JPH10334424A - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JPH10334424A
JPH10334424A JP14251197A JP14251197A JPH10334424A JP H10334424 A JPH10334424 A JP H10334424A JP 14251197 A JP14251197 A JP 14251197A JP 14251197 A JP14251197 A JP 14251197A JP H10334424 A JPH10334424 A JP H10334424A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な強度が保持されるとともに、優れた耐
溶剤性を有し、しかも耐環境性の向上が図られた高品質
な磁気ヘッドを提供する。 【解決手段】 磁気ヘッド1は、ヘッド基板9と、ヘッ
ド基板9上に形成されたヘッド素子13と、ヘッド素子
13をヘッド基板9と挟むように配されたガード部材1
0と、ヘッド素子13から導出された外部接続用端子1
2と、一端が外部接続用端子12に接合され他端が外部
回路に接続されたフレキシブルケーブル11とを有す
る。このフレキシケーブル11と外部接続用端子12と
の接合部、及びガード部材10上の媒体摺動面とは反対
側の面の少なくとも一部が、エラストマー系樹脂により
被覆されている。ここで、上記エラストマー系樹脂は、
シリコン樹脂であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数個の薄膜磁気
ヘッドが組み合わされて構成される磁気ヘッドに関し、
特に耐環境性及び耐溶剤性の向上を図った磁気ヘッドに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録にはより高密度な記録が
求められており、これに対応すべく、磁気ヘッドの狭ト
ラック化及び低インダクタンス化が進められている。こ
のような高密度記録に適した磁気ヘッドとしては、特に
高転送速度の面において有利な、薄膜工程を適用して作
製される薄膜磁気ヘッドの需要が伸びてきている。
【0003】特に、薄膜磁気ヘッドが用いられた磁気ヘ
ッドとしては、例えば、データカートリッジ用の磁気記
録装置等に使用される、記録用磁気ヘッドと再生用磁気
ヘッドとを組み合わせた複合型の磁気ヘッドが挙げられ
る。この複合型の磁気ヘッドでは、記録用磁気ヘッドと
してインダクティブ型磁気ヘッドが用いられ、再生用磁
気ヘッドとして磁気抵抗効果型磁気ヘッドが用いられて
いる。
【0004】一般に、薄膜磁気ヘッドは、微細な薄膜パ
ターンにより磁気回路が形成されていることから、記録
及び/又は再生時に必要な外部電源との直接の接続が困
難である。
【0005】そこで、薄膜磁気ヘッドにおいては、外部
電源との接続のために、ヘッド基板上にCu等の膜によ
り外部接続用端子を形成し、この外部接続用端子にフレ
キシブルケーブルを圧着させて半田付けし、フレキシブ
ルケーブルが外部回路と接続するようになされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、薄膜磁気ヘ
ッドでは、上述のフレキシブルケーブルが圧着された後
に、各種溶剤による洗浄等の加工プロセスが加えられ
る。このため、フレキシブルケーブルと外部接続用端子
との接合部には、溶剤による洗浄やその他の加工に対す
る十分な信頼性が要求される。このため、通常の磁気ヘ
ッドには、図9に示すように、上記の接合部101と、
磁気ヘッド100を構成するガード部材102の媒体摺
動面とは反対側の面102aとを被覆するように、つま
り図中E部分を埋めるように適当な樹脂が配されて封止
されている。
【0007】また、フレキシブルケーブル103と外部
接続用端子との接合部101の接着強度を補強するため
に、磁気ヘッドを構成するヘッド基板104の媒体摺動
面とは反対側の面104aを被覆するように、つまり図
中F部分を埋めるように適当な樹脂が配されている。
【0008】上述のE部分及びF部分に配される樹脂と
しては、アセトン等に対する耐溶剤性及びフェライト、
アルティックAl23・TiC等のセラミックに対する
接着強度が要求される。そのため、これら条件を満足す
