JPH10332082A - 耐圧容器 - Google Patents

耐圧容器

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JPH10332082A
JPH10332082A JP9138947A JP13894797A JPH10332082A JP H10332082 A JPH10332082 A JP H10332082A JP 9138947 A JP9138947 A JP 9138947A JP 13894797 A JP13894797 A JP 13894797A JP H10332082 A JPH10332082 A JP H10332082A
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JP
Japan
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pressure
inner shell
resistant container
base
gas
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JP9138947A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Kagawa
和彦 香川
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】(1)内側殻と外側殻との二重構造であって、軽
量であるにも拘らず耐圧性に優れ、(2)内側殻とフラン
ジとの界面部のガスシール性に優れ、(3)製造工程が簡
単で低コストで製造可能な耐圧容器を提供すること。 【解決手段】 内側殻と外側殻との二重構造を有し、少
なくとも一方の極部にフランジが取付けられてなる耐圧
容器において、このフランジの一端側が内側殻の肩部に
円筒状の形状にされて埋設され、この埋設部の表面が粗
面にされてなり、かつ接着樹脂層が形成されてなり、他
端側にノズルやオリフィスなどを連接・緊締め可能とさ
れてなる耐圧容器を要旨とする。 【効果】 上記課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液化石油ガス
(LPG:Liquefied Petroleum Gas)を保管する家庭用
LPGボンベ、自動車などに搭載するのに適した自動車
用液化石油ガスボンベ、圧縮天然ガス(CNG:Compre
ssed Natural Gas)、酸素や窒素などを保管する産業用
ボンベとして使用できる耐圧容器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の排ガスによる環境悪化を
防ぐことを目的として、いわゆる無公害車が開発され一
部実用化されている。例えば、メタンを主成分とした天
然ガスを燃料として稼働する自動車が低公害車として認
定されており、世界中で既に約100万台の実績があ
る。この際使用される天然ガスは、圧縮天然ガスであ
り、その圧力は20MPa〜25MPaとかなり高圧で
あり、従って、耐圧性能を有するボンベが必要であり、
従来は鋼鉄製の高圧ボンベが使用されている。
【0003】自動車の燃料として天然ガスを使用する場
合、搭載するボンベとしては、動力性能の向上、衝突エ
ネルギーの緩和、燃費の向上などの観点から、軽量のボ
ンベが望ましい。鋼鉄製のボンベに替わるものとして、
アルミ製のライナーに炭素繊維で補強したものも使用さ
れているが、さらに軽量化をはかるために、プラスチッ
ク製のライナーを使った全体が樹脂よりなるボンベも開
発されている(例えば、特公平5−88665号公報な
ど参照)。
【0004】この特公平5−88665号公報に記載の
ボンベは、ガスバリア性を有する樹脂製の内側殻(内側
壁)を、耐圧性のFRP(繊維強化プラスチック)製の
外側殻(外側壁)で覆われてなるガスボンベで、本質的
に樹脂からなるので金属製のものにくらべてかなり軽量
であり、これを自動車用の天然ガスボンベとして用いる
と、燃費の向上が期待できる。
