JPH1034742A - 液晶ポリマーフィルム及びその積層体 - Google Patents

液晶ポリマーフィルム及びその積層体

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JPH1034742A
JPH1034742A JP20921196A JP20921196A JPH1034742A JP H1034742 A JPH1034742 A JP H1034742A JP 20921196 A JP20921196 A JP 20921196A JP 20921196 A JP20921196 A JP 20921196A JP H1034742 A JPH1034742 A JP H1034742A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サーモトロピック液晶ポリマー又はそのポリ
マーアロイからなる液晶ポリマーフィルムにおいて、平
面方向における物性の異方向が解消されるとともに、線
膨張係数及び熱収縮率が小さく、かつ引張り弾性率の大
きい液晶ポリマーフィルム及びその積層体を提供する。 【解決手段】 サーモトロピック液晶ポリマー又はその
ポリマーアロイからなる液晶ポリマー分子が平面方向に
ランダムに配向した等方向性の液晶ポリマーフィルムで
あって、該フィルムの任意の平面方向における線膨張係
数が20ppm/℃以下、熱収縮率が0.05%以下及
び引張り弾性率が600kg/mm2以上であり、1つ
の平面方向の線膨張係数Aと他の平面方向の線膨張係数
Bとの比A/Bが0.3〜3の範囲にあることを特徴と
する液晶ポリマーフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平面物性の異方向
性が大幅に解消された平面物性の等方向性にすぐれた液
晶ポリマーフィルム及びその積層体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】サーモトロピック液晶ポリマー(以下、
単にLCPとも言う)は、溶融状態で液晶性を示すポリ
マーであり、高強度、高耐熱性、低熱線膨張率、高絶縁
性、低吸湿、高ガスバリアー性等の優れた性質を持って
おり、すでに射出成形部品や繊維等として実用化されて
いる。また、LCPフィルムも電子材料分野や包装分野
等にその用途が期待されている。ところが、LCPフィ
ルムは加工するためにダイから溶融押出しすると、その
分子が押し出した方向に著しく配向し、得られたフィル
ムは長尺方向(MD)に裂け目が入ってしまうか、裂け
目がなくてもフィルムの長尺方向(LCPの配向方向)
(MD)と幅方向(LCPの配向方向に対して垂直方
向)(TD)における引張り強度、引張り伸度、引張り
弾性率、線膨張率等の物性の異方向性が大きいという問
題があった。
【0003】このためLCPフィルムのMD/TDにお
ける異方向性を緩和する技術が提案されており、例え
ば、MD/TDにおける異方向性を緩和する技術とし
て、インフレーション法によるもの(特告平01−34
134号公報、特開平03−152131号公報、特開
平05−43664号公報)、回転ダイを使ったインフ
レーション法によるもの(特開昭63−199622号
公報、特開平01−130930号公報、特開平02−
89616号公報、特表平04−506779号公報)
などが提案されている。しかし、これらの方法によって
得られたLCPフィルムは、MD/TDにおける物性バ
ランスの問題は基本的に解決されるものの、液晶高分子
に固有の表面荒れ(表面平滑性の悪さ、厚みむら、筋
等)の問題が残り。未だ満足する物性を持ったLCPフ
ィルムは得られていない。特開平7−323506号公
報によれば、LCPフィルムの両面に合成樹脂フィルム
をラミネートした後、液晶ポリマーが溶融する温度で延
伸するLCPフィルムの製造方法が提案されている。こ
れによれば、液晶ポリマー分子が平面方向にランダムに
配向した均方向性のフィルムが得られる。しかし、本発
明者の実験によれば、この方法によって得られたLCP
フィルムの平面方向の物性は、線膨張係数が20ppm
/℃よりも高く、熱収縮率が0.05%よりも高く、ま
た、引張り弾性率が600kg/mm2よりも低く、液
晶ポリマーが本来持つ低線膨張率、低熱収縮率、高引張
り弾性率等の物性を十分にひきだしているとはいえな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、サーモトロ
ピック液晶ポリマー又はそのポリマーアロイからなる液
晶ポリマーフィルムにおいて、平面方向における物性の
異方向が解消されるとともに、線膨張係数及び熱収縮率
が小さく、かつ引張り弾性率の大きい液晶ポリマーフィ
ルム及びその積層体を提供することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、サーモトロピック液
晶ポリマー又はそのポリマーアロイからなる液晶ポリマ
ー分子が平面方向にランダムに配向した等方向性の液晶
ポリマーフィルムであって、該フィルムの任意の平面方
向における線膨張係数が20ppm/℃以下、熱収縮率
が0.05%以下及び引張り弾性率が600kg/mm
2以上であり、1つの平面方向の線膨張係数Aと他の平
面方向の線膨張係数Bとの比A/Bが0.3〜3の範囲
にあることを特徴とする液晶ポリマーフィルムが提供さ
