JPH10326022A - 負帯電用電子写真感光体及び画像形成方法 - Google Patents

負帯電用電子写真感光体及び画像形成方法

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JPH10326022A
JPH10326022A JP13492597A JP13492597A JPH10326022A JP H10326022 A JPH10326022 A JP H10326022A JP 13492597 A JP13492597 A JP 13492597A JP 13492597 A JP13492597 A JP 13492597A JP H10326022 A JPH10326022 A JP H10326022A
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JP
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mobility
charge
photosensitive layer
layer
electrophotographic
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JP13492597A
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Saburo Yokota
三郎 横田
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性に優れ、かつ従来の積層型電子写真感
光体と電気的特性の互換性を有し、画像特性的に好まし
い性能を有する負帯電用電子写真用感光体を提供するこ
と。 【解決手段】 同一の感光層内に電荷発生物質、電荷輸
送物質及び結着樹脂を含有する電子写真感光体におい
て、該感光層中における電子の移動度が正孔の移動度よ
りも大きいことを特徴とする負帯電用電子写真感光体、
及びこれを用いて負帯電トナーで現像する画像形成方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負帯電用電子写真
感光体及びこれを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真感光体は、導電性の基
体の上に、光導電性の材料からなる感光層を形成するこ
とにより構成されているが、感光層としては、電荷発生
層と電荷輸送層からなる機能分離型の光導電層を有する
積層型電子写真感光体が用いられることが多い。
【0003】しかしながら、従来の一般的な積層型電子
写真感光体は、通常1μm以下の薄層の電荷発生層上
に、比較的厚い層からなる電荷輸送層を積層したもので
あり、電荷発生層の薄膜形成の難しさが収率を落とす要
因となっている。また、電荷輸送層に用いる電荷輸送材
料は、化合物群の豊富さ、電気的な安定性、材料として
の安全性等の理由から、正孔輸送性の材料を用いること
が一般的であるので、このような積層型電子写真感光体
は、必然的に負帯電でしか感度を発現できないものであ
った。
【0004】近年、電子写真感光体に対する要求として
は、長寿命、高感度等の高機能化の傾向がある一方、低
コスト化、高生産性化という他の汎用製品同様の要求も
極めて根強い。
【0005】このような電子写真感光体に対する要求に
対して、特にその単純な層構成等の利点から低コスト
化、高生産性化を図れる旧来の単層型電子写真感光体が
再評価されるようになってきている。そこで、再度実用
的な単層型電子写真感光体を実現しようとする試みが活
発に行われるようになっているが、従来の積層型電子写
真感光体と互換性のある単層型電子写真感光体は得られ
ていないのが現状である。
【0006】例えば、有機化合物として最初に実用化さ
れた、米国特許第3484237号明細書に開示された
ポリ−N−ビニルカルバゾール(PVK)/トリニトロ
フルオレノン(TNF)錯体による単層型電子写真感光
体は、主成分であるPVKの機械的強度の不足と低電荷
移動度による感度不良、及びTNFの強い毒性等が問題
となり、現在では全く実用性がない。
【0007】また、「ジャーナル・オブ・アプライド・
フィジックス」(Journal of Applied Physics)第49
巻第11号第5543〜5564頁(1978年)等に
開示された、チアピリリウム塩とポリカーボネート樹脂
との共晶体に正孔輸送材料を併用した単層型電子写真感
光体は、使用可能な材料が限定されているため特性の改
善が困難であり、また感度波長域が狭く、長波長域に感
度を持たないため、現在主流である半導体レーザーを露
光光源とする電子写真装置には適用できないものであっ
た。
【0008】更に米国特許第3397086号明細書に
開示されたフタロシアニン/樹脂分散型電子写真感光体
