JPH10318985A - 構造部材破断の非破壊診断方法及び診断機能付建造物 - Google Patents

構造部材破断の非破壊診断方法及び診断機能付建造物

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JPH10318985A
JPH10318985A JP13212397A JP13212397A JPH10318985A JP H10318985 A JPH10318985 A JP H10318985A JP 13212397 A JP13212397 A JP 13212397A JP 13212397 A JP13212397 A JP 13212397A JP H10318985 A JPH10318985 A JP H10318985A
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JP
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magnetic flux
magnetic
measured
structural member
coil
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JP13212397A
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English (en)
Inventor
Kenichi Harakawa
健一 原川
Katsuya Okada
克也 岡田
Kenichi Unno
健一 海野
Norio Igawa
憲男 井川
Takatoshi Ogawa
孝寿 小川
Tadahiro Kakizawa
忠弘 柿沢
Keita Yamazaki
慶太 山崎
Kosuke Tsuruoka
孝輔 鶴岡
Akira Umekuni
章 梅国
Tadao Mikami
忠雄 三上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takenaka Komuten Co Ltd
Original Assignee
Takenaka Komuten Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被覆材を除去することなく、安定かつ正確に破
断状況を診断する。 【解決手段】 被測定部位の第1の端部に1次コイル2
2を巻き付け、該コイルに交流電流を流すための電源部
15を接続する。また、被測定部位の第2の端部に2次
コイル24を巻き付け、該コイルに発生する誘導起電力
を測定する測定部9を接続する。1次コイルに交流電流
を流したとき、部材を流れる磁束により発生した2次コ
イルの誘導起電力を検出し、該検出値のデジタル信号を
電源部15の交流電流と同期させて加算平均する。測定
部のコンピュータ14では、測定された同期加算平均値
に基づいて被測定部位の磁気抵抗値を演算し、正常時の
被測定部位の磁気抵抗値と比較することにより、被測定
部位の破断状況を診断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造部材破断の非
破壊診断方法及び診断機能付建造物に係り、特に、建造
物を構成する構造部材の磁気的性質に基づいて被覆材を
破壊することなくその破断状況を正確に検出できる構造
部材破断の非破壊診断方法及び該方法に基づいて当該建
造物の診断を実行する診断機能付建造物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に鉄骨構造建築では、主構造部材は
内外装材で被覆されていることが多い。このため、経年
変化による構造部材の劣化を診断したり、強い地震など
に遭遇した後に構造部材の破断状況を診断するために
は、被覆材を何らかの方法で撤去し、目視により確認す
る必要がある。
【0003】また、鉄骨を覆っている耐火被覆材を剥
ぎ、この鉄骨に超音波を照射したときの散乱波の測定結
果を解析することにより鉄骨の破断状況を検査する方法
(超音波診断法)が提案されている。この超音波診断法
によれば、被覆材の剥がれた鉄骨を単に目視で確認する
よりも、鉄骨内部の破断状況をより正確に検査すること
ができる。
【0004】しかしながら、上記のような構造部材の破
断状況診断方法では、被覆材の撤去やその修復等などに
多くの時間とコストがかかり、現実的でないという問題
がある。
【0005】そこで、被覆材を剥ぐことなく構造部材の
破断状況を診断する種々の技術(非破壊診断方法)が提
案若しくは実施されている。
【0006】例えば、被覆材の外部から被検査物を挟ん
で放射源とフィルムを設置し、放射源が放射したX線に
よりフィルムを感光させ、該フィルムに感光したX線透
過画像により、被覆材に覆われた構造部材の亀裂や切断
の状況を検査する方法(X線診断法)がある。
【0007】さらに、特願平8−253344号には、
導電性構造部材の被測定部位を挟む箇所に交流電圧を印
加し、被測定部位を流れる電流によって発生した磁場の
測定結果に基づいて被測定部位の破断状況を正確に検出
できる非破壊診断方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のX線診断法では、放射源を用いているため、取扱い
に注意が必要であり、非破壊診断方法の自動化には適さ
ないという問題がある。また、注意の必要な放射源とフ
ィルムとを被検査物を挟んで設置しなければならず、耐
火被覆材を剥がさないまでも設置のための労力は依然と
して大きかった。さらに、この方法では、構造部材内部
に隠れた小さな亀裂などをX線透過画像から検出するこ
とが困難であるという問題がある。
【0009】一方、磁場の測定により破断状況を非破壊
で診断する上記従来技術では、構造部材を流れる電流に
より発生する磁場の測定結果により診断するため、被測
定部位の部材に電流が流れたか否かによって、その診断
結果に大きな違いがでてくる。
【0010】ところが、地震等により構造部材に亀裂や
破断が発生して一度は電流が流れなくなっても、何らか
の原因により一部が再度接触した場合に電流が流れてし
まい、電流が流れたか否かによる破断の有無の判別の精
度が著しく低下するという問題がある。また、一度破断
された構造部材が偶発的に接触した場合、当該建造物の
他の構造部材に流れる電流分布も変化するため、他の構
造部材の推定結果にも大きな影響をもたらす。すなわ
ち、この従来技術では、診断結果が偶発的な接触の有無
により左右され、安定した診断結果が得られない。
【0011】本発明は上記事実を考慮してなされたもの
で、被覆材を撤去することなく、安定かつ正確に破断状
況を診断できる構造部材の非破壊診断方法及び該方法を
用いて診断を実行する診断機能付建造物を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、構造部材の被測定部位の第1の
端部に起磁力を印加する磁化工程と、前記起磁力により
磁束が貫流された被測定部位の第2の端部で、磁束又は
磁束に関連した物理量を測定する測定工程と、前記第1
の端部で印加された起磁力と前記第2の端部で測定され
た磁束又は磁束に関連した物理量とに基づいて、被測定
部位の第1の端部から第2の端部までの磁気抵抗又は磁
気抵抗に関連した物理量を推定する推定工程と、前記推
定工程により推定された磁気抵抗又は磁気抵抗に関連し
た物理量に基づいて、被測定部位の破断状況を診断する
診断工程と、からなることを特徴とする。
【0013】(請求項1の発明の原理)請求項1の発明
の原理を図2を用いて説明する。なお、ここで述べる構
造部材は、磁性体(例えば鉄骨)でできているとする。
【0014】図2(a)に示すように、構造部材の被測
定部位を挟む第1の端部で、図示の方向に起磁力Fを印
加すると、この方向に沿って該被測定部位を磁束が貫流
する。被測定部位の第2の端部を流れる磁束をΦ、被測
定部位の磁気抵抗をRm [1/H]とすると、 Rm = F/Φ (1) が成立する。すなわち、第2の端部で磁束Φを測定すれ
ば、印加した起磁力Fにより被測定部位の第1の端部か
ら第2の端部までの磁気抵抗値を(1) 式より求めること
ができる。なお、ここで用いる起磁力Fの値として、実
測値ではなく理論値を用いても良い。
【0015】ここで、図3(a)に示すように、被測定
