JPH1046366A - アルミニウム合金用エッチング液およびエッチング方法 - Google Patents
アルミニウム合金用エッチング液およびエッチング方法Info
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- JPH1046366A JPH1046366A JP20512696A JP20512696A JPH1046366A JP H1046366 A JPH1046366 A JP H1046366A JP 20512696 A JP20512696 A JP 20512696A JP 20512696 A JP20512696 A JP 20512696A JP H1046366 A JPH1046366 A JP H1046366A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】化学エッチングによって素材表面近傍のシリコ
ン粒子を残したままアルミニウムを均一な深さにエッチ
ングするアルミニウム合金用エッチング液を提供する。 【解決手段】アルカリ金属イオンまたはアンモニウムイ
オンのうち少なくとも1種のイオンと、りん酸イオンと
を、これらのイオンのモル濃度比、〔アルカリ金属イオ
ン(mol/l) +アンモニウムイオン(mol/l) 〕/〔りん酸
イオン(mol/l) 〕が0.3〜1.3の範囲となるよう含
み、かつ弗素イオンを0.01〜5モル/リットル含む
ことを特徴とするアルミニウム合金用エッチング液。ア
ルミニウムの部位が均一な深さにエッチングされ、シリ
コン粒子のみが表面に突出した表面形態となり、この上
に潤滑皮膜層を形成すると密着性および耐摩耗性が大幅
に向上する。
ン粒子を残したままアルミニウムを均一な深さにエッチ
ングするアルミニウム合金用エッチング液を提供する。 【解決手段】アルカリ金属イオンまたはアンモニウムイ
オンのうち少なくとも1種のイオンと、りん酸イオンと
を、これらのイオンのモル濃度比、〔アルカリ金属イオ
ン(mol/l) +アンモニウムイオン(mol/l) 〕/〔りん酸
イオン(mol/l) 〕が0.3〜1.3の範囲となるよう含
み、かつ弗素イオンを0.01〜5モル/リットル含む
ことを特徴とするアルミニウム合金用エッチング液。ア
ルミニウムの部位が均一な深さにエッチングされ、シリ
コン粒子のみが表面に突出した表面形態となり、この上
に潤滑皮膜層を形成すると密着性および耐摩耗性が大幅
に向上する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合
金、特に珪素を含有するアルミニウム−珪素系合金から
なる摺動部材の、なじみ性、摺動性の付与を目的として
行われるめっき、塗装等の摺動皮膜形成に先立って行わ
れる前処理、エッチング方法に関するものである。
金、特に珪素を含有するアルミニウム−珪素系合金から
なる摺動部材の、なじみ性、摺動性の付与を目的として
行われるめっき、塗装等の摺動皮膜形成に先立って行わ
れる前処理、エッチング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジン等に使用されるアルミニ
ウム合金製ピストンやシリンダーには、初期なじみ性、
摺動性の向上のため、アルミニウム合金素材表面に、す
ずや鉛などの軟質金属をめっきしたり、固体潤滑剤皮膜
を形成して使用される場合が多い。これらの用途では、
厳しい摺動条件下で使用されるため、硬度、耐摩耗性が
良好な珪素を10〜30%程度含有するアルミニウム−
珪素系、アルミニウム−珪素−銅系などの含珪素アルミ
ニウム合金が使用されている。
ウム合金製ピストンやシリンダーには、初期なじみ性、
摺動性の向上のため、アルミニウム合金素材表面に、す
ずや鉛などの軟質金属をめっきしたり、固体潤滑剤皮膜
を形成して使用される場合が多い。これらの用途では、
厳しい摺動条件下で使用されるため、硬度、耐摩耗性が
良好な珪素を10〜30%程度含有するアルミニウム−
珪素系、アルミニウム−珪素−銅系などの含珪素アルミ
ニウム合金が使用されている。
【0003】しかし、これらの含珪素アルミニウム合金
を使用した場合でも、近年のエンジンの高出力化に対応
するには不十分であった。特にエンジンの中でもアルミ
ニウム合金製ピストンのピストンリング溝にはピストン
