JPH10330781A - 高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを含有する組成物 - Google Patents

高度不飽和脂肪酸及び/又はそのエステルを含有する組成物

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JPH10330781A
JPH10330781A JP9156178A JP15617897A JPH10330781A JP H10330781 A JPH10330781 A JP H10330781A JP 9156178 A JP9156178 A JP 9156178A JP 15617897 A JP15617897 A JP 15617897A JP H10330781 A JPH10330781 A JP H10330781A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期保存後も魚油に特有の不快臭の発生がな
くて無臭であり、しかも加熱しても臭気が発生しない、
保存安定性及び熱安定性に優れる、改良された魚油系組
成物、その調製方法、前記組成物を用いて調製した乳化
液、並びに前記の組成物又は乳化液を含む食品及び化粧
品の提供。 【解決手段】 魚油、魚油に由来する高度不飽和脂肪酸
及びそのエステルの少なくとも1種からなる魚油系材料
に、食酢及び/又は柑橘類ジュースを混合撹拌し、その
混合物を静置後に水相を分離除去して得られる改質魚油
系材料に対して、植物油脂を添加するか、又は植物油脂
と共にコラーゲン、澱粉及び寒天から選ばれる少なくと
も1種を添加してなる本発明の改質魚油質材料組成物、
その調製法、並びに前記組成物を用いて調製した本発明
の乳化液、食品、化粧品により上記の課題が解決され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長期保存後も魚油
に特有の不快臭の発生がなくて無臭であり、しかも加熱
しても臭気が発生しない、保存安定性および熱安定性に
優れる、改良された魚油系組成物、その調製方法、前記
組成物を用いて調製した乳化液、並びに前記の組成物ま
たは乳化液を含む食品および化粧品に関するものであ
り、本発明の改質魚油系組成物は、生体にとって有用な
DHA、EPAなどの高度不飽和脂肪酸やそれらのエス
テルを多量に含んでおり、前記した長期無臭性、保存安
定性、熱安定性などの特性を活かして、食品、化粧品、
その他の用途に有効に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】魚油中に含まれる高度不飽和脂肪酸およ
びそのエステルのうちの或る種のものは、医学的に、ま
た栄養学的に極めて有効であることが知られている。例
えば、魚油中に含まれる高度不飽和脂肪酸の1種である
エイコサペンタエン酸(以下「EPA」という)および
そのエステルは、血液中のコレステロールの低下作用、
血栓の抑制を有することから、心筋梗塞、脳梗塞、動脈
硬化などの予防や治療に有効である。また、魚油中に含
まれる高度不飽和脂肪酸の1種であるドコサヘキサエン
酸(以下「DHA」という)およびそのエステルは、学
習機能の向上、抗腫瘍、抗アレルギーなどの優れた効果
を有することが知られている。さらに、EPAおよびD
HAは、アトピー性皮膚炎などに対しても有効であるこ
とが知られている。そのため、魚油中に含まれるEPA
やDHAなどのような高度不飽和脂肪酸およびそのエス
テルは、上記したような優れた特性から、食品、健康食
品、化粧品、医薬品などとして開発が進められており、
健康食品や医薬品として既に一部市販されているものも
ある。
【0003】しかしながら、高度不飽和脂肪酸およびそ
のエステルは、その不飽和結合部分が酸化され易く、酸
敗を起こし、特有の不快臭を発生するという欠点を有す
る。この酸化を防止するために、天然トコフェロール、
茶抽出物、アスコルビン酸などの酸化防止剤や抑臭剤を
添加することが従来から試みられているが、十分な効果
をあげるまでには至っていない。また、DHAに多量の
澱粉を混合して、DHAを澱粉パウダーで包み込んで無
臭化することも試みられている。しかし、この方法によ
り得られたものを食品に添加すると、DHAを包み込む
のに用いた多量の澱粉が食品の味に影響を与えるという
欠点があり、しかもDHAに起因する不快臭を十分に防
ぐことができず、その使用量が制限されるという欠点が
ある。
【0004】
【発明の内容】上記のような状況下に、本発明者は、D
HAを主成分とする魚油と、食酢または柑橘類ジュース
とからなる懸濁物を製パン原料に添加してパン類を製造
すると、魚油に起因する不快臭の無い、DHA含有パン
類が得られることを見出して先に出願した(特開平7−
274806号公報および特開平7−270807号公
報)。しかしながら、これらの方法で用いているDHA
を主成分とする魚油と食酢または柑橘類ジュースとから
なる懸濁物は、懸濁物の調製時には無臭であり、パン類
の製造に有効に用い得るが、懸濁物を放置しておくと時
間の経過とともに臭気が生ずる傾向があり、その保存安
定性の点で改良の余地があることが判明した。
【0005】そこで、本発明者らは、保存安定性に優れ
ていて、長期間保存しても無臭状態を保つことのできる
魚油、または魚油に由来する高度不飽和脂肪酸やそのエ
ステルを得ることを目的として更に研究を重ねてきた。
その結果、魚油や、魚油に由来する高度不飽和脂肪酸お
よび/またはそのエステルに、食酢および柑橘類ジュー