る樹脂としては、エポキシ樹脂が提案されている。特
に、磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいては、磁気抵抗効
果素子を破損させない約150℃以下で硬化するエポキ
シ樹脂が、フレキシブルケーブルと外部接続用端子との
接合上に配されて封止されている。
【0009】ところで、記録用や再生用の薄膜磁気ヘッ
ドを有する複合型の磁気ヘッドにおいては、実際の使用
環境下における十分な信頼性が要求される。特に、コン
ピュータの記憶装置用として使用される場合に、この薄
膜磁気ヘッドが満たすべき環境試験条件は、非常に厳し
く、例えば、40℃で湿度93%にて21日間保持した
際に初期特性や寸法を維持していなければならないとい
う条件である。
【0010】しかしながら、上述したように、フレキシ
ブルケーブルと外部接続用端子との接合部及びガード部
材の媒体摺動面とは反対側の面上の少なくとも一部、つ
まり図9中のE部分に、エポキシ樹脂が配された複合型
磁気ヘッドにおいては、高湿環境下にさらされるとエポ
キシ樹脂が膨潤してしまう。
【0011】エポキシ樹脂は、耐溶剤性及び接着強度を
向上させるために配されており、特に補強の観点から硬
度がかなり高いものが使われている。このため、上述し
たように、エポキシ樹脂が膨潤すると、図10に示すよ
うに、この膨潤により生じる外力が、分散して作用せ
ず、上記ヘッド基板104の側面に対向するように配さ
れたガード部材102に対して、このガード部材102
を押し出す方向、つまり図中I方向に作用してしまう。
その結果、ガード部材102が押し上げられ、ガード部
材102とヘッド基板104との接着面が破壊されてし
まい、記録や再生に支障をきたしてしまうといった問題
があった。
【0012】特に、再生ヘッドでは、ヘッド基板とガー
ド部材との接着面が、ヘッド基板上に形成された磁気抵
抗効果素子の再生ギャップを構成している。よって、再
生用ヘッドにおいては、上述したようにガード部材とヘ
ッド基板との接着面が破壊されると、再生ギャップが破
壊されることになり、再生特性が劣化してしまう。
【0013】そこで、本発明は、このような従来の実情
に鑑みて提案されたものであり、十分な強度が保持され
るとともに、優れた耐溶剤性を有し、しかも高湿度等に
対する耐環境性の向上が図られ、記録及び/又は再生が
良好に行われる高品質な磁気ヘッドを提供することを目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
本発明に係る磁気ヘッドは、ヘッド基板と、ヘッド基板
上に形成されたヘッド素子と、ヘッド素子をヘッド基板
と挟むように配されたガード部材と、ヘッド素子から導
出された外部接続用端子と、一端が外部接続用端子に接
合され、かつ他端が外部回路に接続されたフレキシブル
ケーブルとを有する。しかも、本発明に係る磁気ヘッド
は、フレキシブルケーブルと外部接続用端子との接合
部、及びガード部材上の媒体摺動面とは反対側の面の少
なくとも一部が、エラストマー系樹脂により被覆されて
いることを特徴とする。
【0015】以上のように構成された本発明に係る磁気
ヘッドによれば、フレキシブルケーブルと外部接合端子
との接合部及びガード部材の媒体摺動面とは反対側の面
の少なくとも一部が、エポキシ樹脂のように硬度が高く
なく優れた弾力性を有するエラストマー系樹脂により被
覆されていることにより、このエラストマー系樹脂が、
高湿度下において膨潤しても、膨潤により生ずる外力を
分散させる方向に容易に変形する。これにより、樹脂の
膨潤により生ずる外力を吸収することができ、外力がガ
ード部材に直接作用するのを回避することができる。し
たがって、本発明に係る磁気ヘッドによれば、ガード部
材と磁気ヘッドとの接着面が破壊されるのを防ぐことが
できる。
【0016】さらに、上記エラストマー系樹脂がシリコ
ン樹脂である場合、耐溶剤性の更なる向上を図ることが
できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気ヘッドの
好適な実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明す
る。ここで、本発明を適用した磁気ヘッドとして、記録
用磁気ヘッドと再生用磁気ヘッドとを有する複合型の磁
