JPH10325018A - 高比重複合フィラメントとその製造法 - Google Patents

高比重複合フィラメントとその製造法

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JPH10325018A
JPH10325018A JP9129291A JP12929197A JPH10325018A JP H10325018 A JPH10325018 A JP H10325018A JP 9129291 A JP9129291 A JP 9129291A JP 12929197 A JP12929197 A JP 12929197A JP H10325018 A JPH10325018 A JP H10325018A
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Japan
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polyester resin
specific gravity
core layer
fine particles
high specific
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JP9129291A
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English (en)
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Akira Kanatsuki
亮 金築
Koji Inagaki
孝司 稲垣
Akira Yamamoto
山本  明
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製糸性良く製造することができ、高比重、か
つ、高強度で、水産資材用、特に漁網用に適する複合フ
ィラメントを提供する。 【解決手段】 芯層がポリエステル樹脂に40体積%以下
の無機微粒子とポリエステル樹脂に対して 0.5〜10.0重
量%の溶融粘度低下剤とを含有させた比重 1.9〜3.5 の
ポリエステル樹脂組成物、鞘層が相対粘度 1.5以上のポ
リエステル樹脂からなり、芯層と鞘層との体積比が40/
60以下であり、直線強度が4g/d以上、直線切断伸度
が15%以上、比重が 1.5以上である高比重複合フィラメ
ント。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水産資材用、特に
漁網用に適する高比重で、かつ、高強度の複合フィラメ
ントとその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、漁網に使用されていたポリ塩化ビ
ニリデン繊維は焼却時に環境に対して有害なガスを発生
するという問題があり、近年、多くの漁網はポリエステ
ル繊維で代替されつつある。
【0003】ポリエステル繊維は、比較的比重の大きい
合成繊維であるが、水中での沈降速度が速く、潮流に対
する漁網の保形性を良くするためには、より高比重のも
のが望まれている。
【0004】また、近年、生産性向上のため、高速製網
の可能なラッセル編みの漁網が主流となっており、漁網
用ポリエステル繊維にも高速製網に耐える高強度のもの
が望まれている。
【0005】従来、芯層に高比重の無機微粒子を含有さ
せた高比重芯鞘型複合フィラメントが種々提案されてい
る。しかし、従来の複合フィラメントでは、芯層が多量
の無機微粒子を含有するため、延伸により無機微粒子の
周りに小空間(ボイド)が発生し、十分高比重化できな
いという問題があった。また、多量の無機微粒子を含有
している芯層は、溶融時及び延伸時の流動性が悪く、製
糸性が悪いという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製糸性良く
製造することができ、高比重、かつ、高強度で、水産資
材用、特に漁網用に適する複合フィラメントとその製造
法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するもので、その要旨は次のとおりである。 1.芯層がポリエステル樹脂に40体積%以下の無機微粒
子とポリエステル樹脂に対して 0.5〜10.0重量%の溶融
