JPH10330286A - 異常遺伝子産物作動物質の用途およびスクリーニング方法 - Google Patents

異常遺伝子産物作動物質の用途およびスクリーニング方法

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JPH10330286A
JPH10330286A JP10088331A JP8833198A JPH10330286A JP H10330286 A JPH10330286 A JP H10330286A JP 10088331 A JP10088331 A JP 10088331A JP 8833198 A JP8833198 A JP 8833198A JP H10330286 A JPH10330286 A JP H10330286A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】疾患に関連する構造遺伝子の解析から得られる
情報、遺伝子変異と疾患との因果関係を解明する情報な
どを用いることにより、疾患原因からの創薬アプローチ
を可能にさせる新規創薬技術およびこの新規医薬品創製
法に基づいて調製される異常遺伝子産物作動物質の用途
を提供する。 【解決手段】(1)異常遺伝子産物作動物質を含有して
なる、該産物に起因する疾患の予防・治療剤;(2)異
常遺伝子産物に起因する疾患の治療のための、該産物作
動物質の用途;(3)異常遺伝子産物と被検物質とを接
触させ、該産物に対する該物質の作動性を検定すること
を特徴とする、異常遺伝子産物作動物質のスクリーニン
グ方法;および(4)異常遺伝子産物と被検物質とを接
触させ、該産物に対する該物質の作動性を検定し、異常
遺伝子産物を実質的に作動すると判定される薬物を調製
することを特徴とする、異常遺伝子産物に起因する疾患
の治療のための薬物を調製する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は異常遺伝子産物作動
物質の用途およびスクリーニング方法に関する。さらに
詳しくは、本発明は、ヒト疾患に関連する構造遺伝子の
解析から得られる情報、例えば遺伝子変異と疾患との因
果関係を解明する情報などを用いて、従来とは全く異な
るアプローチ、即ち「疾患原因からの創薬アプローチ」
をはじめて可能にさせる新規創薬技術に関し、また、こ
のような新規医薬品創製法に基づき調製される異常遺伝
子産物作動物質の用途に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の創薬技術は、主として疾患の病態
メカニズムを研究し、作用機序から新薬開発の可能性を
検討するものであった。この病態メカニズムとは、病態
発症の結果であり、その原因ではなかった。そのため、
スクリーニング系から得られたリード化合物も、その後
期待したほどの臨床効果が得られなかったり、予想外の
毒性が臨床で発現することなどにより、開発が中断され
ることがしばしばあった。一方、自然科学分野の新技術
として、1990年以降ゲノム研究が注目されている。
これは広く生物・医学全般にかかわる遺伝子情報の解析
研究であり、このゲノム研究により得られる膨大な遺伝
子情報は、遺伝子変異と疾病との因果関係を解明する糸
口を提供し、「疾患発症の原因からの創薬法」を可能に
すると期待されているためである。遺伝子情報に由来
し、疾病発症原因に作用する薬剤の開発は、次のステッ
プで進められる。 すなわち、 ・疾病関連遺伝子の配列と機能の同定 ・疾病発症原因遺伝子の決定,遺伝子情報の機能解析 ・疾病発症原因遺伝子情報に由来する候補薬物の選出 という新しい理論的創薬アプローチである。現在、ゲノ
ムプロジェクトに関連した遺伝子情報に由来した創薬ア
プローチは、まだ最も初期の段階、「疾病関連遺伝子の
配列と機能の同定」のステップにあり、疾病と遺伝子異
常の関係を解明する努力が世界中で行われている。
【0003】アルツハイマー病,高血圧症では、いくつ
かの疾患関連遺伝子が報告されているが、さまざまな危
険因子の解明が待たれ、全容解明にはまだかなりの時間
を要する。肥満では、病態発症原因の解明に近づいてお
り、近い将来に抗肥満薬が開発される可能性は高い。イ
ンスリン非依存型糖尿病では、近い時期に糖尿病の発症
因子が遺伝子レベルで明らかにされるであろう。心臓疾
患では、心筋梗塞に関する遺伝子発見などがあり、新し
い作用機作を持つ薬剤が近い将来見いだされる可能性は
高い。ガンでは、疾病の原因または危険因子の遺伝子発
見の努力は、着実に成果を挙げている。しかし、種々の
ガンは多様性に富み、それぞれの発症原因の全体像が明
らかになるには、まだ多くの知見が必要であるのも現実
である。
【0004】アルツハイマー病 (AD) のほとんどの症例
は、遺伝性のはっきりしない孤発例である。しかしなが
ら、少数の常染色体優性遺伝を示す家族性のAD (famili
al Alzheimer's disease: FAD) 例が存在する。このFAD
の病因遺伝子が明らかにされれば、弧発性のADの病態の
解明、さらにその先にある治療薬の開発に結びつくと考
えられ、近年FAD遺伝子に関する研究が活発に行われて
いる。そうした結果、現在までのところ、早期発症型FA
Dの多くの家系では第14染色体が強く連鎖しており、少
数の家系では第21染色体に存在するβアミロイド前駆体
タンパク質遺伝子に異常のあることが解明された。これ
に対して、アルツハイマー病の大多数を占める弧発性ア
ルツハイマー病、あるいは家族性の晩期発症型アルツハ
イマー病については、最近まで分子遺伝学的な病因は明
らかにはされていなかった。しかし、近年これらの疾病
は、複数の遺伝学的なリスクファクターが関与する多因
子遺伝病ではないかとの立場からの研究が注目を集めて
いる。1993年Corderらによって、アポリポタンパク質E
遺伝子多型の一つであるAPOE4が、アルツハイマー病の
遺伝的な危険因子として報告された(Science, 261, p92
1, 1993)。彼らは多数のアルツハイマー病患者のAPOEの
解析をおこない、これらのタンパク質の遺伝子多型のう
ちAPOE4が遺伝学的なリスクファクターであると指摘し
た。彼らの報告によると、家族性の遅発型アルツハイマ
ー病患者群ではAPOE4の頻度が健常者群と比較して、有
意に高い。また、アルツハイマー病群をAPOE4を持たな
い群、APOE4をヘテロ接合体で持つ群、APOE4をホモ接合
体で持つ群の3群に分けると、APOE4をより多く持つ群
で発症年齢がより若年化していることが明らかにされ
た。また、APOE4以外の危険因子として、アポリポタン
パク質EのレセプターであるVLDLレセプターの遺伝子多
型についても積極的な研究が進められている。
【0005】肥満に関しては、最近obタンパク質が同定
され(Nature, 372, p425, 1994)、肥満すると脂肪細胞
でのobタンパク質の発現や分泌が亢進し、それが視床下
部の満腹中枢を刺激して摂食の抑制、エネルギー消費を
抑えるというネガティブフィードバック回路が存在する
ことが判明した。現在ob/obマウスと呼ばれる遺伝性の
肥満モデルマウスによる研究が精力的に進められてお
り、このobタンパク質(レプチン、Leptin)がヒトの肥
満にどれだけ関与しているのか研究されている。さら
に、肥満とβ3アドレナリンレセプターの関係も注目を
集めている。即ち、肥満はエネルギー摂取の過剰ととも
にエネルギー消費の低下によっても生じる。ラット、マ
ウスだけでなくヒトでも、過食や肥満によって交感神経
系のβ3レセプターの活性が刺激され、特に褐色脂肪細
胞などでのエネルギー消費が増大し、熱産生を起こす可
能性があると考えられている。この経路は肥満の進行を
抑制するフィードバックメカニズムとも捉えられる。そ
のため、β3レセプターに先天的な異常があってこのよ
うなフィードバックルートが働かない場合には、肥満あ
るいは過食によってもエネルギー消費が亢進せず、肥満
が助長される結果になる。実際、β3アドレナリンレセ
プターの64番目のTrp残基がArg残基に変わっているとい
う変異がピマインディアンと呼ばれる肥満と糖尿病の多
発する民族で報告されている[N. Engl. J. Med., 333,
343, (1995)]。さらに、フィンランド人、白人でも同じ
変異が同定されている。この変異はこれまで知られてい
る糖尿病における遺伝子変異(インスリン、インスリン
レセプター、グルコキナーゼ、ミトコンドリアの各遺伝
子変異)と異なり、大変高頻度で、白人で約8%、ピマ
インディアンで31%にこの遺伝子変異が観察されてい
る。このように、肥満は単なる習慣、文化の問題である
といった概念から、遺伝子レベルに起因して起こる疾病
であるといった認識が形成されてきた。
【0006】インスリン非依存型糖尿病(NIDDM)につい
ては、遺伝因子と環境因子の相互作用によって発症する
ことが知られている。そしてこの遺伝因子は必ずしも単
一の遺伝子ではなく、複数の遺伝子が発症に関係してい
る多因子遺伝によるものである。現状では、まだ遺伝因
子の実態は明らかではないが、いくつかの候補遺伝子の
存在が知られている。こうした糖尿病発症のリスクファ
クターを解明し、糖尿病の早期診断、早期治療、さらに
発症予防につなげていくことができれば、糖尿病が重症
化し、合併症を併発した時に要する医療費を削減するこ
とにもつながり、医療経済的な立場からも大いに望まれ