気ヘッドを取り挙げて説明する。なお、本発明に係る磁
気ヘッドとしては、この複合型の磁気ヘッドに限らず、
一般の薄膜磁気ヘッドに適用される。
【0018】本発明に係る磁気ヘッド1は、図1に示す
ように、記録用磁気ヘッド2(以下、単に記録ヘッド2
と呼ぶ。)と、この記録ヘッド2の両脇に平行に配設さ
れた一対の再生用磁気ヘッド3A、3B(以下、単に再
生ヘッド3A、3Bと呼ぶ。)とを有する複合型の磁気
ヘッドである。また、この複合型の磁気ヘッド1は、再
生ヘッド3Bの一方の脇に配設される消去用磁気ヘッド
5(以下、単に消去ヘッド5と称する)と、再生ヘッド
3Aの一方の脇に配設されるアウトリガ4とを備える。
【0019】さらに、この複合型の磁気ヘッド1は、記
録ヘッド2と一対の再生ヘッド3A、3Bと消去ヘッド
5とアウトリガ4とを一体に支持する支持部材6を備え
る。そして、複合型の磁気ヘッド1は、支持部材6を介
してアクチュエータ7が接続されている。すなわち、本
実施の形態に係る磁気ヘッド1は、アウトリガ4、再生
ヘッド3B、記録ヘッド2、再生ヘッド3A及び消去ヘ
ッド5がこの順序で支持部材6に取り付けられている。
【0020】そして、この複合型の磁気ヘッド1では、
再生ヘッド3Bと記録ヘッド2と再生ヘッド3Aとがこ
の順序で一体に接合された状態で、これらヘッドの一方
の主面が媒体摺動面8とされる。この媒体摺動面8は、
その断面形状が曲面とされてなる。
【0021】記録ヘッド2は、磁気信号を記録する際、
その内部に配されたコイルに対して所望の電流が供給さ
れることによって、磁気ギャップを介して漏れ磁界を発
生する。記録ヘッド2は、この漏れ磁界をテープ状磁気
記録媒体Tに印加することによって、磁気信号を記録す
る。
【0022】一方、再生ヘッド3A、3Bでは、磁気信
号を再生する際、テープ状磁気記録媒体Tに記録された
磁気信号から生ずる漏れ磁界をヘッド素子が検出する。
これにより、再生ヘッド3A、3Bは、テープ状磁気記
録媒体Tの磁気信号を再生する。
【0023】複合型の磁気ヘッド1では、上述の再生ヘ
ッド3Bと記録ヘッド2と再生ヘッド3Aとがこの順序
で接合されている。このため、複合型の磁気ヘッド1で
は、テープ状磁気記録媒体Tがいずれの方向に走行され
た場合でも、記録ヘッド2で記録された磁気信号が記録
された直後に、再生ヘッド3A、3Bのいずれか一方で
磁気信号が再生される。
【0024】消去ヘッド5は、媒体摺動面8に露出した
幅広な磁気ギャップを有しており、その内部に図示しな
いコイルが配されている。この消去ヘッド5では、一定
の直流電流が上記コイルに供給される。これにより、消
去ヘッド5には、上記コイルから磁界が発生して、磁気
ギャップを介して一様な漏れ磁界が発生する。消去ヘッ
ド5は、この漏れ磁界をテープ状磁気記録媒体Tに印加
することにより磁気信号を消去する。
【0025】アウトリガ4は、上述した消去ヘッド5と
は反対の端部に配設され、テープ状磁気記録媒体Tを安
定に走行させるためのものである。複合型の磁気ヘッド
1では、このアウトリガ4によりテープ状磁気記録媒体
Tと媒体摺動面8との当たり面積が大きくなり、テープ
状磁気記録媒体Tが安定的に走行する。
【0026】この複合型の磁気ヘッド1では、テープ状
磁気記録媒体Tに対して情報信号を磁気信号として記録
し、テープ状磁気記録媒体Tに記録された磁気信号を再
生する。このテープ状磁気記録媒体Tは、その長手方向
が図1中矢印G及びHで示す方向と平行になるように複
合型の磁気ヘッド1に当接する。このとき、テープ状磁
気記録媒体Tは、複合型の磁気ヘッド1を介して配設さ
れた図示しない付勢手段によって、複合型磁気ヘッド1
に押圧するように付勢される。
【0027】以上のように構成された本発明を適用した
複合型の磁気ヘッド1は、テープ状磁気記録媒体Tにデ
ータを記録する際に、データの信頼性を確保するため、
記録ヘッド2によりテープ状磁気記録媒体Tにデータを
記録すると同時に、記録されたデータを再生ヘッド3A
または再生ヘッド3Bにより再生し、記録されたデータ
を検証する。
【0028】すなわち、テープ状磁気記録媒体Tを複合
型の磁気ヘッド1に対して図1中矢印Gで示す方向に摺
動させて記録する際には、記録ヘッド2によって記録す
るとともに、記録した直後に、記録されたデータを再生
ヘッド3Aにより再生し、記録されたデータを検証す