部位の長さ(磁束方向)をL、断面積をS、構造部材の
透磁率をμとした場合、被測定部位の部材が全く破断し
ていない正常時の被測定部位の磁気抵抗Rm0は、 Rm0 = L/μS (2) で与えられる。なお、この正常時の磁気抵抗Rm0は、
(2) 式に設計値を代入して求められるが、構造部材の正
常時( 施工時など) に実測により求めても良い。
【0016】ところが、被測定部位の部材が一部破断し
た図3(b)の場合の磁気抵抗Rm1及び被測定部位の部
材が完全に破断した図3(c)の場合の磁気抵抗R
m2は、正常時の磁気抵抗Rm0より大きくなる。破断箇所
の透磁率μ’は、正常時の透磁率μよりも小さくなり、
破断箇所が磁束を通しにくくなるからである。この磁気
抵抗の変化特性は、例えば、構造部材にクラック(亀
裂、ひび割れ等)があるときには、磁気抵抗が亀裂幅に
対して指数関数的に増大する。
【0017】そこで、本発明では、磁気抵抗が部材の破
断状況によって敏感に変化することに着目し、診断工程
で、被測定部位の磁気抵抗又は磁気抵抗に関連した物理
量に基づいて、被測定部位の破断状況を診断することと
した。例えば、正常時の磁気抵抗Rm0と、(1) 式に基づ
いて測定結果から得られた磁気抵抗Rm とを比較し、そ
の違いから被測定部位の破断状況が正確に診断できる。
すなわち、被覆材を剥ぐことなく、破断状況を正確に診
断することができる。また、構造部材に電流を流す方法
は、亀裂が発生しても一部でも再度接触すれば、電流が
流れてしまい亀裂の判別精度が低下する問題があるが、
磁気抵抗の場合には、一部が再度接触しても磁気抵抗が
大きく変化することはないため、破断の判別の精度を保
持することができる。 (請求項2の発明の原理;シミュレーション法)請求項
2の発明は、建造物を構成する複数の構造部材の1又は
複数の第1の端部に起磁力を印加する磁化工程と、前記
起磁力により磁束が貫流された複数の構造部材の1又は
複数の第2の端部で、磁束又は磁束に関連した物理量を
測定する測定工程と、前記第1の端部で印加された起磁
力と前記第2の端部で測定された磁束又は磁束に関連し
た物理量とに基づいて、前記建造物と等価な磁気回路網
を推定することにより各構造部材の磁気抵抗又は磁気抵
抗に関連した物理量を推定するシミュレーション工程
と、前記シミュレーション工程により推定された各構造
部材の磁気抵抗又は磁気抵抗に関連した物理量に基づい
て、各構造部材の破断状況を診断する診断工程と、から
なることを特徴とする。
【0018】図14(a)に、構造部材(磁性体)によ
り構成される構造物(特に鉄骨構造)を簡単に表現した
モデルを示す。図14(a)に示された構造物の個々の
構造部材1〜6は、その材料成分(透磁率)、長さ、断
面積等によって定まる固有の磁気抵抗値を各々有してい
る。
【0019】そこで、この構造物を抵抗体として等価な
磁気回路網に置き換えると、図14(b)のようにな
る。図14(b)によれば、構造部材1〜6は、それぞ
れ磁気抵抗r1 〜r6 と等価である。そして、図14
(b)のa点及びb点の間の全磁気抵抗値は、これら構
造部材の磁気抵抗値及び部材間の結合方法によって、そ
の建造物固有の値として定まっている。
【0020】このような磁気回路網においてa−b間に
起磁力Fを印加すると、各構造部材には、起磁力と各磁
気抵抗値とによって定まる磁束が流れる。ここで、地震
や経年変化などによって構造部材のいずれかが完全に破
断されたり、部分的に破断されたりすると、破断された
構造部材の固有の磁気抵抗値が変化し、各構造部材(破
断していないものも含む)を流れる磁束も変化する。
【0021】本発明では、このような磁気等価回路網に
おいて、1又は複数の構造部材の第1の端部(例えば、
柱梁接合部)に起磁力を印加し、1又は複数の第2の端
部(他の柱梁接合部の測定ポイント)を流れる磁束を測
定する。そして、印加した起磁力と測定された磁束値か
らすべての構造部材の磁気抵抗値を推定する。この推定
では、磁気回路網においても成り立つキルヒホッフの法
則などを用いることにより、すべての構造部材を流れる
磁束を測定しなくとも各磁気抵抗値が推定できる。
【0022】各磁気抵抗の値は、図14(b)の等価磁
気回路網の場合、例えば以下のような方法で求められ
る。
【0023】a−b間に起磁力Fを印加した場合の各磁
気抵抗r1 、r2 、r3 、r4 、r 5 、r6 を流れる磁
束をそれぞれφ1 、φ2 、φ3 、φ4 、φ5 、φ6
し、各磁気抵抗にかかる起磁力をそれぞれf1 、f2
3 、f4 、f5 、f6 とすると、キルヒホッフの法則
より、 φ1 = φ2 +φ3 、φ2 =φ4 =φ5 、φ6 =φ1 (3) f1 =r1 φ1 、f2 =r2 φ2 、f3 =r3 φ3 、 f4 =r4 φ4 、f5 =r5 φ5 、f6 =r6 φ6 、 (4) F=f1 +f3 +f6 、f3 =f2 +f4 +f5 (5) が成立する。
【0024】ここで、既知の値は、起磁力Fと測定ポイ
ントにおける磁束であり、これらの値を(3) 〜(5) 式に
代入することによって各磁気抵抗r1 〜r6 を求める。
この場合、(3) 〜(5) 式の関係により、すべての接合点
を測定ポイントに選ばなくてもすべての磁気抵抗を推定
できる。例えば、接合点cと接合点fとを測定ポイント
として選び、φ1 とφ4 を測定すれば、(3) 式からφ
2 、φ3 、φ5 、φ6 を自動的に求めることができる。
そして、求めたφ1 〜φ6 の値から(4) 、(5) 式を用い
て磁気抵抗r1 〜r6 を推定できる。このようにして本
発明では、破断状況の診断精度を低下させることなく、
測定ポイント数(被測定部位の数)を可能な限り減らす
ことができ、建造物の診断に要する労力を軽減すること
ができる。
【0025】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
記載の発明において、前記磁化工程が、前記第1の端部
の周囲に巻き付けられた第1のコイル(コイル20)に
交流電流を流す工程であると共に、前記測定工程が、前
記第2の端部の周囲に巻き付けられた第2のコイル(コ
イル21)に誘起された誘導起電力に基づいて、磁束又
は磁束に関連した物理量を測定する工程であることを特
徴とする。
【0026】請求項3の発明では、起磁力Fを印加する
磁化手段として、図2(b)に示すように、第1の端部
の構造部材の周囲に巻き付けられたコイル20を用い
る。なお、コイル20は、構造部材の表面に直接巻き付
けても良いし、被覆材の外側から巻き付けても良い。コ
イル20の巻数をN1 、コイルに流れる電流をIとする
と、F=N1 Iの起磁力が第1の端部で発生し、Φ=N
1 I/Rm の磁束が第2の端部において発生する。
【0027】また、第2の端部で磁束Φを測定する測定
手段として、図2(b)に示すように、第2の端部の周
囲に巻き付けられたコイル21を用いる。コイル21を
測定手段として用いた場合には、磁化手段のコイル20
に交流電流Iを流すことにより、コイル21を貫通する
磁束Φを時間的に変化させ、コイル21に誘導起電力e
i を誘起させる。コイル21の巻数をN2 、時間をtと
した場合、コイル21の誘導起電力ei は、 ei = −N2 (dΦ/dt) (6) となる。
【0028】コイル21の誘導起電力ei を検出し、こ
の検出値を時間に関して積分すれば、(6) 式に基づいて
第2の端部における磁束Φの時間平均値を求めることが
できる。また、誘導起電力ei の時間平均値を磁束に関
連した物理量として磁束Φの代わりに用いても良い。
【0029】請求項4の発明は、請求項3の前記測定工
程が、前記第2のコイルに誘起した誘導起電力の検出値
を前記第1のコイルを流れる交流電流の周波数と同期さ
せて加算平均し、この加算平均された値に基づいて磁束
又は磁束に関連した物理量を測定することを特徴とす
る。
【0030】請求項4の発明では、コイル20の交流電
流Iの周波数に同期させて誘導起電力ei の検出値を一
定時間の間加算し、この加算値を該一定時間で除算する
ことにより、同期加算平均値が求められる。このように
して得られた同期加算値は、第2の端部の磁束Φに関連
した物理量であり、この同期加算平均値より(6) 式に基
づいて磁束Φの同期加算平均値が求められる。このよう
な同期加算平均値を用いることにより、コイル20以外
の磁気源からの磁気ノイズの影響を低減させることがで