ることになる。NIDDMに深く関与している候補遺伝子と
して考えられているのは、インスリン分泌の異常を起こ
す遺伝子、インスリン抵抗性を起こす遺伝子などが考え
られる。この中でインスリン分泌に関与する遺伝子とし
ては、インスリングルコキナーゼ、ミトコンドリアの遺
伝子異常などがある。そして、骨格筋、肝臓のインスリ
ン感受性の低下(インスリン抵抗性)に関与する遺伝子
としては、インスリンレセプター、肝臓における糖取り
込みに関与するグルコキナーゼの遺伝子異常などが同定
されてきている。グルコキナーゼの異常と、MODY(Matur
ity-Onset Diabetes in the Young)症の因果関係につい
ては詳細な研究がおこなわれている。グルコキナーゼは
膵臓B細胞および肝臓でのブドウ糖代謝の律速酵素で、
1つの遺伝子異常によってインスリンの分泌異常とイン
スリン抵抗性というNIDDMの病態を説明することができ
る大変興味深い候補遺伝子である。MODYは常染色体優性
遺伝を示す25歳未満で発症するNIDDMの早期発症のサブ
タイプであり、グルコキナーゼの突然変異が認められ、
これが原因であると結論されている。また、これとは別
に、インスリンレセプターの異常とNIDDMの関係につい
ても研究が進められている。インスリンレセプターは全
部で1355のアミノ酸残基から構成されており、その点突
然変異がインスリン抵抗症を発症する原因になっている
ことが判明している。インスリンレセプター異常の場合
はヘテロ接合体でも表現系として現れ、また、ホモ接合
体になるともう少し強い表現系が現れてくる、co-domin
ant (共優性)という遺伝形式をとる。これら以外にもミ
トコンドリア遺伝子異常とNIDDMの関連性についても研
究がおこなわれているが、これら3つの遺伝子異常はそ
れぞれ単一の遺伝子異常により糖尿病の特別なサブタイ
プを引き起こすという意味での糖尿病遺伝子であるとい
うことができる。しかし、肥満症の項で述べたβ3アド
レナリンレセプターはNIDDMの強力な発症因子ではある
が、病因遺伝子であるとは言えない。あくまでこの因子
は他の遺伝子とともに、環境因子の影響を受けながら肥
満あるいはNIDDMの発症に関与しているものと思われ
る。
【0007】高血圧症の発症・進展に環境因子が関与す
ることは広く知られているが、最近になって、遺伝性素
因についても解明されるようになってきた。しかし、高
血圧症の90%以上といわれる本態性高血圧症に関して
は、発症に関連する遺伝因子が徐々にわかってきた程度
で、病態全体を解明するためにはなお時間がかかる。ヒ
ト高血圧症の特徴として、多因子遺伝性、不完全浸透
率、環境因子の影響が大きいことなどがあげられる。現
在行われているヒト集団を用いた遺伝子解析の手法とし
ては、(1) 明らかに家族性の場合、家系構成員のDNAを
用いて行う連鎖解析 (linkage analysis)、(2) 病気の
兄弟、姉妹のDNAだけを用いて行う罹患同胞対法 (affec
ted sub-pair method)、(3) 関連の検出 (association
study) 法などがある。この中で、連鎖解析は遺伝的背
景の強い特殊な形の高血圧症の原因遺伝子同定に威力を
発揮し、罹患同胞対法や関連の検出法は、本態性高血圧
症の遺伝危険因子解析に用いられている。こうした中
で、ほとんどの患者の原因として考えられる本態性高血
圧症は、発症が遅いこともあり、3世代にわたってDNA
採取することが難しく、大規模な連鎖解析は行われてい
ない。このような状況で、最近非常に効果を上げている
のが罹患同胞対法である。1992年Jeunemaitreらは、ア
ンジオテンシノーゲン遺伝子上に15カ所の変異を同定
し、アメリカ,ユタ州とパリの罹患同胞対法(高血圧症
の兄弟・姉妹)を用いて、エクソン2に存在するM235T
(235番のコドンがMetからThrに変化する1塩基置換) 変
異と高血圧症とが優位に相関することを示した(Cell, 7
1, p169, 1992)。この相関は、重症高血圧症においてよ
り強く認められ、ACE/DD遺伝子多型と同様にTT遺伝子型
のヒトのアンジオテンシノーゲン血中濃度を増加させる
変異であることが明らかにされた。AII1型レセプター遺
伝子のpoint mutation (A1166C) が、高血圧と相関する
報告(Hypertension, 24, p63, 1994) や、AT1-R遺伝子k
nock-out mouseで血圧降下、AII2型レセプター遺伝子kn
ock-out mouseで血圧上昇を認めたという報告 (Proc. N
atl. Acad. Sci. USA, 92, p3521, 1995; Nature, 37
7, p744, 1995) などより、AIIレセプター遺伝子も何ら
かの形で血圧調整に遺伝的に関与していることが示唆さ
れる。さらに、Zeeらは低密度リポタンパク質レセプタ
ー遺伝子の異常が高血圧症患者の肥満に関係することを
報告し (Biochem. Biophys. Res. Commun., 189, p965,
1992)、また、荻原らもSHRの体重にGJP (gap junction
protein) 遺伝子座位が関与することを報告している
(Hypertens. Res., 18, p63, 1995)。このように高血
圧症についての遺伝子レベルでの研究は着実に進んでい
るが、その本質的な病因因子を解明するためには、長期
間にわたる大規模な遺伝免疫学も必要とされるので、ま
だかなりの時間は要するものと思われる。
【0008】心臓疾病因子の遺伝子レベルの研究も盛ん
におこなわれており、米国Bringhamand Woman's Hospit
alのグループは、心筋梗塞を抑制する2つの遺伝子と、
リスクを高める遺伝子1つの染色体上での存在位置を特
定したと報告している(Nature Genetics, 13, p429, 19
96)。遺伝性が高いと考えられる悪性腫瘍ではあるが、
いわゆる常染色体性優性形式を示す遺伝性腫瘍は、一般
的なガンに比較すると症例が限られており、染色体や遺
伝子との関連が解明されているもので数十種類知られて
いるだけである。ガンの大多数は、単一遺伝子の変異に
基づくMendel性遺伝形式に当てはまらない、あるいはそ
の原因を遺伝子レベルで探ろうとした場合、候補遺伝子
アプローチを採用することのできない疾病であると言え
る。しかしながら、このことは、一般的なガンが必ずし
も弧発性、あるいは遺伝性ではないということを意味し
ているのではない。遺伝疫学的な研究からは特定のガン
患者の近親者では類似した腫瘍が発生する危険性が高い
ことが知られている。すなわち、多因子遺伝学的な立場
から、複数の環境因子や遺伝因子がガンを発症させるた
めの条件になっていると考えるのが妥当である。このよ
うに多因子遺伝モデルが適応されるガンではあるが、や
はりガンは遺伝子の病気であり、発ガンはガン遺伝子や
ガン抑制遺伝子の異常が複数蓄積し、それが相乗的に多
段階にわたって起こっていくことが明らかにされてき
た。大腸ガンについては、その多段階発生過程が詳細に
研究されている。Rasなどのガン遺伝子の変異により、
細胞の増殖が活発になり、またガン抑制遺伝子p53の異
常で正常遺伝子の働きが不活性化され、細胞の増殖をコ
ントロールできなくなっていくと考えられる。また、最
近前立腺肥大症から前立腺ガンへと細胞の悪性化を進行
させる遺伝子として、PTI-1のクローニングに米国コロ
ンビア大学のグループが成功した。PTI-1は良性な腺種
を悪性腫瘍に変化させるスイッチの役割を果たしてい
る。本因子は翻訳プロセスを調整し、翻訳を異常化する
遺伝子である。46kdのタンパク質でポリペプチド鎖
伸長因子EF1a(50kd)と相同性がある。PTI-1はEF1にポイ
ントミューテンションと欠失が生じたものと考えられて
いる。同グループの研究では、進行性前立腺ガン患者16
人中、15人でPTI-1の発現を確認している。
【0009】以上のように、各疾病の原因または危険因
子の遺伝子発見の努力は、着実に成果を挙げているもの
の、疾病発症の全体像が明らかになるには、まだ多くの
知見が必要である。「疾患関連遺伝子の配列と機能の同
定」の次のステップである「疾患発症原因遺伝子の決
定,遺伝子情報の機能解析」は、その遺伝子の異常が疾
病進行の結果生じたものか、それとも発症原因であるか
を見極める重要な作業である。しかし、前ステップでの
知見(疾患関連遺伝子の発見)も、その実体は遺伝子配
列情報にすぎず、ここから遺伝子の機能もしくは遺伝子
産物の機能を正確に類推する方法は、現在のところほと
んどない。ノックアウト・トランスジェニックマウスの
作成技術は、現在最も実現可能なアプローチとして挙げ
られるが、従来の技術レベルでは、遺伝子操作が生体に
予期せぬ重大な障害を及ぼす結果、死産もしくは出生直
後の死亡により研究が進まない場合も多い。新たな進歩
が将来蓄積していけば、ノックアウト・トランスジェニ
ックマウスの作成技術は、遺伝子機能の解析に今後大き
く貢献すると考えられる。バイオインフォマティクス
は、遺伝子の機能解明にポテンシャルを持つが、現状で
は基礎情報を整備している段階と考えられる。 遺伝子配
列の高速化はめざましく、ヒトcDNA配列はすでに相当な
レベルまで解析されている。 ここ数年は多くの困難を伴
うと予測されるものの、多くの大学,ゲノムベンチャー
により遺伝子の機能解析が進むと予想される。これら基
礎情報量の増加が相乗効果をもたらし、バイオインフォ