る。また、テープ状磁気記録媒体Tを複合型の磁気ヘッ
ド1に対して図1中矢印H方向で示す方向に摺動させて
記録する際には、記録ヘッド2によって記録するととも
に、記録した直後に、記録されたデータを再生ヘッド3
Bにより再生し、記録されたデータを検証する。
【0029】上述のように構成された複合型の磁気ヘッ
ド1における再生ヘッド3A、3Bは、図2に示すよう
に、ヘッド基板9と、その側面上に形成された図示しな
い薄膜磁気回路と、ヘッド基板9と対向して上記薄膜磁
気回路をヘッド基板9と挟むように配設されたガード部
材10とを有する。
【0030】特に、本発明に用いられる再生ヘッド3
A、3Bには、図2に示すように、フレキシブルケーブ
ル11が薄膜磁気回路から導出された外部接続用端子1
2と接合した状態で配設されている。このフレキシブル
ケーブル11は、図示しない外部回路に接続している。
【0031】このように構成された再生ヘッド3A、3
Bは、再生のために必要な外部回路からの電流を、フレ
キシブルケーブル11を介して、ガード部材10とヘッ
ド基板9とに挟まれた薄膜磁気回路に導いて、ヘッド素
子に供給するようになされている。
【0032】本発明に用いられる再生ヘッド3A、3B
の薄膜磁気回路15としては、図3に示すように、薄膜
工程によってヘッド基板9上に一体形成されている4個
のヘッド素子13と、各ヘッド素子13から導出された
一対の引き出し導体14と、引き出し導体14の先端部
に形成された外部接続用端子12とを有する。このと
き、外部接続用端子12は、Cu等の薄膜から形成され
てなる。
【0033】ここで、再生ヘッド3A、3Bは、磁気抵
抗効果を利用して記録媒体からの信号を検出する磁気抵
抗効果型磁気ヘッドであり、ヘッド素子13として磁気
抵抗効果素子が用いられている。
【0034】上述したように、上記再生ヘッド3A、3
Bにおいては、引き出し導体14の先端部に形成された
外部接続用端子12が、フレキシブルケーブル11と接
合している。ここで、外部接続用端子12とフレキシブ
ルケーブル11との接合部分の様子を図4に示す。
【0035】図4に示すように、外部接続用端子12
は、フレキシブルケーブル11との接触部分12aを半
田付けされて接合されている。このとき、フレキシブル
ケーブル11には、外部接続用端子12との接触部分1
2a以外の部分に、隙間16が形成されており、外部接
続用端子12が隣同士互いに電気的に接続しないように
されている。
【0036】また、特に本発明に用いられるフレキシケ
ーブル11は、その両側面の近傍部の一部がエラストマ
ー系樹脂により被覆されている。ここで、このエラスト
マー系樹脂により被覆されている様子を図5に示す。
【0037】図5に示すように、フレキシブルケーブル
11と外部接合用端子12との接合部11a、及びガー
ド部材10の媒体摺動面とは反対側の面10aを含む部
分、つまり図5中のCで示す部分が、エラストマー系樹
脂により被覆されている。なお、ここで用いられるエラ
ストマー系樹脂としては、シリコン樹脂が耐溶剤性の点
から好ましい。
【0038】さらに、ヘッド基板9側のフレキシブルケ
ーブル面11b、及びヘッド基板9上の媒体摺動面8と
は反対側の面9aを含む部分、つまり図5中のDで示す
部分は、熱硬化性樹脂により被覆されている。これら樹
脂が配されていることにより、フレキシブルケーブル1
1と外部接合用端子12との接着強度が補強されてい
る。上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂が好まし
い。
【0039】特に、上記再生ヘッド3A、3Bにおいて
は、エラストマー系樹脂が上述のC部分に配されている
ことにより、高湿環境下においても、エポキシ樹脂が配
された従来の再生ヘッドのように、樹脂が膨潤してガー
ド部材を押し上げるといった現象を回避することができ
る。
【0040】すなわち、エラストマー系樹脂の硬度がエ
ポキシ樹脂の硬度よりも小さいことから、エラストマー
系樹脂が、高湿環境下で膨潤しても、図6に示すよう
に、膨潤により生ずる外力を分散する方向に容易に変形
することができる。その結果、樹脂の膨潤により生じた
外力がガード部材10に直接働くのではなく、エラスト
マー系樹脂自体がその外力を吸収するようになる。その
ため、樹脂の膨潤により生じた外力がガード部材10に