れる。また、本発明によれば、サーモトロピック液晶ポ
リマー又はそのポリマーアロイからなり、充填剤を5〜
30容量%含有する液晶ポリマー分子が平面方向にラン
ダムに配向した等方向性の液晶ポリマーフィルムであっ
て、該フィルムの任意の平面方向における線膨張係数が
20ppm/℃以下、熱収縮率が0.1%以下及び引張
り弾性率が600kg/mm2以上であり、1つの平面
方向の線膨張係数Aと他の平面方向の線膨張係数Bとの
比A/Bが0.3〜3の範囲にあり、かつ該フィルムの
厚さ分布の平均値Cに対する該厚さ分布の標準偏差Dの
比D/Cが0.2以下であり、そのフィルム表面粗さR
Zが10μm以下であることを特徴とする液晶ポリマー
フィルムが提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明におけるサーモトロピック
液晶ポリマー(LCP)としては、従来公知の各種のも
のを用いることができる。このようなLCPとしては、
例えば、芳香族ジオール、芳香族カルボン酸、ヒドロキ
シカルボン酸等のモノマーから合成される、溶融時に液
晶性を示す芳香族ポリエステルがあり、その代表的なも
のとしては、パラヒドロキシ安息香酸(PHB)とテレ
フタル酸とビフェノールからなる第1のタイプのもの
(下記式1)、PHBと2,6−ヒドロキシナフトエ酸
からなる第2のタイプのもの(下記式2)、PHBとテ
レフタル酸とエチレングリコールからなる第3のタイプ
のもの(下記式3)がある。
【0007】
【化1】
【0008】
【化2】
【0009】
【化3】
【0010】本発明では、LCPを単独で用いる代わり
に、LCPを含むポリマーアロイを用いても良い。この
場合、LCPと混合あるいは化学結合させるアロイ用ポ
リマーとしては、融点220℃以上、好ましくは280
〜380℃のポリマー、例えば、ポリエーテルエーテル
ケトン、ポリエーテルサルホン、ポリイミド、ポリエー
テルイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリ
レート等が使用可能であるが、これらのものに限定され
ない。LCPと前記アロイ用ポリマーの混合割合は、重
量比で、10:90〜90:10が好ましく、より好ま
しくは30:70〜70:30である。LCPを含むポ
リマーアロイもそのLCPによるすぐれた特性を保有す
る。
【0011】本発明における合成樹脂フィルムには、多
孔質体フィルムと無孔質体フィルムが含有される。多孔
質体フィルムとしては、多孔質構造を有する各種のもの
が用いられ、その平均細孔径は0.05〜5.0μm、
好ましくは0.2〜1μmであり、空孔率は40〜95
%、好ましくは60〜85%である。このような多孔質
体フィルムを形成する合成樹脂としては、具体的には、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポエーテルエーテルケ
トン、ポリエーテルサルホン、ポリイミド、ポリエーテ
ルイミド、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリス
チレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、
ポリアミドイミドの他、ポリテトラフルオロエチレン、
テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共
重合体、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポ
リ三フッ化塩化エチレン等のフッ素樹脂等の熱可塑性樹
脂を例示することができる。これらの樹脂のうち、フッ
素樹脂は、その高い耐熱性によって熱圧着温度を高くす
ることができ、使用する液晶ポリマーを広く選択できる
ので好ましい。本発明で用いる好ましい多孔質体フィル
ムは、耐熱性、耐薬品性の点で延伸多孔質フッ素樹脂フ
ィルム、特に、延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン
フィルムである。樹脂多孔質体フィルムは、発泡法や溶
媒抽出法、固相延伸法、フィブリル化法等の従来公知の
方法で得ることができる。また、無孔質体フィルムとし
ては、前記樹脂の無孔質体フィルムが挙げられる。
【0012】本発明の等方向性LCPフィルムを得るに
は、先ず、LCP又はそのポリマーアロイ(以下、これ
らを単にLCPとも言う)の押出し成形フィルムを用意
する。この場合のLCPの押出し成形フィルムは、LC
Pの溶融物を、押出機を用い、その先端のTダイやイン
フレーションダイを通してフィルム状に押出し成形する
ことによって得ることができる。前記溶融温度は、液晶
ポリマーが溶融状態を示す温度である。押出し成形装置
としては、二軸押出機や、単軸押出機等の慣用の装置が
用いられる。押出し成形フィルムの厚さは、20μm〜
5mm、好ましくは50〜800μmである。前記のよ
うにして、LCPの押出し成形フィルムを得る場合、押
出し成形に際してのドラフト比を10以上、好ましくは
10〜20の範囲に規定するのが重要である。このよう
なドラフト比で押出し成形したLCPフィルムを原料フ
ィルムとして用い、これを延伸することにより、液晶ポ
リマー分子が平面方向にランダムに配向し、平面方向の
物性の異方向性が解消され、しかも線膨張係数及び熱収
縮率が小さく、かつ引張り弾性率の高い等方向性LCP