マティクスによる遺伝子の機能解析は、今後ある時を境
に急激に進む可能性があり、遺伝子機能解析の手段とし
て将来実力を発揮すると予想される。疾患関連遺伝子の
配列と機能を解析し、その結果、疾病原因遺伝子が特定
された段階で、第三のステップとしてその情報をもとに
新規医薬品の開発が始まる。しかしその創薬技術につい
ては、確立されたものはない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のような現状か
ら、ヒト疾患関連構造遺伝子の解析から得られる遺伝子
変異と疾病との因果関係を解明する情報に基づいて、新
たな創薬技術の確立が望まれている。本発明は、このよ
うな新規医薬品創製法ならびにこれに基づいて調製され
る異常遺伝子産物作動物質の新規用途を提供するもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために鋭意検討した結果、ヒト細胞から調製
したcDNAライブラリーあるいは市販のヒト細胞由来のcD
NAライブラリーから異常遺伝子産物(異常受容体など)
の遺伝子をクローニングし、この遺伝子により形質転換
させた細胞を用いて、本発明を完成した。本発明は、疾
患の病態メカニズム・薬剤の作用機序などの発症結果か
らアプローチする従来の新薬開発とは異なり、発症の原
因からの創薬アプローチを可能にさせる創薬技術に関
し、本発明の創薬技術を用いることにより、従来とは全
く異なる創薬アプローチの方向、すなわち「疾病原因か
らの創薬アプローチ」に基づいた新規医薬品の創製法が
可能になる。特に、天然リガンドが低分子である脳・神
経系に関わる疾患の治療薬の創製には重大なインパクト
を与えるものである。
【0012】さらに詳しくは、本発明は、 (1)異常遺伝子産物作動物質を含有してなる、該産物
に起因する疾患の予防・治療剤; (2)異常遺伝子産物が、異常受容体、異常チャンネ
ル、異常トランスポーターまたは異常酵素である前記
(1)記載の予防・治療剤; (3)異常受容体作動物質を含有してなる、異常受容体
に起因する疾患の予防・治療剤である前記(1)記載の
予防・治療剤; (4)異常受容体に起因する疾患が、異常受容体を有す
る細胞の伝達系が実質的に低下することに起因する疾患
である前記(3)の予防・治療剤; (5)異常受容体に起因する疾患が、異常受容体を有す
る細胞の伝達系を天然リガンドが実質的に作動しないこ
とに起因する疾患である前記(3)記載の予防・治療
剤; (6)異常受容体に起因する疾患が、天然リガンドの異
常受容体に対する親和性が実質的に低下することに起因
する疾患である前記(3)記載の予防・治療剤; (7)伝達系が、天然リガンドと受容体との結合により
生じる応答物質の細胞内濃度変化に基づく伝達系である
前記(5)記載の予防・治療剤; (8)応答物質がcAMP、イノシトールリン酸または
カルシウムイオンである前記(7)記載の予防・治療
剤; (9)異常受容体作動物質が、正常受容体を作動する物
質である前記(3)記載の予防・治療剤; (10)異常受容体作動物質が、正常受容体を作動しな
い物質である前記(3)記載の予防・治療剤; (11)異常遺伝子産物に起因する疾患の治療のため
の、該産物作動物質の用途; (12)異常遺伝子産物が、異常受容体である前記(1
0)記載の用途; (13)異常遺伝子産物と被検物質とを接触させ、該産
物に対する該物質の作動性を検定することを特徴とす
る、異常遺伝子産物作動物質のスクリーニング方法; (14)異常遺伝子産物が、異常受容体である前記(1
3)記載のスクリーニング方法; (15)異常遺伝子産物と被検物質とを接触させ、該産
物に対する該物質の作動性を検定することを特徴とす
る、異常遺伝子産物に起因する疾患の治療のための物質
のスクリーニング方法; (16)異常受容体と被検物質とを接触させ、異常受容
体に対する該物質の作動性を検定することを特徴とす
る、異常受容体に起因する疾患に罹患した哺乳動物の異
常受容体を有する細胞の伝達系を実質的に作動させるた
めの薬物のスクリーニング方法; (17)異常受容体が、異常受容体をコードする遺伝子
を細胞で発現させることにより調製された異常受容体で
ある前記(15)記載のスクリーニング方法; (18)異常受容体をコードする遺伝子が、異常受容体
に起因する疾患に罹患した哺乳動物の細胞から調製され
た遺伝子と、異常受容体を保持しない同種の哺乳動物の
細胞から調製された遺伝子とを比較解析することにより
特定された異常受容体をコードする遺伝子である前記
(17)記載のスクリーニング方法; (19)異常遺伝子産物と被検物質とを接触させ、該産
物に対する該物質の作動性を検定し、異常遺伝子産物を
実質的に作動すると判定される薬物を調製することを特
徴とする、異常遺伝子産物に起因する疾患の治療のため
の薬物を調製する方法; (20)異常受容体と被検物質とを接触させ、異常受容
体に対する該物質の作動性を検定し、異常受容体を有す
る細胞の伝達系を実質的に作動すると判定される物質を
調製することを特徴とする、異常受容体に起因する疾患
の治療のための物質を調製する方法; (21)異常受容体が、異常受容体をコードする遺伝子
を細胞で発現させることにより調製された異常受容体で
ある前記(20)記載の方法; (22)異常受容体をコードする遺伝子が、異常受容体
に起因する疾患に罹患した哺乳動物の細胞から調製され
た遺伝子と、異常受容体を保持しない同種の哺乳動物の
細胞から調製された遺伝子とを比較解析することにより
特定された異常受容体をコードする遺伝子である前記
(21)記載の方法; (23)異常遺伝子産物をコードする遺伝子を細胞で発
現させて得られる異常遺伝子産物の、該産物に起因する
疾患の治療のための物質をスクリーニングするための用
途; (24)異常遺伝子産物が、異常受容体である前記(2
3)記載の用途; (25)異常遺伝子産物をコードする遺伝子を細胞で発
現させて得られる異常遺伝子産物の、該産物作動物質を
スクリーニングするための用途;および (26)異常遺伝子産物が、異常受容体である前記(2
5)記載の用途を提供するものである。
【0013】本明細書における「異常遺伝子産物」とし
ては、例えば異常受容体、異常チャンネル、異常トラン
スポーター、異常酵素などが挙げられる。上記した「異
常」とは、遺伝子産物に対応する構造遺伝子の変異、な
かでも生体内で自然発生した変異を示し、また、その結
果、正常遺伝子産物を作動する物質(例えば、正常受容
体を作動するリガンドであり、生体内に存在する天然リ
ガンドなど)の反応性が正常遺伝子産物に対する該物質
の反応性とは異なることに起因して疾患を引き起こしう
る変異を示す。また、異常遺伝子産物と正常遺伝子産物
との機能は同一であること、すなわち異常遺伝子産物に
対する作動物質が異常遺伝子産物を作動した後において
は、正常遺伝子産物に対する作動物質が正常遺伝子産物
を作動した場合に生じるレスポンス(例えば、正常受容
体を有する細胞の伝達系における応答物質の細胞内濃度
変化など)と同様なレスポンスを示すことが好ましい。
異常遺伝子産物に起因する疾患としては、アルツハイマ
ー病(例、家族性のアルツハイマー病、孤発性のアルツ
ハイマー病など)、精神分裂病、うつ病、高血圧症
(例、本態性高血圧症など)、肥満、糖尿病(例、イン
スリン非依存型糖尿病など)、心臓疾患(例、心筋梗塞
など)、ガン(例、大腸ガン、前立腺ガンなど)、リウ
マチ、アレルギー性疾患(例、アトピーなど)、動脈硬
化症などが挙げられるが、なかでも、アルツハイマー
病、精神分裂病、うつ病、高血圧症、肥満、糖尿病、ガ
ンなどが好ましい。
【0014】本明細書における「異常受容体」として
は、受容体の構造遺伝子が生体内で変異した結果、天然
リガンドの親和性が実質的に変化(例、低下、増強な
ど;好ましくは低下)した受容体が挙げられ、なかで
も、天然リガンドの親和性の実質的な変化に起因して疾
患を引き起こす受容体が好ましい。ここで「実質的な変
化」とは、正常受容体および異常受容体に対する天然リ
ガンドの親和性を比較した場合において、疾患を引き起
こしうる程度に変化していることを示し、有意な変化で
あっても、有意でない変化であっても、疾患を引き起こ
しうる変化であれば何れでもよい。また、異常受容体と
正常受容体との機能は同一であること、すなわち異常受
容体に対する作動物質が異常受容体を作動した後におい
ては、正常受容体に対する天然リガンドが正常受容体を
作動した場合に生じるレスポンス(例えば、正常受容体
を有する細胞の伝達系における応答物質の細胞内濃度変
化など)と同様なレスポンスを示すことが好ましく、異
常受容体を有する細胞の伝達系が正常受容体を有する細
胞の伝達系と同一であることがさらに好ましい。すなわ
ち、異常受容体を有する細胞が正常受容体を有する細胞
と同一の伝達系を有しているにもかかわらず、受容体遺
伝子の変異に起因して、天然リガンドの親和性が実質的
に低下している場合には、異常受容体を有する細胞の伝
達系が実質的に作動しないため、疾患を引き起こす原因
となりうるが、異常受容体と結合し、異常受容体を有す
る細胞の伝達系を作動しうる異常受容体のアゴニストを
用いれば、係る疾患を有効に予防または治療することが
可能となる。異常受容体に起因する疾患としては、天然
リガンドの受容体に対する親和性が実質的に変化するこ
とに起因する疾患であれば何れでもよく、天然リガンド
の受容体に対する親和性が実質的に低下することに起因
