JPH10323034A - 同期倍電流電源 - Google Patents

同期倍電流電源

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JPH10323034A
JPH10323034A JP14585897A JP14585897A JPH10323034A JP H10323034 A JPH10323034 A JP H10323034A JP 14585897 A JP14585897 A JP 14585897A JP 14585897 A JP14585897 A JP 14585897A JP H10323034 A JPH10323034 A JP H10323034A
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Isao Takahashi
勲 高橋
Yoshiaki Matsuda
善秋 松田
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Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高効率、大出力の電源を提供する。 【解決手段】一次側にHブリッジ回路10を設け、二次
側に、2個のインダクタンス素子L1、L2と2個のMO
SFET31、32で構成した二次側整流回路30を設
け、MOSFET31、32をHブリッジ回路10と同
期させて第三象限動作をさせる。そのMOSFET3
1、32の整流作用と、インダクタンス素子L1、L2
定電流動作により、二次巻線22に誘起された交流電圧
が整流される。簡単な回路構成で、リップルが少なく、
高効率の電源回路1を得ることができる。一次巻線21
に流れる電流を制御する場合、Hブリッジ回路10内の
トランジスタQ1〜Q4の導通期間を一定時間にし、位相
を制御して電流を変化させるとよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電源の技術分野にか
かり、特に、二次側整流回路が一次側フルブリッジ回路
と同期制御される倍電流電源に関する。
【0002】
【従来の技術】電源は電子装置にとって欠かせない回路
であり、電源装置として電子装置とは独立して設置され
る他、電子装置中に組み込まれたり、プリント基板上の
一部分に他の回路と共存した状態で設けられる等、供給
すべき電力量に応じて多種多様な設置方式を選択できる
ようになっている。
【0003】図10の符号101に示したものは、AC
100Vの商用電圧を降下させ、大容量の出力電流を得
るのに適した電源回路であり、トランス120を有して
おり、一次側と二次側とが絶縁されている。
【0004】一次側には、ダイオードブリッジ回路13
0、平滑コンデンサ141、4個のトランジスタ111
〜114、トランス120内の一次巻線121が設けら
れており、各トランジスタ111〜114と一次巻線1
21とで、フルブリッジ回路110が構成されている。
【0005】ダイオードブリッジ回路130には商用電
源142が接続されており、商用電圧AC100Vを全
波整流し、平滑コンデンサ141によって平滑し、生成
された直流電圧をフルブリッジ回路110に供給してお
り、フルブリッジ回路が動作すると、一次巻線121に
交流電流を流せるように構成されている。
【0006】二次側には、トランス120内の二次巻線
122と、4個のダイオード231〜234と、平滑コ
イル243と、出力コンデンサ241とが設けられてお
り、二次巻線122は一次巻線121と磁気結合され、
一次巻線121に流れた交流電流によって、二次巻線1
22に交流の誘導起電力が生じるように構成されてい
る。
【0007】前記各ダイオード231〜234はダイオ
ードブリッジ接続され、二次側整流回路230を構成し
ており、二次巻線122に誘導された交流電圧を全波整
流して平滑コイル243と出力コンデンサ241に供給
し、該平滑コイル243と出力コンデンサ241によっ
て直流電圧化された出力電圧を、負荷200に供給でき
るように構成されている。
【0008】このような構成の電源回路101では、出
力電圧を検出し、図示しないフォトカプラ等によって一
次側にフィードバックすると、一次側と二次側とを電気
的に絶縁させながらフルブリッジ回路110の制御を行
うことができるので、安全に、出力電圧を定電圧にする
ことが可能となっている。
【0009】しかしながら、上述の電源回路101で
は、二次巻線122に流れる電流は、スイッチング周波