きる。すなわち、磁気雑音源に埋もれた微弱な磁気信号
を関知して信号を取り出すことが可能となる。ひいて
は、第1のコイルに流す電流を小さくすることができ、
診断システム全体をコンパクトにすることが可能とな
る。
【0031】そして、第1の端部で印加された起磁力F
と磁束Φの同期加算値とから(1) 式より被測定部位の磁
気抵抗Rm を求めることができる。但し、コイル20に
よる実際の起磁力Fは、交流電流Iと共に時間的に変化
するので、その時間平均値を用いる。この場合、磁束Φ
と同様に同期加算平均値を求めても良い。また、実測値
ではなく理論値を用いても良い。なお、磁束Φの代わり
に磁束Φに関連した物理量を求めた場合には、磁気抵抗
m の代わりに磁気抵抗と関連した他の物理量を用いる
ことができる。
【0032】(請求項5の発明の原理)請求項5の発明
は、構造部材の被測定部位の第1の端部に起磁力を印加
する磁化工程と、前記磁化工程により磁束が貫流された
被測定部位の周囲の磁束密度又は磁束密度分布を測定す
る測定工程と、前記測定工程により測定された被測定部
位周囲の磁束密度又は磁束密度分布に基づいて、被測定
部位の破断状況を診断する診断工程と、からなることを
特徴とする。
【0033】構造部材の被測定部位の第1の端部に起磁
力を印加すると、構造部材に磁束が流れるだけでなく、
構造部材周囲の空間部分においても磁束が漏れ出てく
る。この空間部分に漏れ出た磁束密度も、構造部材の磁
気抵抗が増大するに従い、変化する。従って、上記請求
項1の発明と同様の原理により、構造部材の破断状況を
正確に診断することができる。さらに、構造部材にクラ
ックが生じると、その周囲の磁束密度分布が乱れるの
で、この乱れを検出することによってクラックの位置を
推定でき、破断状況をより正確に診断することができ
る。
【0034】請求項6の発明は、請求項5記載の発明に
おいて、前記磁化工程が、前記第1の端部の周囲に巻き
付けられた第1のコイルに交流電流を流す工程及び前記
第1の端部の近傍において高透磁率材料で橋渡しされた
2つの永久磁石を同期して回転させる工程のいずれかで
あると共に、前記測定工程が、磁束密度又は磁束密度分
布の検出値を前記第1のコイルを流れる交流電流の周波
数又は前記2つの永久磁石の回転周波数と同期させて加
算平均し、この加算平均された値を測定結果とすること
を特徴とする。
【0035】請求項6の発明では、第1のコイルに交流
電流を流し、構造部材の周囲で検出された磁束密度又は
磁束密度分布の検出値を第1のコイルを流れる交流電流
の周波数と同期させて加算平均し、この加算平均された
値を測定結果とするので、請求項3の発明と同様に、第
1のコイル以外の磁気源からの磁気ノイズの影響を低減
させることができ、より正確な診断が可能となる。ま
た、本発明では、第1のコイルの代わりに2つの永久磁
石を高透磁率材料で結び付けたものを用いても良い。そ
して、2つの永久磁石により生じた磁束を構造部材を通
して閉じさせ、これらの永久磁石を同期させて回転させ
ることにより、測定工程において同期加算平均値を求め
ることが可能となりノイズの影響を低減させることがで
きる。すなわち、磁気雑音源に埋もれた微弱な磁気信号
を関知して信号を取り出すことが可能となる。ひいて
は、第1のコイルに流す電流を小さくしたり、永久磁石
の強さを小さくすることができ、診断システム全体をコ
ンパクトにすることが可能となる。
【0036】請求項7の発明は、請求項4又は請求項6
記載の発明において、前記第1のコイルを流れる交流電
流の周波数又は前記2つの永久磁石の回転周波数を、商
用電源を含む磁気的雑音源の周波数及び該周波数の高調
波以外の周波数に設定したことを特徴とする。
【0037】請求項7の発明では、第1のコイルを流れ
る交流電流の周波数又は2つの永久磁石の回転周波数
を、商用電源を含む磁気的雑音源の周波数及び該周波数
の高調波以外の周波数に設定したので、磁気的雑音源に
よるノイズの影響をさらに低減することができる。
【0038】請求項8の発明は、複数の構造部材からな
る診断機能付建造物において、各構造部材の所定箇所か
ら起磁力を印加可能な複数の磁化手段と、各構造射部材
を貫流する磁束又は磁束に関連した物理量を各々測定可
能な第1の測定手段、及び各構造部材の周囲の磁束密度
又は磁束密度分布を各々測定可能な第2の測定手段の少
なくともいずれかの測定手段と、定期的に又は診断の指
令を受けたときに、請求項1乃至請求項7のいずれか1
項記載の構造部材破断の非破壊診断方法により、前記磁
化手段及び前記測定手段を用いて前記複数の構造部材の
破断状況の診断を行う制御手段と、を有することを特徴
とする。
【0039】請求項8の発明では、建造物自体に請求項
1乃至請求項7のいずれか1項記載の診断方法に基づく
自己診断機能を付与し定期的又は診断の指令を受けた任
意時に破断状況を診断するようにしたので、測定の労力
を大幅に低減できると共に破断状況を漏れなく安定かつ
正確にチェックすることができ、ビル等の構造建築物の
安全性を確保することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施の形態について説明する。
【0041】(第1の実施の形態)図1に、第1の実施
の形態に係る診断システムのブロック図を示す。
【0042】図1に示すように、第1の実施の形態に係
る診断システムは、建造物を構成する構造部材の任意の
被測定部位26を診断の対象としている。この被測定部
位26を挟む一方の端部には、起磁力を発生させる励起
用の1次コイル22が巻き付けられ、被測定部位26を
挟む他方の端部には、磁束を測定するための2次コイル
24が巻き付けられている。
【0043】1次コイル22の端子23には、該コイル
に交流電流を供給するための電源部15が接続されてい
る。この電源部15は、入力された制御信号に応じて任
意周波数及び任意波形の交流信号を生成するファンクシ
ョンジェネレータ16と、このファンクションジェネレ
ータ16が生成した交流信号を増幅して1次コイル22
に出力するパワーアンプ108とから構成されている。
なお、ファンクションジェネレータ16が生成する交流
信号の周波数は、商用電源を含む磁気ノイズ源の周波数
(商用電源の場合は50Hz又は60Hz)とその周波
数の整数倍の周波数(高調波)とは異なる周波数帯に設
定される。
【0044】また、2次コイル24の端子25には、該
コイルの測定データを処理するための測定部9が接続さ
れている。この測定部9は、2次コイル24から出力さ
れた電気信号を増幅すると共にバンドパスフィルタによ
りノイズ成分をカットするアンプ・フィルターユニット
10と、このアンプ・フィルターユニットが出力したア
ナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換器12
と、AD変換されたデジタル信号を収集、処理するコン
ピュータ14と、から構成されている。
【0045】なお、アンプ・フィルターユニット10の
バンドパスフィルタの周波数帯域も、商用電源を含む磁
気ノイズ源の周波数とその周波数の整数倍の周波数(高
調波)とは異なる周波数帯に設定されている。すなわ
ち、本実施の形態に係る診断システムでは、磁気ノイズ
源の周波数とその整数倍の周波数を避けて起磁力の印加
及び測定を行う。これにより、商用電源などからの磁気
ノイズの影響が低減できる。
【0046】また、コンピュータ14には、ファンクシ
ョンジェネレータ16が接続されており、コンピュータ
14は、上記の制御信号をファンクションジェネレータ
16へ送出する。また、ファンクションジェネレータ1
06は、生成した電気信号に同期した同期信号をコンピ
ュータ14に送出する。コンピュータ14はファンクシ
ョンジェネレータ16から送られてきた同期信号に同期
させてAD変換器12の出力信号を加算平均することが
できる。なお、ファンクションジェネレータ12が同期
信号を送る場合は、コンピュータ14を外部同期させん
とするときであり、コンピュータ14が自己同期する場
合には同期信号の転送は不必要となる。
【0047】次に、コンピュータ14の詳細な構成を図
6に示す。同図に示すように、コンピュータ14は、所
定のプログラムに基づいて装置全体を制御・管理するC
PU30と、上記プログラムが格納されたROM32
と、CPU30の作業域として用いられるRAM34
と、診断用のデータベース38(正常時の各構造部材の