する疾患、異常受容体を有する細胞の伝達系を天然リガ
ンドが実質的に作動しないことに起因する疾患、異常受
容体を有する細胞の伝達系が実質的に低下することに起
因する疾患、異常受容体を有する細胞の伝達系における
異常なシグナルあるいは過剰伝達に起因する疾患などが
挙げられる。より具体的には、例えば、アルツハイマー
病(例、家族性のアルツハイマー病、孤発性のアルツハ
イマー病など)、精神分裂病、うつ病、高血圧症(例、
本態性高血圧症など)、肥満、糖尿病(例、インスリン
非依存型糖尿病など)、心臓疾患(例、心筋梗塞な
ど)、ガン(例、大腸ガン、前立腺ガンなど)、リウマ
チ、アレルギー性疾患(例、アトピーなど)、動脈硬化
症などが挙げられるが、なかでも、アルツハイマー病、
精神分裂病、うつ病、高血圧症、肥満、糖尿病、ガンな
どが好ましい。異常受容体作動物質としては、異常受容
体のアゴニスト、異常受容体のアンタゴニストなどが挙
げられる。これらは、対象となる疾患に応じて、適宜選
択して用いられるが、例えば、天然リガンドの受容体に
対する親和性が実質的に低下することに起因する疾患、
異常受容体を有する細胞の伝達系を天然リガンドが実質
的に作動しないことに起因する疾患、異常受容体を有す
る細胞の伝達系が実質的に低下することに起因する疾患
などの疾患においては、異常受容体のアゴニストが好ま
しく用いられ、異常受容体を有する細胞の伝達系におけ
る異常なシグナルあるいは過剰伝達に起因する疾患など
においては、異常受容体のアンタゴニストが好ましく用
いられる。また、異常受容体作動物質は、正常受容体を
作動する物質、正常受容体を作動しない物質の何れであ
ってもよく、対象となる疾患に応じて、適宜選択して用
いられるが、正常受容体を実質的に作動しない物質が好
ましく用いられる。上記した伝達系としては、天然リガ
ンドと受容体との結合により生じる応答物質(例、cA
MP、イノシトールリン酸、カルシウムイオンなど)の
細胞内濃度変化に基づく伝達系などが挙げられる。
【0015】本明細書における「異常チャンネル」とし
ては、チャンネルの構造遺伝子が変異した結果、正常チ
ャンネルを作動する物質(例、ブロッカー、オープナー
など)の親和性が実質的に変化したチャンネルが挙げら
れ、なかでも、該作動物質の親和性の実質的な変化に起
因して疾患を引き起こすチャンネルが好ましい。また、
異常チャンネルと正常チャンネルとの機能は同一である
こと、すなわち異常チャンネルに対する作動物質が異常
チャンネルを作動した後においては、正常チャンネルに
対する作動物質が正常チャンネルを作動した場合に生じ
るレスポンス(例えば、ゲートの閉鎖または開放など)
と同様なレスポンスを示すことが好ましい。異常チャン
ネルに起因する疾患としては、アルツハイマー病(例、
家族性のアルツハイマー病、孤発性のアルツハイマー病
など)、精神分裂病、うつ病、高血圧症(例、本態性高
血圧症など)、肥満、糖尿病(例、インスリン非依存型
糖尿病など)、心臓疾患(例、心筋梗塞など)、ガン
(例、大腸ガン、前立腺ガンなど)、リウマチ、アレル
ギー性疾患(例、アトピーなど)、動脈硬化症などが挙
げられるが、なかでも、アルツハイマー病、精神分裂
病、うつ病、高血圧症、肥満、糖尿病、ガンなどが好ま
しい。
【0016】本明細書における「異常トランスポータ
ー」としては、トランスポーターの構造遺伝子が変異し
た結果、正常トランスポーターを作動する物質(例、ト
ランスポーターによる輸送を促進または阻害する物質な
ど)の親和性が実質的に変化したトランスポーターが挙
げられ、なかでも、該作動物質の親和性の実質的な変化
に起因して疾患を引き起こすトランスポーターが好まし
い。また、異常トランスポーターと正常トランスポータ
ーとの機能は同一であること、すなわち異常トランスポ
ーターに対する作動物質が異常トランスポーターを作動
した後においては、正常トランスポーターに対する作動
物質が正常トランスポーターを作動した場合に生じるレ
スポンス(例えば、イオン、栄養素などの輸送など)と
同様なレスポンスを示すことが好ましい。異常トランス
ポーターに起因する疾患としては、アルツハイマー病
(例、家族性のアルツハイマー病、孤発性のアルツハイ
マー病など)、精神分裂病、うつ病、高血圧症(例、本
態性高血圧症など)、肥満、糖尿病(例、インスリン非
依存型糖尿病など)、心臓疾患(例、心筋梗塞など)、
ガン(例、大腸ガン、前立腺ガンなど)、リウマチ、ア
レルギー性疾患(例、アトピーなど)、動脈硬化症など
が挙げられるが、なかでも、アルツハイマー病、精神分
裂病、うつ病、高血圧症、肥満、糖尿病、ガンなどが好
ましい。
【0017】本明細書における「異常酵素」としては、
酵素の構造遺伝子が変異した結果、正常酵素を作動する
物質(例、アクティベーター、インヒビターなど)の親
和性が実質的に変化した酵素が挙げられ、なかでも、該
作動物質の親和性の実質的な変化に起因して疾患を引き
起こす酵素が好ましい。また、異常酵素と正常酵素との
機能は同一であること、すなわち異常酵素に対する作動
物質が異常酵素を作動した後においては、正常酵素に対
する作動物質が正常酵素を作動した場合に生じるレスポ
ンス(例えば、基質蛋白質の活性化など)と同様なレス
ポンスを示すことが好ましい。異常酵素に起因する疾患
としては、アルツハイマー病(例、家族性のアルツハイ
マー病、孤発性のアルツハイマー病など)、精神分裂
病、うつ病、高血圧症(例、本態性高血圧症など)、肥
満、糖尿病(例、インスリン非依存型糖尿病など)、心
臓疾患(例、心筋梗塞など)、ガン(例、大腸ガン、前
立腺ガンなど)、リウマチ、アレルギー性疾患(例、ア
トピーなど)、動脈硬化症などが挙げられるが、なかで
も、アルツハイマー病、精神分裂病、うつ病、高血圧
症、肥満、糖尿病、ガンなどが好ましい。
【0018】異常遺伝子産物(例、異常受容体など)を
コードする遺伝子を特定するためには、例えば、異常遺
伝子産物に罹患した哺乳動物(例えば、ラット、ウサ
ギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル、ヒトな
ど、好ましくは、ヒト)の細胞から調製された遺伝子
と、異常遺伝子産物を保持しない同種の哺乳動物の細胞
から調製された遺伝子とを比較解析することによって、
異常遺伝子産物をコードする遺伝子を調製し、特定する
ことができる。疾患関連遺伝子の配列と機能を解析し、
その結果、疾患原因遺伝子として特定された異常遺伝子
(例えば、ヒト細胞由来の異常遺伝子産物をコードする
遺伝子など、好ましくはヒト細胞由来の異常受容体をコ
ードする遺伝子など)は、例えば以下の方法により調製
することができる。まず、異常遺伝子産物をコードする
RNAは、該遺伝子産物が由来する動物種の細胞(例、ヒ
ト細胞など、好ましくは異常遺伝子産物に起因する疾患
に罹患した動物の細胞)から調製される。これらの材料
からRNAを調製する方法としては、グアニジン・チオシ
アネート法[J. M. Chirgwin ら,バイオケミストリー
(Biochemistry),第18巻,第5294頁 (1979年)]など
が挙げられる。このようにして得られたRNAにオリゴdT
プライマーもしくはランダムオリゴヌクレオチドを添加
した後、リバース・トランスクリプターゼを加えてcDNA
を合成することができる。異常遺伝子産物の既報の配列
または解析し特定された配列を基にして、得られたcDNA
標品から該産物cDNAを増幅するためのセンスプライマー
とアンチセンスプライマーを添加し、市販のキット(例
えば、Cetus/Perkin-Elmer社製)のキットの指示書に従
ってPCRを行うことができる。増幅されたcDNAを自体公
知の方法、たとえばアガロース電気泳動で分離した後、
ゲルから回収することができる。このcDNAの塩基配列は
ジデオキシヌクレオチド合成鎖停止法[T.Messing ら,
ヌクレイック・アッシズ・リサーチ(Nucl. Acids Re
s.),第9巻,第309頁 (1981年)]によって決定するこ
とができる。クローン化されたcDNAを有するプラスミド
はそのまま、あるいは所望により適当な制限酵素で切り
出して別のベクターに挿入して用いることができる。ベ
クターとしては、宿主に対応して複製できるものであれ
ば何れでもよい。宿主がエシェリキア属菌(Escherichi
a coli,大腸菌)の場合には、大腸菌由来のプラスミ
ド、例えばpBR322[F. Bolivar ら、ジーン(Gene),
第2巻,第95頁(1979年)]、pBR325、pUC12、pUC13な
どが挙げられる。宿主が酵母である場合には、酵母由来
プラスミド、例えばpSH19[S. Harashima ら, モレキュ
ラー・アンド・セルラー・バイオロジー(Mol. Cell. B
iol.), 第4巻, 第771頁(1984年)],pSH19-1(ヨー
ロッパ特許出願公開 EP-A-0235430)などが挙げられ
る。宿主が動物細胞の場合には、例えばpBR322にSV40の
oriの挿入されたpSV2-X[R. C. Mulligan and P. Berg,
プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド
・ステイッツ・オブ・アメリカ(Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA), 第78巻, 第2072頁(1981年)],pcD-X[H.
