JPH10318411A - 電磁弁及び燃料噴射ポンプ - Google Patents

電磁弁及び燃料噴射ポンプ

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JPH10318411A
JPH10318411A JP12726597A JP12726597A JPH10318411A JP H10318411 A JPH10318411 A JP H10318411A JP 12726597 A JP12726597 A JP 12726597A JP 12726597 A JP12726597 A JP 12726597A JP H10318411 A JPH10318411 A JP H10318411A
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stator
solenoid valve
hole
axial direction
valve
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JP12726597A
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Takio Tani
太喜男 谷
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステータの変形を防止して、常に所定の性能
を確保することができる電磁弁を提供する。 【解決手段】 複数の磁性体の板材を積層してなると共
に、その板材の面に沿った方向を軸方向として、該軸方
向(図の上下方向)に貫通孔9を有するステータ6と、
上記貫通孔9に摺動可能に配設されたロッド14と、ロ
ッド14に連結され、ステータ6に巻装されたコイル8
の磁束によってステータ6に吸引されるアーマチュア1
3とを備え、アーマチュア13の移動に伴い弁体23を
動作させるよう構成された電磁弁1において、ステータ
6は、前記板材の複数と交差して係合するCリング状の
変形防止部材Rを、貫通孔9の周辺にてその軸周り方向
に内蔵している。このため、ステータ6の貫通孔9の周
辺部が軸方向に変形してしまうことを防止して、当該電
磁弁1は所定の性能を確実に発揮できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁弁及びそれを
備えた燃料噴射ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えばディーゼルエンジン用
燃料噴射ポンプのスピル(溢流)弁として、電磁弁が採
用されている。即ち、この種の電磁弁は、燃料噴射ポン
プの燃料スピル通路に配設されるものであり、図12に
例示するように、その軸方向(図の上下方向)に貫通孔
62aを有するステータ62と、その貫通孔62aに摺
動可能に配設されたロッド63と、ロッド63に連結さ
れ、ステータ62に巻装されたコイル64の磁束によっ
てステータ62に吸引されるアーマチュア(可動部材)
65とを有している。そして、アーマチュア65の移動
に伴い弁体66が動作して、燃料スピル通路を開放又は
閉鎖する。
【0003】具体的には、コイル64の非通電時には、
弁体66が圧縮コイルばね67の付勢力により上昇して
開弁位置(図示の位置)に保持される。そして、コイル
64が通電されると、アーマチュア65が、ステータ6
2の軸方向と直交する方向の面である上面に吸引され
て、弁体66がロッド63と共に下降し、これにより、
弁体66は燃料スピル通路を閉鎖する閉弁位置に移動す
る。
【0004】また、この種の電磁弁では、高速動作が要
求されるため、弁体66の上部及び下部の空間P1,P
2を均等圧として、弁体66の応答性を向上させるよう
にしている。つまり、空間P1,P2には共に、燃料噴
射ポンプに備えられたフィードポンプによる燃料フィー
ド圧(=約18kg/cm2 )が作用している。
【0005】また更に、この種の電磁弁に用いられるス
テータ62は、複数の磁性体の板材を積層してなると共
に、その板材の面に沿った方向を軸方向(図の上下方
向)として、該軸方向に上記貫通孔62aが設けられて
いる。そして、このような積層構造のステータ62を用
いることにより、渦電流を低減することができ、コイル
64への通電/非通電に対する動作の応答性が向上す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な積層構造のステータを有する電磁弁では、ステータの
軸方向への変形が生じ易く、この変形により、燃料噴射
ポンプの燃料噴射量が要求量に対して変動してしまうと
いう問題があった。