数の半サイクル期間に、必ず二次側整流回路230内の
2個のダイオードを流れるため、電圧降下による損失が
大きく、効率が悪いという問題がある。
【0010】そこで従来技術でも対策が採られており、
二次側整流回路230内の各ダイオード231〜234
に、低VFダイオードやショットキーダイオードを用
い、損失の低減が図られていたが、低電圧大電流出力の
電源にとっては十分ではなく、その対策が望まれてい
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の不都合を解決するために創作されたものであり、その
目的は、高効率の電源を提供することにある。
【0012】また、本発明の他の目的は、二次側インダ
クタンス部品が小容量で済み、また、簡単な平滑回路で
済む電源を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、一次巻線と二次巻線とが設
けられたトランスを有し、一次側には前記一次巻線に交
流電圧を流す一次側電流制御手段が設けられ、二次側に
は整流素子とインダクタンス素子とが直列接続された回
路が並列接続されて構成された二次側整流回路が設けら
れ、前記二次巻線の両端は、前記整流素子と前記インダ
クタンス素子との接続部分にそれぞれ接続され、前記二
次側整流回路によって整流された電圧を平滑すると、直
流電圧が得られるように構成された電源回路であって、
前記整流素子はMOSFETで構成され、各MOSFE
Tが前記一次側電流制御手段と同期制御され、前記一次
側電流制御手段によって前記一次巻線に交流電流を流し
たときに前記二次巻線に誘起される誘導起電力と前記同
期制御によって、前記MOSFETは第三象限動作を
し、前記二次巻線に流れる誘導電流は、そのMOSFE
Tと前記インダクタンス素子とを流れるように構成され
たことを特徴とする。
【0014】その一次側電流制御手段については、請求
項2記載の発明のように、前記一次巻線と少なくとも4
個のトランジスタによって構成されたフルブリッジ回路
を設け、前記MOSFETは、前記4個のトランジスタ
のうちの相が異なる2個のトランジスタとそれぞれ同期
制御させることができる。
【0015】更に、前記一次巻線に流す前記交流電流量
を制御する際には、請求項3記載の発明のように、前記
フルブリッジ回路内のトランジスタの導通時間を一定に
し、位相をずらすことで行うことができる。
【0016】なお、請求項1乃至請求項3のいずれか1
項記載の電源回路については、請求項4記載の発明のよ
うに、外付け、内蔵を問わず、電子機器に設けることが
できる。
【0017】上述の本発明の電源の構成によれば、一次
巻線と二次巻線とが設けられたトランスを有しており、
一次側には、一次巻線に交流電圧を印加して交流電流を
流す一次側電流制御手段が設けられている。二次側に
は、整流素子とインダクタンス素子とが直列接続された
回路が並列接続され、その回路によって構成された二次
側整流回路が設けられており、二次巻線の両端は、整流
素子とインダクタンス素子との接続部分にそれぞれ接続
されている。
【0018】二次側整流回路内の整流素子はMOSFE
Tで構成されており、そのMOSFETは、一次側電流
制御手段に同期制御されている。その同期制御は、一次
巻線に交流電流が流れ、二次巻線に生じた電圧によっ
て、ソース・ドレイン間が、スイッチング素子として使
用される通常の場合とは逆方向にバイアスされるMOS
FETに対し、ゲート端子に電圧を印加し、そのMOS
FETに第三象限動作をさせるように構成されている。
【0019】MOSFETの第三象限動作をnチャネル
MOSFETを例にとって概説すると、一般に、電源回
路等の電力供給に用いられるMOSFETは、図9に示
すような拡散構造になっており、ソース端子に対してゲ
ート端子にスレッショルド電圧以上の正電圧を印加する
と、バックゲート領域の表面近傍にチャネルが形成さ
れ、ソース領域とドレイン領域とが電気的に接続される
ようになっている。
【0020】その状態で、通常は、ソース端子に対して
ドレイン端子に正電圧を印加し(VS D>0)、ドレイン端
子からソース端子に向けて電流を流しており、ゲート端
子の電圧を制御することで、MOSFETをスイッチ素
子として用いている。この状態では、バックゲート領域
とドレイン領域とで形成されるpn接合は逆バイアスさ
れるので、そのpn接合に電流が流れることはない。
【0021】逆に、ゲート端子にスレッショルド電圧以
上の電圧を印加した状態で、ドレイン端子に対してソー
