JPH10330385A - 有機シラン類の不均化方法 - Google Patents

有機シラン類の不均化方法

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JPH10330385A
JPH10330385A JP14150097A JP14150097A JPH10330385A JP H10330385 A JPH10330385 A JP H10330385A JP 14150097 A JP14150097 A JP 14150097A JP 14150097 A JP14150097 A JP 14150097A JP H10330385 A JPH10330385 A JP H10330385A
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metal hydroxide
disproportionation
metal
reaction
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JP14150097A
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Takeshi Yasutake
剛 安武
Shinji Miyata
慎治 宮田
Maki Hoshikawa
真樹 星川
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モノシランもしくは原料シラン類より
も水素数の多い有機シラン類を製造する際に、長時間反
応を行っても反応装置が閉塞しない。 【解決手段】 一般式HSi(OR)4−n[式中
nは1、2または3であり、Rはアルキル基もしくはア
リール基を示す]で表される少なくとも1個以上のSi
−H結合を有する有機シラン類を、一般式 MOH、ま
たはM(OH)[式中Mは、アルカリ金属もしくはア
ルカリ土類金属を示す]で表される金属水酸化物と接触
して不均化せしめる方法に於いて、予め金属水酸化物中
に含まれる水分を除去する操作を施した後使用する有機
シラン類の不均化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般式HRSi
(OR)4−nで表される水素数1から3の有機シラン
類を不均化して、モノシランもしくは原料シラン類より
も水素数の多い有機シラン類を製造する方法に関する。
より詳しくは、一般式HRSi(OR) 4−nで表さ
れる水素数1から3の有機シラン類を不均化して、安価
にかつ容易にモノシランもしくは原料シラン類よりも水
素数の多い有機シラン類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】モノシランガスは、多結晶シリコンや単
結晶シリコン、アモルファスシリコン、絶縁膜(シリ
カ)等の原料として、半導体基盤、太陽電池、シリコン
エピタキシャル膜、ファインセラミックス等に広く応用
されている。特に近年の半導体産業の著しい成長に伴っ
て、その需要も急激な伸びを示しており、これからも更
に安価にかつ大量に製造する方法の開発が望まれてい
る。また水素数の多い有機シラン類についても、近年半
導体の絶縁膜や封止剤用途として注目され始めている。
【0003】先に挙げたモノシランガスの工業的製造方
法としては、 1)マグネシウムシリサイドと塩酸を反応させる方法 反応式例:MgSi+4HCl→SiH+2MgCl・・・[1] 2)四塩化硅素と金属水素化物とを反応させる方法 反応式例:SiCl+4LiH→SiH+4LiCl ・・・[2] 3)クロロシランを不均化反応させる方法 反応式例:4HSiCl→SiH+3SiCl ・・・[3] が挙げられる。
【0004】これらの方法の問題点を具体的にすると、
何れの方法も腐食性の高いガス、即ち塩酸や大気中の水
分とも容易に反応して塩酸を生成するクロロシランが介
在する方法であり、高級材質の機器、機材を使用する必
要があるため経済的に不利であるという点に加え、1)
の方法に関しては、ジシランやトリシランのような高級
シランを副成するためモノシランの収率が低下する点、
及び原料の金属マグネシウムが高価であるため経済的で
はなく、副生成物のMgClの処理費も発生する点、