【0007】具体的に説明すると、図12に例示した電
磁弁では、前述したように、フィードポンプによる燃料
フィード圧が、弁体66の上部及び下部の空間P1,P
2に作用するようにしているが、その燃料フィード圧は
ステータ62の下面(つまり、アーマチュア65が吸引
される面とは反対側の面)にも作用する。そして、ステ
ータ62は貫通孔62aを有しており、その貫通孔62
aの周辺部分では、ステータ62を形成する板材の各々
が固定・保持されない状態となっている。
【0008】このため、図12に示す如く、ステータ6
2の貫通孔62aの周辺部が、上記燃料フィード圧によ
って軸方向に浮き上がってしまい、ステータ62の上面
とアーマチュア65の下面との間に設定されているエア
ギャップA/Gが減少してしまう。
【0009】そして、このようにしてエアギャップA/
Gが減少すると、図12に示す電磁弁の場合には、アー
マチュア65に対するステータ62の電磁吸引力が想定
された値よりも大きくなって、弁体66が閉弁状態から
開弁状態へ移行する際にその応答性が鈍ってしまい、燃
料の噴射切れが悪化する。この結果、燃料噴射ポンプの
燃料噴射量に誤差が生じ、この例の場合、具体的には実
際の燃料噴射量が要求量よりも増大してしまうのであ
る。
【0010】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、ステータの変形を防止して、常に所定の性能
を確保することができる電磁弁と、その電磁弁を用いる
ことにより、所望の燃料噴射量を確実に得ることができ
る燃料噴射ポンプとを、提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】本発明
が前提とする電磁弁では、ステータが、複数の磁性体の
板材を積層して形成されていると共に、板材の面に沿っ
た方向を軸方向として、その軸方向に貫通孔を有してい
るため、前述したように、ステータにおける貫通孔の周
辺部が軸方向に変形して、電磁弁の性能が悪化してしま
う虞がある。
【0012】そこで、本発明の電磁弁では、ステータ
が、前記板材の複数と交差して係合する変形防止部材
を、前記貫通孔の周辺に内蔵するようにしている。尚、
変形防止部材は、貫通孔の軸周り方向に内蔵するように
しても良いし、また、貫通孔の付近に直線的に内蔵する
ようにしても良い。
【0013】このような本発明の電磁弁によれば、ステ
ータの貫通孔の周辺部分において、複数の板材同士が変
形防止部材によって互いに連結されることとなるため、
ステータの軸方向の剛性が高くなり、ステータの貫通孔
の周辺部が軸方向に変形してしまうことを確実に防止す
ることができる。
【0014】よって、ステータに巻装されたコイルの磁
束によりステータの軸方向と直交する方向の面に吸引さ
れて弁体を動作させる可動部材と、ステータとの間のエ
アギャップが変動してしまうことを防止して、当該電磁
弁は所定の性能を確実に発揮することができるようにな
る。
【0015】ここで、請求項2に記載のように、前記板
材の面に沿った方向(つまり、ステータの軸方向)にお
ける変形防止部材の断面形状を、多角形とすれば、変形
防止部材と板材との間の滑りを無くして両部材をしっか
りと係合させることができ、この結果、ステータの軸方
向の剛性をより高くすることができる。
【0016】そして、この場合、変形防止部材の上記方
向における断面形状としては、三角形や五角形などでも
良いが、特に、請求項3に記載の如く、四角形とすれ
ば、変形防止部材を簡単に作ることができる。そして更
に、その四角形として、請求項4に記載の如く、直角よ
りも小さい鋭角の内角を有した四角形を採用すれば、変
形防止部材の鋭角部分が、くさびの作用を奏して、変形
防止部材と板材との係合をより確実なものとすることが
でき、ステータの軸方向の剛性をより一層高めることが
できる。
【0017】ところで、ステータは、請求項5に記載の
ように、厚さが均一で且つ湾曲形状をなす複数の磁性体
の板材を、渦巻き状に積層して形成すれば、厚さが均一
で飽和磁束の大きい電磁鋼板(例えばケイ素鋼板)を密
に重ね合わせて、電磁吸引力が高い円柱状のステータを
簡単に得ることができる。
【0018】一方、請求項6に記載の電磁弁では、前述
した請求項1〜請求項5に記載の電磁弁において、ステ
ータを円柱状に形成すると共に、そのステータの外周部
にリングを組み付けるようにしている。そして、この電
磁弁によれば、前述した各効果に加えて、更に、ステー
タの組み付け荷重がリングによって受け止められること
となり、ステータの他の変形原因となる、前記板材の積
層面(板材を重ね合わせたときに層状に現れる面)への
締付け荷重を低減させることができる。また、ステータ