スから選ばれる少なくとも1種を添加して混合撹拌し、
その混合物(懸濁液)を静置して油相と水相に分離さ
せ、その水相を除去して油相を改質魚油として回収する
と、DHAやEPAなどの高度不飽和脂肪酸および/ま
たはそのエステルを含む前記の改質魚油は、不快臭がな
くて無臭であり、長期保存後も不快臭が生じず、保存安
定性に優れていることを見出して先に出願した(特願平
9−8145号)。
【0006】そして、本発明者らは前記した特願平9−
8145号の発明を踏まえて更に検討を重ねてきたが、
その結果、該特願平9−8145号の発明で得られた高
度不飽和脂肪酸および/またはそのエステルを含む改質
魚油に対して植物油脂を添加すると、長期保存後も無臭
状態を保っていて保存安定性であると共に、加熱した場
合にも不快臭の発生がないことを見出した。また、本発
明者らは、その際に、コラーゲン、澱粉および寒天から
選ばれる少なくとも1種をさらに添加すると、改質魚油
の清澄性が一層向上することを見出した。魚油や、それ
に由来するDHAやEPAなどの高度不飽和脂肪酸およ
び/またはそのエステルなどを含有する食品や化粧品等
を製造するに当たっては、食品や化粧品などの製造過程
で加熱処理が行われる場合が多いことから、上記した改
質魚油に対して植物油脂を添加すると、加熱しても不快
臭を生じず無臭状態を保ち得るという本発明者らの見出
した上記の特性は、魚油やそれに由来する高度不飽和脂
肪酸および/またはそのエステルの利用面から極めて有
効であるということができる。
【0007】したがって、魚油、魚油に由来する高度不
飽和脂肪酸およびそのエステルの少なくとも1種からな
る魚油系材料に、食酢および柑橘類ジュースから選ばれ
る少なくとも1種を混合撹拌し、その混合物を静置後に
水相を分離除去して得られる改質魚油系材料に対して、
植物油脂を添加してなることを特徴とする、高度不飽和
脂肪酸および/またはそのエステルを含有する組成物
(以下「改質魚油系材料組成物」または「改質魚油組成
物」ということがある)である。
【0008】そして、本発明は、魚油、魚油に由来する
高度不飽和脂肪酸およびそのエステルの少なくとも1種
からなる魚油系材料に、食酢および柑橘類ジュースから
選ばれる少なくとも1種を混合撹拌し、その混合物を静
置後に水相を分離除去して得られた改質魚油系材料に対
して、コラーゲン、澱粉および寒天から選ばれる少なく
とも1種、並びに植物油脂を添加してなることを特徴と
する、高度不飽和脂肪酸および/またはそのエステルを
含有する組成物(以下「改質魚油系材料組成物」または
「改質魚油組成物」ということがある)である。
【0009】さらに、本発明は、魚油、魚油に由来する
高度不飽和脂肪酸およびそのエステルの少なくとも1種
からなる魚油系材料に、食酢および柑橘類ジュースから
選ばれる少なくとも1種を添加して混合撹拌した後、そ
の混合物を静置して水相と油相に分離させ、水相を分離
除去して油相を改質魚油系材料として回収し、次いで該
改質魚油系材料に植物油脂を添加することを特徴とす
る、高度不飽和脂肪酸および/またはそのエステルを含
有する組成物(改質魚油系材料組成物または改質魚油組
成物)の調製方法である。
【0010】そして、本発明は、魚油、魚油に由来する
高度不飽和脂肪酸およびそのエステルの少なくとも1種
からなる魚油系材料に、食酢および柑橘類ジュースから
選ばれる少なくとも1種を添加して混合撹拌した後、そ
の混合物を静置して水相と油相に分離させ、水相を分離
除去して油相を改質魚油系材料として回収し、次いで該
改質魚油系材料に、コラーゲン、澱粉および寒天から選
ばれる少なくとも1種、並びに植物油脂を添加すること
を特徴とする、高度不飽和脂肪酸および/またはそのエ
ステルを含有する組成物(改質魚油系材料組成物または
改質魚油組成物)の調製方法である。
【0011】また、本発明は、高度不飽和脂肪酸および
/またはそのエステルを含有する上記した組成物(改質
魚油系材料組成物または改質魚油組成物)を乳化してな
る乳化液、並びに該組成物または乳化液を添加した食品
および化粧品を包含する。
【0012】そして、上記した本発明の改質魚油系材料
組成物(改質魚油組成物)および調製方法においては、
改質魚油系材料100重量部に対して植物油脂を好まし
くは10〜120重量部の割合で添加し、また改質魚油
系材料100重量部に対してコラーゲン、澱粉および寒
天から選ばれる少なくとも1種を好ましくは0.05〜
1重量部の割合で添加する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明では、本発明の改質魚油系材料に用いる改
質魚油系材料を得るための原料として、魚油、魚油に由
来する高度不飽和脂肪酸およびそのエステルの少なくと
も1種からなる魚油系材料を用いる。ここで、本発明で
いう「魚油」とは、水中に生息する動物から採取した油
脂(すなわち広義の魚油)を意味し、魚類から採取した
魚油(狭義の魚油)、海獣油、肝油などを包含する。前
記した魚油(広義の魚油)は、いずれも、EPA、DH
A、その他の高度不飽和脂肪酸および/またはそのエス
テルを含有している。また、本発明でいう「魚油に由来
する高度不飽和脂肪酸」とは、前記した広義の魚油から
精製、分離などを行って得られる、不飽和結合を2個ま
たはそれ以上有する脂肪酸をいい、限定されるものでは
ないが、その代表例としてはEPA、DHAなどを挙げ
ることができる。また、本発明でいう「高度不飽和脂肪
酸のエステル」とは、前記した高度不飽和脂肪酸とグリ
セリンとのエステル類(モノ、ジおよび/またはトリグ
