JPH1046246A - 磁束密度が高い無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

磁束密度が高い無方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH1046246A
JPH1046246A JP8206816A JP20681696A JPH1046246A JP H1046246 A JPH1046246 A JP H1046246A JP 8206816 A JP8206816 A JP 8206816A JP 20681696 A JP20681696 A JP 20681696A JP H1046246 A JPH1046246 A JP H1046246A
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hot
rolling
sheet
annealing
electrical steel
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JP8206816A
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Ryutaro Kawamata
竜太郎 川又
Takeshi Kubota
猛 久保田
Takehide Senuma
武秀 瀬沼
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、磁束密度が高い無方向性電磁鋼板
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 鋼中に重量%で、0.10%<Si≦
4.00%、0.1%≦Mn≦1.0%、0.10%≦
Al≦2.00%、C≦0.0050%、N≦0.00
50%、S≦0.0050%を含有し残部がFe及び不
可避的不純物からなる成分の鋼を熱間圧延し熱延板とし
熱延板焼鈍を施し、1回の冷間圧延工程を施し仕上げ焼
鈍を施すか、スキンパス圧延工程を仕上げ焼鈍後施す無
方向性電磁鋼板の製造方法において、仕上熱間圧延時
に、少なくとも1パスを歪み速度150s-1以上でか
つ、少なくとも1組のスタンド間張力が1.5kgf/
mm2 以上で仕上熱間を行い、冷間圧延率が75%以下
であることを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
さらに上記熱延で粗圧延後のシートバーを接合し、連続
して仕上熱延に供することを特徴とする製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気機器の鉄心材
料として用いられる、磁束密度が高い無方向性電磁鋼板
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器、特に無方向性電磁鋼板
がその鉄心材料として使用される回転機および中、小型
変圧器等の分野においては、世界的な電力、エネルギー
節減、さらにはフロンガス規制等の地球環境保全の動き
の中で、高効率化の動きが急速に広まりつつある。この
ため、無方向性電磁鋼板に対しても、その特性向上、す
なわち、高磁束密度かつ低鉄損化への要請がますます強
まってきている。ところで、無方向性電磁鋼板において
は、従来、低鉄損化の手段として一般に、電気抵抗増大
による渦電流損低減の観点からSiあるいはAl等の含
有量を高める方法がとられてきた。しかし、この方法で
は反面、磁束密度の低下は避け得ないという課題があっ
た。このような課題の克服のために、熱延板結晶粒径を
粗大化することで磁束密度と鉄損の両方を改善させる方
法が行われてきた。
【0003】このため、仕上熱延終了後、箱焼鈍あるい
は連続焼鈍による熱延板焼鈍を施すことが行われてき
た。このような無方向性電磁鋼板の冷延前結晶組織を安
価に粗大化する技術として、仕上熱延後の熱延板を70
0℃から1000℃の高温で巻取り、これをコイルの保
有熱で焼鈍する自己焼鈍法が特開昭54−76422号