リングとの摺動によって高い負荷がかかるため、含珪素
アルミニウム合金を使用するのみでは不十分で、これら
のアルミニウム合金表面に、すず等の軟質金属めっき皮
膜や固体潤滑剤皮膜の層を形成して凝着防止をはかる方
法が採られてきた。
を使用した場合でも、近年のエンジンの高出力化に対応
するには不十分であった。特にエンジンの中でもアルミ
ニウム合金製ピストンのピストンリング溝にはピストン
リングとの摺動によって高い負荷がかかるため、含珪素
アルミニウム合金を使用するのみでは不十分で、これら
のアルミニウム合金表面に、すず等の軟質金属めっき皮
膜や固体潤滑剤皮膜の層を形成して凝着防止をはかる方
法が採られてきた。
【0004】しかし、これらの厳しい摺動摩擦条件下で
はすずや固体潤滑皮膜が磨滅や剥離を起こし易く、その
ため十分な耐凝着性を得るにはこれらの皮膜を形成する
前に何らかの前処理を行って潤滑皮膜の密着性や耐摩耗
性を向上させる必要があった。
はすずや固体潤滑皮膜が磨滅や剥離を起こし易く、その
ため十分な耐凝着性を得るにはこれらの皮膜を形成する
前に何らかの前処理を行って潤滑皮膜の密着性や耐摩耗
性を向上させる必要があった。
【0005】このような要求に対応する技術としては、
特公昭50−4330号公報に開示されているように素
材を加熱してグリッドブラストを行う方法や、湿式エッ
チングにより表面のアルミニウムを溶解させる方法があ
る。これらのうちグリッドブラストを行う方法では、ピ
ストンリング溝のような狭い部位を処理するのは困難で
あり、化学エッチングによる方法ではエッチング深さが
不均一になり、表面の平滑性が損なわれやすいため、電
解エッチングや陽極酸化などの電解処理が行われる場合
が多い。
特公昭50−4330号公報に開示されているように素
材を加熱してグリッドブラストを行う方法や、湿式エッ
チングにより表面のアルミニウムを溶解させる方法があ
る。これらのうちグリッドブラストを行う方法では、ピ
ストンリング溝のような狭い部位を処理するのは困難で
あり、化学エッチングによる方法ではエッチング深さが
不均一になり、表面の平滑性が損なわれやすいため、電
解エッチングや陽極酸化などの電解処理が行われる場合
が多い。
【0006】陽極酸化法または電解エッチング法を用い
てアルミニウム合金の耐摩耗性を向上させた例として
は、特開昭53−58443号公報に、アルミニウム合
金製ピストンをりん酸50〜300g/Lを含有する溶
液中で10A/dm2の電流密度で陽極酸化処理したの
ち、電気めっきする技術が開示されている。また、特開
平5−86972号公報には、過塩素酸と氷酢酸の混合
溶液中で50V、40℃で2分間電解エッチングした
後、めっきする技術が開示されている。
てアルミニウム合金の耐摩耗性を向上させた例として
は、特開昭53−58443号公報に、アルミニウム合
金製ピストンをりん酸50〜300g/Lを含有する溶
液中で10A/dm2の電流密度で陽極酸化処理したの
ち、電気めっきする技術が開示されている。また、特開
平5−86972号公報には、過塩素酸と氷酢酸の混合
溶液中で50V、40℃で2分間電解エッチングした
後、めっきする技術が開示されている。
【0007】一方、水酸化ナトリウム溶液などによる化
学エッチング法は、整流器や電解槽、電解用治具が不要
でランニングコストも安いなど長所が多い。しかし、こ
の化学エッチング法は、エッチング反応が均一に起こら
ず、シリコン粒子に隣接する部位では深くエッチングさ
れるが、シリコン粒子から数μm以上離れた場所ではア
ルミニウムがエッチングされずに残るため、均一なエッ
チングが得られず、このため表面粗さが増加して摺動
性、耐凝着性が不十分であった。
学エッチング法は、整流器や電解槽、電解用治具が不要
でランニングコストも安いなど長所が多い。しかし、こ
の化学エッチング法は、エッチング反応が均一に起こら
ず、シリコン粒子に隣接する部位では深くエッチングさ
れるが、シリコン粒子から数μm以上離れた場所ではア
ルミニウムがエッチングされずに残るため、均一なエッ
チングが得られず、このため表面粗さが増加して摺動
性、耐凝着性が不十分であった。
【0008】また、珪素を含まない純アルミニウム用エ
ッチング液として、特公昭50−5138号公報にりん
酸もしくは塩化第二鉄水溶液に非イオン界面活性剤を添
加したエッチング液を使用する方法が開示されている。