の周方向への板材の形崩れも防止できる。
【0019】次に、請求項7に記載の燃料噴射ポンプ
は、前述した請求項1〜請求項6に記載の電磁弁を、燃
料スピル通路を開閉させる電磁スピル弁として備えてい
る。この燃料噴射ポンプによれば、前述したように、電
磁弁において、可動部材とステータとの間のエアギャッ
プの変動が防止され、これにより、電磁弁の弁体の開閉
タイミング、即ち、燃料スピル通路の開閉タイミング
を、常に最適に保つことができるため、所望の燃料噴射
量を確実に得ることができるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された実施形
態の電磁弁について図面を用いて説明する。尚、本実施
形態の電磁弁は、ディーゼルエンジン用燃料噴射ポンプ
の電磁スピル弁として用いられるものであり、常開弁
(ノーマルオープン弁)として機能する。つまり、コイ
ルが消磁されている通常時には、付勢部材(ばね)の付
勢力により弁体が燃料スピル通路を開放する位置に保持
され、コイルが励磁されると、弁体が付勢部材の付勢力
に抗して移動し、燃料スピル通路が閉鎖されるようにな
っている。但し、本発明は、下記の実施形態に限定され
ることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の
形態を採り得ることは言うまでもない。
【0021】まず図1は、本実施形態の電磁弁1の構成
を示す断面図である。尚、以下の説明にて上下方向を意
味する用語は、図1における方向に基づくものである。
図1に示すように、電磁弁1は、外部からの電気信号
を、弁体を移動させるための機械エネルギに変換するソ
レノイド部2と、弁体の移動により燃料スピル通路の開
度を調節する流量調節部3とから構成されており、両部
2,3はリテーナ4により固定されている。
【0022】そして、ソレノイド部2において、円筒状
をなすソレノイドハウジング5の内部には、ステータ6
が配設されている。ここで、図1及びステータ6の斜視
図である図2に示すように、ステータ6には、上方に開
口する環状のコイル挿入溝7が設けられており、そのコ
イル挿入溝7には、コイル8が配設されている。また、
ステータ6の中央には、上下方向(つまり、ステータ6
の軸方向)に貫通する貫通孔9が設けられている。
【0023】そして、図1及び図2のX−X線断面図で
ある図3に示すように、ステータ6の内部には、Cリン
グ形状の変形防止部材Rが、前記貫通孔9の軸周り方向
に埋設されている。また、本実施形態では、ステータ6
の軸方向における変形防止部材Rの断面形状は、図1に
示されているように、ステータ6の軸方向に並行な2辺
を有すると共に、図にて貫通孔9から離れた方の下側の
内角が鋭角(90度よりも小さい角度)となった四角形
(詳しくは、台形)になっている。
【0024】ステータ6について、更に詳細に説明する
と、図2及び図3に示されるように、ステータ6は、磁
性体からなる複数の板材10を渦巻き状に積層すること
で円柱状に形成されている。具体的には、まず、ステー
タ6を形成する板材10は、図4に示すように、厚さが
均一で且つ全体が湾曲形状に形成されている。そして、
板材10にてステータ6の上面となる側縁には、コイル
挿入溝7を形成するための凹部10aが設けられてお
り、また、板材10にてステータ6の貫通孔9の内周面
となる側縁には、変形防止部材Rに係合する係合溝10
bが設けられている。尚、係合溝10bは、変形防止部
材Rの前記断面形状に合った台形に形成されている。ま
た、本実施形態では、板材10として、板厚が均一のケ
イ素鋼板を使用しており、そのケイ素鋼板のプレス抜打
により、図4の形状の板材10が形成されている。
【0025】そして、ステータ6は、図4の板材10
を、治具等により当該ステータ6の中心軸線に対し渦巻
き状に配置して、その外周を円状に固定することで、図
2の如き形状に製作されるが、その際に、図5に示す如
く、板材10の係合溝10bに変形防止部材Rを、その
切れ込み部Raから通しながら、複数の板材10を渦巻
き状に配置する。
【0026】これにより、図2及び図3に示されている
如く、ステータ6の上面側に、板材10の凹部10aに
対応した環状のコイル挿入溝7が形成されると共に、ス
テータ6の中央位置に、板材10の面に沿った方向を軸
方向として、その軸方向に貫通孔9が形成され、更に、
ステータ6の内部には、板材10の複数と交差して係合
するCリング状の変形防止部材Rが、貫通孔9の周辺に
てその軸周り方向に設けられることとなる。
【0027】次に、上記のように構成されたステータ6
の外周面には、図1に示すように、円筒状のリング11
が組み付けられている。尚、ステータ6とリング11と
