JPH1045578A - 無痛覚または無感覚を起こす製剤及び組織の虚血性損傷を防止または治療するための製剤 - Google Patents
無痛覚または無感覚を起こす製剤及び組織の虚血性損傷を防止または治療するための製剤Info
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Abstract
または保護作用を得る。 【解決手段】 本発明は、無感覚または無痛覚を引き起
こすための薬理学的製剤、および全身の組織、特に最も
損傷を起こしやすい中枢神経系の障害により生じた損傷
の改善を図るための製剤に関する。この製剤は、主とし
てタウリン、副としてホモタウリンおよび/またはメチ
オニンを含み、初期損傷から回復または初期損傷に続い
て起きる現象から回復するのに十分な時間(損傷の激し
さおよび損傷からの治療を始めるタイミングに応じて数
時間から数日)全身投与される。
Description
用できる技術に関するが、特に麻酔科、神経科、脳神経
外科、内科、小児科、腫瘍科、産科、新生児科、循環器
科、心臓外科、放射線科、緊急医療、及び全身における
移植に適用することができる。本発明は、外因性のタウ
リン、ホモタウリン、またはメチオニンをそれぞれ単
独、または様々に組み合わせて(ただし、一般にはタウ
リンを含む)使用することにより、無痛覚または無感覚
を発生させる。あるいは、同様の手段により、患者の器
官(特に中枢神経系)を生体内で、もしくは移植のため
のドナー器官(限定はされないが例えば、肝臓、膵臓、
小腸、肺、腎臓、心臓)を生体外で、低酸素症や虚血症
(酸素や血流の減少)による損傷から保護する。このよ
うな低酸素症や虚血は、移植のために器官を採取する際
に血管を切断することによっても生じるし、血管外にお
ける因子、例えば組織への損傷(頭部外傷または脳神経
外科的処置中に起こりうる)または血管内部の閉塞(脳
卒中におけるような)からも生じる。
ケード、もしくは電気生理学及び生化学上の複雑な悪循
環を伴う過程に特徴を有するものである。中枢神経系の
血流が敷居値より減少することによって、エネルギー機
能不全、組織の酸性化、イオンホメオスタシスの不安定
による細胞からのK+流出およびNa+とCa2+の流入、
膜の脱分極および細胞毒性の浮腫(Choi, 1990; Rudolp
hi, 1992; Wieloch, 1982)が生じる。これらの生化学
的な虚血のプロセスは、様々な器官毎に量的には異なる
かも知れないが、実際には、全ての組織に亘って性質的
に共通しており、したがって、それらを防止または改善
するための一般原則は、中枢神経系以外の器官に拡張し
て当てはめることが可能である。
te, 1984; Hillered, 1989; Simpson, 1992)または頭
部外傷(Nilsson, 1990; Persson, 1992)後に、細胞間
質における興奮性アミノ酸(EAAs)、並びに、抑制
作用があり潜在的に保護性のアミノ酸、例えばタウリン
が4〜20倍も増加する現象が知られている。同様に、
アデノシンが流出することも知られている(Nilsson, 1
990; Van Wylen, 1986)。細胞外の空間にEAAsが充
満すると、シナプス後のEAAs受容体[例えばNMD
A(N−メチルーDーアスパラギン酸受容体は、グルタ
ミン酸およびアスパラギン酸により活性化)、AMPA
(αーアミノー3ーヒドロキシー5ーメチルー4ーイソ
キサゾール)およびKA(カイネート(kainate)]
が、無差別かつ連続的に活性化され(毒性促進性として
知られた現象である)、最後には細胞を死に至らしめ
る。発生は2、3日またはそれ以上遅れることもある。
このような細胞外におけるEAAs濃度の上昇は、細胞
損傷へつながる最も深刻な中枢神経系の損傷の周辺現象
であると考えられる(Choi, 1990; DeLeo, 1987; Rothm
an, 1986)。
割は十分知られていないが、NMDA受容体が十分に活
性化するには、EAAs(グルタミン酸あるいはアスパ
ラギン酸)に加えて、グリシンの存在が必要であるよう