粘度低下剤とを含有させた比重 1.9〜3.5 のポリエステ
ル樹脂組成物、鞘層が相対粘度 1.5以上のポリエステル
樹脂からなり、芯層と鞘層との体積比が40/60以下であ
り、直線強度が4g/d以上、直線切断伸度が15%以
上、比重が 1.5以上であることを特徴とする高比重複合
フィラメント。
【0008】2.芯層がポリエステル樹脂に40体積%以
下の無機微粒子とポリエステル樹脂に対して 0.5〜10.0
重量%の溶融粘度低下剤とを含有させた比重 1.9〜3.5
のポリエステル樹脂組成物、鞘層が相対粘度 1.5以上の
ポリエステル樹脂からなり、芯層と鞘層との体積比が40
/60以下である複合モノフィラメントを紡糸速度20〜10
0 m/分で溶融紡出し、得られた未延伸糸を80〜120 ℃
に加熱しつつ 3.0〜5.5倍に第一段延伸し、次いで、 12
0〜200 ℃に加熱しつつ 1.0〜2.0 倍に第二段延伸し、
全延伸倍率を 5.0〜6.0 倍とし、引続いて、 200℃以上
の温度で5〜10%の弛緩率で弛緩熱処理することを特徴
とする上記第1項に記載の高比重複合モノフィラメント
を製造する方法。
【0009】3.芯層がポリエステル樹脂に40体積%以
下の無機微粒子とポリエステル樹脂に対して 0.5〜10.0
重量%の溶融粘度低下剤とを含有させた比重 1.9〜3.5
のポリエステル樹脂組成物、鞘層が相対粘度 1.5以上の
ポリエステル樹脂からなり、芯層と鞘層との体積比が40
/60以下である複合マルチフィラメントを紡糸速度 200
〜1000m/分で溶融紡出し、得られた未延伸糸を80〜13
0 ℃に加熱した後、 150℃以上の温度で熱処理しつつ
5.0〜6.5 倍の延伸倍率で延伸し、次いで、 150℃以上
の温度で5〜15%の弛緩率で弛緩熱処理することを特徴
とする上記第1項に記載の高比重複合マルチフィラメン
トを製造する方法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0011】水産資材用フィラメントには、前述のよう
に、高比重のみならず、高強度も要求される。鞘層はフ
ィラメントの強度を担う部分であり、本発明において
は、鞘層として、比重が高く、延伸処理により高強度を
発現するポリエステル樹脂が用いられる。
【0012】本発明におけるポリエステル樹脂として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、脂肪族ポリエステル及びこれらを主体とする
共重合ポリエステル等が用いられるが、フィラメント強
度と経済性を考慮するとポリエチレンテレフタレートが
最も好ましい。
【0013】本発明において、鞘層に用いるポリエステ
ル樹脂は、相対粘度が1.60〜1.75のものが好ましい。相
対粘度が1.60未満であると、高強度のフィラメントを得
ることができないとともにフィラメントでの相対粘度を
1.5以上とすることが困難となり、長時間安定した曳糸
性を得ることができない。一方、相対粘度が1.75を超え
ると、溶融斑を起こしたり、溶融ポリマーの流動性の悪
化の原因となり、繊維表面に荒れを生じるという問題が
あり、かつ、ポリマーを完全に溶融させるために溶融温
度を高くするとポリマーの熱分解が起こり、高粘度ポリ
マーの効果が失われるという問題がある。
【0014】なお、鞘層用ポリエステル樹脂には、高比
重化のための無機微粒子を実質的に含有しないものが用
いられる。(着色剤、艶消剤、平滑剤等としての無機微
粒子は、少量含有していても差し支えない。)
【0015】一方、芯層には、ポリエステル樹脂に無機
微粒子と溶融粘度低下剤を含有させた樹脂組成物を用い
る。
【0016】無機微粒子としては、微粒子間での二次凝
集が少なく、ポリエステル樹脂への分散性に優れ、安全
性の高い高比重のものが用いられ、具体的には、チタ
ン、ジルコニウム、バリウム、タングステン等の各種金
属及びこれらの金属の化合物からなるものが用いられ
る。特に好ましいものは、ポリエステル樹脂への分散
性、曳糸性、延伸性及び安全性の点で、沈降性硫酸バリ
ウムである。
【0017】そして、無機微粒子は、平均粒径が 1.0μ
m 以下で、実質的に 6.0μm 以上の粒径のものを含まな
いものが好ましい。このような無機微粒子を用いるとポ
リエステル樹脂中に均一に分散し、製糸性が良好で、高
強度のフィラメントを得ることができる。無機微粒子の
