JPH1041099A - 折畳み軌道高周波電子加速器 - Google Patents

折畳み軌道高周波電子加速器

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JPH1041099A
JPH1041099A JP21900296A JP21900296A JPH1041099A JP H1041099 A JPH1041099 A JP H1041099A JP 21900296 A JP21900296 A JP 21900296A JP 21900296 A JP21900296 A JP 21900296A JP H1041099 A JPH1041099 A JP H1041099A
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acceleration
resonator
electric field
gap
energy
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Masatoshi Kodera
正俊 小寺
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】コンパクトで、エネルギー変化が容易であり、
電力効率が良好で、連続運転力、可能なVHF周波数の
加速方式および加速装置を提供する。 【解決手段】VHF周波数の共振器の電場を繰り返し加
速に使用して高いエネルギーに電子を加速するために、
一次元または二次元の電場の拡がりを持つ共振器とビー
ム軌道5を180度偏向する複数個の直流磁石6を組合
せて、連続動作が可能であると共にエネルギーを変える
ことが容易な小型照射装置を構成した。具体的には円筒
共振器のTEモードや太鼓状のリエントラント共振器等
により一次元または二次元の分布を持つ電場を発生さ
せ、180度偏向直流磁石6によりビームを折り返し
て、繰り返しこの電場を通過、加速されるように配置す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】電子ビームは高分子材料の架橋や
重合反応を促進して特性の改善をしたり、医療用品の滅
菌や食物の保存に有効で、エネルギー効率も良好である
ことが知られている。その目的に使用される大強度の電
子加束器は5MeV以下のエネルギーに対しては直流電
圧加速器が主であり、それ以上のエネルギーへの加速は
殆どマイクロ波線形加速器によりなされている。
【0002】上述の応用にはガンマ線も使用されている
が、電子線は処理速度が早くガンマ線の1/1000以
下の時間で済み、ガンマ線の場合のような線源の数年毎
の補充や放射性廃棄物の処理の問題が無い利点があり、
次第に使用が増加している。本発明は数MeV以上で使
いやすい工業用照射設備の提供を目的とする。
【0003】
【従来の技術】直流加速器は電力効率が良好であるが、
放電を少なくして動作の信頼性を確保するために加速電
圧と共にその構造を大きくせざるを得ない問題がある。
現在得られている最高エネルギーは5MeVである
力、、加速器本体の大きさは直径2.8−4.5m、高
さ7−7.5mに達する。加速電圧自体を更に大きくす
ることは技術的には可能であるが、大きさの点で実用的
ではない。
【0004】高周波加速器は加速ギャップの放電耐圧が
直流加速器より悠かに高いために、比較的小型の加速構
造で大きな加速エネルギーを得ることが可能で、例えば
工業照射用のマイクロ波線形加速器は1mの長さで5M
eV、2mで10MeVの加速が普通である。医療用の
小電力の装置では更に短かい加速管で高いエネルギーの
加速が可能なものが多い。したがってマイクロ波線形加
速器は同一の加速エネルギーを得るのに直流加速器より
悠かに小型で済む利点があるが、他方では高価な大出力
マイクロ波発生装置を必要とし、交流電力のビーム電力
への総合変換効率が20%以下と直流器より悠かに低い
問題がある。またマイクロ波線形加速器はパルス加速動
作が必要で、連続的に試料を照射出来ない。しかし5M
eV以上の加速エネルギーは市販の直流加速器では得ら
れないので、、マイクロ波線形加速器が使用されてい
る。
【0005】上記の工業照射用マイクロ波加速器の問題
を解決するためにVHF帯の周波数を使用する幾つかの
試みがされてきた。図3は一つの空洞共振器を使用した
タイプで、(a)はロシアで開発された外径約1。2m