ス端子に正電圧を印加した場合(VSD<0)、ソース端子
からドレイン端子に向けて電流が流れる。
【0022】この状態では、上記pn接合は順バイアス
されるため、ドレイン端子とソース端子の間の電圧がp
n接合の順方向導通電圧を超えると、pn接合にも電流
が流れるようになる。
【0023】ドレイン・ソース間に流れるドレイン電流
Dを縦軸、ドレイン・ソース間の電圧VSDを横軸にと
り、nチャネルMOSFETの特性を図4のグラフに示
す。X−Y平面の第一象限にある曲線が、通常の方向に
電流を流し、スイッチ素子として使用する場合(ソース
端子に対してドレイン端子に正電圧を印加した場合)の
特性を示しており、第三象限にある曲線が、通常とは逆
方向に電流を流す場合(ドレイン端子に対してソース端
子に正電圧を印加した場合)の特性を示している。
【0024】第三象限中の破線で示した曲線は、ゲート
端子に電圧を印加しない場合の特性であり、上記pn接
合のダイオード特性を示している。
【0025】この図4のグラフの第三象限では、ソース
からドレインに向けて流れるドレイン電流IDがIMAX
下であれば、ゲート端子に電圧を印加した場合の電圧降
下は、印加しない場合の電圧降下に比べて小さい。従っ
て、pn接合ダイオードに替え、MOSFETの第三象
限の特性を利用した整流素子を用いると、整流素子の電
圧降下による損失を低減できるという大きな特徴があ
り、このようなMOSFETの動作状態は、第三象限動
作と呼ばれている。
【0026】本発明の電源回路では、二次巻線に生じた
電圧によって、MOSFETのソース・ドレイン間に第
1象限の範囲にある電圧が印加されるときは、一次側電
流制御手段との同期制御によって、そのMOSFETの
ゲート端子には電圧は印加されず、遮断した状態にある
ように構成されている。
【0027】他方、MOSFETのソース・ドレイン間
が第三象限の範囲にある電圧を印加されるときには、同
期制御によって、ゲート端子に電圧が印加され、MOS
FETが第三象限動作をするように構成されている。従
って、MOSFETにはダイオードと同じ整流作用を持
たされている。
【0028】二次巻線に生じた電圧が、第三象限動作を
するMOSFETによってインダクタンス素子に印加さ
れ、インダクタンス素子に電流が流れると、そのインダ
クタンス素子にエネルギーが蓄積される。そのインダク
タンス素子が蓄積されたエネルギーを放出するときは、
定電流源のように動作し、流れる電流を一定値に維持し
ようとする。
【0029】従って、エネルギーを開放しているインダ
クタンス素子の内部インピーダンスは非常に大きいた
め、逆方向の電流が流れるような電圧を印加しても、イ
ンダクタンス素子は定電流を維持する。従って、定電流
動作をしているインダクタンス素子には、ダイオードと
同じ整流作用がある。
【0030】このように、本発明の電源回路に用いられ
る二次側整流回路は、ダイオードブリッジ回路と同様の
整流作用があるため、二次巻線に生じた交流電圧を整流
でき、整流後の電圧を平滑すると直流電圧を得ることが
できる。
【0031】本発明の二次側整流回路とダイオードブリ
ッジ回路とを比較した場合、ダイオードブリッジ回路で
は、スイッチング周波数の半周期毎に流れる電流によっ
て、ダイオード2個分の電圧降下が発生する。それに対
し、本発明の電源回路の二次側整流回路では、第三象限
動作をする1個のMOSFETの電圧降下だけで済む。
従って、本発明の電源回路では、損失が少なく、高効率
になる。また、インダクタンス素子がチョークコイルの
働きをし、1個のチョークコイルを用いた場合よりもリ
ップル成分が小さいので、平滑回路をコンデンサだけで
構成することができる。
【0032】なお、上述したような一次側電流制御手段
には、4個のトランジスタと一次巻線とで構成されるフ
ルブリッジ回路を設け、各トランジスタを制御して一次
巻線に交流電流を流すことができる。
【0033】その場合、二次側整流回路内のMOSFE
Tの第三象限動作を、フルブリッジ回路の動作と同期制
御する必要があるが、例えば、2個のMOSFETを、
フルブリッジ回路内の異なる相の2個のトランジスタと
それぞれ同期させてゲート端子に電圧を印加するように
すればよい。
【0034】このような同期制御を行う場合、トランジ
スタの導通時間を変化させることで一次巻線に流す交流
電流量を制御しようとすると、同期制御が複雑になって
しまう。そこで、本発明では、フルブリッジ回路内のト
ランジスタの導通時間を一定にし、位相をずらすことで
同相の2個のトランジスタが共に導通する時間を変化さ