のように、電気絶縁性の結着剤中に光導電性顔料を分散
した構成の単層型電子写真感光体は、顔料表面に必然的
に形成される電荷トラップが感光層中に高密度に存在す
るため、光照射から電位減衰までに遅れが生ずるいわゆ
るインダクション効果によって、光応答特性が大幅に悪
く、また光減衰曲線が通常の積層型感光体と全く異な
り、階調性の互換が得られない欠点があった。また、繰
り返して使用すると、トラップに電荷が蓄積するためイ
ンダクション効果自体に変化が生じて、安定した特性が
得られない問題点もあった。このため、この種の単層型
電子写真感光体は、現在では使い捨ての製版用感光体と
しての用途にしか用いられていない。
【0009】そこで、例えば特開昭54−1633号公
報には、フタロシアニンの如き電荷発生材料0.005
〜0.15モル部を、オキサジアゾールの如き正孔輸送
材料1モル部とジニトロフルオレノンの如き電子輸送材
料0.05〜0.3モル部と一緒に結着樹脂中に分散し
てなる感光層を導電性支持体の上に設けた単層型電子写
真感光体が開示されている。この種の単層型電子写真感
光体は、従来のフタロシアニン/樹脂分散系の単層型電
子写真感光体のように電荷発生と電荷輸送を同一の材料
が行なう構成とは異なり、電荷輸送と電荷発生をそれぞ
れ異なる材料に受け負わせるものであるから、電荷発生
材料の濃度を従来に比べ、大幅に低減することが可能と
なり、上記単層型感光体において問題となったインダク
ション効果が見られず、かつ正負両帯電性の感光体が実
現できる利点があった。
【0010】しかしながら、上記開示された技術におい
ては、感光体は正負両帯電性ではあるものの、正帯電で
の使用を主眼として開発されたものであって、実際は負
帯電時の感度は正帯電時の半分程度しかなく、従来から
負帯電で用いられてきた積層型感光体とは、感度的に全
く整合しないものであった。また、このような構成の単
層型電子写真感光体では電荷発生が感光層内部で生ずる
ため、移動度の小さい電子がトラップされ易く、光減衰
特性は独特の裾引き傾向を示すため、単に感度のみを増
感させることができたとしても互換性ある特性が得られ
ないものであった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、低コスト化、高生産性化の図れる電子写真
感光体を提供することであって、従来の積層型電子写真
感光体との特性上の互換性に優れた好ましい性能を有す
る負帯電用電子写真感光体、及びそれを用いた画像形成
方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、同一の感光層内に電荷発生物質、電荷輸送
物質及び結着樹脂を含有する電子写真感光体であって、
該感光層中における電子の移動度が正孔の移動度よりも
大きいことを特徴とする負帯電用電子写真感光体、及び
この負帯電用電子写真感光体の感光層を負帯電で潜像形
成を行った後、負帯電トナーを用いて現像することを特
徴とする画像形成方法を提供する。本発明の目的を実現
するためには、特に、感光層中の電子の移動度が、電界
強度4×105V/cm の条件において、1×10-6
5×10-5cm2/V・秒 の範囲内であることが望まし
く、さらには電界強度4×105V/cm の条件におい
て、感光層中の正孔の移動度の5〜100倍であること
が望ましく、電荷輸送物質として、電子輸送物質と正孔
輸送物質を含有することも望ましい。また、本発明によ
れば、画像特性上、地汚れ等の欠陥が出現しない高画質
も得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の負帯電用電子写真感光体
の感光層の構造の一例を図1に示した。ここで感光層の
膜厚は、5〜50μmの範囲が好ましい。感光層の膜厚
は、浸漬塗工により形成する場合、塗工速度、塗料の粘
度、専断力等の諸物性を調節することにより容易に所望
の膜厚とすることができる。なお、この単層構成の感光
層に付加して、中間層或いは表面保護層等の機能層を適
宜合わせて用いることも可能である。
【0014】本発明で規定する電荷移動度は、単位電界
強度当たりの電荷の移動速度と定義される一般的な特性
値を意味する。このような特性値を測定するためには、
通常は飛程時間(タイム・オブ・フライト:TOF)法
と呼ばれる手法が用いられる。この測定方法は、例え
ば、「ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス」
(Journal of Applied Phisics )、第43巻、第12号
(1972年)、第5033〜5040頁の論文等に詳
述されているように、有機光導電性物質の電荷輸送能を
評価する手段としては、ごく一般的なものである。その
測定の詳細は同文献等に譲るが、概要としては、感光層