2)の方法に関しては、比較的容易に高純度のモノシラ
ンが得られる反面、原料の水素化リチウムが極めて高価
であり経済的に問題がある点、3)の方法では、安価に
モノシランを得ることができるが、トリクロロシランと
他のクロロシランの反応平衡上、モノシランの生成率が
低いため、工業的生産のためには巨大な設備を要すると
いう点が挙げられる。
【0005】これらに対し腐食性の低い原料から比較的
安価にモノシランを製造する方法として、一般式H
i(OR)4−nで表されるシラン類を不均化反応せし
め、モノシランを製造する方法が注目されている。反応
の例としては、例えば特公昭51−20440号公報に
記載の如き、トリエトキシシランの不均化反応がある
([4]式)。
【0006】 4HSi(OC→SiH+3Si(OC ・・[4] トリエトキシシランを始め、一般式HSi(OR)
4−nで表される有機シラン類は、古くは特公昭37−
17967号公報から、特公昭51−1692号公報、
特公昭63−3869号公報、その他多数の特許やジャ
ーナル等に記載の如く、触媒や溶媒の存在下、金属硅素
と該当するアルコールの反応で容易に製造することがで
きる。
【0007】これらの有機シラン類を原料とする方法で
は、漏洩時の対策や環境問題等に十分な対応を必要とす
ることは当然であるが、クロロシランと比較して極端に
腐食性が低く、炭素鋼でも十分に使用に耐えるため経済
的に有利である。また、先述のクロロシランの不均化反
応とは異なり、反応でモノシランを容易に生成できるた
め装置規模的にも有利である。このため、有機シラン類
からモノシランを合理的に得るための触媒や反応様式の
検討が広くなされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般式HSi(O
R)4−nで表される有機シラン類を不均化反応せしめ
る際の触媒は、塩基触媒が有利である。しかし反応機構
の解明は未だ不十分であり、これまでさまざまな観点か
ら活性の高い触媒の開発が進められてきた。
【0009】例えば、特公昭51−20040号公報で
は金属アルコラート触媒を使用する方法、特公平6−8
8769号公報では、コバルト、ニッケル、白金族の金
属またはその化合物を使用する方法、特公平6−887
70号公報では、陰イオン交換樹脂を使用する方法、特
開昭63−195107号公報、特公平8−29926
号、特公平8−29927号では、第3〜6周期に属す
る金属の酸化物を使用して気相で反応させる方法が開示
されている。これらの触媒を使用することにより、一般
式HSi(OR)4−nで表される有機シラン類を不
均化反応せしめ、モノシランもしくは原料シラン類より
も水素数の多い有機シラン類を製造することができる。
【0010】しかしながら、金属アルコラートや陰イオ
ン交換樹脂は高価であり、反応活性や触媒寿命によって
は安価に目的生成物を製造することができない。また、
熱的にも十分ではなく、反応の条件が狭くなるという問
題点もあった。
【0011】本発明は、より安価でかつ活性の高い触媒
を使用して一般式HSi(OR) 4−nで表される有
機シラン類を不均化反応せしめ、結果として工業的に安
価にモノシランもしくは原料シラン類よりも水素数の多
い有機シラン類を製造することができる方法を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、安価な強
塩基として金属水酸化物に着目し研究を行うこととし
た。水酸化ナトリウムや水酸化カリウムは過去にわずか
に提案された例がある程度で、活性が低いとされてお
り、現在工業的に有機シラン類の不均化触媒として使用
されてはいない。しかしながら、本発明者らが金属水酸
化物を有機シラン類の不均化触媒として使用するべく鋭
意検討を行ったところ、新たなる知見を得ることができ
た。
【0013】金属水酸化物をそのまま触媒として使用
し、有機シラン類と接触させた場合は確かに触媒活性が
低く、収率よくモノシランもしくは原料シラン類よりも
水素数の多い有機シラン類を製造することができず、ま
た長時間の実験を行うと装置が閉塞してしまうという現
象が起こる。
【0014】しかしこの現象に関して更に検討を進めた
ところ、この原因は金属水酸化物中に不可避的に含まれ
ている水分によるものであることを明らかにし、予めこ
の水分を除去する操作を施せば、触媒活性を高く維持す
