JPH10317278A - 形態安定加工用セルロース系繊維含有繊維構造物及び形態安定性セルロース系繊維含有繊維構造物の製造方法 - Google Patents

形態安定加工用セルロース系繊維含有繊維構造物及び形態安定性セルロース系繊維含有繊維構造物の製造方法

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JPH10317278A
JPH10317278A JP12390197A JP12390197A JPH10317278A JP H10317278 A JPH10317278 A JP H10317278A JP 12390197 A JP12390197 A JP 12390197A JP 12390197 A JP12390197 A JP 12390197A JP H10317278 A JPH10317278 A JP H10317278A
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武 土井田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗張力、引き裂き強力及び屈曲摩耗強力等の
強力低下が小さく、防しわ性に優れ、且つ繰り返し洗濯
後も高いW&W性、パッカリング性、保型性を保持する
セルロース系繊維含有繊維構造物を提供する。 【解決手段】 メチロール化可能な活性水素を2個以上
有する化合物が付与され、且つ生地pHが7以上のアル
カリ性に調整された、形態安定加工用セルロース繊維含
有繊維構造物及び該繊維構造物を用いる形態安定加工方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシャツ、スラック
ス、ブラウス等の衣料用品、毛布、シーツ、枕カバー等
の寝装用品、帽子、ハンカチ、テーブルクロス等の繊維
雑貨用品として、好適なセルロース系繊維含有繊維構造
物に関するものであり、さらに詳しくは、製品の強力低
下をおさえ、しかも防縮性、W&W(ウォッシュアンド
ウェア)性、プリーツ性及びパッカリング性、保型性を
向上させたセルロース系繊維含有繊維構造物及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セルロース系繊維構造物の洗濯するとし
わになり易い、収縮し易い等の欠点の改善は永久的課題
であり、また縫製品に於いては、従来より洗濯後に発生
するしわや生地と縫い糸又は生地部位間の伸縮性の差に
より生ずるパッカリング現象(ひきつれ現象)や製品形
状での保型性の改善が強く望まれている。この問題点を
改善しようとして、製品状態でのホルムアルデヒドによ
る気相反応を利用する試みがあるが、セルロース繊維が
著しい強度低下をきたす問題がクローズアップされ、解
決が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は良好な風合い
を有し、防しわ性に優れ、かつ繰り返し洗濯後のパッカ
リング性、W&W性、防縮性、保型性に優れ、同時に強
力低下、特に摩耗強力低下を極力おさえたセルロース系
繊維含有繊維構造物及びその為の工業的生産性に優れた
製造方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決のために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達し
た。即ち、セルロース系繊維含有繊維構造物に少なくと
もメチロール化可能な活性水素を2個以上有する化合物
が付与され、且つ該繊維構造物の生地pHが7以上のア
ルカリ性に調整されていることを特徴とする形態安定加
工用セルロース繊維含有繊維構造物及びセルロース系繊
維を含む繊維構造物をホルムアルデヒド気相加工するに
際し、該繊維構造物にメチロール化可能な活性水素を少
なくとも2個以上有する化合物を付与し、且つ該繊維構
造物の生地pHを7以上のアルカリ性に調整した後、ホ
ルムアルデヒドによる気相加工を行うことを特徴とする
形態安定性セルロース繊維含有繊維構造物の製造方法で
ある。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明でいうセルロース繊維含有
繊維構造物とは、木綿、麻、亜麻、パルプ、バクテリア
セルロース繊維等の天然セルロース繊維、ビスコース法
レーヨン(ポリノジックを含む)、銅アンモニア法レー
