JPH10329170A - アクリルインサート成形品とその製造方法、インサート成形用多層フィルム - Google Patents

アクリルインサート成形品とその製造方法、インサート成形用多層フィルム

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JPH10329170A
JPH10329170A JP15805997A JP15805997A JPH10329170A JP H10329170 A JPH10329170 A JP H10329170A JP 15805997 A JP15805997 A JP 15805997A JP 15805997 A JP15805997 A JP 15805997A JP H10329170 A JPH10329170 A JP H10329170A
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクリルフィルムの真空成形型等への挿入時
に位置ずれ等しないようにしたアクリルインサート成形
品の製造方法とアクリルインサート成形品、インサート
成形用多層フィルムを提供すること。 【解決手段】 保護フィルム1上に、保護フィルム1か
ら剥離可能なアクリルフィルム2、印刷によって形成さ
れた絵柄層が少なくとも積層された厚みが200μm〜
1000μmの多層フィルム6の必要部分を三次元形状
に加工するとともに切り離し、三次元多層フィルム20
をインサート成形用金型の可動型13のキャビティに装
着し、型閉めしてキャビティに成形樹脂を射出し、樹脂
成形品の成形と同時に三次元多層フィルム20の絵柄層
側に成形樹脂を一体化接着させた後、樹脂成形品を金型
から取り出し、保護フィルム1を剥離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、成形同時絵付け
品、とくに真空成形加工により製造されているパネルや
計器等の自動車内装部品、自動車外装部品等の用途に用
いられるアクリルインサート成形品とその製造方法、イ
ンサート成形用多層フィルムに関する。以下、フィルム
を金型内に入れて成形樹脂と一体化接着させることを基
本とする工法を「インサート成形」とする。
【0002】
【従来の技術】従来のアクリルインサート成形品を製造
するには、次のような方法がある。 (1)絵柄層を印刷した厚み約150μmのアクリルフ
ィルムからなるインサート成形用フィルムを、真空成形
型を用いて必要部分を三次元形状に加工した後、断裁型
を用いて打ち抜き加工して必要部分を切り離し、三次元
形状のアクリルフィルムをインサート成形用金型のキャ
ビティに装着し、型閉めしてキャビティに成形樹脂を射
出し、樹脂成形品の成形と同時にアクリルフィルムの絵
柄層側に成形樹脂を一体化接着させる方法がある。
【0003】(2)厚み約150μmのアクリルフィル
ム、絵柄層、補強シート(成形樹脂に接着するもの)を
積層した多層フィルムを、真空成形により必要部分を三
次元加工した後、打ち抜き加工して必要部分を切り離
し、三次元アクリルフィルムをインサート成形用金型の
キャビティに装着し、型閉めしてキャビティに成形樹脂
を射出し、樹脂成形品の成形と同時に多層フィルムの補
強シート側に成形樹脂を一体化接着させる方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、(1)では、
完成品の歩留まりや生産効率が悪かった。つまり、従来
のインサート成形用フィルムは腰が弱く容易に変形しや
すい。よって、真空成形型や断裁型、インサート成形用
金型に挿入する際に、すぐ撓んでしまい型内で位置決め
しにくい。このため、位置決めに時間がかかるととも
に、絵柄が位置ズレした完成品が得られやすかった。ま
た、従来のインサート成形用フィルムは重量が小さいの
で安定感がない。よって、真空成形型や断裁型、インサ
ート成形用金型内で、一旦位置決めされても型の振動な
どによりフィルムの位置ズレが起こりやすかった。この
ため、位置決めに時間がかかるとともに、絵柄が位置ズ
レした完成品が得られやすかった。また、従来のインサ