の分割型リエントラント共振器で、110MHzの周波
数で2MeV、15mAのパルス加速を実現している。
(アウスレンダー:米国特許4、140、942/19
79年2月)(b)は日本で開発された外径約0。7
m、共振周波数175MHzのパルス動作機種で(藤沢
他:第10回加速器科学研究発表会、日立那珂市199
5年10月、64ページ)、加速エネルギーは300k
eV乃至1MeV、10mAの加速を行なっている。同
じ単キャビティ構造でも両者はかなり異なっている。ロ
シアの装置は更に高いエネルギーを目指したが、共振器
内の高周波放電のため成功をしていない。
【0006】図4は共振周波数が約170MHz、外径
約1mの三空洞を直列に接続して8MeVの加速を試み
たフランスのカシトロンと呼ばれる装置で、鳥肉の滅菌
に短期間使用されたが、三つの空洞間の結合の制御が難
しく安定な動作が困難で、現在は通常のマイクロ波線形
加速器に置き換えられている。
【0007】図5はフランスのサクレ研究所で1987
年に提案され(ポチエ他:フランス特許申請87 07
378/1987年5月26日)、企業に製造権が譲渡
されて1994年に10MeV、100kWの実用機が
完成し、ロードトロンと名付けられた装置で、10Me
Vの工業用照射機としてはビーム電力が最も大きい。使
用周波数は110MHzで、四極管を使用し連続加速を
行なうことが出来る。共振空洞が一つで、カシトロンの
様な複数空洞の間の高周波結合の不安定性の問題がな
く、途中の偏向磁石の磁場を0とすることによりビーム
を外部に取り出してエネルギーを変えることが容易に出
来る。しかし取り出されたビームの方向は磁石の位置、
したがってエネルギーによってまちまちで、一定の照射
試料位置までビームを導く輸送系は複雑となる。また磁
石と磁石の間隔はほぼ高周波の波長と等しく、高い周波
数を使用しないと距離が大きく、途中に収束レンズを置
くことが出来ない構造なのでビーム軌道の収束が困難と
なる恐れがある。最近ビーム電力は35kWであるが、
215MHzの周波数を使用して構造を小さ〈した機種
を開発している。
【0008】高エネルギーの電子加速装置としてはこの
他にベータトロン、マイクロトロン、電子シンクロトロ
ンなどがあるが、何れも大きな電流の加速が困難であ
り、工業用照射器には適していない。
【0009】
【本発明が解決しようとする課題】現在電子の高エネル
ギー加速に最も多く使用されているマイクロ波線形加速
器は、マイクロ波の大強度電場により繰り返し加速を行
なって高いエネルギーに到達する方式であるが、実用上
次の様な問題がある。 マイクロ波を発生する電子管にクライストロン、マグ
ネトロン等の特殊な大電力真空管が必要で、通常の三
極、四極真空管より高価である。 マイクロ波出力管が電源の電力をマイクロ波に変換す
る効率が低く、更にこのマイクロ波電力をビームに与え
る効率や冷却その他の周辺装置が使用する電力を考慮す
ると、電力効率は直流機より悠かに低い。 加速が正常に行なわれるためには、加速管各部の高周
波電場の振幅と位相関係が、正しく保たれなければなら
ないが、それにはまづ各部の温度変化が充分に小さくな
ければならない。加速管は多くの共振器の集まりで、温
度上昇により寸法が変化すると共振周波数が変わり、正
常な動作が出来なくなる。一方、線形加速器が短い距離
で高いエネルギーまで加速出来るのは、大電力の高周波
を注入して大きな電場を発生させるからで、当然この電
力により加速管は強く加熱される。温度上昇を小さくす
るには運転時間の短いパルス運転として、発生熱量を少
なくしなければならない。 また直流電圧をパルス化して、ピーク値の大きな電力
をクライストロンなどに供給するモジュレーターと呼ば
れる高電圧大電流のスイッチ装置が必要であるが、その
コストや部品の寿命、信頼性がしばしば問題となる。 電気機器から放出される電磁ノイズが他の微弱電気信
号を取り扱う装置の動作を妨害する問題は近年益々深刻
となっており、大電力機器のノイズの抑制要求が厳し
い。ところが大電力パルスによる電磁ノイズの抑制はか
なり難しく.最近増加しつつある精密な測定器や計算機
を使用するには充分な注意が必要である。 ビームの照射利用には線量の一様性を確保する必要が
あり、そのためにはパルス間隔とサンプルの移動速度の
関係に注意を払わねばならない。
【0010】本発明はこれらの課題を解快し、信頼性と
経済性に優れた工業用電子線照射装置を提供することを
