JPH1036136A - 歯科用セラミックス - Google Patents

歯科用セラミックス

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JPH1036136A
JPH1036136A JP8198143A JP19814396A JPH1036136A JP H1036136 A JPH1036136 A JP H1036136A JP 8198143 A JP8198143 A JP 8198143A JP 19814396 A JP19814396 A JP 19814396A JP H1036136 A JPH1036136 A JP H1036136A
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JP
Japan
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glass
oxide
weight
ceramic
tio
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JP8198143A
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English (en)
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Masahito Sekino
雅人 関野
Hideki Ono
秀樹 大野
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 技工操作が簡便であり、高強度、明度に優れ
た歯科用セラミックスを提供する。 【解決手段】 酸化珪素、酸化マグネシア、酸化アルミ
ニウム、酸化チタン、酸化カルシウム、並びにリン、バ
ナジウム、およびタンタルの酸化物からなる群より選ば
れる少なくとも一種の酸化物を主成分として含み、これ
らをそれぞれSiO2、MgO、Al2O3、TiO2、CaO、およびM2O
5、(M=P、V、Ta)に換算し重量百分率で含有量を表し
たとき、SiO2 :40〜50重量%、MgO :12〜26
重量%、Al2O3:6〜19重量%、TiO2 :10〜14重
量%、CaO :7〜16重量%、M2O5 :0.05〜0.
1重量%を満足する歯科用セラミックス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は歯科用セラミックス
の新規な組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】醸蝕等により部分的に欠損した歯の修復
に使用される材料としては、コンボジツトレジンと呼ぱ
れる無機物と有機物からなる複合材料、金属或はセラミ
ックスが用いられている。特に強度の要求されるブリッ
ジ、即ち欠損歯を補う不可撤式補綴物等には金属および
セラミックスが使用されている。中でもセラミックスは
耐摩耗性と審美性に優れるため修復、補綴材料としての
評価が非常に高い。
【0003】しかしセラミックスは一般に脆く、特に大
きな曲げ応カに耐えられないため、従来より金属の鋳造
体を下地として、その表面に金属焼付け陶材と呼ばれる
セラミックスを焼き付ける方法が用いられてきた。とこ
ろが、近年これまでセラミックスの欠点とされていた曲
げ強度が徐々に向上しつつあり、修復物、或は補綴物の
全ての部分をセラミックスで作製するオールセラミック
ス歯冠(フルセラミックス歯冠ともいう)が注目される
ようになった。オ一ルセラミックス歯冠は審美性の点で
金属焼付け陶材より圧倒的に優れている。これは金属焼
付け陶材が内部に金属の層をもつため光を透過せず、天
然歯の透明感を再現できないのに対しオールセラミック
ス歯冠は光を透過する半透明な材料が用いられているた
めである。ゆえにオールセラミックスの市場は近年拡大
傾向にある。
【0004】オ一ルセラミックス歯冠に用いられている
材料はガラスマトリツクス中に結晶粒子が析出したガラ