フィルムを得ることが可能になる。なお、前記ドラフト
比の意味は以下の通りである。 次に前記の様にして得たLCPの押出し成形フィルム
は、延伸処理するが、この場合の延伸処理は、LCPフ
ィルムの両面に合成樹脂フィルムを積層した積層体の形
態において延伸するのが好ましい。図1にこのLCPフ
ィルムの積層体フィルムの断面構成図を示す。図1にお
いて、AはLCPからなり、LCPの大部分が一方向に
配向したLCPフィルムを示す。一方、B−1及びB−
2は合成樹脂フィルム(以下、単に樹脂フィルムとも言
う)を示す。樹脂フィルムB−1及びB−2は同一又は
異ったものであることができる。
【0013】図1に示した積層体フィルムにおいて、L
CPフィルムAの融点は樹脂フィルムB−1、B−2の
融点、好ましくはその軟化点より低いことが必要であ
る。LCPは一般の熱可塑性樹脂とは異なり、その分子
が剛直分子であり、各分子のからみ合いがないために、
液晶転移温度より低い温度で延伸を行うと分子が伸びる
ことができず、延伸を円滑に行うことができない。一
方、液晶転移温度より高い温度で延伸を行うと粘度が低
すぎてドローダウンしてしまう。従って、LCPフィル
ムは、これをそのまま円滑に延伸することの非常に困難
なものである。しかしながら、図1に示したような樹脂
フィルムとの積層体の形態では、LCPフィルムAが溶
融しても、この溶融物は、溶融していない樹脂フィルム
B−1及びB−2によってそのフィルム形状が保持され
るので、延伸が可能となる。
【0014】図1に示した積層体フィルムにおいて、樹
脂フィルムB−1及びB−2は、無孔質体フィルムであ
ることができる。無孔質体フィルムをLCPフィルムに
熱圧着しても、そのフィルムはLCPフィルムに対して
は弱くしか接合しないため、延伸及び冷却後には、それ
らのフィルムは容易に剥離させることができる。この場
合の無孔質体フィルムの剥離強度は、500g/cmよ
り小さく、通常、1〜500g/cm、好ましくは2〜
100g/cm程度である。以下、このような積層体フ
ィルムを形成する積層体形成工程を含む等方向性LCP
フィルムの製造方法について詳述する。この方法は、積
層体形成工程、延伸工程、冷却工程及び剥離工程を含む
ものである。
【0015】(積層体形成工程)この工程は、LCPフ
ィルムAの両方の表面に対し、無孔質体フィルムB−1
及びB−2をそれぞれ熱圧着させ、積層体を形成する工
程である。熱圧着温度は、無孔質体フィルムB−1、B
−2は実質的に溶融させないが、LCPフィルムAの少
なくとも表面部、即ち、無孔質体フィルムB−1及びB
−2に接触するフィルムAの表面部のみ又は全体を軟化
させる温度である。LCPフィルムAの厚さは、特に制
約されないが、通常、20μm〜5mm、好ましくは5
0〜800μm、さらに好ましくは、80〜200μm
である。また、その両面に熱圧着させる無孔質体フィル
ムの厚さは、特に制約されないが、通常10〜200μ
m、好ましくは20〜100μmである。
【0016】前記積層構造のフィルムを好ましく得るに
は、LCPフィルムAの両方の表面に無孔質体フィルム
B−1及びB−2をそれぞれ加圧下及び加熱下で接触さ
せ、少なくとも表面部が軟化した状態のLCPフィルム
Aに無孔質体フィルムB−1、B−2をそれぞれ熱圧着
させる。この場合、液晶ポリマーフィルムAは、2つの
無孔質体フィルムB−1、B−2により、両側から挟ま
れていることから、その表面部のみに限らず、全体が軟
化状態であってもよい。このような熱圧着により、LC
PフィルムAの両面に、無孔質体フィルムB−1、B−
2が弱く接合された積層体が形成される。
【0017】前記のようにして積層体を製造する場合、
その熱圧着装置としては、一対の熱圧着ロールや、熱プ
レス装置が用いられる。熱圧着ロールを用いる場合、図
2に示すように、LCPフィルムAと2枚の無孔質体フ
ィルムB−1、B−2を、一対の熱圧着ロール1、1の
間の間隙部(クレアランス)に供給し、この熱圧着ロー
ル間の間隙部で熱圧着する。この場合、LCPフィルム
Aの両側に無孔質体フィルムB−1、B−2を供給す
る。LCPフィルムAは固体シート又は押出機のT−ダ
イから押出された軟化フィルム等であることができる。
一方、熱プレス装置を用いる場合、その熱プレス装置の
底板上に第1の無孔質体フィルムを敷設し、その上にL
CPフィルムを重ね、その上に第2の無孔質体フィルム
を重ね、その上から上板で所定時間加圧して熱圧着し、
冷却する。この場合、底板及び/又は上板を加熱し、L
CPフィルムの少なくとも表面部を軟化させる。前記積
層体フィルム形成工程で得られた積層体は、そのまま又
はいったん冷却した後、次の延伸工程へ送られる。
【0018】(延伸工程)この工程は、前記積層体フィ
ルム形成工程で得られた積層体フィルムを、その無孔質
フィルムは軟化させるが実質的に溶融せずにLCPフィ
ルムを軟化ないし溶融させる温度条件下で、1軸方向又
は2軸方向に延伸する。即ち、その液晶ポリマーの配向
方向と垂直の方向(TD)に延伸するか又はその液晶ポ
リマーの配向と同じ方向(MD)へ延伸するとともに、
それとは垂直方向(TD)へ延伸する工程である。この
場合、MDへの延伸倍率は1〜10倍、好ましくは1〜
5倍であり、TDへの延伸倍率は1.5〜20倍、好ま
しくは3〜15倍である。また、TDへの延伸倍率は、
MDへの延伸倍率の1.0〜5.0倍、好ましくは1.
