JPH10330840A - 耐疲労特性に優れたばねの製造方法 - Google Patents

耐疲労特性に優れたばねの製造方法

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JPH10330840A
JPH10330840A JP14072797A JP14072797A JPH10330840A JP H10330840 A JPH10330840 A JP H10330840A JP 14072797 A JP14072797 A JP 14072797A JP 14072797 A JP14072797 A JP 14072797A JP H10330840 A JPH10330840 A JP H10330840A
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JP
Japan
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spring
tempered
retained austenite
steel wire
oil
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Application number
JP14072797A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Shoda
博 鎗田
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Suzuki Metal Industry Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Metal Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐疲労特性に優れたばねの製造方法を提供す
る。 【解決手段】体積比で5〜20%の残留オーステナイト
を含有し残部は実質的に焼戻しマルテンサイトのオイル
テンパー線にばね成形加工を施し、ばね成形加工後に行
われる1次低温焼鈍処理工程の前にアークハイト値で
0.20〜0.60mmAのショットピーニングを行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐疲労特性に優れ
たばねの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンなど内燃機関に用いられ
るばねには、疲労強度の高いオイルテンパー線が用いら
れている。即ち通常ばねは、オイルテンパー線をばね成
形加工(常温での加工)し、その後で例えば400℃に
20分間加熱する第1次低温焼鈍を施し、その後でショ
ットピーニングを施し、その後で例えば200℃に20
分間加熱する第2次低温焼鈍を施して製造されている。
【0003】ばねの疲労強度の向上は、表面処理方法及
びばね材料の開発により図られて来た。まず表面処理の
面からは、第1次低温焼鈍後のショットピーニング処理
による圧縮の残留応力の導入によって疲労強度の向上が
図られ、また近年では軟窒化処理などのばねの表面の硬
さを上昇させることによっても疲労強度の向上が図られ
ている。
【0004】一方ばね材料の面からは、MoやVを添加
し、耐熱性を向上させた鋼線や、C量を増し高強度化し
た鋼線などが用いられることによりばねの疲労強度の向
上が図られて来た。オイルテンパー線は、通常は焼戻し
マルテンサイト組織のものが用いられている。即ち残留
オーステナイトは軟質であり強度低下の原因となるた
め、高強度ばねには好ましくないと考えられている。こ
のため通常は、残留オーステナイトを例えば5%未満に
抑制した、残留オーステナイトが少ないオイルテンパー
線が用いられている。
【0005】特開平3−162550号は本発明者等の
出願で、意図的に5〜20体積%の残留オーステナイト
を含有させ、残部は実質的に焼戻しマルテンサイトより
なるオイルテンパー線を記載している。オーステナイト
を冷間加工すると加工誘起マルテンサイトが生成する事
はステンレス鋼の分野では知られているが、オイルテン
パー線の残留オーステナイトを加工誘起マルテンサイト
に変える知見は従来はなかった。特開平3−16255
0号は、意図的に残留オーステナイトを含有させたオイ
ルテンパー線を用い、ばね成形加工の際の冷間加工によ
り、この残留オーステナイトを加工誘起マルテンサイト
に変えることを記載している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、製造するばね
の形状によっては、ばね成形加工の際の加工量が異なる
ために、この加工量が小さいばねの場合は、残留オース
テナイトを加工誘起マルテンサイトとするための加工量
が不足し、このため加工誘起マルテンサイトの生成量が