ート成形用フィルムは厚みが薄い。よって、断裁する際
に、断裁型の刃と刃の隙間にアクリルフィルムを挟み込
んでしまい易いため、アクリルフィルムの切断不良が起
こっていた。また、三次元加工する際の真空成形時に破
れや伸びムラが起こりやすかった。このため、絵柄の破
れや変形、フィルムの端部にギザギザのある完成品が得
られやすかった。また、従来のインサート成形用フィル
ムは形態保持性が小さい。よって、仮にアクリルフィル
ムを三次元形状に加工できたとしても、インサート成形
用金型のキャビティに移送する際に、型崩れしやすかっ
た。このため、アクリルフィルムを移送しにくく、イン
サート成形用金型のキャビティに装着しにくかった。
【0005】また、(2)ではインサート成形用フィル
ムが補強シートを有するため、ある程度の腰、重量、形
態保持性を有し、前記(1)のような問題は起こりにく
いものの、アクリル表面本来の艶や質感が損なわれたイ
ンサート成形品ができ易くなる。つまり、アクリルフィ
ルムはデリケートな材質であるため、真空成形型や断裁
型の型表面、さらにはインサート成形用金型のキャビテ
ィ形成面の金属表面に直接密着させると、型表面の微細
な凹凸の押付けや摩擦等により跡形や傷が付いたり、ホ
コリやゴミを拾うなどしてアクリルフィルムに微細な凹
凸やホコリなどが付くためである。
【0006】この発明は上記の欠点を解決し、アクリル
フィルムの真空成形型等への挿入時に位置ずれ等しない
ようにしたアクリルインサート成形品の製造方法とアク
リルインサート成形品、インサート成形用多層フィルム
を提供することを目的とする。
【0007】この発明のインサート成形品の製造方法
は、上記目的を達成するために、保護フィルム上に、保
護フィルムから剥離可能なアクリルフィルム、印刷によ
って形成された絵柄層が少なくとも積層された厚みが2
00μm〜1000μmの多層フィルムの必要部分を三
次元形状に加工するとともに切り離し、三次元多層フィ
ルムをインサート成形用金型のキャビティに装着し、型
閉めしてキャビティに成形樹脂を射出し、樹脂成形品の
成形と同時に三次元多層フィルムの絵柄層側に成形樹脂
を一体化接着させた後、樹脂成形品を金型から取り出
し、保護フィルムを剥離することを特徴とするものであ
る。また、この発明のインサート成形品は、上記目的を
達成するために、印刷によって絵柄層が積層されたアク
リルフィルムが、三次元形状の樹脂成形品表面に一体化
接着されていることを特徴とするものである。また、こ
の発明のインサート成形用多層フィルムは、上記目的を
達成するために、厚み50μm以上のアクリルフィルム
の片面に印刷によって絵柄層、接着層を形成し、他面に
保護フィルムを貼りあわせた多層フィルムの厚みが、2
00μm〜1000μmであることを特徴とするもので
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明についてさらに詳
しく説明する。この発明のアクリルインサート成形品の
製造方法は、保護フィルム上に、保護フィルムから剥離
可能なアクリルフィルム、印刷によって形成された絵柄
層が少なくとも積層された厚みが200μm〜1000
μmの多層フィルムの必要部分を三次元形状に加工する
とともに切り離し、三次元多層フィルムをインサート成
形用金型のキャビティに装着し、型閉めしてキャビティ
に成形樹脂を射出し、樹脂成形品の成形と同時に三次元
多層フィルムの絵柄層側に成形樹脂を一体化接着させた
後、樹脂成形品を金型から取り出し、保護フィルムを剥
離することを特徴とする。
【0009】この発明の製造方法に適用することができ
るインサート成形用の多層フィルム6を、まず説明す
る。一例として、多層フィルム6は、アクリルフィルム
2の片面に印刷によって絵柄層4を形成し、他面に保護
フィルム1を貼りあわせた多層フィルムであって、その
厚みが200μm〜1000μmのものがある。
【0010】アクリルフィルム2は、後述する真空成形
や打ち抜きによって、インサート成形用金型のキャビテ
ィ形成面15の三次元形状に成形しやすく、後述する保
護フィルム1から剥離可能なフィルムのことである。ア