公報に、また特公昭62−61644号公報には、熱延
終了温度を1000℃以上の高温として無注水時間を設
定し、いわゆるランアウトテーブル上で巻取前に熱延組
織を再結晶・粒成長を図る方法が開示されている。
【0004】さらに、再結晶および粒成長の進行の緩慢
な高Si系成分のハイグレード無方向性電磁鋼板の磁気
特性を制御熱延により改善する技術として、特開昭59
−74222号公報には、仕上熱延最終スタンドの圧下
率を20%以上として、熱延板の巻取温度を700℃以
上とする技術が開示されている。この場合においては、
最終スタンド圧下率を高めて巻取温度を上昇させること
により熱延終了後の熱延組織の再結晶および粒成長を促
進し、結果として磁気特性を改善することを狙ってい
る。しかしながら鋼板中のSi含有量が高い場合、この
技術では熱延板の再結晶は促進されるものの、その後の
粒成長が不十分であり、磁束密度の改善が不十分であっ
た。
【0005】一方で、鉄損低減とともに熱延板焼鈍を併
用することにより磁束密度を高める技術として、Si含
有量が2.5%〜4.0%である鋼において、特開昭5
9−74258号公報にはS≦15ppm、O≦20p
pm、N≦25ppmの高純度鋼化を図る方法が、特開
昭59−74257号公報にはS≦15ppm、O≦2
0ppm、N≦25ppmに加えてTi+Zr+Ce+
Ca≦150ppmとする方法が、特開昭59−742
23号公報にはS≦15ppm、O≦20ppm、N≦
25ppmに加えて仕上焼鈍時の昇温速度を300℃/S
以上とする技術が、特開昭59−74224号公報には
一回冷延法においてS≦15ppm、O≦20ppm、
N≦25ppmに制限する規定に加えて熱延板焼鈍条件
を規定しかつ冷間圧延率を65%以上に規定する技術
が、特開昭59−74225号公報には二回冷延法にお
いてS≦15ppm、O≦20ppm、N≦25ppm
の規定に加えて中間焼鈍条件を規定しかつ二回目の冷間
圧延率を70%以上に規定する技術がそれぞれ開示され
ている。
【0006】このような従来技術により提供される高磁
束密度低鉄損無方向性電磁鋼板に対して、需要家からは
回転機の鉄心を小型化して効率を向上させるためにさら
に高い磁束密度を有する無方向性電磁鋼板の提供が強く
求められていた。発明者らはこのような無方向性電磁鋼
板に対する需要家の要請に応える方策を見出すため、仕
上げ熱延技術に注目して検討を行った。無方向性電磁鋼
板の仕上熱延においては、自動車の外板等のプレス成型
や缶等の深絞り成形を行う薄鋼板に比べて、高い成品板
厚の精度が要求される。なぜなら、無方向性電磁鋼板は
鉄心として積層して使用に供されるため、成品板厚のわ
ずかな偏差が鉄心としての寸法精度に大きな影響を及ぼ
すからである。
【0007】このため成品の板厚精度には厳しい管理が
要求され、この目的のために冷延のみならず熱延板にお
いても厳しい板厚管理を行っている。そのため、仕上げ
熱延最終パス付近では形状調整のために圧下率を下げて
軽圧下とし、その歪み速度も小さいのが通常であり、磁
気特性向上の観点から仕上げ熱延の条件を検討する試み
は従来ほとんどなされなかった。また、冷間圧延率を下
げると、熱延板の板厚偏差、板幅方向のクラウン等の形
状の不均一性を冷間圧延により矯正する余地が少なくな
るため、従来、仕上圧延時の歪み速度等と関連させて冷
間圧延率の制御を行うことについても検討はなされなか
った。
【0008】発明者等は従来技術のこのような熱間圧延
および冷間圧延操業条件管理に対する考え方について見
直しを行い、成品の磁気特性向上の観点からその条件を
検討した結果、各種の熱延板焼鈍を実施する無方向性電
磁鋼板製造プロセス、あるいは自己焼鈍を施す無方向性
電磁鋼板製造プロセスにおいて、第1に、仕上熱間圧延
時に、少なくとも1パスにおいて、歪み速度と張力を高
めることにより、成品の磁束密度が増加する、第2に、
少なくとも1組のスタンド間の張力を高めることによ
り、成品の磁束密度が増加するとともに高歪み速度変形
下での熱延板の板厚精度低下という課題を解決しうる、
第3に、第1および第2の様な熱延条件を採った材料に