ヨン、溶剤紡糸法レーヨン等の再生セルロース繊維、及
びこれらセルロース系繊維とポリエステル、ポリアミ
ド、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成
繊維との混繊、混紡、交織、交撚等で混用して得られる
ワタ、糸、織物、編物、不織布等及びそれらからなる繊
維製品のことである。他の繊維と混用する場合、本発明
の効果をよく発揮されるために、セルロース系繊維の含
有率は20重量%以上が好ましく、30重量%以上がよ
り好ましく、さらに好ましくは50重量%以上である。
【0006】本発明で使用されるメチロール化可能な活
性水素を2個以上有する化合物(以下、活性水素化合物
と省略する)とは、繊維構造物中のセルロース繊維内部
をホルムアルデヒドで架橋する際にセルロース微細構造
中に発生する架橋歪を低減させるためのものであり、こ
の効果は該化合物がメチロール化された後セルロースと
架橋する、いわゆる架橋鎖長制御効果により発揮される
ものである。このことにより、製品の洗濯後の防しわ
性、パッカリング、保型性が向上すると同時に引裂強
力、抗張力に加え、特に摩耗強力が著しく改善される。
【0007】本発明で使用できる活性水素化合物として
は、次のものが使用できる。マロンアミド、リンゴ酸ア
ミド等の有機カルボン酸アミド及び有機オキシカルボン
酸アミド系化合物、アクリルアミド、メタクリルアミド
などの重合物及びこれらと他のモノマーとの共重合物、
尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、ウロン、テトラ
ヒドロ−5−(2−ヒドロキシエチル)−1,3,5−
トリアジン−2−オン、4,5−ジヒドロキシ−2−イ
ミダゾリジノン等の尿素系及び環状尿素系化合物及びメ
ラミン等のメラミン系化合物の単独及び混合物。さらに
は、これらの化合物の単独及び混合物をホルムアルデヒ
ド、グリオキザールなどで架橋した化合物で末端に−N
H基を残したものやこれらの架橋物と前記の尿素系化合
物、メラミン系化合物との混合物も利用できる。
【0008】本発明で使用される活性水素化合物として
は、(イ)セルロース系繊維へ均一に浸入させやすいこ
と。(ロ)ホルムアルデヒドによるメチロール化反応が
容易であること。(ハ)他の薬剤(帯電防止剤、蛍光増
白剤、青味付剤、潜在性酸性触媒、ホルムアルデヒド捕
捉剤、柔軟剤等)との相溶性が良いことも実際の製造工
程に於いては重要なことであり、水溶性であるものが望
ましい。
【0009】活性水素化合物の繊維構造物に対する付与
量は0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは
0.5〜5重量%である。0.1重量%以下では該化合
物による効果は不十分であり、また10重量%以上の多
量の付与は風合いを粗硬にするだけではなく形態保持性
をも低下させる。
【0010】次に、本発明で重要なことである生地pH
について述べる。本発明では活性水素化合物を繊維構造
物に付与した後、ホルムアルデヒドによる気相加工を行
うに際して、生地pHを7以上のアルカリ性にしておく
ことが重要である。
【0011】本発明でいう生地pHとは、JIS L
1096 6.40(抽出液のpH)に記載されてい
る、試験生地(繊維構造物)を10倍の重量の蒸留水で
抽出した抽出液のpHを指す。
【0012】本発明者らは、活性水素化合物を用いたホ
ルムアルデヒドによるセルロース系繊維の気相加工の反
応機構を詳しく検討した結果、まず該化合物の持つ−N
H基等がまずホルムアルデヒドと反応しメチロール基と
なってから酸性触媒下でセルロースと架橋反応する反応
機構となっていることが判明した。しかしこの−NH基
等の活性水素基とホルムアルデヒドとのメチロール化反
応は生地pHによる影響を受け易く、生地pHが7以下
の酸性領域ではメチロール化があまり進まず、生地pH
が7以上のアルカリ領域の方が進み易く、さらに加工後
の生地強力低下も生地pHがアルカリ性の方が小さいこ
とが判明し本発明に至った。
【0013】生地pHを7以上のアルカリ性に調整する
方法としては、活性水素化合物とアルカリ剤の水溶液を
繊維構造物に同時に付与する方法、活性水素化合物を繊
維構造物に付与する前又は後にアルカリ剤の水溶液を該
繊維構造物に付与する方法、及び活性水素化合物を該繊
維構造物に付与した後、アルカリ剤のガス又は蒸気雰囲