【0005】このようなガスボンベは、ボンベ内へガス
を充填したり、ボンベ内からガスを取出すためのノズル
を取付けるために、ノズル取付用の口金が設けられる。
口金部分は、通常、内側殻と一体的に結合されるが、ノ
ズルを螺合させるための口金部分は通常金属製であり、
内側殻は軽量化または製造工程の簡素化の観点から口金
部分とは異種の材料(上記のような樹脂またはFRPや
軽金属)から構成されるので、内側殻と口金部分との結
合部または界面部のシール性が重要になる。特に、前述
の自動車用CNGタンクと呼ばれるガスボンベなどにあ
っては、25MPa程度もの高圧ガスが充填されるの
で、極めて高いガスシール性が要求される。従来のガス
ボンベでは、この内側殻と口金部分との結合部または界
面部のガスシール性が、未だ不十分であった。
【0006】樹脂製高圧ガスボンベにおいて、口金部分
のガスシール性を改良した技術として、特開平6−42
698号公報、特開平6−137433号公報、特開平
8−219387号公報などに記載の耐圧容器が提案さ
れている。
【0007】特開平6−42698号公報に記載の耐圧
容器は、内側殻端部の上下リップで口金部分の円盤状フ
ランジ部を受容する構造とすることにより、口金部分の
ガスシール性を高める構造としているが、内側殻の内壁
面に口金部分の端部が露出し、この口金部分の端部に直
接ガス内圧がかかるので、圧力容器の製造直後にはガス
漏れがなくても、製品容器を長期間使用しているうち
に、内側殻の樹脂がクリープを起して収縮し、内側殻と
口金部分との界面にすき間が生じ、界面のすき間からガ
ス漏れが発生する恐れがある。
【0008】また、特開平6−137433号公報に記
載の耐圧容器は、口金の円盤状フランジ部の上下面に錠
止溝を設け、かつ、この上下の錠止溝に合致するタブを
内殻端部に形成させて結合することにより、高圧ガス保
管時、内圧によって容器膨張時に内側殻が膨張し、円盤
状フランジ上下面の錠止溝に接合されている両リップ部
にせん断力が働き、両リップを引き剥がそうとする力に
錠止溝で対抗する構造とされてなるものである。しか
し、この耐圧容器も内側殻の内壁面に口金部分の端部が
露出し、この口金部分の端部に直接ガス内圧がかかるの
で、上記したと同様の理由でガス漏れが発生する恐れが
ある。
【0009】さらに、特開平8−219387号公報に
記載の耐圧容器は、ブロー成形で製作した内側殻の開口
部内側に口金を介在させ、この内側殻の肩部にゴムなど
のシールリングを嵌着し、金属などの押圧部材でシール
リングを押圧し、その上からフィラメントワインディン
グ成形する構造により、ガスシール性を高めることを目
的としている。シールリングの押圧部材が金属でも、シ
ールリングの嵌着部が樹脂製の内側殻だけであり、耐圧
容器の製造直後にガス漏れがなくても、製品容器を長期
間使用しているうちに、内側殻のプラスチックがクリー
プをおこして収縮し、ガス漏れが発生する恐れがあるの
は、上記の圧力容器におけると同様である。それに応じ
てシールリングを増やそうとしても、製品容器を分解し
なけらばならず、また、劣化したシーリングを交換する
場合にも製品容器の分解が必要で、繁雑であるばかりで
なく不経済である。
【0010】
【発明が解決しようとした課題】本発明は、かかる状況
にあって、上記の諸欠点を一挙に解決した圧力容器を提
供すべく鋭意検討の結果本発明を完成するに至ったもの
である。本発明の目的は次の通りである。 1.内側殻と、外側殻との二重壁構造を有し、軽量であ
るにも拘らず耐圧性にも優れた耐圧容器を提供するこ
と。 2.内側殻と口金部との界面部のガスシール性が優れ、
内側殻材がクリープ等により収縮したり、シーリング材
が劣化した場合でも容易に対応することができる耐圧容
器を提供すること。 3.製造工程が簡単で、かつ、低コストで製造すること
ができる耐圧容器を提供すること。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、ガスバリア性を有する内側殻と、この
内側殻を覆うように設けられた耐圧性の外側殻と、これ
ら両殻より構成される容器の少なくとも一方の極部に口