磁気抵抗値等からなる)が格納されたハードディスク3
6と、CPU30の処理結果等を表示する表示部42
と、キー等によりオペレータの指令を入力可能な入力部
44と、外部機器との入出力を制御する入出力インター
フェース46と、を備え、各々が命令やデータを転送す
るためのバス40と接続されている。
【0048】なお、CPU30は、入出力インターフェ
ース46を介して入力されたAD変換器12の出力信号
を、ファンクションジェネレータ16からの同期信号又
は自己の同期信号と同期させて加算平均したり、或いは
パルス圧縮等の各種処理を実行することができる。
【0049】ところで、本実施の形態の診断システムで
は、1次コイル22及び2次コイル24により挟まれた
被測定部位の破断状況の診断が可能であり、両コイルの
巻き付け場所によって診断箇所を特定することができ
る。ここで、建造物の構造部材(柱又は梁)の接合部
(柱梁接合部)に、1次コイル22及び2次コイル24
を巻き付けた例を図4に示す。なお、柱梁接合部に巻き
付けられたコイルの金属線は、コイルとして正常に動作
させるため、絶縁被覆を施された線を用いる。
【0050】柱梁接合部にコイルを巻き付けることによ
り、柱梁接合部間に挟まれた構造部材のほとんどすべて
の部分の破断状況の診断を行うことができる。なお、図
4に示されたコイルのいずれも、そのコイル端子を測定
部9及び電源部15のいずれに接続するかによって、励
起用の1次コイル22及び測定用の2次コイルのいずれ
にも用いることができる。なお、このようなコイルを建
造物の建造時に設置する際のコストの増加は軽微であ
る。
【0051】そこで、図5に示すように、複数のコイル
のうちの任意の2つのコイルの端子を、測定部9及び電
源部15に各々接続切り替え可能な端子切替装置28
を、複数のコイルと診断システムとの間に介在させても
良い。なお、この端子切替装置28は、手動で端子を切
り替える端子板として構成しても良いし、コンピュータ
14からの指令により自動的に端子を切り替えるリレー
などで構成しても良い(図6参照)。
【0052】次に、上述のように構成された診断システ
ムによる診断の流れを、図9のフローチャートを用いて
説明する。
【0053】図9のフローチャートに示すように、ま
ず、被測定部位の1次コイル22(図1)に電源部15
から所定波形及び所定周波数の交流電流を流す(ステッ
プ200)。このとき、1次コイル22には交流電流に
応じて時間的に変化する磁束が発生し、この磁束は被測
定部位26を貫流して2次コイル24を貫通する。2次
コイル24には、該コイルを貫通した変化する磁束によ
り(6) 式の誘導起電力e i が発生する。
【0054】そこで、測定部9が2次コイル24に発生
した誘導起電力ei を検出する(ステップ202)。誘
導起電力は、アンプフィルタユニット10によりノイズ
成分が除去されると共に増幅され、AD変換器12によ
りデジタル信号に変換されてコンピュータ14に入力さ
れる。
【0055】次に、コンピュータ14が、入力された検
出値に基づいて、2次コイル24を貫通した第2の端部
における磁束Φの同期加算平均値を演算する(ステップ
204)。そして、ステップ204で演算された磁束Φ
の同期加算平均値と、ステップ200で印加した起磁力
とに基づいて被測定部位の磁気抵抗Rm を(1) 式により
求める(ステップ206)。
【0056】次に、コンピュータ14のCPU30が、
データベース38に格納されている当該被測定部位の正
常時の磁気抵抗値をRAM34に読み出す(ステップ2
08)。そして、求められた現在の磁気抵抗値と正常時
の磁気抵抗値との差ΔRを演算する(ステップ21
0)。
【0057】次に、ΔRが所定のしきい値Aを越えてい
るか否かを判定する(ステップ212)。なお、このし
きい値Aは、磁気ノイズの統計的平均値として求めるこ
とができる。
【0058】ΔRがしきい値Aを越えている場合(ステ
ップ212肯定判定)、ΔRの値に基づいて被測定部位
の構造部材の破断の程度を診断する(ステップ21
4)。例えば、予めΔRをその大きさに応じて複数の段
階に分類しておき、各段階に破断の程度を示す診断コー
ドを付与しておく。そして、求められたΔRがどの段階
に分類されるかを判定し、この段階に割り当てられた診
断コードを特定する。
【0059】次に、表示部42に、ステップ214の診
断結果を表示し(ステップ218)、診断を終了する。
また、コンピュータ14に図示しないプリンタが接続さ
れている場合、プリンタにも診断結果を出力するように
しても良い。なお、診断結果の表示方法として、例え
ば、ステップ214で得られた診断コードを表示した
り、或いは該コードに相当する破断の程度を表示したり
する方法がある。
【0060】これに対し、ΔRがしきい値Aを越えてい
ない場合(ステップ212否定判定)、被測定部位の構
造部材が破断していないと診断する(ステップ21
6)。そして、破断していない旨の診断結果を表示、出
力し(ステップ218)、診断を終了する。
【0061】このように本実施の形態では、被覆材を剥
ぐことなく構造部材の破断状況を診断できるので、診断
に要する労力や時間を大幅に低減することができる。ま
た、被測定部位に電流を流す診断方法では、亀裂が発生
しても一部でも再度接触すれば電流が流れてしまい亀裂
の判別精度が低下する問題があったが、本実施の形態の
ように磁束を流す診断方法によれば、亀裂の一部が再度
接触しても磁気抵抗が大きく低下することはないため、
破断の判別精度を高精度に維持できる。
【0062】なお、本実施の形態の診断システムにより
実際に診断を行う際の態様として,例えば、図7に示す
態様がある。すなわち、ある部屋の鉄骨57の柱梁接合
部に巻き付けられた1次コイル22の端子56及び2次
コイルの端子54を被覆材の表面に予め設置しておく。
そして、移動可能な台車51の上に載せられた測定ユニ
ット50(測定部9を内蔵)及び電源ユニット52(電
源部15を内蔵)の端子を、それぞれケーブル53、ケ
ーブル55を介して端子54、端子56にそれぞれ接続
し、この設置状態で鉄骨57の破断状況を診断する、と
いうものである。
【0063】ところで、図7の診断システムの場合、建
造物の施工時などに各構造部材に予め1次コイル及び2
次コイルを埋め込んでおく必要がある。しかし、このよ
うな設備を有していない建造物の場合でも、図8に示す
ように、鉄骨を取り巻く耐火被覆材の上からコイルを巻
き、これらを1次コイル58及び2次コイル59として
用いることができる。
【0064】なお、1つの部屋に図5の端子切替装置2
8を設置し、図6及び図7のような診断システムを、端
子切替装置28を介して当該部屋にあるすべての1次及
び2次コイルと切り替え接続させることも可能である。
この場合、測定ユニット及び電源ユニットを端子切替装
置28に接続するだけで当該部屋のすべての柱の診断が
可能となり、診断に要する労力や時間を軽減させること
ができる。
【0065】(第2の実施の形態)次に、第2の実施の
形態を説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成
については同一の符号を付して詳細な説明を省略し、異
なる部分についてのみ説明する。
【0066】図10には、第2の実施の形態に係る診断
方法の概念図が示されている。同図に示すように、建造
物を構成する各柱梁接合部に設置された励起用の一次コ
イルに電流を流して起磁力を印加させると、発生した磁
束が各構造部材を貫流すると共に構造部材の周囲の空間
部分にも磁束が漏れ出てくる。
【0067】そこで、第2の実施の形態では、この空間
部分の磁束密度又は磁束密度分布を測定することにより
各構造部材の破断状況を診断する。すなわち、亀裂によ
り構造部材の磁気抵抗が増大すると、該構造部材及びそ
の周囲の空間部分を通って閉じる磁気回路全体の磁気抵
抗が増大するので、空間部分で観測される磁束密度は変
化し、よって、この変化に基づいて破断状況を診断でき
るからである。
【0068】図11に、第2の実施の形態の診断システ
ム(第1例)の構成を示す。なお、第1例は、空間の一
点の磁束密度を測定する診断システムである。同図に示
すように、測定手段として、部材に巻き付けた2次コイ
ルの代わりに、被測定部位26の周囲の空間部分に磁束
密度を検出する磁気センサー60が設置されている。こ
の磁気センサ60ーは、アンプフィルタユニット10と