気中で処理する方法などが利用できる。
【0014】本発明で使用できるアルカリ剤としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、ケイ酸
ナトリウム、アンモニア等の無機系アルカリ性物質、及
びモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、
N,N−ジエチルエタノールアミン、N−メチルジエタ
ノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−
(2−アミノエチル)エタノールアミン、N−メチルエ
タノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、エチ
ルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジエ
チルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキ
シプロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミ
ン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、モルホリ
ン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等の
有機アミン系アルカリ物質が利用できる。
【0015】本発明の効果を十分に得るためには、生地
pHは7以上のアルカリ性が好ましいのであるが、あま
りにも高すぎる生地pHは酸性又は潜在性酸性触媒を用
いて行うセルロース繊維とホルムアルデヒド及びメチロ
ール化された活性水素化合物との架橋反応を妨げるので
好ましくない。好ましい生地pHの範囲としては、pH
7〜10、より好ましくはpH7〜9である。
【0016】また、本発明ではセルロース繊維とホルム
アルデヒド及びメチロール化された活性水素化合物とを
架橋反応させるために、酸性又は潜在性酸性触媒が使用
できる。
【0017】本発明で使用できる酸性触媒としては、塩
化水素ガス、SO2 ガス等のガス及び塩酸、硝酸、硫
酸、りん酸など無機酸、グリコール酸、マレイン酸、乳
酸、クエン酸、酒石酸及び蓚酸等の有機酸が利用でき
る。
【0018】本発明で使用できる潜在性酸性触媒として
はAlCl3 、Al2 (SO4 )3、MgCl2 、Mg
(H2 PO4 )2 、Zn(BF4 )2 、Zn(NO3 )
2 、ZnCl2 、Mg(BF4 )2 、Mg(ClO4 )
2 、Al2 (OH)4 Cl2などの各種金属塩(結晶水
含有物も含む)類、2−アミノ−2−メチル−1−プロ
パノールの塩酸塩など各種アルカノールアミンの酸性
塩、硝酸、塩酸、硫酸、りん酸などの強酸のアンモニウ
ム塩類及びこれらの混合物等が利用できる。
【0019】これらの酸性又は潜在性酸性触媒を繊維構
造物に付与させる方法としては、気体状のものは、気相
で繊維構造物に直接接触させる方法、又は蒸気と共に繊
維構造物に直接接触させる方法が利用できる。液体又は
固体状のものは、水溶液などの溶液として繊維構造物に
浸漬処理により付与する方法、該溶液をスプレー方式等
で繊維構造物に吹き付ける方法等が利用できる。
【0020】本発明で使用するホルムアルデヒドには、
その発生薬剤としてパラホルムアルデヒド、ホルムアル
デヒド水溶液、ジヒドロキシメチレンと蟻酸とのエステ
ル化合物等が利用できる。
【0021】本発明に於けるセルロース繊維含有繊維構
造物の製造方法としては使用する触媒及びアルカリ剤に
より、例えば次の様な方法が利用できる。
【0022】酸性ガス触媒とアンモニア等のガスアルカ
リ剤を使用する場合は、予め活性水素化合物、保湿剤、
柔軟剤等を付与した繊維構造物を反応容器に投入した
後、アンモニアと必要に応じ蒸気を注入し該繊維構造物
の生地pHを7以上のアルカリ性にした調整した後、ア
ンモニアを除去しホルムアルデヒド水溶液を蒸気と共に
注入する。ホルムアルデヒド注入後しばらく放置し、活
性水素化合物とホルムアルデヒドとのメチロール化反応
が起こってから、酸性ガス触媒を注入した後昇温し架橋
反応させる方法が利用できる。
【0023】酸性ガス触媒と水溶液にしたアルカリ剤を
使用する場合は、予めアルカリ剤、活性水素化合物、保
湿剤、柔軟剤等からなる水溶液を付与乾燥し、生地pH
