JPH10317295A - 抄紙用ドライヤーカンバス - Google Patents

抄紙用ドライヤーカンバス

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JPH10317295A
JPH10317295A JP9122320A JP12232097A JPH10317295A JP H10317295 A JPH10317295 A JP H10317295A JP 9122320 A JP9122320 A JP 9122320A JP 12232097 A JP12232097 A JP 12232097A JP H10317295 A JPH10317295 A JP H10317295A
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canvas
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JP9122320A
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Yoshihiro Murai
由博 村井
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Shikibo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屈曲疲労に起因して経糸がフィブリル化し、
割れ(ささくれ)る現象の発生を防止し、長寿命で汚れ
付着も減少させ得る抄紙用ドライヤーカンバスを提供す
ること。 【解決手段】 経糸31及び緯糸32により組織された
抄紙用ドライヤーカンバス30において、経糸31に断
面形状が楕円形のモノフィラメントを使用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抄紙機のドライパ
ートに使用する抄紙用ドライヤーカンバスに関する。
【0002】
【従来の技術】製紙工程においては、抄紙機のドライパ
ートで紙粉原料中に含まれる粘着性油分のガム質ピッ
チ、或いは製紙用糊剤であるサイズ液、塗工液などが汚
れとなってドライヤーカンバスの表面に付着する。この
汚れが経時的に堆積すると、カンバスの目詰まりを引き
起こし、通気性が著しく低下してその乾燥作用を発揮し
得なくなることから、抄紙用ドライヤーカンバスにおけ
る汚れは従来から大きな問題であった。
【0003】そこで、前述した汚れがカンバス表面に付
着し難くく、また、汚れが付着してもその汚れを落とし
易いように単層の平織組織に織成した目の粗い多孔性の
抄紙用ドライヤーカンバスが提案されている。[実公昭
58−55280号]。
【0004】この抄紙用ドライヤーカンバスは、太さ
0.6〜1.2mmφの合成樹脂モノフィラメントをそ
れぞれ経糸及び緯糸とし、経糸及び緯糸密度をともに8
〜15本/2.54cmの超オープンメッシュにして単
層の平織組織に織成し、経糸及び緯糸をともにその組織
点で同程度に波形状に湾曲固定するように緊張下のヒー
トセット加工に施し、通気度を30,000cc/mi
n./cm2 以上としたものである。
【0005】上記構成とした抄紙用ドライヤーカンバス
は、単層の平織組織でその経糸及び緯糸密度をともに8
〜15本/2.54cmと極めて目を粗くしたことか
ら、湿紙と接触する経糸と緯糸との交絡点が少なくな
り、汚れ物質がカンバス表面に付着することが少なくな
り、また、目が粗いので、たとえ汚れ物質が付着して
も、洗浄等によって容易に取り除くことができて防汚性
に優れたものである。
【0006】この製品として、例えば図1に示す仕様の
ものが使用されている。これは図1に示す組織でドライ
ヤーカンバス10を製作したもので、経糸11にはポリ
エステルモノフィラメント(以下TMという。)の線径
が0.8mmを使用し、緯糸21にはTMの線径が0.