スセラミックスと呼ぱれる材料、もしくはガラスセラミ
ックスとアルミナ、ジルコニアといったセラミックス粉
末の複合体である。特にガラスセラミックスは結晶とガ
ラスマトリツクスの屈折率を調節することによって天然
歯と似た透明感が得られる特徴を有する。この透明感は
結晶の大きさの影響も大きく受ける。一般に析出した結
晶とガラスマトリツクスの屈折率差が小さい程、また結
晶の析出した結晶の大きさが小さい程透明になるため、
審美的に優位となる。
【0005】ガラスセラミックスは、先ず母ガラスから
結晶核と呼ばれる数十nmの微結晶を析出させる核形成工
程と、析出した結晶核を成長させる結晶化工程の二段階
の加熱処理によって作製される。ガラスセラミックスの
強度は、結晶化度、結晶形態等、組織の形態の影響を強
く受ける。一般的には析出した結晶の含有量(結晶化
度)が高くなるほど、また結晶粒径が均一で微細なほど
ガラスセラミックスは高強度になるとされている。これ
らには結晶化の初期条件、即ち核生成条件が微妙な影響
を及ぼしている。
【0006】このガラスセラミックスからなる歯冠を作
製するための一般的な方法は築盛法と鋳造法に大きく大
別される。
【0007】築盛法においては複模型上にセラミック粉
末を盛り上げ、これを焼結させるため、複雑な装置を必
要せず、短時間で修復物を作製できる点で簡便である。
【0008】築盛法に現在一般的に用いられている陶材
(ポーセレン)はリューサイトが析出したガラスセラミ
ックスである。築盛法においては上記のように焼結とい
う操作を用いるため、気泡が多数残留する。そのため曲
げ強度は70MPa程度であり歯冠材料として十分とは言え
ない。
【0009】これを解決するためにアルミナやジルコニ
アを予め築盛により焼結させ、セラミックス骨格を作製
し、この骨格にガラスを含浸させる方法もとられてい
る。この方法によって曲げ強度が500MPa以上示すものも
あるが、ガラスの含浸に多大な時間を要する。また含浸
の仕方によって強度は大きく変化し、安定的に物性を得
にくい欠点がある。また骨格に用いられているセラミッ
クスと含浸ガラスの間に屈折率差を生じ、天然歯に似た
色調が得にくい。
【0010】鋳造法は金属鋳造と同様に歯冠を遠心鋳造
を用いてガラス熔融物から作製するため、専用の鋳造機
を必要とする。その後にセラミングと呼ばれる結晶化処
理を施すため、全工程には現状最短でも約8時間程度の
時間を要し、複雑である。該鋳造法は高結晶化度のガラ
スセラミックスを得ることが可能であるが、一方では上
記のように専用の鋳造機を必要とし、かつ製造工程に長
時間を要とする。
【0011】鋳造法を用いた歯冠用のガラスセラミック
スの例としては、例えば特開平03−88744、特開平03−1
77340のように雲母結晶を析出させるマイカ系のガラス
や、特開昭62−36042、特開昭63−21236のようにメタリ
ン酸カルシユウム系のガラスを利用し、金属と同程度の
鋳造温度で鋳造可能なガラスセラミックスがある。
【0012】特に特開平03−177340においては500MP
aに到達する強度を有する組成が例示されているが、マ
イカ系のガラスセラミックスにおいては、フッ素を含有
するため、鋳造中の飛散により品質にばらつきがでやす
い欠点がある。メタリン酸カルシユウム系のガラスは機
械的強度が低く、またガラスが溶出しやすい組成であ
り、口腔内での長期使用には問題がある。
【0013】鋳造を用いる場合には、気抱の巻き込み、
鋳型材との反応等、広義の鋳造欠陥を起こし易い。ガラ
スは融液において活性であるため、接触した鋳型材と反
応し局部的に組成が変化したり、表面荒れを起こしたり
する。これらの鋳造欠陥によって強度低下、審美性の悪
化を招きやすい。
【0014】また鋳造法では一般的に鋳型内での冷却速
度が部分的に異なるため、ガラスセラミックスではガラ
スの冷却速度の差が組織の変化を引き起こし易い。この
組織変化は後の核形成工程に大きな影響を及ぼす。核生
成は極めて敏感な工程であり、上記冷却速度の影響のみ
でなく、核形成処理温度の影響も受ける。鋳造法の場合