直接影響しないことから、ガード部材10とヘッド基板
9との接着面9bの破壊を回避することができて、安定
な再生が可能となる。
【0041】特に、再生ヘッド3A、3Bでは、ヘッド
基板9とガード部材10とが樹脂により接着されている
接着面9bが、ヘッド基板9上に形成されたヘッド素子
13の再生ギャップの一部を構成している。従来の再生
ヘッドでは、高湿環境下において、C部分に配された樹
脂が膨潤すると、樹脂がガード部材10を押し上げて、
ガード部材10とヘッド基板9との接着面9a、つまり
再生ギャップが破壊されてしまった。
【0042】よって、本発明に用いられる再生ヘッド3
A、3Bにおいては、このような従来の再生ヘッドに見
られた、樹脂の膨潤による再生ギャップの破壊現象を回
避することができる。これにより、再生特性における更
なる信頼性を得ることができる。
【0043】なお、C部分及びD部分に用いられる樹脂
は、ヘッド素子13を破壊しないために熱硬化温度が1
50℃以下のものであり、かつアセトンによる洗浄等に
耐える耐溶剤性が必要である。つまり、D部分に配され
る樹脂は、熱硬化温度が150℃以下のものであり、か
つ耐溶剤性に優れ、しかも外部接続端子12とフレキシ
ブルケーブル11との接着強度を補強するものであれば
良い。
【0044】また、C部分に配される樹脂は、熱硬化温
度が150℃以下のものであり、かつ耐溶剤性に優れ、
しかもガード部材10に樹脂の膨潤による外力を及ぼさ
ないものであれば良い。
【0045】なお、本発明に用いられる記録ヘッド2
は、再生ヘッド3A、3Bと同様に、ヘッド基板と、ガ
ード部材と、薄膜工程によってヘッド基板上に一体形成
された4個のヘッド素子と、各ヘッド素子から導出され
る引き出し導体と、この引き出し導体の先端部に形成さ
れた外部接続用端子とを有する。そして、記録ヘッド2
は、この外部接続用端子にフレキシブルケーブルが接合
されている。ここで、記録ヘッド2は、電磁誘導を利用
して記録媒体に信号を書き込むインダクティブ型磁気ヘ
ッドであり、磁気ギャップを有する磁気コアと、磁気コ
アに巻回された巻線コイルとを備えている。
【0046】特に、本発明に用いられる記録ヘッド2
は、再生ヘッド3A、3Bと同様に、フレキシブルケー
ブルと外部接合用端子との接合部及びガード部材の媒体
摺動面とは反対側の面を含む部分、つまり再生ヘッドに
おけるC部分に相当する部分が、エラストマー系樹脂で
覆われている。
【0047】従来の記録ヘッドでは、高湿環境下におい
て、C部分に配された樹脂が膨潤すると、樹脂がガード
部材を押し上げて、ガード部材とヘッド基板との接着面
が破壊されてしまい、媒体摺動面8を一定に保てず、安
定な記録が得られなかった。本発明に用いられる記録ヘ
ッド2においては、このような従来の記録ヘッドに見ら
れた、ガード部材とヘッド基板との接着面の破壊現象を
回避することができる。これにより、媒体摺動面8を一
定に保つことができ、記録特性における更なる信頼性を
得ることができる。
【0048】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について実験結
果に基づいて説明する。
【0049】実施例1 再生ヘッドとして、Ni−Znフェライトからなるヘッ
ド基板に、Ni−Znフェライトからなるガード部材を
樹脂で接着したものを用いた。
【0050】また、ヘッド基板とガード部材との接着面
の破壊現象は、フレキシブルケーブル近傍に配された樹
脂の特質だけでなく、ガード部材のアスペクト比(高さ
/厚さ)にも依存する。つまり、アスペクト比が小さい
と、接着面の破壊が生じやすい。これは、樹脂の膨潤に
よって発生した外力が、ガード部材にトルクとしてかか
ることに起因している。
【0051】再生ヘッドとしては、図7に示すようなガ
ード部材のアスペクト比が約0.79(0.604/
0.762)に設定されたものを用いた。
【0052】また、この再生ヘッドにおいては、図5の
C部分に相当する部分を以下に示すシリコン樹脂で、1
30℃〜150℃に1時間保持して硬化させ被覆させ
た。なお、図5のD部分に相当する部分は、従来の再生
ヘッドと同様にエポキシ樹脂で被覆させた。
【0053】 <本実施例で用いたシリコン樹脂の特性> 種類 ゴムタイプ、2液型 粘度 8000cp〜15000cp 固形分 100% 比重 1.0 硬度(硬化後) 21(ゴム状JISA) 硬化条件 130℃〜150℃、1hr この再生ヘッドを40℃、湿度93%とした高湿環境A