Okayama and P. Berg, Mol. Cell. Biol., 第3巻, 第28
0頁(1983年)]などが挙げられる。宿主が昆虫細胞の
場合には、例えばバキュロウイルス・トランスファーベ
クター(Baculovirus transfer vector)pVL1392、pVL1
393[製造業者(Invitrogen Corporation, CA, USA)の
マニュアル(MAXBACTM Baculovirusexpression system,
Manual version 1.4)]などが挙げられる。
【0019】クローン化されたcDNAは5'末端に翻訳開始
コドン(ATG)を有し、また3'末端に翻訳終止コドン(T
AG, TGAあるいはTAA)を有していてもよい。更に該cDNA
を発現させるために、プロモーター配列を上流に接続す
るのが好ましい。本発明に用いられるプロモーターとし
ては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロ
モーターであればいかなるものでもよい。宿主が大腸菌
である場合には、T7プロモーター、trpプロモーター、t
acプロモーター、lacプロモーター、λPLプロモーター
などが挙げられ、とりわけT7プロモーターが好ましい。
宿主が酵母である場合には、GAPDHプロモーター、PGKプ
ロモーター、PHO5プロモーター、ADHプロモーターなど
が挙げられ、とりわけGAPDHプロモーターが好ましい。
宿主が動物細胞である場合には、SV40由来のプロモータ
ー、レトロウイルスのプロモーター、ヒトサイトメガロ
ウイルスのプロモーターなどが挙げられる。宿主が昆虫
細胞である場合、核多角体ウイルスのポリヘドリン(po
lyhedrin)プロモーターなどが挙げられる。プロモータ
ーは対応する遺伝子より調製することができる。また、
化学合成することもできる。シグナル配列、プレ−プロ
配列などを発現ベクターに含んでいてもよく、これらは
宿主で機能するものであれば何れでもよい。このように
して構築されたDNAを含有する組換え発現プラスミドを
用いて、形質転換体を製造する。
【0020】宿主としては、例えばエシェリキア属菌、
酵母、動物細胞、昆虫細胞などが挙げられる。エシェリ
キア属菌としては、エシェリキア・コリK12 DH1[B. Lo
w, Proc. Natl. Acad.Sci. USA, 第60巻, 第160頁(196
8年)]、C600[R. K. Appleyard, ジェネティックス
(Genetics), 第39巻, 第440頁(1954年)]、MM294
[K. Backmanら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 第73
巻, 第4174頁(1976年)]、N4830[M. E. Gottesman
ら、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー
(J. Mol. Biol.), 第140巻, 第57頁(1980年)]など
が挙げられる。酵母としては、例えばサッカロマイセス
・セレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)AH22R-[A.
Miyanoharaら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 第80巻,
第1頁(1983年)],NA87-11A, DKD-5D, NA74-3A, NA74
-3Aρ-[Y. Kaisho ら、イースト(Yeast), 第5巻, 第
91頁(1989年)]やシゾサッカロマイセス・ポンベ(Sc
hizosaccharomyces pombe)ATCC38399(h-leu1-32),T
H168(h90 ade6-M210 ura1 leu1)[M. Kishida and
C. Shimada, カレント・ジェネティクス(Current Gene
tics), 第10巻, 第443頁(1986年)]などが挙げられ
る。動物細胞としては、例えば付着細胞であるサルCOS-
7細胞、サルVero細胞、チャイニーズ・ハムスター卵巣
(CHO)細胞、マウスL細胞、ヒトFL細胞、及び浮遊細
胞であるマウスミエローマ細胞(Sp2/0細胞など)、マ
ウスYAC-1細胞、マウスMethA細胞、マウスP388細胞、マ
ウスEL-4細胞などが挙げられる。昆虫細胞としては、Sf
9細胞などが挙げられる。エシェリキア属菌を形質転換
するには、例えば T. Maniatis ら[モレキュラー・ク
ローニング(Molecular Cloning), コールド・スプリ
ング・ハーバー研究所(Cold Spring Harbor Laborator
y), 第249頁(1982年)]が記載した方法に従って行わ
れる。酵母を形質転換するには、例えば A. Hinnen ら
[Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 第75巻, 第1929頁(19
78年)]が記載した方法に従って行われる。動物細胞を
形質転換するには、例えば M. Wigler ら, Cell, 第14
巻,第725頁(1978年)に記載の方法に従って行われる。
昆虫細胞を形質転換するには、製造業者(Invitrogen C
orpotation)のマニュアル(MAXBACTM Baculovirusexpr
ession system, Manual version 1.4)に従って行われ
る。このようにして得られた形質転換体をそれ自体公知
の方法で培養する。
【0021】宿主がエシェリキア属菌である形質転換体
を培養する際、培地としては、例えばグルコース、カザ
ミノ酸を含むM9培地[J. H. Miller, エクスペリメンツ
・イン・モレキュラー・ジェネティクス(Experiments
in Molecular Genetics),第431頁,Cold Spring Harbo
r Laboratory,(1972年)]が好ましい。ここに必要に
よりプロモーターを効率よく働かせるために、例えばイ
ソプロピルチオガラクトシド(IPTG)やインドリル-3-
アクリル酸のような薬剤を加えることができる。培養は
通常約15〜43℃で約3〜24時間行い、必要により、通気
や撹はんを加えることもできる。宿主が酵母である形質
転換体を培養する際、培地としては、例えばバークホー
ルダー(Burkholder)最小培地[K. L. Bostain ら, Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA, 第77巻, 第4504頁(1980
年)]などが挙げられる。培地のpHは約5〜8に調整する
のが好ましい。培養は通常約20〜35℃で約24〜72時間行
い、必要に応じて通気や撹はんを加える。宿主が動物細
胞である形質転換体を培養する際、培地としては、例え
ば約5〜20%の牛胎仔血清を含むMEM培地[H. Eagle, サ
イエンス(Science), 第130巻,第432頁(1959年)]、
DMEM培地[R. Dulbecco and G. Freeman, ヴィロロジー
(Virology), 第8巻, 第396頁(1959年)]、RPMI-164
0培地[G. E. More ら,ジャーナル・オブ・ジ・アメリ
カン・メディカル・アソシエーション(J. Am. Med.Ass
oc.), 第199巻, 第519頁(1967年)]、199培地[J.
F. Morgan ら, プロシージング・オブ・ザ・ソサイエテ
ィ・フォー・エクスペリメンタル・バイオロジー・アン
ド・メディスン(Proc. Soc. Exp. Biol. Med.), 第73
巻, 第1頁(1950年)]、ASF104培地[味の素(株)]
などが挙げられる。培養は通常約30〜40℃で約15〜60時
間行い、必要に応じて通気や撹はんを加える。宿主が昆
虫細胞である形質転換体を培養する際、培地としては、
例えばTNM-FH培地[W. F. Hinkら, Nature, 第226巻,
第466頁(1990年)]などが挙げられる。培養は通常約1
5〜30℃で約24〜72時間行い、必要に応じて通気や撹は
んを加える。
【0022】本発明によれば、上記培養物から発現産物
(異常受容体などの異常遺伝子産物)を単離するには、
自体公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行うこと
ができる。これらの公知の分離・精製法としては、塩折
や溶媒沈澱などの溶解度を利用する方法、透析法、限外
ろ過法、ゲルろ過法、及びSDS-ポリアクリルアミドゲル
電気泳動法(SDS-PAGE)などの主として分子量の差を利
用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電
の差を利用する方法、アフィニティクロマトグラフィー
などの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロ
マトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電
点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが挙
げられる。本発明によって、異常遺伝子産物を大腸菌、
動物培養細胞、昆虫培養細胞などを用いて遺伝子工学的
に発現させることによって、高純度で、大量に製造する
ことが可能となった。
【0023】かくして得られる異常遺伝子産物が遊離体
で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準
じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得
られた場合には自体公知の方法あるいはそれに準じる方
法により、遊離体または他の塩に変換することができ
る。また、異常遺伝子産物(例、ヒトなどの異常受容体
など)のcDNAを用いて真核細胞を用いて発現させ、得ら
れた異常遺伝子産物を用いて、それを作動する化合物を
探索するのに用いることができ、あるいは、特定された
異常遺伝子産物をコードする遺伝子をDNAプローブとし
て用いることにより、生体内に発現している異常遺伝子
産物のmRNAの含量をノーザンブロッティング法により測
定することができる。さらに、該異常遺伝子産物に対す
る抗体を作製し、生体内における該産物をin situハイ
ブリダイゼーションによって測定することもできる。こ
の異常遺伝子産物は、異常遺伝子産物作動物質のスクリ
ーニング、異常遺伝子産物に起因する疾患の治療のため
の薬物のスクリーニング(例、異常受容体に起因する疾
患に罹患した哺乳動物の異常受容体を有する細胞の伝達
系を作動させるための薬物のスクリーニングなど)など
に用いることができ、特に、ヒトなどの温血動物におい
て、疾患と関連した異常受容体のアゴニストまたはアン
タゴニストをスクリーニングするのに有用である。
【0024】上記したスクリーニングについて、以下に
より具体的に説明する。上記異常遺伝子産物は、その作
動物質を探索するのに有用である。すなわち、該産物と
被験物質とを接触させることを特徴とする異常遺伝子産
物作動物質のスクリーニング方法の提供を可能にする。
被験化合物としては、公知のリガンド、合成化合物、ペ
プチド、蛋白質などの他に、例えば温血哺乳動物(例え
ば、マウス、ラット、ブタ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト
など)の組織抽出物、細胞培養上清などが用いられる。
例えば、該組織抽出物、細胞培養上清などを上記異常遺
伝子産物に添加し、作動活性などを検定しながら分画
し、最終的に単一の作動物質を得ることができる。具体
的には、単離された異常遺伝子産物を用いるか、または
異常遺伝子産物(例、異常受容体など)の発現系を構築
し、該発現系を用いることによって、該産物の作動活性
を有する化合物(例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチ
ド性化合物、合成化合物、発酵生産物など)を決定する
方法が挙げられる。特に、異常受容体の作動物質をスク
リーニングする場合には、異常受容体をコードする遺伝
子を細胞で発現させることにより調製された異常受容体
を用いるのが好ましい。
【0025】より具体的には、本発明は、 標識した被験物質を、異常遺伝子産物(例、異常受容
体など)に接触させた場合における、標識した該物質の
該産物に対する結合量を測定すること、 標識した被験物質を、異常遺伝子産物(例、異常受容
体など)を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触さ
せた場合における、標識した被験物質の該細胞または該
膜画分に対する結合量を測定すること、 標識した被験物質を、異常遺伝子産物(例、異常受容
体など)をコードするDNAを含有する形質転換体を培養
することによって細胞膜上に発現した該産物に接触させ
た場合における、標識した被験物質の該産物に対する結
合量を測定すること、 被験物質を、異常遺伝子産物(例、異常受容体など)
を含有する細胞に接触させた場合における、該産物を介
した活性(例えば、増殖促進、細胞内蛋白質のリン酸化
などを促進あるいは抑制する活性など)を測定し、該物