リセリド)、および前記した高度不飽和脂肪酸と低級ア
ルコール類とのエステル類(例えばメチルエステル、エ
チルエステルなど)をいう。
【0014】本発明では、魚油系材料として、未精製の
魚油、低度に精製した魚油から高度に精製した魚油、魚
油からそこに含まれる高度不飽和脂肪酸および/または
そのエステルを複数種の高度不飽和脂肪酸および/また
はそのエステルの混合物の形態で分離して得た高度不飽
和脂肪酸および/またはそのエステルの混合物、魚油か
ら得られた特定の高度不飽和脂肪酸および/またはその
エステルの単体のいずれもが使用できる。一般には、魚
油系材料として、イワシ、サバ、タラ、マグロなどの魚
類から採取した魚油(狭義の魚油)、その低度精製油や
高度精製油、該魚油から得られる高度不飽和脂肪酸、お
よび/またはそのエステルが、入手の容易性、コストな
どの点から好ましく用いられる。また、本発明では、魚
油系材料として、DHAおよびEPAの一方または両方
を10重量%以上の割合で含有するものが、健康増進や
病気の予防・治療などの点で有効であることから好まし
く用いられる。本発明では、従来既に市販されている魚
油系材料を使用しても、または本発明のために魚油系材
料を採取または調製して用いてもよい。
【0015】そして、本発明では、上記した魚油系材料
に、食酢および柑橘類ジュースから選ばれる少なくとも
1種を添加し、処理を行って改質魚油系材料を調製す
る。すなわち、魚油系材料に、食酢および柑橘類ジュー
スから選ばれる少なくとも1種を添加して混合撹拌し、
それにより生成する混合物(懸濁液)を静置すると、上
層が油相で下層が水相になって2層に分離するので、下
層の水相を分離除去して、上層の油相を改質魚油系材料
として回収する。
【0016】その際に用いる食酢としては、醸造酢およ
び/または合成酢のいずれも使用できる。醸造酢の例と
しては、米酢、玄米酢、麦芽酢などの穀物酢、リンゴ
酢、ブドウ酢などの果実酢を挙げることができ、合成酢
の例としては、化学的に合成された酢酸を水で薄めてア
ミノ酸や糖類を加えたもの、醸造酢に化学合成した酢酸
を加えたものなどを挙げることができる。また、柑橘類
ジュースの例としては、ライム、レモン、ザボン、かぼ
す、グレープフルーツ、夏ミカン、ユズ、スダチなどの
果汁やその濃縮物などを挙げることができる。
【0017】本発明では、上記した醸造酢、合成酢およ
び柑橘類ジュースのうちの1種のみを用いても、または
2種以上を用いてもよい。2種以上用いる場合は、2種
以上の醸造酢同士の組み合わせ、2種以上の合成酢の組
み合わせ、醸造酢の1種または2種以上と合成酢の1種
または2種以上の組み合わせ、醸造酢および合成酢の1
種または2種以上と柑橘類ジュースの1種または2種以
上の組み合わせ、または柑橘類ジュースの2種以上の組
み合わせのいずれであってもよい。そのうちでも、リン
ゴ酢などの果実酢が好ましく用いられる。その理由は明
確ではないが、リンゴ酢中には、酢酸と共に、リンゴ
酸、クエン酸、シュウ酸、酒石酸などの多数の有機酸が
含まれており、それらが相乗的に作用することによるも
のと推測される。
【0018】魚油系材料に対する食酢および/または柑
橘類ジュースの添加割合は、魚油系材料100重量部に
対して、2〜70重量部(2種以上の食酢および/また
は柑橘類ジュースを用いる場合はその合計量)であるこ
とが好ましく、4〜40重量部であることがより好まし
く、5〜20重量部であることが更に好ましい。魚油系
材料100重量部に対する食酢および/または柑橘類ジ
ュースの添加量が5重量部未満であると、魚油系材料に
よる不快臭を除去することが難しくなり易く、一方70
重量部を超えると酸臭や酸味が強くなって、改質魚油系
材料の食味および風味が低下し易い。
【0019】魚油系材料に食酢および/または柑橘類ジ
ュースを添加した後の混合撹拌は、通常の混合撹拌装置
のいずれを使用して行ってもよく、例えば、プロペラミ
キサー、タービンミキサー、ホモミキサーなどを用いる
ことができる。混合撹拌時の温度としては、魚油系材料
の変質防止、固化の防止などの点から、一般に約10〜
25℃の温度が好ましく採用される。また、混合撹拌時
間は特に制限されず、均一な懸濁液が生成するまで行え
ばよいが、上記したような汎用の混合撹拌装置による場
合は、一般に約1〜30分程度の撹拌時間が採用され
る。また、魚油系材料に食酢および/または柑橘類ジュ
ースを添加した後の混合撹拌を窒素ガスなどの不活性ガ
ス雰囲気下で行うと、混合撹拌時に魚油系材料中に含ま
れる高度不飽和脂肪酸および/またはそのエステルの酸
化を一層効果的に抑制でき、無臭性に一層優れる改質魚
油系材料を得ることができるので好ましい。
【0020】上記した混合撹拌処理によって懸濁液を生
成させた後、その懸濁液を静置して、油相(上層)と水
相(下層)に層分離させ、上層の油相を下層の水相から
分別して、改質魚油系材料を回収する。これにより得ら
れる改質魚油系材料は、無臭であって魚油に特有の不快
臭がなく、しかも室温下に長期間保存しても無臭状態を
保つことができ、保存安定性に優れている。
【0021】そして、本発明では、上記で得られる改質
魚油系材料に対して植物油脂を添加して、長期保存後も
無臭状態を保っていて保存安定性に優れ、しかも加熱し
た場合にも不快臭の発生がなく熱安定性に優れる本発明
の組成物(改質魚油系材料組成物または改質魚油組成
物)を調製する。改質魚油系材料に添加する植物油脂と
しては、人体に対して安全な植物油脂であればいずれも
使用でき、例えば、ブドウ油、米油、小麦胚芽油、オリ
ーブ油、シソ油、ベニバナ油、大豆油、ゴマ油、コーン