不十分になるという問題点があった。本発明はこの問題
点を解決するものであり、オイルテンパー線に含有させ
た残留オーステナイトを最も有効に活用するばねの製造
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、体積比で5〜
20%の残留オーステナイトを含有し残部は実質的に焼
戻しマルテンサイトの金属組織のオイルテンパー線を用
いて、ばね成形加工後に行われる1次低温焼鈍処理工程
の前にアークハイト値で0.20〜0.60mmAのシ
ョットピーニングを行う事を特徴とする、耐疲労特性に
優れたばねの製造方法である。
【0008】
【作用】本発明者は、オイルテンパー線に含有されてい
る残留オーステナイトを加工誘起マルテンサイトに変態
させるための加工方法を研究した結果、ばね成形加工の
際に加工誘起マルテンサイトにならなかった残留オース
テナイトは、1次低温焼鈍前に特定のアークハイト値の
ショットピーニングを施すことによって効率よくマルテ
ンサイトに変態させ得るという新たな知見を得て本発明
をなすに至った。
【0009】即ち本発明では、ばね成形加工時に加工誘
起マルテンサイト変態しなかった残留オーステナイトを
ばね成形加工後、しかも1次低温焼鈍前にショットピー
ニング処理を加えることで強制的に加工誘起マルテンサ
イト変態をおこさせ、ばね表層部の硬さを十分に上昇さ
せるものであり、この結果ばねの疲労強度を更に向上さ
せる。
【0010】以下本発明を更に具体的に説明する。ばね
用低合金鋼線を加熱してオーステナイト状態とし、次に
残留オーステナイトが所望の体積%となるMs点とMf
の間の温度に焼入れする。この温度は操業結果に基づ
き、あるいは鋼線の成分に基づく公知の方法により設定
する。その後、残留オーステナイトが分解しないように
焼戻しを行うと、焼入れマルテンサイトは焼戻しマルテ
ンサイトとなり、体積比で5〜20%の残留オーステナ
イトを含有し、残部が実質的に焼戻しマルテンサイトよ
りなる混合組織で構成された、本発明のばね用オイルテ
ンパー線が得られる。
【0011】この残留オーステナイトを5%以上含有さ
せたオイルテンパー線をばね成形加工すると残留オース
テナイトは加工誘起マルテンサイト変態を起こしばね表
層部の硬さが通常の加工硬化以上に上昇する。しかしば
ね成形加工においては加工度にもよるが、ばね指数6前
後のばね成形加工度では、残留オーステナイトの50%
程度しか加工誘起マルテンサイト変態を起こさず、必ず
しも十分であるとは云えない。
【0012】そこで残った残留オーステナイトに、さら
に加工誘起マルテンサイト変態を起こさせるため、本発
明では、ショットピーニング処理をばね成形加工後で、
しかも1次低温焼鈍前に導入した。このことにより、残
留オーステナイトに更に強制的に加工誘起マルテンサイ
ト変態を起こさせ、ばね表層部の硬さの上昇を一層進め
ることができ、この結果ばねの疲労強度が更に向上す
る。
【0013】ここでこのショットピーニング処理は、従
来の圧縮残留応力を導入することを目的としたものでは
なく、残留オーステナイトの加工誘起マルテンサイト変
態を起こさせることを目的としたものである。またその
処理は、ばね成形加工後で、しかも1次低温焼鈍前に行
わなければならない。これは1次低温焼鈍後では、この
1次低温焼鈍処理時の加熱により加工誘起マルテンサイ
ト変態を発生させるための残留オーステナイトが分解し
てしまうからである。本発明においてもばねに圧縮応力
を付与するショットピーニング処理は、1次低温焼鈍後
に従来法と同様に実施するが、この1次焼鈍後のショッ
トピーニングは、ばねに圧縮の残留応力を導入して疲労
強度の向上に役立たせることができる。
【0014】ショットピーニング処理の加工度は、アー
クハイトで管理するのが一般的であるが、本発明の1次
低温焼鈍前のショットピーニング処理条件は、アークハ
イトで0.20mmA以上、0.60mmA以下とす
る。この理由は0.20mmA未満だと十分な加工誘起
マルテンサイト変態が起こらないからである。また0.
60mmA以下としたのは、0.60mmA超になると
残留オーステナイトのマルテンサイト変態量は多いが、
ばねの表面の粗さが大きくなり疲労強度の低下をきたす
からである。
【0015】また、ばね材料に5%以上の残留オーステ
ナイトが含有されていないと、ばね成形加工直後にショ
ットピーニング処理を行っても残留オーステナイトのマ
ルテンサイト変態が顕著に起こらず、このためばね表層
部の硬さの上昇は通常の加工硬化の範囲であるため、ば
ねも疲労強度の向上は起こらない。また残留オーステナ
イトが20%超では、本発明を行ってもマルテンサイト
に変態しない残留オースナイトが残るため材料の強度が
低下する。
【0016】
【実施例】表1は供試材の化学成分である。本発明者は
表1の線材を用いて、残留オーステナイト量が異なる2
種類のオイルテンパー線を作成した。表2の材料No1
