JPH1046352A - 塗装鋼板の製造方法 - Google Patents

塗装鋼板の製造方法

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JPH1046352A
JPH1046352A JP20035296A JP20035296A JPH1046352A JP H1046352 A JPH1046352 A JP H1046352A JP 20035296 A JP20035296 A JP 20035296A JP 20035296 A JP20035296 A JP 20035296A JP H1046352 A JPH1046352 A JP H1046352A
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steel sheet
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Kazuhito Imai
和仁 今井
Kenji Ikishima
健司 壱岐島
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、塗装鋼板の製造における浸漬法によ
るりん酸亜鉛処理工程において、母材の種類や表面状況
が異なっても効率よく安定して優れたりん酸亜鉛処理が
施せる手段を提供することを目的とする。 【解決手段】処理液を噴出するノズルをりん酸亜鉛処理
槽内に設け、当該ノズルからの処理液の噴出速度および
噴出方向を制御して母材に対する処理液の速度を変更す
ることにより、りん酸亜鉛被膜の付着量を 0.5〜1.2g/
m2の範囲に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗膜の密着性に優れた
高耐食性の塗装鋼板の前処理方法、特に浸漬法により母
材にりん酸亜鉛皮膜を施す方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塗装鋼板(プレコート鋼板)は、塗装さ
れた状態で打ち抜き、折り曲げ、絞りなどの加工が施さ
れ、組み立てられて冷蔵庫や洗濯機などの家電製品に代
表される高度な品質が要求される製品に使用される。こ
のため、塗装鋼板の塗膜には、使用先の要求に応じた硬
さや表面品質と共に、途中の加工にも耐え得る密着性や
加工部あるいは切断部の端面での耐食性なども要求され
る。
【0003】コイル状の母材から塗装鋼板を製造する設
備では、前処理、塗装、および焼き付けの各工程の処理
が同一のラインで連続的に施される。前処理工程は、さ
らに詳細には、脱脂、表面調整、りん酸塩処理、
クロメートリンスなどの単位作業で構成されている。
【0004】表面調整は、母材表面を活性化してりん酸
塩の結晶を微細に生成させるために行なう。りん酸塩処
理では、表面を清浄にした母材に第一りん酸塩水溶液を
接触させ、母材の表面に不溶性のりん酸塩皮膜(第二ま
たは第三りん酸塩)を形成させる。この皮膜は無機塩の
結晶の複合体であるが、その付着量や形態が適切であれ
ば、母材と塗膜を強固に結合させる働きをするとともに
塗装鋼板の耐食性の改善にも寄与する。めっき鋼板を母
材とする塗装鋼板の前処理としては、りん酸亜鉛処理が
多く用いられている。りん酸塩処理の後に行なうクロメ
ートリンスは、りん酸塩結晶の隙間をクロム酸、シリ
カ、樹脂等で塞ぐ封孔処理と、母材の表面に付着してい
るスラジ状のりん酸亜鉛を溶解除去して耐食性を高める
効果を持っている。
【0005】りん酸塩処理の良否が塗装鋼板の性能に影
響するので、りん酸塩皮膜は安定して均一に形成させな
ければならない。このため、通常、りん酸亜鉛処理浴の
全酸度、遊離酸度、浴温度などを周期的に測定して管理
している。
【0006】図1および図2に、塗装鋼板の性能に及ぼ
すりん酸亜鉛の付着量の効果を示す。図1は加工性に及
ぼす影響を調査したものである。縦軸は、板厚0.6 mm、
めっき付着量が片面当たり120g/m2の溶融亜鉛めっき鋼
板にりん酸亜鉛処理を施した後、ポリエステル樹脂系の
塗料を厚さ12μm に塗装焼き付けした鋼板を、板厚の2
倍の内側曲げ半径で曲げたときの曲げ外側での塗膜の剥
離の状況を判定した結果である。りん酸亜鉛の付着量が
多くなると加工性が低下している。
【0007】図2は耐食性に及ぼす影響を調査したもの