いかしこのエッチング液も、珪素含有アルミニウム合金
に対しては、素材部位により腐食電位が著しく異なるた
め均一なエッチングが得られないという問題がある。
ッチング液として、特公昭50−5138号公報にりん
酸もしくは塩化第二鉄水溶液に非イオン界面活性剤を添
加したエッチング液を使用する方法が開示されている。
いかしこのエッチング液も、珪素含有アルミニウム合金
に対しては、素材部位により腐食電位が著しく異なるた
め均一なエッチングが得られないという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルミニウ
ム合金ピストンなどの主として含珪素アルミニウム合金
摺動部材の潤滑皮膜形成前に行われるエッチング処理に
おいて、従来必要であった電解処理を行うことなく、化
学エッチングによって素材表面近傍のシリコン粒子を残
したままアルミニウムを均一な深さにエッチングするア
ルミニウム合金用エッチング液およびエッチング方法を
提供するものである。さらに、この本発明のエッチング
方法で得られた素材表面に潤滑皮膜層を形成し、摺動
性、耐凝着性、耐摩耗性の優れたアルミニウム合金摺動
部材を提供することを目的とする。
ム合金ピストンなどの主として含珪素アルミニウム合金
摺動部材の潤滑皮膜形成前に行われるエッチング処理に
おいて、従来必要であった電解処理を行うことなく、化
学エッチングによって素材表面近傍のシリコン粒子を残
したままアルミニウムを均一な深さにエッチングするア
ルミニウム合金用エッチング液およびエッチング方法を
提供するものである。さらに、この本発明のエッチング
方法で得られた素材表面に潤滑皮膜層を形成し、摺動
性、耐凝着性、耐摩耗性の優れたアルミニウム合金摺動
部材を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、まず、含珪素アルミニウム合金を各
種アルカリ性溶液または酸性溶液で化学エッチングした
場合の表面形態を顕微鏡によって断面観察し、水酸化ナ
トリウム溶液や塩酸溶液など一般的な化学エッチング液
では、シリコン粒子の周辺部のみが必要以上に深くエッ
チングされ、その他の部分ではエッチングが不十分とな
って均一なエッチングがされていないこと、およびこの
ような表面形態ではこの後さらにすずめっきや固体潤滑
皮膜を形成しても良好な耐凝着性が得られないことを見
出した。
を解決するために、まず、含珪素アルミニウム合金を各
種アルカリ性溶液または酸性溶液で化学エッチングした
場合の表面形態を顕微鏡によって断面観察し、水酸化ナ
トリウム溶液や塩酸溶液など一般的な化学エッチング液
では、シリコン粒子の周辺部のみが必要以上に深くエッ
チングされ、その他の部分ではエッチングが不十分とな
って均一なエッチングがされていないこと、およびこの
ような表面形態ではこの後さらにすずめっきや固体潤滑
皮膜を形成しても良好な耐凝着性が得られないことを見
出した。
【0011】そして発明者らは、電解処理を必要としな
い含珪素アルミニウム合金のエッチング方法について鋭
意検討を重ねた。その結果、りん酸イオンおよびアルカ
リ金属イオンまたはアンモニウムイオンを特定範囲のモ
ル比となるように含み、且つ弗素イオンを含むエッチン
グ液で処理することにより、従来電解処理によらなけれ
ば得られなかった、アルミニウムが均一な深さにエッチ
ングされシリコン粒子が凸部となって残る理想的な断面
形状となることを見出した。
い含珪素アルミニウム合金のエッチング方法について鋭
意検討を重ねた。その結果、りん酸イオンおよびアルカ
リ金属イオンまたはアンモニウムイオンを特定範囲のモ
ル比となるように含み、且つ弗素イオンを含むエッチン
グ液で処理することにより、従来電解処理によらなけれ
ば得られなかった、アルミニウムが均一な深さにエッチ
ングされシリコン粒子が凸部となって残る理想的な断面
形状となることを見出した。
【0012】さらに発明者らは、このエッチング液で前
処理した含珪素アルミニウム合金表面に、電気めっきま
たは置換めっきによりすず皮膜めっき層を形成すること
により、耐凝着性および耐摩耗性に優れたアルミニウム
合金表面が得られること、すず皮膜の替わりに二硫化モ
リブデンやPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)な