油、綿実油、ベニバナ油、サラダ油、それらの水添油な
どを挙げることができ、前記した植物油脂の1種または
2種以上を用いることができる。それらのうちでも、ブ
ドウ油、米油、小麦胚芽油、オリーブ油および/または
シソ油が、保存安定性および風味の点から好ましく用い
られる。
【0022】植物油脂の添加量は、改質魚油系材料10
0重量部に対して、10〜120重量部であることが好
ましく、30〜100重量部であることがより好まし
い。改質魚油系材料100重量部に対して、植物油脂の
添加量が10重量部未満であると、改質魚油系材料の熱
安定性が十分に向上せず、一方120重量部を超える
と、組成物中での改質魚油系材料が含有割合が低減し、
その結果、改質魚油系材料組成物(改質魚油組成物)中
のDHAやEPAなどの有用高度不飽和脂肪酸および/
またはそのエステルの含有割合が相対的に低下して、食
品や化粧品やその他の製品に添加して用いても、DHA
やEPAなどによる効果を十分に発揮させにくくなる。
【0023】改質魚油系材料への植物油脂の添加方法は
特に制限されず、改質魚油系材料中に植物油脂を均一に
混合し得る方法のいずれもが採用できる。一般には、3
0℃以下で且つ改質魚油系材料の固化温度よりも高いの
温度で、上記したような汎用の混合撹拌装置を用いて混
合すればよい。
【0024】また、本発明では、改質魚油系材料に対し
て、植物油脂と共に、必要に応じてコラーゲン、澱粉お
よび寒天から選ばれる少なくとも1種を添加してもよ
い。改質魚油系材料にコラーゲン、澱粉および寒天から
選ばれる少なくとも1種を添加すると、清澄性に極めて
優れる改質魚油系材料組成物(改質魚油組成物)を得る
ことができる。コラーゲン、澱粉および寒天から選ばれ
る少なくとも1種を添加する場合は、その添加量(2種
以上を用いる場合はその合計量)が、改質魚油系材料1
00重量部に対して、0.05〜1重量部であることが
好ましく、0.05〜0.2重量部であることが特に好
ましい。コラーゲン、澱粉および寒天から選ばれる少な
くとも1種の添加量が0.05重量部を超えると沈殿が
生じ易い。
【0025】コラーゲンとしては、動物の結合組織、軟
骨、腱から得られたコラーゲン、それらを水中で加熱し
て得られる可溶性のゼラチンなどのいずれも使用でき
る。そのうちでも、水溶性ゼラチンが、改質魚油系材料
中への均一混合性、取り扱い性、コストなどの点から好
ましく用いられる。澱粉としては、馬鈴薯澱粉、小麦粉
澱粉、トウモロコシ澱粉などを使用することができる。
そのうちでも、澱粉としては、粉末状のものが、取り扱
い性および清澄作用の良好性の点から好ましく用いられ
る。また、寒天としては、紅藻類の細胞壁成分を抽出
し、脱水乾燥したものが利用され、固形寒天、角寒天、
糸寒天、グラニュール寒天、粉末寒天のいずれもが使用
できる。そのうちでも、取り扱い性および清澄作用の良
好性の点から粉末状の寒天が特に好ましく用いられる。
【0026】改質魚油系材料へのコラーゲン、澱粉およ
び寒天から選ばれる少なくとも1種の添加時期は特に制
限されず、植物油脂を添加する前であっても、植物油脂
の添加と同時であっても、または植物油脂を添加した後
であってもよい。そのうちでも、植物油脂を添加する前
にコラーゲン、澱粉および寒天から選ばれる少なくとも
1種を添加することが、清澄性に一層優れる改質魚油系
材料組成物が得られる点から好ましい。
【0027】上記により得られる本発明の改質魚油系材
料組成物(改質魚油組成物)は、各種食品、化粧品、そ
の他に添加して用いることができ、或いはそのまま直接
または他の成分と混合して医薬などとして用いることが
できる。そして、本発明の改質魚油系材料組成物(改質
魚油組成物)を添加したり用いてなる前記した製品は、
改質魚油系材料組成物中に含まれている高度不飽和脂肪
酸および/またはそのエステルの種類に応じて、血液中
のコレステロールの低下作用、心筋梗塞、脳梗塞、動脈
硬化などの予防や治療、学習機能の向上、抗腫瘍、抗ア
レルギーなどの効果を有する。
【0028】本発明の改質魚油系材料組成物を食品に添
加して用いる場合は、食品の種類は特に制限されず、例
えば、パン類などのベーカリー製品、米飯、めん類、豆
腐などの大豆加工食品、ソーセージやハムなどの畜肉加
工食品、ケーキ、クッキー、饅頭、煎餅、アイスクリー
ム、プディング、羊羹、キャンデーなどの菓子類、バタ
ー、ヨーグルトなどの乳製品、マヨネーズ、ドレッシン
グ、醤油、味噌、ソースなどの調味料、ブドウ糖、液状
オリゴ糖などの糖類、果実飲料、豆乳、野菜ジュースな
どの飲料、コンニャクなどを挙げることができる。
【0029】従来市販されている魚油やそれに由来する
高度不飽和脂肪酸および/またはエステル製品では、魚
油に由来する不快臭のために、例えば、パン一斤当たり
10〜30mg程度のDHAやEPAおよび/またはそ
のエステルしか配合できなかったが、本発明の改質魚油
系材料組成物の場合は、パンの風味や食味を損なうこと
なく、パン一斤当たり100〜300mgの高割合でD
HAやEPAおよび/またはそのエステルを配合するこ
とができ、DHAやEPAなどの高度不飽和脂肪酸また
はそのエステルに基づく上記した優れた効果を十分に発
揮し得る食品を得ることができる。
【0030】また、上記で得られた本発明の改質魚油系
材料組成物(改質魚油組成物)は、それを従来既知の方
法と同様の方法を採用して、適当な界面活性剤などを用
いて水中に乳化させて乳化液にすることができ、それに
より得られる乳化液は、上記したような食品の製造に用
いても、または例えば乳液、ハンドクリーム、スキンク