で、縦軸は、同じ塗装鋼板から得た70×150mm の大きさ
の短冊状の試験片についてJIS Z 2371に準拠した塩水噴
霧試験を行ない、試験片の端面に生じた塗膜の膨れ巾の
最大値を示したものである。加工性とは逆に、りん酸亜
鉛皮膜の付着量が少なすぎると塗装後の耐食性が劣るこ
とがわかる。加工性と耐食性とを同時に満たすために
は、皮膜の付着量を適当な範囲に管理しなければならな
い。
【0008】りん酸亜鉛処理の方法は浸漬法とスプレー
法に大別できる。浸漬法は、処理槽に満たした処理液の
中に母材を通過させてりん酸塩処理を行う方法であり、
りん酸塩処理法が開発された当初から用いられている方
法である。処理時間は処理槽の長さが同じであれば通板
速度によって決まる。
【0009】スプレー法は母材の両面に配置したノズル
から処理液を吹き付けて皮膜を形成する方法である。こ
の方法は、ノズルに開閉手段などを設けることによって
必要に応じて使用するノズルの数が選べるので、操業条
件変化に対する対応性に優れる。しかし、浸漬法から切
り換えるには設備改造が必要なうえ、スラジが発生し易
くノズルの目詰まり防止など操業管理に手間がかかる、
などの問題がある。
【0010】めっき鋼板の表面の活性度は、表面仕上げ
やめっきの種類によって異なり、同じ処理液で同じライ
ン速度で連続して処理しても皮膜の結晶形態や付着量は
母材によって異なる場合が多い。小量多品種の塗装鋼板
の製造時など反応性が異なる母材を連続して処理しなけ
ればならない場合に、浸漬法では前処理条件の迅速な変
更が行ないにくい。
【0011】例えば、非連続式のバッチ処理であれば処
理時間の調整が容易であるが、連続ラインの場合には後
の塗装工程や塗装焼き付け工程の制約を受けてライン速
度を変更できる余地は少ない。ライン内に予備の処理槽
を設けておいて反応性が低い母材には予備の処理槽も使
う方法があるが、この方法は経済性に欠ける。また、処
理液の濃度や温度の変更も処理槽の容積が大きいことか
ら即応性に欠けるうえ経済性も損なう。
【0012】浸漬法でのりん酸亜鉛処理の促進方法が特
開昭59−190370号公報において提案されている。これ
は、線材のりん酸亜鉛処理において、処理槽を通過する
線材に20〜 100KHZ の超音波を付加することによってり
ん酸亜鉛皮膜の付着を促進する方法である。しかしこの
方法を鋼板に適用するには設備費がかかり、経済的でな
いのが問題である。
【0013】このように浸漬法で塗装鋼板を製造する場
合において、りん酸亜鉛の付着量を迅速に効率よく、し
かも、経済的に調整する方法は未だ開発されていないの
が実状である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、塗装鋼板の製造における浸漬法によるりん
酸亜鉛処理工程において、表面の反応性が異なる母材に
対しても効率よく安定して処理が施せる方法を提供する
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、りん酸亜
鉛の付着量と被処理面に対する処理液の流速との関係等
に着目して鋭意研究を進めた結果、以下のことを見いだ
した。
【0016】a.りん酸亜鉛の付着量は処理時間が長く
なると増加するが、さらに、母材に対する処理液の速度
(以下、“処理液の相対速度”と記す)との間にも正の
相関関係がある。
【0017】b.上記の相関関係は母材の種類によって
異なる。
【0018】本発明はこれらの知見に基づいてなされた
もので、その要旨は、以下に示す塗装鋼板の製造方法に
ある。
【0019】母材を処理液中に通板する浸漬法によって
母材であるめっき鋼板にりん酸亜鉛処理を施し、さらに
その上に塗膜を形成する塗装鋼板の製造方法において、
前記りん酸亜鉛処理の際に、処理液噴出用ノズルから処
理液を噴出し、かつ、その処理液の噴出速度および噴出
方向を変えることによって、りん酸亜鉛処理槽内での母
材に対する処理液の相対速度を変更し、りん酸亜鉛皮膜
の付着量を被処理面1m2当たり0.5 〜1.2g の範囲に制
御することを特徴とする塗装鋼板の製造方法。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施に際し、その形態や
条件の範囲およびそれを設定した理由を以下に述べる。
【0021】母材は亜鉛めっき鋼板あるいは亜鉛系合金