を7以上に調整した繊維構造物を反応容器に投入した
後、ホルムアルデヒド水溶液を蒸気と共に注入し、しば
らく放置し活性水素化合物とホルムアルデヒドとのメチ
ロール化反応が起こってから、酸性ガス触媒を注入した
後昇温し架橋反応させる方法が利用できる。
【0024】潜在性酸性触媒と水溶液にしたアルカリ剤
を使用する場合は、予め潜在性酸性触媒、アルカリ剤、
活性水素化合物、保湿剤、柔軟剤等からなる水溶液を付
与乾燥し、生地pHを7以上に調整した繊維構造物を反
応容器に投入した後、ホルムアルデヒド水溶液を蒸気と
共に注入し、しばらく放置し活性水素化合物とホルムア
ルデヒドとのメチロール化反応が起こってから、昇温し
架橋反応させる方法が利用できる。
【0025】これら以外にも使用する触媒とアルカリ剤
及びホルムアルデヒド発生薬剤に応じて適した製造方法
を選択して利用することができる。
【0026】本発明で利用できる保湿剤としては、水を
吸収して保持できるものであれば特に限定されないが、
ポリオール類、スクワラン等が利用できる。
【0027】本発明で利用できるポリオール類として
は、エチレングリコール系、プロピレングリコール系化
合物や、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重
合体、グリセリン、ネオペンチルグリコール、トリメチ
ロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトー
ル、ソルビトール、及びこれらのエチレンオキシド及び
/又はプロピレンオキシドの付加物が利用できる。
【0028】本発明で利用できる柔軟剤とは、繊維構造
物の風合いを好ましいものにするためや、繊維構造物が
織物の場合引裂き強力を向上させる目的で使用するもの
であり、ジメチルポリシロキサン、エポキシ変性シリコ
ーン、アミノ変性シリコーン、水溶性シリコーン等のシ
リコーン系柔軟剤、ワックス系柔軟剤、ポリエチレン系
柔軟剤、脂肪酸アミド系柔軟剤、ポリウレタン系柔軟
剤、ポリエステル系柔軟剤、アクリルエステル系柔軟
剤、ノニオン、アニオン、カチオン、両性の界面活性剤
等が利用できる。
【0029】さらに本発明では、撥水剤、抗菌剤、防臭
剤、静電気防止剤等の機能性加工剤を同時に使用するこ
とも可能である。
【0030】本発明において架橋反応の程度は、セルロ
ース系繊維に直接架橋反応したホルムアルデヒドと活性
水素化合物にメチロール化した後セルロース系繊維に架
橋反応したホルムアルデヒドの合計の結合ホルムアルデ
ヒド量で示すことができる。本発明の目的を達成するた
めに必要なセルロース繊維中の結合ホルムアルデヒド量
は0.2重量%以上であるが、好ましくは0.5重量%
以上である。結合ホルムアルデヒド量が0.2重量%未
満の場合、十分な改質効果が得られない。即ちパッカリ
ング性、W&W性、保型性、プリーツ性が不十分であ
る。
【0031】本発明のセルロース系繊維含有繊維構造物
は水酸化ナトリウムによる通常のシルケットや液体アン
モニア処理、更にはシルケット後、液体アンモニア処理
したもの及び先染め、浸染、捺染等の染色したものも使
用できる。ポリエステルで代表される合成繊維との混用
では必要があれば予めヒートセットしてもかまわない。
【0032】ホルムアルデヒドによる気相加工は、ワ
タ、糸、布帛の状態及び縫製品の状態のいずれでも処理
できるが、縫製品にした後に処理する方が経済的であ
り、縫製品の形状をも効果的に固定するので、パッカリ
ング性、保型性が著しく高くなり、好ましい実施態様で
ある。
【0033】上記のホルムアルデヒドによる気相加工に
より、防しわ性に優れ、かつ繰り返し洗濯後のパッカリ
ング性、W&W性、防縮性、保型性に優れ、同時に加工
による抗張力、引裂強力に加え、摩耗強力低下を極力抑
えた形態安定性セルロース系繊維含有繊維構造物が製造
可能となる。
【0034】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではな
い。実施例で用いた評価法を以下に示す。 生地pH;JIS L 1096 6.40 引裂強力;JIS L 1096 6.15.5 D法
(ヨコ方向) 抗張力 ;JIS L 1096 6.12.1 A法
(5cm幅ヨコ方向) 屈曲摩耗;JIS L 1096 6.17.1 A−
2法(ヨコ方向) W&W性;JIS L 0217 103法による洗濯
を5回繰り返した後、JIS L 1042 6.9.