せ、一次巻線に流れる交流電流量を制御している。
【0035】
【発明の実施の形態】図1の符号1は、本発明の一例の
同期倍電流電源であり、一次巻線21と二次巻線22が
設けられたトランスTを有している。
【0036】この同期倍電流電源回路1の一次側には、
ダイオードブリッジ回路(一次側整流回路)43、平滑コ
ンデンサC1、nチャネルMOSFETで構成された4
個のトランジスタQ1〜Q4が設けられており、各トラン
ジスタQ1〜Q4と一次巻線21とで、フルブリッジ回路
10が構成されている。
【0037】ダイオードブリッジ回路43には商用電源
42が接続されており、投入される商用電圧AC100
Vを全波整流し、平滑コンデンサC1によって平滑化
し、フルブリッジ回路10に直流電圧を供給するように
構成されている。
【0038】4個のトランジスタQ1〜Q4のうち、一方
の組のトランジスタQ1、Q4をA相、もう一方の組のト
ランジスタQ2、Q3をB相とした場合、A相とB相とを
交互に導通状態にすると、一次巻線21に交流電流を流
すことができる。
【0039】二次側には、出力コンデンサC2と、A相
とB相のインダクタンス素子L1、L2と、A相とB相の
MOSFET31、32が設けられており、インダクタ
ンス素子L1、L2とMOSFET31、32とで、二次
側整流回路30が構成されている。二次巻線22は一次
巻線21と磁気結合されており、一次巻線21に電流が
流れると、二次巻線22の両端に誘導起電力が生じるよ
うに構成されている。
【0040】4個のトランジスタQ1〜Q4と、A相、B
相のMOSFET31、32は、それぞれインハーンス
メント型のnチャネルMOSFETで構成されており、
A相、B相の各インダクタンス素子L1、L2の一端は、
それぞれA相、B相のMOSFET31、32のドレイ
ン端子に接続されており、他端は互いに接続され、出力
コンデンサC2の高電圧側の端子に接続されている。他
方、A相、B相の各MOSFET31、32のソース端
子同士は互いに接続され、出力コンデンサC2の低電圧
側の端子に接続されている。
【0041】この同期倍電流電源回路1の一次側には、
誤差信号生成器81、PI調整器82、位相シフト回路
83が設けられており、フルブリッジ回路10と共に、
一次側電流制御手段が構成されている。
【0042】位相シフト回路83には、PI調整器82
が出力する誤差信号VPIと、周波数50kHzのクロッ
ク信号とが入力されており、その位相シフト回路83内
では、入力されたクロック信号から100kHzの鋸歯
状波が生成されている。
【0043】4個のトランジスタQ1〜Q4の導通時間と
遮断期間は、鋸歯状波の所定個数分(ここでは2個分)の
一定時間になるように設定されており、各トランジスタ
1〜Q4のうち、A相の高電圧側のトランジスタQ1
B相の低電圧側のトランジスタQ3は、鋸歯状波の立上
りによって導通を開始し、A相の低電圧側のトランジス
タQ4とB相の高電圧側のトランジスタQ2は、鋸歯状波
と誤差信号VPIとが一致したときに導通が開始するよう
に構成されている。
【0044】A相の2個のトランジスタQ1、Q4間と、
B相の2個のトランジスタQ2、Q3間の導通状態を説明
すると、誤差信号VPIが鋸歯状波の振幅範囲よりも大き
くなったときに導通期間が一致し、振幅範囲よりも低下
すると、鋸歯状波1個分だけトランジスタQ4、Q3の導
通開始時期が早まるように構成されている。
【0045】この場合、誤差信号VPIが鋸歯状波の振幅
範囲内にあると、誤差信号VPIが鋸歯状波のピーク電圧
よりも小さい期間だけ、A相の低電圧側のトランジスタ
4とB相の高電圧側のトランジスタQ2の導通開始時期
が早まるように構成されている。
【0046】従って、A相の2個のトランジスタQ1
4間と、B相の2個のトランジスタQ2、Q3間では、
導通位相は一致した状態(位相のずれはゼロ)から、三角
波一個分の位相のπ/4だけずれた状態まで変化できる
ことになる(A相とB相とを合計すると、ずれ位相量は
最大でπ/2)。
【0047】A相側では、2個のトランジスタQ1、Q4
の両方が導通したときに導通状態となり、一次巻線21
に電圧が印加され、B相側では2個のトランジスタ
2、Q3の両方が導通したときに導通状態となり、一次
巻線21にはA相が導通状態となったときと逆極性の電
圧が印加されるから、A相の導通期間とB相の導通期
間、即ち各相によって一次巻線へ電圧が印加される期間
は、A相、B相共にそれぞれ最大1/2デューティ、最
小1/4デューティとなる。
【0048】なお、A相が導通状態になったときと、B