目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理を示
した図で、(a)は電子ビームの軌道を含む平面で加速
器共振器の断面を見た図で、(b)は(a)のX−Xで
共振器の中心軸に垂直に切った断面図である。1は共振
器の外殻、2、2’は共振器内部に加速ギャップ3を構
成するために設けられたリッジ状の電極。4の電子銃か
ら打ち込まれた電子はビーム軌道5を通って3のギャッ
プで加速され、外殻1に設けられた窓9から外部導体の
外に出て6の磁石の磁場により180度向きを変えら
れ、再び9の窓から加速ギャップに向かって打ち込まれ
る。これを繰り返すことによって電子は高いエネルギー
に加速され、最後に加速を終了したビーム7として引出
される。
【0012】繰り返し加速が、成立するには、加速ギャ
ップを通過した電子が次のギャップに到達する時間が加
速高周波の半周期の奇数倍でなければならない。電子の
エネルギーが大きくなり、速度が光速に近くなれば半周
期の間に飛ぶ距離は1/2波長にほぼ等しく一定だか
ら、磁石の間の距離もほぼ一定に設定出来る。しかし初
期の幾つかの軌道では電子の速度は光より小さいから、
磁石の設定位置を軌道毎に変える必要がある。
【0013】異なるエネルギーを使用するときは、途中
の磁石の磁場を0とすることにより低いエネルギーのビ
ームを外部に取り出すことが出来る。図のビーム8の方
向は7と同じなので、簡単な磁石システムで7と同じ照
射位置へ導くことが出来る。もし全く異なる位置で使用
する必要があれば、反対側の例えば8’から引出せば良
い。その様な使用例としては、一方では電子線照射を行
ない、他方ではX−線に変換してからその大きな透過力
を利用する場合が挙げられる。大電力のX−線発生標的
には大容量の冷却設備が必要で、設置と取り外しに手間
を要するから電子線照射システムと切り離すことが出来
るほうが好都合である。
【0014】この発明の方式によれば、共振器のギャッ
プに発生する電圧を繰り返し使用することにより高エネ
ルギーまで電子を加速することができ、VHF高周波装
置により連続運転をすることが出来る。図3(a)のロ
シアの装置の例のように1回の加速で高いエネルギーと
する必要が無いので、比較的小さい電圧の発生で済み、
放電の心配がなく、信頼性の高い運転が出来る。また電
力のピーク値が小さいので共振器での熱発生力、少な
く、したがってパルス運転とする必要も無い。
【0015】また図4のカシトロンのように複数個の共
振器を使用しないので、共振器間の微弱な結合による不
安定動作の心配がなく、それぞれの共振周波数を厳密に
制御して、加速電圧振幅や相対的位相を加速に適した条
件に保つ制御装置も不要で、実用工業照射機に適してい
る。
【0016】図1は、円筒形共振器のTEモードを例と
してこの発明の原理を説明する図であるが、その説明が
他のタイプの共振器の電場分布を使用する場合をも含む
ことは明らかである。図2(a)は図1の構造を上面か
ら見た図であるが、ビームが共振器の外部導体に出入す
る孔9が直線上にならび、円筒共振器の中心軸上に直線
的に分布するTEモードの電場を加速に利用しているこ
とが判る。しかし図1(a)の外殼を例えば中心軸が垂
直の円筒、電極2、2’をそれと中心軸が一致する2ケ
の円筒に置き換えると、これはリエントラント型の共振
器で上面から見た図は2(b)となる。加速電場は二次
元的な分布を持ち、繰り返し加速の回数を非常に多く出
来ることとなる。勿論このようにリエントラント部分の
面積を大きくした共振器の損失は大きくなるが、加速回
数を大きくできるので一回の加速エネルギーを小さく
し、したがってギャップの電圧を小さくして電力損失を
少なくすることができるから、多数の磁石を必要とする
ことを除けば著しく不利とは限らない。共振器にはこの
ほか正方形、矩形など種々の断面形状が考えられる。
【0017】一次元あるいは二次元分布の電場はその分
布内で大きさが変化するのが普通である。図1でリッジ
電極2、2’が両端の端板近くに達している場合は、中
心部で電場が最大で分布の両端に向かって減少する形を
とる。この発明では分布が一様でなくても加速に差し支
えは無いが、電極2、2’の両端の変形やギャップ間隔
の調節によって、分布を平坦に近ずけることも出来る。
図6(a)は図1の電極の両端に幅が同一のバーを取り
付け、その長さと厚みの調整によって一様な分布を得る
場合で、(b)図に取り付ける前の分布を実線14、取