9mmを使用し、密度は経糸11が11.0本/2.5
4cm、緯糸が8.0本/2.54cmとしたものであ
る。
【0007】製織後のドライヤーカンバス10をヒート
セット加工し、得られた製品は通気度が57,000c
c/min./cm2 であった。
【0008】このドライヤーカンバス10を顧客に納入
し、抄紙機のドライパートで使用したところ、前記防汚
性には優れた効果があることが分ったが、使用している
間に、経糸にフイブリル化による割れ(ささくれ)る現
象が発生した。
【0009】
【解決しようとする課題】この原因を検討した結果、ド
ライヤーカンバス10がドライヤシリンダー等のシリン
ダー又はローラ等での屈曲による疲労が原因であること
が分った。
【0010】この問題を解決するためには、ドライヤー
カンバス10の剛直性を少なくして、柔軟性をもたせ,
屈曲性を増すことが効果的である。
【0011】そこで、ドライヤーカンバスに使用する糸
の材質、組織を検討することで解決できないか検討し
た。
【0012】まず、ドライヤーカンバスが剛直性(剛性
が大きい)があることが原因であるので、使用する糸を
柔軟なものにすることを考え、この糸を経糸に使用しド
ライヤーカンバスを試織してみた。
【0013】しかし、結果は剛直性を表わす剛性はある
程度は低下したが、前記屈曲疲労を解消するまでの低下
はなかった。又、糸の柔軟性を低下し過ぎると、製織時
に問題があり、効率良く製織できなかった。
【0014】そのため、糸の柔軟性のみを変えることで
は、問題を解決できないことが分った。
【0015】次に、ドライヤーカンバスの組織を変更す
ることで検討したが、ドライヤーカンバスの品種は種々
あるので、その都度現在使用している組織を変更するの
は大変であり、この問題を根本的に解決するのは現実的
には無理であることが分った。
【0016】そこで、使用している糸は現在は断面形状
が円形の丸糸であるが、この糸の断面形状を工夫するこ
とで解決できないか検討を行った。この理由は、糸の断
面形状を工夫することで解決できれば、ドライヤーカン
バスの組織及び糸の材質に関係なく、この問題を広範囲
に解決できることになるからである。
【0017】糸の断面形状が扁平な扁平糸を使用するこ
とも考えられるが、扁平糸にすると湿紙との接触面積が
増加するので、ドライヤーカンバスに付着する汚れも増
大することが分っているので、扁平糸にすることは得策
ではない。
【0018】このため、ドライヤーカンバスの柔軟性を
増し、湿紙との接触面積を防汚性に影響を与えない範囲
で、糸の形状をどう工夫すればよいか検討を行った。
【0019】又、糸の断面積を減少させると糸の強度が
低下し問題があるので、現在使用している丸糸と同程度
の断面積とする必要がある。
【0020】本発明の目的は、屈曲疲労に起因して経糸
がフィブリル化し、割れ(ささくれ)る現象の発生を防
止し、長寿命で汚れ付着も減少させ得る抄紙用ドライヤ
ーカンバスを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、経糸及び緯糸により組織された抄紙用ドライ
ヤーカンバスにおいて、経糸に断面形状が楕円形のモノ
フィラメントを使用した。
【0022】また、本発明は、上記経糸に使用するモノ
フィラメントをポリエステルモノフィラメントにした。
【0023】さらに、本発明は、経糸及び緯糸により組
織された抄紙用ドライヤーカンバスにおいて、経糸に断
面形状が楕円形のモノフィラメントを使用し、緯糸に直
径が0.6〜1.2mmのモノフィラメントを使用し
た。
【0024】また、本発明は、上記経糸及び緯糸に使用
するモノフィラメントをポリエステルモノフィラメント
にした。
【0025】また、本発明は、上記ドライヤーカンバス
の組織織を単層の平織りにした。
【0026】さらに、本発明は、上記経糸及び緯糸密度
が4〜15本/2.54cmであって通気度を35,0
00cc/min./cm2 以上にした。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明は、従来技術の前記状況を
検討した結果、断面形状が楕円形の楕円形糸を使用すれ
ば、剛性が減少し、柔軟性が増すのではないかとの発想
を得た。
【0028】上記発想が妥当なものかどうかを確認する
ために、楕円形糸を使用すれば、ドライヤーカンバスと
しての剛性が減少し、柔軟性が増すのかどうか検討を行
った。
【0029】これを確認するため、図2に示す仕様でド
ライヤーカンバス30を製作した。経糸31にはTM
で、図6に示すように断面形状が楕円形で短径S=0.