相が導通状態になったときとでは一次巻線21には逆極
性の電圧VTが印加されるので、一次巻線21に流れる
電流は互いに逆向きとなり、一次巻線21には交流電流
が流れることになる。
【0049】いま、商用電源142が投入され、A相が
導通状態になり、図5に示すように、一次側電流JA
一次巻線21に流れたものとすると、一次巻線21の端
子Aと同極性の二次巻線22の端子Cに正電圧、一次巻
線21の端子Bと同極性の二次巻線の端子Dに負電圧が
誘起される。
【0050】このとき、A相のMOSFET31のゲー
ト端子には、位相シフト回路83によってトランジスタ
1と同期した状態で電圧が印加されており、また、二
次巻線22の両端に誘起された電圧により、ソース端子
の電位がドレイン端子の電位よりも高くなっているの
で、A相のMOSFET31は第三象限動作をし、二次
巻線22に誘起された電圧により、端子C→A相のイン
ダクタンス素子L1→負荷側(出力コンデンサC2と負荷
90の並列回路)→A相のMOSFET31→端子D、
の経路で二次側電流IAが流れ、A相のインダクタンス
素子L1にエネルギーが蓄積される。
【0051】その状態でトランジスタQ4が遮断する
と、一次側には、トランジスタQ1と、トランジスタQ2
に逆並列接続されたダイオード(ここではトランジスタ
2内のpn接合)とで形成される閉ループに電流が流
れ、次いで、トランジスタQ1も遮断すると、流れてい
た電流は電源回生される。
【0052】それらの電流を、図6(a)の符号J'Aで示
す。この状態では、B相のMOSFET32にはゲート
電圧は印加されておらず、B相のMOSFET32は遮
断状態となり、電流は流れない。他方、A相のインダク
タンス素子L1は蓄積していたエネルギーを放出し、定
電流源となって二次側電流IAを維持する。
【0053】その状態から、図6(b)に示すように、B
相のトランジスタQ2、Q3が導通すると、一次巻線21
には、A相が導通状態にあったときとは逆向きの一次側
電流JBが流れ、二次巻線22の端子Dに正電圧、端子
Cに負電圧が誘起される。
【0054】このとき、B相のMOSFET32のゲー
ト端子には、トランジスタQ3と同期した状態で電圧が
印加されており、また、二次巻線22に誘起された電圧
によって、ソース端子の電位がドレイン端子の電位より
も高くなっているので、B相のMOSFET32は第三
象限動作をし、二次巻線22の両端に誘起された電圧に
より、端子D→B相のインダクタンス素子L2→負荷側
→B相のMOSFET32→端子C、の経路で二次側電
流IBが流れ、B相のインダクタンス素子L2にエネルギ
ーが蓄積される。
【0055】B相のインダクタンス素子L2にエネルギ
ーが蓄積される際、A相のインダクタンス素子L1
は、エネルギー放出による二次側電流IAを流す方向と
は逆向きの電圧が印加されるが、A相のインダクタンス
素子L1は、定電流動作を行っているため内部インピー
ダンスが高く、流す二次側電流IAを維持する。従っ
て、負荷側には、A相とB相の2個のインダクタンス素
子L1、L2の各々から、二次側電流IA、IBが供給され
る。
【0056】このときは、A相のMOSFET31には
ゲート電圧は印加されておらず、ドレイン端子の電位が
ソース端子の電位よりも高いため、遮断状態にあり、電
流は流れない。
【0057】その状態から、B相のトランジスタQ2
3がこの順に遮断すると、一次側では電流J'Bが流れ
る。二次側では、2個のインダクタンス素子L1、L
2が、蓄積されたエネルギーによって定電流源として動
作し、図7(c)に示すように、負荷側に二次側電流
A、IBをそれぞれ供給し続ける。
【0058】次に、A相が導通状態になり、図7(d)に
示すように、一次巻線21に一次側電流JAが再度流れ
ると、図6(a)に示した状態と同様に、二次巻線22の
端子Cに正電圧、端子Dに負電圧が誘起される。二次巻
線22に誘起された電圧により、端子C、A相のインダ
クタンス素子L1、負荷側、A相のMOSFET31、
端子Dの経路で二次側電流IAが流れ、A相のインダク
タンス素子L1にエネルギーが蓄積される。このとき、
B相のインダクタンス素子L2は定電流源として動作
し、流れる二次側電流IBを維持する。B相のMOSF
ET32は遮断状態にあり、電流は流れない。
【0059】このように、2個のインダクタンス素子L
1、L2へは、それぞれA相、B相が導通状態にある期間
中エネルギーの蓄積が行われ、他の期間中は蓄積された
エネルギーによって二次側電流IA、IBを流しており、