の両面を電極で挟んだ構造のサンドイッチセルと呼ばれ
る試料を用い、電極間に電圧を印加することで電界を形
成し、次いで電極を透過してパルス光を試料に照射し
て、発生した電荷が試料の片面から対抗面まで移動する
過程で、電極間に流れる過渡的電流の波形を観測するも
のである。電荷移動度は、この過渡的電流波形を解析す
ることによって、容易に導くことができる。また、この
手法によれば、光照射面と電界の向きから、電子と正孔
の移動度を分離して評価することが容易に可能である。
なお、注意すべき点は、有機光導電性物質の電荷移動度
は、電界強度等の設定条件に大きな依存性があることで
ある。したがって本発明の規定する電荷移動度として
は、電界強度4×105V/cm の条件における測定で
得られる値を基準として用いることとする。
【0015】本発明の負帯電用電子写真感光体において
は、感光層中の電子の移動度が正孔の移動度よりも大き
いことが必要とされるが、これを実現するためには、移
動度の良好な電子輸送材料を感光層中に多く含有させる
必要がある。感光層中の電子の移動度は1×10-6〜5
×10-5cm2/V・秒 の範囲内であることが望まし
く、また電子の移動度が正孔の移動度の5〜100倍の
範囲内であることが特に好ましい。なお、電荷輸送材料
として電子輸送材料を単独で用いた形でも、使用は可能
であるが、この場合バルク中で発生した正孔が蓄積し易
くなるので残留電位の増加を招き易い。これを防止する
ためには正孔輸送材料を添加することが有効である。
【0016】電子輸送材料としては、例えば、ベンゾキ
ノン系、テトラシアノエチレン系、テトラシアノキノジ
メタン系、フルオレノン系、キサントン系、フェナント
ラキノン系、無水フタール酸系、ジフェノキノン系等の
有機化合物や、アモルファスシリコン、アモルファスセ
レン、テルル、セレンーテルル合金、硫化カドミウム、
硫化アンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料が挙
げられる。
【0017】正孔輸送材料としては、低分子化合物で
は、例えば、ピレン系、カルバゾール系、ヒドラゾン
系、オキサゾール系、オキサジアゾール系、ピラゾリン
系、アリールアミン系、アリールメタン系、ベンジジン
系、チアゾール系、スチルベン系、ブタジエン系等の化
合物が挙げられる。また、高分子化合物としては、例え
ば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ−
N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニ
ルアンスラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホル
ムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデ
ヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹
脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリシラン等が挙げ
られる。
【0018】本発明で使用する電荷輸送材料は、ここに
挙げたものに限定されるものではなく、その使用に際し
ては単独、あるいは2種類以上混合して用いることがで
き、電子輸送材料と正孔輸送材料を混合して用いること
もできる。
【0019】本発明で使用する電荷発生材料としては、
例えば、アゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔料、
インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ビスベンゾイミ
ダゾール系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン
系顔料、キノリン系顔料、レーキ系顔料、アゾレーキ系
顔料、アントラキノン系顔料、オキサジン系顔料、ジオ
キサジン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、アズレニ
ウム系染料、スクウェアリウム系染料、ピリリウム系染
料、トリアリルメタン系染料、キサンテン系染料、チア
ジン系染料、シアニン系染料等の種々の有機顔料、染料
や、更にアモルファスシリコン、アモルファスセレン、
テルル、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、硫化ア
ンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料を挙げるこ
とができる。
【0020】電荷発生材料は、その使用に際しては、こ
こに挙げたものを単独で用いることもできるが、2種類
以上の電荷発生材料を混合して用いることもできる。