どの固体潤滑剤をバインダーとともに塗布することによ
っても良好な皮膜密着性、摺動性が得られることを見出
した。
処理した含珪素アルミニウム合金表面に、電気めっきま
たは置換めっきによりすず皮膜めっき層を形成すること
により、耐凝着性および耐摩耗性に優れたアルミニウム
合金表面が得られること、すず皮膜の替わりに二硫化モ
リブデンやPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)な
どの固体潤滑剤をバインダーとともに塗布することによ
っても良好な皮膜密着性、摺動性が得られることを見出
した。
【0013】また、このエッチング液で処理したのちの
アルミニウム合金表面にはフッ化アルミニウムナトリウ
ムの皮膜が析出して潤滑皮膜の密着性を阻害する場合が
あるため、これを硝酸水溶液に浸漬するか、または超音
波を照射しながら水洗することによりさらに安定した性
能を得ることができることを見出して本発明を完成し
た。
アルミニウム合金表面にはフッ化アルミニウムナトリウ
ムの皮膜が析出して潤滑皮膜の密着性を阻害する場合が
あるため、これを硝酸水溶液に浸漬するか、または超音
波を照射しながら水洗することによりさらに安定した性
能を得ることができることを見出して本発明を完成し
た。
【0014】即ち本発明のアルミニウム合金用エッチン
グ液は、アルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオン
のうち少なくとも1種のイオンと、りん酸イオンとを、
これらのイオンのモル濃度比〔アルカリ金属イオン(mol
/l)+アンモニウムイオン(mol/l)〕/〔りん酸イオン(m
ol/l)〕が0.3〜1.3の範囲となるよう含み、かつ
弗素イオンを0.01〜5モル/リットル含むことを特
徴とするものである。また、本発明のアルミニウム合金
用エッチングの第一の方法は、含珪素アルミニウム合金
を、本発明のエッチング処理液に接触させ、次いで硝酸
水溶液に接触させるものであり、第二の方法は、本発明
のエッチング処理液に接触させ、次いで超音波を照射し
ながら水洗することを特徴とするものである。
グ液は、アルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオン
のうち少なくとも1種のイオンと、りん酸イオンとを、
これらのイオンのモル濃度比〔アルカリ金属イオン(mol
/l)+アンモニウムイオン(mol/l)〕/〔りん酸イオン(m
ol/l)〕が0.3〜1.3の範囲となるよう含み、かつ
弗素イオンを0.01〜5モル/リットル含むことを特
徴とするものである。また、本発明のアルミニウム合金
用エッチングの第一の方法は、含珪素アルミニウム合金
を、本発明のエッチング処理液に接触させ、次いで硝酸
水溶液に接触させるものであり、第二の方法は、本発明
のエッチング処理液に接触させ、次いで超音波を照射し
ながら水洗することを特徴とするものである。
【0015】本発明に使用できる含珪素アルミニウム合
金は、Al−Si合金、Al−Si−Cu合金、Al−
Si−Cu−Mg合金、Al−Si−Cu−Ni−Mg
合金などのSiを含むアルミニウム合金であれば使用で
きる。特にSiを10%以上含み、初晶シリコン等の過
共晶粒子を含む含珪素アルミニウム合金がより高い効果
が得られるため好ましい。本発明において、含珪素アル
ミニウム合金素材は、好ましくはアルカリ脱脂等により
表面を清浄にした後、本発明のエッチング液に接触させ
ることによりエッチング処理が行われる。
金は、Al−Si合金、Al−Si−Cu合金、Al−
Si−Cu−Mg合金、Al−Si−Cu−Ni−Mg
合金などのSiを含むアルミニウム合金であれば使用で
きる。特にSiを10%以上含み、初晶シリコン等の過
共晶粒子を含む含珪素アルミニウム合金がより高い効果
が得られるため好ましい。本発明において、含珪素アル
ミニウム合金素材は、好ましくはアルカリ脱脂等により
表面を清浄にした後、本発明のエッチング液に接触させ
ることによりエッチング処理が行われる。
【0016】本発明のエッチング処理液中には、アルカ
リ金属イオンまたはアンモニウムイオンのうち少なくと
も1種のイオンと、りん酸イオンとを、これらのイオン
のモル濃度の比率が、〔アルカリ金属イオン(mol/l)+
アンモニウムイオン(mol/l)〕/〔りん酸イオン(mol/