クリルフィルム2は、50μm以上の厚みを有するもの
が好ましい。この数値であると、アクリルフィルム単体
を印刷用紙として使用し、輪転印刷機によって絵柄層4
や接着層5などの印刷層3をアクリルフィルム2に直接
形成できるので有効である。つまり、輪転印刷機によれ
ば、テンションがかかった状態のアクリルフィルム2が
ロールから巻き出されて別のロールに巻き取られる。巻
き出しから巻き取りまでの間にアクリルフィルム2に印
刷が施され、印刷層の乾燥や冷却を経てインサートフィ
ルムが作成される。アクリルフィルム2が50μmより
小さいと、前記テンションのために、印刷用紙としての
アクリルフィルム2に無用な延伸や熱シワ、見当不良や
切断などが起こってしまいやすくなる。
【0011】アクリルフィルム2は、例えば、ポリメチ
ルメタクリレート80〜90重量部と、ポリブチルアク
リレート20〜5重量部と添加剤(紫外線吸収剤等)0
〜5重量部とからなる厚さ30〜80μmのものがあ
る。または、ポリメチルメタクリレート50〜80重量
部と、ポリブチルアクリレート15〜50重量部と添加
剤(紫外線吸収剤等)0〜5重量部とからなる厚さ50
〜100μmのものがある。
【0012】アクリルフィルム2は、耐候性を有しても
よい。アクリルフィルム2の耐候性は、アクリルフィル
ム2にもともと備わっている場合もある。この場合は、
紫外線吸収剤が混入された樹脂などからなるフィルムを
用いるとよい。アクリルフィルム2の耐候性は、アクリ
ルフィルム2上に耐候性層を形成することによって得る
場合がある。耐候性層は、フッ素またはアクリル樹脂か
らなる低温乾燥性の透明コート剤をロールコート、リバ
ースコート、オフセット印刷、グラビア印刷などでアク
リルフィルム2上に形成するものである。また、アクリ
ルフィルム2が、低粘着処理されたものでもよい。ま
た、アクリルフィルム2は、保護フィルム1剥離後のア
クリルフィルムの表面摩擦強度を高めるためにオーバー
コート層やオーバーコートフィルムを形成することもあ
る。オーバーコート層やオーバーコートフィルムは、ハ
ードコート層やハードコートフィルムであってもよい。
また、アクリルフィルム2は、保護フィルム1剥離後の
アクリルフィルム2の表面が塩化ビニルフィルムとの接
触によって可塑化し固着されてしまうのを防止するため
の耐可塑剤保護層や耐可塑剤保護フィルムを形成するこ
ともある。これらのオーバーコート層やオーバーコート
フィルム、あるいは耐可塑剤保護層や耐可塑剤保護フィ
ルムが低粘着機能を有するようにしてもよい。アクリル
フィルム2は、後述する保護フィルム1と低粘着層19
を介してラミネート法などにより積層するとよい(図7
参照)。積層した後にアクリルフィルム2には、ミシン
目などを入れておいてもよい。
【0013】絵柄層4は、アクリルフィルム2の表面の
全面または部分に印刷によって形成される。この絵柄層
4は、インサート成形品表面に文字や図形、記号等を表
したり、着色表面を表したりするためのものである。な
お、文字や図形、記号等を表したり、着色表面を表した
りすることは、蒸着膜からなる金属蒸着層によってもで
きる。絵柄層4は、顔料と樹脂バインダーからなる顔料
インキ層、パール顔料と樹脂バインダーからなる光輝性
顔料層、染料と樹脂バインダーからなる染料インキ層の
群から選ばれる少なくとも一層によって構成される。な
お、この発明において使用する多層フィルムは、絵柄層
以外に、例えば接着層が印刷により形成される。このよ
うに、印刷により形成される層を総称するときは、以下
印刷層と称する。接着層は、後述する成形樹脂17つま
り樹脂成形品18との接着性を向上させるため層であ
る。接着層5は、ポリ塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系
樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等からなってい
てもよい。印刷層3は、オフセット印刷法、グラビア印
刷法、スクリーン印刷法等の通常の印刷法や、ロールコ
ート法、スプレーコート法等のコート法等により形成す
