JPH10321049A - 複合素線とその製造方法、その複合素線を用いた軽量低弛度架空電線 - Google Patents

複合素線とその製造方法、その複合素線を用いた軽量低弛度架空電線

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JPH10321049A
JPH10321049A JP12738397A JP12738397A JPH10321049A JP H10321049 A JPH10321049 A JP H10321049A JP 12738397 A JP12738397 A JP 12738397A JP 12738397 A JP12738397 A JP 12738397A JP H10321049 A JPH10321049 A JP H10321049A
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linear body
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Takeo Munakata
武男 宗像
Hideo Tomose
秀夫 伴瀬
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量であり、高温下における弛度増加も少な
い複合素線とその製造方法、ならびにその複合素線をテ
ンションメンバとする軽量低弛度架空電線を提供する。 【解決手段】 この複合素線では、長手方向に延びる複
数個の溝2が表面に形成されている金属線状体1の前記
溝2に、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊
維の集束体3が密着一体化した状態で収容されて複合線
状体A1が形成され、この複合線状体A1の外周面1aを
被覆して金属導体層4が密着一体化した状態で形成され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複合素線とその製造
方法、ならびにその複合素線を用いた軽量低弛度架空電
線に関し、更に詳しくは、軽量であり、高温下に曝され
ても熱膨張して伸長する度合いが小さく、また耐候性も
優れている複合素線とそれを製造する方法、ならびに前
記複合素線をテンションメンバとする軽量低弛度架空電
線に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から多用されている架空送電線は、
複数本の鋼線を撚り合わせた鋼心をテンションメンバと
し、その外側に例えばAlやAl合金から成る金属素線
の複数本を撚り合わせて配置した構造になっており、A
CSRと呼ばれている。そしてこのACSRを鉄塔間に
高張力で張り渡して送電線路が形成される。
【0003】ところで、架空送電線の場合、負荷電流を
増加させることにより送電容量は増加する。したがっ
て、送電容量を増加させるためには、架空送電線に大電
流を送電することが必要になってくる。しかしながら、
上記したACSRの場合、鋼心は線熱膨張係数が大きな
正の値であるため、負荷電流が増加すると、抵抗発熱に
基づく電線温度の上昇や、気候や気象条件の変動に基づ
く温度上昇により鋼心は熱膨張してその線長が長くな
る。すなわち、温度上昇に伴って弛度が増加する。した
がって、鉄塔間に張設されている架空送電線の垂れ下が
りが引き起こされる。しかも、ACSRは、鋼心の単位
長さ当たりの重量が大きいので、そもそもが垂れ下がり
やすいという性質を備えている。
【0004】そのため、ACSRの場合、送電容量を大
きくするときには、温度上昇に伴う弛度増加を見込んで
架線するか、または十分に高い鉄塔を新たに建設するな
どの処置を講ずることが必要になり、架線、鉄塔建設コ
ストの上昇は避けられない。このような問題に対して
は、テンションメンバの低線熱膨張化と軽量化の両側面
から各種の対策が講じられている。
【0005】例えば、テンションメンバとしてインバ鋼
線を採用することにより弛度増加が抑制された架空送電
線が知られている。この電線の場合、テンションメンバ
であるインバ鋼線は、たしかに線熱膨張係数が小さい材
