JPH10329190A - 繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法

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JPH10329190A
JPH10329190A JP9141522A JP14152297A JPH10329190A JP H10329190 A JPH10329190 A JP H10329190A JP 9141522 A JP9141522 A JP 9141522A JP 14152297 A JP14152297 A JP 14152297A JP H10329190 A JPH10329190 A JP H10329190A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
fiber
impregnated
extruder
reinforced
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JP9141522A
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English (en)
Inventor
Koji Yamaguchi
公二 山口
Shunji Hyozu
俊司 俵頭
Kouichi Karikaya
孝一 刈茅
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強化繊維が押出成形後も長く残存し、かつモ
ノフィラメント単位でマトリックスの熱可塑性樹脂に分
散、密着した高強度の繊維強化熱可塑性樹脂成形体を得
ることができる繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法
を提供する。 【解決手段】 繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法
は、熱可塑性樹脂A、または変性熱可塑性樹脂Cを含有
する熱可塑性樹脂Dが強化繊維のモノフィラメント間に
含浸されてなる熱可塑性樹脂含浸強化繊維RまたはS
を、熱可塑性樹脂Bが混練溶融された状態にある押出機
21内に強化繊維供給口23から供給する。熱可塑性樹脂B
中に熱可塑性樹脂含浸強化繊維RまたはSを混合し、そ
の後、押出金型22を通過させることにより、成形体を得
る工程を含んでいる。また、高粘度の熱可塑性樹脂を用
いる場合には、これを粉体状として用い、強化繊維のモ
ノフィラメント間に浸入させるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強化繊維により強
化された熱可塑性樹脂よりなる繊維強化熱可塑性樹脂押
出成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば長尺の熱可塑性樹脂成形体
を製造する押出成形法において、成形体の高強度化のた
めに押出機内で熱可塑性樹脂と強化繊維を同時に溶融混
練する方法が用いられている。
【0003】ところが、この方法を用いた場合、強化繊
維によってマトリックスである熱可塑性樹脂は高強度化
されるが、その強度向上の度合いが小さく、これは押出
機内でのスクリューによる混練の際、樹脂圧力とせん断
によって強化繊維が切断されることに起因するものであ
る。
【0004】押出成形ではドローダウン防止のため、射
出成形に用いられる熱可塑性樹脂と比較して高粘度の熱
可塑性樹脂が使用されるが、高粘度の熱可塑性樹脂を使
用すると、スクリュー内での強化繊維に加わるせん断力
が大きくなることが、押出成形後の残存繊維長が短くな
る原因のひとつでもあった。
【0005】押出機内での強化繊維の切断を少なくする
方法としては、スクリューの容積圧縮比を極力小さくす
る方法があげられるが、このような方法では、強化繊維
がマトリックスである熱可塑性樹脂中に充分に分散しな
かったり、通常、強化繊維同士の結合に用いている結束
剤が混練の際に充分解けず、熱可塑性樹脂の含浸不良が
発生したりするという問題があった。
【0006】このような従来技術の課題を解決するため
に、先に、特開昭57−181852号公報に記載の方
法が提案されており、この先提案の方法では、連続した
繊維を引きながら熱可塑性樹脂を含浸する方法によって
得られる熱可塑性樹脂含浸強化繊維を利用していた。
【0007】すなわち、先提案の方法では、予め熱可塑
性樹脂が溶融含浸された強化繊維単独もしくは予め熱可
塑性樹脂が溶融含浸された強化繊維と熱可塑性樹脂とを
混合したものを押出機に供給する方法を用いることによ
り、スクリュー内での含浸の必要性を無くすことが可能
となるので、スクリューの容積圧縮比を小さくでき、強
化繊維の切断が防止できるといったものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先
提案の方法を用いることによって容積圧縮比を小さくす
ることができるとは言え、スクリュー内で未溶融の熱可
塑性樹脂と、熱可塑性樹脂含浸強化繊維とが接触、ある
いはまた干渉し、強化繊維の機械的折損が発生するとい
う問題があった。
【0009】また上記先提案の方法では、強化繊維に含
浸可能な熱可塑性樹脂の粘度範囲に制限があり、通常、
押出成形に用いられる比較的高粘度の熱可塑性樹脂は、
強化繊維への含浸が困難であって、無理に含浸させよう
とすると強化繊維の切断が発生するという問題があっ
た。
【0010】この発明の目的は、上記の従来技術の問題
を解決し、強化繊維が押出成形後も長く残存し、かつモ
ノフィラメント単位でマトリックスの熱可塑性樹脂に分
散、密着した高強度の繊維強化熱可塑性樹脂成形体を得
ることができる繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載の発明は、繊維強化熱可塑性
樹脂成形体の製造方法であって、熱可塑性樹脂Aが強化
繊維のモノフィラメント間に含浸されてなる熱可塑性樹
脂含浸強化繊維Rを、熱可塑性樹脂Bが混練溶融された
状態にある押出機内に供給し、熱可塑性樹脂B中に熱可
塑性樹脂含浸強化繊維Rを混合し、その後、押出金型を
通過させることにより、成形体を得る工程を含むことを
特徴としている。
【0012】つぎに、本発明の請求項2記載の発明は、
繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法であって、カル
ボン酸誘導体が結合された変性熱可塑性樹脂Cを含有す
る熱可塑性樹脂Dが強化繊維のモノフィラメント間に含
浸されてなる熱可塑性樹脂含浸強化繊維Sを、熱可塑性
樹脂Bが混練溶融された状態にある押出機内に供給し、
熱可塑性樹脂B中に熱可塑性樹脂含浸強化繊維Sを混合