l)〕として0.3〜1.3の範囲となるよう含むことが
必要である。〔アルカリ金属イオン(mol/l)+アンモニ
ウムイオン(mol/l)〕/〔りん酸イオン(mol/l)〕比は、
0.5〜1.0の範囲がより好ましい。りん酸イオンの
濃度は、3〜300g/リットルが好ましく、10〜1
00g/リットルがより好ましい。
リ金属イオンまたはアンモニウムイオンのうち少なくと
も1種のイオンと、りん酸イオンとを、これらのイオン
のモル濃度の比率が、〔アルカリ金属イオン(mol/l)+
アンモニウムイオン(mol/l)〕/〔りん酸イオン(mol/
l)〕として0.3〜1.3の範囲となるよう含むことが
必要である。〔アルカリ金属イオン(mol/l)+アンモニ
ウムイオン(mol/l)〕/〔りん酸イオン(mol/l)〕比は、
0.5〜1.0の範囲がより好ましい。りん酸イオンの
濃度は、3〜300g/リットルが好ましく、10〜1
00g/リットルがより好ましい。
【0017】りん酸イオン濃度が3g/リットル未満で
はエッチングの均一性が低下するため好ましくなく、3
00g/リットルを超えると液の粘性が増加して持ち出
しが多くなり不経済なため好ましくない。りん酸イオン
は、りん酸として添加するか、アルカリ金属またはアン
モニウムの第1りん酸塩として添加することがより好ま
しい。例えばりん酸と、りん酸1ナトリウムやりん酸1
アンモニウムなどを、目的とする〔アルカリ金属イオン
(mol/l)+アンモニウムイオン(mol/l)〕/〔りん酸イオ
ン(mol/l)〕比となるよう各々添加することが最も好ま
しい。
はエッチングの均一性が低下するため好ましくなく、3
00g/リットルを超えると液の粘性が増加して持ち出
しが多くなり不経済なため好ましくない。りん酸イオン
は、りん酸として添加するか、アルカリ金属またはアン
モニウムの第1りん酸塩として添加することがより好ま
しい。例えばりん酸と、りん酸1ナトリウムやりん酸1
アンモニウムなどを、目的とする〔アルカリ金属イオン
(mol/l)+アンモニウムイオン(mol/l)〕/〔りん酸イオ
ン(mol/l)〕比となるよう各々添加することが最も好ま
しい。
【0018】本発明で使用できるアルカリ金属の水酸化
物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化リチウム等があるが、経済性の点から水酸化ナトリウ
ムが最も適している。エッチング液中の〔アルカリ金属
イオン(mol/l)+アンモニウムイオン(mol/l)〕/〔りん
酸イオン(mol/l)〕比の調整には、りん酸と水酸化ナト
リウムなどのアルカリ金属水酸化物またはアンモニア水
を使用することが好ましい。
物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化リチウム等があるが、経済性の点から水酸化ナトリウ
ムが最も適している。エッチング液中の〔アルカリ金属
イオン(mol/l)+アンモニウムイオン(mol/l)〕/〔りん
酸イオン(mol/l)〕比の調整には、りん酸と水酸化ナト
リウムなどのアルカリ金属水酸化物またはアンモニア水
を使用することが好ましい。
【0019】また、本発明のエッチング液は、エッチン
グ液中の〔アルカリ金属イオン(mol/l)+アンモニウム
イオン(mol/l)〕/〔りん酸イオン(mol/l)〕比を調整す
ることによりエッチングの平均深さを広い範囲で制御す
ることができる。この比が小さいほどエッチング深さを
大きくすることができ、この比が大きいほどエッチング
深さを少なくすることができる。エッチング深さは、潤
滑皮膜の膜厚にもよるが1〜10μmが最も好ましい結
果を得ることができ、〔アルカリ金属イオン(mol/l)+
アンモニウムイオン(mol/l)〕/〔りん酸イオン(mol/
l)〕比を0.3〜1.3とすることによりほぼ1〜10
μmのエッチング深さを得ることができる。
グ液中の〔アルカリ金属イオン(mol/l)+アンモニウム
イオン(mol/l)〕/〔りん酸イオン(mol/l)〕比を調整す
ることによりエッチングの平均深さを広い範囲で制御す
ることができる。この比が小さいほどエッチング深さを
大きくすることができ、この比が大きいほどエッチング
深さを少なくすることができる。エッチング深さは、潤
滑皮膜の膜厚にもよるが1〜10μmが最も好ましい結