るとよい。接着層5は、印刷インキによって形成された
ものであるため、分厚い接着シートを用いるより安価で
あるため有効である。
【0014】保護フィルム1は、熱によって伸縮しにく
いフィルムであり、前記絵柄層4が印刷形成されたアク
リルフィルム2と貼りあわされた状態で、厚みが200
μm〜1000μmの多層フィルム6となるような厚み
を有するものである。多層フィルム6の厚みが200μ
mより小さいと、やわから過ぎない適度の変形性と、振
動などによって位置ズレしない程度の安定性、三次元形
状に加工された後に弱い外力によって容易に変形しない
形態保持性を有しにくくなる。多層フィルム6の厚みが
1000μmより大きいと、長尺の多層フィルム6をロ
ール状に巻き取るときに巻き膨れが発生してしまうの
で、巻き取る量を抑える必要があるためである。保護フ
ィルム1の厚みは、特に500μm以下であると、巻き
取る量が少なすぎることがなくなるので有効である。
【0015】保護フィルム1は、例えば、20〜100
0μmのポリ塩化ビニルフィルム、非晶性または低結晶
性のポリエステルフィルム、非晶性または低結晶性のポ
リプロピレンフィルム、ポリブチレンテレフタレートフ
ィルム、未延伸または低延伸性のエチレンビニルアルコ
ールフィルム、耐熱ポリエチレンフィルムなどがある。
【0016】保護フィルム1は、アクリルフィルム2と
剥離可能とするために低粘着処理されたものでもよい。
低粘着処理された保護フィルムは、たとえば、保護フィ
ルムとして、ロジン系、テンペル系、石油系などの粘着
付与樹脂とポリオレフィン、ポリスチレンなどのホット
メルト樹脂とが混入されたものを用いることによって、
保護フィルム自体が低粘着性樹脂からなるものがある。
低粘着処理は低粘着層19を形成することによって行っ
てもよい。低粘着層19は、天然ゴム系、合成ゴム系、
シリコーン系、アクリル系などのホットメルト樹脂から
なる粘着剤をリバースコート、ロールコート、グラビア
印刷などで保護フィルム上に形成する方法がある。低粘
着処理によって、後述する三次元加工時には保護フィル
ムとアクリルフィルムとは粘着されているが、手で保護
フィルムをめくるには容易に剥離することができる状態
となる。例えば、剥離強度として、1cm幅あたり0.
01〜0.5Kg重のものがある。保護フィルム1とア
クリルフィルム2とは、全面に渡って剥離可能であって
もよいし、一部のみ剥離可能であってもよい。
【0017】以下、前記多層フィルムを用いたこの発明
のアクリルインサート成形品の製造方法を説明する。
【0018】まず、保護フィルム1上に、保護フィルム
1から剥離可能でアクリルフィルム2、絵柄層4を有す
る厚みが200μm〜1000μmの多層フィルム6の
必要部分を三次元形状に加工するとともに切り離し、三
次元多層フィルムを得る(図1参照)。多層フィルム6
は、ロール軸に一旦巻き取ってロール状巻物として、後
述する真空成形装置10やプレス切断装置7に、連続的
に挿入してもよい。あるいは、所定の大きさの枚葉状の
多層フィルム6として、後述する真空成形装置10やプ
レス切断装置7に、連続的に挿入してもよい。
【0019】多層フィルム6を三次元形状に加工するに
は、例えば、真空成形装置10やプレス成形装置など、
通常のプラスチックシートを所望の立体形状に成形する
手段を用いるとよい。真空成形装置10やプレス成形装
置で用いる型は、後述する所望の三次元形状の樹脂成形
品18を成形するためのインサート成形用金型のキャビ
ティ形成面15と全く同じ形状の凹部を有するものであ
って、多層シートを凹部内面に密着させるタイプのもの
がある。あるいは、インサート成形用金型のキャビティ
形成面15を写した凸部12を有するものであって、多
層フィルム6を凸部外面に密着させるタイプのものがあ
る。後者のタイプでは、アクリルフィルム2と凸部12
との間には印刷層3が介することになる。真空成形装置
10は真空吸引孔11を有する。多層フィルム6を加工
しやすくするために、プレス成形あるいは真空成形時
に、多層フィルム6を加熱して軟化させもよい。
【0020】多層フィルム6の切り離しは、ナイフある