に思われる(Johnson, 1987)。
受容体の役割および重要性は、最近になって、Fredholm
(1995)およびJacobson (1995)によりまとめられた。そ
して、大脳の虚血におけるアデノシンの神経保護作用
は、Choi(1990)、Rudolphi(1992)やSchubert(1993)等に
よってまとめられた。
プリン作用性の化合物には、自然界に存在するアデノシ
ン、アデノシン三燐酸(ATP)、又は合成されたアデ
ノシン類似物が含まれ、体の殆ど全ての組織において様
々な作用を引き起こすことが知られているが、とりわけ
顕著な作用を引き起こし、ゆえに詳細に研究されている
のは脳である。脳では、全身の抗侵害受容(鎮痛性又は
麻酔性)作用、抗癲癇性作用、および組織保護作用が文
献に記載されている。アデノシンが奏する作用の全機構
は完全には解明されていないが、Fredholm (1995)によ
って検討されまとめられているように、一般的には、主
に細胞表面の細胞膜に存在するA1型およびA2型受容
体によって引き起こされると考えられている。
ノシンに反応し、膜の過分極を引き起こし、EAAsの
放出を抑制する作用を奏すると考えられている。A2型
受容体は、ミリモル濃度のアデノシンに反応し、EAA
sの抑制より放出を引き起こすが、一方では特に脈管の
拡張を引き起こす特性も有する。中枢神経系では、A2
型受容体が豊富な領域も存在するが、概してA1型受容
体が優勢であり(Fredholm, 1995; Jacobson, 1995)、
したがってこれらがEAAsの放出を広く抑制してい
る。
用する手法は、アデノシン作用性からのアプローチと称
されており、例えば、アデノシンそのものまたはATP
を投与する方法、代謝的に安定な合成アデノシン類似物
を投与する方法、細胞によるその再摂取を抑制すること
により間質液中のアデノシン濃度を増大させる療法、内
生的に生産されたアデノシンの破壊を抑制する方法、ア
デノシンの内生的な生産を促進するためにアデノシンの
プロドラッグもしくは前駆物質を投与する方法が行われ
ている。
ンの組織中濃度を変化させる薬理学的物質に作用するプ
リン作用性の化合物(アデノシン、その類似物、及びA
TP)の外因的投与によれば、重要な抗侵害受容作用、
すなわち鎮静作用、鎮痛作用(Fukunaga, 1995; Sollev
i, 1992)、抗癲癇性作用、および神経保護作用が得ら
れることが証明されている(Fredholm, 1995; Rudolph
i, 1992, Schubert, 1993)。実験的に発生させた中枢
神経系及び他の組織の虚血状態において、アデノシン作
用性を利用した実験方法を行った場合に得られた保護の
程度は、投与量に依存すると考えられるため(Goldber
g, 1988)、アデノシン作用性薬を十分に投与した場合
には、大概、A2受容体の活性化(すなわち危険なレベ
ルの血圧降下)を引き起こすことになる。心臓血管に対
してこれらのような作用を及ぼすため、アデノシン作用
性を利用したアプローチは、いかなる医療のレベル、例
えば麻酔科、脳神経科、又は移植の分野にも、受け入れ
られていない(Rudolphi, 1992)。
ることにより引き起こされる血圧降下作用を避けるため
に開発された、低いアデノシン濃度でA1受容体を選択
的に活性化することができるアデノシン類似物に関して
は、生理学及び薬理学上の広範な研究がなされ、かなり
の知識が得られた。それにも拘わらず、アデノシン作用
性を利用した多くのアプローチは、遍在して全身に亘っ
て広く分布したアデノシン受容体の両方型に作用するも
のである。したがって、それらを、目的とする器官にお
ける適当な組織中濃度を得るのに十分な投与量で使用し
た場合には、有害な心臓血管への作用、すなわち危険な
血圧低下が生じるおそれがあるため、それらの実用が阻
まれていた。
して、アデノシン及びアデノシン作用性からのアプロー
チにより優れた作用が得られる理由は、細胞膜の過分極
およびEAAsの放出の抑制に基づいているとの説明が