料であるが、その単位長さ当たりの重量は大きいので、
鉄塔にかかる荷重は大きくなるという問題がある。
【0006】また、最近では、上記したインバ鋼線に代
えて、例えばSiC繊維を強化材とし、アルミニウムを
マトリックスとする複合体から成る線材、炭素繊維やア
ラミド繊維を強化材とし各種の樹脂をマトリックスとす
る繊維強化プラスチック複合体の線材などの表面にAl
やZnをめっきして成る線材をテンションメンバとして
採用することが行われている。
【0007】これらの線材は、いずれも、従来の前記し
た鋼心に比べれば超かに軽量であるという利点を備えて
いる。しかしながら、例えばSiC繊維のような無機繊
維を強化材とする線材の場合、その無機繊維は、一般
に、その耐熱温度が1000℃以上であるとはいえ、伸び率
は小さい値であるので曲げ応力に弱く、電線の材料とし
ては不適格であるばかりではなく、その価格も高く、そ
れを用いた線材は経済性の点で大きな問題がある。
【0008】また、例えばアラミド繊維のような有機繊
維を強化材とする線材の場合、伸び率は大きく曲げ特性
に優れているとはいえ、一般に耐熱温度は低い。例えば
アラミド繊維の耐熱温度は200℃程度であり、そのた
め、溶融アルミや溶融亜鉛で被覆する場合、熱劣化して
その強度特性の低下という問題が起こる。更に、有機繊
維の場合、紫外線に曝露されると激しい強度劣化が引き
起こされ、また水分の存在下では高温時に加水分解を起
こすこともある。
【0009】このようなことから、有機繊維を用いたテ
ンションメンバは到底実使用可能なものであるとはいい
がたいという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、架空送電線
のテンションメンバにおいて従来から主流をなしていた
鋼心の問題点を解消すべく開発された各種の線材におけ
る上記した問題を解決した線材であって、軽量であり、
かつ高温下に曝されても熱膨張に基づく伸びが小さく、
また耐熱性も優れている複合素線とその製造方法の提供
を目的とする。
【0011】また、本発明は、上記した複合素線をテン
ションメンバとする軽量低弛度架空電線の提供を目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、長手方向に延びる複数個の
溝が表面に形成されている金属線状体の前記溝に、ポリ
パラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維の集束体が
密着一体化した状態で収容されて複合線状体が形成さ
れ、前記複合線状体の外周面を被覆して金属導体層が密
着一体化した状態で形成されていることを特徴とする複
合素線が提供される。
【0013】また、本発明においては、長手方向に延び
る複数個の溝が表面に形成されている金属線状体の前記
溝にポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維の
集束体を配置し、ついで減径加工を施して前記金属線状
体と前記集束体を密着一体化して複合線状体を形成し、
前記複合線状体を金属管状体に挿入したのち減径加工を
施して前記金属線状体の外周面に密着一体化して当該外
周面を被覆する金属導体層を形成することを特徴とする
複合素線の製造方法が提供される。
【0014】更に、本発明においては、前記した複合素
線を複数本撚り合わせて成る心材と、前記心材の外周に
少なくとも1層配置された金属素線とから成ることを特
徴とする軽量低弛度架空電線が提供され、また前記した
複合素線を複数本撚り合わせて成ることを特徴とする軽
量低弛度架空電線が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の複合素線の1例
Aを示す断面図である。この複合素線Aは、表面の長手
方向には断面形状が略円形をした溝2が複数個形成され
ている金属線状体1と、前記溝2の中に収容されたポリ
パラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(poly(p-
phenylene-2,6-benzobisoxazol)fiber、以下PBO繊