し、その後、押出金型を通過させることにより、成形体
を得る工程を含むことを特徴としている。
【0013】ここで、上記押出機は、容積圧縮比2.0
以下のスクリューを備えた単軸押出機であるのが、好ま
しい。
【0014】すなわち、この場合、請求項1または2記
載の発明は、繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法で
あって、熱可塑性樹脂AもしくはDが強化繊維のモノフ
ィラメント間に含浸されてなる、熱可塑性樹脂含浸強化
繊維RもしくはSを、熱可塑性樹脂Bが混練溶融された
状態にある単軸押出機内に供給し、単軸押出機内で、容
積圧縮比が2.0以下のスクリューにより、熱可塑性樹
脂B中に熱可塑性樹脂含浸強化繊維RもしくはSを混合
し、その後、押出金型を通過させることにより、所望断
面形状の成形体を得る工程を含むことを特徴としてい
る。
【0015】また、本発明の請求項3記載の発明は、繊
維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法であって、粉体状
熱可塑性樹脂AもしくはDが流動状態に収められている
槽内に、連続したモノフィラメント束を導入し、槽内で
モノフィラメント束を解しつつ、モノフィラメント間に
粉体状熱可塑性樹脂AもしくはDを含浸させてなる、熱
可塑性樹脂含浸強化繊維Uを、熱可塑性樹脂Bが混練溶
融された状態にある押出機内に供給し、熱可塑性樹脂B
中に熱可塑性樹脂含浸強化繊維Uを混合し、その後、押
出金型を通過させることにより、成形体を得る工程を含
むことを特徴としている。
【0016】ここで、上記押出機は、容積圧縮比2.0
以下のスクリューを備えた単軸押出機であるのが、好ま
しい。
【0017】すなわち、この場合、請求項3記載の発明
は、繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法であって、
粉体状熱可塑性樹脂AもしくはDが流動状態に収められ
ている槽内に、連続したモノフィラメント束を導入し、
槽内でモノフィラメント束を解しつつ、モノフィラメン
ト間に粉体状熱可塑性樹脂AもしくはDを含浸させてな
る、熱可塑性樹脂含浸強化繊維Uを、熱可塑性樹脂Bが
混練溶融された状態にある単軸押出機内に供給し、単軸
押出機内で、容積圧縮比が2.0以下のスクリューによ
り、熱可塑性樹脂B中に熱可塑性樹脂含浸強化繊維Uを
混合し、その後、押出金型を通過させることにより、所
望断面形状の成形体を得る工程を含むことを特徴として
いる。
【0018】つぎに、強化繊維について説明する。
【0019】本発明の方法に用いられる強化繊維として
は、製造工程にて加えられる熱により溶融軟化及び炭化
しないものが使用可能であり、具体的には、ガラス繊維
や炭素繊維や金属繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊
維、ポリアミド繊維などの有機繊維、絹、綿、麻などの
天然繊維があげられる。
【0020】強化繊維の形態としては、溶融紡糸された
小繊維径のモノフィラメントを集束させたものや、取扱
い易いように結束剤などでモノフィラメントを結束させ
たストランドを用いればよい。
【0021】強化繊維のモノフィラメントの直径は、1
〜50μm、特に3〜23μmが好ましい。モノフィラ
メントの直径が、1μmより小さい場合、強化繊維によ
る補強効果は小さい。また、50μmより大きい場合
は、熱可塑性樹脂と繊維の接触面積が、同種同重量の小
径のモノフィラメントと比較して小さくなるため、強化
繊維による補強効果は小さい。
【0022】つぎに、熱可塑性樹脂について説明する。
【0023】本発明の方法に用いられる熱可塑性樹脂
A、B、Dとしては、押出成形で成形可能な樹脂であれ
ば特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
カーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニレン
サルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリメチル
メタクリレートなどがあげられる。
【0024】また、上記熱可塑性樹脂を主成分とする共
重合体やグラフト重合体の樹脂、例えば塩素化ポリ塩化
ビニル、エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−
エチレン共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、
ウレタン−塩化ビニル共重合体、アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチ
レン共重合体、シラン変性ポリエチレン、カルボン酸変
性ポリエチレン、カルボン酸変性ポリプロピレンなども
使用可能である。また、ゴム、エラストマーや架橋性樹
脂も使用可能である。
【0025】成形温度を考慮すると、120〜250℃
といった比較的低温で成形可能である、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などを主
成分とすることが好ましい。
【0026】変性熱可塑性樹脂Cとしては、主鎖もしく
は側鎖にカルボン酸誘導体が共重合もしくはグラフト重
合された熱可塑性樹脂を用いることができる。これらの
変性熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂を重合する際にカル
ボン酸誘導体を供給し、共重合させる方法、熱可塑性樹
脂にカルボン酸誘導体をグラフト重合させる方法などで
得られる。熱可塑性樹脂にカルボン酸誘導体をグラフト
重合させる方法としては、熱可塑性樹脂に重合開始剤や
連鎖移動剤とともにカルボン酸誘導体を供給する方法、
熱可塑性樹脂にカルボン酸誘導体を供給後、光や放射線
を用いて熱可塑性樹脂の高分子鎖を活性化させて反応さ
せる方法などがあげられる。
【0027】ここでカルボン酸誘導体とは、エステル、
カルボン酸無水物、カルボン酸アミド、ハロゲン化アシ
ルなどを指す。またカルボン酸としては、マレイン酸、
フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸などがあげられ
る。
【0028】上記例示したような方法で得られる変性熱
可塑性樹脂は極性が大きく、強化繊維に対する接着性が
良好であるため、得られる繊維強化熱可塑性樹脂成形体
は高強度となる。
【0029】また、得られる繊維強化熱可塑性樹脂成形
体の製品中の熱可塑性樹脂が、熱可塑性樹脂B+C+D
によって構成される場合には、変性熱可塑性樹脂Cの含
有比率は、0.5〜20体積%であるのが望ましい。こ
こで、変性熱可塑性樹脂Cの含有比率が0.5体積%未