粒径が大きすぎるとポリエステル樹脂中へ均一に分散さ
せることが困難となるとともに、製糸性が悪くなり、高
強度のフィラメントを得ることができない。また、無機
微粒子は球形に近いものが好ましい。
【0018】芯層のポリエステル樹脂に含有させる無機
微粒子の量は、40体積%以下とする必要がある。無機微
粒子の含有量が40体積%を超えると、ポリエステル樹脂
組成物を製造する際の加工性が著しく低下するととも
に、均一な比重を有する組成物が得られず、紡糸性及び
延伸性が低下し、高強度で、かつ、均一な比重を有する
フィラメントを得ることができない。
【0019】また、無機微粒子を含有するポリエステル
樹脂組成物の比重は 1.9〜3.5 とする必要がある。ポリ
エステル樹脂組成物の比重を 3.5より大きくしようとす
るとポリエステル樹脂組成物を製造する際の加工性が著
しく低下し、比重や形状の均一なポリエステル樹脂組成
物を得ることが困難となり、溶融紡糸性悪化の原因とも
なるため好ましくない。一方、ポリエステル樹脂組成物
の比重が 1.9未満であると高比重で、かつ、高強度のフ
ィラメントを得ることが困難となる。
【0020】一般に、無機微粒子を多量に含有するポリ
エステル樹脂組成物を用いた溶融紡出糸を延伸する場
合、ポリエステル樹脂は徐々に延伸されるが、無機微粒
子自身は延伸されないでその場に残るため、無機微粒子
の周りにボイドが発生し、フィラメントの比重が低下す
るという問題がある。場合によっては、高比重化するた
めに無機微粒子を含有させても、ポリエステル樹脂の比
重よりも低くなることすらある。
【0021】本発明では、上記の問題を解決するため
に、芯層のポリエステル樹脂組成物中に溶融粘度低下剤
をポリエステル樹脂に対して 0.5〜10.0重量%含有させ
る。溶融粘度低下剤は、ポリエステル樹脂の溶融粘度を
低下させる作用をし、これにより、ポリエステル樹脂へ
の無機微粒子の分散性が向上するとともに、塑性変形を
助長し、無機微粒子周囲のボイドの発生を抑制し、比重
低下を抑えることができる。また、溶融粘度低下剤を含
有させることにより製糸性が向上し、得られるフィラメ
ントの強度も上昇する。
【0022】溶融粘度低下剤としては、次式で表される
ビスフェノール系化合物が好ましく用いられる。
【0023】
【化2】
【0024】溶融粘度低下剤の具体例としては、次のよ
うな化合物が挙げられる。
【0025】
【化3】
【0026】芯層のポリエステル樹脂への溶融粘度低下
剤の添加量は、ポリエステル樹脂に対して 0.5〜10.0重
量%、好ましくは 1.5〜8.0 重量%、さらに好ましくは
2.5〜6.0 重量%とすることが必要であり、この条件が
満たされないと目標性能が発現されない。すなわち、こ
の添加量が 0.5重量%未満であると十分な添加効果が得
られず、逆に10.0重量%を超えると曳糸性の悪化が起こ
り、好ましくない。
【0027】芯層のポリエステル樹脂組成物は、予め、
ポリエステル樹脂、無機微粒子及び溶融粘度低下剤を混
合して溶融混練し、チップ化しておくと、作業性が良い
とともに、無機微粒子をポリエステル樹脂中に均一に分
散させることができて望ましい。
【0028】芯層と鞘層との割合は、体積比で40/60以
下とすることが必要であり、10/90〜40/60とすること
が好ましい。芯層の割合がこれより大きいと、鞘層のポ
リエステル樹脂として高相対粘度のものを用いても高強
度フィラメントを得ることが困難であるとともに、長時
間安定した曳糸性を得ることが困難となる。
【0029】次に、本発明の複合モノフィラメントの製
造法について説明する。まず、上記のようなポリエステ
ル樹脂組成物を芯層、ポリエステル樹脂を鞘層として用
い、常法によって、紡糸速度20〜100 m/分で溶融紡出
し、複合未延伸モノフィラメントを得る。この際の紡糸
温度は、 230〜350 ℃、好ましくは 250〜310 ℃とする
のが適当であり、紡糸温度が低すぎると完全に溶融させ
ることが困難であり、高すぎるとポリマーの熱分解が起
こり好ましくない。
【0030】紡出された糸条は、 0〜100 ℃、好ましく
は10〜90℃の液体浴により冷却固化される。冷却温度が
低すぎると温度管理が困難であるとともに、作業性が悪
くなり、高すぎると冷却固化が不完全となり、好ましく
ない。
【0031】冷却固化した未延伸糸は、一旦巻き取った