金部が取付けられてなる耐圧容器において、口金部の一
端側が内側殻の肩部に円板状の形状にされて埋設され、
この埋設部の表面は粗面にされてなり、かつ、接着樹脂
層が形成されてなり、他端側は円筒状の首部とされて外
側殻の開口部からその中心軸に沿って外方に突出されて
なり、ノズルやオリフィスなどを緊締め可能にされてな
ることを特徴とする耐圧容器を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る耐圧容器は、内側殻(内側壁)と外側殻
(外側壁)との二重の殻(壁)によって構成される。内
側殻は、耐圧容器の芯体として機能し、かつ、加圧され
たガスを収納して漏らさないように機能する。内側殻
は、例えば薄いアルミニウム合金やマグネシウム合金等
の軽合金、ガスバリア性を有する樹脂材料、繊維強化プ
ラスチック(FRP)などから製造することができる。
中でも、ガスバリア性を有する樹脂材料が好ましく、そ
の具体例としては、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリアミド類、ABS樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リアセタール、ポリカーボネートなどが挙げられる。
【0013】内側殻は、その素材が軽合金である場合
は、圧延加工法、押出加工法などによって製造すること
ができる。素材がFRPの場合は、補強繊維を含む樹脂
を原料とし、従来から知られている成形法によって製造
できる。樹脂としては、上に例示したものであってよ
く、補強繊維の種類は、後記する外側殻を調製する際に
使用できる後記するものの中から選べばよく、また、繊
維長は2〜10mm程度の短繊維が好適である。その素材
が樹脂材料である場合は、圧縮成形法、ブロー成形法、
射出成形法などの成形法によって製造することができ、
中でも、回転成形法によるのが好適である。
【0014】内側殻の壁面はガスバリア性を有する必要
があるが、樹脂材料自体が優れたガスバリア性を具備し
ている場合は、特に壁面のガスバリア性を向上させる手
段を講ずる必要はない。材料自体のガスバリア性が不十
分な場合は、(1)内側殻の壁面を多層にする方法、(2)内
側殻の内壁および/または外壁に、別途ガスバリア層を
形成する方法などにより向上させることができる。
【0015】上記(1)の方法としては、内側殻を回転成
形法で製造する際に、例えば、外側壁面をポリエチレン
などで形成した後に、内側にガスバリア性に優れたポリ
アミド樹脂の層を形成する方法などが挙げられる。上記
(2)の方法としては、回転成形法で製造した内側殻の外
側壁面に、アルミニウム、銅、ニッケル、クロムなどの
金属のメッキ被膜を形成する方法などが挙げられる。こ
の場合、内側殻は多層とし、内壁および/または外壁に
金属メッキ被膜を形成し易い樹脂層を配置するのが好ま
しい。
【0016】外側殻は、内側殻を覆うように設けられて
製品容器の耐圧性能を向上させるように機能する。製品
容器の耐圧性能を向上させ、同時に軽量化を達成するた
めには、外側殻は繊維強化プラスチック(FRP)で構
成するのが好適である。内側殻の外周壁を覆うようにF
RP製の外側殻を形成するには、上記内側殻の外周壁
に、フィラメントワインディング法やテープワインディ
ング法によって、樹脂を含浸させた補強繊維糸の巻層を
形成し、ついで樹脂を加熱して溶融または硬化させて成
形することによって外側殻とすることができる。
【0017】外側殻の強度、厚さなどは、耐圧容器の形
状・大きさ、充填するガスの種類・圧力などに応じて選
ぶことができる。外側殻の強度は、巻層を形成する補強
繊維糸の種類、巻付ける形態、巻付ける厚さ、樹脂の種
類、樹脂の厚さなどを種々組合わせることにより、目的
に合った好適な範囲のものとすることができる。
【0018】巻層を形成するための補強繊維としては、
高強度、高弾性率繊維が好適で、具体的には、炭素繊維
糸、ガラス繊維糸、有機高弾性率繊維(たとえばポリア
ラミド繊維)糸などが挙げられ、これらは1種類でも2