いは切断刃9を有する打ち抜き型からなるプレス切断装
置7、摺動切断金型、あるいは加熱切断装置、レーザー
切断装置、トムソン打ち抜き装置、ハイゼル打ち抜き装
置、ポンス打ち抜き装置など、通常のプラスチックシー
トの切断手段を用いるとよい。切り離しにより、多層フ
ィルム6の必要部の形状は、後述する所望の三次元形状
の樹脂成形品18を成形するためのインサート成形用金
型のキャビティ形成面15からはみ出ない形状となる。
あるいは、多層フィルム6の必要部の形状は、後述する
インサート成形用金型によって得られる所望の三次元形
状の樹脂成形品18の周縁より、少なくともはみ出ない
ような形状がある。
【0021】多層フィルム6を三次元形状に加工するこ
とと、多層フィルム6の切り離しとは、どちらを先にお
こなってもよいが、切断刃付きプレス金型を用いること
によって、同時におこなうこともできる(図1参照)。
【0022】次に、三次元多層フィルム20をインサー
ト成形用金型のキャビティに装着し、型閉めしてキャビ
ティに成形樹脂17を射出し、樹脂成形品18の成形と
同時に三次元多層フィルム20の絵柄層4側に成形樹脂
17を一体化接着させた後、樹脂成形品18を金型から
取り出し、保護フィルム1を剥離する(図2〜図6)。
【0023】インサート成形用金型は、射出成形用や圧
縮成形用の金型などがある。インサート成形用金型は、
成形樹脂17を射出するゲート部16を有する固定型1
4と可動型13などからなり、固定型14と可動型13
とが型閉めされることによって、固定型14および可動
型13のキャビティ形成面15によって囲まれた単数あ
るいは複数のキャビティが形成されるものがある。キャ
ビティは樹脂成形品18に孔部を形成するものであって
もよい。三次元多層フィルム20を装着するキャビティ
形成面15は固定型14あるいは可動型13のいずれに
形成されていてもよい。多層フィルム6は、その印刷層
側が固定型14のキャビティ形成面15に対向するよう
に挿入してもよいし、その印刷層側が可動型13のキャ
ビティ形成面15に対向するように挿入してもよい。三
次元多層フィルム20を真空成形装置10やプレス切断
装置7からインサート成形用金型への移送は、ロボット
で三次元多層フィルム20をつかんで自動的に行っても
よいし、人手でつかんで行ってもよい(図2参照)。三
次元多層フィルム20の装着は、射出成形用金型のキャ
ビティ形成面15から吸引することによって固定するよ
うにしてもよい。
【0024】成形樹脂17としては、ポリプロピレン樹
脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリス
チレン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ナイロン樹脂など樹脂がある。多層フィルム6
を三次元形状に加工していない場合は、成形樹脂17の
射出圧などによって、多層フィルム6を金型のキャビテ
ィ形成面15に密着させることになる。樹脂成形品18
を冷却した後、型開きして、印刷によって絵柄層4が積
層されたアクリルフィルム2が三次元形状の樹脂成形品
18表面に一体化接着されたアクリルインサート成形品
を取り出す(図5参照)。最後に保護フィルム1を剥離
する(図6参照)
【0025】
【実施例】
実施例1 以下の条件で、自動車外装部品用モールを製造した。イ
ンサート用多層フィルムの保護フィルムは、ウレタン樹
脂により低粘着処理された厚さ200μmの非晶質ポリ
エチレンテレフタレートフィルムを用いた。アクリルフ
ィルムは、厚さ200μmの三菱レイヨン社製HBS0
06(エッチビーエスゼロゼロロク)を用いた。印刷層
は、光輝性顔料層、接着層を積層した。金属蒸着層は、
アクリルフィルムと光輝性顔料層との間に厚さ400Å
のクロム蒸着膜で積層した。光輝性顔料層は、アルミ顔
料入りアクリル樹脂系インキを用いてグラビア印刷法で
形成した。接着層は、塩素化ポリプロピレン樹脂系イン
キを用いてグラビア印刷法で形成した。このインサート
用多層フィルムは、まず、アクリルフィルムの片面に印
刷によって前記各層を形成し、他面に保護フィルムを貼