接続されており、アンプフィルタユニット10は、磁気
センサー60の検出信号を増幅すると共にノイズ成分を
除去する。他の構成は、第1の実施の形態と全く同様で
ある。
【0069】この磁気センサー60として、例えばコイ
ル、SQUID (Superconducting Quantum Interference D
evice )磁束計、SQUID ラジオメータなどを用いること
ができる。また、図11の診断システムでは、空間の一
点の磁束密度を測定するため、正常時の磁束密度と比較
して診断を正確に行うためには、測定位置の再現性が重
要となる。そこで、磁気センサー60を予め所定の位置
に埋め込んでおくか、或いは磁気センサー60を脱着可
能なアタッチメントを所定位置に設置しておく方法を採
用することが望ましい。
【0070】次に、図12に、第2の実施の形態の診断
システム(第2例)の構成を示す。なお、第2例は、空
間の磁束密度分布を測定する診断システムである。同図
に示すように、測定手段として、被測定部位26の周囲
の磁束密度分布を検出する磁気センサアレイ62が設置
されている。この磁気センサアレイ62は、複数の磁気
センサーを格子状に並べて配置したものであり、これら
の磁気センサーの各検出値により、磁気センサアレイ上
の磁束密度分布を測定することができる。
【0071】磁気センサアレイ62は、アンプフィルタ
ユニット10と接続されており、アンプフィルタユニッ
ト10は、磁気センサアレイ62の各センサーからの複
数の検出信号を各々増幅すると共にノイズ成分を除去
し、AD変換器12は、各々の増幅信号をAD変換す
る。そして、コンピュータ14は、AD変換された複数
のデジタルデータを処理することにより、磁束密度分布
を検出する。
【0072】このような磁気センサアレイ62による磁
束密度分布の測定では、図12に示すように、構造部材
中に生じたクラックにより発生した磁場の乱れを検出す
ることができる。また、磁気センサアレイの場合も、正
常時の磁束密度分布と比較して診断する場合には、測定
位置の再現性が重要となり、上述した磁気センサーの固
定方法を採用することが望ましい。
【0073】なお、磁束密度分布を測定する診断システ
ムは、図12の磁気センサー60を複数用意し、各セン
サーをそれぞれ所定位置に設置することによっても実現
できる。
【0074】次に、上述のように構成された診断システ
ムによる診断の流れを、図14のフローチャートを用い
て説明する。
【0075】図14のフローチャートに示すように、ま
ず、被測定部位の1次コイル22(図1)に電源部15
から所定波形及び所定周波数の交流電流を流す(ステッ
プ220)。このとき、1次コイル22には交流電流に
応じて時間的に変化する磁束が発生し、この磁束は被測
定部位26を貫流すると共に、その一部は被測定部位の
周囲の空間部分に漏れ出す。被測定部位が破断したり亀
裂が生じていると、この空間部分に漏れ出る磁束密度も
小さくなる。
【0076】そこで、図11の磁気センサー60又は図
12の磁気センサアレイ62により、所定位置で磁束密
度又は磁束密度分布を検出する(ステップ222)。検
出された信号は、アンプフィルタユニット10によりノ
イズ成分が除去されると共に増幅され、AD変換器12
によりデジタル信号に変換されてコンピュータ14に入
力される。次に、コンピュータ14が、入力された検出
値(磁束密度又は磁束密度分布)を1次コイルに流れる
交流電流の周波数に同期させて加算平均値を演算する
(ステップ224)。そして、コンピュータ14のCP
U30が、データベース38に格納されている所定位置
での正常時の磁束密度又は磁束密度分布をRAM34に
読み出す(ステップ226)。
【0077】次に、ステップ224で測定された磁束密
度又は磁束密度分布の同期加算平均値と、ステップ22
6で読み出された正常時の磁束密度又は磁束密度分布の
値とを比較して破断状況を診断する(ステップ22
8)。例えば、磁束密度を比較する場合、図9のように
測定値と正常値との差ΔRを演算し、ΔRに基づいて判
断の有無や破断の程度を判定する。また、磁束密度分布
を比較する場合には、磁束密度の大きさだけでなく、磁
束密度分布の相違や乱れの有無を判定する。
【0078】そして、表示部42に、ステップ228の
診断結果を表示したり、或いはプリンタに出力して(ス
テップ230)、診断を終了する。
【0079】このように第2の実施の形態においても、
被覆材を剥ぐことなく構造部材の破断状況を診断できる
ので、診断に要する労力や時間を大幅に低減することが
できる。また、亀裂の一部が再度接触しても磁気抵抗が
大きく変化せず、よって周囲の磁束密度が大きく変化す
ることはないため、破断の判別精度を高精度に維持でき
る。
【0080】さらに、図12の診断システムにおいて磁
束密度分布を測定する場合、クラックの位置に応じて磁
束密度分布が変化するので、この変化を検出すれば、破
断状況をさらに詳細に判定することができる。例えば、
図12の磁気センサアレイ62を移動可能に構成する
か、或いは複数箇所に設置できるように構成し、磁気セ
ンサアレイ62により各測定ポイント毎に磁束密度分布
を測定していき、磁場の乱れが検出された位置の近傍に
クラックが存在していると判定することができる。
【0081】なお、上記例では、構造部材に起磁力を印
加する磁化手段として、構造部材の周囲に巻いた1次コ
イルを用いたが、永久磁石を磁場源として構造部材中に
磁束を流しても良い。1つの例として、図19に示すよ
うに、2つの永久磁石を高透磁率材料で結び付け、生じ
た磁束を鉄骨構造部材を通して閉じさせる。そして、2
つの永久磁石を同期させて回転させることにより、セン
シングにおいて、同期加算平均を用いることが可能とな
りノイズの影響を低減させることができる。
【0082】図19の診断システムでは、高透磁率材料
で橋渡しされた2つの永久磁石から生じた閉じた磁束が
鉄骨中を流れ、該鉄骨中のクラックにより発生した磁束
密度分布の乱れを磁気センサアレイで検出し、検出され
た磁束密度分布の乱れからクラックの有無を診断する。
なお、図19の例は、磁束密度分布を検出する方法であ
るが、構造部材近傍の所定位置での磁束密度を検出する
方法にも適用可能である。 (第3の実施の形態)次に、上記シミュレーション法を
実現する第3の実施の形態を説明する。なお、第1及び
第2の実施の形態と同様の構成については同一の符号を
付して詳細な説明を省略し、異なる部分についてのみ説
明する。
【0083】図15には、第3の実施の形態に係る診断
方法の概念図が示されている。同図に示すように、建造
物を構成する柱や梁(構造部材)の各柱梁接合部の各々
にコイルを巻き付けておき、これらのうち任意の1つ又
は複数のコイルを励起用の1次コイルとして動作させ、
残りのコイルを測定用の2次コイルとして用いる。
【0084】図15の建造物において1又は複数の1次
コイルを動作させて各柱や梁に磁束を流したとき、いず
れかの柱や梁に破断箇所があると、この柱や梁の磁気抵
抗が顕著に増加するため、流れる磁束が少なくなり、こ
の柱や梁に巻いた2次コイルに誘起される電圧は小さく
なる。また、破断部を有しない他の柱や梁を流れる磁束
も変化し、当該柱や部材に巻いた2次コイルに誘起され
る電圧も変化する。
【0085】従って、各柱や梁に流れる磁束又はこれに
関連する2次コイルに誘起した電圧の変化に基づいて、
各構造部材の破断状況を診断することができる。
【0086】第3の実施の形態に係る診断方法を実現す
る診断システムは、各柱梁接合部毎に、図1や図5のよ
うな測定システムを用意し、各測定システムの測定結果
をネットワーク等を介して中央監視装置で集計して診断
を行うように構成することができる。
【0087】次に、上述のように構成された診断システ
ムによる診断の流れを、図16のフローチャートを用い
て説明する。
【0088】図16のフローチャートに示すように、ま
ず、1又は複数の1次コイルに交流電流を流す(ステッ
プ240)。次に、1又は複数の測定ポイント(任意に
選択された柱梁接合部における2次コイルの設置ポイン
ト)の2次コイルに誘起した誘導起電力を検出する(ス
テップ242)。
【0089】次に、ステップ242の検出値に基づい
て、2次コイルを貫通した磁束Φの同期加算平均値を演
算する(ステップ244)。そして、ステップ240で
印加した各1次コイルによる起磁力と、ステップ244