リーム、マッサージクリーム、化粧水、パックなどの化
粧品の製造に用いても、或いはその他の用途に用いても
よい。
【0031】
【実施例】以下に実施例などにより本発明について具体
的に説明するが、本発明はそれにより何ら制限されな
い。
【0032】《実施例1》[改質魚油組成物の調製] (1) DHAを27重量%の割合で含有する魚油10
0重量部に、米酢10重量部を添加して、窒素ガス雰囲
気下で、混合物の温度を10℃に保ちながら、ファウド
ラ型2枚翼を装着したミキサーを用いて500回転/分
の撹拌速度で5分間混合撹拌して懸濁液を生成させた。 (2) 上記(1)で得られた懸濁液を室温下に24時
間静置して、油相と水相に層分離させた後、下層の水相
を分離除去して上層の油相を回収して、無臭の改質魚油
を得た。 (3) 上記(2)で得られた改質魚油100重量部に
対して、食用小麦胚芽油100重量部を加えて窒素ガス
雰囲気下で良く混合撹拌して、DHAを含有する改質魚
油組成物を調製した。 (4) 上記(3)で得られた改質魚油組成物の一部を
採取して、それぞれ空気中で、60℃、70℃および8
0℃の温度に10分間加熱して、加熱後に不快臭の有無
を下記の表1に示す評価基準にしたがって5名のパネラ
ーによって点数評価してもらい、その平均値を採ったと
ころ、下記の表2に示すとおりであった。
【0033】《実施例2》[改質魚油組成物の調製] (1) DHAを45重量%の割合で含有する魚油10
0重量部に、リンゴ酢5重量部を添加して、実施例1の
(1)と同様にして混合撹拌して懸濁液を生成させた
後、その懸濁液を室温下に24時間静置して、油相と水
相に層分離させた後、下層の水相を分離除去して上層の
油相を回収して、無臭の改質魚油を得た。 (2) 上記(1)で得られた改質魚油100重量部に
対して、食用オリーブ油30重量部を加えて窒素ガス雰
囲気下で良く混合撹拌して、DHAを含有する改質魚油
組成物を調製した。 (3) 上記(2)で得られた改質魚油組成物の一部を
試料として採取して、実施例1の(3)におけるのと同
様にして加熱処理を行い、加熱後の不快臭の有無を下記
の表1に示す評価基準にしたがって5名のパネラーによ
って点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、
下記の表2に示すとおりであった。
【0034】《実施例3》[改質魚油組成物の調製] (1) DHAを45重量%の割合で含有する魚油10
0重量部に、リンゴ酢10重量部を添加して、実施例1
の(1)と同様にして混合撹拌して懸濁液を生成させた
後、その懸濁液を室温下に24時間静置して、油相と水
相に層分離させた後、下層の水相を分離除去して上層の
油相を回収して、無臭の改質魚油を得た。 (2) 上記(1)で得られた改質魚油100重量部に
対して、水溶性ゼラチン0.05重量部を加えて24時
間静置したところ、透明性に優れる魚油を得た。 (3) 上記(2)で得られた魚油100重量部に対し
て、食用ブドウ油100重量部を加えて窒素ガス雰囲気
下で良く混合撹拌して、DHAを含有する改質魚油組成
物を調製した。 (4) 上記(3)で得られた改質魚油組成物の一部を
試料として採取して、実施例1の(3)におけるのと同
様にして加熱処理を行い、加熱後の不快臭の有無を下記
の表1に示す評価基準にしたがって5名のパネラーによ
って点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、
下記の表2に示すとおりであった。
【0035】《実施例4》[改質魚油組成物の調製] (1) 魚油をエステル交換することにより得たDHA
エチルエステルを70重量%の割合で含有する魚油10
0重量部に、リンゴ酢20重量部を添加して、実施例1
の(1)と同様にして混合撹拌して懸濁液を生成させた
後、その懸濁液を室温下に24時間静置して、油相と水
相に層分離させた後、下層の水相を分離除去して上層の
油相を回収して、無臭の改質魚油を得た。 (2) 上記(1)で得られた改質魚油100重量部に
対して、食用米油100重量部を加えて窒素ガス雰囲気
下で良く混合撹拌して、DHAを含有する改質魚油組成
物を調製した。 (3) 上記(2)で得られた改質魚油組成物の一部を
試料として採取して、実施例1の(3)におけるのと同
様にして加熱処理を行い、加熱後の不快臭の有無を下記
の表1に示す評価基準にしたがって5名のパネラーに点
数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の
表2に示すとおりであった。
【0036】《実施例5》[改質魚油組成物の調製] (1) DHAを27重量%の割合で含有する魚油の代
わりに、EPAを25重量%の割合で含有する魚油を用
いた以外は実施例1と全く同様にして、無臭の改質魚油
を調製し、それを用いて実施例1と同様にして食用小麦
粉胚芽油を含有する改質魚油組成物の調製をした。 (2) 上記(1)で得られた改質魚油組成物の一部を
試料として採取して、実施例1の(3)におけるのと同
様にして加熱処理を行い、加熱後の不快臭の有無を下記
の表1に示す評価基準にしたがって5名のパネラーに点
数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の
表2に示すとおりであった。
【0037】《実施例6》[改質魚油組成物の調製] (1) DHAを45重量%の割合で含有する魚油の代
わりに、EPAを55重量%の割合で含有する魚油を用
いた以外は実施例2と全く同様にして、無臭の改質魚油
を調製し、それを用いて実施例2と同様にして食用オリ