2 I−2法によるタンブル乾燥を行い、サンプルを2
0℃、65%RHの室内に一晩放置した後、AATCC
124−1984 5段階レプリカ法にもとずいて判
定を行った。 5級(良好)〜1級(不良)
【0035】パッカリング性;JIS L 0217
103法による洗濯を5回繰り返した後、JIS L
1042 6.9.2 I−2法によるタンブル乾燥を
行い、サンプルを20℃、65%RHの室内に一晩放置
した後、AATCC 88−B−1984法の縫い目5
段階レプリカにより評価した。 5級(良好)〜1級(不良)
【0036】保型性;JIS L 0217 103法
による洗濯を5回繰り返した後、JIS L 1042
6.9.2 I−2法によるタンブル乾燥を行い、サ
ンプルを20℃、65%RHの室内に一晩放置した
後、、視覚で5段階に判定した。 5(級):非常に良好 4 〃 :良好 3 〃 :普通 2 〃 :やや不良 1 〃 :非常に不良
【0037】結合ホルムアルデヒド量:加工布約2gを
沸水中で15分間処理し、水洗、絶乾精秤後、水蒸気蒸
留法により20%硫酸中で分解し、亜硫酸水素ナトリウ
ム水溶液中に生成ホルムアルデヒドを回収し、よう素滴
定法で過剰亜硫酸水素ナトリウムを酸化した後、アルカ
リで付加物を分解し、ホルムアルデヒドと付加した亜硫
酸水素ナトリウムの量を求め、加工布中のセルロース系
繊維重量当りのホルムアルデヒドを重量%で示した。
【0038】実施例1 常法によるシルケット加工後、さらに液安処理した木綿
織物(50/1×50/1/144×81:生地pH
6.5)を下記組成の加工液(A)に浸漬、乾燥した
後、加工液(B)に浸漬し絞り率70%になるように絞
り、120℃で1分間乾燥し、次いでサンフォライズ加
工した。得られた木綿織物の生地pHは8.2であっ
た。この木綿織物を使用して通常の方法によりシャツを
縫製した。このシャツを密閉容器内に設置し、37%ホ
ルムアルデヒド水溶液を用いる常法のホルムアルデヒド
による気相加工を施し、本発明の実施例1のシャツを得
た。得られたシャツの評価結果を表1に示した。 加工液(A): 炭酸ナトリウム 0.05重量部 水 99.95重量部 加工液(B): 4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン 3重量部 塩化マグネシウム(43%水溶液) 4重量部 ポリエチレングリコール(平均分子量200) 6重量部 パラシリコンAYR20 (大原パラジウム社製、シリコン系ソフナー) 4重量部 PEN(大日本インキ化学工業社製、ポリエチレン系ソフナー) 3重量部 水 80重量部
【0039】実施例2 実施例1で使用した木綿織物を下記組成の加工液(C)
に浸漬し、絞り率70%になるように絞り、120℃で
1分間乾燥し、次いでサンフォライズ加工した。得られ
た木綿織物の生地pHは7.8であった。この木綿織物
を使用して通常の方法によりシャツを縫製した。このシ
ャツに実施例1と同様のホルムアルデヒドによる気相加
工を施し、本発明の実施例2のシャツを得た。得られた
シャツの評価結果を表1に示した。 加工液(C): 4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン 3重量部 塩化マグネシウム(43%水溶液) 4重量部 ポリエチレングリコール(平均分子量200) 6重量部 パラシリコンAYR20 (大原パラジウム社製、シリコン系ソフナー) 4重量部 PEN(大日本インキ化学工業社製、ポリエチレン系ソフナー 3重量部 トリエタノールアミン 0.2重量部 水 79.8重量部
【0040】比較例1 実施例1で使用した木綿織物を実施例1で使用した加工
液(B)に浸漬し、絞り率70%になるように絞り、1
20℃で1分間乾燥し、次いでサンフォライズ加工し
た。得られた木綿織物の生地pHは6.3であった。こ
の木綿織物を使用して通常の方法によりシャツを縫製し
た。このシャツに実施例1と同様のホルムアルデヒドに
よる気相加工を施し、比較例1のシャツを得た。得られ
たシャツの評価結果を表1に示した。
【0041】比較例2 実施例1で使用した木綿織物を下記組成の加工液(D)
に浸漬し、絞り率70%になるように絞り、120℃で
1分間乾燥し、次いでサンフォライズ加工した。得られ
た木綿織物の生地pHは6.5であった。この木綿織物
を使用して通常の方法によりシャツを縫製した。このシ
ャツに実施例1と同様のホルムアルデヒドによる気相加
工を施し、実施例2のシャツを得た。得られたシャツの