おいて冷間圧延率を下げることにより磁束密度が向上す
る、第4に、粗圧延後のシートバーを仕上熱延前に先行
するシートバーに接合し、該シートバーを連続して仕上
熱延に供することで高歪み速度下かつ高張力下での仕上
熱延を安定して実施しうること等を見いだし、発明の完
成に至った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
無方向性電磁鋼板の磁気特性に対する需要家の高磁束密
度低鉄損化の強い要請に応え、鉄心の小型化に有利な高
磁束密度無方向性電磁鋼板の製造法を提供するものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、以下の通りである。 (1)鋼中に重量%で 0.10%<Si≦4.00% 0.10%≦Mn≦1.00% C≦0.0050% N≦0.0050% S≦0.0050% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるス
ラブを用い、熱間圧延し熱延板とし、熱延板焼鈍を施
し、1回の冷間圧延を行い、次いで仕上げ焼鈍を施す無
方向性電磁鋼板の製造方法において、仕上熱間圧延時
に、少なくとも1パスを歪み速度150s-1以上でか
つ、少なくとも1組のスタンド間の張力が1.5kgf
/mm2 以上で仕上げ熱延を実施し、冷間圧延率が75
%以下であることを特徴とする磁束密度の高い無方向性
電磁鋼板の製造方法。
【0011】(2)鋼中に重量%で、更に0.10%≦
Al≦2.00%を含有することを特徴とする前記
(1)記載の磁束密度の高い無方向性電磁鋼板の製造方
法。 (3)仕上げ熱延後の熱延板に850℃以上1100℃
以下の温度で、20秒以上5分以下の連続焼鈍を施すこ
とを特徴とする前記(1)または(2)記載の磁束密度
の高い無方向性電磁鋼板の製造方法。 (4)仕上げ熱延後の熱延板に700℃以上850℃以
下の温度で、5分以上30時間以下の箱焼鈍を施すこと
を特徴とする前記(1)または(2)記載の磁束密度の
高い無方向性電磁鋼板の製造方法。
【0012】(5)仕上げ熱延後の熱延板を750℃以
上1050℃以下の温度で巻取り、5分以上5時間以
下、コイル自身の保有熱で自己焼鈍を施すことを特徴と
する前記(1)または(2)記載の磁束密度の高い無方
向性電磁鋼板の製造方法。 (6)1回目の冷間圧延後、仕上げ焼鈍を施し、さらに
2%以上20%以下のスキンパス圧延を施す前記(1)
〜(5)記載の磁束密度の高い無方向性電磁鋼板の製造
方法。 (7)粗圧延後のシートバーを仕上熱延前に先行するシ
ートバーに接合し、該シートバーを連続して仕上熱延に
供することを特徴とする前記(1)〜(6)記載の磁束
密度の高い無方向性電磁鋼板の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。無方向性電磁鋼板の磁気特性は冷延前結晶組織を粗
大化することで改善することが可能である。従来無方向
性電磁鋼板では熱延終了後、連続焼鈍炉もしくは箱焼鈍
炉において熱延板焼鈍を施し冷延前結晶組織の粗大化を
図ることが一般に行われてきた。しかしながら昨今の需
要家からはさらに磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の
供給が求められているのが現状である。また、従来技術
では高磁束密度無方向性電磁鋼板の製造コストを低減す
るために熱延板焼鈍を施さず冷延、焼鈍を行うプロセス
においては、熱延終了後の再結晶 、粒成長を促進させ
るために、熱延終了温度を高めに維持しなければなら
ず、スラブ加熱温度を上げる必要があった。しかしなが
らスラブ加熱温度を上昇させることは、加熱中にMn
S、AlN等の析出物の鋼中への再固溶を促進し、これ
が熱延時に微細に析出するため、熱延板焼鈍、仕上焼鈍
時の結晶粒成長を妨げ、鉄損が悪化するという課題があ
った。
【0014】発明者等は従来技術のこのような限界を打
破すべく無方向性電磁鋼板の熱延について着目し検討を
行った結果、Siを0.10%を上回り4.00%以
下、Mnを0.10%以上1.00%以下、Alを0.