は残留オーステナイト量が少ない比較例で、材料No2
は残留オーステナイト量が5%以上の本発明である。図
1は、ばねの製造方法の説明図で、A法は、ばね成形加
工と1次低温焼鈍の間にショットピーニングのない比較
例であり、B法はばね成形加工と1次低温焼鈍の間にア
ークハイトで0.20〜0.60mmAのショットピー
ニングを行った本発明である。
【0017】
【表1】 供試材の化学成分(wt%)
【0018】
【表2】 供試オイルテンパー線の機械的性質、残留オ
ーステナイト量
【0019】本発明者は、表2のオイルテンパー線を用
い、図1の方法により表3の仕様のばねを作成した。表
4に各ばねの作成の過程における残留オーステナイト量
の変化を示した。
【0020】
【表3】 ばねの仕様
【0021】
【表4】 残留オーステナイト量の変化
【0022】表4より明らかなように、ばね成形加工後
で1次低温焼鈍前にショットピーニングを行った本発明
の2Bは、このショットピーニングがない特開平3−1
62550号の方法による2Aに比べて、一次低温焼鈍
前における残留オーステナイト量が顕著に少なく、この
ため本発明の2Bではマルテンサイト変態が十分に進行
したことがわかる。
【0023】図2は、表4の各ばねの1次低温焼鈍後の
硬さ分布を示す図である。図2にみられる如く、本発明
の2Bは、ばね成形加工とショットピーニングの両工程
で残留オーステナイトが十分に加工誘起マルテンサイト
に変態したため、ばね表層部の硬さが、ショットピーニ
ングを行わない2Aよりも高い。また残留オーステナイ
トが5%未満の1Bはショットピーニングを行っても、
加工誘起マルテンサイトへの変態が少ないために、通常
の加工硬化範囲を超える顕著な硬度の上昇はない。
【0024】図3は、表4の各ばねの2次低温焼鈍後の
S−N線図である。オイルテンパー線の残留オーステナ
イトが5%未満の1A,1Bは疲労強度が低い。ばね成
形加工で加工誘起マルテンサイトが形成された2Aは疲
労強度が向上するが、しかし本発明の2Bより劣る。ば
ね成形加工とショットピーニングの両工程で加工誘起マ
ルテンサイトを十分に形成した本発明の2Bは疲労強度
の向上が顕著である。
【0025】
【発明の効果】本発明は5%以上の残留オーステナイト
を含有したオイルテンパー線を用いて残留オーステナイ
トの加工誘起マルテンサイト変態を最大限に起こさせる
ばねの製造方法である。この結果ばね成形加工によって
十分に加工誘起マルテンサイト変態しなかった残留オー
ステナイトにもショットピーニング処理を行うことによ
り加工誘起マルテンサイト変態をおこさせ、ばね表層部
の硬さを上昇させることにより、ばねの疲労強度の著し
い向上をもたらすことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】:実施例における各ばねの製造方法の説明図。
【図2】:実施例の各ばねの1次低温焼鈍後の硬さの分
布を示す図。
【図3】:実施例の各ばねのS−N線図

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】体積比で5〜20%の残留オーステナイト
    を含有し残部は実質的に焼戻しマルテンサイトの金属組
    織のオイルテンパー線にばね成形加工を施し、ばね成形
    加工後に行われる1次低温焼鈍処理工程の前にアークハ
    イト値で0.20〜0.60mmAのショットピーニン
    グを行うことを特徴とする、耐疲労特性に優れたばねの
    製造方法。
JP14072797A 1997-05-30 1997-05-30 耐疲労特性に優れたばねの製造方法 Pending JPH10330840A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002063055A1 (fr) * 2001-02-07 2002-08-15 Nippon Steel Corporation Fil d'acier traite thermiquement pour ressort a haute resistance

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002063055A1 (fr) * 2001-02-07 2002-08-15 Nippon Steel Corporation Fil d'acier traite thermiquement pour ressort a haute resistance
US7575646B2 (en) 2001-02-07 2009-08-18 Nippon Steel Corporation Heat-treated steel wire for high strength spring

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