にはこの核形成工程がユーザーに委ねられるため所望の
物性を再現しにくいのが現状である。
【0015】これらを解決する方法としてプレス成形
(加熱加圧成形)法が提案されている。プレス成形法と
は、結晶化処埋が完了しているガラスセラミックスブロ
ックを鋳造温度よりもかなり低い温度で加熱軟化させ、
加圧しながら鋳型へ注入成形し、歯冠を得るものであ
る。
【0016】プレス成形法では、核形成、結晶化工程を
予め工場サイドで行うことができるため歯冠成形が短時
間で可能であり、技工操作が極めて容易となる。上記作
成法では高粘性体を低速で鋳型へ注入成形するため、気
泡を巻き込まず、鋳型材との反応が起きない現在最も優
れたセラミックス歯冠の作製方法である。
【0017】現在プレス成形用に市販されているセラミ
ックスブロックはポーセレンと同様にリューサイトが析
出したガラスセラミックスである。またその製造方法は
ガラス粉末を成形焼結されてなるものであり、基本的に
セラミックスブロック中に気泡が多数存在している。そ
のためプレス成形は容易に進行するが、残留気泡のため
曲げ強度は200MPa程度であり歯冠材料として十分とは言
えない。
【0018】よって現在は技工操作が簡便であり、強度
の高い、歯冠に近い色調を再現できる材料は得られてい
ない。
【0019】また歯科材料・器械Vol.12 p128 (1993)
に記載されている”プレス成形可能な人工歯冠用CaO-Si
O2-MgO系結晶化ガラスに関する基礎的研究”および19
94年日本セラミックス協会春季年会講演要旨集p75記
載の”生体材料としてのディオプサイドの研究”におい
て、ディオプサイド(CaO・MgO・2SiO2)系の結晶化ガラ
スセラミックスが900℃以下で粘性流動を起こしプレス
成形可能であり、またその曲げ強度は400MPaを示すとの
報告がある。しかしこのガラスセラミックスは核形成剤
としてAg2Oを添加しているため、結晶化の進行に伴い生
成した銀コロイドが成長し灰黒色となり明度が低下し、
歯冠色の再現が困難であった。
【0020】また我々は、核形成剤としてAg2Oの替わり
にTiO2とAl2O3からなるディオプサイド系ガラスセラミ
ックスを検討したが、この系においても結晶化の進行に
伴い黒みを増す傾向を示した。
【0021】よって技工操作が簡便であり、高強度で、
明度に優れた材料を発明することが急務である。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、技工
操作が簡便であり、高強度、明度に優れた歯科用セラミ
ックスを提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記技術
課題を克服すべく鋭意研究を重ねた。その結果、850℃
〜900℃において結晶化とともに粘性流動を起こしプレ
ス成形が可能であり、、また強度が高く、M2O5(M=P,Ta,
V)を添加することにより明度が高く審美性に優れた歯科
用セラミックスが得られることを見いだし本発明を完成
するに至った。
【0024】即ち本発明は、酸化珪素、酸化マグネシ
ア、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化カルシウム、
並びにリン、バナジウム、およびタンタルの酸化物から
なる群より選ばれる少なくとも一種の酸化物を主成分と
して含み、これらをそれぞれSiO2、MgO、Al2O3、TiO2
CaO、およびM2O5(M=P、V、Ta)に換算し重量百分率で
含有量を表したとき、SiO2 :40〜50重量%、MgO
:12〜26重量%、Al2O3:6〜19重量%、TiO
2 :10〜14重量%、CaO :7〜16重量%、M2O
5 :0.05〜0.1重量%を満足する歯科用セラミッ
クス(第一発明)である。
【0025】他の発明は、酸化珪素、酸化マグネシア、
酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化カルシウム、並び
にリン、バナジウム、およびタンタルの酸化物からなる