10%以上2.00%以下含有する鋼にあって、仕上熱
間圧延時に、少なくとも1パスにおいて、歪み速度を高
め、少なくとも1組のスタンド間の張力をも高めて熱延
板を製造し、これを特定の圧延率で冷延することによ
り、成品における磁束密度が高い無方向性電磁鋼板を製
造することが可能であることを見出した。また、本発明
の様な高歪み速度かつ高張力下での仕上げ熱間圧延を安
定的に行うために、粗圧延後のシートバーを、先行する
シートバーに接合し、仕上熱間圧延を連続的に行うこと
が有効であることも見いだした。
【0015】まず、成分について説明すると、Siは鋼
板の固有抵抗を増大させ渦流損を低減させ、鉄損値を改
善するために添加される。Si含有量が0.10%以下
であると本発明が目的とする低鉄損無方向性電磁鋼板に
必要な固有抵抗が十分に得られないので0.10%を上
回る量を添加する必要がある。一方、Si含有量が4.
00%を越えると圧延時の耳割れが著しく増加し、圧延
が困難になるので4.00%以下とする必要がある。A
lも、Siと同様に、鋼板の固有抵抗を増大させ渦電流
損を低減させる効果を有する。本発明が目的とする低鉄
損高磁束密度無方向性電磁鋼板を得るためには、0.1
0%以上添加する必要がある。一方、Al含有量が2.
00%を越えると、磁束密度が低下し、コスト高ともな
るので2.00%以下とする。また、鋼中のAl含有量
が0.10%未満であっても本発明の効果はなんら損な
われるものではない。
【0016】Mnは、Al、Siと同様に鋼板の固有抵
抗を増大させ渦電流損を低減させる効果を有する。この
目的のため、Mn含有量は0.10%以上とする必要が
ある。一方、Mn含有量が1.00%を越えると熱延時
の変形抵抗が増加し熱延が困難となるとともに、熱延後
の結晶組織が微細化しやすくなり、製品の磁気特性が悪
化するので、Mn含有量は1.00%以下とする必要が
ある。また、Mn添加量は仕上げ熱延前の高温のシート
バー接合部の強度確保の点からもきわめて重要である。
なぜなら、低融点の硫化物が結晶粒界に存在することに
よるシートバー接合部の熱間脆化を防止するために、M
nとSとの重量濃度の比であるMn/Sの値を20以上
とすることが必要であるからである。本発明に規定する
成分範囲では、Mn含有量が0.1%以上であり、S含
有量は0.0050%以下であるので、Mn/Sの値は
20以上に保たれ、この観点からは問題がない。
【0017】また、製品の機械的特性の向上、磁気的特
性、耐錆性の向上あるいはその他の目的のために、P、
B、Ni、Cr、Sb、Sn、Cuの1種または2種以
上を鋼中に含有させても本発明の効果は損なわれない。
C含有量が0.0050%を越えると使用中の磁気時効
により鉄損が悪化して使用時のエネルギーロスが増加す
るため、0.0050%以下に制御することが必要であ
る。S、Nは熱間圧延工程におけるスラブ加熱中に一部
再固溶し、熱間圧延中にMnS等の硫化物、AlN等の
窒化物を形成する。これらが存在することにより熱延組
織の粒成長を妨げるとともに仕上げ焼鈍時の結晶粒成長
を妨げ鉄損が悪化するのでSは0.0050%、Nは
0.0050%以下にする必要がある。
【0018】次に本発明のプロセス条件について説明す
る。仕上熱延時のパスの歪み速度とスタンド間張力の成
品磁気特性に対する影響を調査するため下記の様な実験
を行った。表1に示す成分の鋼を溶製し仕上げ熱延を実
施した。仕上熱延時の最終パスの歪み速度と最終2パス
のスタンド間張力を変えるためパススケジュールを変更
して試験を行った。仕上熱延終了温度は900℃で1.
5mm厚に仕上げ水冷して650℃で巻き取った。その
後連続焼鈍炉により鋼Aは850℃2分、鋼Bは950
℃2分の熱延板焼鈍を施した。これを酸洗、冷延し0.