りあわせた後、60℃の温度で乾燥後常温に冷却したも
のであって、積層後の厚みは412μmであった。この
インサート用多層フィルムをロール軸に一旦巻き取って
ロール状巻物とした。このロール状巻物からインサート
成形用多層フィルムを巻き出し、切断刃付きプレス金型
内に挿入した。切断刃付きプレス金型は、射出成形用金
型のキャビティ形成面に密着する内面を有する凹部が形
成され、凹部には真空吸引孔が形成されたものであっ
た。インサート成形用多層フィルムを前記凹部に真空吸
引して自動車外装部品用モールの三次元形状に真空成形
加工し、三次元多層フィルムとした。三次元多層フィル
ムをプレス金型の切断刃で分断して、ロール状巻物のイ
ンサート用多層フィルムから切り離した。真空成形加工
は、280℃のヒーターで多層フィルムを150℃度程
度に加熱しながら、1、5気圧の真空吸引力で真空成形
で行った。次にこの三次元多層フィルムの保護フィルム
がキャビティ形成面に密着するようにインサート成形用
金型のキャビティに装着した。次に固定型と可動型とを
型閉めして形成されたキャビティに、成形温度200℃
〜220℃、金型温度40℃〜60℃で、ポリプロピレ
ン樹脂を成形樹脂として射出成形し、樹脂成形品の成形
と同時に多層フィルムの絵柄層側に成形樹脂を一体化接
着させ、ポリプロピレン樹脂成形品を冷却した後、樹脂
成形品を金型から取り出し、保護フィルムおよび低粘着
層と、アクリルフィルムおよび印刷層との剥離を行っ
た。金属色のアクリルフィルムが最表面に現れた15m
m厚のモールを得た。
【0026】実施例2 以下の条件で、自動車内装部品用木目コンソーラを製造
した。インサート用多層フィルムの保護フィルムは、ウ
レタン樹脂により低粘着処理された厚さ75μmの耐熱
ポリエチレンフィルムを用いた。アクリルフィルムは、
厚さ200μmの三菱レイヨン社製HBS006(エッ
チビーエスゼロゼロロク)を用いた。印刷層は、木目導
管柄層、木目下地層、接着層からなる。木目導管柄層
は、カーボンブラック入りアクリル樹脂系インキを用い
てグラビア印刷法で形成した。木目下地層は、ベンガラ
入りアクリル樹脂系インキを用いてスクリーン印刷法で
形成した。接着層は、ビニル樹脂系インキを用いてスク
リーン印刷法で形成した。このインサート用多層フィル
ムは、まず、アクリルフィルムの片面に印刷によって前
記各層を形成し、他面に保護フィルムを貼りあわせた
後、70℃の温度で乾燥後常温に冷却したものであっ
て、積層後の厚みは293μmであった。このインサー
ト用多層フィルムをロール軸に一旦巻き取ってロール状
巻物とした。このロール状巻物からインサート成形用多
層フィルムを巻き出し、切断刃付きプレス金型内に挿入
した。切断刃付きプレス金型は、射出成形用金型のキャ
ビティ形成面に密着する内面を有する凹部が形成され、
凹部には真空吸引孔が形成されたものであった。インサ
ート成形用多層フィルムを前記凹部に真空吸引して自動
車内装部品用コンソーラの三次元形状に真空成形加工
し、三次元多層フィルムとした。三次元多層フィルムを
プレス金型の切断刃で分断して、ロール状巻物のインサ
ート用多層フィルムから切り離した。真空成形加工は、
250℃のヒーターで多層フィルムを140度程度に加
熱しながら、1.2気圧の真空吸引力で真空成形で行っ
た。成形加工時間は約5秒であった。次にこの三次元多
層フィルムの保護フィルムがキャビティ形成面に密着す
るようにインサート成形用金型のキャビティに装着し
た。次に固定型と可動型とを型閉めして形成されたキャ
ビティに、成形温度200℃〜220℃、金型温度40
℃〜60℃で、ポリプロピレン樹脂を成形樹脂として射
出成形し、樹脂成形品の成形と同時に多層フィルムの絵
柄層側に成形樹脂を一体化接着させ、ポリプロピレン樹
脂成形品を冷却した後、樹脂成形品を金型から取り出
し、保護フィルムおよび低粘着層と、アクリルフィルム
および印刷層との剥離を行った。木目柄のアクリルフィ
ルムが最表面に現れた8mm厚のコンソーラを得た。
【0027】実施例3 以下の条件で、シルバー色のサイドマットガードを製造
した。インサート用多層フィルムの保護フィルムは、ウ