り付け後の分布を点線15で概念的に示してある。また
図7(a)、(b)は両端付近のギャップ間隔を狭くす
ることによって同一の効果を得る例である。
【0018】
【本装置の作用】本装置では電子ビームを単一の高周波
共振器の加速ギャップを繰り返し通過させることによっ
て、比較的小さいギャップ電圧で高いエネルギーの電子
ビームを得ることが出来る。従来のベータトロン、シン
クロトロン等の高エネルギー電子加速器と異なり、時間
的に磁場を変化させる必要がなく、したがってそれらの
装置のように繰り返しの少ないパルス動作ではなく、連
続加速動作を行なうことができ、その結果平均加速電流
を大きくできるので工業照射用装置に適している。また
従来工業照射に使用されてきた直流機には不可能な高い
エネルギーの加速も容易に行なうことができ、大きさも
悠かに小さい。
【0019】医療用品滅菌等の5MeV以上の工業照射
用には現在はマイクロ波線形加速器が使用されている
が、すべてパルス動作であり、大電力パルスの電磁ノイ
ズの問題や発振管の寿命、電力効率など改良を要する点
が多い。本発明の装置ではマイクロ波を使用する必要が
なく、電力容量が大きく価格も低いVHF波帯の発振管
を使用し、連続動作で高い電力効率を得ることが出来る
利点がある。
【0020】1994年頃から市場に出現し、図5に概
念図を示したロードトロンもVHF波を使用し、連続動
作により大出力電子ビームの加速に成功した装置である
が、偏向磁石間の距離は高周波の波長にほぼ等しく、同
じ周波数では本発明の磁石間距離の2倍あり、偏向磁場
の設定に本発明より注意を要するとともに、使用エネル
ギーを変化させるためにビームを途中で引出すと、引出
す偏向磁石ごとに方向がことごとく異なるので、照射設
備の位置までビームを導く輸送系が本発明より複雑とな
る問題がある。
【0021】
【実施例】図1は円筒共振器のTEモードを使用した例
で、外殻1は共振器の導体と真空容器を兼ねるので、真
空に排気した際の圧力に酎える機械的に強固な材料で製
作し、内部を銅メッキするか銅板を接着して外部導体と
する構造である。電極2、2’は銅板で作り、ビーム5
の通過する孔を設ける。電極の内部も真空であるので真
空の圧力の問題はないが、高周波電流により加熱される
ので冷却を充分に行なわなければならない。なお外殻1
にもビームの通過孔9が設けられ、ビームは外殻の外で
磁石6により方向を変えられる。
【0022】加速ギャップ3で加速されたビームは磁石
6で180度方向を変えられて再びギャップ3に入る
が、その時にギャップの電場の向きが反転している必要
がある。そのためには3を通過してから再び3に入るま
での時間が高周波の周期の半分、またはその奇数倍とな
らなければならない。電子の速度が光速となっていれば
3から3までの軌道の長さは高周波の自由空間波長の1
/2またはその奇数倍であれば良く、6の間の距離は一
定となるが、電子のエネルギーが小さい間は速度が小さ
く、加速のつど変化するから磁石6の位置をそれに応じ
て変えねばならない。電子ビームの方向を変えるのに必
要な磁場強度と軌道半径との積は工業照射に使用される
エネルギーの電子に対しては小さくて済むので、磁石の
大きさも使用電力も小さく、製作、使用に大きな困難は
無い。
【0023】電子銃4から打ち込まれたビームは、ギャ
ップ3による最初の加速を受ける前に速度変調により高
周波電場の加速位相に集まっていることが望ましい。図
には示されていないが、そのためのバンチャーと呼ばれ
る装置を電子銃4と加速ギャップ3の間に設置すること
が可能である。
【0024】加速電流が比較的小さい間は、偏向電磁石
6に収束性を持たせることにより電流の損失を少なくす
ることが出来るが、電流が大きくエネルギーが低いビー
ムの軌道は発散しやすいので、初期軌道に対してはリッ
ジ電極の内部に収束作用を持つレンズを設置して、大電
流ビームの損失を少なくすることが出来る。磁石6の間
の距離が短く電流の授受が容易であり、収束レンズを軌
道に挿入出来る点で、図5のロードトロンより大電流ビ
ームの加速が容易である。
【0025】通常は加速ビームは図1(a)の7のビー
ムが照射に使用されるが、より低いエネルギーの照射が
必要な時は、相当する8または8’の位置の磁石磁場を
0とすることによりそのビームを照射に使用することが
出来る。この方法によれば単純な磁石電源の操作によっ
て容易かつ迅速に異なるエネルギーのビームを使用する
ことが出来る。また8のビームの方向は7と同じである
