がり落ちて短絡は解消され、電圧値および電流値と
もに短絡前のような値に復帰し、かくして、短時間内に
自然解消するはずである。そこで「サイドアーク」判定
部47は、調節部39に対して可動電極12を動かさず
にそのままその位置で停止させる指令を出す。そして、
「サイドアーク」発生後所定時間t* 以内に「サイドア
ーク」発生の検出条件が解除されたならば、「サイドア
ーク」は解消されたと判定し、通常の電極昇降制御が行
なわれる。即ち、加算器38において電圧検出器36か
らの検出電圧と電圧設定器37からの設定電圧とから求
められた偏差電圧が調節部39に送られ、調節部39は
比例制御により偏差電圧に応じた昇降制御信号を求め、
電極昇降用の油圧駆動装置28により可動電極12とス
クラップ15との間に適正なギャップを保持する。
【0063】ところが、「サイドアーク」発生信号が所
定時間t* 以上継続する場合は、「サイドアーク」に対
する制御を図13(c)に示した短絡に対する制御に切
り替える。そして、調節部39は、電極昇降装置Sを介
して可動電極12を高速上昇させ強制的に短絡を解消さ
せる。そして、再点弧し操業を再開する。「サイドアー
ク」であれば5秒以内に解消される。しかし、5秒以上
「サイドアーク」信号が継続する場合は大半の場合が短
絡発生時であり、短絡は自然解消しない。そこでt*
5秒と定め、5秒以上「サイドアーク」信号が継続する
ときに短絡発生と判定した。
【0064】次に、上記直流アーク溶解炉の操業方法の
一実施態様を図2および7〜11を参照しながら説明す
る。所定の排風機および排ガス系配管7のダンパー(図
示せず)を操作し、通電準備を完了する。次いで、一溶
解分のスクラップ全量を初装入チャンスに溶解炉1に装
入し、炉蓋6をして炉内を密閉し、可動電極12を降下
させて通電を開始する。スクラップは予熱済み材か非予
熱材かは問わない。操業中、溶解期および精錬期を通
じ、炉内から発生する高温の電気炉排ガス25から排ガ
スサンプリング装置8で採取したサンプルを排ガス分析
装置9でCO、H2 、CO2 ガス含有量を分析する。排
ガス分析結果に基づき、ガス供給装置5からの酸素含有
ガスをガス供給制御装置10で制御しながら溶解炉1に
取り付けたガスノズル3(3a〜3f)から炉内に噴射
する。溶解期には崩れ落ちるスクラップと可動電極12
とが瞬間的に接触してサイドアークが発生しても、直ち
に短絡制御には入らない。即ち、上述した電力制御によ
り、アーク電流が所定の判定電流以上に流れている状態
にあり、アーク電圧が所定の電圧よりも低くなったと
き、可動電極の昇降を停止させ、その位置を維持し、そ
してアーク電圧およびアーク電流が上記状態で所定時間
* 継続した場合にはじめて、可動電極を急速に上昇さ
せる。こうして、短絡制御による通電停止時間の増大を
抑制する。
【0065】
【実施例】次に、この発明を実施例により更に説明す
る。図7に示したこの発明の全体構成図により実施例と
しての直流アーク溶解炉の操業試験を行なった。なお、
比較例1として図7の電力制御系を図12に示した従来
設備に置き換えたもの、および、比較例2として更にO
2 含有ガス吹込みノズルを設置しなかったもの(炉内2
次燃焼を行なわなかったもの)で操業試験を行なった。
表1にアーク溶解炉の諸元を、表2に炉内O2 含有ガス
吹込み条件(二次燃焼条件)を、そして表3に電力制御
系の設定条件を示す。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】実施例は、溶解能力150ton/チャー
ジでスクラップ全量を初装入で装入可能なL/Dが5.