【0021】本発明の感光層の作成方法としては、電子
輸送材料、正孔輸送材料、電荷発生材料、結着樹脂、溶
剤をボールミル、ホモミキサー等により分散させて塗料
液を得、得られた塗料液を塗布する。この塗布方法とし
ては、浸漬塗布法、ロールコート法、スプレー法、スピ
ンコート法等の通常の公知手段を適宜選択することがで
きる。塗料中の固形分に占める電荷発生材料の割合は、
電子写真感光体の感度が良好であり、電荷保持能、電荷
輸送性が良好となる0.2〜5重量%の範囲が好まし
い。
【0022】結着樹脂は、電気絶縁性のフィルム形成可
能な高分子重合体が好ましい。そのような高分子重合体
としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、
メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアセテー
ト、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−
アクリロニトリル重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合
体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノ
ール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹
脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイ
ン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロー
ス、フェノール樹脂、ポリアミド、カルボキシ−メチル
セルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラテックス、ポ
リウレタン等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。これらの結着樹脂は、単独又は2種類以上混
合して用いられる。
【0023】また、これらの結着樹脂と共に、分散安定
剤、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等
の添加剤を使用することもできる。
【0024】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジ
エチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレー
ト、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェ
ノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
【0025】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0026】酸化防止剤としては、例えば、フェノール
系、硫黄系、リン系、アミン系化合物等の酸化防止剤が
挙げられる。
【0027】光劣化防止剤としては、例えば、ベンゾト
リアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ヒンダ
ードアミン系化合物等が挙げられる。
【0028】本発明の塗料調製方法に用いる溶剤として
は、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド
類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセロソル
ブ等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステ
ル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキ
シド及びスルホン類;塩化メチレン、クロロホルム、四
塩化炭素、トリクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化
水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロルベン
ゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族類などが挙げられ
る。
【0029】本発明の電子写真感光体は負帯電時の電子
写真特性に優れるという特徴を有するが、特に負帯電ト
ナーを用いた、いわゆる反転現像方式による画像形成方
法で使用したときに、高解像度で印字欠陥が少ないとい
うその真価を発揮することができる。このような画像形
成方法は、従来電荷発生層の上に正孔輸送性の電荷輸送
層を積層した積層型負帯電用電子写真感光体を用いる、