なされており、これらの作用は主にA1型アデノシン受
容体によってもたらされると考えられていた。
なく、A1またはA2受容体のいずれが多い場合にも、
様々の抑制アミノ酸、主にタウリンを放出する作用は、
アデノシン投与量に依存することを明らかにした。これ
は、いままで知られていなかった作用であり、その作用
が典型的なアデノシン受容体により引き起こされるもの
だけではないことを示唆している。
いが、タウリンは網膜(光が酸化を増進する)および脳
(酸化により中枢神経系の機能が破壊される)の中に豊
富に含まれている。タウリンは、自然に存在するアミノ
酸であり、抗カルシウム作用、抗酸化作用、および保護
特性を有する(Huxtable, 1980; Lehmann A, 1984; Wri
ght CE 1986)。猫に対し外因的にタウリンを投与した
場合(van Gelder, 1972,a; 1976,b)、およびラットに
ホモタウリンを投与した場合(Fariello, 1982)には、
抗癲癇性を奏することが報告されているが、治療薬とし
て使用されることはなかった。保護作用を有する多数の
薬理学的試薬、例えばバルビツール剤、ベンゾジアゼピ
ン、並びにイソフルオレン(これらは麻酔性または抗痙
攣特性を有する)、および、例えばMK801等の抗痙
攣薬は、治療上の効果が得られる投与量で投与された場
合、正確に抗痙攣作用を奏し、これらは顕著な脳波休
止、または機能の低下を生じさせる(Kato, 1990; McDo
nald, 1990; Michenfelder [a], 1988)。本発明者等は
さらに、外因的にタウリンを投与した場合、プリン作用
性の化合物の投与によって引き出される効果と殆ど同じ
効果(抗侵害受容効果も含む)を奏し、しかも心臓、血
管に影響する作用は生じないか、生じてもわずかである
ことを証明した。
の作用は、Fredholm (1995)によってまとめられてい
る。特に興味を引くのは、モルヒネ及びモルヒネ類似麻
薬の鎮痛作用がアデノシン放出の刺激(Stone, 1981)に
よって引き起こされ、ベンゾジアゼピンの鎮痛作用がア
デノシン摂取機構の抑制によって引き起こされると思わ
れる点である。静脈内にアデノシン(Sollevi, 1992)ま
たはATP(組織レベルではアデノシンに分解される)
を投与することにより、手術中における麻酔薬(Fukunag
a, 1994)の必要量が大幅に減少でき、手術後の鎮痛薬の
必要量も顕著に減少できた(Sollevi, 1992)。
酔性)の作用または保護作用を得ながら、上述したよう
なアデノシン作用性を利用した手法の問題点を解決し、
問題のある血圧降下を引き起こすことなく、アデノシン
作用性を利用した手法と同等か、それよりも大きい利益
を得ることを課題としている。
るための投与量に伴う問題となる血圧降下を防ぐ方法と
して、ミクロ透析プローブ(microdialysis probe)を
介して脳組織に直接に外因性のプリン作用性化合物を移
送した場合、多数種の抑制アミノ酸、特にタウリンが中
枢神経系の間質空間に放出された。なお、ミクロ透析プ
ローブは、薬理学的な研究のための薬剤移送技術および
アミノ酸を含む様々な物質の間質内体液濃度の分析にお
いて当業者に良く知られた技術である。したがって、こ
れまではアデノシンに起因するとされていた有益な効果
の幾つかは、実際にはタウリンに起因していたことにな
る。タウリンは重要な抑制作用、抗カルシウム作用、抗
酸化作用を有していることが知られており、自然に存在
する保護物質であると述べられている(Huxtable, 1980;
Wright, 1986)。
流入、並びに、脂質膜及び細胞骨格構造の酸化を伴う
が、この現象は特に興奮性機能を有する中枢神経系組織
において顕著である(Wieloch, 1982)。タウリンの抗カ
ルシウム作用および抗酸化作用は、心臓の組織だけでな
く、網膜および様々な神経の組織標本(培養組織、スラ
イス、シナプトソーム)でも示されており、中枢神経系
以外の組織に対しても広い保護効果を有することが明ら
かになり、様々な器官の虚血性損傷の予防および処置に