種類以上を併用することもできる。これらの補強繊維糸
は、屈曲による応力集中を小さくし、ボイドの発生を少
なくすることができるという意味で、開繊性に優れる無
撚繊維糸であってもよい。このような補強繊維糸の中で
は、比強度、比弾性率に優れ、ワインディング時の糸切
れや毛羽の発生がほとんどなく、生産性の向上はもとよ
り、糸の継ぎ目や毛羽の混入による強度特性の低下防
止、耐衝撃性能の低下防止などの観点から、炭素繊維糸
が特に好ましい。
【0019】外側殻形成用の樹脂としては、エポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹脂、フェノ
ール樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリアミド類、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、A
BS樹脂、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリプロピレ
ンなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0020】内側殻と外側殻とによって構成される容器
の少なくとも一方の極部に、一端が内側殻の肩部に円板
状の形状にされて埋設された口金部が取付けられる。口
金部は、後記図2より明らかな通り、一端が円板状の形
状にされ、円板状の両表面を内側殻の半球状の肩部の肉
厚部の中に埋設される。円板状の埋設部は、平板状、、
肩部4に沿った凸型状、逆の凹型状のいずれでもよい。
口金部の他端は、円筒状首部が円板状部に連接されてな
り、円筒状のままの構造(図2参照)としたり、円筒状
の先端に中央に穴を有し外方に延在した円板状部を連接
した構造(図6参照)に変形することができる。
【0021】フランジ製造用材料は、金属、樹脂いずれ
であってもよい。金属としては、アルミニウム、銅、ニ
ッケル、チタンの合金、これらの複合材料、およびクロ
ム・モリブデン合金が挙げられる。樹脂としては、ナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチ
ルペンテン、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンオ
キサイド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスル
フィド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリオキシベンジレン、ポリスルホンなどの高剛性
で耐熱性に優れたものが挙げられる。フランジ用材料
は、これら例示したものに限定されるものではない。金
属と樹脂とでは、金属材料が好ましい。
【0022】内側殻の肩部に埋設される口金部の円板状
の埋設部は、その表面が粗面化されている必要がある。
円板状の埋設部の表面を粗面化することにより、内側殻
の肩部とフランジの界面の接着強度を向上させることが
できる。埋設部表面の粗面化の程度は、JISB060
1に準拠して測定したRyが0.5〜500μmの範囲
内で選ぶのが好ましい。埋設部の表面を粗面化法として
は、サンドブラスト法、ショットブラスト法、グリッド
ブラスト法などにより、波型形状、三角波形状など任意
の形状の粗面とすることができる。
【0023】口金部の円板状の埋設部には、さらにその
表面に接着樹脂層を形成しておく。接着樹脂は、内側殻
の肩部と下側フランジの界面の接着強度を向上させる様
に機能する。接着樹脂としては、不飽和カルボン酸変性
のエチレン系樹脂が好適である。この不飽和カルボン酸
変性のエチレン系樹脂は、ポリエチレン、エチレン・α
−オレフィン共重合体などに、不飽和カルボン酸または
その誘導体をグラフトさせて変性したものを言う。この
接着樹脂は、グラフト量(測定法:赤外線分光光度計に
よる)が0.01〜10重量%、密度(測定法:JIS
K7112に準拠)が0.88〜0.945g/cm3
であり、MFR(測定法:JIS K7210、表1−
条件4に準拠)が0.05〜50g/10minのもので