で測定された各測定ポイントの磁束Φの同期加算平均値
とに基づいて、当該建造物と等価な磁気回路網を推定
し、各構造部材の磁気抵抗値を求める(ステップ24
6)。なお、この推定原理は、上記発明の原理で説明し
た方法による。
【0090】次に、コンピュータ14のCPU30が、
データベース38に格納されている当該被測定部位の正
常時の磁気抵抗値をRAM34に読み出す(ステップ2
50)。次に、ステップ246で推定された磁気抵抗値
と、ステップ250で読み出された磁気抵抗値とを比較
し、各構造部材の破断状況を診断する(ステップ25
2)。そして、診断結果を表示、出力して(ステップ2
54)、診断を終了する。
【0091】第3の実施の形態でも、第1及び第2の実
施の形態と同様の効果を奏するが、すべての構造部材の
接合部において起磁力を印加したり磁束を測定しなくて
も、各構造部材の診断が可能となるので、診断に要する
労力や時間をさらに軽減することができる。
【0092】(第4の実施の形態)第4の実施の形態の
診断システムは、建造物自体に破断状況の診断機能を備
えたもので、その構成を図17を用いて説明する。な
お、第1〜第3の実施の形態と同様の構成については同
一の符号を付して詳細な説明を省略し、異なる部分につ
いてのみ説明する。
【0093】第4の実施の形態の診断システムは、図1
7に示すように、各構造部材の接合部に巻いたコイル
(図15参照)を用いる。これらのコイルは1次コイル
及び2次コイルの少なくともいずれかのコイルとして使
用可能である。勿論、すべてのコイルを1次コイル及び
2次コイルのいずれにも切り替え可能に構成しても良
い。
【0094】そして、各1次コイルに交流電流を供給す
るための信号生成・増幅部を各々設置すると共に、各2
次コイルに該コイルの検出データを解析処理するための
演算部を各々設置する。各1次コイル毎の信号生成・増
幅部は、アンプジュール72を構成し、各2次コイル毎
の演算部は、演算モジュール76を構成する。なお、1
次コイル及び2次コイルのいずれのコイルにも切り替え
可能なコイルには、信号生成・増幅部及び演算部の両方
を設置しておく。
【0095】さらに、図17の診断システムでは、建造
物にビル内LAN(Local Area Network) 74を設けて
おり、ビル内LAN74には、アンプモジュール72と
演算モジュール76と共に集中管理室に配置されたコン
ピュータ14が接続されている。
【0096】コンピュータ14は、ビル内LAN74を
介して通信を行うためのネットワークインターフェイス
70を含んで構成されており、アンプモジュール72と
演算モジュール76との間のデータ通信や各モジュール
制御のためのコマンド通信が可能とされている。
【0097】演算モジュール76の各演算部は、2次コ
イルの検出データからノイズ成分を除去すると共に増幅
するアンプフィルタ、ADC(アナログ→デジタル変換
器)、ADCのデジタルデータを演算処理するDSP
(デジタルシグナルプロセッサ)、ビル内LAN74を
介してコンピュータ14からの指令(1次コイルの交流
電流の同期信号を含む)を受けたり演算処理された測定
データをコンピュータ14に送出するためのネットワー
クインターフェイスと図示しない電源部とから構成され
ている。これらの構成部は、例えば小さなボード上に集
積され、低コストのコンピュータとして動作される。
【0098】アンプモジュール72の各信号生成・増幅
部は、ビル内LAN74を介してコンピュータ14から
の指令を受けるためのネットワークインターフェイス
と、受信した指令に基づいて任意波形及び任意周波数の
デジタル信号を生成するDSP(デジタルシグナルプロ
セッサ)と、生成されたデジタル信号をアナログ信号に
変換するDAC(デジタル→アナログ変換器)と、変換
されたアナログ信号からノイズ成分を除去するアンプフ
ィルタと、図示しない電源部と、から構成されている。
これらの構成部は、例えば小さなボード上に集積され、
低コストのコンピュータとして動作される。
【0099】図17の診断システムでは、集中管理室の
コンピュータ14が、アンプモジュール72の任意の信
号生成・増幅部を制御して任意の1次コイルに交流電流
を流し、演算モジュール76の各演算部を制御して2次
コイルに誘起した誘導起電力を測定、演算させ、その結
果を順次送信させる。そして、測定結果を収集し、集計
処理、シミュレーション、データベースに格納された既
存データとの比較、表示、出力等を行う。
【0100】すなわち、図17のシステムは、各コイル
毎に、電源及び測定データの演算部を配置し、ビル内L
ANを介してデータの送受信を可能とした点で図5のよ
うに1つの測定部9と1つの電源部15とを各コイルに
切り替え接続する方法と比較して次の、のような利
点がある。
【0101】 各1次コイル毎にアンプフィルターな
どを設置したため、多数の1次コイルから端子切替装置
28を介して1つのアンプフィルタに結線する図5のシ
ステムと比較して結線が容易となり、コストを低減する
ことができる。
【0102】 各2次コイルの測定データをデジタル
データに変換してからビル内LANを介して遠隔のコン
ピュータに転送するため、長さのまちまちな配線で2次
コイルを結ぶ図5のシステムと比較して、2次コイルか
らのアナログ出力の減衰量がまちまちになるのを防ぎ、
高精度の計測が可能となると共に演算モジュール76の
管理が容易となる。
【0103】次に、第4の実施の形態に係る診断システ
ムの自己診断機能の流れを図18のフローチャートを用
いて説明する。
【0104】図18のフローチャートに示すように、コ
ンピュータ14が、内蔵された図示しない時計が示した
年月日や時刻をチェックして現在が定期検査時に該当す
るか否か、またはオペレータが入力部44を用いて破断
状況の診断を指令したか否かを判定する(ステップ25
0)。定期検査時に該当しないかまたは入力指令無しの
場合(ステップ250否定判定)、定期検査時までまた
は入力指令があるまで待機する。
【0105】定期検査時または入力指令が有った場合
(ステップ250肯定判定)、2つのコイルに挟まれた
被測定部位を特定するための番号kに1を代入する(ス
テップ252)。すなわち、被測定部位1から測定を開
始することを意味する。
【0106】次に、被測定部位kの1次コイルへ交流電
流を流す(ステップ274)。この場合、コンピュータ
14が、アンプモジュール72の被測定部位kに相当す
る信号生成・演算部のみを制御して当該パワーアンプに
接続された1次コイルに交流電流を流す。
【0107】次に、被測定部位kの2次コイルに発生し
た誘導起電力が検出される(ステップ256)。検出さ
れた信号はアンプフィルタユニットにより増幅され、A
DCによりデジタルデータに変換される。そして、AD
Cの出力信号がDSPにより演算処理され(ステップ2
58)、測定データとしてビル内LAN74を介してコ
ンピュータ14へ転送される(ステップ260)。な
お、DSPによる演算処理として、上述したように1次
コイルを流れる交流電流と同期して加算平均する処理な
どがある。また、測定データはコンピュータ14のRA
M34に一時的に格納される。
【0108】コンピュータ14は、受信した被測定部位
kの測定データを解析する(ステップ262)。この測
定データの解析によって、上述したように被測定部位k
の磁気抵抗又は磁気抵抗に関連した物理量が求められ
る。
【0109】次に、被測定部位kの正常データ(正常時
の磁気抵抗値など)をハードディスク36に格納された
データベース38から読み出す(ステップ264)。そ
して、測定された磁気抵抗値と、正常時の磁気抵抗値と
の比較により被測定部位kの破断状況を診断する(ステ
ップ266)。
【0110】次に、診断された被測定部位kの異常の有
無又は破断状況の程度を、表示部42に表示したり、プ
リンタなどへ出力する(ステップ268)。なお、診断
結果の表示、出力は、すべての被測定部位の診断が終了
してから行うようにしても良い。
【0111】そして、kを1だけインクメントし(ステ
ップ270)、kが被測定部位の個数Nを越えているか
否かを判定する(ステップ272)。kがNを越えてい
ない場合(ステップ272否定判定)、すなわち全ての
被測定部位に対し測定が終了していない場合、ステップ
254に戻り更新された番号の被測定部位に関し、同様
の処理を実行する。
【0112】kがNを越えた場合(ステップ272肯定