各インダクタンス素子L1、L2は、各々の二次側電流I
A、IBを一緒に負荷側に供給する。二次側電流IA、IB
の同士の位相は異なっており、異なる時期にリップルの
ピークが位置するため、平滑回路を出力コンデンサC2
で構成しても、そのリップルは容易に除去することがで
きる。従って、平滑され、直流電圧化された状態の出力
電圧Voutが負荷90に供給される。
【0060】出力電圧Voutは図示しない電圧検出回路
によって検出され、電圧信号VLとして、フォトカプラ
によって電気的に絶縁した状態で、一次側の誤差信号生
成器81に出力されている。誤差信号生成器81には、
電圧信号VLと共に指令値VL *が入力されており、電圧
信号VLと指令値VL *との差がとられ、誤差信号VPI
してPI調整器82に出力される。PI調整器82は、
誤差信号VPIの値が小さくなるように位相シフト回路8
3を制御し、各トランジスタQ1〜Q4間の位相差を変化
させており、出力電圧Voutはかくて定電圧化される。
【0061】以上説明したように、2個のインダクタン
ス素子L1、L2には常に二次側電流IA、IBが流れてい
る状態なので、負荷側には、1個のインダクタンス素子
を用いた場合の2倍の電流を供給することができる。従
って、本発明の同期倍電流電源回路1は、低圧大電流出
力に適している。
【0062】なお、上述の同期倍電流電源回路1では、
A相側では、高電圧側のトランジスタQ1が低電圧側の
トランジスタQ4よりも先に導通し、B相側では、低電
圧側のトランジスタQ3が高電圧側のトランジスタQ2
りも先に導通したが、その順序は逆であってもよい。ま
た、三角波4個分で1周期にしたが、三角波2個分で1
周期とすれば、A相とB相で、それぞれずれ位相量を0
〜πにすることができる。
【0063】この同期倍電流電源回路1において、一次
巻線と二次巻線の巻線比を15:1(一次:二次)にし、
A相、B相のインダクタンス素子L1、L2に1ターンの
コイル(0.69μH)を用い、出力電圧を3Vに設定し
た。負荷に可変抵抗を用い、出力電流Ioutを変化させ
て特性を測定した。出力容量(Vout×Iout)と効率、出
力電圧の関係を測定した。一次側商用電源42は、AC
100Vである。
【0064】その測定結果を、横軸に出力容量(W)を、
左縦軸に効率(%)、右縦軸に出力電圧(V)をとって、図
8のグラフに示す。軽負荷時、重負荷時に効率の低下が
見られ、250〜350Wの間が最も効率が高い。最大
効率は340(W)時の78.1%である。出力電圧変動
は7.3%であった。
【0065】図3に、各トランジスタQ1〜Q4のオンデ
ューティを1/2より小さくした場合の動作波形、一次
巻線21の電圧VT、A相、B相のインダクタンス素子
1、L2に流れる電流IL1、IL2、出力コンデンサC2
に流れる電流ICの各波形をタイミングチャートにして
示す(トランジスタQ1〜Q4の動作波形は、ハイ状態で
オン、ロー状態でオフを表すものとする)。
【0066】2個のインダクタンス素子L1、L2を使用
しているので、出力コンデンサへのリップル電流は小さ
くなっていることが分かる。出力コンデンサに流れ込む
電流ICは、インダクタンス素子L1、L2に流れる電流
L1、IL2の和になっている。
【0067】以上説明したように、本発明の同期倍電流
電源回路1を用いれば、小容量のインダクタンス素子
で、低損失、大出力の電源を得ることができる。
【0068】なお、上記同期倍電流電源回路1では、n
チャネルMOSFETによってフルブリッジ回路を構成
したが、高電圧側をpチャネルMOSFET、低電圧側
をnチャネルMOSFETにすることができる。また、
エミッタ・コレクタ間にフライバックダイオードが設け
られたバイポーラトランジスタでによって構成してもよ
い。
【0069】上述の同期倍電流電源回路1では、一次側
と二次側の絶縁にフォトカプラを用いたが、他の手段、
例えばパルストランス等を用いることができる。
【0070】以上は電源回路について説明したが、本発
明は電源回路だけではなく、その電源回路を有する電源
装置、測定装置、製造装置等の電子機器を広く含むもの
である。
【0071】
【発明の効果】小容量のインダクタンス素子によって大
電流を効率よく取り出すことができる。そのインダクタ
ンス素子の整流作用を利用するので、整流素子の数が少
なくて済む。二次側整流回路を一次側フルブリッジ回路
と同期動作させるだけで、高効率の電源が得られる。損
失が小さいので、電源装置を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電源回路の一例