5〜3.0倍に規定するのがよい。延伸スピードは20
%/秒以上、好ましくは20〜100%/秒、より好ま
しくは20〜50%/秒の範囲にするのがよい。また、
本発明の場合、2軸延伸するのが好ましい。延伸装置と
しては、従来公知の延伸装置を用いることができる。
【0019】(冷却工程)この工程は、前記延伸工程で
得られた積層体フィルム延伸物を冷却し、溶融状態のL
CPフィルムを冷却固化する工程であり、一対の冷却ロ
ールを用いて実施することができる。また、自然冷却に
より行うこともできる。
【0020】(剥離工程)この工程は、前記冷却工程で
得られた積層体フィルムから、その両表面に熱圧着され
ている無孔質体フィルムを剥離する工程である。前記し
たように、この無孔質体フィルムは、LCPフィルムに
対しては、剥離自在に弱く接合しているので、その無孔
質体フィルムを、LCPフィルムより上方に引張ること
により容易に剥離させることができる。
【0021】以上のようにして、等方向性LCPフィル
ムを得ることができる。このものは、平面物性の等方向
性にすぐれ、使用性において非常にすぐれたものであ
る。このフィルム厚さは、通常10〜300μm、好ま
しくは25〜125μmであるが、必要に応じ、延伸倍
率を調節することにより、さらに薄くすることもでき
る。
【0022】図1に示した積層体フィルムにおいて、そ
の樹脂フィルムB−1及びB−2は、いずれも多孔質体
フィルムとすることができる。多孔質体フィルムをLC
Pフィルムの両面に熱圧着する場合、その熱圧着に際し
ての圧着力が弱いと、その多孔質体フィルムは、LCP
フィルムに対しては弱く接合するため、延伸及び冷却後
には、それらのフィルムを容易に剥離させることができ
る。この場合の多孔質体フィルムの剥離強度は、500
g/cmより小さく、通常、1〜500g/cm、好ま
しくは2〜100g/cm程度に規定するのがよい。こ
のような積層体フィルムを形成する工程を含む等方向性
LCPフィルムの製造方法は、その積層体フィルム成形
後、前記と同様にして、延伸工程、冷却工程及び剥離工
程を順次行うことにより実施される。
【0023】また、多孔質体フィルムをLCPフィルム
の両面に熱圧着する場合、その熱圧着に際して圧着力を
強くすると、その多孔質体フィルムは、LCPフィルム
に対して強固に結合するため、延伸及び冷却後において
もそれらのフィルムは容易に剥離しない。従って、この
ような積層体フィルムを用いるときには、等方向性LC
Pフィルムの両面に多孔質体フィルムが強く接合した積
層体製品を作ることができる。この場合の多孔質体フィ
ルムの剥離強度は、0.5kg/cm以上であり、通
常、1kg/cm以上、好ましくは1.2kg/cm以
上に規定するのがよい。このような積層体フィルムを形
成する工程を含む等方向性LCPフィルム積層体の製造
方法は、その積層体フィルム形成後、前記と同様にし
て、延伸工程及び冷却工程を順次行うことにより実施さ
れる。この方法により、両面に多孔質体フィルムが強固
に結合した等方向性LCPフィルムが得られる。
【0024】図1に示した積層体フィルムにおいて、そ
の樹脂フィルムB−1及びB−2のうちの一方を多孔質
体フィルムとし、他方を無孔質体フィルムとすることが
できる。多孔質体フィルムをLCPフィルムに熱圧着す
る場合、その熱圧着に際しての圧着力を強くすると、そ
の多孔質体フィルムは、LCPフィルムに対しては強固
に接合するため、延伸及び冷却後においても、そのフィ
ルムを容易に剥離することができない。この場合の多孔
質体フィルムの剥離強度は、0.5kg/cm以上であ
り、通常、1kg/cm以上、好ましくは1.2kg/
cm以上に規定するのがよい。一方、無孔質体フィルム
をLCPフィルムに熱圧着する場合、その熱圧着に際し
て圧着力が強い場合であっても、その無孔質体フィルム
は、フィルムに対しては弱く接合するため、延伸及び冷
却後にはそのフィルムを容易に剥離することができる。
この場合の無孔質体フィルムの剥離強度は、500g/
cmより小さく、通常、1〜500g/cm、好ましく
は2〜100g/cm程度に規定するのがよい。このよ
うな積層体フィルムを形成する工程を含む等方向性LC
Pフィルムの製造方法は、その積層体フィルム形成後、
前記と同様にして、延伸工程、冷却工程及び剥離工程を
順次行うことにより実施される。この場合、剥離工程に
おいては、無孔質体フィルムのみが剥離される。この方
法により、片面のみに多孔質体フィルムが強固に結合し
た等方向性LCPフィルムが得られる。
【0025】本発明においては、前記原料LCPフィル
ムとして、充填剤を含有するLCP押出し成形フィルム