レーザープリンタ等の電子写真装置において一般的に採
用されてきた手法であり、光照射部にトナーを付着させ
るという現像上の特徴を有している。この方式によれば
文字原稿のような白地部分の多い印字において、光照射
面積を少なくすることが可能で、装置や感光体への負担
を低減できる長所がある。
【0030】
【作用】本発明の負帯電用電子写真感光体は、その単純
な層構成から低コスト化、高生産性化が図れ、さらには
従来の一般的な単層型電子写真感光体とは逆に、感光層
中の電子の移動度が正孔の移動度よりも大きいという、
著しい特徴があり、これによって、従来の積層型電子写
真感光体と電気特性上の互換性が良好で、かつ優れた画
像品質を有する、実用上好ましい特性を実現している。
以下にその理由を説明する。
【0031】従来の単層型電子写真感光体、例えば前述
の特開昭54−1633号公報の実施例に記載された感
光体は、正孔輸送物質が電子輸送物質に対して10倍程
度も多く含有されているため、電子が感光層を縦断して
輸送されるだけの充分な電子輸送能力を有さないから、
負帯電時の電荷発生は必然的に感光層の導電性支持体と
の界面近傍で行われなければならない。このため入射光
は感光層を透過して支持体近傍まで到達したものが電荷
発生に寄与することになるが、感光層中には電荷発生物
質が分散されているため、光はその到達までにかなりの
部分が吸収され、結果として正帯電の場合と比較して大
幅な感度低下を生ずることになる。また、感光体中の電
子濃度が元々低濃度であるから、光減衰に伴う電界強度
の低下によって、さらに電子の移動度が大幅に低下して
しまい、電子がバルク中に留まり易くなり、光減衰の裾
引きが大きくなる。このため従来の積層型電子写真感光
体とは電気特性上の互換性が全く得られなかった。
【0032】本発明の負帯電用電子写真感光体は、電子
の移動度が正孔の移動度よりも大きいため、負帯電時の
電荷発生が感光層の表面近傍でなされるという著しい効
果を生ずる。このため、入射光は感光層中を基板付近ま
で透過させる必要がないから、ロスが少なく、高感度を
実現することができる。また、帯電電荷に最も近い部分
で、電荷発生の大部分がなされるためバルク中に電荷が
蓄積することが少なく、従来の負帯電用の積層型電子写
真感光体に近い光減衰特性が得られ、電気特性上の互換
性が得られるという特徴がある。
【0033】また、本発明の負帯電用電子写真感光体は
画像形成上からも極めて有利である。即ち、負帯電時の
電荷発生が感光層の表面近傍で行われるから、従来の単
層型電子写真感光体や積層型電子写真感光体の場合のよ
うに、入射光を基板近傍まで透過させる場合に、感光層
中での吸収や散乱がなく、また電荷が基板側から表面ま
で移動するまでに拡散されることもないため、極めて高
解像の潜像を得ることができる。
【0034】更に、従来の単層型電子写真感光体のよう
に正孔輸送性が中心の感光層では、負帯電の場合、基板
側から注入された正孔が容易に表面まで到達して電荷を
中和してしまうため、電位保持能が十分に得られないこ
とが多い。また、基板に汚れや欠陥があると、そこが電
荷注入の核となり、局所的な電位の抜けが生じ、これが
反転現像方式では致命的な黒点や地汚れ欠陥の原因とな
ることが知られている。これに対し本発明の単層型電子
写真感光体では、電子輸送性が中心であるため、このよ
うな基板側からの正孔注入は殆ど生じることがないか
ら、特に反転現像方式において、画像欠陥のない、鮮明
な画像が得られる効果がある。
【0035】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に詳細に説明するが、これにより本発明が実施例に限定
されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例中
における「部」は「重量部」を示す。
【0036】(実施例1)α型チタニルフタロシアニン
0.3部、式(1)
【0037】
【化1】
【0038】で表わされる電子輸送物質8部、式(2)
【0039】
【化2】
【0040】で表される正孔輸送物質5部、及びポリカ
ーボネート樹脂(三菱ガス化学社製の「ユーピロンZ−
200」)14部をクロロホルム76部に溶解し、振動
ミルを用いて分散させて、感光体用の塗料を作成した。
【0041】この塗料を用いて、直径30mmのアルミ
ニウム素管表面に、乾燥後の膜厚が15μmと成るよう
に浸積塗布した後、乾燥させて感光層を形成し、ドラム
状の電子写真感光体を得た。また、同一の塗料を用い
て、厚さ0.3mmのアルミ板上に、同様の感光層を形
成した板状の電子写真感光体も作製した。
【0042】(実施例2)実施例1において、電子輸送
物質を9部、正孔輸送物質4部とした以外は、実施例1
と同様にして電子写真感光体を得た。
【0043】(実施例3)実施例1において、電子輸送
物質として、式(3)