50mm厚とし、脱脂した後、鋼Aは750℃、30秒
焼鈍し、鋼Bは950℃、30秒焼鈍しエプスタイン試
料を切断して磁気特性を測定した。
【0019】
【表1】
【0020】仕上熱延時の最終パスの歪み速度に対する
製品磁束密度の依存性を図1に示した。このときの最終
2スタンド間張力は3.3kgf/mm2 とした。図1
によれば歪み速度150s-1以上で成品磁束密度が上昇
することがわかる。なお、歪み速度の計算は下記の式に
よって行う。ここで、rは圧下率%/100、nはロー
ルの回転数(rpm)、Rは圧延ロール半径(mm)、
0 は圧延前の板厚(mm)である。 歪み速度=〔2πn/(60r0.5 )〕(R/H0
0.5 ln〔1/(1−r)〕 次に、仕上熱延の最終スタンド歪み速度を325s-1
して、最終2スタンド間の張力を変え、他の条件は同一
で実験を行った。仕上熱延時の最終2スタンド間の張力
と製品磁束密度の関係を図2に示した。図2に示される
とおり、仕上熱延の最終2スタンド間の張力が1.5k
gf/mm2 以上で成品磁束密度が上昇することがわか
る。
【0021】次に、冷間圧延率の磁気特性への影響を調
査するために、下記の実験を行った。鋼Bを仕上熱延終
了温度は900℃で仕上げ板厚をかえて熱延し、水冷し
て650℃で巻き取った。この時、最終パスの歪み速度
を320s-1、最終2スタンド間張力は3.3kgf/
mm2 とした。その後連続焼鈍炉により950℃2分の
熱延板焼鈍を施した。これを酸洗、冷延し0.50mm
厚とし、脱脂した後、950℃、30秒焼鈍しエプスタ
イン試料を切断して磁気特性を測定した。磁束密度の冷
間圧延率に対する依存性を図3に示した。図3によれば
冷間圧延率が75%以下で成品磁束密度が上昇すること
がわかる。
【0022】以上の実験から示されるように、仕上熱延
において少なくとも1パスの歪み速度は150s-1以上
で、少なくとも1組のスタンド間の張力が1.5kgf
/mm2 以上、冷間圧延率は75%以下であればよい。
歪み速度の上限は特に設けない。これは、熱延機の設備
能力および熱延板の形状制御性から、歪み速度の上限は
自ずから決まるからである。すなわち、歪み速度は圧延
速度、熱延ロール径、圧下量により決まり、圧延速度、
圧下量を大きくすれば歪み速度は増大するが、熱延鋼板
の形状制御は困難となる。無方向性電磁鋼板は積層して
使用に供されるため、その形状に対しては厳しい管理が
必要であるので、歪み速度を増加させることにはおのず
から限界がある。この観点からは歪み速度は600s-1
程度が限界である。
【0023】また、最終2スタンド間の張力についても
上限は設けないが、スタンド間張力が大きくなると通板
時に変形が生じ板幅が狭くなるので、これを補償するた
めにスラブ幅を広める必要がある。この観点からの張力
の限界は10kgf/mm2程度である。また、本発明
の様な高歪み速度かつ高張力下での仕上げ熱間圧延を安
定的に行うために、粗圧延後のシートバーを、先行する
シートバーに接合し、仕上熱間圧延を連続的に行うこと
が特に有効である。前記成分からなる鋼スラブは、転炉
で溶製され連続鋳造あるいは造塊−分塊圧延により製造
される。鋼スラブは公知の方法にて加熱される。このス
ラブに熱間圧延を施し所定の厚みとする。
【0024】本発明では仕上熱延終了後の熱延板を連続
焼鈍、箱焼鈍、自己焼鈍の何れかの方法で結晶粒成長を
促進し成品の磁気特性の改善を図る。連続焼鈍の場合、
熱延板焼鈍温度は1100℃以下とする。熱延板焼鈍温
度が1100℃を上まわると、雰囲気を注意深く制御し
たとしても鋼板の酸化を防止することが出来ず、成品の
鉄損が著しく悪化する。このため連続焼鈍の場合、熱延
板焼鈍温度は1100℃以下に定める。また、850℃
未満では結晶粒成長が不十分となるので、850℃以上
とする。熱延板焼鈍時間は連続焼鈍では20秒以上5分
以下に定める。焼鈍時間が20秒未満では磁気特性の改
善が不十分であり、5分超であるとその効果が飽和する
とともに不経済ともなるので5分以下とする。
【0025】また、箱焼鈍による熱延板焼鈍ではその温
度が700℃未満では結晶粒成長が不十分となるので、
700℃以上とする。また、850℃超であると箱焼鈍