果を得ることができ、〔アルカリ金属イオン(mol/l)+
アンモニウムイオン(mol/l)〕/〔りん酸イオン(mol/
l)〕比を0.3〜1.3とすることによりほぼ1〜10
μmのエッチング深さを得ることができる。
【0020】弗素イオン濃度は、0.01〜5モル/リ
ットル含むことが必要で、0.01モル/リットル未満
ではエッチング深さが不十分で、5モル/リットルを超
えると廃水処理の負担が増大するため好ましくない。よ
り好ましい弗素イオン濃度は、遊離弗素イオン(F-)
濃度として0.02〜1モル/リットルである。弗素イ
オンは、フッ化水素酸、珪フッ化水素酸、ほうフッ化水
素酸、チタンフッ化水素酸などの酸の他、フッ化ナトリ
ウム、酸性フッ化ナトリウム、フッ化アンモニウム、珪
フッ化ナトリウムなどの塩の形で添加しても良い。
ットル含むことが必要で、0.01モル/リットル未満
ではエッチング深さが不十分で、5モル/リットルを超
えると廃水処理の負担が増大するため好ましくない。よ
り好ましい弗素イオン濃度は、遊離弗素イオン(F-)
濃度として0.02〜1モル/リットルである。弗素イ
オンは、フッ化水素酸、珪フッ化水素酸、ほうフッ化水
素酸、チタンフッ化水素酸などの酸の他、フッ化ナトリ
ウム、酸性フッ化ナトリウム、フッ化アンモニウム、珪
フッ化ナトリウムなどの塩の形で添加しても良い。
【0021】弗素イオン濃度は、弗素イオンメーター等
で確認することができる。また、本発明のエッチング液
のpHは通常2.5〜4.5の範囲である。本発明のエ
ッチング液による処理は、液温が50〜90℃が好まし
く、処理時間は60〜360秒が好ましい範囲である。
なお、エッチング処理後は速やかに水洗することが好ま
しく、60〜90℃の温水で湯洗することがさらに好ま
しい。
で確認することができる。また、本発明のエッチング液
のpHは通常2.5〜4.5の範囲である。本発明のエ
ッチング液による処理は、液温が50〜90℃が好まし
く、処理時間は60〜360秒が好ましい範囲である。
なお、エッチング処理後は速やかに水洗することが好ま
しく、60〜90℃の温水で湯洗することがさらに好ま
しい。
【0022】本発明のアルミニウム合金用エッチング方
法の第一は、前記した本発明のエッチング液を使用して
アルミニウム合金をエッチング処理し、次いでエッチン
グ処理されたアルミニウム合金を硝酸水溶液に接触させ
るものである。ここで使用される硝酸水溶液の濃度は特
に限定されるものではないが、HNO 3として20〜6
5重量%が最も好ましい。硝酸水溶液による処理後は水
洗したのち、潤滑皮膜の形成工程に供される。
法の第一は、前記した本発明のエッチング液を使用して
アルミニウム合金をエッチング処理し、次いでエッチン
グ処理されたアルミニウム合金を硝酸水溶液に接触させ
るものである。ここで使用される硝酸水溶液の濃度は特
に限定されるものではないが、HNO 3として20〜6
5重量%が最も好ましい。硝酸水溶液による処理後は水
洗したのち、潤滑皮膜の形成工程に供される。
【0023】また、本発明のアルミニウム合金用エッチ
ング方法の第二では、本発明のエッチング液に接触させ
てエッチング処理を行ったのち、次いでエッチング処理
されたアルミニウム合金を超音波を照射しながら水洗す
る。超音波の周波数および強度は特に限定されないが、
15〜60kHzが好ましい周波数であり、20秒〜1
80秒間水洗水中で処理することが好ましい。この超音
波を照射しながら水洗する方法は、硝酸処理後に水洗す
る方法に比較してスマットの除去に有効で、工程が短
く、生産性に優れる利点もある。この水洗水中には界面
活性剤や分散剤を添加して、除去した皮膜成分やスマッ
トの再付着を防止することがさらに好ましい。
ング方法の第二では、本発明のエッチング液に接触させ
てエッチング処理を行ったのち、次いでエッチング処理
されたアルミニウム合金を超音波を照射しながら水洗す
る。超音波の周波数および強度は特に限定されないが、
15〜60kHzが好ましい周波数であり、20秒〜1
80秒間水洗水中で処理することが好ましい。この超音
波を照射しながら水洗する方法は、硝酸処理後に水洗す
る方法に比較してスマットの除去に有効で、工程が短
く、生産性に優れる利点もある。この水洗水中には界面
活性剤や分散剤を添加して、除去した皮膜成分やスマッ
トの再付着を防止することがさらに好ましい。