質の作動性を検定すること、および 被験物質を、異常遺伝子産物(例、異常受容体など)
をコードするDNAを含有する形質転換体を培養すること
によって細胞膜上に発現した異常遺伝子産物に接触させ
た場合における、異常遺伝子産物を介する活性(例え
ば、増殖促進、細胞内蛋白質のリン酸化などを促進ある
いは抑制する活性など)を測定し、該物質の作動性を検
定することなど、または必要に応じて適宜これらを組み
合わせることを特徴とする異常遺伝子産物作動物質のス
クリーニング方法を提供する。標識した被験物質として
は、〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔135S〕などで標識
した物質が挙げられる。
【0026】異常受容体作動物質をスクリーニングする
ための具体例を以下に説明する。まず、異常受容体を含
有する細胞または細胞の膜画分を、適当なバッファーに
懸濁することにより異常受容体標品を調製する。バッフ
ァーには、pH4〜10(望ましくはpH6〜8)のリン酸バッ
ファー、トリス-塩酸バッファーなどが用いられるが、
被験物質と異常受容体との結合を阻害しないバッファー
であればいずれでもよい。また、非特異的結合を低減さ
せる目的で、CHAPS、Tween-80(商品名)(花王−アト
ラス社)、ジギトニン、デオキシコレートなどの界面活
性剤やウシ血清アルブミンやゼラチンなどの各種蛋白質
をバッファーに加えることもできる。さらに、プロテア
ーゼによる受容体や被験物質の分解を抑える目的でPMSF
(フェニルメタンスルホニルフルオリド)、ロイペプチ
ン、E-64(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプ
ロテアーゼ阻害剤を添加することもできる。0.01ml〜10
mlの該受容体溶液に、一定量(5000cpm〜500000cpm)の
3H〕、〔125I〕、〔14C〕などで標識した被験物質を
共存させる。非特異的結合量(NSB)を知るために大過
剰の未標識の被験物質を加えた反応チューブも用意す
る。反応は0℃から50℃、望ましくは4℃から37℃で20分
から24時間、望ましくは30分から3時間行う。反応後、
ガラス繊維濾紙等で濾過し、適量の同バッファーで洗浄
した後、ガラス繊維濾紙に残存する放射活性を液体シン
チレーションカウンターあるいはγ-カウンターで計測
する。全結合量(B)から非特異的結合(NSB)を引いた
カウント(B−NSB)が0cpmを越える被験物質を異常受容
体に対するリガンドとして選択することができる。
【0027】異常受容体に対する被験物質の作動性を検
定するためには、まず、異常受容体を含有する細胞をマ
ルチウェルプレート等に培養する。リガンド決定を行な
うにあたっては前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒性
を示さない適当なバッファーに交換し、被験物質などを
添加して一定時間インキュベートした後、細胞を抽出あ
るいは上清液を回収して、生成した産物をそれぞれの方
法に従って定量する。細胞刺激活性の指標とする物質の
生成が、細胞が含有する分解酵素によって検定困難な場
合は、該分解酵素に対する阻害剤を添加してアッセイを
行なってもよい。被験物質と異常受容体を含有する細胞
とを接触させた場合における、該産物を介した活性(例
えば、増殖促進、細胞内蛋白質のリン酸化などを促進あ
るいは抑制する活性など)あるいはcAMP、イノシト
ールリン酸、カルシウムイオンなどの細胞内伝達系にお
ける応答物質の濃度変化などを測定することにより、ま
たは被験物質と異常受容体をコードするDNAを含有する
形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現した
異常受容体に接触させた場合における、異常遺伝子産物
を介する活性(例えば、増殖促進、細胞内蛋白質のリン
酸化などを促進あるいは抑制する活性など)あるいはc
AMP、イノシトールリン酸、カルシウムイオンなどの
細胞内伝達系における応答物質の濃度変化などを測定
し、該物質の作動性を検定することができる。
【0028】また、本発明は、異常遺伝子産物(例、異
常受容体など)と被検物質とを接触させ、該産物に対す
る該物質の作動性を検定し、異常遺伝子産物を実質的に
作動すると判定される薬物を調製することを特徴とす
る、異常遺伝子産物に起因する疾患の治療のための薬物
を調製する方法、異常受容体と被検物質とを接触させ、
異常受容体に対する該物質の作動性を検定し、異常受容
体を有する細胞の伝達系を実質的に作動すると判定され
る物質を調製することを特徴とする、異常受容体に起因
する疾患の治療のための物質を調製する方法など、すな
わち、ヒト疾患関連構造遺伝子の解析から得られる遺伝
子変異と疾病との因果関係を解明する情報に基づいて、
確立された新規医薬品創製法ないしは調製法を提供する
ものである。このように調製された薬物は、異常遺伝子
産物に起因する疾患の予防・治療剤として用いるため
に、例えば、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル
剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口
的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得
る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形
で非経口的に使用できる。また、例えば、生理学的に認
められる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安
定剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に
要求される単位用量形態で混和することによって、目的
とする予防・治療剤を製造することができる。
【0029】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施にしたが
って処方するとができる。注射用の水性液としては生理
食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例え
ば、D-ソルビトール、D-マンニトール、塩化ナトリウム
など)などがあげられ、適当な溶解補助剤、例えば、ア
ルコール(例えば、エタノール)、ポリアルコール(例
えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート
80(商品名)、HCO-50)などと併用してもよい。油性液
としてはゴマ油、大豆油などがあげられ、溶解補助剤と
して安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用
してもよい。また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、
酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベン
ザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例え
ば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールな
ど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノー
ルなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。調整され
た注射液は通常、適当なアンプルに充填される。このよ
うにして得られる製剤は低用量でも効果を奏するため安
全で低毒性であるので、例えば温血哺乳動物(例えば、
ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サ
ル、ヒトなど)に対して投与することができる。投与量
は、対象となる疾患やその症状などにより差異はある
が、高血圧症の治療剤として経口投与する場合、一般的
に成人(60kgとして)においては、一日につき約0.1mg
〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.
0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投
与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっ
ても異なるが、例えば注射剤の形では通常成人(60kgと
して)においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ま
しくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは0.1〜10mg程度
を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物
の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することがで
きる。
【0030】さらに本発明は、異常遺伝子産物(例、異
常受容体など)に起因する疾患の治療のための、該産物
作動物質の用途、異常遺伝子産物(例、異常受容体な
ど)をコードする遺伝子を細胞で発現させて得られる異
常遺伝子産物の、該産物に起因する疾患の治療のための
物質をスクリーニングするための用途、異常遺伝子産物
(例、異常受容体など)をコードする遺伝子を細胞で発
現させて得られる異常遺伝子産物の、該産物作動物質を
スクリーニングするための用途などをも提供するもので
ある。
【0031】本願明細書において、塩基やアミノ酸など
を略号で表示する場合、IUPAC-IUBCommision on Bioche
mical Nomenclature による略号あるいは当該分野にお
ける慣用略号に基づくものであり、その例を次に挙げ
る。またアミノ酸に関して光学異性体があり得る場合
は、特に明示しなければL体を示すものとする。 DNA :デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン SDS :ドデシル硫酸ナトリウム Gly :グリシン(G) Ala :アラニン(A) Val :バリン(V) Leu :ロイシン(L) Ile :イソロイシン(I) Ser :セリン(S) Thr :スレオニン(T) Cys :システイン(C) 1/2 Cys:ハーフシスチン Met :メチオニン(M) Glu :グルタミン酸(E) Asp :アスパラギン酸(D) Lys :リジン(K) Arg :アルギニン(R) His :ヒスチジン(H) Phe :フェニールアラニン(F) Tyr :チロシン(Y) Trp :トリプトファン(W) Pro :プロリン(P) Asn :アスパラギン(N) Gln :グルタミン(Q) Apr :アンピシリン耐性遺伝子 Tcr :テトラサイクリン耐性遺伝子
【0032】
【発明の実施の形態】以下に実施例を示し、本発明をさ
らに詳しく説明するが、これらは単なる例であって、本
発明を何ら限定するものではない。
【実施例】
実施例1 ヒトβ3アドレナリン受容体の cDNA クロー
ニング PCR法によってヒトβ3アドレナリン受容体 cDNA を増幅
させるため、既報のヒトβ3アドレナリン受容体の塩基
配列[J.M. Lelias ら, フェブス・レターズ(FEBS Let
t.)、 第324巻、 第127頁 (1993年)]を参考にして以下
に示す2種類(NO.1と NO.2)のプライマーを合成し
た。 センス・プライマー No. 1: 5'-ATTTGGGAGACCCCCTCCTTCCTTCTTTCC-3' (配列番号:1) アンチセンス・プライマー No.2: 5'-ACAGAGTTGTTGCTTCTTGTCCTTCAGGCC-3' (配列番号: 2) TaKaRa Ex Taq[宝酒造(株)]および添付のバッファー
を用い、以下のPCR反応を行った。ヒト脂肪細胞由来cDN
A ライブラリー(CLONTECH Laboratories, Inc.)0.5μl
を鋳型に添付のPCR反応バッファー(10 倍濃度)5μl 、
dNTP混合液4μl、TaKaRa Ex Taq 0.5μl(2.5U)、2種
類のプライマー(上記 No.1とλgt 11フォワード・プラ
イマー[宝酒造(株)]および上記 No.1と λgt 11リバ
ース・プライマー[宝酒造(株)]の組み合わせ;各 100
pmol)を各々、別々のチューブに添加し、滅菌蒸留水で5
0μlとした。94℃、2分間、61℃、1分間、72℃、1分
間の PCR 反応を各々25回繰り返し、2本を混合し、さ
らに、その混合反応液5μlに2種類のプライマー(上記
No.1 と No.2;各 100pmol)を添加し、94℃、2分
間、55℃、1分間、72℃、1分間の PCR反応を30回繰り
返した。PCR産物を1%アガロースゲル電気泳動で分離
したところ、ヒトβ3アドレナリン受容体の塩基配列か
ら予想される大きさ(1310bp)に相当する位置に増幅され
たDNA断片を確認した。このDNA断片をアガロースゲルか
ら回収し、プラスミド・ベクターpUC19[宝酒造(株)]
のSmaI部位に挿入し、p19-hβ3Rを作製した。cDNA部分
の塩基配列をジデオキシヌクレオチド合成鎖停止法[J.