炉の設備が著しく高価になるとともに磁気特性の改善も
飽和するので、850℃以下とする。熱延板焼鈍時間は
箱焼鈍では5分以上30時間以下であり、好ましくは1
時間以上20時間以下である。5分未満では焼鈍の効果
は不十分であり、30時間超では高温焼鈍中に生じるコ
イルの自重による変形が激しくなり、歩留まりが著しく
低下するため30時間以下とする。
【0026】本発明では、熱延板焼鈍を仕上焼鈍後のコ
イル自身の保有熱で行う自己焼鈍も有効である。その
際、熱延コイルの巻取温度が750℃未満であると自己
焼鈍中の結晶粒成長が不十分となり、磁気特性の改善が
不十分であるので750℃以上とする。また、巻取温度
が1050℃を上回ると高温の自己焼鈍中の鋼板の酸化
を防止することが出来ず、成品の鉄損が著しく悪化す
る。このため自己焼鈍の場合、巻取り温度は1050℃
以下に定める。
【0027】自己焼鈍時間は5分以上5時間以下であ
り、好ましくは30分以上3時間以下である。5分未満
では焼鈍の効果は不十分であり、5時間超では鋼板の酸
化により成品の鉄損が著しく悪化するので5時間以下と
する。このように熱延板焼鈍を施して得られた熱延板は
一回の冷間圧延と連続焼鈍により製品とする。またさら
にスキンパス圧延を付加して製品としてもよい。スキン
パス圧延率は2%未満ではその効果が得られず、20%
超では磁気特性が悪化するため2%以上から20%以下
とする。
【0028】
【実施例】次に、本発明の実施例について述べる。 (実施例1)表2に示した成分を有する無方向性電磁鋼
用スラブを通常の方法にて加熱し、粗圧延機により厚み
50mmの粗バーに仕上げ、その後、仕上げ熱延機によ
り1.8mmに仕上げた。仕上げ熱延最終パスの歪み速
度をコイル全長にわたり300〜320s-1に制御し
た。また、仕上熱間圧延時に鋼板とワークロール間にス
リップが生じ鋼板の表面に疵が形成さ れることを防止
するために、粗圧延後のシートバーを先行するシートバ
ーに溶接し、仕上熱間圧延を連続して行った。この時、
熱延仕上げ温度は900℃とした。熱延後、連続焼鈍炉
により850℃2分の熱延板焼鈍を施した。その後、酸
洗を施し、冷間圧延により0.50mmに仕上げた。こ
れを連続焼鈍炉にて750℃で30秒間焼鈍した。その
後、エプスタイン試料に切断し、磁気特 性を測定し
た。表3に本発明と比較例の成分と磁気測定結果をあわ
せて示す。このように仕上げ熱延時の最終2スタンド間
の張力を1.5kgf/mm2以上に高めたことによ
り、磁束密度の値が高く、鉄損値の低い磁気特性の優れ
た無方向性電磁鋼板を得ることが可能である。また、最
終2スタンド間の張力が1.5kgf/mm2 以下であ
った比較例では熱延板のエッジから20mmとセンターと
の間の板厚偏差のコイル全長の平均が50μmを超えて
いたのに対し、最終2スタンド間の張力が1.5kgf
/mm 2 以上であった本発明例ではいずれも50μm以
下におさまり、最終2スタンド間の張力を制御すること
により、熱延板の板厚精度の向上がみられた。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】(実施例2)表4に示した成分を有する無
方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加熱し、粗圧延
機により厚み50mmの粗バーに仕上げ、その後、仕上
げ熱延機により1.7mmに仕上げた。仕上げ熱延最終
2スタンド間の張力を3.0kgf/mm 2 から3.2
kgf/mm2 に保って圧延を行った。また、仕上熱間
圧延時に鋼板とワークロール間にスリップが生じ鋼板の
表面に疵が形成されることを防止するために、粗圧延後
のシートバーを先行するシートバーに溶接し、仕上熱間
圧延を連続して行った。この時、熱延仕上げ温度は90
0℃とし、直ちに水冷して650℃にて巻き取った。そ
の後、連続焼鈍炉により950℃2分の熱延板焼鈍を施
し、酸洗を施し、冷間圧延により0.50mmに仕上げ
た。これを連続焼鈍炉にて940℃で30秒間焼鈍し
た。その後、エプスタイン試料に切断し、磁気特性を測
定した。表5に本発明と比較例の成分と磁気測定結果を
あわせて示す。このように仕上げ熱延時の最終パスの歪