78m/7.2m=0.80の直流アーク溶解炉を用
い、炉内へのO2 含有ガス吹込みノズルを湯面から14
90mmおよび2900mmの高さの側壁にそれぞれ3
本ずつ等間隔に取り付けた。ノズルのガス吹出し口の方
向は水平に対して下方15°で炉軸心より30°開いた
方向とし、工業用純O2を合計9.6m3 /t吹き込ん
だ。また、スクラップ溶解期の短絡判定条件は、アーク
電流設定値を27kA以上、アーク電圧設定値を100
V以上とし、比較例では両設定値が共に満たされれば直
ちに短絡と判定し、一方、実施例では両設定値が共に5
秒継続したときに短絡と判定し、継続時間が5秒未満の
ときは「サイドアーク」と判定して通電は継続した。
【0070】表4に、上記試験結果を示す。
【0071】
【表4】
【0072】本発明の直流アーク溶解炉による実施例操
業によれば、比較例1および2の操業に比べて熱効率が
大幅に向上している。その理由は、実施例においては、
炉内2次燃焼率PCDの向上により炭素の炉内燃焼発熱
量が上昇したこと、排ガス中COガス燃焼熱の炉内スク
ラップおよび溶鋼への着熱効率が上昇したこと、および
溶解期における通電停止時間が減少したことによるもの
と推察される。また、実施例においては短絡制御に伴う
通電停止時間が減少し生産能率も向上した。
【0073】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
炉内2次燃焼率および着熱効率の向上、排ガス顕熱のス
クラップへの着熱効率の向上により、電気炉内で発生す
る発生ガスからの効率的なエネルギー回収をすることが
できる。更に、短絡制御による操業停止時間が短縮され
たので、生産性が向上し、しかも節電効果が上がる。こ
のようにして、操業コストを大幅に削減することができ
る直流アーク溶解炉を提供することができ、工業上有用
な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガスノズルの本数と炭素の炉内燃焼熱の平均着
熱効率ηc との関係を示すグラフである。
【図2】フリーボードLおよび炉内径Dの定義を説明す
る図である。
【図3】ガスノズルの湯面からの取付け高さhと湯面か
ら炉内側壁上端までのLとの比h/Lと、炭素の炉内燃
焼熱の平均着熱効率ηc との関係を示すグラフである。
【図4】湯面から炉内側壁上端までの高さLと炉内径D
との比L/Dと、排ガスの熱損失比との関係を示すグラ
フである。
【図5】この発明の直流アーク溶解炉において、1溶解
のスクラップ装入量が120tの場合に溶解炉のフリー
ボードLと炉内径Dとがとりうる値の領域を示すグラフ
である。
【図6】炭素の炉内燃焼熱の平均着熱効率ηc に及ぼ
す、1回、2回および3回装入炉の違いによる影響を示
すグラフである。
【図7】この発明の一実施態様を示す、一部切欠き概略
構成図である。
【図8】図7のX−X線水平断面図である。
【図9】図7のY−Y線水平断面図である。
【図10】図8のA−A線縦断面図である。
【図11】図9のB−B線縦断面図である。
【図12】従来の電圧および電流制御装置を備えた直流
アーク溶解炉の全体構成図である。
【図13】1回装入の直流アーク溶解炉の溶解期におい
て短絡が発生する過程の説明図である。
【図14】溶解期のボーリング時におけるサイドアーク
の発生経過と電極上昇によるアーク切れを説明する図で
ある。
【符号の説明】
1 溶解炉 2 二次側導体 3 ガスノズル 3a,3b,・・・,3f ガスノズル 4 酸素含有ガス配管系 5 酸素含有ガス供給装置 6 炉蓋 7 排ガス系配管 8 排ガスサンプリング装置 9 排ガス分析装置 10 ガス供給制御装置 12 可動電極 13 炉内側壁 13’ 炉内側壁上端 14 湯面(スクラップ全量が溶解したときの湯面) 15、15’ スクラップ 15” スクラップ小塊 20 炉底電極 21 炉底 22 溶鋼(スクラップ全量が溶解したときの溶鋼) 23 溶鋼(溶解期途中段階の溶鋼) 24 湯口 25 電気炉排ガス 26 アーク 26’ サイドアーク 27 空洞 28 油圧駆動装置 29 油圧シリンダー 30 マスト 31 ホルダーアーム 32 遮断器 33 炉用変圧器 34 サイリスタ整流器 35 リアクトル 36 電圧検出器 37 電圧設定器 38 加算器 39 調節部 40 アーク電圧監視部 41 電流検出器 42 電流設定器 43 加算器 44 アーク電流監視部 45 短絡判定部 46 ゲート制御部 47 サイドアーク判定部 L 炉内の湯面から炉内側壁上端までの高さ(フリーボ