から、簡単なビーム輸送手段により同一の照射設備を使
用でき、X−線照射のように電子線照射とは別個の照射
設備を使用したい時は8’に引出して全く別の位置にビ
ームを導くことも可能である。
【0026】以上は円筒型の共振器のTEモードを使用
した例であるが、図2(b)のリエントラント型や矩形
共振器などの他の共振器を使用し、同一機能を持つ構成
も可能である。しかし円筒型の構造はビームの取り出し
方向を垂直、水平の何れを選ぶのも容易で、設置床面積
や建物の高さが少なくて済む利点がある。
【0027】
【発明の効果】工業用電子線照射には5MeV以下に対
しては直流加速器、5MeV以上に対してはマイクロ波
線形加速器が主として使用されてきた。直流加速器には
加速エネルギーが高くなると構造が急速に大きくなり、
設置のために広いスペースや天井の高い大きな建物が必
要となる問題があり、マイクロ波加速器は比較的小型で
あるものの電力効率が劣り、パルス動作が必要であるこ
と、マグネトロン、クライストロン等の特殊な高周波大
電力用真空管が必要であり、その電源のモジュレーター
が高価短寿命である等の問題が指摘されてきた。本発明
はマイクロ波より悠かに低い300MHz以下の周波数
のVHF波を使用し、数100keVから10MeVの
エネルギー可変の電子ビーム加速装置を提供することが
出来る。建物の高さも設置床面積も小さくて済む。既に
放送通信関係に広く使用されている三極管、四極管を使
用することができ、連続動作が可能であるし、電力効率
もマイクロ波管より良好である。
【0028】VHF周波帯では従来は図3(a)、
(b)の単キャビティ型や、図4の3キャビティ型が作
られたが、単キャビティ型は到達エネルギーが限られて
おり、複数個のキャビティを使用する場合は、それらを
結合し制御することが必ずしも容易ではなく、工業用途
に広く使用されるに到らなかった。本発明はキャビティ
は一個であるが、その電場を多数回加速に使用すること
により、多数のキャビティを持つ加速装置と同等に機能
し、しかも多数キャビティの制御の困難が無い装置を実
現するもので、工業照射用装置に必要な運転の容易さ
と、高周波源として市場で入手しやすい真空管を使用し
て高い信頼性が得られる特徴がある。また300keV
以上5MeV以下においては高周波加速方式は直流加速
方式より小型で高圧ガス容器を必要とせず、したがって
設置のスペースが少なくて済む利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で円筒形共振器のTEモードを使用した
構造の例。(a)は円筒の中心軸と軌道面を含む断面
図。(b)はx−xに沿って円筒の中心軸に直角に切っ
た断面図。なお各番号、符号の意味は全ての図に共通し
ている。
【図2】(a)図は図1の円筒共振器を使用した装置を
上部から見た図。ビームの取り出し孔9が直線上に表れ
る。(b)図はドーナツ状のリエントラント型空洞の中
央のノーズコーンと呼ばれる部分の断面が大きい場合
で、その中心軸を含む平面Y−Y、Y’−Y’で切った
断面は図1(a)と等しいが、ビームの取り出し孔9が
二次元的に分布している。
【図3】(a)図はロシアで開発された単キャビティV
HF電子加速器概念図。(b)図は日本で開発された単
キャビティ電子線加速照射装置で、キャビティの構造が
ロシアの分割構造と明瞭に異なる。
【図4】フランスで開発された3キャビティのカシトロ
ンと名付けられたVHF電子加速器の概念図。
【図5】フランスで考案され、ベルギーのメーカーが実
用化に成功し、ロードトロンと名付けられたVHF大出
力電子加速器の概念図。(a)水平断面、(b)垂直断
【図6】(a)図は電場分布の一様性を改善するため
に、図1のリッジ電極2、2’の両端に幅が電極と同じ
バーを取り付けた場合。(b)図はその効果を概念的に
示す図で、実線14は取り付け以前、点線15は取り付
け後の電場分布。
【図7】(a)図は電場分布の一様性の改善のために、
図1のリッジ電極2、2’の両端部のギャップを局部的
に狭くした場合。(b)図はその効果を概念的に示す図
で、実線14、点線15の意味は図6と同じ。
【符号の説明】
1 ;共振器外殼、通常は内面を導電性とし、共振器の
外導体を兼ねる。 1’;外殻の内部に別個に設けた外導体、分割してあ
る。 2 ;加速電極。 2 ;2と対向する加速電極。 3 ;加速ギャツプ゜ 4 ;電子銃。 5 ;ビーム軌道。 6 ;軌道の180度偏向磁石。 7 ;加速を終了したビーム。 8 ;異なるエネルギーの電子を得るために途中から取