レタン樹脂により低粘着処理された厚さ200μmの塩
化ビニルフィルムを用いた。アクリルフィルムは、厚さ
200μmの三菱レイヨン社製HBS006(エッチビ
ーエスゼロゼロロク)を用いた。印刷層は、光輝性顔料
層、下地顔料層、接着層からなる。光輝性顔料層は、ア
ルミ顔料入りウレタン樹脂系インキを用いてリバースコ
ート法で形成した。下地顔料層は、グレー色のウレタン
樹脂に、酸化チタン10部/カーボンブラック1部の割
合で混ぜ合わせたインキを用いてリバースコート法で形
成した。接着層は、塩素化ポリプロピレン樹脂系インキ
を用いてリバースコート法で形成した。このインサート
用多層フィルムは、まず、アクリルフィルムの片面に印
刷によって前記各層を形成し、他面に保護フィルムを貼
りあわせた後、60℃の温度で乾燥後常温に冷却したも
のであって、積層後の厚みは447μmであった。この
インサート用多層フィルムをロール軸に一旦巻き取って
ロール状巻物とした。このロール状巻物からインサート
成形用多層フィルムを巻き出し、切断刃付きプレス金型
内に挿入した。切断刃付きプレス金型は、射出成形用金
型のキャビティ形成面に密着する内面を有する凹部が形
成され、凹部には真空吸引孔が形成されたものであっ
た。インサート成形用多層フィルムを前記凹部に真空吸
引して自動車外装部品用モールの三次元形状に真空成形
加工し、三次元多層フィルムとした。三次元多層フィル
ムをプレス金型の切断刃で分断して、ロール状巻物のイ
ンサート用多層フィルムから切り離した。真空成形加工
は、280℃のヒーターで多層フィルムを160℃程度
に加熱しながら、1、8気圧の真空吸引力で真空成形で
行った。次にこの三次元多層フィルムの保護フィルムが
キャビティ形成面に密着するようにインサート成形用金
型のキャビティに装着した。次に固定型と可動型とを型
閉めして形成されたキャビティに、成形温度200℃〜
230℃、金型温度40℃〜60℃で、ポリプロピレン
樹脂を成形樹脂として射出成形し、樹脂成形品の成形と
同時に多層フィルムの絵柄層側に成形樹脂を一体化接着
させ、ポリプロピレン樹脂成形品を冷却した後、樹脂成
形品を金型から取り出し、保護フィルムおよび低粘着層
と、アクリルフィルムおよび印刷層との剥離を行った。
シルバー色のアクリルフィルムが最表面に現れたサイド
マットガードを得た。
【0028】
【発明の効果】この発明のアクリルインサート成形品の
製造方法は、保護フィルム上に、少なくとも保護フィル
ムから剥離可能なアクリルフィルム、印刷によって形成
された絵柄層が積層された厚みが200μm〜1000
μmの多層フィルムの必要部分を三次元形状に加工する
とともに切り離し、三次元多層フィルムをインサート成
形用金型のキャビティに装着し、型閉めしてキャビティ
に成形樹脂を射出し、樹脂成形品の成形と同時に三次元
多層フィルムの絵柄層側に成形樹脂を一体化接着させた
後、樹脂成形品を金型から取り出し、保護フィルムを剥
離することを特徴とする。また、この発明のアクリルイ
ンサート成形品は印刷によって絵柄層が積層されたアク
リルフィルムが、三次元形状の樹脂成形品表面に一体化
接着されていることを特徴とする。また、この発明のイ
ンサート用多層フィルムは、厚み50μm以上のアクリ
ルフィルムの片面に印刷によって絵柄層、接着層を形成
し、他面に保護フィルムを貼りあわせた多層フィルムの
厚みが、200μm〜1000μmであることを特徴と
する。
【0029】この発明では、インサート用多層フィルム
のアクリルフィルムが保護フィルムによって保護された
状態で、三次元形状への加工、必要部の切り離し、イン
サート成形を行えるので、アクリルフィルムが真空成形
型や断裁型の型表面、さらにはインサート成形用金型の
キャビティ形成面の金属表面に直接密着することを避け
ることができる。このため、型表面の微細な凹凸による
跡形や摩擦により傷が付いたり、ホコリやゴミを拾うな
どしてアクリルフィルムに微細な凹凸やホコリなどが付
いたりしない。
【0030】また、この発明では、保護フィルムで補強
されしかも厚みが200μm〜1000μmである固有
のインサート成形用多層フィルムを用いるので、以下の