満であれば、強化繊維と熱可塑性樹脂との密着(接着)
が不充分であり、強度は向上しないので、好ましくな
い。また主鎖もしくは側鎖にカルボン酸誘導体が共重合
もしくはグラフト重合された変性熱可塑性樹脂Cは、熱
安定性が比較的悪いため、これの含有比率が20体積%
を越えるのは、好ましくない。
【0030】また変性熱可塑性樹脂Cと熱可塑性樹脂D
との比率は、繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製品中の変
性熱可塑性樹脂Cの比率が上記の好ましい範囲であり、
かつ製品中の強化繊維の含有量が好ましい範囲となるよ
うに調整されれば良い。
【0031】上記熱可塑性樹脂を、粉体状熱可塑性樹脂
として使用する場合、粉体の粒径は10〜300μmが
好ましい。粒径が10μmより小さいと凝集力が強く、
安定した流動状態が得られない。また300μmより大
きいとモノフィラメント間へ含浸し難い。この好ましい
範囲の粒径の粉体が得られない場合は、粉砕機で粉砕し
たものを用いればよい。
【0032】本発明に使用する熱可塑性樹脂は、単独で
使用されても併用されてもよく、上記樹脂のブレンド樹
脂、アロイ樹脂を用いることもできる。
【0033】また熱可塑性樹脂には、熱安定剤、滑剤、
加工助剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、改質
剤、着色剤のような添加剤が配合されていてもよい。
【0034】つぎに、強化繊維への熱可塑性樹脂A、C
の含浸について説明する。
【0035】熱可塑性樹脂AもしくはDが強化繊維のモ
ノフィラメント間に含浸されてなる熱可塑性樹脂含浸強
化繊維を得る方法としては、次のようなものがあげられ
る。
【0036】モノフィラメント束を解し、一方向面状に
引き揃えた後、熱可塑性樹脂AもしくはDよりなるフィ
ルムを重ねて加熱ピンチロール間を通過させ、溶融熱可
塑性樹脂を強化繊維のフィラメント間に含浸させる方
法。
【0037】モノフィラメント束をクロスヘッドタイプ
の金型を通過させつつ、溶融状態の熱可塑性樹脂を供給
し、その供給圧によって溶融熱可塑性樹脂を強化繊維の
フィラメント間に含浸させる方法。この方法を用いる場
合熱可塑性樹脂の溶融および供給には、押出機を用いれ
ばよい。
【0038】上記2例のように、溶融した熱可塑性樹脂
を外部圧力によってモノフィラメント間に含浸させる方
法を用いるには、使用できる熱可塑性樹脂の粘度範囲に
制限があり、JIS−K7210「熱可塑性プラスチッ
クの流れ試験方法」で測定されるMFR(メルトフロー
レート)が、およそ30以上でなければならない。高粘
度すなわちMFRがおよそ30未満の熱可塑性樹脂を用
いた場合、溶融状態の熱可塑性樹脂はモノフィラメント
間に含浸できず、強化繊維の破断が顕著になる。このと
き粉体状の熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、強化
繊維の破断なくモノフィラメント間に熱可塑性樹脂を含
浸することが可能である。
【0039】通常押出成形には、MFRがおよそ5以下
の熱可塑性樹脂が使用されるため、本発明において粉体
状熱可塑性樹脂の使用は非常に有用である。
【0040】粉体状熱可塑性樹脂を用いて、熱可塑性樹
脂AもしくはDが強化繊維のモノフィラメント間に含浸
されてなる熱可塑性樹脂含浸強化繊維を得る方法として
は、モノフィラメント束を粉体状熱可塑性樹脂が流動状
態に収められている槽内に引き込み、モノフィラメント
束を解しながら、粉体状熱可塑性樹脂を付着させればよ
い。
【0041】この場合、粉体状熱可塑性樹脂を流動させ
る方法としては、槽自体を振動させる方法、槽内に圧縮
気体を供給する方法などがあげられる。
【0042】また熱可塑性樹脂含浸強化繊維を得る他の
方法の1例としては、槽内で溶剤などに熱可塑性樹脂を
微分散させ、乳濁液状態すなわちエマルジョン状態にし
ておき、強化繊維を漬け込むことによって含浸する方法
があげられる。この方法は、エマルジョン状態とするこ
とが可能な熱可塑性樹脂と溶剤の組み合わせが限られる
こと、含浸後に溶剤を除去してから押出機に供給しなけ
ればならないことから、全ての熱可塑性樹脂に活用でき
る方法ではない。
【0043】前述したように変性熱可塑性樹脂は強化繊
維に対する接着性が良好であり、得られる繊維強化熱可
塑性樹脂成形体は高強度となるため、マトリックスとな
る熱可塑性樹脂に少量ブレンドして用いられることが多
いが、本発明においては、強化繊維のモノフィラメント
間に含浸させる熱可塑性樹脂として用いるか、もしくは
モノフィラメント間に含浸させる熱可塑性樹脂にブレン
ドすることが好ましい。従って少量の変性熱可塑性樹脂
を用いるのであれば、熱可塑性樹脂Bにブレンドするの
ではなく、モノフィラメント間に含浸させなければ効果
は小さい。
【0044】つぎに、熱可塑性樹脂Bに混練溶融された
状態での、熱可塑性樹脂含浸強化繊維の押出機内への供
給について説明する。
【0045】熱可塑性樹脂Bを混練溶融された状態にす
る方法としては、単軸もしくは2軸押出機、混練機など
が使用できる。
【0046】熱可塑性樹脂AもしくはDが含浸された強
化繊維を、熱可塑性樹脂Bが混練溶融された状態にある
押出機内に供給する方法としては、熱可塑性樹脂Bの混
練溶融を行なった押出機の途中から、熱可塑性樹脂含浸
強化繊維を供給する方法や、別途混練溶融した熱可塑性
樹脂Bを押出機に供給させつつ熱可塑性樹脂含浸強化繊
維を供給する方法などが挙げられる。前者の方法を用い
る場合、熱可塑性樹脂含浸強化繊維が供給できるよう
に、スクリューとバレルの間の容積を大きくしておく必
要がある。すなわち、一旦押出機内でスクリューにより
圧縮、加熱された溶融熱可塑性樹脂が押出機途中に設け
られる熱可塑性樹脂含浸強化繊維の供給口から押出機外
へ出ないように、熱可塑性樹脂Bの供給容積に加えて少
なくとも熱可塑性樹脂含浸強化繊維の供給容積分だけ
は、容積を大きく設けておく必要がある。同様の理由よ
り、スクリューのいわゆる圧縮部の途中での供給は非常
に困難である。
【0047】熱可塑性樹脂含浸強化繊維の供給形態は、
熱可塑性樹脂AもしくはDの含浸後、所望の長さに切断
された状態であってもよいが、残存繊維長を考慮する
と、連続繊維の状態で供給されることが好ましい。
【0048】熱可塑性樹脂含浸強化繊維を所望の長さに
切断して供給する場合、強化繊維の寸法が、アスペクト
比(強化繊維長/モノフィラメント直径)が100以上
であることが好ましく、300以上であることがより好
ましい。アスペクト比が100以下では、本発明による
長繊維化効果は小さく、残存繊維長は短くなるため、得
られる繊維強化熱可塑性樹脂成形体は弱いものとなる。
【0049】熱可塑性樹脂含浸強化繊維の供給時は、モ
ノフィラメント間に含浸された熱可塑性樹脂が冷却され