使用できることがわかった。
リンもしくはメチオニンと共に使用した場合には、相対
的に薬効を増すことができる。タウリン単体、またはタ
ウリンとホモタウリン及び/またはメチオニンとの混合
物に、血圧降下を生じない程度の少量のプリン作用性化
合物を加えて使用した場合にも、鎮痛作用、麻酔作用、
及び防御作用を相対的に促進することができる。
哺乳動物において無痛覚または無感覚を生じさせる薬理
学的製剤が提供される。この薬理学的製剤は、タウリ
ン、ホモタウリン、およびメチオニンから選択される少
なくとも1の物質の、無痛覚または無感覚を生じさせる
ために治療上効果のある量を含むものであり、哺乳動物
に投与される。この製剤は、実質的に一種のみからなる
鎮痛剤または麻酔剤として使用されてもよいし、他の麻
酔性共同補助剤を含んでいてもよい。
織、特に中枢神経系の虚血性損傷を防ぐ薬理学的製剤が
提供される。この薬理学的製剤は、タウリン、ホモタウ
リン、およびメチオニンから選択される少なくとも1の
物質の、虚血性損傷を防ぐために治療上効果のある量を
含むものであり、哺乳動物に投与される。この製剤は、
実質的に一種のみで使用されてもよいし、他の追加薬
(一般に麻酔薬または抗痙攣薬)を含んでいてもよい。
膚または粘膜部位の血行を局所的に増進するための、タ
ウリンを含有する塗布用製剤が得られる。
のタウリン、副としてホモタウリン及び/またはメチオ
ニンの治療効果が得られる分量を、人間を含む哺乳動物
に投与することにより、循環器系に対する副作用なく、
アデノシン作用性を利用した手法の所望の利点を得るこ
とができる。実際に、非虚血性のウサギを使用した多数
の実験を行い、外因性のタウリンまたはメチオニンのラ
セミク体混合物を投与したところ、1種のみまたは混合
物を与えた場合のいずれにおいても、脳波記録(EE
G)が投与量に依存して変化し、血圧には影響を生じず
に、脳の機能休止および麻酔レベルが深くなることが観
察された。
oner A, 1960; Michenfelder JD, (b)1988)、浅い方か
ら深い方へ順に、ステージI(早くしかし周期的な活
動)、IIおよびIII(ゆっくりした、周期的または
不規則な活動)、IV(短時間続く急激な抑制)、V
(持続時間の長い急激な抑制)、VI(活動無しまたは
平坦なEEG)として表される。
たはEEG活動度のパワースペクトラムの左下方向への
移動)は、中枢神経系機能の低下および麻酔レベルが深
くなったことを示すものであるが、脳皮質間質液体中に
おけるタウリンの濃度と深い相関を有していた。また、
脳皮質間質液体中におけるタウリンの濃度は、静脈注入
されたタウリンの投与量と対数的に比例していた。した
がって、麻酔作用を得るためのタウリン作用性治療中、
実際の組織または間質液内濃度変化を測定すること無
く、特定の機能変化を得るために必要な投与量及び所望
の効果をモニターするための非侵襲性の手段として使用
することができた。
ン濃度を、外因性のタウリン、ホモタウリン、またはメ
チオニンを投与することにより変化させるか、もしく
は、内生的なタウリン及び/または、タウリンにより影
響されていると思われる他の抑制アミノ酸、例えばグリ
シンの濃度を変化させることを目的とするものである。
したがって、タウリン、ホモタウリン、またはメチオニ
ンを単独、または様々な組み合わせにより、鎮痛剤/麻
酔剤として、または他の麻酔薬と組み合わされた麻酔性
の共同補助剤として、または鎮痛剤として、従来痛みの
処置に広く使用されている麻薬剤の代わりに使用するこ
とができ、従来の麻薬剤の欠点、すなわち、呼吸の抑制
を生じる問題もない。少量のプリンを、血圧降下を生じ
ない程度に追加することにより、薬効を増すことができ
る。
チオニンは、十分な量が投与されなければならない。投
与方法は、静脈内ボーラスまたは連続的な点滴であって
もよく、鎮痛効果または麻酔効果が必要とされる期間に
亘って継続される。例えば、手術後の痛みの処置のよう
な場合には数時間であるし、腫瘍患者の治りにくい痛み
を処置する場合などにはより長い期間、例えば数日から