めっき鋼板である。そのめっき方法には電気めっき法や
溶融めっき法等があるが、いずれでもよい。合金めっき
の種類には、亜鉛―鉄、亜鉛―ニッケル、亜鉛―アルミ
ニュウム、亜鉛―コバルト等があるがいずれでもよい。
【0022】母材に水洗、脱脂、表面調整を施した後、
りん酸亜鉛処理を浸漬法で行ない、その後クロメートリ
ンスを施す。水洗、脱脂、表面調整およびクロメートリ
ンスは通常実施する条件で行なえばよく、本発明で特別
に限定すべき条件はない。また、浸漬法には、処理槽の
中を母材が水平方向に通板する横型の浸漬槽を用いる場
合や、母材を上下のロールの間で折り返す縦型の浸漬槽
を用いる場合などがあるが、いずれの方法を用いても良
い。
【0023】本発明では、処理槽内に処理液を吹き出す
ノズルを設け、これらのノズルから処理液を噴出し、そ
の噴出速度や噴出方向を調整し、母材に対する処理液の
相対速度を変更することによって皮膜の付着量を調整す
る。処理液の噴出方向を母材の進行方向と逆向きにする
と相対速度を増加させるのが容易であり、母材の進行方
向と同じにすれば処理液を噴出しない通常の場合に較べ
て相対速度を減少させることができる。
【0024】図3に本発明を実施する場合の方法の例と
して、横型の処理槽でりん酸亜鉛処理を行なう場合の概
念図を示す。処理槽1には、上下相接する2本のロール
2で構成される液を堰止める装置が入側と出側に配置さ
れており、これにより母材3は処理液中に保持される。
処理槽1からオーバーフローする処理液は、通常、処理
液タンク4に集められ、ポンプ5によって処理槽1に送
られて循環使用される。
【0025】本発明では、処理液回収タンク4からポン
プ5によってノズルヘッダー6に処理液を圧送すし、ノ
ズルヘッダー6に設けたノズルから母材に向けて処理液
を噴出する。処理液をノズルヘッダー6に圧送するポン
プや配管は、上記の処理液を循環使用するために設けた
ポンプや配管を用いてもよいし、処理液噴出専用のもの
を設けてもよい。図3は専用のものを設けた場合で、処
理液循環用の配管類は図には示していない。図3は処理
液を噴出する方向(矢印で示した)が母材の通板方向と
逆向きの場合を示している。
【0026】本発明では、処理液の相対速度を、母材の
通板速度とノズル出口での処理液の噴出速度との差、と
定義する。処理液の噴出速度は、処理液の供給量と処理
液を噴出するノズルの断面積とから計算して求めること
ができる。処理液の供給量は、ノズルヘッダー6あるい
はポンプ5とノズルヘッダー6とをむすぶ配管の途中等
に設ける流量計(図示せず)やポンプの回転数などから
求めればよい。
【0027】母材の通板速度が一定で処理時間が同じ場
合、処理液の相対速度と付着量との間には正の相関関係
があり、処理液の相対速度を制御すれば、コイルの速度
を変えなくても付着量を所望の範囲に保つことができ
る。処理液の相対速度の最適値は、皮膜の付着量が所望
の範囲になるように、母材の反応性に応じて決めれば良
い。事前に付着量と相対速度の関係を母材の種類毎に求
めておいて、その関係をもとに相対速度を作業前に決め
ても良いし、操業の途中で付着量を測定して相対速度を
変更しても良い。
【0028】例えば、母材の反応性が良好すぎて、本発
明を実施しない通常の操業条件では付着量が過大になる
場合には、処理液の噴出方向を母材の進行方向と同じに
して相対速度を低下させることにより付着量を減少させ
ることができる。相対速度が皮膜の付着量に影響する理
由は定かではないが、りん酸塩処理皮膜の形成に必要な
りん酸イオンの供給量が変化するためと推定する。
【0029】本発明での処理液の相対速度は20m /秒以
下にすることが好ましい。これを超える場合には、処理
液を噴出するのに必要なポンプ5の出力を高めねばなら
ないので経済性に欠ける。
【0030】ノズルからの処理液の噴出速度の変更は、
給液用のポンプ5とノズルヘッダー6との間に流量調節
装置(図示せず)を設置したり、ポンプ5の回転数を変
更するなど種々の方法があるが、本発明ではいずれの方
法を用いても良い。処理槽内におけるノズルヘッダーの
位置やノズルヘッダーと母材表面との間隔など、ノズル
ヘッダーの配置には特別な限定はない。例えば図3では
母材上面のノズルヘッダーが処理液中に配置されている
が、母材上面の処理液が深くない場合には、ノズルヘッ
ダーが液面よりも上にでていてもかまわない。ノズルの