後又は巻き取ることなく、延伸される。
【0032】延伸は、一段又は二段以上の多段で行うこ
とができるが、本発明においては、二段延伸法が採用さ
れる。すなわち、液体浴及び/又はオーブンを用いて糸
条の温度を80〜120 ℃として 3.0〜5.5 倍の延伸倍率で
第一段延伸し、次いで、第一段延伸よりも高温の 120〜
200 ℃の液体浴及び/又はオーブンを用いて、延伸倍率
1.0〜2.0 倍で第二段延伸し、全延伸倍率が 5.0〜6.5
倍となるようにする。
【0033】第一段延伸での糸条温度が80℃より低い
と、高強度のモノフィラメントは得られるものの、ボイ
ドの発生を抑制することができず、目標とする高比重
で、かつ、高強度のモノフィラメントを得ることができ
ない。一方、糸条の温度が 120℃を超えると、スーパー
ドローを起こし、モノフィラメントの比重の低下はない
ものの、高強度のモノフィラメントを得ることができな
い。
【0034】また、第二段延伸においては、第一段延伸
の際にある程度結晶が配向されているため、第一段延伸
時よりも高温で延伸する必要がある。第二段延伸での糸
条温度が 120℃よりも低いと第一段延伸時と同様、ボイ
ドの発生を抑制することが困難となり、目標とする高比
重のモノフィラメントを得ることができない。一方、糸
条の温度が 200℃を超えると、スーパードローを起こ
し、高強度のモノフィラメントを得ることができない。
【0035】また、第一段目の延伸倍率が 3.0倍未満で
あると、延伸斑を起こし、第二段延伸時の延伸性が悪化
するとともに、目的とする高強度のモノフィラメントを
得ることができず、一方、 5.5倍を超えると過剰な延伸
となり、多量のボイドが発生し、高比重のモノフィラメ
ントを得ることができなくなる。
【0036】さらに、第二段目の延伸倍率を 1.0〜2.0
倍とし、全延伸倍率が 5.0〜6.5 倍となるようにする必
要がある。全延伸倍率が 5.0倍未満であると、目的とす
る高強度のモノフィラメントを得ることができず、一
方、全延伸倍率が 6.5倍を超えると過剰な延伸のためボ
イドが発生し、高比重とすることができない。
【0037】延伸された糸条は、 200℃以上の液体浴及
び/又はオーブンを用いて、弛緩率5〜15%で弛緩熱処
理が施される。
【0038】弛緩熱処理温度が 200℃未満であると直線
切断伸度を15%以上とすることが困難であるとともに、
作業性が低下する。
【0039】また、弛緩率が15%を超えると過剰な弛緩
処理のため、糸質物性に斑が生じるとともに、作業性の
悪化の原因となる。一方、弛緩率が5%未満であると直
線切断伸度を15%以上とすることが困難である。
【0040】なお、延伸、熱処理後のモノフィラメント
の繊度が50〜1500dとなるようにするのが適当である。
【0041】次に、本発明の複合マルチフィラメントの
製造法について説明する。まず、上記のような芯層ポリ
エステル樹脂組成物を芯層、ポリエステル樹脂を鞘層と
して用い、モノフィラメントの場合と同様な紡糸温度
で、常法によって、紡糸速度 200〜1000m/分で溶融紡
出し、複合未延伸マルチフィラメントを得る。
【0042】紡出された糸条は、 0〜100 ℃、好ましく
は10〜90℃の気体 (空気) 吹き付けにより冷却固化され
る。冷却温度が低すぎると温度管理が困難であるととも
に、作業性が悪くなり、高すぎると冷却固化が不完全と
なり、好ましくない。
【0043】冷却固化した糸条は、一旦巻き取った後又
は巻き取ることなく、延伸される。延伸は、一段又は二
段以上の多段で行うことができるが、本発明において
は、一段延伸法が採用される。すなわち、加熱ローラ及
び/又はオーブンを用いて糸条の温度を80〜130 ℃とし
た後、オーブン及び/又は接触ヒーターを用いて糸条を
150℃以上に加熱しつつ、延伸倍率 5.0〜6.5 倍で延伸
する。
【0044】延伸された糸条は、 150℃以上の加熱ロー
ラ及び/又はオーブンを用いて、弛緩率5〜15%で弛緩
熱処理が施される。
【0045】このような延伸、熱処理条件が満たされな
いと、モノフィラメントの場合と同様、ボイドが発生し
て高比重のマルチフィラメントが得られなかったり、ス
ーパードローが発生して高強度のマルチフィラメントが
得られなかったり、直線切断伸度を15%以上とすること
ができなかったり、糸質物性に斑が生じたり、作業性が
悪かったりする。