群より選ばれる少なくとも一種の酸化物を主成分として
含み、これらをそれぞれSiO2、MgO、Al2O3、TiO2、Ca
O、およびM2O5(M=P、V、Ta)に換算し重量百分率で含
有量を表したとき、SiO2 :49〜50重量%、MgO :
15〜16重量%、Al2O3:10〜12重量%、TiO2
12〜13重量%、CaO :11〜12重量%、M2O5
0.05〜0.1重量%を満足する歯科用セラミックス
(第二発明)である。
【0026】本発明の歯科用セラミックスの組成範囲は
上述の通りであり、その詳細を以下説明する。
【0027】酸化珪素(Si02基準)の有量は40〜50重量
%であり、好ましくは49〜50重量%である。Si02の含量
が50%を越えるとガラスの粘性が高くなり、均質なガラ
スを得ることが難しくなる。またプレス成形法により歯
冠を作製する場合、成形温度が高くなり、内部結晶化が
起こりにくくなる。さらに40%未満になるとマトリック
スガラスが弱くなり十分な強度が得られなくなる。
【0028】酸化マグネシウム(Mg0基準)の含有量は1
2〜26重量%であり、 好ましくは15〜16重量%であ
る。Mg0は結晶成分であり、必須成分である。Mg0の含量
が26%を越えると粘度上昇を招くとともに、成形中に結
晶化が著しく進行してしまい成形が阻害されるため好ま
しくない。さらにガラスの粘性が高くなり、溶融、成形
が難しくなる。またキヤスト中に失透しやすくなる。1
2%未満になると内部結晶化が阻害され表面結晶化のみ
が進行し好ましくない。
【0029】酸化アルミニウム(Al2O3基準)の含有量
は6〜19重量%であり、より好ましくは10〜12重量%で
ある。Al2O3はより均質なガラス材を得るため必須成分
である。Al2O3が6%未満ではその効果が現れない。また
含有量が19%を超えると溶融温度が高くなり脱泡、成形
が困難となり好ましくない。またアノーサイト(CaO・Al2
O3・2SiO2)結晶が析出しやすくなる。
【0030】酸化チタン(TiO2基準)の含有量は10〜14
重量%であり、より好ましくは12〜13重量%である。Ti
O2は核形成剤の働きをしている。またガラスの溶融温度
を低くする効果があるのでこの範囲で含有することが必
要である。TiO2が10%未満では核形成剤としての効果は
ない。また含有量が14%を超えると成形中に結晶化が著
しく進行し成形が阻害されるために好ましくない。さら
に著しい着色が見られるため審美的にも好ましくない。
【0031】酸化カルシウム(CaO基準)の含有量は7〜
16重量%である。より好ましくは11〜12重量%であ
る。CaOは結晶成分であり、必須成分である。CaOをこの
範囲で含有することによって主結晶であるディオプサイ
ドが析出する。CaOの含有量が7%未満では結晶析出量が
少なくなり、主結晶相がエンスタタイトに変化する。ま
た粘性が高くなり好ましくない。含有量が16%を超え
ると内部結晶化が阻害され表面結晶化が優先するため好
ましくない。
【0032】本発明の歯科用セラミックスは上記成分に
加えて、更にリン酸化物、バナジウム酸化物およびタン
タル酸化物の少なくとも一種の酸化物を含有する。これ
ら酸化物(M205基準、M=P,V,Ta)の含有量は0.03〜0.1
重量%である。これら酸化物は、TiO2 添加によって生
じた酸素欠陥やTi3+ 存在によるガラスの黒味を消失さ
せ、明度が向上し審美的に優れたガラスを得るために必
須である。その含有量は0.03未満ではその効果がなく
0.1を越えると着色が見られ、色調調節が困難となる場
合がある。尚、これら酸化物は複数添加しても差し支え
ない。
【0033】本発明の歯科用セラミックスは、上記必須
成分以外に、歯冠用材料として使用する際の着色を目的
として、Ce,Fe,Mn,Ni,Co,V,Cu,Cr,などの金属の
酸化物を着色成分として1種以上含有することもでき
る。またガラスの透明度を向上させるためZr02を添加す
ることもできる。
【0034】本発明の歯科用セラミックスはフッ素を添