維という)の集束体3とで複合線状体A1が構成され、
この複合線状体A1の外周面が金属導体層4で被覆され
た構造になっている。そして、集束体3を構成する各P
BO繊維は相互に密着して一体化しており、また集束体
3と溝2の壁面2aとの間、および金属線状体の外周面
1aと金属導体層4との間もそれぞれ密着して一体化し
ている。
【0016】ここで、金属線状体1としては、比重が小
さく軽量でかつ導電性が良好であり、また展延性が良好
な材料で構成されることが好ましく、具体的には、Al
やAl合金を好適例としてあげることができる。上記し
たPBO繊維は、次式の構造:
【0017】
【化1】
【0018】を繰り返し単位とするポリパラフェニレン
ベンゾビスオキサゾールを液晶紡糸して得られる繊維で
ある。このPBO繊維は、引張強度(Ts)が約5.50
GPa,弾性率(E)が約280GPa,融点が600〜65
0℃,酸素指数が50〜55,密度(ρ)が約1.56g/
cm3,線熱膨張係数(α)が約−6×10-6/℃という特
性を備えており、高強度、高弾性であり、耐熱性と難燃
性に優れ、しかも軽量である。そして、線熱膨張係数が
負の値であるため、周囲の温度が上昇するにつれて熱収
縮するという挙動を示す。
【0019】しかしながら、このPBO繊維は、紫外線
照射を受けると強度特性、とりわけ引張強度が経時的に
低下して抗張力性が損なわれる。そのため、複合線状体
1において溝2から部分的に表出するPBO繊維に対
する上記紫外線劣化を防止することを主要な目的とし
て、本発明の複合素線Aでは、複合線状体A1の外周面
1aの全体を被覆して金属導体層4が形成される。
【0020】この金属導体層4は、光を遮断してPBO
繊維の光劣化を防止するとともに、外部から水分が溝2
の中に侵入することを防止する。また、複合線状体A1
が何らかの外力を受けた場合でも複合線状体A1の上記
した構造が損壊することを抑制する働きをする。このよ
うな金属導体層4は、比重が小さく軽量であり、導電性
が良好で、耐候性も適切であり、また比較的軟質で展延
性が良好な材料を用いて形成される。具体的には、A
l,Al合金,Cu,Cu合金などをあげることがで
き、とくにAlやAl合金は好適である。
【0021】この複合素線Aは次のようにして製造され
る。図2および図2のIII−III線に沿う断面図である図
3で示したように、まず、金属線状体1の溝2の中にP
BO繊維の集束体を配置する。具体的には、複数個(図
では3個)の溝2が長手方向にスパイラル状に形成され
ており、また見掛け上の直径がD1である金属線状体1
が用意される。
【0022】この溝2の断面形状は格別限定されるもの
ではなく、この溝2の中に後述するPBO繊維の集束体
を配置できる形状であればどのような形状であってもよ
い。例えば、図3で示したように、金属線状体1の中心
側では直径D2の半円形状をなし、金属線状体1の表面
1a側では幅がD2であるような全体の断面形状がU字
形をした溝をあげることができる。また、溝2の断面形
状は四角形や多角形であってもよい。いずれの断面形状
の場合であっても、金属線状体1の表面側からこの溝2
の中にPBO繊維を収容・配置する作業を行うことから
すると、溝2の表面側の幅は中心側の幅よりも広くなっ
ていることが好ましい。
【0023】このような金属線状体1と、所望本数のP
BO繊維とを撚り合わせ、PBO繊維を溝2の中に撚り
込むことにより、各溝2の中にはPBO繊維の集束体3
が配置される。その場合、PBO繊維を束ねて50〜5
00デニール程度の束体として撚り込んでもよいし、ま
た前記束体の複数本を撚り合わせて撚糸体とし、その撚
糸体を溝2の中に撚り込んでもよい。
【0024】このようにして、溝2の中に配置されたP
BO繊維の集束体(図では7本の撚糸体3aで構成され
ている)3の断面積をS2とし、また見掛け上の直径が
1である金属線状体1の断面積をS1としたときに、S
1とS2の間では、次式: 0.3≦S2/(S1+S2)≦0.8 …(1) の関係が成立するように、前記PBO繊維の集束体の配
置本数を設定することが好ましい。
【0025】ところで、上記したS2/(S1+S2
は、後述する複合線状体A1におけるPBO繊維の体積