【0046】なお、延伸、熱処理後のマルチフィラメン
トの繊度が、単糸繊度4〜50d、総繊度 100〜2000dと
なるようにするのが適当である。
【0047】本発明においては、芯層の無機微粒子の含
有量、芯層のポリエステル樹脂への溶融粘度低下剤の添
加量、鞘層のポリエステル樹脂の相対粘度、芯層と鞘層
との割合、紡糸、延伸、熱処理の条件を適切に選定し
て、安定した連続紡糸性を示し、比重が 1.5以上、直線
強度が4g/d以上、直線切断伸度が15%以上の特性を
有するフィラメントが得られるようにする。
【0048】このような特性を保持させることによっ
て、高速製網を可能にするとともに、漁網として必要な
強力を有し、水中での沈降速度が速く、潮流に対する保
形性に優れた漁網とすることのできるフィラメントとな
る。
【0049】なお、フィラメントを製造する際に、鎖延
長剤や末端封鎖剤を添加することもできるし、フィラメ
ントの性能を損なわない範囲で、安定剤、原着剤等の各
種添加剤を含有させることもできる。
【0050】
【実施例】次に、実施例により本発明を詳細に説明す
る。なお、測定法及び評価法は、次のとおりである。 (a) ポリエステルの相対粘度 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒と
し、濃度 0.5g/dl、温度20℃で測定した。 (b) 強度及び伸度 島津製作所製オートグラフ DSS-500を用い、試料長25c
m、引張速度30cm/分で測定した。 (c) 比重 1mm以下に粉砕した樹脂組成物又は長さ10mmの繊維片
を、 1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3 −ペンタフルオロプロ
パンと 1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3 −ペンタフルオロプ
ロパンとを体積比45/55の割合で混合した溶液と、クロ
ロフルオロエチレン低重合物溶液とを、任意の比重とな
るように混合した溶液に浸積し、脱泡した後、浮沈法に
より測定した。 (d) 操業性 24時間製糸を行い、紡糸時の糸切れ回数 (曳糸性) 及び
延伸時の糸切れ回数 (延伸性) によって、次の5段階で
評価した。 A:0回 B:1回 C:2〜3回 D:4回以上 E:紡糸困難又は延伸困難もしくは巻取り不能
【0051】実施例1 相対粘度1.41のポリエチレンテレフタレート(PET)
樹脂67.5体積部、平均粒径 0.5μm 、最大粒径 2.0μm
、比重 4.3の沈降性硫酸バリウム微粒子(BaSO4)
32.5 体積部及びポリエステル樹脂に対して 5.0重量%
の溶融粘度低下剤を溶融混練し、比重2.30の芯層用高比
重チップを得た。なお、溶融粘度低下剤として前記式
(イ) で表されるビスフェノールS系化合物を使用し
た。一方、鞘層用として、相対粘度1.68のPETチップ
を準備した。上記の芯層用高比重チップと鞘層用PET
チップとを別々の溶融押出機に供給して、それぞれ 295
℃で溶融し、 295℃に加熱された直径 1.3mmの紡糸孔を
4個有する紡糸口金から、芯鞘複合体積比20/80の同心
円型複合モノフィラメント4本を紡出した。紡出糸条を
70℃の温水浴を通して冷却固化した後、40m/分の速度
で引取り、グリセリン浴を使用して糸条を 100℃に加熱
して延伸倍率 4.5倍で第一段延伸し、次いで 150℃のオ
ーブンを使用して延伸倍率 1.2倍で第二段延伸し、全延
伸倍率が 5.4倍となるようにし、引続いて 250℃のオー
ブンを使用して弛緩率10%で弛緩熱処理し、 500dの芯
鞘型複合モノフィラメントを得た。なお、鞘層用PET
チップのみを用いて、上記と同じ温度と滞留時間で溶融
紡糸して得られたモノフィラメントは、相対粘度が1.55
であった。
【0052】実施例2〜10 芯層の溶融粘度低下剤の含有量(実施例2〜3)、第一
段延伸の温度(実施例4〜5)、第二段延伸の温度(実
施例6〜7)、延伸倍率(実施例8〜9)又は鞘層用P
ETチップの相対粘度(実施例10)を表1のように変更
した以外は、実施例1と同様にして複合モノフィラメン
トを得た。
【0053】実施例11 芯層用高比重チップとして、PET樹脂88.3体積部、平
均粒径 0.6μm 、最大粒径 2.0μm 、比重19.3のタグス