ーブ油を含有する改質魚油組成物の調製をした。 (2) 上記(1)で得られた改質魚油組成物の一部を
試料として採取して、実施例1の(3)におけるのと同
様にして加熱処理を行い、加熱後の不快臭の有無を下記
の表1に示す評価基準にしたがって5名のパネラーに点
数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の
表2に示すとおりであった。
【0038】《実施例7》[改質魚油組成物の調製] (1) DHAを45重量%の割合で含有する魚油の代
わりに、EPAを45重量%の割合で含有する魚油を用
いた以外は実施例3と全く同様にして、無臭の改質魚油
を調製し、それを用いて実施例3と同様にして食用ブド
ウ油を含有する改質魚油組成物の調製をした。 (2) 上記(1)で得られた改質魚油組成物の一部を
試料として採取して、実施例1の(3)におけるのと同
様にして加熱処理を行い、加熱後の不快臭の有無を下記
の表1に示す評価基準にしたがって5名のパネラーに点
数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の
表2に示すとおりであった。
【0039】《実施例8》[改質魚油組成物の調製] (1) DHAエチルエステルを70重量%の割合で含
有する魚油の代わりに、EPAエチルエステルを90重
量%の割合で含有する魚油を用いた以外は実施例4と全
く同様にして、無臭の改質魚油を調製し、それを用いて
実施例4と同様にして食用米油を含有する改質魚油組成
物の調製をした。 (2) 上記(1)で得られた改質魚油組成物の一部を
試料として採取して、実施例1の(3)におけるのと同
様にして加熱処理を行い、加熱後の不快臭の有無を下記
の表1に示す評価基準にしたがって5名のパネラーに点
数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の
表2に示すとおりであった。
【0040】《実施例9》[改質魚油組成物の調製] (1) DHAを27重量%の割合で含有する魚油10
0重量部に、レモンジュース10重量部を添加して、実
施例1の(1)と同様にして混合撹拌して懸濁液を生成
させた後、その懸濁液を室温下に24時間静置して、油
相と水相に層分離させた後、下層の水相を分離除去して
上層の油相を回収して、無臭の改質魚油を得た。 (2) 上記(1)で得られた改質魚油100重量部に
対して、食用オリーブ油30重量部を加えて窒素ガス雰
囲気下で良く混合撹拌して、DHAを含有する改質魚油
組成物を調製した。 (3) 上記(2)で得られた改質魚油組成物の一部を
試料として採取して、実施例1の(3)におけるのと同
様にして加熱処理を行い、加熱後の不快臭の有無を下記
の表1に示す評価基準にしたがって5名のパネラーに点
数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の
表2に示すとおりであった。
【0041】《比較例1〜3》[魚油組成物の調製] (1) DHAを27重量%の割合で含有する魚油10
0重量部に、リンゴ酢をそれぞれ5重量部(比較例
1)、10重量部(比較例2)および20重量部(比較
例3)の割合で添加した後、実施例1の(1)における
のと同様にして混合撹拌して懸濁液とし、それにより得
られた懸濁液100重量部に対して食用ブドウ油100
重量部を加えて窒素雰囲気中、25℃で良く撹拌混合し
て3種類の懸濁液を調製した。 (2) 上記(1)で得られたそれぞれの懸濁液を空気
中で、それぞれ60℃、70℃および80℃で10分間
加熱して、不快臭の有無を下記の表1に示す評価基準に
したがって5名のパネラーに点数評価してもらい、その
平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであっ
た。
【0042】
【表1】 [改質魚油組成物の臭気の判定基準] 評点: 内 容 4点:魚油特有の不快臭が全くなく、極めて良好である。 3点:魚油に由来する臭気がかすかにするが、殆ど気にならず、良好である。 2点:魚油特有の不快臭がかなりし、不良である。 1点:魚油特有の不快臭が強く、極めて不良である。
【0043】
【表2】
【0044】上記の表2の結果から、DHAやEPAな
どの高度不飽和脂肪酸および/またはそのエステルを含
有する魚油に、食酢および/または柑橘類ジュースを添
加し混合撹拌した後、静置して、その上層の油相を改質
魚油として回収したものに、植物油脂を添加して得られ
た実施例1〜9の本発明の改質魚油組成物では、加熱し
ても魚油に特有の不快臭の発生がなく、熱安定性に優れ
ていることがわかる。さらに、上記の実施例2および実
施例6の結果から、植物油脂と共にコラーゲンを添加し
た場合には、改質魚油組成物の清澄性が増し、その品質
が一層向上することがわかる。一方、上記の表2におけ
る比較例1〜3の結果から、DHAやEPAなどの高度
不飽和脂肪酸および/またはそのエステルを含有する魚
油に対して、食酢および植物油脂を添加する場合であっ
ても、魚油に食酢を添加して得られる懸濁液に植物油脂
をそのまま直接添加している比較例1〜3の場合には、
熱安定性の良い魚油組成物が得られず、加熱すると魚油
に特有の不快臭を発生することがわかる。
【0045】《実施例10》[甘味料への改質魚油組成
物の添加] (1) 市販の液状甘味料78重量部に対して、上記の
実施例1で得られた熱処理前の改質魚油組成物20重量
部を添加し、乳化剤(三菱化学株式会社製「シュガーエ
ステルS1170」)2重量部を添加して、ホモミキサ