み速度を150s-1以上に高めれば、磁束密度の値が高
く、鉄損値の低い磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板を
得ることが可能である。
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】(実施例3)表6に示した成分を有する無
方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加熱し、粗圧延
機により厚み50mmの粗バーに仕上げ、その後、仕上
げ熱延機により1.5mmに仕上げた。仕上げ熱延最終
2スタンド間の張力を3.1kgf/mm 2 から3.3
kgf/mm2 に保って圧延を行った。また、仕上熱間
圧延時に鋼板とワークロール間にストリップが生じ鋼板の表面
に疵が形成されることを防止するために、粗圧延後のシ
ートバーを先行するシートバーに溶接し、仕上熱間圧延
を連続して行った。この時、熱延仕上げ温度は900℃
とし、直ちに水冷して650℃にて巻き取った。その
後、連続焼鈍炉により980℃2分の熱延板焼鈍を施
し、酸洗を施し、冷間圧延により0.50mmに仕上げ
た。これを連続焼鈍炉にて950℃で30秒間焼鈍し
た。その後、エプスタイン試料に切断し、磁気特性を測
定した。表7に本発明と比較例の成分と磁気測定結果を
あわせて示す。このように仕上げ熱延時の最終パスの歪
み速度を150s-1以上に高めれば、磁束密度の値が高
く、鉄損値の低い磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板を
得ることが可能である。
【0035】
【表6】
【0036】
【表7】
【0037】(実施例4)表8に示した成分を有する無
方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加熱し、粗圧延
機により厚み50mmの粗バーに仕上げ、その後、仕上
げ熱延機により1.7mmに仕上げた。仕上げ熱延最終
2スタンド間の張力は2.5kgf/mm 2 から2.7
kgf/mm2 に保って圧延を行った。また、仕上熱間
圧延時に鋼板とワークロール間にストリップが生じ鋼板
の表面に疵が形成されることを防止するために、粗圧延
後のシートバーを先行するシートバーに溶接し、仕上熱
間圧延を連続して行った。この時、熱延仕上げ温度は9
50℃とし、直ちに水冷して650℃にて巻き取った。
その後、箱焼鈍炉により800℃5時間の熱延板焼鈍を
施し、酸洗を施し、冷間圧延により0.50mmに仕上
げた。これを連続焼鈍炉にて800℃で30秒間焼鈍し
た。その後、エプスタイン試料に切断し、750℃2時
間の需要家焼鈍相当 の歪取り焼鈍を行い、磁気特性を
測定した。表9に本発明と比較例の成分と磁気測定結果
をあわせて示す。このように仕上げ熱延時の最終パスの
歪み速度を150s-1以上に高めれば、磁束密度の値が
高く、鉄損値の低い磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板
を得ることが可能である。
【0038】
【表8】
【0039】
【表9】
【0040】(実施例5)表10に示した成分を有する
無方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加熱し、粗圧
延機により厚み50mmの粗バーに仕上げ、その後、仕
上げ熱延機により1.9mmに仕上げた。仕上熱延機の
最終2スタンド間の張力を2.9kgf/mm2 で一定
とした。この時、熱延仕上げ温度は950℃とし、86
0℃にて巻き取り、コイルを保熱カバー内に装入しコイ
ル自身の保有熱により830℃1時間の自己焼鈍を行っ
た。その後、酸洗し、冷間圧延により0.50mmに仕
上げ、連続焼鈍炉により850℃2分の熱延板焼鈍し
た。その後、エプスタイン試料に切断し、750℃2時
間の需要家焼鈍相当の歪取り焼鈍を行い、磁気特性を測
定した。表11に本発明と比較例の成分と磁気測定結果
をあわせて示す。このように仕上げ熱延時の最終パスの
歪み速度を150s-1以上に高めれば、磁束密度の値が