判定)、すなわち、全ての被測定部位が測定終了した場
合、ステップ250に戻り、定期診断時又は診断指令が
あるまで待機する。
【0113】なお、図18のフローチャートでは、第1
の実施の形態に係る診断方法を例として挙げたが、図1
7の診断システムにおいて、2次コイルの代わりに、各
構造部材近傍に磁気センサや磁気センサアレイを配置
し、図18のステップ256〜ステップ266において
第2の実施の形態に係る診断方法を用いて診断を行うこ
とも可能である。
【0114】さらに、ステップ254で1又は複数の任
意の1次コイルに同時に交流電流を流し、ステップ25
6〜ステップ266において1又は複数の2次コイルの
測定データに基づいて、第3の実施の形態に係る診断方
法を用いて診断を行うことも可能である。さらに、図1
8では、すべての被測定部位を順番に診断するようにし
たが、入力指定された特定の被測定部位のみを診断する
ことも可能である。
【0115】以上のように第4の実施の形態では、建造
物自体に各構造部材の自己診断機能を付与し定期的又は
任意時に破断状況を診断するようにしたので、診断に要
する労力や時間を大幅に低減できると共に破断状況を漏
れなく安定かつ正確にチェックすることができる。ま
た、地震発生後などに、入力部44を用いて破断状況の
診断を指令することも可能なので、突発的な地震による
被害を直ちに診断し、対処することができ、さらにビル
の経年劣化等を診断する上でもきわめて有効である。よ
って、ビル等の構造建築物の安全性を確保することがで
きる。
【0116】以上が本発明の各実施の形態であるが、上
記例にのみ限定されるものではない。例えば、第1の実
施の形態及び第2の実施の形態の診断方法による診断を
同時に行っても良く、この場合、両者の診断結果を併用
してさらに正確な診断が可能となる。
【0117】また、ノイズ抑制技術として、同期加算平
均値を演算する方法以外に、同期検波技術やパルス圧縮
技術を用いることも可能である。このパルス圧縮技術で
は、1次コイルに任意波形の交流電流を流し、2次コイ
ルで検出された誘導起電力を、M系列で代表される符号
化系列若しくはチャープ信号を用いてパルス圧縮し、こ
のパルス圧縮された値に基づいて構造部材の磁気抵抗を
推定する。これによって、ノイズの影響を低減し、より
正確な破断状況の検査ができる。
【0118】また、任意のコイルを1次コイルとし、他
のコイルを2次コイルとした場合、2次コイルは、1次
コイルと同じ部材の柱梁接合部でなくとも良く、少し離
れた部材の柱梁接合部を用いても良い。
【0119】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、磁気抵抗が部材の破断状況によって敏感に変化
することに着目し、被測定部位の磁気抵抗又は磁気抵抗
に関連した物理量に基づいて、被測定部位の破断状況を
診断するようにしたので、被覆材を剥ぐことなく、破断
状況を正確に診断することができ、診断に要する労力、
時間を大幅に低減させることができる、という効果が得
られる。また、亀裂の一部が再度接触しても磁気抵抗が
大きく変化することはないため、本発明では、破断の判
別の精度を保持することができる。
【0120】請求項2の発明によれば、建造物を構成す
る複数の構造部材の1又は複数の第1の端部に印加され
た起磁力と、磁束が貫流された複数の構造部材の1又は
複数の第2の端部で測定された磁束又は磁束に関連した
物理量とに基づいて、建造物と等価な磁気回路網を推定
することにより各構造部材の磁気抵抗又は磁気抵抗に関
連した物理量を推定し、この推定値より各構造部材の破
断状況を診断するようにしたので、被覆材を剥ぐことな
く破断状況を正確に診断することができると共に破断の
判別の精度を保持することができる、という効果が得ら
れる。さらに、本発明では、すべての構造部材を流れる
磁束を測定しなくとも各磁気抵抗が推定できるので、破
断状況の診断精度を低下させることなく、測定ポイント
数を可能な限り減らすことができ、建造物の診断に要す
る労力を軽減することができる。
【0121】請求項3の発明によれば、請求項1又は請
求項2記載の発明において、第1の端部の周囲に巻き付
けられた第1のコイルで起磁力を印加し、第2の端部の
周囲に巻き付けられた第2のコイルで磁束又は磁束に関
連した物理量を測定するようにしたので、簡単な診断シ
ステムにより破談状況の診断が実現できる、というさら
なる効果が得られる。
【0122】請求項4の発明によれば、第2のコイルに
誘起した誘導起電力の検出値を第1のコイルを流れる交
流電流の周波数と同期させて加算平均し、この加算平均
された値に基づいて磁束又は磁束に関連した物理量を測
定するようにしたので、第1のコイル以外の磁気源から
の磁気ノイズの影響を低減させることができる、という
さらなる効果が得られる。
【0123】請求項5の発明によれば、起磁力が印加さ
れた被測定部位周囲の磁束密度又は磁束密度分布に基づ
いて、被測定部位の破断状況を診断するようにしたの
で、被覆材を剥ぐことなく破断状況を正確に診断するこ
とができると共に破断の判別の精度を保持することがで
きる、という効果が得られる。さらに、磁束密度分布を
測定した場合には、微小なクラックによる磁場の乱れに
よって該クラックの位置を推定できるので、破断状況を
さらに詳細に判別することができる。
【0124】請求項6の発明によれば、第2のコイルに
誘起した誘導起電力の検出値を第1のコイルを流れる交
流電流の周波数又は2つの永久磁石の回転周波数と同期
させて加算平均し、この加算平均された値に基づいて磁
束又は磁束に関連した物理量を測定するようにしたの
で、第1のコイル又は2つの永久磁石以外の磁気源から
の磁気ノイズの影響を低減させることができる、という
さらなる効果が得られる。
【0125】請求項7の発明によれば、第1のコイルを
流れる交流電流の周波数又は2つの永久磁石の回転周波
数を、商用電源を含む磁気的雑音源の周波数及び該周波
数の高調波以外の周波数に設定したので、磁気的雑音源
によるノイズの影響をさらに低減することができる、と
いう効果が得られる。
【0126】請求項8の発明によれば、建造物自体に各
構造部材の自己診断機能を付与し定期的又は任意時に破
断状況を診断するようにしたので、診断に要する労力や
時間を大幅に低減できると共に破断状況を漏れなく安定
かつ正確にチェックすることができる、という効果が得
られる。また、地震発生後などに、破断状況の診断を指
令することも可能なので、突発的な地震による被害を直
ちに診断し、対処することができ、さらにビルの経年劣
化等を診断する上でもきわめて有効であるので、ビル等
の構造建築物の安全性を確保する上で優れた効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る診断システム
の構成ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の原理を説明するた
めの図であって、(a)は被測定部位に印加する起磁
力、磁気抵抗、及び磁束Φの関係を示す図、(b)は、
磁化手段及び測定手段をコイルで実現した場合の図であ
る。
【図3】破断による構造部材の磁気抵抗の変化を説明す
るための構造部材の概念図であって、(a)は破断して
いない場合、(b)は一部破断の場合、(c)は完全に
破断している場合の図である。
【図4】梁柱接合部に励起用及び測定用のコイルを巻き
付けた例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る診断システム
の他の例を示す構成ブロック図である。
【図6】本発明で用いるコンピュータの構成ブロック図
である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る診断システム
及び図4で示したコイルにより実際に診断を行う際の態
様を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る診断システム
及び被覆材の周囲に巻いたコイルにより実際に診断を行
う際の態様を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る診断システム
による診断の流れを示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る非破壊診断