数週間である。継続的な点滴、または周期的な維持ボー
ラスのいずれの場合にも、体重当たりの投与量は1.0
〜2.0mmol/kgであることが推奨される。
ン、及び/またはメチオニンの投与時期および投与継続
時間は、虚血を引き起こしている原因、および虚血原因
を除去できる可能性によって決めるべきであるが、でき
るだけ早く目的組織に供給されなければならない。理想
的には、虚血開始の直後または前に投与を始め、血流が
正常値または正常値近くまで回復する時点まで継続する
べきである。なぜなら、血流が復活したとき、すなわ
ち、虚血性の組織に再灌流が起きるときに、様々な有害
な現象が起きるからである。タウリン、ホモタウリン、
及び/またはメチオニンは、過剰のCa2+流入を防ぎ、
脂質の酸化を防ぐことにより、虚血の間に生じる有害現
象を最小にするだけでなく、そのような再灌流現象の多
くを最小にすることができる。タウリンを単独、または
ホモタウリン、及び/またはメチオニンと組み合わせ
て、体重に対して2.0〜3.0mmol/kg(EE
G診断基準により中枢神経系を機能的に落ち着かせるに
十分な量である)で静脈内に投与し、続いて、静脈内点
滴または周期的な静脈内ボーラスを行うことが推奨され
る。
みならず他の組織についても観察され、保護効果は多く
の目的器官について得ることができる。器官を蘇生させ
るために自然位においた状態、または心臓、肝臓、腎臓
もしくは膵臓を手術するために、もしくはドナー器官を
移植するために、器官を採取及び保存した状態において
は、少なくとも1または2mmol/L以上を含む溶液
を灌流することが推奨される。
に、中枢神経系の保護のために使用する場合には、各薬
剤が相互に薬効を増し合うため、各薬剤の投与量を調整
する必要がある。治療効果の管理には、EEGを使用す
ることができる。我々の実験では、0.5mmol/k
gのメチオニンのラセミク体混合物を使用したが、生理
学的には、特に中枢神経系において、L−異性体のほう
が活性のある立体異性体であると考えられるから、本発
明においてL−異性体を使用する場合には、その投与量
を適宜調整すべきである。タウリンとホモタウリンとの
組み合わせについても同様である。
行い、それから周期的、より好ましくは連続的に、一般
に使用されている移送装置を用いて点滴を行う、非経口
の静脈経路が好ましい。しかし、他の方法、すなわち動
脈経路、腹膜経路、皮下経路、硬膜内経路または直腸経
路、さらに他の経路などいずれの経路からの投与も可能
である。いずれの方法においても、間質液中のタウリン
濃度をEEGを静止させることができる濃度に到達さ
せ、これらの脳細胞外液体中タウリン濃度を一定期間保
つことが必要であり、その期間は、好ましくは8時間以
上、さらに好ましくは、毒性促進性の危険がある期間、
例えば48〜72時間以上である。
ウリンを外因的に投与することにより、中枢神経系また
は他の部位におけるプリン作用性物質の場合と殆ど同じ
効果が得られることが判明した。これにより、タウリン
を単独、もしくはホモタウリン、メチオニン、または少
量のプリン作用性物質と組み合わせて、虚血によって器
官が破壊されるのを防ぐために、様々な状況における治
療薬として使用できることがわかった。適用可能な分野
は、麻酔科、神経科、非神経科分野に及び、例えば、心
筋虚血の症状に苦しむ患者の心臓を保護したり、様々な
器官の移植を行う場合にドナー器官を保存するためにも
使用することが可能である。
は、事実上全ての組織に存在する天然のアミノ酸であ
る。自然代謝経路により、ホモタウリンはタウリンに転
換され、メチオニンからはアデノシン(ATPになる)
およびホモシステイン(タウリンの前駆物質である)が
内生的に生成される(Huxtable, 1980; Lloyd, 1988; Sc
hrader, 1991)。タウリンは、肝臓における解毒基質と
して一般に使用されている。毒物学的な研究は行われて
いないが、タウリン、ホモタウリン、及びメチオニン
は、治療上の効果が得られる投与量で使用された場合、
毒性を有しておらず、少なくとも安全上の広い余地を残