加しても構わない。フッ素はガラスの粘度を下げ結晶化
を促進する働きがある。フッ素を添加する場合には1重
量%未満が好ましい。
【0035】本発明の歯科用セラミックスは、ガラス中
に結晶相を含む結晶化ガラス(ガラスセラミックス)で
あり、該結晶相は主結晶としてディオプサイドからな
る。ディオプサイドが含まれない場合は、透光性及び高
強度の実現が困難となる。
【0036】本発明の歯科用セラミックスの代表的な製
造方法を以下具体的に例示する。先ず上記各必須構成成
分の供給源となるガラス原料をシエーカーミキサー、ボ
ールミル等を用いて粉砕、混合した後、白金るつぽに混
合物を充填し、電気炉を用いて1500℃で二時間加熱溶融
する。ついで溶融状態のガラスを、型枠に鋳込み徐冷し
て試料ガラス塊を得る。なお得られるガラスの均一性を
向上させるために作製したガラスを粉砕、再熔融を繰り
返し行うこともある。
【0037】上記のガラス原料は特に限定されず一般的
にガラス原料として用いられる金属酸化物、炭酸塩、水
酸化物、硝酸塩、硫酸塩等の粉末を用いることができ
る。また最終的に得られるガラス組成を勘案して、あら
かじめ計算により用いるガラス原料の混合比を決定す
る。各必須構成成分の供給源となるガラス原料を以下具
体的に例示する。
【0038】酸化珪素の原料としては石英(Si02)、ク
リストバライト(Si02)、非晶質シリカ(Si02)が一般
に用いられる。酸化マグネシウムの原料としてはマグネ
シア(MgO)、マグネサイト(MgCO3)、水酸化マグネシ
ウム(Mg(0H)2)、が主に用いられる。清澄剤として硫
酸マグネシウム(MgS04)、硝酸マグネシウム(MgN03
等を少量添加する場合もある。酸化アルミニウムの原料
としてはアルミナ(Al2O3)、水酸化アルミ(Al(0H)3
等が用いられる。TiO2原料としてはルチル(TiO2)、ア
ナターゼ(TiO2)等を用いることができる。酸化カルシ
ウムの原料としては炭酸カルシウム(CaC03)、水酸化
カルシウム(Ca(OH)3)が主に用いられる。リン、バナ
ジウム、およびタンタルの酸化物の原料はそれぞれ対応
する酸化物を用いるが、硝酸塩および硫酸塩といった無
機塩を用いても構わない。またリン酸を添加する場合に
は、リン酸カルシウム(Ca(PO4)2)、リン酸マグネシウ
ム(Mg(PO4)2)等を用いることができる。
【0039】また上記原料に限らず例えばカオリン(Al
2O3・2SiO2・2H2O)、苦灰石(MgCO3・CaCO3)といった化
合物等を用いることもできる。
【0040】これらの原料中には不純物を含有しない方
が好ましいが、少なくともそれぞれ98%以上の純度を
有していれば構わない。
【0041】次いで上記方法で得られた試料ガラス塊を
熱処理してディオプサイド結晶を析出させることによっ
て明度に優れた歯冠に近い高強度の本発明の歯科用セラ
ミックスを得る。
【0042】ディオプサイド結晶を析出させるための熱
処理法は特に限定されないが、以下代表的な方法を説明
する。熱処理の最高温度は組成によって異なるが、概ね
850℃〜1000℃である。より優れた強度および明度を有
するセラミックスを作製するために、700℃〜850℃の温
度域で第一段の熱処理(核形成処理)を行い、その後例
えば900℃〜1000℃の温度域で第二段の熱処理(結晶化
処理)を行う二段、あるいはさらに熱処理するそれ以上
の多段階熱処理が一般に用いられる。
【0043】熱処理するための装置としては、公知の熱
処理装置、即ち電気炉等が好適に用いられる。
【0044】本発明の歯科用セラミックスの結晶化は成
形時の鋳型への注入と同時に行うことも、鋳型への注入
終了後に行うことも可能である。例えば前者の場合は粘
度が106ボイズ程度(およそ900℃)になるように加
熱することによって結晶化と注入が同時に達成される。
また後者の場合はまず粘度を109ポイズ(850℃)と
なるような温度領域に加熱し、鋳型への注入完了後、90
0〜1000℃の結晶化領域に加熱する二段階の加熱工程に
よって達成される。