た状態であってもよいし、溶融した状態であってもよ
い。また粉体状熱可塑性樹脂を用いる場合は、粉体状熱
可塑性樹脂を含浸させただけの状態で供給してもよい
し、一旦加熱して粉体状熱可塑性樹脂を溶融させた後、
供給してもよい。
【0050】しかしながら、熱可塑性樹脂含浸強化繊維
の供給は、熱可塑性樹脂AもしくはDが溶融した状態で
押出機に供給するのが好ましい。というのは、熱可塑性
樹脂AもしくはDを溶融させ、連続繊維のモノフィラメ
ント間に含浸させた場合、もしくは粉体状熱可塑性樹脂
を強化繊維に含浸させた後、加熱して熱可塑性樹脂Aも
しくはDを溶融させた場合、強化繊維に含浸された熱可
塑性樹脂が冷却固化してしまうと、熱可塑性樹脂含浸強
化繊維の取扱いが煩雑となり、連続繊維の状態での押出
機への供給が困難となるため、熱可塑性樹脂Aもしくは
Dが溶融した状態で押出機に供給した方がよい。熱可塑
性樹脂AもしくはDが溶融した状態で押出機に供給する
方法としては、熱可塑性樹脂AもしくはDを強化繊維に
含浸させる工程を、押出機の供給口の近傍に設けてお
き、溶融した熱可塑性樹脂AもしくはDが冷却固化する
前に押出機に供給する方法や、熱可塑性樹脂Aもしくは
Dを強化繊維に含浸させる工程から押出機の供給口まで
の熱可塑性樹脂含浸強化繊維の通過ラインをこれらの樹
脂の溶融温度以上に加熱する方法などがあげられる。
【0051】なお、粉体状熱可塑性樹脂を含浸させた強
化繊維を供給する場合や、含浸させる熱可塑性樹脂Aも
しくはDの量が少ない場合は、上記のような方法を用い
る必要はなく、熱可塑性樹脂AもしくはDを強化繊維に
含浸させる工程から押出機の供給口までの間にガイドな
どを設けて、熱可塑性樹脂含浸強化繊維を導けばよい。
【0052】熱可塑性樹脂含浸強化繊維を所要の長さに
切断して供給する場合は、押出機の供給口にホッパーを
設け、このホッパーに切断した熱可塑性樹脂含浸強化繊
維を供給すればよいが、粉体状熱可塑性樹脂を含浸させ
た強化繊維を切断した場合は、強化繊維が解れてブリッ
ジし、供給が滞ることがあるので、少量ずつ供給する必
要がある。
【0053】繊維強化熱可塑性樹脂成形体中の強化繊維
は、1〜80体積%の範囲になるように含有され、2〜
50体積%の範囲が特に好ましい。含有量が1体積%よ
り少ないと補強効果は小さく、80体積%より多いと強
化材間を結着する熱可塑性樹脂が少なく、押出成形が非
常に困難となる。
【0054】熱可塑性樹脂含有強化繊維中の強化繊維
は、80体積%以下の範囲になるように含浸されること
が好ましい。80体積%より強化繊維が多いと、モノフ
ィラメント間に存在する熱可塑性樹脂AもしくはDの量
が少なく、熱可塑性樹脂Bとの混合後においてもモノフ
ィラメントと熱可塑性樹脂との接触している表面積が増
加せず、得られる繊維強化熱可塑性樹脂成形体の強度は
弱いものとなる。
【0055】つぎに、熱可塑性樹脂B中への熱可塑性樹
脂含浸繊維の混合について説明する。
【0056】熱可塑性樹脂Bと熱可塑性樹脂含浸強化繊
維の混合は、熱可塑性樹脂Bの混練溶融と同様、単軸も
しくは2軸の押出機や混練機を用いればよいが、残存繊
維長を長繊維化するには、容積圧縮比が2.0以下のス
クリューを有する単軸押出機を用いるとよい。
【0057】なおここで、容積圧縮比とは、熱可塑性樹
脂含浸強化繊維を供給部分のスクリュー径と押出機シリ
ンダー(バレル)径とで構成される容積を、スクリュー
の下流側でスクリュー径と押出機シリンダー(バレル)
径とで構成される容積が最も小となる部分の容積で徐し
た値である。一本のスクリューで熱可塑性樹脂Bの溶融
混合と熱可塑性樹脂含浸強化繊維の混合との両方を行な
う場合については、いわゆる圧縮部、計測部が複数部設
けられたスクリューとなることがあるが、本発明におい
て、容積圧縮比とは、熱可塑性樹脂Bと熱可塑性樹脂含
浸強化繊維との混合を行なう部分の容積圧縮比を指す。
【0058】押出機のスクリュー内での強化繊維の切断
は、供給した熱可塑性樹脂が圧縮され、熱可塑性樹脂に
急激にせん断が加えられるスクリューの圧縮部が最も多
く、既に溶融された熱可塑性樹脂Bに熱可塑性樹脂含浸
強化繊維を供給することによって圧縮部の容積圧縮比を
小さくすることが可能となり、残存繊維長を長繊維化で
きる。
【0059】熱可塑性樹脂B中への強化繊維の分散が良
好でない場合、スクリューの先端に、強化繊維が切断さ
れない範囲で混練を補助する部分を設けてもよい。
【0060】一方、2軸押出機や混練機は、通常、スク
リューの自己洗浄能力に優れ、スクリュー内での溶融熱
可塑性樹脂の位置交換が多いため、残存繊維長の長繊維
化を図るには、溶融圧縮比の調整やスクリューの噛み合
わせの間隙の調整が必要である。
【0061】本発明において、強化繊維による熱可塑性
樹脂の強化を妨げない範囲で、タルク、マイカ、炭酸カ
ルシウム、木粉、合成樹脂粉砕粉、繊維強化合成樹脂粉
砕粉などの充填剤が配合されてもよい。
【0062】つぎに、押出金型について説明する。
【0063】本発明で用いる押出金型は、通常の押出成
形で用いられる押出金型でよいが、極端に流路の断面形
状が小さくなったりもしくは変形したりして、熱可塑性
樹脂に流動の急変によるせん断力が加わらないように配
慮する必要がある。
【0064】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を、
図面を参照して説明する。
【0065】まず図1を参照すると、本発明の請求項1
および請求項2記載の発明において、熱可塑性樹脂Aが
強化繊維のモノフィラメント間に含浸されてなる熱可塑
性樹脂含浸強化繊維R、あるいはカルボン酸誘導体が結
合された変性熱可塑性樹脂Cを含有する熱可塑性樹脂D
が強化繊維のモノフィラメント間に含浸されてなる熱可
塑性樹脂含浸強化繊維Sを、それぞれ作成する樹脂含浸
装置は、2軸押出機(11)、予備加熱装置(12)、含浸金型
(13)、および引取機(14)よりなる。予備加熱装置(12)
は、ガラスロービング等の強化繊維を通過させつつ赤外
線ヒーター等で加熱する装置であり、含浸金型(13)は、
樹脂流路に沿って強化繊維を引き抜きつつ、強化繊維の
モノフィラメント間に溶融した熱可塑性樹脂を含浸させ
る金型である。
【0066】2軸押出機(11)で溶融させた熱可塑性樹脂
AもしくはDと予備加熱装置(12)で加熱した強化繊維と
を、加熱含浸金型(13)に導入し、熱可塑性樹脂含浸強化
繊維R中の強化繊維の割合が所定の割合となるように熱
可塑性樹脂AもしくはDを含浸させる。
【0067】つぎに、図2を参照すると、繊維強化熱可
塑性樹脂成形体の製造装置は、単軸押出機(21)、および
板状体押出金型(22)よりなる。ここで、単軸押出機(21)
は、第1樹脂供給部、第1圧縮部、第2樹脂供給部、第
2圧縮部、計測部よりなるスクリューを有している。第