の組み付けに際しては、図6に示すように、板材10を
渦巻き状に積層してなるステータ6がリング11に対し
て圧入される。
【0028】一方、図1及びステータ6の下面図である
図7に示すように、ステータ6の貫通孔9には、高硬度
のブッシュ12が圧入固定されている。そして、図1に
示すように、そのブッシュ12内には、可動部材として
のアーマチュア13に連結されたロッド14が、上下方
向に摺動可能に配設されている。
【0029】また次に、図1において、アーマチュア1
3の上方には、ソレノイドハウジング5の内周面に密着
するカバー15が配設されており、そのカバー15とソ
レノイドハウジング5との接触面は、Oリング17によ
り液密状態にシールされている。そして、カバー15に
は、その外周面において下方に延びる環状の突出部16
が設けられており、その突出部16の下端は、ステータ
6の上面縁部及びリング11の上面に当接している。即
ち、ソレノイドハウジング5の上端に設けられたかしめ
部5aによりカバー15が固定され、これにより、カバ
ー15の突出部16が、ステータ6の上面縁部及びリン
グ11を上方から押圧している。
【0030】また、カバー15の下面中央には、アーマ
チュア13の可動域を規制するためのストッパ18が設
けられている。また更に、カバー15の上方には、外部
からの電気信号を入力するための信号入力端子20を有
するコネクタ部材19が樹脂成形されており、このコネ
クタ部材19の信号入力端子20は、図示しないリード
線を介してステータ6内のコイル8に電気的に接続され
ている。
【0031】一方、流量調節部3において、バルブハウ
ジング22には、弁体23を摺動可能に保持するための
摺動孔24が形成されており、この摺動孔24は、環状
に形成された高圧燃料室25に連通している。また、バ
ルブハウジング22には、前記高圧燃料室25に連通す
る燃料通路26a,26bが形成されている。そして、
弁体23は、前記ロッド14の下端に連結されていると
共に、圧縮コイルばね28により常に開弁方向(図1の
上方)に付勢されている。
【0032】このような電磁弁1において、コイル8が
励磁されていない消磁状態(図1の状態)では、ステー
タ6の上面とアーマチュア13の下面との間に、所定量
のエアギャップA/Gが確保され、ロッド14の下端に
連結された弁体23が、燃料通路26a,26bの相互
間を開放する開弁位置に保持される。尚、このとき、ア
ーマチュア13の頂部がストッパ18に当接した状態と
なる。
【0033】一方、コイル8が励磁されると、コイル8
の磁束によりステータ6に電磁吸引力が発生して、アー
マチュア13がステータ6に吸引され、前記エアギャッ
プA/Gが小さくなる。そして、これに伴い、弁体23
が下降して、燃料通路26a,26bの相互間を閉鎖す
る閉弁位置に移動する。
【0034】尚、本電磁弁1では、弁体23の高速動作
が要求されるため、弁体23の上部及び下部の空間Q
1,Q2を均等圧として、弁体23の高速応答性を確保
している。つまり、空間Q1,Q2には共に、後述する
フィードポンプによるフィード圧(=約18kg/cm
2 )が作用している(但し、空間Q1にフィード圧が導
入される経路は図示を省略している)。
【0035】次に、図8は、上記電磁弁1を適用したデ
ィーゼルエンジン用のインナカム式分配型燃料噴射ポン
プ31の構成を示しており、同ポンプ31によりエンジ
ンの各気筒(図示省略)へ高圧燃料が分配供給されるよ
うになっている。図8に示すように、燃料噴射ポンプ3
1のポンプハウジング32には、エンジンの図示しない
クランク軸に同期して1/2の速度で回転するドライブ
シャフト33が挿通されている。そして、ポンプハウジ
ング32には、ベーン式フィードポンプ34(図8では
90度展開して示す)が設けられており、このフィード
ポンプ34は、ドライブシャフト33の回転に伴い燃料
を吸い上げて燃料室35に送り出す。
【0036】ドライブシャフト33の先端(図8の右
端)には、同シャフト33と一体回転する分配ロータ3
6が接続され、この分配ロータ36は、ポンプハウジン
グ32に設けられたシリンダ37に回転可能に収容され
ている。そして、ポンプハウジング32には、インナカ
ムリング38が取り付けられており、分配ロータ36の
ヘッド部36aがインナカムリング38内周のカム面3
8aに沿って摺動回転する。
【0037】ここで、前記カム面38aは、エンジンの
気筒数分のカム山を有しており、その詳細を図9に示
す。図9に示す如く、分配ロータ36のヘッド部36a
には、半径方向に延びる円筒孔39が形成されており、
この円筒孔39内には、一対のプランジャ40が摺動可
能に配設されている。そして、一対のプランジャ40間