【0044】
【化3】
【0045】で表される化合物を8部、正孔輸送物質と
して、式(4)
【0046】
【化4】
【0047】で表される化合物5部を用いた以外は、実
施例1と同様にして電子写真感光体を得た。
【0048】(実施例4)実施例3において、電子輸送
物質を10部、正孔輸送物質3部を用いた以外は、実施
例3と同様にして電子写真感光体を得た。
【0049】(比較例1)実施例1において、電子輸送
物質を1.5部、正孔輸送物質を8部とした以外は、実
施例1と同様にして電子写真感光体を得た。この感光体
の各素材の分子量はそれぞれ、α型チタニルフタロシア
ニンが576.44、式(1)の電子輸送物質が32
4.46、式(2)の正孔輸送物質が425.57であ
ることから、モル比では0.028:0.24:1とな
り、公知技術として挙げた特開昭54−1633号公報
の開示する感光体に相当する。
【0050】(比較例2)実施例3において、電子輸送
物質を5部、正孔輸送物質を8部とした以外は、実施例
3と同様にして電子写真感光体を得た。
【0051】(比較例3)実施例3において、電子輸送
物質を7部、正孔輸送物質を6部とした以外は、実施例
3と同様にして電子写真感光体を得た。
【0052】(比較例4)α型チタニルフタロシアニン
2部、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製の商品
名「エスレックBM−1」1部を塩化メチレン100部
と共に、振動ミルで2時間分散して、電荷発生層用塗料
を作製した。
【0053】次に、この塗料を用いて、アルミニウム素
管及びアルミ板の上に塗布して、乾燥後膜厚0.4μm
の電荷発生層を形成した。
【0054】この電荷発生層の上に、式(2)の正孔輸
送物質10部をポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学社
製の「ユーピロンZ−200」)14部と共にクロロホ
ルム76部に溶解した塗料を塗布して、乾燥後膜厚15
μmの電荷輸送層を形成して、負帯電用積層型電子写真
感光体を得た。
【0055】(電荷移動度測定)試作した感光体の電荷
移動度を測定するため、各実施例及び比較例で得た試料
のTOF測定を行った。測定のため各板状試料の表面に
電荷発生用のチタニルフタロシアニンを500Åの厚み
に蒸着し、その上にアルミニウムを薄く蒸着して半透明
な電極を形成して、サンドイッチセルを作製した。な
お、表面に新たな電荷発生層を形成した理由は実施例で
作製した単層型感光体では、電荷発生が表面近傍のバル
ク中で行われるため、深さ方向の誤差を生じやすいた
め、薄い電荷発生のみを目的とする層を設けてその影響
を除外するためである。
【0056】次に、試料を23℃、湿度50%RHの条
件設定した恒温恒湿糟内に設置して、両面の電極に電圧
を印加し、感光層内部の電界強度で4×105V/cm
となるようにした状態で、蒸着アルミ面から、窒素レー
ザーで励起した波長650nmの色素レーザーによるパ
ルス光を照射した。このとき得られた過渡電流波形から
導いた各感光体の感光層内の電子及び正孔の移動度を表
1にまとめて示す。
【0057】
【表1】
【0058】(電気特性)各実施例及び各比較例で得た
電子写真感光体の電気特性を評価するために、各ドラム
感光体をドラム感光体試験装置(ジェンテック社製の
「シンシア−30」)を用いて電子写真特性を測定し
た。測定方法は、ドラム感光体を暗所で60rpmで回
転させながら、印加電圧−6kVのコロナ放電により帯
電させ、この直後の表面電位を初期電位V0 として、帯
電能の評価に用いた。次に、暗所に10秒間放置した後
の電位V10を測定し、V10/V0 によって電位保持能を
評価した。次いで、780nmの単色光で、その表面に
おける露光強度が1μW/cm2 になるように設定し、感
光層に光照射を行い、表面電位の減衰曲線を記録した。
ここで、光照射により表面電位がV10の1/2に減少す
るまでの露光量を求め、半減露光量E1/2 として感度を
評価した。この結果を表2にまとめて示した。
【0059】
【表2】
【0060】表2に示した結果から明らかなように、本
発明の実施例1〜4で得た電子写真感光体は、優れた帯
電能と感度を示した。また、比較例4で得た電荷発生
層、電荷輸送層の順に積層した従来の構成による負帯電
用の積層型電子写真感光体と各電子写真特性が非常に近
く、互換性に優れていることが分かる。一方、比較例1
〜3で得た正孔の移動度が電子の移動度よりも大きい単
層型電子写真感光体は、各実施例及び比較例4で得た電
子写真感光体に比較して、感度が大幅に劣っており、十
分な互換性が得られないことが明らかである。
【0061】(画像特性)画像特性の評価には、負帯電
型のドラム状電子写真感光体に対応した反転現像方式の
レーザープリンタ(ヒューレットパッカード社製の「レ