【0045】上記二段階の加熱工程を使用する場合に
は、鋳型への注入終了後一且加熱炉から取り出し、耐火
模型材を除去した後に結晶化を行うことも可能である。
さらに鋳型への填入終了後結晶化を加圧下で行うこと
も、除圧下で行うことも可能である。
【0046】上記方法で得られた第一段の熱処理したガ
ラスを加熱、軟化させる温度域は通常、加熱時の粘度が
109〜106ボイズとなる温度域が好ましい。この粘度に到
達する温度域は850℃〜950℃の範囲にある。また成形時
の加熱温度も同じ温度域である。
【0047】
【発明の効果】以上のようにMg0-CaO-Al203-TiO2-Si02
系のガラスにM205(M=P,V,Ta等)を特定範囲で含有する本
発明の歯科用セラミックスは、プレス成形に適した粘性
流動挙動を示し、しかも強度、明度が高い。具体的に説
明すれば技工操作が容易となり、医師、あるいは患者が
安心して用いる事ができる。また、明度が高いため上記
ガラスに必要に応じて着色成分を加えることにより歯冠
色に近い着色を示すので、天然歯と同様の色調を発現で
き、歯冠材料として有用となる。
【0048】
【実施例】以下実施例によって本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
い。尚、発明の詳細な説明中並びに実施例中に示した材
料の性状、および物性の測定法については次の通りであ
る。
【0049】析出結晶の同定には、均一なガラス融液を
作製し、ガラス融液をカーボンの型に流し込んでガラス
材とした。このようにして得たガラス材を各表に示す条
件で熱処理を施した後に粉砕し、粉末X線回折(りがく
社製RINT-1200)により解析した。結果を各表に示す。
【0050】耐水および耐酸性試験には各表に記載した
熱処理後のガラス材を粉砕し、粒径420〜590ミクロンと
なるように分級して3gを正確に秤量し、試験粉末とし
た。試験粉末を100m1の試験液(0.01Nの硝酸溶液また
は精製水)で1時問煮沸し、乾燥後、質量の減少量から
減少率を算出した。結果を各表に示す。
【0051】曲げ強度はガラス材に各表に示した熱処理
を施した後、表面をダイヤモンドペーストにより鏡面に
仕上げて2mmx 3mmx35mmの試験片とし、強度試験機(島
津製作所製サーポパルサEHF−F1)によりクロスヘッド
速度0.5mm/min、スパン距離20mmの条件で3点曲げ試験
を行なって曲げ強度を求めた。それぞれ処理温度および
処理時間と曲げ強度の結果を各表に示す。
【0052】得られたセラミックスの透光性、明度の評
価には下記の方法を用いた。析出結晶の同定の場合と同
様にガラス材を直径10mm、厚み2mmの円柱状に加工し、
所定の熱処理を施し表面をダイヤモンドペーストにより
鏡面に仕上げて色差計(日本電色社 TC-1800MKII)を
用いて黒板をバックにして測定したY値と白板をバック
にして測定したY値の比からコントラスト比を算出し、
またJIS Z 8729に従ってL*を測定し明度を得た。なおコ
ントラスト比はその数値が大きいほど不透明であり、L*
はその数値が大きい程明るい色であることを示してい
る。結果を各表にまとめた。
【0053】得られたガラス材の成形性は下記の方法を
用いて注入率として評価した。透明性、明度と同様に直
径10mm、高さ12mmのガラス材を作製し、所定の温度で核
形成処理した。10mm×10mmのシートワックス(GC社製
No.28 0.35mm厚)とスプルー(GC社製READY CASTIN
G WAX 32mm)によりワックスモデルを作製し、このワッ
クスを石英系埋没材(松風社 OKパウダー)を用いて
埋没し鋳型とした。なおスプルー長は5mmとし、埋没材
の粉液比は0.33とした。この鋳型へ上記ガラスイン
ゴットを設置し鋳型への注入率によって評価した。なお
注入時の温度および注入圧、注入時間および注入率の結
果を各表にまとめた。
【0054】実施例1 ガラス原料である92.08gSi02、28.16gMgO、36.85gCaC
O3、31.04gAl(OH)3、22.63gTiO2,0.3gMg(PO4)2をシェー