テン微粒子11.7体積部及びPET樹脂に対して5.0重量
%の溶融粘度低下剤を溶融混練して得られた比重3.45の
チップを使用した以外は実施例1と同様にして複合モノ
フィラメントを得た。
【0054】実施例1〜11で得られたモノフィラメント
の糸条特性等を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】比較例1〜10 芯層の溶融粘度低下剤の含有量(比較例1〜2)、第一
段延伸の温度(比較例3〜4)、第二段延伸の温度(比
較例5〜6)、延伸倍率(比較例7〜8)又は弛緩率
(比較例9〜10)を表2のように変更した以外は、実施
例1と同様にして複合モノフィラメントを製造すること
を試みた。
【0057】上記の比較例で得られた複合モノフィラメ
ントの糸条特性等を表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】なお、溶融粘度低下剤を多量に含有した芯
層用チップを用いた比較例2では、製糸性が悪く、良好
なモノフィラメントが得られず、延伸倍率の配分が適切
でない比較例8では、第二段目延伸時に糸条が切断し、
弛緩率を大きくした比較例10では、弛緩熱処理時に糸条
が弛み、巻取りができなかった。
【0060】比較例11 芯層用高比重チップとして、PET樹脂85.7体積部、平
均粒径 0.6μm 、最大粒径 2.0μm 、比重19.3のタグス
テン微粒子14.3体積部及びPET樹脂に対して5.0重量
%を溶融混練して、比重3.90のチップを得ようとした
が、加工性が極めて悪く、得られたチップの比重及び形
状も不均一であった。また、これを用いて複合モノフィ
ラメントの溶融紡糸を試みたが、曳糸性が悪く未延伸モ
ノフィラメントが得られなかった。
【0061】比較例12 芯鞘複合体積比を45/55とした以外は、実施例1と同様
にしてモノフィラメントを製造することを試みた。曳糸
性が悪く、未延伸モノフィラメントの引取りが困難であ
った。
【0062】比較例13 BaSO4 の含有量を50体積%とし、芯層用高比重チッ
プを得ようとしたが、加工性が悪く、得られたチップの
比重及び形状も不均一であった。また、これを用いて複
合モノフィラメントの溶融紡糸を試みたが、曳糸性が悪
く、未延伸モノフィラメントの引取りが困難であった。
【0063】実施例12 実施例1と同じ芯層用高比重チップと鞘層用PETチッ
プとを別々の溶融押出機に供給して、それぞれ 295℃で
溶融し、 295℃に加熱された直径 0.6mmの紡糸孔を48個
有する紡糸口金から、芯鞘複合体積比20/80の同心円型
複合マルチフィラメントを紡出した。紡出糸条を20℃の
空気を吹き付けて冷却固化した後、紡糸油剤を付与し、
105℃の加熱引取りローラで 400m/分の速度で引取
り、引取りローラと延伸ローラとの間で 200℃の熱板に
接触させながら 5.6倍に延伸し、延伸ローラと 200℃の
加熱ローラとの間で弛緩率10%で弛緩熱処理して巻取
り、 1000d/48fの複合マルチフィラメントを得た。な
お、鞘層用PETチップのみを用いて、上記と同じ温度
と滞留時間で溶融紡糸して得られたマルチフィラメント
は、相対粘度が1.58であった。
【0064】実施例13〜26 芯層の溶融粘度低下剤の含有量(実施例13〜14)、引取
りローラの温度(実施例15〜16)、熱板の温度(実施例
17〜18)、延伸倍率(実施例19〜20)、弛緩熱処理の温
度 (実施例21〜22)、弛緩率 (実施例23〜24)又は鞘層
用PETチップの相対粘度(実施例25〜26)を表3〜4
のように変更した以外は、実施例12と同様にして複合マ
ルチフィラメントを得た。
【0065】実施例27 芯層用高比重チップを実施例11と同じ芯層用高比重チッ
プに変更した以外は実施例12と同様にして複合マルチフ
ィラメントを得た。
【0066】実施例12〜27で得られた複合マルチフィラ
メントの糸条特性等を表3〜4に示す。
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】比較例14〜23 芯層の溶融粘度低下剤の含有量(比較例14〜15)、引取
りローラの温度(比較例16〜17)、熱板の温度(比較例
18)、延伸倍率(比較例19〜20)、弛緩熱処理の温度
(比較例21) 又は弛緩率(比較例22〜23)を表5のよう
に変更した以外は、実施例12と同様にして複合マルチフ