【0024】本発明のエッチング処理が完了したアルミ
ニウム合金は、通常、摺動部に潤滑皮膜を形成して使用
に供される。本発明のエッチング処理後に皮膜形成して
特に有効な潤滑皮膜としては、すず、鉛、鉄、ニッケル
−リン合金、銅などの金属めっき皮膜のほか、二硫化モ
リブデン、グラファイト、フッ化カルシウム、窒化ホウ
素、ポリテトラフルオロエチレンや、これらを耐熱樹脂
等のバインダーと混合して形成した皮膜が好ましく使用
できる。
ニウム合金は、通常、摺動部に潤滑皮膜を形成して使用
に供される。本発明のエッチング処理後に皮膜形成して
特に有効な潤滑皮膜としては、すず、鉛、鉄、ニッケル
−リン合金、銅などの金属めっき皮膜のほか、二硫化モ
リブデン、グラファイト、フッ化カルシウム、窒化ホウ
素、ポリテトラフルオロエチレンや、これらを耐熱樹脂
等のバインダーと混合して形成した皮膜が好ましく使用
できる。
【0025】
【作用】本発明のアルミニウム合金用エッチング液およ
びエッチング方法によれば、含珪素アルミニウム合金表
面は、アルミニウムの部位が均一な深さにエッチングさ
れ、シリコン粒子のみが表面に突出した表面形態とな
り、このため、この上に潤滑皮膜層を形成すると密着性
および耐摩耗性が大幅に向上する。
びエッチング方法によれば、含珪素アルミニウム合金表
面は、アルミニウムの部位が均一な深さにエッチングさ
れ、シリコン粒子のみが表面に突出した表面形態とな
り、このため、この上に潤滑皮膜層を形成すると密着性
および耐摩耗性が大幅に向上する。
【0026】水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸
化物の溶液や、塩酸、硫酸などの強酸性エッチング液で
化学エッチングを行った場合では、このような均一なエ
ッチングパターンは得られず、シリコン粒子に隣接する
部位ではアルミニウムが深く侵食し、離れた部位ではエ
ッチングが不十分となってアルミニウムの金属部分が平
滑にならない。これは、化学エッチングの際にシリコン
結晶の部位が局部カソードになるため、その隣接部が局
部アノードとなって電池を形成し、シリコン結晶近傍が
選択的にエッチングされることによる。このため、この
上に潤滑皮膜層を形成しても平滑な表面が得られないた
め、摩擦係数が増大し、凝着が起こり易くなる。
化物の溶液や、塩酸、硫酸などの強酸性エッチング液で
化学エッチングを行った場合では、このような均一なエ
ッチングパターンは得られず、シリコン粒子に隣接する
部位ではアルミニウムが深く侵食し、離れた部位ではエ
ッチングが不十分となってアルミニウムの金属部分が平
滑にならない。これは、化学エッチングの際にシリコン
結晶の部位が局部カソードになるため、その隣接部が局
部アノードとなって電池を形成し、シリコン結晶近傍が
選択的にエッチングされることによる。このため、この
上に潤滑皮膜層を形成しても平滑な表面が得られないた
め、摩擦係数が増大し、凝着が起こり易くなる。
【0027】これに対し、本発明のエッチング液では、
アルカリ成分によって酸性度が適度に調整されているた
め、初期にエッチングが進行した部位から先に緻密なり
ん酸塩や弗素化合物薄膜が生成して保護皮膜となり、さ
らなる過剰エッチングを防止し、最終的にアルミニウム
の部位全体が均一な深さにエッチングされるものと考え
られる。また、エッチング処理後の表面には、りん酸塩
や弗素化合物薄膜が残存しているため、これが潤滑皮膜
の形成の妨げになる場合には硝酸処理や超音波照射下で
の水洗によってこれを完全に除去することがより好まし
い。
アルカリ成分によって酸性度が適度に調整されているた
め、初期にエッチングが進行した部位から先に緻密なり
ん酸塩や弗素化合物薄膜が生成して保護皮膜となり、さ
らなる過剰エッチングを防止し、最終的にアルミニウム
の部位全体が均一な深さにエッチングされるものと考え
られる。また、エッチング処理後の表面には、りん酸塩
や弗素化合物薄膜が残存しているため、これが潤滑皮膜
の形成の妨げになる場合には硝酸処理や超音波照射下で
の水洗によってこれを完全に除去することがより好まし
い。
【0028】
【実施例】以下にいくつかの実施例を比較例とともに挙
げ、本発明の内容をより具体的に説明する。試験に使用
したアルミニウム合金材の種類を表1に示した。試験片
は厚さ6mm、縦横50 mm×30 mmの板材を使用した。これ