り出されたビーム。 8’;ビーム7と逆方向に取り出されたビーム。 9 ;ビームを共振器外殼から取り出すために設けられ
た孔。 10 ;高周波源。 11 ;真空ポンプ 12 ;リッジ電極2、2’の両端に附加された電場分
布改良のための導体。 13 ;リッジ電極2、2’の間隔を局部的に狭くする
ために附加された導体。 14 ;導体12、13を附加する前のギャップ電場の
分布。 15 ;導体を附加した後のギャップ電場の分布。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加速ギャップの中の電場が、一次元また
    は二次元の分布を持つ高周波共振器1組のみを使用し、
    加速された電子の方向を共振器の外部で直流磁場により
    180度偏向し、再度加速ギャップで加速をすることを
    繰り返すことによって、ギャップ電圧より悠かに高いエ
    ネルギーに電子の加速を行ない得る加速方式および加速
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の加速装置において加速ギャッ
    プを通過し、180度偏向を受けて再び加速ギャップに
    入るまでのビーム軌道の長さを、電子がその間を走行す
    る時間が高周波の1/2周期の奇数倍に相当する長さと
    することによって、電子群を高周波位相に常に同期させ
    て加速する加速方式および加速装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の共振器の加速ギャップの寸法
    または電極の形状を局部的に変えて、加速電場分布を変
    えることの出来る加速方式および加速装置。
  4. 【請求項4】 請求項1の加速装置において180度偏
    向後の直線軌道が相互に平行で、偏向磁石の配置と磁場
    強度の設定が容易な加速方式および加速装置。
  5. 【請求項5】 請求項4の任意の偏向電磁石の磁場を0
    とすることによって、エネルギーの異なる電子ビームを
    容易に取り出すことのできるエネルギー可変加速方式お
    よび加速装置。
  6. 【請求項6】 請求項5のビーム取出しにおいて、加速
    キャビティの同じ側に取り出されるビームの方向は互い
    に平行しており、エネルギーの異なるビームを簡単なビ
    ーム輸送システムにより同一標的の照射に使用すること
    が可能であり、キャビテイの反対方向に取り出せば、全
    く異なる用途、例えばX−線発生と電子線照射を別な位
    置で行なうことが可能となる加速方式および加速装置。
  7. 【請求項7】 偏向磁石間の距離を1/2波長程度と短
    く、磁石間でのビームの発散を小さくすることが可能
    で、更に収束レンズを加速電極内に装着することにより
    大電流でもビーム損失の少ない加速が可能な加速装置。
  8. 【請求項8】 直線軌道間の間隔を狭くし、軌道をいわ
    ば折畳むことによって一つの共振器の電場を繰り返し加
    速に使用し、到達エネルギーに比較して小型とできる加
    速方式および加速装置。
  9. 【請求項9】 電子の5MeV以上の加速に現在最も多
    く使われているマイクロ波電子線形加速器と異なり、通
    常の三極管、四極管により工業照射目的に適した連続動
    作のVHF波帯の装置を構成する加速方式および加速装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104320904A (zh) * 2014-10-21 2015-01-28 明建川 微波电子加速器
JP2015022967A (ja) * 2013-07-22 2015-02-02 国立大学法人東京工業大学 高周波型荷電粒子加速器
US11229095B2 (en) 2014-12-17 2022-01-18 Campbell Soup Company Electromagnetic wave food processing system and methods
CN115996511A (zh) * 2023-02-15 2023-04-21 陕西利友百辉科技发展有限公司 一种梯式电子束加速器

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