ある。
【0024】グラフト量が0.01重量%未満では、金
属との接着性に劣り、10重量%を超えるものは製造し
難く、接着性にも劣り好ましくない。特に好ましいグラ
フト量は、0.1〜5重量%の範囲である。また、密度
0.88g/cm3 未満、または0.945g/cm3を超
えると、いずれも接着強度が劣り、好ましくない。さら
に、MFRが0.05g/10min未満、または50g
/10minを超えると、いずれも円板状埋設部に所望の
厚さの接着樹脂層を形成するのが困難となり、好ましく
ない。
【0025】上記性質を具備した不飽和カルボン酸変性
のエチレン系樹脂は、従来から知られている製造法によ
って製造することができる。例えば、(1)オレフィン系
重合体(1種のほか2種以上の混合物をも含む)および
グラフトモノマー(不飽和カルボン酸またはその誘導
体)を、ラジカル重合開始剤とともに事前に混合して混
合物とし、この混合物を押出機で溶融させてグラフト共
重合させる方法、(2)オレフィン系重合体(1種のほか
2種以上の混合物をも含む)を溶媒に溶解させ、ラジカ
ル重合開始剤、グラフトモノマーなどを添加してグラフ
ト共重合させる方法などが挙げられる。
【0026】口金部の円板状埋設部の表面には、あらか
じめ粗面化処理を施し、接着樹脂層を形成する。円板状
埋設部表面に接着樹脂層を形成するには、(1)粗面化処
理を施された口金部を接着樹脂の溶融温度に高めてお
き、その表面に接着樹脂の粉末を付着させ、フッ素樹脂
成形品で表面を押圧し密着させて接着樹脂層とする方
法、(2)粗面化処理を施された口金部を接着樹脂の溶融
温度に高めておき、その表面に接着樹脂製のフィルムを
押圧し密着させて接着樹脂層とする方法、などによるこ
とができる。
【0027】以下、本発明に係る耐圧容器を図面に基づ
いて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を越えない限
り、以下の記載例に限定されるものではない。なお、以
下に記載の例においては、耐圧容器の一方の極部にのみ
口金部を取付けた例を示したが、他方の極部にも同様の
手順で口金部を取付けることが可能である。また、口金
部を一方の極部にのみ取付けた場合には、他方の極部に
はボスを形成するのが好ましい。
【0028】図1は、本発明に係る耐圧容器の一例の側
面図である。図1において、耐圧容器1は、ガスバリア
性の内側殻と、この内側殻を覆うように設けた耐圧性の
外側殻2とを有する。この耐圧容器1は、全体として円
胴部と、その両端に半球状の肩部4と、半球状の肩部の
先端(極部)の少なくとも一方に口金部5が取付けられ
ている。
【0029】図2は、図1に示した耐圧容器の肩部と口
金部付近の部分拡大縦断面図である。耐圧容器1は、内
側殻3と肩部3aの極部が円筒状首部3bとされて外側
殻2の極部開口部2aから、円筒状首部3bの中心軸に
沿って外方に突出させる。円筒状首部3bの内側は、中
空状とされガス通路3cとされる。
【0030】口金部5は円筒状首部3bを外側から支持
し、一端側(耐圧容器の肩部側)の円板状埋設部5aは
内側殻の肩部3a,3a´の間に埋設され、かつ、外側
殻2の肩部4の極部開口部2aによって口金部首部5b
が保持される。円板状埋設部5aの表面は粗面化され、
かつ接着樹脂層5kが形成されている。口金部5の他端
側は口金部首部5bが、内側殻3の中心軸に沿って外方
に突出すようにされてなる。
【0031】図2に示した例では、口金部首部5bの内
側はガス通路3cに連通するガス通路5cとし、その先
端内側に雌ネジ5dを刻設して、耐圧容器にガスを充填
する際の充填口、耐圧容器に充填したガスを使用する際
のノズルやオリフィスなどの機器や部品を連接・緊締め
可能とする。
【0032】内側殻3を製造する際には、埋設部の表面
が粗面化され、この粗面化された部分に接着樹脂層5k
が形成された口金部5を、予め成形用金型の所定位置に
固定して成形するインサート成形法により、内側殻3に
一体的に結合させることができる。埋設部の表面が接着
樹脂層5kと内側殻3の肩部3aと3a´とは、両者と