ることができ、収率よくモノシランもしくは原料シラン
類よりも水素数の多い有機シラン類を製造できることを
見出し本発明を完成するに至ったのである。
【0015】即ち、本発明は一般式HSi(OR)
4−n[式中nは1、2または3であり、Rはアルキル
基もしくはアリール基を示す]で表される少なくとも1
個以上のSi−H結合を有する有機シラン類を、一般式
MOH、またはM(OH)[式中Mは、アルカリ金
属もしくはアルカリ土類金属を示す]で表される金属水
酸化物と接触して不均化せしめる方法に於いて、予め金
属水酸化物中に含まれる水分を除去する操作を施した後
使用することを特徴とする有機シラン類の不均化方法に
関する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する不均化原料は一般式HSi(OR)
4−nで表される少なくとも1個以上のSi−H結合を
有する有機シラン類である。ここに、式中nは1、2ま
たは3であり、Rはアルキル基もしくはアリール基を示
す。具体的にはトリメトキシシラン[HSi(OC
]、ジメトキシシラン[HSi(OCH
]、トリエトキシシラン[HSi(OC
]、ジエトキシシラン[HSi(OC
]、トリフェノキシシラン[HSi(OC
]、ジフェノキシシラン[HSi(OC
]等が挙げられるが、もちろんこれらに限定さ
れるものではない。
【0017】また触媒としては一般式MOH、またはM
(OH)で表される金属水酸化物を使用する。ここ
に、式中Mは、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属
を示す。具体的には、LiOH、NaOH、KOH、M
g(OH)、Ca(OH)、Ba(OH)等が挙
げられるが、安価な触媒を使用するという点では、Na
OH、KOH、Ca(OH)等を使用することが好ま
しい。
【0018】反応は、有機シラン類を金属水酸化物と接
触せしめる操作である。例えば、固定層形式即ち、固体
の金属水酸化物を充填した層中に液体もしくは気体の原
料有機シラン類を流通する方式や、槽型形式即ち、液状
の分散媒に金属水酸化物を分散せしめた液中に、原料有
機シラン類を供給する方式等広く採用することができ、
特に反応型式に制限されるわけではない。従って、反応
温度や圧力、滞留時間、溶媒種類等も特に限定されるも
のではなく、目的に応じて自由に条件を選択することが
できる。
【0019】本発明では、触媒として使用する金属水酸
化物は、予め含まれる水分を除去する操作を施す。一般
に金属水酸化物中には特級試薬のグレードでも数%〜十
数%の水分を含んでいる。従って、この操作を行わない
まま金属水酸化物を有機シラン類の不均化触媒として使
用すると、元来含まれる水分によって原料有機シラン類
もしくはモノシラン等の反応生成物が分解してシリカを
生成するため、見かけ上高い収率で目的生成物を得るこ
とができない。また詳細は明らかではないが、生成した
シリカが金属水酸化物表面に付着することで活性点が失
われることも金属水酸化物の触媒活性の低い原因の1つ
のようである。
【0020】以下、予め金属水酸化物中に含まれる水分
を、有機シラン類の不均化に影響がなくなる程度除去す
る方法について具体的に開示する。 1)単純に加熱する方法 単に水の沸点、即ち100℃以上で加熱しても目的は達
成されない。金属水酸化物中の水分を除くためには、2
00℃以上で10分以上好ましくは30分以上加熱する
ことが必要である。その際の雰囲気は特に限定されない
が、乾燥空気や乾燥窒素を使用する方が効果が高いこと
は言うまでもない。
【0021】2)水と最低共沸物を形成する有機溶媒に
金属水酸化物を分散した後、乾燥する方法 金属水酸化物を有機溶媒中に分散させ、数十分から数時
間攪拌を行う。この際必ずしも金属水酸化物が有機溶媒
に溶解する必要はない。乾燥とは、加熱により有機溶媒
を蒸発除去する操作をいう。例えば金属水酸化物が有機
溶媒に溶解しない場合は濾過後、乾燥気流中で加熱する
方法、溶解する場合はやはり乾燥気流雰囲気下で乾固す
る方法が挙げられ、その課程において水も最低共沸物と
して除去される。水と最低共沸物を形成する有機溶媒と
しては、エタノールやプロパノール等のアルコール類、
ペンタン、ヘキサン等のパラフィン類、ベンゼン、トル
エン等の芳香族炭化水素等数多いが、安価なものが好ま