の下に保持して、ヘッド基板とガード部材との接着面の
破壊発生率を10日後及び20日後にて測定し、経時安
定性を調べた。
【0054】また、同様にして、この再生ヘッドを、1
2時間毎に25℃と40℃とに交互に変換させ、かつ湿
度95%とした高湿環境Bの下に保持して、ヘッド基板
とガード部材との接着面の破壊発生率を10日後及び2
0日後にて測定し、経時安定性を調べた。
【0055】実施例2 記録ヘッドとして、Al23・TiC(アルティック)
からなるヘッド基板に、アルミナ系セラミックからなる
ガード部材を樹脂で接着したものを用いた。
【0056】ここで、ガード部材は、アスペクト比が約
1.27(0.604/0.475)のものを用いた。
【0057】また、この記録ヘッドにおいては、図5中
のC部分に相当する部分を実施例1と同様なシリコン樹
脂を用いて、硬化させ被覆させた。
【0058】このような記録ヘッドについて、実施例1
と同様な高湿環境A及び高湿環境Bの下で、実施例1と
同様な測定を行った。
【0059】比較例1 再生ヘッドとして、フレキシブルケーブルの上側部分を
以下に示すエポキシ樹脂を90℃にて1時間保持して硬
化させて被覆された以外は、実施例1と同様なものを用
いた。
【0060】 <比較例で用いたエポキシ樹脂の特性> 種類 無溶剤タイプ、一液型 粘度 20000cp、(25℃、5rpm) ガラス転位温度 129℃ 硬度 約90(ショアーD) 硬化条件 90℃、1hr このような再生ヘッドについて、実施例1と同様な高湿
環境A及び高湿環境Bの下で、実施例1と同様な測定を
行った。
【0061】比較例2 記録ヘッドとして、図8に示すように、Al23・Ti
C(アルティック)からなるヘッド基板9dに、アルミ
ナ系セラミックからなるガード部材10dを樹脂で接着
したものを用いた。
【0062】ここで、ガード部材10dとしては、図8
に示すように、アスペクト比が約1.27(0.604
/0.475)のものを用いた。
【0063】また、この記録ヘッドにおいては、図5中
のC部分に相当する部分を比較例1と同様なエポキシ樹
脂を用いて、硬化させ被覆させた。
【0064】このような記録ヘッドについて、実施例1
と同様な高湿環境A及び高湿環境Bの下で、実施例1と
同様な測定を行った。
【0065】以上の測定結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】表1の結果から、実施例1の再生ヘッド及
び実施例2の記録ヘッドは、フレキシブルケーブルと外
部接続用端子との接合部、及び上記ガード部材上の媒体
摺動面とは反対側の面が、エラストマー系樹脂により被
覆されているため、ガード部材とヘッド基板との接着面
の破壊が全く発生しないことがわかった。
【0068】一方、従来のように、エポキシ樹脂が配さ
れた比較例1の再生ヘッド及び比較例2の記録ヘッドで
は、10日後に既にかなりガード部材とヘッド基板との
接着面の破壊が発生していた。特に、再生ヘッドは、表
1からも明らかなように、10日後には接着面の破壊発
生率が50%に、20日後には80%以上にも及んだ。
これは、再生ヘッドが、記録ヘッドよりもアスペクト比
が小さいため、接着面の破壊が生じ易いからである。
【0069】以上の結果から、フレキシブルケーブルと
外部接続用端子との接合部、及びガード部材上の媒体摺
動面とは反対側の面が、エラストマー系樹脂により被覆
されることによって、高湿環境下においてガード部材と
ヘッド基板との接着面の破壊が発生するのを回避するこ
とができることが判明した。その結果、耐環境性を向上
することができ、しかも記録再生の更なる安定化を図る
ことが可能となることがわかった。
【0070】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る磁気ヘッドにおいては、フレキシブルケーブルと
外部接続用端子との接合部、及びガード部材の媒体摺動
面とは反対側の面がエラストマー系樹脂により被覆され
ることによって、エラストマー系樹脂の硬度が従来用い
られていたエポキシ樹脂の硬度よりも小さいため、エラ
ストマー系樹脂が、高湿度下で膨潤しても、膨潤により
生ずる外力を分散させる方向に容易に変形することがで