からなり、該充填剤の平均粒径が0.01〜50μmで
あり、かつ該充填剤の含有量が5〜30容量%であり、
さらに、フィルムの厚さ分布の平均値Cに対する該厚さ
分布の標準偏差Dの比D/Cが0.2以下であるLCP
フィルムを用いるのが好ましい。
【0026】一般的的に、押出し成形により得られる異
方向性LCPフィルムは、そのLCPの種類にもよる
が、繊維が集まってフィルムとなったような外観を示
し、縦方向(LCPの配向方向)(MD)に多くの縦筋
が見られ、横手方向(配向方向に対して垂直な方向(T
D)の厚みむらの激しいものである。また、LCPの押
出し成形フィルムに見られるこのような表面状態は、L
CPに他の熱可塑性ポリマーをアロイ化させた液晶ポリ
マーアロイの押出し成形フィルムの場合にも同様に生じ
る。このような表面状態のLCPフィルムは、非常に使
いにくいものであり、その用途は著しく制約されたもの
であった。これに対し、前記した充填剤を含有させた異
方向性LCPフィルムを原料フィルムとして用い、これ
を延伸させて得られる等方向性フィルムは、厚みむらの
ない、表面性状の非常に良いもので、そのフィルムの厚
さ分布の平均値Cに対するその厚さ分布の標準偏差Dの
比D/Cが0.2以下、好ましくは0.1以下、特に
0.01〜0.05の範囲にある。
【0027】充填剤を含有する原料LCPフィルムを得
るには、LCPに充填剤を加えて溶融混合し、得られた
混合物を押出機を用い、その先端のTダイやインフレー
ションダイを通してフィルム状に押出成形する。前記溶
融混合温度は、液晶ポリマーが溶融状態を示す温度であ
る。もちろん、充填剤が樹脂粉末の場合には、その樹脂
粉末が溶融する温度より低い温度である。混合装置とし
ては、二軸押出機、単軸押出機、ニーダー、ミキサー等
の慣用の混合装置が用いられる。押出しフィルムの厚さ
は、20μm〜5mm、好ましくは50〜800μmで
ある。このようにして得られる押出し成形フィルムは、
異方向性のフィルムではあるが、表面状態の良好なフィ
ルムであって、フィルムの厚さ分布の平均値Cに対する
厚さ分布の標準偏差Dの比D/Cが0.2以下、特に
0.05以下である。また、このフィルムの表面粗さR
zは、通常、10μm以下、特に、5μm以下である。
【0028】前記充填剤には、無機系及び有機系のもの
が包含される。無機系充填剤としては、たとえば、シリ
カ、アルミナ、酸化チタン等の金属酸化物;炭酸カルシ
ウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩;硫酸カルシウム、
硫酸バリウム等の金属硫酸塩;タルク、クレー、マイ
カ、ガラス等のケイ酸塩の他、チタン酸カリウム、チタ
ン酸カルシウム、ガラス繊維等が挙げられる。有機系充
填剤としては、LCPの加工温度において溶融しない耐
熱性樹脂粉末や、カーボン、グラファイト、カーボン繊
維等が挙げられる。前記耐熱性樹脂粉末としては、ポリ
イミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリ
エーテルエーテルケトン(PEEK)、フッ素樹脂(P
TFE、FEP、PFA、ETFE、CTFE、PVD
F、E−CTFE等)、耐熱性LCP等が挙げられる。
前記充填剤において、その平均粒径は0.01〜50μ
m、好ましくは0.1〜10μmである。また、充填剤
を含有するLCP中のその充填剤の含有量は、5〜30
容量%、好ましくは10〜20容量%である。充填剤の
含有量が前記範囲より多くなると、LCPフィルムの特
性が損れるようになるので好ましくない。充填剤の含有
量が少なすぎると、押出し成形フィルムのMDに縦すじ
が残るので好ましくない。
【0029】本発明によるLCPフィルムは、そのLC
Pの分子が平面方向にランダムに配向したもので、通常
のLCPフィルムに見られる平面物性の異方向性の解消
されたものであり、等方向性にすぐれた平面物性を有す
る。この場合の平面物性には、線膨張係数、熱膨張率、
熱収縮率、引張り伸度、引張り強度、引張り弾性率等が
包含される。本発明の等方向性LCPフィルムは、特
に、従来のLCPフィルムでは達成することの出来なっ
かった低められた線膨張係数及び熱収縮率を有すると同
時に、高められた引張り弾性率を有する。即ち、本発明
のLCPフィルムは、20ppm/℃以下、好ましくは
10ppm/℃以下、より好ましくは7ppm/%以下
の線膨張係数を有する。線膨張係数の下限値は、通常、
3ppm/℃程度である。また、本発明のLCPフィル
ムは、0.05%以下、好ましくは、0.03%以下の
熱収縮率を有する。熱収縮率の下限値は、通常、−0.