しいことはいうまでもなく、また水と有機物が二液相を
形成すると取扱いが難しいという理由も含め、エタノー
ル、プロパノール、ブタノールを特に好ましい有機溶媒
として挙げておく。ここにプロパノール及びブタノール
は構造異性体をも含む総称である。
【0022】3)加水分解性物質と接触する方法 金属水酸化物を加水分解性物質中に分散する方法、金属
水酸化物の固定層中に加水分解性物質を流通する方法が
例として挙げられる。有機金属類は一般に加水分解性物
質であるが、取扱いが比較的容易であるという観点か
ら、一般式Mt(OR)[式中Mtは金属、mは金属
の価数を示す正数であり、Rはアルキル基もしくはアリ
ール基を示す]で表される金属アルコキサイドが好まし
い。また反応の目的からいうと、水分の除去操作後に他
種の金属が残ると不純物ともなりうるため、一般式Si
(OR)[式中Rはアルキル基もしくはアリール基を
示す]で表される有機シラン類を使用することが特に好
ましい。
【0023】1)〜3)の方法共通して言えることであ
るが、NaOHやKOH等のアルカリ金属水酸化物は潮
解性を有するため、水分除去の操作後、大気と接触させ
ない等の注意が必要である。以上、金属水酸化物中の水
分を予め除去し、有機シラン類の不均化触媒として高い
活性を示す触媒を調製する方法として3つの方法を開示
した。この操作のいずれかを施した金属水酸化物を触媒
として使用すれば、有機シラン類の不均化に関して極め
て高い活性を示し、またそれを維持できるようになる。
即ち、安価にかつ収率よくモノシランもしくは原料シラ
ン類よりも水素数の多い有機シラン類を製造することが
できる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 内径15mm、長さ200mmのSUS304製チュー
ブに和光純薬製特級水酸化カリウム(ア)[KOH]試
薬(ペレット)を砕いて1〜2mmの粒状にしたものを
チューブの中央部に約8cc、5.7gを充填し、上下
をシリカウール(イ)で挟んで固定層反応器1を作っ
た。固定層にはシースヒータ(ウ)を巻き、約300℃
まで昇温できるようにした。また、チューブの下部から
原料液を流通できるように、原料タンク2及びプランジ
ャポンプ3を取り付け、上部にはガス出口4と液出口5
を設け、ガスはキャリヤガスと一緒にガスクロマトグラ
フ(島津製GC−8A)6に入るように、液はサンプリ
ングができるように配管して、図1に示す如き装置を作
製した。固定層反応器1の下部から窒素ガスを50cc
/minの速度で流通しながら、KOH層の温度を21
0〜230℃に昇温後、1時間放置しKOH中の水分を
除去する操作を行った。
【0025】原料タンク2に東京化成製のトリメトキシ
シラン[HSi(OCH]試薬、及びテトラメト
キシシラン[Si(OCH]試薬を、重量比で3
5:65になるように混合した原料300gを仕込ん
だ。KOH層の温度を80℃に設定した後、プランジャ
ポンプ3で原料を固定層反応器1中に0.5g/min
の速度で定量供給し、トリメトキシシランの不均化反応
を行った。原料とKOHが接触すると直ちに反応が進行
してガスが発生し、これはガスクロマトグラフィー6分
析の結果、シランガスであることを確認した。また反応
器出口液はガスクロマトグラフィー分析(島津製GC−
8A)の結果、トリメトキシシランとテトラメトキシシ
ランの混合液であることを確認した。反応開始後約1時
間でほぼ定常状態に到達し、この際のガス、液それぞれ
の組成分析を行った結果、トリメトキシシランの転化率
は約85%、シランガスの生成速度は約7cc/min
であった。反応は6時間継続して行ったが、その間固定
層反応器1内の圧力上昇もなく安定して進行し、反応終
了後の計量の結果、原料の供給総重量と、回収液総重量
及び生成シランガスの換算重量の合計、いわゆる重量収
支はほぼ一致していた。また、KOH層に窒素流通下1
30℃、1時間の乾燥操作を行った後、KOHを取出し
たところ、一部飴状に融着しているのが認められたが、
外観には大きな変化はなく、また重量を測定したところ
5.4gであり、若干の重量減であった。
【0026】実施例2 和光純薬製水酸化ナトリウム試薬を1〜2mmの粒状に
したもの約20gを東京化成製テトラメトキシシラン約
200ccに分散、攪拌しながら約2時間放置し、Na