1圧縮部、第2圧縮部の容積圧縮比は、共に同じであ
り、第1供給部、第2供給部のスクリュー溝深さは、共
に同じである。単軸押出機(21)のバレル途中には、強化
繊維供給口(23)が設けられており、この強化繊維供給口
(23)より、スクリューの第2供給部に強化繊維を供給で
きる構造となっている。
【0068】そして、熱可塑性樹脂Bを単軸押出機(21)
の第1圧縮部までで混練溶融した後、強化繊維供給口(2
3)から、図1の樹脂含浸装置で作成した熱可塑性樹脂含
浸強化繊維RもしくはSを供給する。この場合、図1の
装置を図2の装置付近に設置し、強化繊維に含浸した熱
可塑性樹脂AもしくはDが冷却固化する前に、単軸押出
機(21)に供給するとよい。
【0069】単軸押出機(21)に熱可塑性樹脂含浸強化繊
維RもしくはSを供給後、溶融状態の熱可塑性樹脂Bと
熱可塑性樹脂含浸強化繊維RもしくはSを第2圧縮部、
計測部で混合した後、板状体押出金型(22)へ供給し、該
押出金型(22)から押出成形により板状体よりなる繊維強
化熱可塑性樹脂成形体を得るものである。
【0070】図3を参照すると、本発明の請求項3記載
の発明において、モノフィラメント間に粉体状熱可塑性
樹脂A、もしくはカルボン酸誘導体が結合された変性熱
可塑性樹脂Cを含有する粉体状熱可塑性樹脂Dが含浸さ
れてなる熱可塑性樹脂含浸強化繊維Uを作成する樹脂含
浸装置は、粉体樹脂槽(31)、および加熱装置(32)よりな
る。粉体樹脂槽(31)は底面が不織布で構成されており、
底面裏側から圧縮空気を供給することによって、粉体状
熱可塑性樹脂AもしくはDが流動した状態となる。加熱
装置(32)は図1の場合と同様の予備加熱装置を使用すれ
ばよい。
【0071】そして、強化繊維を、粉体熱可塑性樹脂が
流動している粉体樹脂槽(31)に引き込み、モノフィラメ
ント状に解しつつ、粉体熱可塑性樹脂をモノフィラメン
ト間に含浸させた。ついで粉体樹脂槽(31)から引き出し
た粉体熱可塑性樹脂含浸強化繊維Uを加熱装置(32)を通
過させて加熱し、熱可塑性樹脂を溶融させて、熱可塑性
樹脂含浸強化繊維Uを作成する。この際、粉体樹脂槽(3
1)の通過速度を調節することにより、熱可塑性樹脂含浸
強化繊維U中の強化繊維と熱可塑性樹脂との割合を調整
するように含浸を行なうものである。
【0072】(作用)上記において、本発明の請求項1
記載の発明によれば、予め強化繊維のモノフィラメント
間に熱可塑性樹脂Aを含浸させたのち、マトリックスと
なる熱可塑性樹脂Bに混合するため、押出機内での混練
のせん断や樹脂圧によるモノフィラメント間への含浸を
行なう必要がないので、強化繊維の切断が少ない。
【0073】モノフィラメント単位での熱可塑性樹脂と
の複合化が確実に行なわれるため、モノフィラメント表
面と熱可塑性樹脂との接触表面積が大きい。
【0074】以上の理由により、得られる繊維強化熱可
塑性樹脂成形体が高強度となる。
【0075】また、本発明の請求項2記載の発明によれ
ば、熱可塑性樹脂含浸繊維に含浸する熱可塑性樹脂に、
カルボン酸誘導体が結合された変性熱可塑性樹脂を用い
るもので、強化繊維との接着性に優れた変性熱可塑性樹
脂を、強化繊維と熱可塑性樹脂との界面に確実に位置さ
せることが可能であり、強化繊維の複合化においても最
も効果的である。
【0076】以上の理由により、得られる繊維強化熱可
塑性樹脂成形体が高強度となる。
【0077】そして、上記いずれの方法においても、予
め溶融状態である熱可塑性樹脂Bに熱可塑性樹脂含浸強
化繊維を供給するので、通常の単軸スクリューでの溶融
混練に必要であるほどの容積圧縮が必要なく、溶融押出
機として、容積圧縮比が2.0以下のスクリューを有す
る単軸押出機を用いることができるので、圧縮部での樹
脂圧上昇やせん断負荷が小さくて済むため、残存繊維長
をより長繊維化でき、強化繊維の切断が少ない。
【0078】以上の理由により、得られる繊維強化熱可
塑性樹脂成形体がより高強度となる。
【0079】さらに、本発明の請求項3記載の発明によ
れば、モノフィラメント間への含浸の際、流動状態に収
められている槽内を通過させることにより、粉体状熱可
塑性樹脂を含浸するもので、押出成形に適した高粘度の
熱可塑性樹脂を、高樹脂圧を伴わないで含浸することが
可能であるから、強化繊維の切断が少ない。
【0080】この場合、まず第1段階として粉体状熱可
塑性樹脂が固化状態でモノフィラメント間に位置した
後、第2段階としてモノフィラメント間で熱可塑性樹脂
が溶融することにより含浸するので、溶融熱可塑性樹脂
の流動のみによる含浸と比較して、モノフィラメント単
位での熱可塑性樹脂との複合化がより確実に行なわれる
ため、モノフィラメント表面と熱可塑性樹脂との接触表
面積がより大きい。
【0081】以上の理由により、得られる繊維強化熱可
塑性樹脂成形体がより高強度となる。
【0082】そして、この方法においても、予めモノフ
ィラメント間に粉体状熱可塑性樹脂が含浸された強化繊
維を押出機に供給するため、押出機内で急激に容積圧縮
させる必要がなく、上記工程を行なう際、熱可塑性樹脂
含浸強化繊維と熱可塑性樹脂との溶融押出機として、容
積圧縮比が2.0以下のスクリューを有する単軸押出機
を用いることができるので、残存繊維長をより長繊維化
でき、より高強度が得られる。
【0083】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0084】以下の実施例では、本発明の製造方法に従
って、幅150mm、肉厚3mmの長尺板状体を製造し
た。
【0085】実施例1 強化繊維として、直径13μmのガラス連続繊維
(ガラスロービング、670TEX)を用い、熱可塑性
樹脂Aとして高密度ポリエチレン(JIS−K7210
で測定したメルトフローレートが70)を用いた。
【0086】図1に示す装置を用いて、熱可塑性樹脂含
浸強化繊維Rを作成した。装置はバレル直径30mmの
2軸押出機(11)、予備加熱装置(12)、含浸金型(13)、引
取機(14)よりなる。予備加熱装置(12)は、ガラスロービ
ングを通過させつつ赤外線ヒーターで加熱する装置であ
り、含浸金型(13)は、樹脂流路に沿ってガラスロービン
グを引き抜きつつ、ガラスロービングのモノフィラメン
ト間に溶融した熱可塑性樹脂を含浸させる金型である。
【0087】バレルの直径30mmの2軸押出機(11)で
溶融させた高密度ポリエチレンと、予備加熱装置(12)で
250℃に加熱したガラスロービング3本を200℃に
加熱した含浸金型(13)に導入し、熱可塑性樹脂含浸強化
繊維中の強化繊維の割合が75体積%となるように高密
度ポリエチレンを含浸させた。
【0088】 つぎに、図2に示す装置を用いて、繊
維強化熱可塑性樹脂成形体を製造した。装置は直径50
mmの単軸押出機(21)、板状体押出金型(22)よりなる。
直径50mmの単軸押出機は、第1樹脂供給部、第1圧