ーにて10000回転/分の回転速度で3分間撹拌し
て、改質魚油組成物を含有する人工甘味料を調製した。 (2) 上記(1)で得られた人工甘味料5重量部を、
温度80℃の熱湯100重量部に入れて撹拌し、そのと
きの臭気の有無を上記した表1に示す評価基準にしたが
って5名のパネラーに評価してもらったところ、評点は
5名の合計で18点であり、魚油特有の不快臭の発生が
なかった。
【0046】《実施例11〜18》[甘味料への改質魚
油組成物の添加] (1) 改質魚油組成物として、上記の実施例2〜9で
得られた熱処理前の改質魚油組成物を用いた以外は実施
例10と全く同様にして、改質魚油組成物を含有する人
工甘味料を調製した。 (2) 上記(1)で得られた人工甘味料5重量部を、
温度80℃の熱湯100重量部に入れて撹拌し、そのと
きの臭気の有無を上記した表1に示す評価基準にしたが
って5名のパネラーに評価してもらったところ、評点は
5名の合計で19点であり、魚油特有の不快臭の発生が
なかった。
【0047】《実施例19》[牛乳への改質魚油組成物
の添加] 牛乳100重量部に対して、上記の実施例1で得られた
熱処理前の改質魚油組成物1重量部を添加してよく混合
した後、63℃で30分間加熱した。それを、密閉容器
に入れて室温で7日間保存した後に開封し、そのときの
臭気の有無を上記した表1に示す評価基準にしたがって
5名のパネラーに評価してもらったところ、評点は5名
の合計で20点であり、魚油特有の不快臭の発生が全く
なく、牛乳の味も変化していなかった。
【0048】《実施例20〜24》[牛乳への改質魚油
組成物の添加] 改質魚油組成物として、上記の実施例2〜6で得られた
熱処理前の改質魚油組成物を用いた以外は実施例19と
同様にして、改質魚油組成物を含有する牛乳をつくった
後、63℃で30分間加熱した。それを、密閉容器に入
れて室温で7日間保存した後に開封し、そのときの臭気
の有無を上記した表1に示す評価基準にしたがって5名
のパネラーに評価してもらったところ、いずれも評点は
5名の合計で18点以上であり、魚油特有の不快臭の発
生がなく、牛乳の味も変化していなかった。
【0049】《実施例25》[改質魚油組成物を含有す
るパンの製造] (1) 製パン原料(強力小麦粉100重量部、イース
ト3重量部、粉乳3重量部、砂糖5重量部、水70重量
部、塩2重量部、マーガリン7重量部)の混捏時に、小
麦粉100重量部に対して上記の実施例1で得られた改
質魚油組成物重量部を添加して、捏上げて発酵させてパ
ン生地をつくった。このパン生地を25℃でフロアータ
イム60分をとり、分割した後、室温でベンチタイム3
0分をとった。次いで、パン型に入れて、温度38℃、
湿度90%の条件下に60分間保持した後、オーブンで
焼成して(190℃で45分間焼成)、食パンを製造し
た。 (2) 上記(1)で得られた食パンにおける臭気の有
無を上記の表1に示した評価基準にしたがって5名のパ
ネラーに評価してもらったところ、その評点は5名の合
計で19点であり、魚油特有の不快臭がなく、風味に優
れていた。また、この実施例で得られた食パンの外相、
内相、すだち、食感は、改質魚油組成物を添加しないで
同様にして製造した食パンと同じように、いずれも良好
であった。
【0050】《実施例26〜33》[改質魚油組成物を
含有するパンの製造] 改質魚油組成物として、上記の実施例2〜9で得られた
ものをそれぞれ用いた以外は、実施例25と全く同様に
して食パンを製造し、得られた食パンにおける臭気の有
無を上記の表1に示した評価基準にしたがって5名のパ
ネラーに評価してもらったところ、その評点は5名の合
計でいずれも18点以上であって魚油特有の不快臭がな
く、風味に優れていた。また、この実施例26〜33で
得られた食パンの外相、内相、すだち、食感はいずれも
良好であった。
【0051】《実施例34》[改質魚油組成物を含有す
る豆腐の製造] (1) 大豆を煮た後、豆乳とオカラに分け、得られた
豆乳(10〜12%)に70〜75℃の温度で、豆乳1
重量部当たりニガリ約0.003重量部と、実施例2で
得られた改質魚油組成物0.3重量部を添加し、ステン
レス製の丸おけの中で寄せ器を用いて撹拌した。20分
間放置した後、豆腐の型箱に入れて、蓋の上から油圧ジ
ャッキで圧力をかけて木綿豆腐を製造した。 (2) 上記(1)で得られた豆腐における臭気の有無
を上記の表1に示した評価基準にしたがって5名のパネ
ラーに評価してもらったところ、評点は5名の合計で2
0点であり、魚油特有の不快臭がなく、風味に優れてい
た。また、この実施例で得られた豆腐の食感も、改質魚
油組成物を添加しないで同様にして製造した通常の豆腐
と同じように良好であった。
【0052】《実施例35〜42》[改質魚油組成物を
含有する豆腐の製造] 改質魚油組成物として、上記の実施例2〜9で得られた
ものをそれぞれ用いた以外は、実施例34と全く同様に
して木綿豆腐を製造し、その臭気の有無を上記の表1に
示した評価基準に5名のパネラーに評価してもらったと
ころ、その評点は、5名の合計でいずれも19点以上で
あり、魚油特有の不快臭がなく、風味に優れる豆腐が得
られた。また、この実施例35〜42で得られた豆腐の
豆腐の食感は、改質魚油組成物を添加しないで同様にし
て製造した通常の豆腐と同じように良好であった。
【0053】《実施例43》[改質魚油組成物を含有す
る乳化液の製造] 乳化液用原料(エチルアルコール15重量部、プロピレ
ングリコール12重量部、グリセリン3重量部、ステア
リン酸2重量部、セチルアルコール1重量部、水59重
量部)100重量部に対して、実施例3で得られた改質