ード) D 炉内径 S 昇降装置 H 水平方向 G 可動電極の中心軸線 h1 下段ガスノズルの高さ h2 上段ガスノズルの高さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内野 周三 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 矢戸 秀彦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉内で原料を加熱し溶解しそして精錬す
    る際に発生する排ガス中の可燃性物質を燃焼させる酸素
    含有ガスを前記炉内空間に吹き込むガスノズルを、前記
    炉内側壁に設けた直流アーク溶解炉において、 前記ガスノズルを前記炉内の同一高さに3本以上設け、 前記ガスノズルを設ける位置は、前記炉内湯面から前記
    ガスノズルまでの高さhと前記炉内湯面から前記炉内側
    壁の上端までの高さLとの間の関係が下記(1)式: h/L=0.15 〜0.55 ---------------- (1) を満たし(但し、炉内湯面とは一溶解分のスクラップが
    全量溶解したときの溶鋼の上表面を指すものとする)、 前記ガスノズルのガス吹出し口の方向は、前記酸素含有
    ガスの吹出し線の水平面内への投影線と、前記吹出し口
    と前記炉上部の可動電極の中心軸線とを結ぶ直線の前記
    水平面内への投影線(投影線Lc という)とのなす角度
    θが、前記酸素含有ガスの吹出し線が前記可動電極が降
    下した状態のときに前記可動電極の周面と接するときの
    前記酸素含有ガスの吹出し線の前記水平面内への投影線
    と前記投影線Lc とのなす角度をθr (°)とした場合
    に、θr <θ<40°なる関係を満たし、 前記炉は1溶解分のスクラップ全量を初装入の1チャン
    スで収容する能力を有し、そして、 前記直流アーク溶解炉は、アーク電圧監視部、アーク電
    流監視部、サイドアーク判定部、及び調節部を備えた制
    御装置を備え、 (a)前記アーク電圧監視部は、アーク電圧測定値が所
    定の電圧よりも低くなった場合に電圧低下信号を送出す
    る機能を有し、 (b)前記アーク電流監視部は、アーク電流測定値が所
    定の電流よりも大きい場合に通流信号を送出する機能を
    有し、 (c)前記サイドアーク判定部は、前記電圧低下信号と
    前記通流信号との両方を受けたときにサイドアーク信号
    を送出し、そして前記電圧低下信号と前記通流信号との
    両方が所定時間t* 以上継続した場合には前記サイドア
    ーク信号を短絡信号に切り替えて送出する機能を有し、
    そして、 (d)前記調節部は、前記サイドアーク信号を受けとき
    は前記可動電極の昇降を固定し、そして、前記短絡信号
    を受けたときは前記可動電極を急速に上昇させる信号を
    送出する機能を有することを特徴とする複式直流アーク
    溶解炉。
  2. 【請求項2】 前記炉は、前記炉内湯面から前記炉内側
    壁上端までの高さLと炉内径Dとの間の関係が下記
    (2)式: L/D=0.6〜1.4 ----------------------(2) を満たすことを特徴とする請求項1記載の直流アーク溶
    解炉。
  3. 【請求項3】 前記L/Dの値は1.0を超え、且つ、
    前記ガスノズルを設ける位置は、前記炉内湯面からの高
    さの水準が2段以上であって各段に3個所以上のガスノ
    ズル設けることを特徴とする請求項1または2記載の直
    流アーク溶解炉。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101246198B1 (ko) * 2011-02-24 2013-03-21 현대제철 주식회사 래들 퍼니스의 정련 제어방법
CN116514370A (zh) * 2023-06-05 2023-08-01 青岛融合新材料科技有限公司 Mini LED背板玻璃窑炉换向失败的应急处理方法

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