ーザー・ジェット(Laser Jet) III Si」)に、実施例
1〜4及び比較例1〜4で得られたドラム状電子写真感
光体を装着し、23℃、50%RHの環境中で通常使用
されているコピー紙に画像を形成した。その画像評価結
果を表2にまとめて示した。なお、地汚れに関する評価
は、画像を形成した白地原稿を50倍のルーペで観察し
て、2mm×2mmの正方形中におけるトナーの付着し
た面積比率を求め、下記の評価基準で◎、○、△、×の
4段階で程度の評価を行った。
【0062】 ◎:上記面積比率の最大値が0.1%未満。 ○:上記面積比率の最大値が0.1%以上、0.5%未
満。 △:上記面積比率の最大値が0.5%以上、1.0%未
満。 ×:上記面積比率の最大値が1.0%以上。
【0063】また、画像濃度は画像の黒地部の印字濃度
を濃度計(マクベス社製のRD918型)で測定した。
【0064】
【表3】
【0065】表3に示した結果から明らかなように、実
施例1〜4で得た各電子写真感光体は、いずれも地汚れ
がなく、十分な印字濃度の画像が得られたが、比較例1
〜3で得た電子写真感光体では、画像濃度が大幅に劣っ
ているばかりか、地汚れ評価も不十分なものであった。
また、比較例4で得た従来の積層構成の電子写真感光体
では、十分な画像濃度が得られるものの、地汚れの評価
が非常に劣るものであった。
【0066】更に、網点からなる印字画像で解像度を比
較したところ、比較例1及び2で得た電子写真感光体
は、網点がつぶれて解像度が著しく劣っていたが、実施
例の感光体は何れも優れた網点の再現性を示しており、
良好な解像度の得られることが分かった。
【0067】
【発明の効果】本発明の負帯電用電子写真感光体は、そ
の単純な層構成から低コスト化、高生産性化が図れ、さ
らには、従来の積層型電子写真感光体と電気特性上の互
換性を有し、かつ画像上の欠陥が出現しない高画質を有
する、実用上好ましい特性を実現している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す
模式断面図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 電荷発生物質 3 電荷輸送物質+結着樹脂 4 感光層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一の感光層内に電荷発生物質、電荷輸
    送物質及び結着樹脂を含有する電子写真感光体であっ
    て、該感光層中における電子の移動度が正孔の移動度よ
    りも大きいことを特徴とする負帯電用電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 感光層中の電子の移動度が、電界強度4
    ×105V/cm の条件において、1×10-6〜5×1
    -5cm2/V・秒 の範囲内である請求項1記載の感光
    体。
  3. 【請求項3】 感光層中の電子の移動度が、電界強度4
    ×105V/cm の条件において、感光層中の正孔の移
    動度の5〜100倍である請求項1又は2記載の感光
    体。
  4. 【請求項4】 電荷輸送物質として電子輸送物質と正孔
    輸送物質とを含有する請求項1、2又は3記載の感光
    体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1つに記載の負
    帯電用電子写真感光体を用いる画像形成方法であって、
    該感光体の感光層を負帯電で潜像形成を行った後、負帯
    電トナーを用いて現像することを特徴とする画像形成方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005017579A (ja) * 2003-06-25 2005-01-20 Konica Minolta Business Technologies Inc 有機感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP2008281800A (ja) * 2007-05-11 2008-11-20 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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JP2005017579A (ja) * 2003-06-25 2005-01-20 Konica Minolta Business Technologies Inc 有機感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
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