05%程度である。本発明のLCPフィルムは、600
kg/mm2以上、好ましくは1000kg/mm2以上
の引張り弾性率を有する。引張り弾性率の上限値は、通
常、1500kg/mm2程度である。
【0030】本発明のLCPフィルムは等方向性にすぐ
れた線膨張係数を有するもので、フィルムの1つの平面
方向の線膨張係数Aと他の方向の線膨張係数Bとの比A
/Bは、0.3〜3、好ましくは、0.5〜2の範囲に
ある。LCPフィルムを電子部品用フィルム材料、例え
ばICチップ実装用のインターポーザや、配線基板等と
して用いる場合には、前記線膨張係数の等方向性は非常
に重要であり、その線膨張係数に大きな異方向性がある
と、信頼性ある電子材料及び製品を得ることができなく
なる。本発明のLCPフィルムは、電子部品用フィルム
材料、特に、ICチップ用インターポーザ、TAB基
板、ASIC、MCM等として有利に用いられる。
【0031】本発明による充填剤含有LCPフィルム
は、表面状態にすぐれ、平滑な表面を有し、その厚さ分
布の平均値Cに対する該厚さ分布の標準偏差Dの比D/
Cは、0.2以下、好ましくは0.15以下、より好ま
しくは0.1以下である。また、そのフィルム表面粗さ
Zは、10μm以下、好ましくは5μm以下である。
その下限値は、通常、1μm程度である。
【0032】本発明のLCPフィルムには、他の合成樹
脂フィルムが積層されていないLCPフィルムの他、そ
の両面に合成樹脂フィルムが積層されている積層体フィ
ルム及びその片面に合成樹脂が積層されている積層体フ
ィルムが包含される。これらのLCPフィルムは、その
すぐれた耐熱性、機械的強度、電気特性、ガスバリヤー
性及び化学的安定性等に基づいて、電気・電子部品分野
や、包装分野等において広く利用することができる。
【0033】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0034】実施例1 サーモトロピック液晶ポリマー(住友化学社製、スミカ
スーパーE6000)を、単軸押出機(スクリュー径5
0mm)内で溶融し、その押出機先端のTダイ(リップ
長さ300mm、リップクリアランス2.5mm、ダイ
温度350℃)より、ドラフト比10の条件でフィルム
状に押出し、冷却して厚さ250μmの液晶ポリマーフ
ィルムを得た。この液晶ポリマーフィルムの両面に、厚
さ40μmの多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)フィルム(平均孔径0.2μm、空孔率80%)
を、一対の熱ロール(温度330℃、ロール周速2m/
分)を有するラミネーターで熱圧着した後、一対の冷却
ロール(温度150℃)を通して冷却した。この積層体
のPTFEフィルムの剥離強度は5g/cmであった。
次に、このようにして得た積層体を二軸延伸機で延伸し
た。この時の延伸条件は、延伸温度350℃、延伸倍率
MD方向1.3倍、TD方向3.9倍、延伸スピード2
0%/秒、であった。最後に、多孔質PTFEフィルム
を液晶ポリマーフィルムの両面から剥離し、厚さ50μ
mの液晶ポリマー延伸フィルム(a−1)を得た。
【0035】実施例2 サーモトロピック液晶ポリマー(住友化学社製、スミカ
スーパーE6000)90重量部と天然シリカ(平均粒
径3μm、電気化学社製FS−15)10重量部とを、
二軸押出機を用いて溶融混合するとともに、その先端の
ストランドダイから押出してペレタイザーでペレットに
成形した。次にこのペレットを単軸押出機(スクリュー
径50mm)内で溶融し、その押出機先端のTダイ(リ
ップ長さ300mm、リップクリアランス2.5mm、
ダイ温度350℃)より、ドラフト比10の条件でフィ
ルム状に押出し、冷却して厚さ250μmの液晶ポリマ
ーフィルムを得た。この液晶ポリマーフィルムの両面
に、厚さ40μmの多孔質ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)フィルム(平均孔径0.2μm、空孔率8
0%)を、一対の熱ロール(温度330℃、ロール周速
2m/分)を有するラミネーターで熱圧着した後、一対
の冷却ロール(温度150℃)を通して冷却した。この
積層体のPTFEフィルムの剥離強度は5g/cmであ
った。次に、このようにして得た積層体を二軸延伸機で
延伸した。この時の延伸条件は、延伸温度350℃、延
伸倍率MD方向1.3倍、TD方向3.9倍、延伸スピ
ード20%/秒、であった。最後に、多孔質PTFEフ
ィルムを液晶ポリマーフィルムの両面から剥離し、厚さ
50μmの液晶ポリマー延伸フィルム(a−2)を得
た。
【0036】実施例3 サーモトロピック液晶ポリマー(ポリプラスチックス社
製、ベクトラA950)を、単軸押出機(スクリュー径
50mm)内で溶融し、その押出機先端のTダイ(リッ
プ長さ300mm、リップクリアランス2.5mm、ダ
イ温度300℃)よりドラフト比10の条件でシート状
に押出し、冷却して厚さ250μmの液晶ポリマーフィ
ルムを得た。この液晶ポリマーフィルムの両面に、厚さ
40μmの多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)フィルム(平均孔径0.5μm、空孔率80%)
を、一対の熱ロール(温度320℃、ロール周速2m/
分)を有するラミネーターで熱圧着した後、一対の冷却