きる。このため、この樹脂の膨潤により生じた外力がガ
ード部材に直接作用することを回避することができ、ガ
ード部材とヘッド基板との接着面が破壊されるのを防止
することができる。したがって、本発明によれば、耐環
境性に優れ、しかも記録再生特性の安定化が図られた磁
気ヘッドを提供することが可能となる。
【0071】さらに、本発明に係る磁気ヘッドにおいて
は、上記エラストマー系樹脂としてシリコン樹脂が用い
られることによって、耐溶剤性の向上を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した複合型磁気ヘッドの一例を示
す側面図である。
【図2】本発明を適用した複合型磁気ヘッドにおける再
生ヘッドの一例を示す斜視図である。
【図3】本発明を適用した複合型磁気ヘッドにおける再
生ヘッドの一例を示す要部正面図である。
【図4】本発明を適用した複合型磁気ヘッドにおけるフ
レキシブルケーブルの一例を示す要部正面図である。
【図5】本発明を適用した複合型磁気ヘッドにおける再
生ヘッドの一例を示す断面図である。
【図6】本発明を適用した複合型磁気ヘッドにおける、
高湿環境下での再生ヘッドの一例を示す断面図である。
【図7】実施例に用いた再生ヘッドの側面図である。
【図8】実施例に用いた記録ヘッドの側面図である。
【図9】従来の複合型磁気ヘッドにおける再生ヘッドの
一例を示す断面図である。
【図10】従来の複合型磁気ヘッドの再生ヘッドにおい
て、ガード部材とヘッド基板との接着面が破壊される様
子を示す断面図である。
【符号の説明】
1 複合型磁気ヘッド、2 記録ヘッド、3A、3B
再生ヘッド、9 ヘッド基板、10 ガード部材、11
フレキシブルケーブル、12 外部接続用端子、13
ヘッド素子、14 引き出し導体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘッド基板と、 上記ヘッド基板上に形成されたヘッド素子と、 上記ヘッド素子をヘッド基板と挟むように配されたガー
    ド部材と、 上記ヘッド素子から導出された外部接続用端子と、 一端が上記外部接続用端子に接合され、他端が外部回路
    に接続されたフレキシブルケーブルとを備え、 上記フレキシブルケーブルと外部接続用端子との接合
    部、及び上記ガード部材上の媒体摺動面とは反対側の面
    の少なくとも一部が、エラストマー系樹脂により被覆さ
    れていることを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 上記エラストマー系樹脂は、シリコン樹
    脂であることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 少なくとも1つの記録用磁気ヘッドと、 上記記録用磁気ヘッドの近傍に配された少なくとも1つ
    の再生用磁気ヘッドとを備える複合型の磁気ヘッドであ
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 上記フレキシブルケーブル上のヘッド基
    板側の主面の一部、及びヘッド基板上の媒体摺動面とは
    反対側の面の少なくとも一部が、熱硬化性樹脂により被
    覆されていることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 上記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂であ
    ることを特徴とする請求項4記載の磁気ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007029798A (ja) * 2005-07-22 2007-02-08 Advancel:Kk 基板洗浄装置
JP2007175882A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Seiko Epson Corp フレキシブル基板の実装方法、フレキシブル基板の実装構造、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド、及び液滴吐出装置

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