方法の概念図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る診断システ
ム(所定位置で磁束密度測定を行う場合)の構成ブロッ
ク図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る診断システ
ム(磁束密度分布の測定を行う場合)の構成ブロック図
である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る診断システ
ムによる診断の流れを示すフローチャートである。
【図14】本発明の第3の実施の形態の原理を説明する
ための図であって、(a)は簡単な建造物モデル、
(b)は該建造物モデルの等価磁気回路網を示す図であ
る。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る非破壊診断
方法の概念図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係る診断システ
ムによる診断の流れを示すフローチャートである。
【図17】本発明の第4の実施の形態に係る診断システ
ムの構成ブロック図である。
【図18】本発明の第4の実施の形態に係る診断システ
ムによる診断の流れを示すフローチャートである。
【図19】永久磁石を磁場源とする場合の概念図であ
る。
【符号の説明】
9 測定部 10 アンプフィルタユニット 12 AD変換器 14 コンピュータ 15 電源部 16 ファンクションジェネレータ 18 パワーアンプ 22 1次コイル 24 2次コイル 30 CPU 38 データベース 42 表示部 44 入力部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井川 憲男 千葉県印西市大塚1丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 小川 孝寿 千葉県印西市大塚1丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 柿沢 忠弘 千葉県印西市大塚1丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 山崎 慶太 千葉県印西市大塚1丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 鶴岡 孝輔 千葉県印西市大塚1丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 梅国 章 千葉県印西市大塚1丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 三上 忠雄 千葉県印西市大塚1丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造部材の被測定部位の第1の端部に起
    磁力を印加する磁化工程と、 前記起磁力により磁束が貫流された被測定部位の第2の
    端部で、磁束又は磁束に関連した物理量を測定する測定
    工程と、 前記第1の端部で印加された起磁力と前記第2の端部で
    測定された磁束又は磁束に関連した物理量とに基づい
    て、被測定部位の第1の端部から第2の端部までの磁気
    抵抗又は磁気抵抗に関連した物理量を推定する推定工程
    と、 前記推定工程により推定された磁気抵抗又は磁気抵抗に
    関連した物理量に基づいて、被測定部位の破断状況を診
    断する診断工程と、 からなることを特徴とする構造部材破断の非破壊診断方
    法。
  2. 【請求項2】 建造物を構成する複数の構造部材の1又
    は複数の第1の端部に起磁力を印加する磁化工程と、 前記起磁力により磁束が貫流された複数の構造部材の1
    又は複数の第2の端部で、磁束又は磁束に関連した物理
    量を測定する測定工程と、 前記第1の端部で印加された起磁力と前記第2の端部で
    測定された磁束又は磁束に関連した物理量とに基づい
    て、前記建造物と等価な磁気回路網を推定することによ
    り各構造部材の磁気抵抗又は磁気抵抗に関連した物理量
    を推定するシミュレーション工程と、 前記シミュレーション工程により推定された各構造部材
    の磁気抵抗又は磁気抵抗に関連した物理量に基づいて、
    各構造部材の破断状況を診断する診断工程と、 からなることを特徴とする構造部材破断の非破壊診断方
    法。
  3. 【請求項3】 前記磁化工程は、 前記第1の端部の周囲に巻き付けられた第1のコイルに
    交流電流を流す工程であると共に、 前記測定工程は、 前記第2の端部の周囲に巻き付けられた第2のコイルに
    誘起された誘導起電力に基づいて、磁束又は磁束に関連
    した物理量を測定する工程であることを特徴とする請求
    項1又は請求項2記載の構造部材破断の非破壊診断方
    法。
  4. 【請求項4】 前記測定工程は、 前記第2のコイルに誘起した誘導起電力の検出値を前記
    第1のコイルを流れる交流電流の周波数と同期させて加
    算平均し、この加算平均された値に基づいて磁束又は磁
    束に関連した物理量を測定することを特徴とする請求項
    3記載の構造部材破断の非破壊診断方法。
  5. 【請求項5】 構造部材の被測定部位の第1の端部に起
    磁力を印加する磁化工程と、 前記磁化工程により磁束が貫流された被測定部位の周囲
    の磁束密度又は磁束密度分布を測定する測定工程と、 前記測定工程により測定された被測定部位周囲の磁束密
    度又は磁束密度分布に基づいて、被測定部位の破断状況
    を診断する診断工程と、 からなることを特徴とする構造部材破断の非破壊診断方
    法。
  6. 【請求項6】 前記磁化工程は、 前記第1の端部の周囲に巻き付けられた第1のコイルに
    交流電流を流す工程及び前記第1の端部の近傍において
    高透磁率材料で橋渡しされた2つの永久磁石を同期して
    回転させる工程のいずれかであると共に、 前記測定工程は、 磁束密度又は磁束密度分布の検出値を前記第1のコイル
    を流れる交流電流の周波数又は前記2つの永久磁石の回
    転周波数と同期させて加算平均し、この加算平均された
    値を測定結果とすることを特徴とする請求項5記載の構
    造部材破断の非破壊診断方法。
  7. 【請求項7】 前記第1のコイルを流れる交流電流の周
    波数又は前記2つの永久磁石の回転周波数を、商用電源
    を含む磁気的雑音源の周波数及び該周波数の高調波以外
    の周波数に設定したことを特徴とする請求項4又は請求
    項6記載の構造部材破断の非破壊診断方法。
  8. 【請求項8】 複数の構造部材からなる診断機能付建造
    物であって、 各構造部材の所定箇所から起磁力を印加可能な複数の磁
    化手段と、 各構造射部材を貫流する磁束又は磁束に関連した物理量
    を各々測定可能な第1の測定手段、及び各構造部材の周
    囲の磁束密度又は磁束密度分布を各々測定可能な第2の
    測定手段の少なくともいずれかの測定手段と、 定期的に又は診断の指令を受けたときに、請求項1乃至
    請求項7のいずれか1項記載の構造部材破断の非破壊診
    断方法により、前記磁化手段及び前記測定手段を用いて
    前記複数の構造部材の破断状況の診断を行う制御手段
    と、 を有することを特徴とする診断機能付建造物。
JP13212397A 1997-05-22 1997-05-22 構造部材破断の非破壊診断方法及び診断機能付建造物 Pending JPH10318985A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013224864A (ja) * 2012-04-20 2013-10-31 Toshiba Corp 渦電流探傷試験装置、及び方法
CN109765292A (zh) * 2019-02-18 2019-05-17 西南石油大学 一种管道缺陷精准定位装置
WO2022230032A1 (ja) * 2021-04-26 2022-11-03 株式会社ニレコ コイルセット

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