6mm、長径L=0.95mmを使用し、緯糸32には
TMで線径が0.9mmを使用し、密度は経糸31が1
0.0本/2.54cm、緯糸32が9.5本/2.5
4cmであった。
【0030】製織後のドライヤーカンバス30をヒート
セット加工し、得られた製品は通気度が48,000c
c/min./cm2 であった。
【0031】なお、本実施例1の経糸31に使用したT
Mの楕円形糸の断面積は0.448mm2 で、なお、前
記の如く図1に示すドライヤーカンバス10を比較例1
とすると、この場合の経糸11の丸糸断面積は0.50
3mm2 で、実施例1の経糸31の楕円形糸の断面積は
比較例1の経糸11の丸糸とほぼ同じになるようにし
た。
【0032】実施例1のドライヤーカンバス30の剛直
性がどうなるか比較例1と比較するため試験を行った。
【0033】ドライヤーカンバスの剛直性について大小
の判断をし、柔軟性がどうなるか判断するためには、ド
ライヤーカンバスの剛性がどうか、測定すればよいこと
になる。
【0034】そこで、図2に示す実施例1と図1に示す
比較例1とを、次に示す手順で夫々剛性を定量的に測定
した。
【0035】これら縦方向強力及び縦方向剛性は試験に
より定量的に表示することができる。この場合、縦方向
はドライヤーカンバスの走行方向のことをいう。
【0036】縦方向強力は、カンバスから切取った幅3
cmの板状試料の両端を引張ったときの最大荷重(kg
/3cm)で表示される。また、縦方向剛性試験は図3
の装置により幅3cmのカンバス試料42の両端を10
0mmだけ離間させて固定配置した直径20mmの丸棒
43に係止し、試料42の中央部を直径10mmのロー
ラ44と荷重計(図示せず)を介して上方に引張る。ロ
ーラ44の引上げ量と共に荷重計の表示値は増大してい
くが、ある程度引上げると荷重計の表示値は増大しなく
なる。この時の最大荷重を剛性値と称し、単位はg/3
cmで表示される。
【0037】剛性の測定結果は、図1に及び図2に示す
ようになった。
【0038】図1及び図2の3点曲げ剛性の測定結果に
よれば、実施例1では125g/3cm、比較例1では
260g/3cmであり、実施例1では剛性は比較例1
の約48(%)と大幅に低くなっていることが分る。
【0039】この結果から、ドライヤーカンバス30の
剛直性は大幅に低下するので、柔軟性が増し、ドライヤ
ーカンバス30がドライヤーシリンダー等のシリンダー
又はローラ等での屈曲による疲労が解消でき、経糸31
のフィブリル化による割れ(ささくれ)る現象の発生を
防止できることが判明した。
【0040】なお、実施例1は単層織で経糸31及び緯
糸32の密度を粗くしてあるので、ドライヤーカンバス
として使用したときに、走行時にずれて、使用できない
と困るので、このずれが問題がないのか確認の試験を次
の手順で行った。
【0041】図4(B)(C)はズレ測定装置50であ
って、固定支柱54の上端部と基端部に横アーム55、
56が上下揺動可能に取付けられ、横アームの55、5
6の先端は連結アーム57で連結され、常時は上側の連
結アーム55が固定水平アーム60にピン61にて固定
されている。このようなズレ測定装置50において、横
アーム55にサンプルである所定長、所定幅のカンバス
Sの上端を固定し、下端にカンバスSの幅1cm当り1
kgとなる荷重Wを懸垂する。この状態で下側の横アー
ム56にカンバスSの下端を固定し、その後、荷重Wを
取り去る。
【0042】このようにして、図4(B)のようにカン
バスSを固定し、ピン61を引抜き図4(C)のように
下向きのモーメントをかける。この状態で一定時間放置
後、ズレ角度θを測定し、その状態のまま一定時間熱処
理を行う。その後、再度ズレ角度θを測定する。
【0043】ズレ角度θの計算式は、図4(A)より、
ズレの寸法をX(mm)、枢支ピン59から指針58の
先端までの長さをL(=120mm)とすると、次式で
計算される。
【0044】tanθ=x/120、 θ=tan
1 (x/120) 図5は、本発明の実施例1と比較例1のドライヤーカン