魚油組成物5重量部を添加して、室温下によく混合撹拌
して乳化液を製造した。これにより得られた乳化液は、
無臭であり、魚油に特有の不快臭が全くせず、製造後に
1カ月室温下に放置しても、不快臭の発生がなかった。
【0054】
【発明の効果】魚油、魚油に由来する高度不飽和脂肪酸
およびそのエステルの少なくとも1種からなる魚油系材
料に、食酢および柑橘類ジュースから選ばれる少なくと
も1種を混合撹拌し、その混合物を静置後に水相を分離
除去して得られる改質魚油系材料(改質魚油)に対し
て、植物油脂を添加して得られる本発明の改質魚油系材
料組成物(改質魚油組成物)は、製造直後は勿論のこ
と、長期保存後も無臭状態を保っていて保存安定性が良
く、しかも加熱した場合にも不快臭の発生がなく、熱安
定性に優れているので、食品、化粧品、医薬品などの種
々の分野に極めて有効に使用することができる。そし
て、本発明の改質魚油系材料組成物(改質魚油組成物)
は、人体にとって有用なDHAやEPAなどの高度不飽
和脂肪酸および/またはそのエステルを多量に含んでい
るので、血液中のコレステロールの低下作用、心筋梗
塞、脳梗塞、動脈硬化などの予防や治療、学習機能の向
上、抗腫瘍、抗アレルギーなどの優れた効果を有する。
さらに、本発明において、植物油脂と共に、コラーゲ
ン、澱粉および寒天から選ばれる少なくとも1種を添加
した場合には、清澄性に一層優れる上記した改質魚油系
材料組成物(改質魚油組成物)を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A23L 1/20 104 A23L 1/30 A 1/30 B A61K 7/00 K A61K 7/00 7/48 7/48 C09K 15/34 C09K 15/34 C11C 3/00 C11C 3/00 A23D 9/00 518

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚油、魚油に由来する高度不飽和脂肪酸
    およびそのエステルの少なくとも1種からなる魚油系材
    料に、食酢および柑橘類ジュースから選ばれる少なくと
    も1種を混合撹拌し、その混合物を静置後に水相を分離
    除去して得られる改質魚油系材料に対して、植物油脂を
    添加してなることを特徴とする、高度不飽和脂肪酸およ
    び/またはそのエステルを含有する組成物。
  2. 【請求項2】 魚油、魚油に由来する高度不飽和脂肪酸
    およびそのエステルの少なくとも1種からなる魚油系材
    料に、食酢および柑橘類ジュースから選ばれる少なくと
    も1種を混合撹拌し、その混合物を静置後に水相を分離
    除去して得られた改質魚油系材料に対して、コラーゲ
    ン、澱粉および寒天から選ばれる少なくとも1種、並び
    に植物油脂を添加してなることを特徴とする、高度不飽
    和脂肪酸および/またはそのエステルを含有する組成
    物。
  3. 【請求項3】 改質魚油系材料100重量部に対して、
    植物油脂を10〜120重量部の割合で添加してなる請
    求項1または2の組成物。
  4. 【請求項4】 改質魚油系材料100重量部に対して、
    コラーゲン、澱粉および寒天から選ばれる少なくとも1
    種を0.05〜1重量部の割合で添加してなる請求項2
    または3の組成物。
  5. 【請求項5】 魚油、魚油に由来する高度不飽和脂肪酸
    およびそのエステルの少なくとも1種からなる魚油系材
    料に、食酢および柑橘類ジュースから選ばれる少なくと
    も1種を添加して混合撹拌した後、その混合物を静置し
    て水相と油相に分離させ、水相を分離除去して油相を改
    質魚油系材料として回収し、次いで該改質魚油系材料に
    植物油脂を添加することを特徴とする、高度不飽和脂肪
    酸および/またはそのエステルを含有する組成物の調製
    方法。
  6. 【請求項6】 魚油、魚油に由来する高度不飽和脂肪酸
    およびそのエステルの少なくとも1種からなる魚油系材
    料に、食酢および柑橘類ジュースから選ばれる少なくと
    も1種を添加して混合撹拌した後、その混合物を静置し
    て水相と油相に分離させ、水相を分離除去して油相を改
    質魚油系材料として回収し、次いで該改質魚油系材料
    に、コラーゲン、澱粉および寒天から選ばれる少なくと
    も1種、並びに植物油脂を添加することを特徴とする、
    高度不飽和脂肪酸および/またはそのエステルを含有す
    る組成物の調製方法。
  7. 【請求項7】 改質魚油系材料100重量部に対して、
    植物油脂を10〜120重量部の割合で添加する請求項
    5または6の調製方法。
  8. 【請求項8】 改質魚油系材料100重量部に対して、
    コラーゲン、澱粉および寒天から選ばれる少なくとも1
    種を0.05〜1重量部の割合で添加する請求項6また
    は7の調製方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜4のいずれか1項の組成物を
    用いて調製してなる乳化液。
  10. 【請求項10】 請求項1〜4のいずれか1項の組成物
    或いは請求項9の乳化液を添加した食品。
  11. 【請求項11】 請求項1〜4のいずれか1項の組成物
    或いは請求項9の乳化液を添加した化粧品。
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