Messingら、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucle
ic Acid Res.)、第9巻、第309頁(1981年)]により決定
し、既報の配列と同一のものであることを確認した。
【0033】実施例2 ヒトβ3アドレナリン受容体の
変異(Trp64Arg)DNAの作製 変異導入用合成オリゴヌクレオチドを合成し、Mutan-Su
per Express Km[宝酒造(株)]を用いて以下のように行
った。 変異導入用合成オリゴヌクレオチド No.3: 5'-TGGCCATCGCCCGGACTCCGAG-3' (配列番号:3) 実施例1に記載のプラスミドp19-hβ3Rを制限酵素EcoRI
とXbaIで消化して得られたDNA断片をアガロースゲルか
ら回収し、キット添付のプラスミドベクターpKF18k[宝
酒造(株)]のEcoRIとXbaI部位に挿入し、p18k-hβ3Rを
作製した。このDNAの10ngを鋳型に添付のセレクション
プライマー5pmolと上記 No.5プライマー5pmol、反応
バッファー(10倍濃度)5μl 、dNTP混合液4μl、TaKaR
a LA Taq 0.5μl(2.5U)を添加し、滅菌蒸留水で50μl
とし、94℃、1分間、55℃、1分間、72℃、3分間のPC
R反応を25回繰り返して行った後、エタノール沈澱によ
ってDNAを回収した。このDNAを5μlの滅菌蒸留水に溶
解し、2μlを使用して添付の大腸菌MV1184 株に導入
し、カナマイシン含有(50μg/ml)LBプレートで生育する
形質転換体を得た。これらの形質転換体のうち数クロー
ンについて変異部位の塩基配列を決定し、変異の導入を
確認したクローンをp18k-hβ3(W64R)Rと命名した。
【0034】実施例3 ヒトβ3アドレナリン受容体遺
伝子を動物細胞で発現させるための組換えDNAの作製 実施例1に記載のプラスミドp19-hβ3RをEcoRIとXbaIで
消化した後、ヒトβ3アドレナリン受容体cDNAの断片を
アガロースゲルから回収した。次に、動物細胞における
一過性発現用のベクターpME18S[R. Sasadaら、バイオ
ケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミ
ュニケーション(Biochem. Biophys. Res. Commun.)、第
190巻、第1173頁(1993年)]のEcoRIとXbaI部位に、上述
のcDNA断片を挿入し、発現プラスミドphβ3R201を作製
した。次に、安定発現株選択のために、薬剤耐性マーカ
ーであるネオマイシン耐性遺伝子(neo)を以下のように
組み込んだ。まず、プラスミドphβ3R201のKpnI部位とS
spI部位の間に、SV40初期プロモーターとneo遺伝子、SV
40ポリA付加シグナルから成る断片を挿入し、プラスミ
ドphβ3R203を作製した。実施例2に記載のプラスミドp
18k-hβ3(W64R)RをEcoRIとXbaIで消化した後、ヒトβ3
アドレナリン受容体変異 cDNA の断片をアガロースゲル
から回収した。上述の方法と同様に行い、プラスミドph
β3(W64R)R201およびphβ3(W64R)R203を作製した 。
【0035】実施例4 ヒトβ3アドレナリン受容体遺
伝子の動物細胞における発現 実施例3記載のプラスミド(phβ3R203およびphβ3(W64
R)R203)のCHO細胞(チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞)
への遺伝子導入をMammalian Transfection Kit(STRATAG
ENE, CA, USA)を用いて以下のように行った。80cm2フラ
スコに完全培地[10%(v/v)FCS(牛胎児血清)を含むハムF
-12培地(LIFE TECHNOLOGIES, INC.)]15mlを添加し、CH
O細胞を 5×105個播種した。この培養液を5%の二酸化
炭素存在下、37℃で一夜培養した後、10mlの上記培地と
交換した。実施例1に記載のプラスミド(phβ3R203)30
μgに滅菌水を加えて450mlとし、上記キット中のsoluti
on #1を50μl加え、さらにsolution #2を500μl添加
し混合した。室温で15分間放置後、この混合液1mlを細
胞上に滴下して混合し、3%の二酸化炭素存在下、37℃
で一夜培養した。翌日、培地を除き、F-12培地(無血清)
で細胞表面を洗った後、完全培地(10%FCS/F-12)15mlを
添加して5%の二酸化炭素存在下、37℃で一夜培養し
た。翌日、10%FCSを含むD-MEM/F-12培地[日研生物医学
研究所(株)]を分注(1ml/ウエル)した12穴プレートに
1ウエルあたり約200個の上記細胞を播種し、一夜培養
後、G418(LIFE TECHNOLOGIES, INC.)を400μg/ml含む培
地(10%FCS/D-MEM/F-12)で3日から4日毎に培地交換を
しながら、コロニー形成が認められるまで培養した。コ
ロニー形成が多数認められた後、400μg/mlのG418を含
む10%FCS/D-MEM/F-12培地を分注(2ml/ウエル)した24穴
プレートに1ウエルあたり1から数個のコロニーを播種
培養し、G418耐性細胞を取得した(1次クローニング)。
次に、1次クローニングの細胞のうち2から3ウエルの
細胞についてG418の濃度を800μg/mlに上げて24穴プレ
ートに1ウエルあたり10個のコロニーを播種培養し、G4
18耐性細胞を取得した。これらの細胞から、下記の実施
例5に示す方法によってヒトβ3アドレナリン受容体高
発現株を選択した(2次クローニング)。
【0036】実施例5 ヒトβ3アドレナリン受容体発
現細胞のcAMP活性測定 cAMP活性測定は cAMP ELA SYSTEM(Amersham, UK)
を用いて以下のように行った。実施例4で得られた24穴
プレート上のヒトβ3アドレナリン受容体発現細胞(CHO/
phβ3R203 およびCHO/phβ3(W64R)R203)の培養液をG418
を含まない培地(10%FCS/D-MEM/F-12)に交換し、0.5mM I
BMX[3-isobutyl-1-methylxanthine;和光純薬(株)]を
添加した。5%の二酸化炭素存在下、37℃で30分間培養
後、10−5Mイソプロテレノール[(±)-isoprotereno
l;フナコシ(株)]を添加し、さらに30分間培養した。
次に、細胞表面を4℃のPBS(リン酸緩衝液)で3回洗
い、0.1N塩酸を300μl添加し、95℃で10分間煮沸した。
各ウエルから25μlを分取し、キット添付のassay buffe
r 75μlに溶解した。この溶解液から50μlを分取し、キ
ット添付の抗ウサギIgGロバ抗体固相化96穴マイクロタ
イタープレートの各ウエルに抗cAMPウサギ抗体100μlと
ともに分注し、4℃で1時間放置した。次に、HRP標識c
AMPを100μl添加し、さらに4℃で1時間放置後、各ウ
エルを4回洗浄し、TMB(3,3,5,5-tetramethylbenzidin
e)を150μl添加し、室温で60分間放置後、各ウエルに1
N硫酸を100μl添加して450nmの波長で吸光度を測定し
た。βアドレナリン受容体の作動薬であるイソプロテレ
ノールによってcAMP活性が上昇する細胞株を選択した。
【0037】実施例6 変異型ヒトβ3アドレナリン受
容体の結合活性の測定 Trp64Arg変異型ヒトβ3アドレナリン受容体を発現させ
たチャイニーズ・ハムスターの卵巣由来細胞株であるCH
O細胞を作製し、Trp64Arg変異型β3アドレナリン受容体
特異的に結合する化合物を探索した。Trp64Arg変異型β
3アドレナリン受容体を発現させたCHO細胞を氷冷したリ
ン酸緩衝液で3回洗浄後、氷冷した低張液(1mM トリス塩
酸緩衝液、pH7.2)に10分間浸し、細胞を剥離回収した
後、4℃で15分間18000rpmで遠心分離して該受容体を含
有する細胞膜画分を回収した。得られた細胞膜画分にTM
E緩衝液(75mM トリス塩酸緩衝液、pH7.4、12.5mM 塩化
マグネシウム、1.5mM EDTA、4μMデシプラミン、5μg/m
lロイペプチン、1μg/mlベンザミジン、5μg/mlトリプ
シン阻害剤 および40μg/mlバシトラシン)を加え、25ゲ
ージの注射針を用いて均一に懸濁し受容体標品とした。
調製した受容体標品(蛋白質として10-30μg含有)と[125
I]-ヨードシアノピンドロール(240pM、DuPont-NEN、US
A)および化合物を混合し、最終的に250μlになるようTM
E緩衝液で容量を調節し、室温にて90分間静置した。グ
ラスファイバーフィルター(GF/B、Packard Instrument
Co., Inc., USA)およびセルハーベスター(Filter Mate
Cell Harvester、Packard Instrument Co., Inc. USA)
を用いて吸引濾過し、フィルターの放射活性をシンチレ
ーションカウンター(TopCount Microplate Scintillati