開口部の形状には特別な限定はない。丸穴や細長いスリ
ット状等任意の形状でよい。処理液の相対速度の変更に
よる付着量の調節は、母材3の表裏面それぞれで行なう
のが基本であるが、いずれか片方の面のみ、あるいは、
母材の巾方向の一部分だけで行なっても良い。このた
め、望ましくは、母材の表裏面のノズルヘッダーへの処
理液の供給量が各々独立に制御できるように、ポンプ、
流量計さらに配管系を個別に設けるのがよい。
【0031】りん酸亜鉛皮膜の付着量は、被処理面1m2
当たり0.5〜1.2 gの範囲に管理する。りん酸亜鉛皮膜の
付着量が 0.5g/m2未満の場合は塗装鋼板の耐食性が劣
り、また、1.2 g/m2を超える場合は加工性が劣るから
である。
【0032】下地処理後に行う塗装の方法や条件は特に
限定はしない。塗膜を構成する樹脂や架橋剤、顔料など
の種類や塗装条件なども通常行われている範囲のもので
あればよい。
【0033】
【実施例】
〔実施例1〕巾1.5m、母材が処理液中に浸漬している長
さ10m のりん酸亜鉛処理槽に、母材表面に対しては平行
で、かつ、母材の巾方向に平行な向きのノズルヘッダー
としての管を母材の表裏面それぞれに5本ずつ、母材の
通板方向に1.7m間隔で設けた。この管には処理液を噴出
するノズルとして、直径6mmの穴を180 mm間隔で7箇所
あけてある。このノズルヘッダーは、噴出液が母材の通
板方向と逆向きで、水平面から30゜の角度で鋼板側に向
かって噴出されるように設置した。また、ノズルヘッダ
ーの向きを変えて通板方向に向けて処理液を噴出する実
験も行った。
【0034】母材としてコイル状の板厚 0.6mm、板巾11
00mm の、JIS G 3302 に規定されている溶融亜鉛め
っき鋼板3種類とJIS G3313 に規定されている電気亜
鉛めっき鋼板1種類とを用いた。亜鉛の付着量および表
面状況を以下に記す。括弧内の数値は溶融めっき鋼板の
場合には両面の、電気めっき鋼板の場合にはそれぞれ片
面当たりの亜鉛の付着量を示す。
【0035】溶融亜鉛めっき鋼板/ミニマムスパングル
(120g/m2) 溶融亜鉛めっき鋼板/レギュラースパングル(120g/
m2) 溶融合金化亜鉛めっき鋼板(120g/m2) 電気亜鉛めっき鋼板(20g/20g/m2) これらの鋼板を用いて、表1に示す条件で前処理を行な
った。
【0036】
【表1】
【0037】なお、表1に示した処理時間は、通板速度
が1m /秒の場合の値を示している。本実施例では通板
速度が2m /秒の実験も行なっているが、この場合の処
理時間は表1に記載した値の1/2になる。ノズルから
の処理液の噴出速度は配管の途中に設けた流量計で計測
した流量とノズルの開口部の面積とから計算で求めた。
処理液の噴出速度の調整はポンプの回転数を変更して行
なった。前処理を施した母材から切り板サンプルを採取
し、表2に示す条件で塗装、焼き付けを施した。
【0038】
【表2】
【0039】りん酸亜鉛の付着量は、上記の前処理済み
のサンプルの巾方向3ケ所から100mm角の試験片を採取
し、これらの試験片のりん酸亜鉛皮膜をクロム酸アンモ
ニウムで溶解して重量法によって求めたものの平均値を
用いた。
【0040】塗装鋼板の加工性はJIS に規定されている
2T折り曲げ試験で、密着性はコインスクラッチ試験
で、耐食性はJIS Z 2371に規定の塩水噴霧試験方法で評
価した。具体的な試験条件は以下のとおりである。
【0041】2T折り曲げ試験:JIS G 3321に規定され
ている着色亜鉛鉄板の試験方法にて実施した。20℃で内
側の曲げ半径が板厚の2倍の曲げ試験を行い、曲げ部外
側の塗膜の剥離状況を拡大率10倍のルーペで観察し、剥
離した面積の割合を求め次の基準で判定した。
【0042】○:0〜10%剥離、△:11〜30%剥
離、×:31%以上剥離 コインスクラッチ試験:10円硬貨を用いて5kgの荷重を
かけながら塗膜を引っ掻き、塗膜の剥離状態を次の基準
で判定した。
【0043】 ○:塗膜にわずかに傷がついたもの △:塗膜が若干はがれたもの ×:塗膜がかなりはがれたもの 耐食性試験:試験片の裏面、および上部と下部の端面を
ポリエステルテープでシールし、JIS Z 2371に規定の塩
水噴霧試験を 500時間行った後、試験片の両側の端面か
らの膨れ巾の最大値を測定し、下記の基準で評価した。