バスについての耐ズレ性比較試験結果を示しており、同
図より実施例1と比較例1とは殆ど差がないので、実施
例1は実際に使用しても、ずれ性に問題がないことが確
認できた。
【0045】又、実施例1は単層の平織組織で経糸及び
緯糸の密度を粗くし、使用する糸はモノフィラメントで
あるので、湿紙と接触する経糸と緯糸との交絡点が少な
くなり、汚れ物資がドライヤーカンバス表面に付着する
ことが少なくなり、また、目が粗いので、たとえ、汚れ
物質が付着しても、洗浄等によって容易に取り除くこと
ができて防汚性に優れたものである。
【0046】上記説明した如く、本実施例1によれば、
ドライヤーカンバス30の剛直性は低下し、柔軟性が増
加し、シリンダー又はローラ等での屈曲による疲労が解
消でき、経糸31によるフイブリル化による割れ(ささ
くれ)る現象の発生を防止し、ドライヤーカンバス30
の寿命を延長することができる。又、防汚性にも優れた
ドライヤーカンバスである。
【0047】なお、実施例1では経糸密度が10.0本
/2.54cm、緯糸密度が9.5本/2.54cmの
例を示したが、経糸及び緯糸の密度は4〜15本/2.
54cmの範囲が望ましい。
【0048】又、通気度についても実施例1では48,
000cc/min./cm2 の例を示したが、通気度
は35,000cc/min./cm2 以上が望まし
い。
【0049】密度については糸のサイズを、通気度につ
いては、糸のサイズ及び密度を夫々適宣選択することで
可能である。
【0050】密度については4本/2.54cm未満に
すると、製品として寸法安定性に問題があり、使用用途
が限定されるからである。
【0051】又、一般に湿紙に対する平滑性を向上させ
るために、断面形状が扁平状のモノフィラメントが経糸
に使用されるようになってきている。しかし、湿紙への
接触面積が増加するので、汚れの付着が増加する傾向に
あり、この問題を解決する具体策はなかった。
【0052】又、経糸に扁平糸を使用すると、前記従来
の技術で説明したと同様に、ドライヤーカンバスの剛性
が大きく、柔軟性が低下し、前記と同様使用中に経糸が
比較的早くフイブリル化する現象があった。
【0053】そこで、経糸に扁平糸を使用する代りに楕
円形糸を使用して、実施例1の場合とは異なり経糸及び
緯糸の密度が比較的大きいドライヤーカンバスについ
て、剛性を小さくする、柔軟性を増加させる、こと
が解決できないか検討を行った。
【0054】そこで、楕円形糸の剛性が扁平糸及び丸糸
と比べてどうなのか次の表1に示す糸について試験を行
った。
【0055】
【表1】
【0056】試験の方法は前記図3に示したドライヤー
カンバスの剛性を測定したときと同様な方法で剛性を測
定した。前記カンバス試料42の代りに上記各糸のサン
プルの両端を100mmだけ離間させて図3の方法で行
った。前記と同様に最大荷重を剛性値とし、この単位は
gで表示した。剛性の測定結果は図16に示す通りであ
る。
【0057】その結果によれば、剛性は、サンプル3
(丸糸)>サンプル2(扁平糸)>サンプル1(楕円形
糸)であり、楕円形糸が剛性が1番小さいことが分っ
た。
【0058】楕円形糸の剛性が扁平糸及び丸糸に比べて
1番小さいことが分ったので、従来扁平糸を使用してい
る用途に楕円形糸を使用すれば、ドライヤーカンバスと
して、剛性が小さくなり、柔軟性が増加できることにな
る。
【0059】そこで、経糸に扁平糸を使用すれば、湿紙
への接触面積が増加するので、汚れの付着が増加する
が、この用途に楕円形糸を使用すれば、湿紙への接触面
積が減少し、汚れの付着を減少させることができるので
はないかと考え、楕円糸形を使用して、その確認を行っ
た。 (実施例2)図7に示す単層組織の仕様でドライヤーカ
ンバス60を製作した。
【0060】経糸61にはTMで断面形状が楕円形で短
径S=0.6mm、長径L=0.95mmを使用し、緯
糸62にはTMで線径が0.9mmを使用し、密度は経
糸61が30.0本/2.54cm、緯糸62が16.