には、ポンプ室41が形成されている。また、プランジ
ャ40の外側端部には、シュー42が配設されており、
このシュー42には、ローラ43が回転自在に保持され
ている。
【0038】よって、分配ロータ36の回転に伴いロー
ラ43がインナカムリング38のカム面38aに沿って
摺動すると、ローラ43,シュー42,及びプランジャ
40が一体的に分配ロータ36の半径方向に往復動す
る。そして、プランジャ40が分配ロータ36の半径方
向外側に移動する際に、ポンプ室41に燃料が吸入さ
れ、半径方向内側に移動する際に、ポンプ室41から燃
料が圧送される。
【0039】一方、図8に示すように、分配ロータ36
には、吸入ポート44,分配ポート45,及びスピルポ
ート46が形成されており、これらポート44〜46
は、前記ポンプ室41に連通している。また、吸入ポー
ト44は、シリンダ37の連通路47aを介して燃料室
35に連通され、分配ポート45は、シリンダ37の連
通路47bを介して噴射通路48に連通され、スピルポ
ート46は、シリンダ37の連通路47cを介して燃料
スピル通路(以下、スピル通路という)49に連通され
ている。そして、噴射通路48には、デリバリバルブ5
0が配設されており、このデリバリバルブ50から燃料
噴射ノズル51に燃料が供給される。
【0040】ここで、本実施形態の電磁弁1は、電磁ス
ピル弁として、前記スピル通路49の途中に配置され
る。より詳しくは、電磁弁1は、そのバルブハウジング
22に形成された2つの燃料通路26a,26b(図1
参照)のうち、一方の燃料通路26aがスピル通路49
に連通し、他方の燃料通路26bが燃料室35に連通す
るように配置される。尚、電磁弁1は、リテーナ4の外
周面に形成されたネジ部4aにより、ポンプハウジング
32に取り付けられている。
【0041】そして、電磁弁1は、コイル8への通電の
有無によってスピル通路49を開放又は閉鎖する。つま
り、コイル8の非通電時には、圧縮コイルばね28の付
勢力により、弁体23が開弁位置(図8に示す位置)に
保持され、電磁弁1が開弁状態を維持する。よって、こ
のときポンプ室41から圧送される燃料は、スピル通路
49及び電磁弁1内の高圧燃料室25を経由して、燃料
室35へスピル(溢流)される。また、コイル8の通電
時には、弁体23が圧縮コイルばね28の付勢力に抗し
て閉弁位置(図8における下方)に移動し、電磁弁1が
閉弁状態となる。そして、これにより、ポンプ室41か
ら燃料室35への燃料のスピルが停止される。
【0042】こうした電磁弁1の開閉動作により、噴射
通路48及びデリバリバルブ50を介して、燃料噴射ノ
ズル51からエンジンの気筒へ高圧燃料が噴射されると
共に、スピル通路49を介し高圧燃料がスピルされて燃
料噴射が終了される。そして、このような電磁弁1の開
閉動作は、各気筒の燃料噴射毎(例えば4気筒であれ
ば、180°CA毎)に繰り返し実行される。
【0043】尚、本燃料噴射ポンプ31では、図示しな
いタイマ機構により燃料噴射時期が調整されるようにな
っているが、本記載では省略する。また、電磁弁1の開
閉動作は、図示しない電子制御装置から出力される電気
信号に従うものであるが、これも本記載では省略する。
【0044】以上詳述した本実施形態の電磁弁1及び燃
料噴射ポンプ31によれば、次のような特有の作用及び
効果を奏する。まず、本実施形態によれば、上記燃料噴
射ポンプ31の稼働時において、電磁弁1を構成するス
テータ6の軸方向の変形が確実に防止され、これによ
り、燃料噴射量の誤差を解消することができる。
【0045】即ち、前述したように電磁弁1は、エンジ
ンの回転に合わせて高速に開閉動作し、その弁体23に
は常にフィードポンプ34によるフィード圧(約18k
g/cm2 )が作用している(図1の空間Q1,Q
2)。そして、このフィード圧が、図1の空間Q1及び
連通路29を介して、ステータ6の下面に作用するた
め、電磁弁1のステータ6が仮に変形防止部材Rを備え
ていない場合には、ステータ6の貫通孔9の周辺部が上
記フィード圧により軸方向に浮き上がって、ステータ6
の上面とアーマチュア13の下面との間のエアギャップ
A/Gが変動してしまうという不具合が発生する(図1
2参照)。
【0046】これに対して、本実施形態の電磁弁1で
は、前述したように、ステータ6が、当該ステータ6を
構成する板材10の複数と交差して係合する変形防止部
材Rを、貫通孔9の周辺にてその軸周り方向に内蔵して
いるため、ステータ6の貫通孔9の周辺部分において、
複数の板材10同士が変形防止部材Rによって互いに連
結されることとなる。このため、ステータ6の軸方向の
剛性が高くなって、ステータ6の貫通孔9の周辺部が軸