【0044】 ○:3mm 未満、△:3mm 以上5mm 未満、×:5mm 以上 得られた試験結果を表3に示す。表3でノズル出口流速
欄の数値に付した符号は、−符号が、処理液の噴出方向
が母材の通板方向と逆向きであることを示し、+符号
は、通板方向と同じ向きであることを示す。ノズル出口
流速0は、ノズルから処理液を噴出しなかったケースで
あって、比較のために行ったものである。
【0045】
【表3】
【0046】表3から、相対速度と皮膜の付着量との間
には正の相関関係があり、相対速度を大きくすると付着
量が増えること、さらには、母材の種類に応じて相対速
度を適正に選定すれば、反応性が異なる各種の母材を同
じ通板速度で処理しても適正な付着量にできること、な
どがわかる。また、表3に示した塗装鋼板の性能評価結
果に示されているように、りん酸亜鉛の付着量を被処理
面1m2当たり0.5 〜1.2 g の範囲に管理すれば塗膜密着
性、加工性、耐食性などが良好であることがわかる。
【0047】例えば、通板速度が1m /秒で処理時間が
10秒の場合、ノズルからの処理液の噴出をしない場合に
は、溶融亜鉛めっき鋼板のミニマムスパングル品(試番
4)や合金化溶融亜鉛めっき鋼板(試番16、22)を母材
とする場合には、りん酸亜鉛皮膜の形成が不十分で塗装
鋼板の塗膜の密着性や耐食性が好ましくない。従来の方
法では、通板速度を下げて処理時間を長くする等の対応
が必要であった。
【0048】しかし、本発明法を適用して母材と処理液
との相対速度を適正な範囲にして処理を行うと、通板速
度を変更すること無く最適の皮膜付着量が得られ、塗装
鋼板の性能も良好であった。試番1、2および13〜15は
皮膜付着量が好ましい範囲になっており、この時の相対
速度がこれらの母材に対する好ましい条件である。試番
18〜20の結果が示しているように、合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板の場合、相対速度を4〜10m /秒にすれば、処理
時間が1/2、つまり、通板速度を2倍にしても適正な
付着量と製品性能が得られた。
【0049】溶融亜鉛めっき鋼板のレギュラースパング
ル品や電気亜鉛めっき鋼板を母材とする場合では、これ
らの母材の反応性が良すぎるために、従来の製造方法で
はりん酸亜鉛皮膜が過剰に生成し、曲げ性が好ましくな
い(試番6および9)。この場合は、ノズルの向きを通
板方向にして相対速度を0.9 〜0.5 m /秒に減少させる
ことで付着量が適正範囲になり塗装鋼板の性能も改善さ
れた。これは、液の相対速度を下げたことにより、りん
酸イオンの供給量が減少したためと推定される。
【0050】
【発明の効果】本発明の方法によれば、表面状態や反応
性などりん酸亜鉛処理性が異なる各種のめっき鋼板のり
ん酸亜鉛処理を、安定して、かつ、通板速度などを損な
うことなく効率的に施すことができる。このため、多品
種小ロットでも安定して性能が優れた塗装鋼板を製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗装鋼板の加工性に及ぼすりん酸亜鉛の付着量
の影響を示す図である。
【図2】塗装鋼板の端面耐食性に及ぼすりん酸亜鉛の付
着量の影響を示す図である。
【図3】本発明の方法に用いるりん酸亜鉛の処理槽の構
造を示す概念図である。
【符号の説明】
1:処理槽 2:ロール 3:母材 4:処理液タンク 5:ポンプ 6:ノズルヘッダー用

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】母材を処理液中に通板する浸漬法によって
    母材であるめっき鋼板にりん酸亜鉛処理を施し、さらに
    その上に塗膜を形成する塗装鋼板の製造方法において、
    前記りん酸亜鉛処理の際に、処理液噴出用ノズルから処
    理液を噴出し、かつ、その噴出速度および噴出方向を変
    えることによって、りん酸亜鉛処理槽内での母材に対す
    る処理液の相対速度を変更し、りん酸亜鉛皮膜の付着量
    を被処理面1m2当たり0.5 〜1.2 g の範囲に制御するこ
    とを特徴とする塗装鋼板の製造方法。
JP20035296A 1996-07-30 1996-07-30 塗装鋼板の製造方法 Pending JPH1046352A (ja)

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