0本/2.54cmであった。製織後のドライヤーカン
バス60をヒートセット加工し、得られた製品は通気度
が15,000cc/min./cm2 であった。 (比較例2)実施例2と比較するために、図10に示す
単層組織の仕様でドライヤーカンバス70を製作した。
実施例2と異なるのは経糸71にはTMで断面形状が扁
平で幅が0.88mm、厚さが0.58mmの扁平糸を
使用したことである。
【0061】密度は経糸71が29.5本/2.54c
m、緯糸72が15.1本/2.54cmであった。
【0062】製織後のドライヤーカンバス70をヒート
セット加工し、得られた製品は通気度が16,000c
c/min./cm2 であった。 (実施例3)図8に示す緯2重織の組織の仕様でドライ
ヤーカンバス80を製作した。経糸81にはTMで断面
形状が楕円形で短径S=0.6mm、長径L=0.95
mmを使用し、緯糸82にはTMで線径が0.8mmを
使用し、密度は経糸81が30.0本/2.54cm、
緯糸82が13.0×2本/2.54cmであった。
【0063】製織後のドライヤーカンバス80をヒート
セット加工し、得られた製品は通気度が24,000c
c/min./cm2 であった。 (比較例3)実施例3と比較するために、図11に示す
緯2重織の組織の仕様でドライヤーカンバス90を製作
した。実施例3と異なるのは経糸91にはTMで断面形
状が扁平で幅0.88mm、厚さが0.58mmの扁平
糸を使用した場合である。密度は経糸91が29.0本
/2.54cm、緯糸92が12.1×2本/2.54
cmであった。
【0064】製織後のドライヤーカンバス90をヒート
セット加工し、得られた製品は通気度が27,000c
c/min./cm2 であった。 (実施例4)図9に示す緯2重織の3/1綾織の組織で
ドライヤーカンバス100を製作した。経糸101には
TMで断面形状が楕円形で短経S=0.6mm、長径L
=0.95mmを使用し、緯糸102にはTMで線径が
0.8mmを使用し、密度は経糸101が29.0本/
2.54cm、緯糸102が13.0×2本/2.54
cmであった。
【0065】製織後のドライヤーカンバス100をヒー
トセット加工し、得られた製品は通気度が18,000
cc/min./cm2 であった。 (比較例4)実施例4と比較するため、図12に示す緯
2重織の3/1綾織の組織でドライヤーカンバス110
を製作した。経糸111にはTMで断面形状が扁平で幅
が0.88mm、厚さが0.58mmの扁平糸を使用し
た場合である。
【0066】密度は経糸111が30.0本/2.54
cm、緯糸112が13.0×2本/2.54cmであ
った。
【0067】製織後のドライヤーカンバス110をヒー
トセット加工し、得られた製品は通気度が14,500
cc/min./cm2 であった。
【0068】次に、実施例2〜実施例4について、湿紙
との接触面がどうなるのかの試験を行った。
【0069】この試験の方法は次の手順で行った。
【0070】ドライヤーカンバスから試料を切り取り、
この試料片を感圧紙(富士写真フィルム株式会社製)に
圧接させて接触点を発色させ、その状態を確認した。
【0071】その試験結果は図13〜図15に示す通り
である。
【0072】図13(A)は比較例2を、図13(B)
は実施例2を、図14(A)は比較例3を、図14
(B)は実施例3を、図15(A)は比較例4を、図1
5(B)は実施例4の場合を示す。
【0073】黒い点状の部分が発色した接触部である。
【0074】図13〜図15で分る通り、各比較例は接
触点が幅があるのに対して楕円形糸を使用した各実施例