占有率を示す指標であり、当該複合線状体A1、ひいて
は得られる複合素線Aの強度と熱伸縮を規定する因子で
ある。複合線状体A1は、負の線熱膨張係数を有するP
BO繊維と正の線熱膨張係数を有する金属線状体とで構
成されているので、全体としては、PBO繊維と金属線
状体の割合で規定されたある値の線熱膨張係数と強度特
性を備えている。
【0026】したがって、PBO繊維の体積占有率が大
きい場合には、その特性が支配的に発現して温度上昇に
伴う熱膨張は抑制され、強度特性も増加することになる
が、しかし高価となる。またPBO繊維の体積占有率が
小さい場合には、逆に、強度特性は低下し、熱伸長が大
きくなってしまうが、安価となる。このようなことか
ら、本発明においては、S2/(S1+S2)の値が0.3
〜0.8の範囲内におさまるように、金属線状体へのPB
O繊維の撚り込みが行われる。
【0027】次に、溝2の中にPBO繊維が撚り込まれ
た金属線状体に対しては、図4で示したように、一対の
ロール5a,5bを用いたロール圧延により、全体の見
掛け上の直径をD1からD3へと減径する減径加工を連続
的に行って複合線状体A1が製造される。この減径加工
を行うことにより、図3で示した溝2とPBO繊維の集
束体との間の空隙は除去されて溝2とPBO繊維とは密
着し、また集束体(撚糸体)を構成する各PBO繊維に
おける相互間の空隙も除去され、PBO繊維も互いに密
着して全体としての引張強度が向上する。更には、金属
線状体1の溝2の縁部も当該溝を閉じるように塑性変形
するので、図4のV−V線に沿う断面図である図5で示し
たように、溝内に配置されていたPBO繊維の集束体
は、塑性変形した溝の縁部によって近被覆状態になり、
当該溝2の中に確固として閉じこめられる。
【0028】この減径加工では、減径比(D3/D1)が
0.5〜0.8となるように設定されることが好ましい。D
3/D1を0.5より小さくすると、PBO繊維や金属線状
体に過大な張力が加わって断線することがあり、また逆
に、D3/D1を0.8より大きくすると、PBO繊維相互
間の密着性、およびPBO繊維の集束体と金属線状体の
溝との密着性は不充分な状態となり、全体としての引張
強度の低下が引き起こされるからである。
【0029】なお、比較的大きい減径比を採用する場合
には、1パスで目的とする減径比の加工を行うのではな
く、数パスかけて小さい減径比の加工から順次大きい減
径比の加工を行って、最終的に目的とする減径比の減径
加工を行うことが好ましい。PBO繊維の集束体や金属
線状体の断線を確実に防止することができるからであ
る。例えば、1パス目ではD3/D1=0.9、2パス目で
はD3/D1=0.8、そして3パス目ではD3/D1=0.7
にするとよい。
【0030】減径加工の方法としては格別限定されるも
のではなく、図4で示したようなロール圧延の外に、例
えばダイスを用いた1段または多段の引き抜き加工をあ
げることができる。なお、金属線状体の溝にPBO繊維
の撚糸体を配置して上記した減径加工を行うに当たり、
PBO繊維の撚り合わせ方向と逆方向に適当量の撚り戻
しをかけて減径加工を行うと、撚糸体はそのときの撚り
戻し量に対応した長さだけ金属線状体の長さよりも長く
することができるので、減径加工時における断線などを
起こしにくくなって好適である。
【0031】このようにして製造された複合線状体A1
に対し、例えばコンフォーム法を適用して所定の内径と
肉厚を有する金属管状体で被覆したのち、再び全体に減
径加工が行われる。このときに用いる金属管状体として
は、例えばAlやAl合金製のものが好適である。その
結果、金属管状体は塑性変形し、図1で示したように、
複合線状体A1の外周面1aに密着一体化した所望厚み
の金属導体層4に転化してここに目的とする複合素線A
が得られる。この複合素線Aにおける金属導体層4と複
合線状体A 1の外周面1aとは密着していて隙間は存在
しないので、例えば外力が加わったとしても、変形や亀
裂などは起こりづらくなっている。
【0032】なお、この時点における減径加工で、用い
る圧延ロールやダイスの形状を選択することにより、成
形後の複合素線の断面形状を、例えば扇形のセグメント