方向に変形してしまうことを確実に防止することができ
る。よって、アーマチュア13とステータ6との間のエ
アギャップA/Gが変動してしまうことを防止して、当
該電磁弁1は所定の性能を確実に発揮することができる
のである。
【0047】そして、このような電磁弁1を電磁スピル
弁として採用した本実施形態の燃料噴射ポンプ31によ
れば、スピル通路49の開閉タイミングを常に最適に保
って、所望の燃料噴射量を確実に得ることができる。そ
して更に、本実施形態の電磁弁1では、ステータ6の軸
方向(板材10の面に沿った方向)における変形防止部
材Rの断面形状を、内角の1つが鋭角である台形として
いるため、その鋭角部分がくさびの効果を奏して、変形
防止部材Rと板材10との係合を確実なものとすること
ができ、ステータ6の軸方向の剛性をより高くすること
ができる。
【0048】一方、本実施形態の電磁弁1では、板厚が
均一で且つ湾曲形状をなす磁性体の板材10をプレス加
工で成形し、その板材10を渦巻き状に積層することで
ステータ6を構成している。このため、切削法や焼結法
を用いることなく、電磁吸引力の高い円柱状のステータ
6を簡単に製作することができる。また、ステータ6に
流れる渦電流を低減でき、電磁弁1の高速応答性が得ら
れる。
【0049】一方更に、本実施形態の電磁弁1では、ス
テータ6の外周に円筒状のリング11を配設し、そのリ
ング11により、ステータ6の組み付け荷重となるカバ
ー15の押圧力を受け止めるようにしているめ、ステー
タ6の上面に作用するカバー15の押圧力を低減でき、
この押圧力に起因するステータ6の上下方向の形崩れを
防止することができる。また、リング11を組み付ける
ことで、ステータ6の周方向への板材10の形崩れも防
止できる。
【0050】尚、上記実施形態の電磁弁1では、図4に
示したように、ステータ6を構成する板材10にて、貫
通孔9の内周面となる側縁に沿って、変形防止部材Rに
係合する係合溝10bを設けたが、板材10にて上記側
縁よりも内側に係合溝10bと同じ形状の孔を設け、そ
の孔に変形防止部材Rを貫通させるようにしても良い。
【0051】また、変形防止部材Rとしては、前述した
Cリング状のものに限らず、例えば、リング状の部材を
所定角度毎に分割したような円弧形状の部材を複数個用
いるようにしても良い。具体的には、変形防止部材Rと
して、平面形状が半円状(180度円弧状)の部材を2
つ用いたり、或いは、平面形状が90度円弧状の部材を
4つ用いたりすることが考えられる。
【0052】一方、ステータ6の軸方向における変形防
止部材Rの断面形状は、図1に示したような台形に限る
ものではないが、丸みを持った形状よりも多角形とした
方が、変形防止部材Rと板材10との滑りを無くして、
ステータ6の軸方向の剛性を高くすることができる。
【0053】一方更に、電磁弁1のステータとしては、
前述したステータ6の他に、例えば図10や図11に示
すような形態のものを用いても良い。 (1)まず、図10に示すステータ53は、磁性体から
なる複数の板材54を、中心軸に対して放射状に積層す
ることにより、その中心に、板材54の面に沿った方向
を軸方向とした貫通孔55を有する円柱状に形成されて
いる。尚、図10では、コイルを配設するためのコイル
挿入溝は図示を省略している。
【0054】そして、特に図示はされていないが、この
ステータ53においても、各板材54にて貫通孔55の
内周面となる側縁には、前述した実施形態の板材10に
設けた係合溝10bと同様の係合溝が設けられており、
その係合溝に変形防止部材Rが通された状態で、複数の
板材54が放射状に積層されている。
【0055】よって、このステータ53を用いた電磁弁
によっても、ステータ53の貫通孔55の周辺部が軸方
向に変形してしまうことを防止して、所定の性能を確実
に発揮することができるようになる。 (2)次に、図11に示すステータ56は、磁性体から
なるE字状の複数の板材57を積層することにより形成
され、更に、板材57を積層した後に、図11の如く、
その中心に、板材57の面に沿った方向を軸方向として
貫通孔58が穿設されている。尚、このステータ56で
は、板材57を積層した後のE字状の部位にコイルが巻
装される。
【0056】ここで、このステータ56の場合には、板
材57の各々に、上記貫通孔58の図11にて上側と下
側とに四角柱状の変形防止部材R’を夫々貫通させるた
めの、四角形の係合孔57aが予め形成されている。そ
して、複数の板材57を積層した後に、その係合孔57
aへ前記変形防止部材R’を圧入することにより、当該
ステータ56が、板材57の複数と交差して係合する変
形防止部材R’を、貫通孔58の周辺に直線的に内蔵す
るようにしている。