カミキサーを用いて粉砕、混合した。白金るつぼにこれ
ら混合物を充填し、電気炉を用いて1500℃で二時間加熱
溶融した。ついで溶融状態のガラスを、型枠に鋳込み徐
冷して試料ガラス塊を得た。得られた試料ガラス塊を、
電気炉に入れ、700℃で5時間、さらに850℃で40分の二
段階加熱処理をして、ガラス中に微結晶を析出させた。
この時の昇温速度は300℃/hで行い、ついで炉内で室温
まで放冷した。
【0055】得られたガラスセラミックスの析出結晶相
をX線回折により同定した結果、ディオブサイドが主結
晶として析出していることを確認し、その曲げ強度は40
0MPaであった。耐水、耐酸性、注入率、コントラスト比
およびL*の結果を表2に示す。
【0056】実施例2〜8 実施例1と同様の方法で、表1に示した組成の試料ガラ
スを作製し、それぞれ表1に示す2段階の熱処理条件で
結晶化した。得られたガラスの析出結晶、耐水、耐酸
性、注入性、コントラスト比およびL*の結果を表2に示
す。析出結晶は実施例1と同様にディオプサイドであ
り、この組成範囲では曲げ強度、注入率、コントラスト
比およびL*においていずれも良好な結果を示したが、表
2に示される結果より、第二発明の組成範囲はより低圧
力で成形が可能である結果となった。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】比較例1〜10 実施例1と同様の方法で、表3および表4に示した組成
の試料ガラスを作製し、それぞれ2段階の熱処理条件で
結晶化した。各種物性を表3、4及び5に示す。いずれ
のガラスも耐水性耐酸性においては良好な結果を示した
が、比較例1〜5に示した組成はいずれのガラスも表面
結晶化が進行し十分な曲げ強度が得られなかった。また
比較例7においては得られたガラス塊は失透(白濁)が
みられたので、その後の核形成その他の処理は行わなか
った。比較例6はM2O5系の酸化物を添加しない場合であ
り、曲げ強度、注入率、いずれも良好な結果を示すが、
明度が実施例1と比較して低い結果となった。比較例
8、9においてはディオプサイド以外の結晶を伴う場合
であり、この場合には曲げ強度が低下し、注入率も低く
なる結果となった。また比較例10においても注入率が
低くなる結果となった。
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【表5】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化珪素、酸化マグネシア、酸化アルミ
    ニウム、酸化チタン、酸化カルシウム、並びにリン、バ
    ナジウム、およびタンタルの酸化物からなる群より選ば
    れる少なくとも一種の酸化物を主成分として含み、これ
    らをそれぞれSiO2、MgO、Al2O3、TiO2、CaO、およびM2O
    5(M=P、V、Ta)に換算し重量百分率で含有量を表した
    とき、 SiO2 :40〜50重量% MgO :12〜26重量% Al2O3:6〜19重量% TiO2 :10〜14重量% CaO :7〜16重量% M2O5 :0.03〜0.1重量% を満足する歯科用セラミックス。
  2. 【請求項2】 酸化珪素、酸化マグネシア、酸化アルミ
    ニウム、酸化チタン、酸化カルシウム、並びにリン、バ
    ナジウム、およびタンタルの酸化物からなる群より選ば
    れる少なくとも一種の酸化物を主成分として含み、これ
    らをそれぞれSiO2、MgO、Al2O3、TiO2、CaO、およびM2O
    5(M=P、V、Ta)に換算し重量百分率で含有量を表した
    とき、 SiO2 :49〜50重量% MgO :15〜16重量% Al2O3:10〜12重量% TiO2 :12〜13重量% CaO :11〜12重量% M2O5 :0.03〜0.1重量% を満足する歯科用セラミックス。
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