OH中の水分を除去する操作を行った。操作終了後、窒
素ボックス内で濾過した後、実施例1で使用したチュー
ブに約8cc、NaOHを充填した。その後、実施例1
と同様の操作で固定層反応器を造り、また同じ条件で原
料の供給を行った。反応開始後約1時間でほぼ定常状態
に到達し、この際のガス、液それぞれの組成分析を行っ
た結果、トリメトキシシランの転化率は約88%、シラ
ンガスの生成速度は約7cc/minであった。反応は
6時間継続して行ったが、順調に進行し、反応終了後の
重量収支もほぼ一致していた。また、実施例1と同様の
乾燥操作を行った後、NaOHを取出したが、外観には
大きな変化はなかった。
【0027】比較例1 実施例1と同様の操作でKOH試薬5.5gを充填した
固定層反応器を造り、KOH中の水分を除去する操作を
行わないまま、実施例1と同様の条件で不均化反応を行
った。原料とKOHが接触すると直ちに反応が進行して
ガスが発生したが、ガスクロマトグラフィー分析の結
果、シランガスと共に水素ガスのピークを検出した。そ
のまま、反応を継続したが30分を経過した頃から固定
層反応器内の圧力が上昇し始め、36分の時点で圧力が
1Kg/cmGを超えたため、原料供給を停止した。
固定層反応器中の液を抜いた後、KOH層に窒素流通下
130℃、1時間の乾燥操作を行った後、KOHを取出
したところ、全体が飴状に融着しており、表面にはシリ
カらしき白色粉末が付着していた。また、閉塞箇所はK
OH層上部のシリカウールであり、シリカらしき白色粉
末を巻き込んでスポンジ状になっていた。
【0028】実施例3 和光純薬製水酸化カリウム試薬を1〜2mmの粒状にし
たもの約20gを和光純薬製特級エタノール約200c
cに分散、攪拌しながら約2時間放置した後、エバポレ
ータでエタノールを乾固し、KOH中の水分を除去する
操作を行った。操作終了後、窒素ボックス内で実施例1
で使用したチューブに約8cc、5.7gのKOHを充
填した。その後、実施例1と同様の操作で固定層反応器
を造り、また同じ条件で原料の供給を行った。反応開始
後約1時間でほぼ定常状態に到達し、この際のガス、液
それぞれの組成分析を行った結果、トリメトキシシラン
の転化率は約91%、シランガスの生成速度は約7cc
/minであった。反応は6時間継続して行ったが、順
調に進行し、反応終了後の重量収支もほぼ一致してい
た。また、実施例1と同様の乾燥操作を行った後、KO
Hを取出したが、外観には大きな変化はなく、重量も
5.7gのままであった。
【0029】実施例4 和光純薬製水酸化カリウム試薬10gを90gの水に溶
解し、その中に住友化学社製γ−アルミナ(粒径1〜2
mm)50gを入れて常温で10時間放置、γ−アルミ
ナにKOHを含浸させた。γ−アルミナを濾別後、窒素
気流中120℃で2時間乾燥した後、約20gを実施例
2と同様の操作で、KOH中の水分を除去する操作を行
った。操作後濾別したγ−アルミナ担持KOH、約8c
cを実施例1で使用したチューブに充填し、実施例1と
同様の操作で固定層反応器を造り、また同じ条件で原料
の供給を行った。反応開始後約1時間でほぼ定常状態に
到達し、この際のガス、液それぞれの組成分析を行った
結果、トリメトキシシランの転化率は約88%、シラン
ガスの生成速度は約7cc/minであった。反応は6
時間継続して行ったが、順調に進行し、反応終了後の重
量収支もほぼ一致していた。また、実施例1と同様の乾
燥操作を行った後、KOHを取出したが、外観には大き
な変化はなかった。
【0030】比較例2 事前に水分を除去する操作を行っていないγ−アルミナ
担持KOH7.2gをチューブに充填し、後は実施例4
と同じ方法で反応を行った。反応初期に比較例1と同様
シランガスと共に水素ガスのピークを検出した。反応開
始後約2時間でほぼ定常状態に到達し、この際のガス、
液それぞれの組成分析を行った結果、トリメトキシシラ
ンの転化率は約84%、シランガスの生成速度は約7c
c/minであった。反応は6時間継続して順調に進行
したが、反応終了後、重量収支を測定、計算したところ
シランの重量換算値が理論値の83%程度であることが
わかった。実施例1と同様の乾燥操作を行った後、KO
Hを取出したが、表面にはシリカらしき白色粉末が付着
しており、重量は7.5gと若干増加していた。
【0031】