【0057】そして、このステータ56を用いた電磁弁
によっても、ステータ56の貫通孔58の周辺部が軸方
向に変形してしまうことを防止して、所定の性能を確実
に発揮することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の電磁弁の構成を示す断面図であ
る。
【図2】 ステータの斜視図である。
【図3】 図2のX−X線断面図である
【図4】 ステータを形成する板材の斜視図である。
【図5】 ステータの組み立て状態を説明する説明図で
ある。
【図6】 ステータ及びリングを示す斜視図である。
【図7】 ステータの下面図である。
【図8】 インナカム式分配型燃料噴射ポンプの構成を
示す断面図である。
【図9】 インナカム圧送部の構成を示す斜視図であ
る。
【図10】 他の実施形態のステータを示す斜視図であ
る。
【図11】 図10とは異なる他の実施形態のステータ
を示す斜視図である。
【図12】 従来技術を説明する説明図である。
【符号の説明】
1…電磁弁 6,53,56…ステータ 7…コイ
ル挿入溝 8…コイル 9,55,58…貫通孔 10,5
4,57…板材 10a…凹部 10b…係合溝 57a…係合孔
R…変形防止部材 Ra…切れ込み部 11…リング 13…アーマチ
ュア 14…ロッド 15…カバー 23…弁体 26a,26b…燃料
通路 28…圧縮コイルばね 31…インナカム式分配型燃
料噴射ポンプ 34…ベーン式フィードポンプ 36…分配ロータ 48…噴射通路 49…燃料スピル通路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の磁性体の板材を積層してなると共
    に、前記板材の面に沿った方向を軸方向として、該軸方
    向に貫通孔を有するステータと、 該ステータに巻装されたコイルの磁束により、該ステー
    タの前記軸方向と直交する方向の面に吸引される可動部
    材とを備え、 前記可動部材の移動に伴い弁体を動作させるよう構成さ
    れた電磁弁において、 前記ステータは、 前記板材の複数と交差して係合する変形防止部材を、前
    記貫通孔の周辺に内蔵していること、 を特徴とする電磁弁。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電磁弁において、 前記変形防止部材は、 前記板材の面に沿った方向の断面形状が、多角形に形成
    されていること、 を特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の電磁弁において、 前記多角形は、四角形であること、 を特徴とする電磁弁。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の電磁弁において、 前記四角形は、直角よりも小さい鋭角の内角を有した四
    角形であること、 を特徴とする電磁弁。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4の何れかに記載
    の電磁弁において、 前記板材は、厚さが均一で且つ湾曲形状をなしていると
    共に、前記ステータは、複数の前記板材を渦巻き状に積
    層してなること、 を特徴とする電磁弁。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5の何れかに記載
    の電磁弁において、 前記ステータが円柱状をなし、その外周部にリングを組
    み付けたこと、 を特徴とする電磁弁。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6の何れかに記載
    の電磁弁を、燃料スピル通路を開閉させる電磁スピル弁
    として備えたこと、 を特徴とする燃料噴射ポンプ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002541402A (ja) * 1999-03-31 2002-12-03 フェスト アクツィエンゲゼルシャフト ウント コー 電磁駆動装置
WO2014104657A1 (ko) * 2012-12-31 2014-07-03 Kim Jin Min 차량의 급발진 사고 방지장치

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JP2002541402A (ja) * 1999-03-31 2002-12-03 フェスト アクツィエンゲゼルシャフト ウント コー 電磁駆動装置
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