ロール(温度100℃)を通して冷却した。この積層体
のPTFEフィルムの剥離強度は1.5kg/cmであ
った。次に、このようにして得た積層体を二軸延伸機で
延伸した。この時の延伸条件は、延伸温度300℃、延
伸倍率MD方向1.6倍、TD方向3.2倍、延伸スピ
ード20%/秒、であった。このようにして、多孔質P
TFEフィルムを厚さ50μmの液晶ポリマーフィルム
の両面に積層接着させた液晶ポリマー延伸フィルム(a
−3)を得た。
【0037】実施例4 サーモトロピック液晶ポリマー(ポリプラスチックス社
製、ベクトラA950)90重量部と天然シリカ(平均
粒径3μm、電気化学社製FS−15)10重量部と
を、二軸押出機を用いて溶融混合するとともに、その先
端のストランドダイから押出してペレタイザーをペレッ
トに成形した。次にこのペレットを単軸押出機(スクリ
ュー径50mm)内で溶融し、その押出機先端のTダイ
(リップ長さ300mm、リップクリアランス2.5m
m、ダイ温度300℃)より、ドラフト比10の条件で
フィルム状に押出し、冷却して厚さ250μmの液晶ポ
リマーシートを得た(ドラフト比10)。この液晶ポリ
マーフィルムの両面に、厚さ40μmの多孔質ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)フィルム(平均孔径
0.5μm、空孔率80%)を、一対の熱ロール(温度
320℃、ロール周速2m/分)を有するラミネーター
で熱圧着した後、一対の冷却ロール(温度100℃)を
通して冷却した。この積層体のPTFEフィルムの剥離
強度は1.5kg/cmであった。次に、このようにし
て得た積層体を二軸延伸機で延伸した。この時の延伸条
件は、延伸温度300℃、延伸倍率MD方向1.6倍、
TD方向3.2倍、延伸スピード20%/秒、であっ
た。このようにして、多孔質PTFEフィルムを厚さ5
0μmの液晶ポリマーフィルムの両面に積層接着させた
液晶ポリマー延伸フィルム(a−4)を得た。
【0038】比較例1 サーモトロピック液晶ポリマー(住友化学社製、スミカ
スーパーE6000)を、単軸押出機(スクリュー径5
0mm)内で溶融し、その押出機先端のTダイ(リップ
長さ300mm、リップクリアランス1mm、ダイ温度
350℃)より、ドラフト比4の条件でフィルム状に押
出し、冷却して厚さ250μmの液晶ポリマーフィルム
を得た。この液晶ポリマーフィルムの両面に、厚さ40
μmの多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
フィルム(平均孔径0.2μm、空孔率80%)を、一
対の熱ロール(温度330℃、ロール周速2m/分)を
有するラミネーターで熱圧着した後、一対の冷却ロール
(温度150℃)を通して冷却した。この積層体のPT
FEフィルムの剥離強度は5g/cmであった。次に、
このようにして得た積層体を二軸延伸機で延伸した。こ
の時の延伸条件は、延伸温度350℃、延伸倍率MD方
向1.3倍、TD方向3.9倍、延伸スピード10%/
秒、であった。最後に、多孔質PTFEフィルムを液晶
ポリマーフィルムの両面から剥離し、厚さ50μmの液
晶ポリマー延伸フィルム(c−1)を得た。
【0039】比較例2 サーモトロピック液晶ポリマー(住友化学社製、スミカ
スーパーE6000)を、単軸押出機(スクリュー径5
0mm)内で溶融し、その押出機先端のTダイ(リップ
長さ300mm、リップクリアランス1mm、ダイ温度
350℃)より、ドラフト比4の条件でフィルム状に押
出し、冷却して厚さ250μmの液晶ポリマーフィルム
を得た。この液晶ポリマーフィルムの両面に、厚さ40
μmの多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
フィルム(平均孔径0.2μm、空孔率80%)を、一
対の熱ロール(温度330℃、ロール周速2m/分)を
有するラミネーターで熱圧着した後、一対の冷却ロール
(温度150℃)を通して冷却した。この積層体のPT
FEフィルムの剥離強度は5g/cmであった。次に、
このようにして得た積層体を二軸延伸機で延伸した。こ
の時の延伸条件は、延伸温度350℃、延伸倍率MD方
向1.3倍、TD方向3.9倍、延伸スピード20%/
秒、であった。最後に、多孔質PTFEフィルムを液晶
ポリマーフィルムの両面から剥離し、厚さ50μmの液
晶ポリマー延伸フィルム(c−2)を得た。
【0040】比較例3 サーモトロピック液晶ポリマー(住友化学社製、スミカ
スーパーE6000)90重量部と天然シリカ(平均粒
径3μm、電気化学社製FS−15)10重量部とを、
二軸押出機を用いて溶融混合するとともに、その先端の
ストランドダイから押出してペレタイザーでペレットに
成形した。次にこのペレットを単軸押出機(スクリュー
径50mm)内で溶融し、その押出機先端のTダイ(リ
ップ長さ300mm、リップクリアランス1mm、ダイ
温度350℃)より、ドラフト比4の条件でフィルム状
に押出し、冷却して厚さ250μmの液晶ポリマーシー
トを得た(ドラフト比4)。この液晶ポリマーフィルム
の両面に、厚さ40μmの多孔質ポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)フィルム(平均孔径0.2μm、空
孔率80%)を、一対の熱ロール(温度330℃、ロー
ル周速2m/分)を有するラミネーターで熱圧着した