している。これは、治療薬として使用する上で、極めて
重要である。
sの放出を抑制する作用のみを得るために必要なプリン
作用性物質の量は少ないと報告されており、一方で、タ
ウリンの優れた効果は投与量に依存するから、少量のプ
リン作用性物質と、タウリンの必要量とを組み合わせて
使用することは好ましいことである。これに対し、プリ
ン作用性物質を単体で使用したとすれば、必要な作用を
得るために、プリン作用性物質を大量に使用しなければ
ならず、結果として、好ましくない循環器系への影響
(血圧降下)を引き起こすことになる。さらに、麻酔剤
または保護剤として、メチオニンと組み合わせて使用し
た場合には、アデノシン及びタウリンの内生的生産(Hu
xtable, 1980; Lloyd, 1988; Schrader, 1991)を促進
して間質内のアデノシンおよびタウリンの濃度を増大さ
せることが期待でき、虚血状態において特徴的に消耗さ
れる内生的なATPの消費量を抑えることが可能である
ことにより、望ましい保護効果を与える。
ンを用いた本発明法には、従来より使用されている多数
の薬剤を組み合わせて使用することもできるし、低体温
法のように相対的に本発明の効果を増大する物理的手法
も組み合わせることができる。組み合わせ可能な薬剤と
しては、アデニンヌクレオシド(アデノシンまたはアデ
ノシン類似物)、ヌクレオチド(ATPまたはATP類
似物)、マンニトール、ビタミンC、グルタチオン、ビ
タミンE、およびそれに関連する化合物、マグネシウ
ム、ダントロレン、コルチコイド、プロマジンおよびそ
の関連物質、ニコリン、21−アミノステロイド、非ス
テロイド抗炎症薬、他の抗炎症薬、カルシウム拮抗薬
(ニフェジピン、ジルチアジム、ニカルジピン等)、お
よび、ピナシジル、ニコランジル、クロマカリム、その
他などのKATPチャンネルのオープナー、または現在開
発中であるか将来開発されるべき他の保護薬剤などが例
示できるので、これらに限定されることはない。
質のタウリン濃度の容量作用性を、ミクロ透析技術およ
び前頭部脳波を用いて調べた。ラセミックメチオニン
(0.5mmol/kg)を静脈内ボーラスにより外因
的に投与したところ、変化は小さかったが、内生的なタ
ウリンの濃度が上昇する傾向が確認され、典型的かつ明
らかなEEG変化が生じた。このEEG変化は、基準と
なる麻酔状態での変化に比べて、幅の広い相対的にゆっ
くりとした波を示し、麻酔のEEG深度の第II〜II
I段階に特徴的な変化だった(表1、4〜6期、図
2)。なお、基準となる麻酔状態での変化は、メチオニ
ンもしくはタウリンの投与の前に、1.5%のイソフル
オレンおよびN2O/O2の混合物(65%:30%)を
用いて得られた変化である(表1、1〜3期、図2;E
EGの第I段階)。
(3回の脳皮質間質透析流体の回収期間毎に0.5mm
ol/kg投与、各期間は22分間)は他の麻酔条件を
変えずに0.5mmol/kgから開始し、EEGから
明らかなように、麻酔レベルは追加毎に深くなった(7
〜18期、図1、図3〜図6)。これは、フーリエ変換
スペクトラム(各回収期間の最後に採られたEEGの1
分間のFFT)により表現されたEEGスペクトラムの
左下方への移動として現れる(図3〜図6)。これらの
EEG変化は、透析液に回収されるタウリン含有量に反
映され、間質のタウリン脳皮質濃度の対数的増加に対し
て平行しており(表1、図1)、例えば16〜21期に
おいてタウリン総量で2.0mmol/kg投与した時
点では、EEGは連続かつ持続的なIV〜V段階(急激
な抑制)に達した。
虚血モデル」を用いて、タウリンにより得られる保護効
果を調べた。この脊髄虚血モデルは、腎動脈の直下で腹
部大動脈を1時間クランプで遮断することにより行っ
た。そして、得られた保護効果を、最良の標準的と考え
られている保護方法、すなわち低体温法での保護効果と
比較した。低体温法は、ある範囲内では、虚血症が生じ
たときの低体温の度合いに応じて保護効果が増大する特
徴を有する。第1の動物グループ(○)では、適当な保
護効果を得るのに十分な低体温は平均食道温度:29.