状にすることもできる。次に、本発明の軽量低弛度架空
電線について説明する。図6に、本発明の軽量低弛度架
空電線の1例Bを示す。
【0033】この電線Bは、図1で示した複合素線Aの
複数本(図では7本)を撚り合わせて心材B1とし、こ
の心材B1の外側に同一径の複数本(図では30本)の
金属素線6が2層構造をなして撚り合わされて配置され
た構造のものである。金属素線6としては、従来から架
空送電線の導体として用いられているものであれば何で
あってもよく、例えばAlやAl合金から成る線材が好
適である。
【0034】なお、複合素線Aや金属素線6は全て同一
径である必要はなく、径はそれぞれ異なっていてもよ
い。また、複合素線Aとしては、その断面形状が円形で
なくてもよく、例えば前記したセグメント形状のもので
あってもよい。また、金属素線6は、心材B1の外側を
取り囲んで1層だけ配置されていてもよく、その層数は
格別限定されるものではない。
【0035】更には、全て断面が円形の複合素線Aと金
属素線6を用いて図6で示したような電線Bを構成した
のち、その全体に圧延ロールやダイスなどを用いて減径
加工を行うと、得られた電線の端末の引き留め性が向上
するので好適である。図7に、本発明の別の軽量低弛度
架空電線の他の例Cを示す。この電線Cは、電線Bのよ
うに金属素線を用いることなく、図1で示した複合素線
Aを複数本(図では37本)撚り合わせただけの構造の
ものである。
【0036】一般に、ACSRでは鋼心を鋼クランプで
圧縮し、更にアルミクランプで鋼クランプとアルミ線導
体を一括して圧縮することにより、導電性と機械的な強
度が確保されている。しかしながら、無機繊維や有機繊
維の集束体をテンションメンバとした場合、その集束体
には空隙が存在しているので、上記したようなクランプ
圧縮による引き留め作業を行うと、テンションメンバそ
れ自体が圧縮方向に大きく圧縮変形して鋼クランプの圧
縮率が不足してしまい、電線本来の引き留め強度が得ら
れなくなる。
【0037】本発明の電線において、前記したような減
径加工を行えば、電線の密度は高くなるので、鋼クラン
プなどによる圧縮にも耐え、充分な引き留め強度を得る
ことができ、もって信頼性の高い引き留め端末にするこ
とができる。
【0038】
【実施例】PBO繊維(線熱膨張係数:−6×10-6/
℃)を集束して600デニールの束体とし、これを6本
撚り合わせ撚糸体とした。一方、図3で示したように、
見掛け上の直径D1が5.0mmであり、表面1aには、幅
2が表1で示したような値になっているU字溝2が3
個スパイラル状に形成されているAl製の線状体1を用
意した。
【0039】この線状体1と前記したPBO繊維の撚糸
体を撚り合わせて、各溝2の中に撚糸体3aをそれぞれ
7本ずつ配置した。このとき、撚糸体の体積占有率は表
1に示したとおりである。ついで、この線状体1に対
し、図4で示したように2方ロール5a,5bで減径加
工を行い、線径D3が2.75mmの複合線状体A1にした。
したがって、このときの減径比は約0.55%である。
【0040】得られた複合線状体A1に対し、内径3.0m
m,肉厚0.5mmのAl管を用いたコンフォーム法を適用
して減径加工を行い、外径が2.9mmでAl導体層の肉厚
が0.5mmになっている図1で示した断面構造の複合素線
Aにした。この複合素線Aの7本を撚り合わせて心材と
し、その外側に線径2.9mmのAl導体を2層構造にして
配置し、全体を撚り合わせることにより、図6で示した
構造の電線Bを製造した。
【0041】これらの電線Bを表1で示した径間長に亘
って張設し、温度20℃,温度200℃における弛度を
それぞれ測定した。その結果を表1に示した。なお比較
のために、線径2.9mmのインバ鋼心を7本集束してテン
ションメンバとしたことを除いては、実施例と同じ断面
構造の電線を製造した。この電線に対しても、実施例と
同様の弛度測定を行い、その結果を表1に併記した。
【0042】
【表1】
【0043】表1から明らかなように、本発明の電線は
電線温度が上昇しても弛度の増加は小さい。例えば、径
間長500mの場合、比較例電線(テンションメンバが
インバ鋼線)では温度20℃から温度200℃の間に2.