高く、鉄損値の低い磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板
を得ることが可能である。
【0041】
【表10】
【0042】
【表11】
【0043】
【発明の効果】このように本願発明によれば、磁束密度
が高い無方向性電磁鋼板を製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】仕上熱延時の最終パスの歪み速度と成品磁束密
度の関係を示す図、
【図2】仕上げ熱延時の最終2スタンド間の張力と成品
磁束密度の関係を示す図、
【図3】冷延圧下率と磁束密度の関係を示す図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼中に重量%で 0.10%<Si≦4.00% 0.10%≦Mn≦1.00% C≦0.0050% N≦0.0050% S≦0.0050% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるス
    ラブを用い、熱間圧延し熱延板とし、熱延板焼鈍を施
    し、1回の冷間圧延を行い、次いで仕上げ焼鈍を施す無
    方向性電磁鋼板の製造方法において、仕上熱間圧延時
    に、少なくとも1パスを歪み速度150s-1以上でか
    つ、少なくとも1組のスタンド間の張力が1.5kgf
    /mm2 以上で仕上げ熱延を実施し、冷間圧延率が75
    %以下であることを特徴とする磁束密度の高い無方向性
    電磁鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 鋼中に重量%で、更に0.10%≦Al
    ≦2.00%を含有することを特徴とする請求項1記載
    の磁束密度の高い無方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 仕上げ熱延後の熱延板に850℃以上1
    100℃以下の温度で、20秒以上5分以下の連続焼鈍
    により熱延板焼鈍を施すことを特徴とする請求項1また
    は2記載の磁束密度の高い無方向性電磁鋼板の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 仕上上げ熱延後の熱延板に700℃以上
    850℃以下の温度で、5分以上30時間以下の箱焼鈍
    により熱延板焼鈍を施すことを特徴とする請求項1また
    は2記載の磁束密度の高い無方向性電磁鋼板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 仕上げ熱延後の熱延板を750℃以上1
    050℃以下の温度で巻取り、5分以上5時間以下、コ
    イル自身の保有熱で自己焼鈍により熱延板焼鈍を施すこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の磁束密度の高い
    無方向性電磁鋼板の製造方法。
  6. 【請求項6】 1回目の冷間圧延後、仕上げ焼鈍を施
    し、さらに2%以上20%以下のスキンパス圧延を施す
    ことを特徴とする請求項1〜5記載の磁束密度の高い無
    方向性電磁鋼板の製造方法。
  7. 【請求項7】 粗圧延後のシートバーを仕上熱延前に先
    行するシートバーに接合し、該シートバーを連続して仕
    上熱延に供することを特徴とする請求項1〜6記載の磁
    束密度の高い無方向性電磁鋼板の製造方法。
JP8206816A 1996-08-06 1996-08-06 磁束密度が高い無方向性電磁鋼板の製造方法 Withdrawn JPH1046246A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010248559A (ja) * 2009-04-14 2010-11-04 Nippon Steel Corp 無方向性電磁鋼板
KR101703071B1 (ko) * 2015-12-10 2017-02-06 주식회사 포스코 무방향성 전기강판 및 그 제조방법

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