onCounter、Packard Instrument Co., Inc. USA)を用い
て測定した。非特異的結合は、(S)-(-)-プロプラノロー
ル(Sigma、USA)を終濃度100μM添加することにより求め
た。
【0038】実施例7 変異型ヒトβ3アドレナリン受
容体発現CHO細胞におけるcAMP上昇活性の測定 Trp64Arg変異型ヒトβ3アドレナリン受容体を発現させ
たチャイニーズ・ハムスターの卵巣由来細胞株であるCH
O細胞を96ウェルマイクロタイタープレートに播種し(1x
104細胞/ウェル)、コンフルエントに達してから72時間
培養後に被験化合物を添加し、40分間、37℃で静置した
(100μl/ウェル)。細胞を4℃のリン酸緩衝液で3回洗浄
後、0.1N塩酸を添加し、95℃で10分間煮沸した。各ウェ
ルから25μlを採取し、cAMP EIA SYSTEM (Amersham、U
K) 付属のアッセイ緩衝液75μlに溶解し、そのうちの50
μlをサンプルとして上記cAMP EIA SYSTEMを用いて定量
した。方法は以下のとおりである。抗ウサギIgGロバ抗
体固相化96ウェルマイクロタイタープレートに上記のサ
ンプル(50μl)および抗cAMPウサギ抗体を100μl添加
し、4℃で2時間静置し、更にホース・ラディッシュ・パ
ーオキシダーゼ(HRP)標識cAMPを100μl添加し、4℃で1
時間静置した。各ウェルを吸引した後、洗浄液で4回洗
浄(400μl/ウェル)した。次に、各ウェルにHRPの基質で
あるテトラメチルベンチジンを150μl添加し、室温で振
盪しながら60分間インキュベーションした。最後に各ウ
ェルに1.0N硫酸を100μl添加して反応を終了させた後、
波長450nmで吸光度を測定することによりcAMP量を定量
した。その結果、CHO細胞内のcAMP濃度が添加した化合
物の濃度に依存して増加し、その増加は化合物未添加の
場合に比較して有意であった。
【0039】実施例8 化合物の探索 実施例6の方法に従い化合物の探索を行うことにより、
Trp64Arg変異型ヒトβ3アドレナリン受容体に親和性の
高い化合物が見い出され得る。該化合物は実施例7の方
法に従って実験を行うことにより、その添加濃度に応じ
てTrp64Arg変異型ヒトβ3アドレナリン受容体を発現さ
せたCHO細胞内のcAMP濃度を上昇させることが期待され
る。
【0040】
【発明の効果】本発明によると、遺伝子関連疾患を予防
・治療するための薬剤が有利に提供できる。すなわち、
疾患に関連する構造遺伝子の解析から得られる情報、遺
伝子変異と疾患との因果関係を解明する情報などを用い
ることにより、疾患原因からの創薬アプローチを可能に
させる新規創薬技術およびこの新規医薬品創製法に基づ
いて調製される異常遺伝子産物作動物質の用途を提供す
るものである。
【0041】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列の種類:センス 配列: ACAGAGTTGT TGCTTCTTGT CCTTCAGGCC
【0042】配列番号:2 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列の種類:アンチセンス 配列: ACAGAGTTGT TGCTTCTTGT CCTTCAGGCC
【0043】配列番号:3 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列の種類:センス 配列: TGGCCATCGC CCGGACTCCG AG

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異常遺伝子産物作動物質を含有してなる、
    該産物に起因する疾患の予防・治療剤。
  2. 【請求項2】異常遺伝子産物が、異常受容体、異常チャ
    ンネル、異常トランスポーターまたは異常酵素である請
    求項1記載の予防・治療剤。
  3. 【請求項3】異常受容体作動物質を含有してなる、異常
    受容体に起因する疾患の予防・治療剤である請求項1記
    載の予防・治療剤。
  4. 【請求項4】異常受容体に起因する疾患が、異常受容体
    を有する細胞の伝達系が実質的に低下することに起因す
    る疾患である請求項3記載の予防・治療剤。
  5. 【請求項5】異常受容体に起因する疾患が、異常受容体
    を有する細胞の伝達系を天然リガンドが実質的に作動し
    ないことに起因する疾患である請求項3記載の予防・治
    療剤。
  6. 【請求項6】異常受容体に起因する疾患が、天然リガン
    ドの異常受容体に対する親和性が実質的に低下すること
    に起因する疾患である請求項3記載の予防・治療剤。
  7. 【請求項7】伝達系が、天然リガンドと受容体との結合
    により生じる応答物質の細胞内濃度変化に基づく伝達系
    である請求項5記載の予防・治療剤。
  8. 【請求項8】応答物質がcAMP、イノシトールリン酸
    またはカルシウムイオンである請求項7記載の予防・治
    療剤。
  9. 【請求項9】異常受容体作動物質が、正常受容体を作動
    する物質である請求項3記載の予防・治療剤。
  10. 【請求項10】異常受容体作動物質が、正常受容体を作
    動しない物質である請求項3記載の予防・治療剤。
  11. 【請求項11】異常遺伝子産物に起因する疾患の治療の
    ための、該産物作動物質の用途。
  12. 【請求項12】異常遺伝子産物が、異常受容体である請
    求項10記載の用途。
  13. 【請求項13】異常遺伝子産物と被検物質とを接触さ
    せ、該産物に対する該物質の作動性を検定することを特
    徴とする、異常遺伝子産物作動物質のスクリーニング方
    法。
  14. 【請求項14】異常遺伝子産物が、異常受容体である請
    求項13記載のスクリーニング方法。
  15. 【請求項15】異常遺伝子産物と被検物質とを接触さ
    せ、該産物に対する該物質の作動性を検定することを特
    徴とする、異常遺伝子産物に起因する疾患の治療のため
    の物質のスクリーニング方法。
  16. 【請求項16】異常受容体と被検物質とを接触させ、異
    常受容体に対する該物質の作動性を検定することを特徴
    とする、異常受容体に起因する疾患に罹患した哺乳動物
    の異常受容体を有する細胞の伝達系を実質的に作動させ
    るための薬物のスクリーニング方法。
  17. 【請求項17】異常受容体が、異常受容体をコードする
    遺伝子を細胞で発現させることにより調製された異常受
    容体である請求項15記載のスクリーニング方法。
  18. 【請求項18】異常受容体をコードする遺伝子が、異常
    受容体に起因する疾患に罹患した哺乳動物の細胞から調
    製された遺伝子と、異常受容体を保持しない同種の哺乳
    動物の細胞から調製された遺伝子とを比較解析すること
    により特定された異常受容体をコードする遺伝子である
    請求項17記載のスクリーニング方法。
  19. 【請求項19】異常遺伝子産物と被検物質とを接触さ
    せ、該産物に対する該物質の作動性を検定し、異常遺伝
    子産物を実質的に作動すると判定される薬物を調製する
    ことを特徴とする、異常遺伝子産物に起因する疾患の治
    療のための薬物を調製する方法。
  20. 【請求項20】異常受容体と被検物質とを接触させ、異
    常受容体に対する該物質の作動性を検定し、異常受容体
    を有する細胞の伝達系を実質的に作動すると判定される
    物質を調製することを特徴とする、異常受容体に起因す
    る疾患の治療のための物質を調製する方法。
  21. 【請求項21】異常受容体が、異常受容体をコードする
    遺伝子を細胞で発現させることにより調製された異常受
    容体である請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】異常受容体をコードする遺伝子が、異常
    受容体に起因する疾患に罹患した哺乳動物の細胞から調
    製された遺伝子と、異常受容体を保持しない同種の哺乳
    動物の細胞から調製された遺伝子とを比較解析すること
    により特定された異常受容体をコードする遺伝子である
    請求項21記載の方法。
  23. 【請求項23】異常遺伝子産物をコードする遺伝子を細
    胞で発現させて得られる異常遺伝子産物の、該産物に起
    因する疾患の治療のための物質をスクリーニングするた
    めの用途。
  24. 【請求項24】異常遺伝子産物が、異常受容体である請
    求項23記載の用途。
  25. 【請求項25】異常遺伝子産物をコードする遺伝子を細
    胞で発現させて得られる異常遺伝子産物の、該産物作動
    物質をスクリーニングするための用途。
  26. 【請求項26】異常遺伝子産物が、異常受容体である請
    求項25記載の用途。
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