38℃であった。適当な保護効果とは、ウサギが、1時
間の虚血の後に再灌流6時間以内に正常な脊髄機能を回
復することである。
を若干弱め、食道温度を29.9℃(第1グループより
も0.52℃高い)とした。この場合、ウサギは正常な
脊髄機能を回復しない。第3のグループには、体重に対
して10mmol/kgのタウリンを10%溶液として
投与した。タウリン全量の1/3は麻酔がかかった時に
投与し、他の1/3量は体温が食道温度30.58℃
(これは第1グループ(○)より1.2℃高くかつ第2
グループ(×)より0.68℃高い)になる間、かつ腹
部大動脈遮断前に投与し、残り1/3量は大動脈のクラ
ンプを外して脊髄の再灌流を行う5分前に投与した。図
7に示すように、タウリンを投与された動物は全て、低
体温法だけでは十分に保護され得ない温度においても、
適正に保護され、機能回復は24時間後でも維持され
た。このことから明らかなように、脊髄機能は1時間の
血液灌流停止の間にも適正に保護され、少なくとも24
時間以内に有害な遅延発生症状は起きなかった。
0%の高浸透圧溶液として使用した場合に、より効果的
であることが実験により判明した。また、タウリンの保
護効果は、様々な他の薬物とともに用いることにより増
大することも判明した。そのような薬物は、例えば、フ
リーラジカルの発生を抑える効果を有するマンニトー
ル、デフェロキサミン、及びビタミンCなど、細胞内の
NaやCaの増加を防ぐ効果を有するMgやダントロレ
ン、ホスホリパーゼCの抑制作用を有するクロールプロ
マジン及びニコリンなどである。実験の結果、タウリン
はそれ自体保護効果を有する1または2以上の薬剤と共
に使用された場合、全体としての保護効果は各々の成分
の活性の合計にならないとしても、各成分が個別に奏す
る保護効果のそれぞれよりは強くなる(薬効が増す)。
の投与量は、高浸透圧溶液(10%)として投与した場
合、体重当たり10mmol/kgである。それよりも
濃度を高くすると、同じ投与量のタウリンをより少ない
体積で投与できてよいが、タウリンの溶解度(室温23
℃で13%)や、短期間に溶液を投与した場合を考える
と、7〜10%が最も利用しやすい濃度であろう。
は、保護効果を引き起こす特定の作用に加えて、患部へ
の血流を増加することによって保護効果を発揮する。そ
こで、タウリン溶液を局所塗布することにより生じる血
流効果を調べた。実験は、左足(第4指)に凍傷を有す
る患者の皮膚温を、足を氷水に5秒間浸した場合と浸さ
ない場合とに分けて、赤外線カメラで測定することによ
り行った。皮膚温はその部位への血流量を反映し、温度
が高いほど血流量が多いことを示す。
戻る早さを測定する手法は、その部位に流れる血流量や
神経による血流コントロールを評価する臨床的試験法と
して、一般に使用されている。局所的に吸収されたタウ
リンにより生じる保護的な血管拡張効果は、基礎体温か
らの温度上昇、または氷水への浸漬後に基礎体温への回
復が促進されることにより証明される。
足に局所塗布することにより、足を氷水に浸漬しなかっ
た場合、浸漬した場合のいずれにおいても、その足の皮
膚温が上昇した。いずれの場合においても、局所塗布後
15分から20分後に最大の効果が得られた。脊髄虚血
に関する予備実験では、高浸透圧溶液を使用すると、等
浸透圧溶液や低浸透圧溶液を使用した場合よりも、保護
効果が増すことが判明したが、血管拡張効果に関して
も、10%溶液については検討済みだが、同様の傾向が
見えた。
く手や額などの正常な部位に適用した場合にも、若干効
果が劣りはするが、同様の反応が観察できた。このこと
から、様々な程度の神経血管の障害がある患部に適用す