縮部、第2樹脂供給部、第2圧縮部、計測部よりなるス
クリューを有している。第1圧縮部、第2圧縮部の容積
圧縮比は共に3.0であり、第1供給部、第2供給部の
スクリュー溝深さは同じである。単軸押出機のバレル途
中には、強化繊維供給口(23)が設けられており、この強
化繊維供給口(23)より、スクリューの第2供給部に強化
繊維を供給できる構造となっている。
【0089】熱可塑性樹脂Bとしては、メルトフローレ
ートが0.5の高密度ポリエチレンに、カルボン酸誘導
体が結合された変性熱可塑性樹脂(商品名アドマーHB
500、三井石油化学工業社製)が10体積%となるよ
うにタンブラーで混合したものを用いた。
【0090】そして、この熱可塑性樹脂Bをバレル直径
50mmの押出機の第1圧縮部までで混練溶融した後、
強化繊維供給口から、上記条件で作成した熱可塑性樹
脂含浸強化繊維3本を供給した。なお、図1の装置を図
2の装置付近に設置し、強化繊維に含浸した高密度ポリ
エチレンが冷却固化する前に、バレル直径50mmの単
軸押出機(21)に供給した。
【0091】 直径50mmの単軸押出機(21)に熱可
塑性樹脂含浸強化繊維を供給後、溶融状態の高密度ポリ
エチレン(熱可塑性樹脂B)と熱可塑性樹脂含浸強化繊
維を第2圧縮部、計測部で混合した後、板状体押出金型
(22)へ供給した。
【0092】 200℃に温度調節された板状体押出
金型(22)から板状体サンプルを押し出した。
【0093】こうして得られた板状体の強化繊維含有量
は、20体積%であった。
【0094】実施例2 条件は実施例1と同じとし、条件では、熱可塑性樹
脂Bとしてメルトフローレートが0.5の高密度ポリエ
チレンのみを用いた点が、実施例1と異なる。
【0095】条件、は、実施例1と同じとして、押
出成形を行なった。
【0096】こうして得られた繊維強化熱可塑性樹脂板
状体の強化繊維含有量は、20体積%であった。
【0097】実施例3 強化繊維としては実施例1と同じガラスロービング
を用い、変性熱可塑性樹脂Cとしてカルボン酸誘導体が
結合された変性熱可塑性樹脂(商品名アドマーHB50
0、三井石油化学工業社製)を用いて、熱可塑性樹脂D
として、高密度ポリエチレン(メルトフローレートが7
0)に変性熱可塑性樹脂Cが50体積%となるようにタ
ンブラーで混合したものを用いた。
【0098】実施例1と同様に図1に示す装置を用い
て、熱可塑性樹脂含浸強化繊維Sを作成した。
【0099】バレル直径30mmの2軸押出機(11)で溶
融、混合させた変性熱可塑性樹脂含有高密度ポリエチレ
ンと、予備加熱装置(12)で250℃に加熱したガラスロ
ービング3本を200℃に加熱した含浸金型(13)に導入
し、熱可塑性樹脂含浸強化繊維中の強化繊維の割合が6
0体積%となるように変性熱可塑性樹脂含有高密度ポリ
エチレンを含浸させた。
【0100】条件、、は、実施例1と同じとし
て、押出成形を行なった。
【0101】こうして得られた繊維強化熱可塑性樹脂板
状体の強化繊維含有量は、20体積%であった。
【0102】実施例4 条件は実施例3と同じとし、条件では、実施例1と
同じ装置を用いるがスクリューのみが異なる。すなわ
ち、スクリューの第1圧縮部の容積圧縮比は3.0であ
り、第2圧縮部の容積圧縮比は1.5である。また第1
供給部および第2供給部のスクリュー溝深さは同じとし
た。
【0103】条件、は、実施例1と同じとして、押
出成形を行なった。
【0104】こうして得られた繊維強化熱可塑性樹脂板
状体の強化繊維含有量は、20体積%であった。
【0105】実施例5 強化繊維としては実施例1と同じガラスロービング
を用い、変性熱可塑性樹脂Cとしてカルボン酸誘導体が
結合された変性熱可塑性樹脂(商品名アドマーHB50
0、三井石油化学工業社製)を用いて、熱可塑性樹脂D
として、高密度ポリエチレン(メルトフローレートが7
0)と変性熱可塑性樹脂Cとを、50体積%:50体積
%の比率となるようにブレンドし、冷凍粉砕機で粉砕し
て、平均粒径100μmの粉体状熱可塑性樹脂としたも
のを用いた。
【0106】図3に示す装置を用いて、熱可塑性樹脂含
浸強化繊維Uを作成した。装置は粉体樹脂槽(31)、加熱
装置(32)よりなる。粉体樹脂槽(31)は底面が不織布で構
成されており、底面裏側から圧縮空気を供給することに
よって、粉体状熱可塑性樹脂が流動した状態となる。加
熱装置(32)には実施例1の図1に示す予備加熱装置を用
いた。
【0107】ガラスロービング3本を粉体高密度ポリエ
チレンが流動している粉体樹脂槽(31)に引き込み、モノ
フィラメント状に解しつつ、粉体高密度ポリエチレンを
モノフィラメント間に含浸させた。次いで粉体樹脂槽(3
1)から引き出した粉体高密度ポリエチレン含浸ガラスロ
ービングを加熱装置を通過させることにより200℃に
加熱し、高密度ポリエチレンを溶融させて、熱可塑性樹
脂含浸強化繊維Uを作成した。この際、粉体樹脂槽(31)
を通過させる速度を調節することにより、熱可塑性樹脂
含浸強化繊維中の強化繊維の割合が60体積%となるよ
うに高密度ポリエチレンを含浸させた。
【0108】その他の条件、、は、実施例1と同
じとして、押出成形を行なった。
【0109】こうして得られた繊維強化熱可塑性樹脂板
状体の強化繊維含有量は、20体積%であった。
【0110】実施例6 条件は、実施例5と同じとし、条件は、実施例4と
同じとし、条件、は、実施例1と同じとして、押出
成形を行なった。
【0111】こうして得られた繊維強化熱可塑性樹脂板
状体の強化繊維含有量は、20体積%であった。
【0112】実施例7 強化繊維は実施例1と同じガラスロービングを用い
た。
【0113】熱可塑性樹脂Aとしては、高密度ポリエチ
レン(メルトフローレート1.0)に、実施例3で用い
た変性熱可塑性樹脂Cをブレンドし、冷凍粉砕機で粉砕
して、平均粒径100μmの粉体状熱可塑性樹脂とした
ものを用いた。
【0114】熱可塑性樹脂含浸強化繊維Uの作成につい
ては実施例4と同様じであり、強化繊維の割合が60体
積%となるように高密度ポリエチレンを含浸させた。
【0115】条件、、は、実施例1と同じとし
て、押出成形を行なった。
【0116】こうして得られた繊維強化熱可塑性樹脂板
状体の強化繊維含有量は、20体積%であった。
【0117】実施例8 条件は、実施例7と同じとし、条件は、実施例4と
同じとし、条件、は、実施例1と同じとして、押出
成形を行なった。
【0118】こうして得られた繊維強化熱可塑性樹脂板
状体の強化繊維含有量は、20体積%であった。
【0119】実施例9 強化繊維は実施例1と同じガラスロービングを用い
た。変性熱可塑性樹脂Cとしてカルボン酸誘導体が結合
された変性熱可塑性樹脂(商品名アドマーHB500、
三井石油化学工業社製)を用いて、熱可塑性樹脂Dとし
て、高密度ポリエチレン(メルトフローレートが1.