も溶融状態で接着されるので、接着面が剥離することが
ない。
【0033】なお、口金部5の円板状埋設部5aを内側
殻の肩部3a,3a´の間に埋設させた構造とするに
は、口金部5を回転成形金型に固定する場合、肩部3a
´を形成する部分に樹脂の粉末を入れて成形金型を加熱
して溶融させた後、口金部5の円板状埋設部5aを回転
成形金型側に移動させ、円板状埋設部5aによって肩部
3a´を金型に押圧する。この後通常の回転成形を継続
すれば、肩部3aが形成される。
【0034】また、内側殻3をブロー成形法によって製
造する際には、例えば、ナイロン6などのポリアミド類
などのガスシール性に優れた樹脂層を内層とした多層構
造とすることもできる。ブロー成形法、射出成形法によ
って製造する際にも、口金部5を予め成形金型に固定
し、内側殻3を成形して両者を溶融状態で一体的に結合
させることができる。
【0035】内側殻3を製造した後、得られた内側殻3
の外周面に補強繊維糸を巻き付け、この巻層の表面を外
側殻2形成用の樹脂で被覆し、外側殻2とする。この
際、口金部5の円板状埋設部5aの上に外側殻2の肩部
4を形成し、この肩部4の開口部2aを口金部首部5b
に密着させるのが好ましい。肩部4の開口部2aは、上
記の通り、締め付けナット6によって円板状埋設部5a
側に緊締される。
【0036】内側殻3に充填した高圧ガスが漏洩する場
合は、内側殻3と口金部5の円板状埋設部5aとの界面
が部分的に剥離して漏洩通路ができることに起因する場
合が多い。本発明に係る耐圧容器は、口金部5の円板状
埋設部5aの表面が粗面化されており、かつ、埋設部5
aの表面には接着樹脂層5kが形成されており、界面の
接着強度が高いので剥離は起こり難い。
【0037】界面部分の接着強度を高くし剥離が起こり
難くするために、さらに、(1)口金部首部5bにおい
て、内側殻3の円筒状首部3b端面5jを溝状の構造と
する、(2)円板状埋設部5aの表面に複数個の縦断面が
鳩尾状を呈する鳩尾状突起5fを設ける、(3)円板状埋
設部5aに一方の面から他方の面に貫通した複数個の穴
5gを穿設する、などの方法を組合せて採用することも
できる。上記(1)の例として図3に部分拡大縦断面図
(a),(b)として示し、上記(2)の例として図4に部分拡大
縦断面図として示し、上記(3)の例として図5に部分拡
大縦断面図としてそれぞれ示した。
【0038】本発明に係る耐圧容器は、これに充填され
るガスの種類は制限されるものではなく、天然ガス、液
化石油ガス、窒素、酸素、ヘリウムガス、アルゴンガス
などが挙げられる。
【0039】[試験例1]図1、図2に示した構成で、
かつ、容量76リットルの二層の殻よりなる耐圧容器を
作製した。この耐圧容器に、内圧25MPaになるよう
にヘリウムガスを充填し、その耐圧容器を密閉容器中に
入れて1時間放置した後、ガスクロマトグラフィーによ
って密閉容器内のヘリウムガスの量を測定したところ、
ガスは検知されず、耐圧容器からのガス漏れは認められ
なかった。
【0040】[試験例2]試験例1に記載の例におい
て、口金部の円板状埋設部の表面を粗面化したが、接着
樹脂層を形成せず、実試験1におけると同じ方法で耐圧
容器作成した。試験例1におけると同様に、この耐圧容
器に内圧25MPaになるようヘリウムガスを充填し、
その耐圧容器を密閉容器中に入れて1時間放置した後、
ガスクロマトグラフィーによって密閉容器内のヘリウム
ガスの量を測定したところ、検知ガス量は20ccであっ
た(ガス透過率:0.26cc/時間・リットル)。この
例では、高圧のガスを充填した場合のガス漏れを完全に
は防止できない。
【0041】[試験例3]試験例1に記載の例におい
て、口金部の円板状埋設部の表面を粗面せず、接着樹脂
層を形成せず、実試験1におけると同じ方法で耐圧容器
作成した。試験例1におけると同様に、この耐圧容器に
内圧25MPaになるようヘリウムガスを充填し、その
耐圧容器を密閉容器中に入れて1時間放置した後、ガス
クロマトグラフィーによって密閉容器内のヘリウムガス
の量を測定したところ、検知ガス量は25ccであった