ると、特に効果的であると考えられる。タウリンと同様
の効果を得るために、タウリンの代わりにホモタウリン
またはメチオニンも使用できる。しかし、タウリンを使
用した場合に最も効果が顕著である。
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数的に相関がある脳皮質の間質液中のタウリン濃度を示
すグラフである。
の非虚血ウサギ脳波図(EEG)のパワースペクトラム
を示す図である。
の非虚血ウサギ脳波図(EEG)のパワースペクトラム
を示す図である。
の非虚血ウサギ脳波図(EEG)のパワースペクトラム
を示す図である。
の非虚血ウサギ脳波図(EEG)のパワースペクトラム
を示す図である。
の非虚血ウサギ脳波図(EEG)のパワースペクトラム
を示す図である。
保護効果を示すグラフである。
Claims (14)
- 【請求項1】 人間を含む哺乳動物の無感覚または無痛
覚を引き起こすための薬理学的製剤であって、タウリ
ン、ホモタウリン、およびメチオニンから選択される1
または2以上の薬剤を、無感覚または無痛覚を引き起こ
す治療効果が得られる量含むことを特徴とする製剤。 - 【請求項2】 実質的に前記薬剤のうち1種類のみから
なることを特徴とする請求項1記載の製剤。 - 【請求項3】 前記薬剤および補助剤からなることを特
徴とする請求項1記載の製剤。 - 【請求項4】 前記哺乳動物の体重に対し1.0〜2.
0mmol/kgの量で静脈内投与されるべき量の前記
薬剤を含むことを特徴とする請求項1記載の製剤。 - 【請求項5】 人間を含む哺乳動物の組織の虚血性障害
を予防または治療するための薬理学的製剤であって、タ
ウリン、ホモタウリン、およびメチオニンから選択され
る1または2以上の薬剤を、前記虚血性障害を予防また
は治療するための治療効果が得られる量含むことを特徴
とする製剤。 - 【請求項6】 実質的に前記薬剤のうち1種類のみから
なることを特徴とする請求項5記載の製剤。 - 【請求項7】 前記薬剤および他の防護補助剤からなる
ことを特徴とする請求項5記載の製剤。 - 【請求項8】 前記虚血性障害は主として中枢神経系の
虚血性障害であることを特徴とする請求項5記載の製
剤。 - 【請求項9】 前記哺乳動物の体重に対して約10mm
ol/kgで静脈内投与されるべき量のタウリンを含む
高浸透圧溶液であることを特徴とする請求項5記載の製
剤。 - 【請求項10】 前記高浸透圧溶液は、7〜10%のタ
ウリンを含むことを特徴とする請求項9記載の製剤。 - 【請求項11】 前記哺乳動物の体重に対し0.5〜
3.0mmol/kgで静脈内投与されるべき量のメチ
オニンと、タウリンとを含むことを特徴とする請求項5
記載の製剤。 - 【請求項12】 アデニンヌクレオシド、ヌクレオチ
ド、マンニトール、ビタミンC、グルタチオン、ビタミ
ンE、ビタミンE誘導体、マグネシウム、ダントロレ
ン、コルチコステロイド、プロマジン、プロマジン誘導
体、ニコリン、21−アミノステロイド、非ステロイド
抗炎症薬、他の抗炎症薬、カルシウム拮抗薬、および、
ピナシジル、ニコランジル、クロマカリムなどのKATP
チャンネルオープナーから選択される1または2以上の
薬剤を含むことを特徴とする請求項5記載の製剤。 - 【請求項13】 皮膚または粘膜部位の血行を局所的に
増進するための局所塗布用製剤であって、タウリンを含
有することを特徴とする塗布用製剤。 - 【請求項14】 5〜10%のタウリンを含有する溶液
であることを特徴とする請求項13記載の塗布用製剤。
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