評価結果を表1に示した。 加工液(D): 塩化マグネシウム(43%水溶液) 4重量部 ポリエチレングリコール(平均分子量200) 6重量部 パラシリコンAYR20 (大原パラジウム社製、シリコン系ソフナー) 4重量部 PEN(大日本インキ化学工業社製、ポリエチレン系ソフナー) 3重量部 水 83重量部
【0042】比較例3 実施例1で使用した木綿織物を実施例1の加工液(A)
に浸漬、乾燥した後、比較例2の加工液(D)に浸漬し
絞り率70%になるように絞り、120℃で1分間乾燥
し、次いでサンフォライズ加工した。得られた木綿織物
の生地pHは8.1であった。この木綿織物を使用して
通常の方法によりシャツを縫製した。このシャツに実施
例1と同様のホルムアルデヒドによる気相加工を施し、
比較例3のシャツを得た。得られたシャツの評価結果を
表1に示した。
【0043】比較例4 実施例1で使用した木綿織物を下記組成の柔軟剤のみの
加工液(E)に浸漬し、絞り率70%になるように絞
り、120℃で1分間乾燥し、次いでサンフォライズ加
工した。得られた木綿織物の生地pHは7.5であっ
た。この木綿織物を使用して通常の方法によりシャツを
縫製した。このシャツはホルムアルデヒドによる気相加
工を行わない比較のための未加工比較例4のシャツとし
て評価結果を表1に示した。 加工液(E): パラシリコンAYR20 (大原パラジウム社製、シリコン系ソフナー) 4重量部 PEN(大日本インキ化学工業社製、ポリエチレン系ソフナー) 3重量部 水 93重量部
【0044】
【表1】
【0045】表1の結果で明らかなように、実施例1及
び2と比較例1は同じ活性水素化合物を生地に付与し、
生地pHが違う以外はほぼ同じ加工を行ったシャツであ
るが、実施例1及び2の本発明のシャツは、W&W性、
保型性、パッカリング性が比較例1より優れ、さらに結
合ホルムアルデヒド量が多いにもかかわらず、抗張力、
引き裂き強力、屈曲磨耗などの強力が高くなっている。
この原因としては本発明の狙いである活性水素化合物の
メチロール化率が向上し、活性水素化合物にメチロール
化してから木綿と架橋反応したホルムアルデヒドが増加
したためであると考えられる。しかし活性水素化合物を
使用しない場合は、比較例2及び3の結果より、生地p
Hを上げ7以上のアルカリ性にすると、結合ホルムアル
デヒド量が減少するのに伴ってW&W性が低下し強力が
高くなるという、改質の低下が見られるだけである。ホ
ルムアルデヒドの気相加工に於ける活性水素化合物の改
質バランス向上効果は比較例1及び2の結果でも明らか
であるが、本発明の実施例1及び2ではさらに改質バラ
ンスを向上できる。以上により、本発明による活性水素
化合物を使用したホルムアルデヒドの気相加工に於ける
改質バランスの向上効果は明白である。
【0046】
【発明の効果】セルロース系繊維を含む繊維構造物に少
なくともメチロール化可能な活性水素を2個以上有する
化合物を付与し、且つ該繊維構造物の生地pHを7以上
のアルカリ性に調整した後、ホルムアルデヒドによる気
相加工を行うことで得られる繊維構造物は、風合いが良
好で、セルロース系繊維の抗張力、引き裂き強力、屈曲
摩耗強力等の強力の低下が少なく、繰り返し洗濯後も優
れたW&W性、パッカリング性、防縮性、保型性を示
し、形態保持性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新庄 昌也 富山県射水郡大門町犬内50番地 東洋紡績 株式会社庄川工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース系繊維含有繊維構造に少なく
    ともメチロール化可能な活性水素を2個以上有する化合
    物が付与され、且つ該繊維構造物の生地pHが7以上の
    アルカリ性に調整されていることを特徴とする形態安定
    加工用セルロース系繊維含有繊維構造物。
  2. 【請求項2】 セルロース系繊維含有繊維構造物にメチ
    ロール化可能な活性水素を2個以上有する化合物と潜在
    性酸性触媒が付与されている請求項1の形態安定加工用
    セルロース系繊維含有繊維構造物。
  3. 【請求項3】 セルロース系繊維を含む繊維構造物をホ
    ルムアルデヒド気相加工するに際し、該繊維構造物にメ
    チロール化可能な活性水素を2個以上有する化合物を付
    与し、且つ該繊維構造物の生地pHを7以上のアルカリ
    性に調整した後、ホルムアルデヒドによる気相加工を行
    うことを特徴とする形態安定性セルロース繊維含有繊維
    構造物の製造方法。
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