0)に変性熱可塑性樹脂Cが50体積%となるようにタ
ンブラーで混合したものを用いた。
【0120】実施例1と同じ装置を用いて、強化繊維の
割合が60体積%となるように変性熱可塑性樹脂含有高
密度ポリエチレンをモノフィラメント間に含浸させた
が、熱可塑性樹脂Dが高粘度であるため、モノフィラメ
ント間に含浸しない部分もあった。また、樹脂圧によっ
てガラスロービングが一部切断されていた。
【0121】条件、、は、実施例5と同じとし
て、押出成形を行なった。
【0122】こうして得られた繊維強化熱可塑性樹脂板
状体の強化繊維含有量は、20体積%であった。
【0123】実施例10 条件は、実施例9と同じとし、条件は、実施例4と
同じとし、条件、は、実施例1と同じとして、押出
成形を行なった。
【0124】こうして得られた繊維強化熱可塑性樹脂板
状体の強化繊維含有量は、20体積%であった。
【0125】比較例1 比較ために、以下のようにして、長尺板状体を製造し
た。
【0126】 強化繊維は実施例1と同じものを用い
た。熱可塑性樹脂としては、メルトフローレート0.5
の高密度ポリエチレンとメルトフローレート70の高密
度ポリエチレンとを、配合比が5:1となるようにタン
ブラーで混合したものを用いた。
【0127】 実施例1で用いた装置すなわち第2圧
縮部の容積圧縮比3.0の装置を用いて、繊維強化熱可
塑性樹脂成形体を製造した。
【0128】混合した熱可塑性樹脂とガラスロービング
を直径50mmの単軸押出機の第1樹脂供給部より供給
した。
【0129】 直径50mmの単軸押出機内で熱可塑
性樹脂混合物とガラスロービングを混練溶融させた後、
板状押出金型へ供給した。
【0130】 200℃に温度調節された板状体押出
金型から板状体サンプルを押し出した。
【0131】こうして得られた板状体の強化繊維含有量
は、20体積%であった。
【0132】比較例2 条件の熱可塑性樹脂としては、メルトフローレート
0.5の高密度ポリエチレンと、メルトフローレート7
0の高密度ポリエチレンと、カルボン酸誘導体が結合さ
れた変性熱可塑性樹脂(商品名アドマーHB500、三
井石油化学工業社製)とを、それぞれの配合比が10:
1:1となるようにタンブラーで混合したものを用い
た。
【0133】条件、、は、比較例1と同じとし
て、押出成形を行なった。
【0134】こうして得られた繊維強化熱可塑性樹脂板
状体の強化繊維含有量は、20体積%であった。
【0135】比較例3 条件は、比較例2と同じとし、条件は、実施例1と
ほぼ同じ装置すなわち図2に示す装置を用いて、繊維強
化熱可塑性樹脂成形体を製造した。ただし、押出機は2
軸混練押出機を用いて、スクリューの供給部より、混合
した熱可塑性樹脂とガラスロービングを供給した。
【0136】 2軸混練押出機内で熱可塑性樹脂混合
物とガラスロービングを混練溶融させた後、板状押出金
型へ供給した。
【0137】条件は、実施例1と同じとして、押出成
形を行なった。
【0138】こうして得られた繊維強化熱可塑性樹脂板
状体の強化繊維含有量は、20体積%であった。
【0139】比較例4 条件は、比較例2と同じとし、条件は、実施例3で
用いた装置すなわち第2圧縮部の容積圧縮比1.5の装
置を用いて、繊維強化熱可塑性樹脂成形体を製造した。
熱可塑性樹脂混合物とガラスロービングを直径50mm
の単軸押出機の第1樹脂供給部より供給した。
【0140】条件、は、比較例1と同じとして、押
出成形を行なった。
【0141】こうして得られた繊維強化熱可塑性樹脂板
状体の強化繊維含有量は、20体積%であった。
【0142】<分散状態評価>上記実施例1〜10およ
び比較例1〜4で得られた各板状成形体を、220℃の
熱プレスにて厚さ0.5mmに引き延ばし、目視にて熱
可塑性樹脂の含浸度合いを評価した。
【0143】<残存繊維長評価>上記実施例および比較
例で得られた各板状体を、500℃の炉内で加熱し、熱
可塑性樹脂成分を完全に焼却して、焼成ガラス繊維を得
た。このガラス繊維を顕微鏡からCCDカメラを通して
モニターで拡大観察し、モニター上の寸法と拡大倍率よ
り繊維長を測定した。各板状体について500本の測定
を行ない、数平均値を残存繊維長とした。
【0144】<引張強度評価>上記実施例および比較例
で得られた各板状体から、引張試験片を切り出し、AS
TM−D638に準拠して、押出方法(MD)について
引張強度を測定した。
【0145】各評価の結果を表1に示す。
【0146】
【表1】 上記表の結果より明らかなように、本発明の実施例1〜
10で得られた繊維強化熱可塑性樹脂成形体は、いずれ
も強化繊維の分散状態が良いが、比較例2と4について
は、含浸不良部分すなわちガラスロービングが解され
ず、筋状に白い部分が観察された。また、本発明の実施
例1〜10で得られた繊維強化熱可塑性樹脂成形体は、
いずれも残存繊維長が長いものであり、従っていずれも
引張強度が大きいものである。
【0147】これに対し、比較例1で得られた成形体は
繊維長が短く、引張強度が小さいものであった。また比
較例2〜4で得られた成形体も、繊維長が短く、かつ成
形体中の変性熱可塑性樹脂割合がほゞ同様な各実施例の
成形体に比して引張強度が小さいものであった。
【0148】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の繊維強化熱可塑
性樹脂成形体の製造方法の発明は、上述のように、熱可
塑性樹脂Aが強化繊維のモノフィラメント間に含浸され
てなる熱可塑性樹脂含浸強化繊維Rを、同じもしくは異
なる熱可塑性樹脂Bが混練溶融された状態にある押出機
内に供給し、熱可塑性樹脂B中に熱可塑性樹脂含浸強化
繊維Rを混合し、その後、押出金型を通過させることに