の方は幅が狭く線状である。
【0075】このことから、各実施例は汚れ付着が少な
いので汚れ防止に効果があることが分る。
【0076】この結果、経糸に楕円形糸を用いると、断
面形状が扁平糸に対して、湿紙に対する接触面積が減少
し、その結果、ドライヤーカンバスへの汚れ付着が減少
することが分った。
【0077】なお、各実施例2〜実施例4についても、
各ドライヤーカンバスの剛性は低下するので、柔軟性が
増し、各ドライヤーカンバスがドライヤーシリンダー等
のシリンダー又はローラ等での屈曲による疲労が解消で
き、経糸のフィブリル化による割れ(ささくれ)る現象
の発生を防止できることも確認できた。
【0078】なお、本発明での断面形状が楕円形とは、
数学的に定義される正確な楕円形もしくは概ね楕円形で
ある形状を含むものである。又、楕円形糸のサイズは実
施例に限定されずに、使用用途により適宣選択すればよ
い。
【0079】使用する糸の材質としては、耐摩性と寸法
安定性の観点からポリエステルモノフィラメントを使用
するのが望ましいが、カンバスの使用する用途によって
は他の材質のモノフィラメント、例えば、ポリアミド、
ポリオレフィン、芳香族ポリアミド、ポリフェニレンサ
ルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等が使用する
ことができる。
【0080】組織については、各実施例に限定されず
に、これ以外の組織にも適用できるのは勿論である。
【0081】又、用途によっては経糸に使用する楕円形
糸にフッソ樹脂を含有したモノフィラメントを使用する
ことによって、一層、汚れ付着防止を向上させることも
できる。
【0082】経糸に使用する楕円形糸の熱収縮率につい
ては、特に限定されることはないが、緯糸に使用する糸
とほぼ同じにすれば、経糸に楕円形糸を使用しない場合
とほぼ同じ製織方法で製作でき、又出来上った製品もほ
ぼ同等なものにすることができる。
【0083】なお、実施例2〜実施例4について、使用
する緯糸のサイズは直径が0.8mm及び0.9mmに
ついて説明を行ったが、使用する緯糸のサイズはこのサ
イズに限定されることはないのは勿論であり、用途に応
じて適宣選定すればよい。
【0084】しかし、寸法安定性、柔軟性等を考慮すれ
ば、直径が0.6〜1.2mmのモノフィラメントを使
用するのが望ましい。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、経糸に断面形状が楕円
形のモノフィラメントを使用することにより、剛直性が
低下し、柔軟性のある抄紙機のドライパートに使用して
も、シリンダー又はローラ等での屈曲による疲労が解決
でき、経糸がフィブリル化し、割れ(ささくれ)る現象
の発生が防止できるので、使用寿命が長くなる抄紙用ド
ライヤーカンバスが実現できる効果がある。
【0086】又、汚れの付着が減少できるので、汚れ防
止効果がある。さらに、単層の平織りの抄紙用ドライヤ
ーカンバスで目が粗くでき、一層汚れ防止効果のある製
品を実現できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】経糸及び緯糸ともに丸糸を使用して織成した単
層平織り組織からなる従来の抄紙用ドライヤーカンバス
の比較例1の組織構成図。
【図2】経糸に楕円形糸、緯糸に丸糸を使用して織成し
た単層平織り組織からなる本発明の抄紙用ドライヤーカ
ンバスの実施例1の組織構成図。
【図3】カンバスの縦方向3点曲げ剛性試験方法の概略
説明図。
【図4】(A)はカンバスのズレ測定試験装置における