理由により、完成品の歩留まりや生産効率がよくなる。
つまり、この発明で用いるインサート成形用多層フィル
ムには腰がもたらされるので、真空成形型や断裁型、イ
ンサート成形用金型に挿入する際に簡単には撓まず、型
内で位置決めしやすい。このため、位置決めが素早くで
き、絵柄の位置ズレのない完成品が得られる。また、こ
の発明で用いるインサート成形用多層フィルムには重量
感と安定感がもたらされるので、真空成形型や断裁型、
インサート成形用金型内で、一旦位置決めされた後、型
の振動などによりフィルムの位置ズレが起こりにくい。
このため、位置決めが素早くでき、絵柄の位置ズレのな
い完成品が得られる。また、この発明で用いるインサー
ト成形用多層フィルムは分厚いので、断裁する際に、断
裁型の刃と刃の隙間にアクリルフィルムを挟み込んでし
まうことがなく、フィルムの切断不良が起こりにくい。
また、三次元加工する際の真空成形時に破れや伸びムラ
が起こりにくい。このため、絵柄の破れや変形、フィル
ムの端部にギザギザのない完成品が得られる。また、こ
の発明で用いるインサート成形用多層フィルムには形態
保持性がもたらされるので、アクリルフィルムを三次元
形状に加工し、インサート成形用金型のキャビティに移
送する際に、型崩れしにくい。このため、アクリルフィ
ルムを移送しやすく、インサート成形用金型のキャビテ
ィに装着しやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のアクリルインサート成形品の製造方
法の一工程の一つを示す断面図である。
【図2】この発明のアクリルインサート成形品の製造方
法の一工程の一つを示す断面図である。
【図3】この発明のアクリルインサート成形品の製造方
法の一工程の一つを示す断面図である。
【図4】この発明のアクリルインサート成形品の製造方
法の一工程の一つを示す断面図である。
【図5】この発明のアクリルインサート成形品の製造方
法の一工程の一つを示す断面図である。
【図6】この発明のアクリルインサート成形品の製造方
法の一工程の一つを示す断面図である。
【図7】この発明のインサート成形用多層フィルムの製
造工程の一つを示す断面図である。
【符号の説明】
1 保護フィルム 2 アクリルフィルム 3 印刷層 4 絵柄層 5 接着層 6 多層フィルム 7 プレス切断装置 8 打ち抜き型 9 切断刃 10 真空成形装置 11 真空吸引孔 12 凸部 13 可動型 14 固定型 15 キャビティ形成面 16 ゲート部 17 成形樹脂 18 樹脂成形品 19 低粘着層 20 三次元多層フィルム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保護フィルム上に、保護フィルムから剥
    離可能なアクリルフィルム、印刷によって形成された絵
    柄層が少なくとも積層された厚みが200μm〜100
    0μmの多層フィルムの必要部分を三次元形状に加工す
    るとともに切り離し、三次元多層フィルムをインサート
    成形用金型のキャビティに装着し、型閉めしてキャビテ
    ィに成形樹脂を射出し、樹脂成形品の成形と同時に三次
    元多層フィルムの絵柄層側に成形樹脂を一体化接着させ
    た後、樹脂成形品を金型から取り出し、保護フィルムを
    剥離することを特徴とするアクリルインサート成形品の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 印刷によって絵柄層が積層されたアクリ
    ルフィルムが、三次元形状の樹脂成形品表面に一体化接
    着されていることを特徴とするアクリルインサート成形
    品。
  3. 【請求項3】 厚み50μm以上のアクリルフィルムの
    片面に印刷によって絵柄層、接着層を形成し、他面に保
    護フィルムを貼りあわせた多層フィルムの厚みが、20
    0μm〜1000μmであることを特徴とするインサー
    ト成形用多層フィルム。
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