ィラメントを製造することを試みた。
【0070】上記の比較例で得られた複合マルチフィラ
メントの糸条特性を表5に示す。
【0071】
【表5】
【0072】なお、溶融粘度低下剤を多量に含有した芯
層用チップを用いた比較例15では、曳糸性が悪く、良好
な複合マルチフィラメントが得られず、弛緩率を大きく
した比較例22では、弛緩熱処理時に糸条が弛み、巻取り
ができなかった。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、高比重で、かつ、高強
度の複合フィラメントを製糸性良く製造することができ
る。そして、この複合フィラメントを用いて漁網を製造
すれば、沈降性に優れ、水中での網揺れが少なくて漁獲
操作性に優れ、かつ、耐久性に優れたものが得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯層がポリエステル樹脂に40体積%以下
    の無機微粒子とポリエステル樹脂に対して 0.5〜10.0重
    量%の溶融粘度低下剤とを含有させた比重 1.9〜3.5 の
    ポリエステル樹脂組成物、鞘層が相対粘度 1.5以上のポ
    リエステル樹脂からなり、芯層と鞘層との体積比が40/
    60以下であり、直線強度が4g/d以上、直線切断伸度
    が15%以上、比重が 1.5以上であることを特徴とする高
    比重複合フィラメント。
  2. 【請求項2】 無機微粒子が沈降性硫酸バリウムである
    請求項1記載の高比重複合フィラメント。
  3. 【請求項3】 溶融粘度低下剤が次式で表される化合物
    である請求項1又は2記載の高比重複合フィラメント。 【化1】
  4. 【請求項4】 芯層がポリエステル樹脂に40体積%以下
    の無機微粒子とポリエステル樹脂に対して 0.5〜10.0重
    量%の溶融粘度低下剤とを含有させた比重 1.9〜3.5 の
    ポリエステル樹脂組成物、鞘層が相対粘度 1.5以上のポ
    リエステル樹脂からなり、芯層と鞘層との体積比が40/
    60以下である複合モノフィラメントを紡糸速度20〜100
    m/分で溶融紡出し、得られた未延伸糸を80〜120 ℃に
    加熱しつつ 3.0〜5.5 倍に第一段延伸し、次いで、 120
    〜200 ℃に加熱しつつ 1.0〜2.0 倍に第二段延伸し、全
    延伸倍率を 5.0〜6.0 倍とし、引続いて、 200℃以上の
    温度で5〜10%の弛緩率で弛緩熱処理することを特徴と
    する請求項1に記載の高比重複合モノフィラメントを製
    造する方法。
  5. 【請求項5】 芯層がポリエステル樹脂に40体積%以下
    の無機微粒子とポリエステル樹脂に対して 0.5〜10.0重
    量%の溶融粘度低下剤とを含有させた比重 1.9〜3.5 の
    ポリエステル樹脂組成物、鞘層が相対粘度 1.5以上のポ
    リエステル樹脂からなり、芯層と鞘層との体積比が40/
    60以下である複合マルチフィラメントを紡糸速度 200〜
    1000m/分で溶融紡出し、得られた未延伸糸を80〜130
    ℃に加熱した後、 150℃以上の温度で熱処理しつつ 5.0
    〜6.5 倍の延伸倍率で延伸し、次いで、 150℃以上の温
    度で5〜15%の弛緩率で弛緩熱処理することを特徴とす
    る請求項1に記載の高比重複合マルチフィラメントを製
    造する方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000096377A (ja) * 1998-09-25 2000-04-04 Unitika Ltd 高比重複合フィラメントの製造方法
JP2000226737A (ja) * 1999-02-08 2000-08-15 Toray Ind Inc 複合繊維およびその製造方法
KR20150002257A (ko) * 2013-06-28 2015-01-07 코오롱인더스트리 주식회사 어망용 폴리에스테르 원사
JP2022034119A (ja) * 2020-08-18 2022-03-03 ユニチカ株式会社 水産資材用複合モノフィラメント

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