より、繊維強化熱可塑性樹脂成形体を得る工程を含むも
のであるから、強化繊維と熱可塑性樹脂との密着がよ
く、かつ残存繊維長が長く残存するため、得られる繊維
強化熱可塑性樹脂成形体が高強度となる。
【0149】つぎに、本発明の請求項2記載の繊維強化
熱可塑性樹脂成形体の製造方法の発明は、カルボン酸誘
導体が結合された変性熱可塑性樹脂Cを含有する熱可塑
性樹脂Dが強化繊維のモノフィラメント間に含浸されて
なる熱可塑性樹脂含浸強化繊維Sを、熱可塑性樹脂Bが
混練溶融された状態にある押出機内に供給し、熱可塑性
樹脂B中に熱可塑性樹脂含浸強化繊維Sを混合し、その
後、押出金型を通過させることにより、繊維強化熱可塑
性樹脂成形体を得る工程を含むものであるから、強化繊
維と接触している熱可塑性樹脂に確実に接着性の良い変
性熱可塑性樹脂が含有されるため、より高強度が得られ
る。
【0150】そして、上記いずれの方法においても、予
めモノフィラメント間に熱可塑性樹脂AもしくはDが含
浸された強化繊維を押出機に供給するため、押出機内で
急激に容積圧縮させる必要がなく、上記工程を行なう
際、熱可塑性樹脂含浸強化繊維と熱可塑性樹脂との溶融
押出機として、容積圧縮比が2.0以下のスクリューを
有する単軸押出機を用いることができるので、残存繊維
長をより長繊維化でき、より高強度が得られる。
【0151】さらに、本発明の請求項3記載の繊維強化
熱可塑性樹脂成形体の製造方法の発明は、粉体状熱可塑
性樹脂AもしくはDが流動状態に収められている槽内
に、連続したモノフィラメント束を導入し、槽内でモノ
フィラメント束を解しつつ、モノフィラメント間に粉体
状熱可塑性樹脂AもしくはDを含浸させてなる、熱可塑
性樹脂含浸強化繊維Uを、熱可塑性樹脂Bが混練溶融さ
れた状態にある押出機内に供給し、熱可塑性樹脂B中に
熱可塑性樹脂含浸強化繊維Uを混合し、その後、押出金
型を通過させることにより、繊維強化熱可塑性樹脂成形
体を得る工程を含むものであるから、押出成形に適し
た、かつ溶融樹脂による含浸が困難である高粘度の熱可
塑性樹脂をも含浸することが可能であり、高強度の繊維
強化熱可塑性樹脂成形体が得られるだけでなく、本発明
の製造方法の可能範囲が広がるものである。
【0152】そして、この方法においても、予めモノフ
ィラメント間に粉体状熱可塑性樹脂が含浸された強化繊
維を押出機に供給するため、押出機内で急激に容積圧縮
させる必要がなく、上記工程を行なう際、熱可塑性樹脂
含浸強化繊維と熱可塑性樹脂との溶融押出機として、容
積圧縮比が2.0以下のスクリューを有する単軸押出機
を用いることができるので、残存繊維長をより長繊維化
でき、より高強度が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いる強化繊維の樹脂含浸処
理装置の概略縦断面図である。
【図2】本発明の実施例で用いる繊維強化熱可塑性樹脂
成形体の製造装置の概略縦断面図である。
【図3】本発明の実施例で用いる強化繊維の樹脂含浸処
理装置の概略縦断面図である。
【符号の説明】
11 2軸押出機 12 予備加熱装置 13 含浸金型 14 引取機 21 単軸押出機 22 押出金型 23 強化繊維供給口 31 粉体樹脂槽 32 加熱装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂Aが強化繊維のモノフィラ
    メント間に含浸されてなる熱可塑性樹脂含浸強化繊維R
    を、熱可塑性樹脂Bが混練溶融された状態にある押出機
    内に供給し、熱可塑性樹脂B中に熱可塑性樹脂含浸強化
    繊維Rを混合し、その後、押出金型を通過させることに
    より、成形体を得る工程を含むことを特徴とする、繊維
    強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 カルボン酸誘導体が結合された変性熱可
    塑性樹脂Cを含有する熱可塑性樹脂Dが強化繊維のモノ
    フィラメント間に含浸されてなる熱可塑性樹脂含浸強化
    繊維Sを、熱可塑性樹脂Bが混練溶融された状態にある
    押出機内に供給し、熱可塑性樹脂B中に熱可塑性樹脂含
    浸強化繊維Sを混合し、その後、押出金型を通過させる
    ことにより、成形体を得る工程を含むことを特徴とす
    る、繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 粉体状熱可塑性樹脂A、もしくはカルボ
    ン酸誘導体が結合された変性熱可塑性樹脂Cを含有する
    粉体状熱可塑性樹脂Dが流動状態に収められている槽内
    に、連続したモノフィラメント束を導入し、槽内でモノ
    フィラメント間に粉体状熱可塑性樹脂AもしくはDを含
    浸させてなる、熱可塑性樹脂含浸強化繊維Uを、熱可塑
    性樹脂Bが混練溶融された状態にある押出機内に供給
    し、熱可塑性樹脂B中に熱可塑性樹脂含浸強化繊維Uを
    混合し、その後、押出金型を通過させることにより、成
    形体を得る工程を含むことを特徴とする、繊維強化熱可
    塑性樹脂成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 押出機が、容積圧縮比2.0以下のスク
    リューを備えた単軸押出機である、請求項1から請求項
    3のいずれか1項に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体
    の製造方法。
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