【図2】その電源回路中のフルブリッジ回路の制御方法
を説明するためのタイミングチャート
【図3】動作状態を説明するためのタイミングチャート
【図4】MOSFETの第三象限動作を説明するための
グラフ
【図5】フルブリッジ回路が動作を開始したときに流れ
る電流経路を説明するための図
【図6】(a):動作を開始したA相側が遮断したときに
流れる電流経路を説明するための図 (b):その状態
からB相側が導通したときに流れる電流経路を説明する
ための図
【図7】(c):次いでB相側が遮断したときに流れる電
流経路を説明するための図 (d):再度A相側が導通
したときに流れる電流経路を説明するための図
【図8】出力容量と効率及び出力電圧の関係を示すグラ
【図9】nチャネルMOSFETの拡散構造を説明する
ための断面図
【図10】従来技術の電源回路の一例
【符号の説明】
1……同期倍電流電源回路 10……フルブリッジ回
路 21……一次巻線 22……二次巻線 30……二次側整流回路 3
1、32……2個の整流素子(MOSFET) 43…
…一次側整流回路(ダイオードブリッジ回路) T……トランス Q1〜Q4……4個のトランジスタ
1、L2……2個のインダクタンス素子
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年9月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】その状態で、通常は、ソース端子に対して
ドレイン端子に正電圧を印加し(VDS>0)、ドレイ
ン端子からソース端子に向けて電流を流しており、ゲー
ト端子の電圧を制御することで、MOSFETをスイッ
チ素子として用いている。この状態では、バックゲート
領域とドレイン領域とで形成されるpn接合は逆バイア
スされるので、そのpn接合に電流が流れることはな
い。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】逆に、ゲート端子にスレッショルド電圧以
上の電圧を印加した状態で、ドレイン端子に対してソー
ス端子に正電圧を印加した場合(VDS<0)、ソース
端子からドレイン端子に向けて電流が流れる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次巻線と二次巻線とが設けられたトラ
    ンスを有し、一次側には前記一次巻線に交流電圧を流す
    一次側電流制御手段が設けられ、 二次側には整流素子とインダクタンス素子とが直列接続
    された回路が並列接続されて構成された二次側整流回路
    が設けられ、 前記二次巻線の両端は、前記整流素子と前記インダクタ
    ンス素子との接続部分にそれぞれ接続され、前記二次側
    整流回路によって整流された電圧を平滑すると、直流電
    圧が得られるように構成された電源回路であって、 前記整流素子はMOSFETで構成され、各MOSFE
    Tが前記一次側電流制御手段と同期制御され、 前記一次側電流制御手段によって前記一次巻線に交流電
    流を流したときに前記二次巻線に誘起される誘導起電力
    と前記同期制御によって、前記MOSFETは第三象限
    動作をし、前記二次巻線に流れる誘導電流は、そのMO
    SFETと前記インダクタンス素子とを流れるように構
    成されたことを特徴とする同期倍電流電源回路。
  2. 【請求項2】 前記一次側電流制御手段は、前記一次巻
    線と少なくとも4個のトランジスタによって構成された
    フルブリッジ回路を有し、前記MOSFETは、前記4
    個のトランジスタのうちの相が異なる2個のトランジス
    タとそれぞれ同期制御させられるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の同期倍電流電源回路。
  3. 【請求項3】 前記一次巻線に流れる前記交流電流の電
    流量を制御する際、前記フルブリッジ回路内のトランジ
    スタの導通時間を一定にし、位相をずらすことで行うよ
    うに構成されたことを特徴とする請求項2記載の同期倍
    電流電源回路。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項3のいずれか1項記
    載の同期倍電流電源回路を有することを特徴とする電子
    機器。
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