後、一対の冷却ロール(温度150℃)を通して冷却し
た。この積層体のPTFEフィルムの剥離強度は5g/
cmであった。次に、このようにして得た積層体を二軸
延伸機で延伸した。この時の延伸条件は、延伸温度35
0℃、延伸倍率MD方向1.3倍、TD方向3.9倍、
延伸スピード10%/秒、であった。最後に、多孔質P
TFEフィルムを液晶ポリマーフィルムの両面から剥離
し、厚さ50μmの液晶ポリマー延伸フィルム(c−
3)を得た。
【0041】比較例4 サーモトロピック液晶ポリマー(住友化学社製、スミカ
スーパーE6000)を、単軸押出機(スクリュー径5
0mm)内で溶融し、その押出機先端のTダイ(リップ
長さ300mm、リップクリアランス1.0mm、ダイ
温度350℃)より、ドラフト比20の条件でフィルム
状に押出し、冷却して厚さ50μmの液晶ポリマーフィ
ルム(c−4)を得た。
【0042】以上で得た各々の液晶ポリマーフィルムの
物性を以下のようにして測定し、その結果を表1に示
す。 (1)TD厚さ分布 ダイヤルゲージのニードル型測定子(ミツトヨ社製、先
端R:0.4mm)を鉛直方向に向かい合わせて固定
し、100gの力で接触させる。つぎにこの測定子間に
サンプルフィルムをはさみ、TD方向に移動させる。こ
のようにして、フィルムのTDの厚さ分布データを得
る。 (i)平均値C 1000mm幅、0.5mm間隔で2000ポイント測
定し、その平均値を求めた。 (ii)標準偏差D 前記平均値Cに対する2000ポイントの標準偏差Dを
求めた。 (2)表面粗さRz JIS B 0601 に従って測定した。この場合、
表面粗さ計としては、東京精密社製、サーフコム150
0Aを使用した。 (3)線膨張係数 TMA法:荷重5g、200℃まで昇温後、150℃か
ら25℃への降温時に測定。試料幅4.0mm、チャッ
ク間隔10mm。 (4)熱収縮率 フィルムを100mm角にカットし、その角部の座標を
光学式3次元測定機で0.1μm単位で測定する。つぎ
にこのフィルムを200℃の恒温槽中に2時間放置した
後取り出し、同様に角部の座標を測定し、熱処理前後の
測定値より、MD、TDの熱収縮率を測定する。 (5)引張り弾性率 JIS K 7127 2号型試験片 引張り速度
50mm/分
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明のLCPフィルムは、液晶ポリマ
ー分子が平面方向にランダムに配向して、平面物性の異
方向性が解消されたもので、平面物性の等方向性にすぐ
れ、かつ低められた線膨張係数と熱収縮率を有すると同
時に、高められた引張り弾性率を有するものである。本
発明のLCPフィルムは未積層体フィルム又は積層体フ
ィルムの形態で、電気・電子材料分野及び包装材料分野
等において有利に利用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層体形成工程で得られる積層体シートの断片
構造図を示す。
【図2】図1に示す積層体シートの製造方法の1例につ
いての説明図である。
【符号の説明】
1 熱圧着ロール 2 案内ロール A 液晶ポリマーフィルム B−1、B−2 熱可塑性樹脂多孔質体フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 67:00 B29L 7:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーモトロピック液晶ポリマー又はその
    ポリマーアロイからなる液晶ポリマー分子が平面方向に
    ランダムに配向した等方向性の液晶ポリマーフィルムで
    あって、該フィルムの任意の平面方向における線膨張係
    数が20ppm/℃以下、熱収縮率が0.05%以下及
    び引張り弾性率が600kg/mm2以上であり、1つ
    の平面方向の線膨張係数Aと他の平面方向の線膨張係数
    Bとの比A/Bが0.3〜3の範囲にあることを特徴と
    する液晶ポリマーフィルム。
  2. 【請求項2】 サーモトロピック液晶ポリマー又はその
    ポリマーアロイからなり、充填剤を5〜30容量%含有
    する液晶ポリマー分子が平面方向にランダムに配向した
    等方向性の液晶ポリマーフィルムであって、該フィルム
    の任意の平面方向における線膨張係数が20ppm/℃
    以下、熱収縮率が0.1%以下及び引張り弾性率が60
    0kg/mm2以上であり、1つの平面方向の線膨張係
    数Aと他の平面方向の線膨張係数Bとの比A/Bが0.
    3〜3の範囲にあり、かつ該フィルムの厚さ分布の平均
    値Cに対する該厚さ分布の標準偏差Dの比D/Cが0.
    2以下であり、そのフィルム表面粗さRZが10μm以
    下であることを特徴とする液晶ポリマーフィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の液晶ポリマーフィルム
    の両面又は一方の面に合成樹脂フィルムが積層接着され
    ている液晶ポリマーフィルム積層体。
  4. 【請求項4】 該合成樹脂フィルムが、フッ素樹脂多孔
    質体フィルムである請求項3の液晶ポリマーフィルム積
    層体。
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