ズレ角度の測定方法の説明図、(B)はカンバスのズレ
測定試験装置の荷重負荷試験状態の概略正面図、(C)
は荷重負荷試験後のカンバスのズレ角度測定時のズレ測
定試験装置の概略正面図。
【図5】本発明の実施例1と従来の比較例1とのズレ測
定試験結果を示す比較図。
【図6】本発明で使用する楕円形糸の断面説明図。
【図7】経糸に楕円形糸、緯糸に丸糸を使用して織成し
た単層組織からなる本発明の抄紙用ドライヤーカンバス
の実施例2の組織構成図。
【図8】経糸に楕円形糸、緯糸に丸糸を使用して織成し
た緯二重織の組織からなる本発明の抄紙用ドライヤーカ
ンバスの実施例3の組織構成図。
【図9】経糸に楕円形糸、緯糸に丸糸を使用して織成し
た緯二重織の3/1綾織り組織からなる本発明の抄紙用
ドライヤーカンバスの実施例4の組織構成図。
【図10】経糸に扁平糸、緯糸に丸糸を使用して織成し
た単層組織からなる従来の抄紙用ドライヤーカンバスの
比較例1の組織構成図。
【図11】経糸に扁平糸、緯糸に丸糸を使用して織成し
た緯二重織の組織からなる従来の抄紙用ドライヤーカン
バスの比較例3の組織構成図。
【図12】経糸に扁平糸、緯糸に丸糸を使用して織成し
た緯二重織の3/1綾織り組織からなる従来の抄紙用ド
ライヤーカンバスの比較例4の組織構成図。
【図13】本発明と従来のカンバスとの湿紙接触面側の
汚れ付着状態を比べるために、カンバス試料片の接紙面
を感圧紙に圧接させて接触点を発色させた状態を示す比
較図で、(A)は従来の比較例2を、(B)は本発明の
実施例2を示す。
【図14】(A)は従来の比較例3を、(B)は本発明
の実施例3を示す図13と同様な接触点発色状態の比較
図。
【図15】(A)は従来の比較例4を、(B)は本発明
の実施例4を示す図13と同様な接触点発色状態の比較
図。
【図16】経糸に楕円形糸、扁平糸及び丸糸を使用した
カンバスの縦方向3点曲げ剛性試験結果の剛性値の比較
図。
【符号の説明】
30、60、80、100 本発明のカンバス 31、61、81、101 本発明の経糸 32、62、82、102 本発明の緯糸

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経糸及び緯糸により組織された抄紙用ド
    ライヤーカンバスにおいて、経糸に断面形状が楕円形の
    モノフィラメントを使用したことを特徴とする抄紙用ド
    ライヤーカンバス。
  2. 【請求項2】 前記経糸に使用するモノフィラメントを
    ポリエステルモノフィラメントにしたことを特徴とする
    請求項1記載の抄紙用ドライヤーカンバス。
  3. 【請求項3】 経糸及び緯糸により組織された抄紙用ド
    ライヤーカンバスにおいて、経糸に断面形状が楕円形の
    モノフィラメントを使用し、緯糸に直径が0.6〜1.
    2mmのモノフィラメントを使用したことを特徴とする
    抄紙用ドライヤーカンバス。
  4. 【請求項4】 経糸及び緯糸に使用するモノフィラメン
    トをポリエステルモノフィラメントにしたことを特徴と
    する請求項3記載の抄紙用ドライヤーカンバス。
  5. 【請求項5】 組織織を単層の平織りにしたことを特徴
    とする請求項3又は4記載の抄紙用ドライヤーカンバ
    ス。
  6. 【請求項6】 経糸及び緯糸密度が4〜15本/2.5
    4cmであって通気度を35,000cc/min./
    cm2 以上にしたことを特徴とする請求項5記載の抄紙
    用ドライヤーカンバス。
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