【発明の効果】本発明は、予め金属水酸化物の水分を除
去する操作を施すことによって、有機シラン類の不均化
に対して極めて高い活性を示し、またそれを維持できる
ようになる。即ち、本発明の範囲外にある比較例は金属
水酸化物の全体が飴状に融着したり、表面にシリカ状の
白色粉末が付着することにより、固定層反応器内で閉塞
を起こし圧力が上昇し、長時間の反応が維持できない。
これに対し本発明の範囲内にある実施例は、これらの性
能がすべて優れている。また、本発明を実施することに
より、安価な触媒で効率よくモノシランもしくは原料シ
ラン類よりも水素数の多い有機シラン類を製造すること
ができるため、その効果は大きい。
【0032】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の効果を確認する装置の一例
【符号の説明】
1 固定層反応器 2 原料タンク 3 プランジャポンプ 4 ガス出口 5 液出口 6 ガスクロマトグラフィー (ア)金属水酸化物 (イ)シリカウール (ウ)シースヒーター (エ)熱電対温度計

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式HSi(OR)4−n[式中
    nは1、2または3であり、Rはアルキル基もしくはア
    リール基を示す]で表される少なくとも1個以上のSi
    −H結合を有する有機シラン類を、一般式 MOH、ま
    たはM(OH)[式中Mは、アルカリ金属もしくはア
    ルカリ土類金属を示す]で表される金属水酸化物と接触
    して不均化せしめる方法に於いて、予め金属水酸化物中
    に含まれる水分を除去する操作を施した後使用すること
    を特徴とする有機シラン類の不均化方法。
  2. 【請求項2】 予め金属水酸化物中に含まれる水分を
    除去する操作が、200℃以上で10分以上加熱する操
    作である請求項1記載の有機シラン類の不均化方法。
  3. 【請求項3】 予め金属水酸化物中に含まれる水分を
    除去する操作が、水と最低共沸物を形成する有機溶媒に
    金属水酸化物を分散した後、乾燥する操作である請求項
    1記載の有機シラン類の不均化方法。
  4. 【請求項4】 予め金属水酸化物中に含まれる水分を
    除去する操作が、加水分解性物質と接触せしめる操作で
    ある請求項1記載の有機シラン類の不均化方法。
  5. 【請求項5】 水と最低共沸物を形成する有機溶媒
    が、エタノール、プロパノール、ブタノールのうちの1
    種もしくは2種以上の組合わせである請求項3記載の有
    機シラン類の不均化方法。
  6. 【請求項6】 加水分解性物質が、一般式Mt(O
    R)[式中Mtは金属、mは金属の価数を示す正数で
    あり、Rはアルキル基もしくはアリール基を示す]で表
    される金属アルコキサイドである請求項4記載の有機シ
    ラン類の不均化方法。
  7. 【請求項7】 加水分解性物質が、一般式Si(O
    R)[式中Rはアルキル基もしくはアリール基を示
    す]で表される有機シラン類である請求項4記載の有機
    シラン類の不均化方法。
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JP (1) JPH10330385A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000178018A (ja) * 1998-12-16 2000-06-27 Jgc Corp 多結晶シリコンの製造方法および高純度シリカの製造方法
JP2000239284A (ja) * 1999-02-22 2000-09-05 Nippon Unicar Co Ltd アルコキシシランとポリシロキサンの併産方法
JP2003531197A (ja) * 2000-04-20 2003-10-21 デグサ アクチエンゲゼルシャフト 2,5−ジケトピペラジンの製造方法、2,5−ジケトピペラジン、ジペプチド及びその使用
WO2025182551A1 (ja) * 2024-03-01 2025-09-04 三井化学株式会社 高級シランの製造方法

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