(ガス透過率:0.33cc/時間・リットル)。この例
でも、高圧のガスを充填した場合のガス漏れを完全に防
止できないことを意味している。
【0042】
【発明の効果】本発明は、次の様な特別に有利な効果を
奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。 1.本発明に係る耐圧容器は、内側殻と外側殻との二重
壁構造にされてなり、軽量であるにも拘らず耐圧性に優
れている。 2.本発明に係る耐圧容器は、口金部の円板状埋設部が
内側殻の肩部に埋設された構造とされ、両者の接触面積
が広くされているので、口金部の円板状埋設部と内側殻
との界面にガスの漏洩通路が形成され難く、ガス漏れを
効果的に防止することができる。
【0043】3.本発明に係る耐圧容器は、口金部の円
板状埋設部の表面が粗面化され、この粗面化された表面
に接着樹脂層が形成され、口金部の円板状埋設部と内側
殻との界面の接着強度が高められているので、界面にガ
スの漏洩通路が形成され難く、ガス漏れを効果的に防止
することができる。 4.本発明に係る耐圧容器は、口金部の円板状埋設部を
内側殻の肩部に埋設させ、両者の界面を完全にシールし
た後に従来法で外側殻を形成することができるので、製
造工程が簡単で、低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る耐圧容器の一例の側面図であ
る。
【図2】 図1に示した耐圧容器の肩部と口金部付近の
部分拡大縦断面図である。
【図3】 内側殻の円筒状首部の端面の変形例を示す部
分縦断面図である。
【図4】 円板状埋設部の変形の一例を示す部分縦断面
図である。
【図5】 円板状埋設部の変形の他の例を示す部分縦断
面図である。
【符号の説明】
1:耐圧容器 2:外側殻 3:内側殻 4:外側殻の肩部 5:フランジ 6:締め付けボルト

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスバリア性を有する内側殻と、この内
    側殻を覆うように設けられた耐圧性の外側殻と、これら
    両殻より構成される容器の少なくとも一方の極部に口金
    部が取付けられてなる耐圧容器において、口金部の一端
    側が内側殻の肩部に円板状の形状にされて埋設され、こ
    の埋設部の表面は粗面にされてなり、かつ、接着樹脂層
    が形成されてなり、他端側は円筒状の首部とされて外側
    殻の開口部からその中心軸に沿って外方に突出されてな
    り、ノズルやオリフィスなどを緊締め可能にされてなる
    ことを特徴とする耐圧容器。
  2. 【請求項2】 口金部の円板状の埋設部の表面の粗さ
    が、Ry0.5〜500μmである請求項1に記載の耐
    圧容器。
  3. 【請求項3】 接着樹脂層が、不飽和カルボン酸変性の
    エチレン系樹脂である請求項1または請求項2に記載の
    耐圧容器。
  4. 【請求項4】 内側殻の肩部中央に設けられた短筒状首
    部の先端が、この首部の中心軸に対して外方に突出した
    環状の係止溝とされてなる請求項1ないし請求項3のい
    ずれか1項に記載の耐圧容器。
  5. 【請求項5】 口金部の円板状の埋設部の上下面に、複
    数個の鳩尾状突起を形成するか、または、上下に貫通す
    る複数の穴が形成されてなる、請求項1ないし請求項4
    のいずれか1項に記載の耐圧容器。
  6. 【請求項6】 内側殻がプラスチックで構成され、外側
    殻が繊維強化プラスチックで構成されてなる、請求項1
    ないし請求項5のいずれか1項に記載の耐圧容器。
  7. 【請求項7】 口金部が、アルミニウム、銅、ニッケ
    ル、チタンの合金、これらの複合材料、およびクロム・
    モリブデン合金よりなる群から選ばれたものである、請
    求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の耐圧容
    器。
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