0mも弛度が増加しているのに対し、実施例1の電線で
は1.5mの増加にとどまり、実施例2の電線では逆に弛
度は減少している。
【0044】そして、各実施例電線を比べて明らかなよ
うに、PBO繊維の体積占有率が大きくなるにつれて弛
度は小さくなっている。したがって、弛度の抑制という
ことからすれば、PBO繊維の体積占有率を大きくする
ことが好適であるといえる。しかし、他方では、製造コ
ストの上昇を招くとともに強度特性の低下も考えられる
ので、PBO繊維の体積占有率は40〜60%程度にす
ることが好ましいといえる。
【0045】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
複合素線は軽量であり、線熱膨張係数も小さく、高温下
における優れた弛度抑制効果を発揮する。したがって、
この複合素線をテンションメンバとする架空送電線は、
軽量であるとともに、送電容量の増加に基づく電線温度
の上昇があっても弛度は少なく、しかも弛度の変動はほ
とんど起こらない。
【0046】例えば、夏期に最高汐流となり、電線温度
が200〜300℃にまで上昇した場合であっても、本
発明の複合素線の熱伸長は従来のACSRの鋼心に比べ
ると1/4〜1/3程度であるため、大幅な弛度抑制を実現す
ることができる。また、心材の外側に配置する金属素線
として超耐熱Al合金線を採用すれば、Al線の場合に
比べて送電容量を2倍程度増大させることができる。
【0047】本発明の軽量低弛度架空電線の場合、線熱
膨張係数が小さい複合素線をテンションメンバとしてい
るので、通常、60〜100℃程度の遷移点で外側のA
l線の応力分担はゼロになり、それ以上の温度では、複
合素線の線熱膨張係数と弾性係数のみに基づいて電線全
体の張力計算を行うことができる。また、本発明の軽量
低弛度架空電線の場合、複合素線におけるPBO繊維の
体積占有率を変化させることにより、当該複合素線の線
熱膨張係数と弾性係数を所定の範囲内で変化させること
ができるので、線路条件に対応して弛度張力の設計をす
ることが容易であるという効果も奏する。
【0048】本発明の電線を架設する場合には、鉄塔の
塔高,アーム幅,鉄塔基礎などの架設要件を大幅に軽減
することができ、架空送電線の建設費を大幅に節減する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合素線の1例を示す断面図である。
【図2】金属線状体の溝にPBO繊維の集束体を配置し
た状態を示す斜視図である。
【図3】図2のIII−IIIに沿う断面図である。
【図4】PBO繊維が配置された金属線状体に減径加工
を行う状態を示す概略図である。
【図5】図4のV−V線に沿う断面図である。
【図6】本発明の軽量低地度架空電線例を示す部分斜視
図である。
【図7】本発明の別の軽量低弛度架空電線例を示す部分
斜視図である。
【符号の説明】
A 複合素線 A1 複合線状体 B 電線 B1 心材 1 金属線状体 1a 金属線状体1の外周面 2 溝 2a 溝2の内壁 3 PBO繊維の集束体 3a PBO繊維の撚糸体 4 金属導体層 5a,5b 圧延ロール 6 導体(金属素線)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向に延びる複数個の溝が表面に形
    成されている金属線状体の前記溝に、ポリパラフェニレ
    ンベンゾビスオキサゾール繊維の集束体が密着一体化し
    た状態で収容されて複合線状体が形成され、前記複合線
    状体の外周面を被覆して金属導体層が密着一体化した状
    態で形成されていることを特徴とする複合素線。
  2. 【請求項2】 前記金属線状体の溝がスパイラル状に形
    成されている請求項1の複合素線。
  3. 【請求項3】 前記ポリパラフェニレンベンゾビスオキ
    サゾール繊維の集束体が、束体または撚糸体である請求
    項1の複合素線。
  4. 【請求項4】 長手方向に延びる複数個の溝が表面に形
    成されている金属線状体の前記溝にポリパラフェニレン
    ベンゾビスオキサゾール繊維の集束体を配置し、ついで
    減径加工を施して前記金属線状体と前記集束体を密着一
    体化して複合線状体を形成し、前記複合線状体を金属管
    状体に挿入したのち減径加工を施して前記金属線状体の
    外周面に密着一体化して当該外周面を被覆する金属導体
    層を形成することを特徴とする複合素線の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記金属線状体の断面積をS1、前記ポ
    リパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維の集束体
    の断面積をS2としたとき、前記金属線状体と前記集束
    体の間では、次式: 0.3≦S2/(S1+S2)≦0.8 で示される関係を成立させる請求項4の複合素線の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記減径加工前後における複合線状体の
    外径をそれぞれD1,D3としたとき、D1,D3の間で
    は、次式: 0.7≦D3/D1≦0.9 の関係が成立するように減径加工を行う請求項4の複合
    素線の製造方法。
  7. 【請求項7】 減径加工して複合線状体にするときに、
    撚り戻しをかける請求項1の複合素線の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1の複合素線を複数本撚り合わせ
    て成る心材と、前記心材の外周に少なくとも1層配置さ
    れた金属素線とから成ることを特徴とする軽量低弛度架
    空電線。
  9. 【請求項9】 請求項1の複合素線を複数本撚り合わせ
    て成ることを特徴とする軽量低弛度架空電線。
JP12738397A 1997-05-16 1997-05-16 複合素線とその製造方法、その複合素線を用いた軽量低弛度架空電線 Pending JPH10321049A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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