ら試験片をアルミニウム用脱脂液(登録商標:ファイン
クリーナー315、日本パーカライジング(株)製)を
使用して、70℃×120秒間浸漬脱脂したのち、水洗
して表面の油分を除去したものを試験に供した。
げ、本発明の内容をより具体的に説明する。試験に使用
したアルミニウム合金材の種類を表1に示した。試験片
は厚さ6mm、縦横50 mm×30 mmの板材を使用した。これ
ら試験片をアルミニウム用脱脂液(登録商標:ファイン
クリーナー315、日本パーカライジング(株)製)を
使用して、70℃×120秒間浸漬脱脂したのち、水洗
して表面の油分を除去したものを試験に供した。
【0029】
【表1】 試験に使用したアルミニウム合金の種類
【0030】油分を除去した試験片は、表2に示す組成
のエッチング液を使用して70〜80℃で180秒間処
理を行った。エッチング液は、りん酸については85%
りん酸を使用し、蒸留水で希釈してH3PO4換算で60
g/Lの濃度とし、実施例1、4、7、9および比較例
1、4ではこれに水酸化ナトリウムを加え、実施例2、
5、8および比較例2についてはアンモニア水および水
酸化ナトリウムを等モルの割合で加え、実施例3、6お
よび比較例3、5については水酸化カリウムを加えて各
々所定の〔アルカリ金属イオン(mol/l)+アンモニウム
イオン(mol/l)〕/〔りん酸イオン(mol/l)〕比となるよ
うに調整した。また、弗素イオンはフッ化ナトリウムま
たはフッ化アンモニウムを所定の濃度となるよう添加し
て使用した。
のエッチング液を使用して70〜80℃で180秒間処
理を行った。エッチング液は、りん酸については85%
りん酸を使用し、蒸留水で希釈してH3PO4換算で60
g/Lの濃度とし、実施例1、4、7、9および比較例
1、4ではこれに水酸化ナトリウムを加え、実施例2、
5、8および比較例2についてはアンモニア水および水
酸化ナトリウムを等モルの割合で加え、実施例3、6お
よび比較例3、5については水酸化カリウムを加えて各
々所定の〔アルカリ金属イオン(mol/l)+アンモニウム
イオン(mol/l)〕/〔りん酸イオン(mol/l)〕比となるよ
うに調整した。また、弗素イオンはフッ化ナトリウムま
たはフッ化アンモニウムを所定の濃度となるよう添加し
て使用した。
【0031】
【表2】
【0032】エッチング処理後の試験片は、流水で水洗
したのち実施例1〜4および比較例1、2ではそのまま
約100℃で乾燥したのち後で説明する潤滑皮膜を形成
した。また、実施例5〜7および比較例3、4では水洗
後の試験片を35重量%硝酸中に室温で60秒間浸漬し
たのち流水で水洗し、同様に乾燥したのちに潤滑皮膜を
形成した。また実施例8、9、および比較例5では、エ
ッチング処理後に水を満たしたビーカー中で振動周波数
25kHzの超音波を60秒間照射したのち流水洗し、
同様に乾燥してから潤滑皮膜を形成した。
したのち実施例1〜4および比較例1、2ではそのまま
約100℃で乾燥したのち後で説明する潤滑皮膜を形成
した。また、実施例5〜7および比較例3、4では水洗
後の試験片を35重量%硝酸中に室温で60秒間浸漬し
たのち流水で水洗し、同様に乾燥したのちに潤滑皮膜を
形成した。また実施例8、9、および比較例5では、エ
ッチング処理後に水を満たしたビーカー中で振動周波数
25kHzの超音波を60秒間照射したのち流水洗し、
同様に乾燥してから潤滑皮膜を形成した。
【0033】試験に使用した潤滑皮膜としては、電気す
ずめっき、置換すずめっき、および固体潤滑剤皮膜を使
用した。潤滑皮膜の形成は、以下の手順で行った。 電気すずめっき:電気すずめっきは、鉄イオンを含むジ
ンケート亜鉛置換処理液で20秒間浸漬処理して亜鉛−
鉄合金の中間層を形成したのち、有機添加剤を含む中性
すず電気めっき浴中に浸漬し、金属すずをアノードとし
て2A/dm2の電流密度で通電し、厚さ5μmのすず
皮膜層を形成した。 置換すずめっき:置換すずめっきは、2価すずイオンと
有機添加剤を含む酸性置換すずめっき浴に試験片を浸漬
し30℃で120秒間処理を行った。平均膜厚は約4μ
mであった。 固体潤滑剤:固体潤滑剤皮膜は、二硫化モリブデンを含
む耐熱樹脂コーティング剤を塗布、焼付けて試験片表面
に約10μmの膜厚で形成した。
ずめっき、置換すずめっき、および固体潤滑剤皮膜を使
用した。潤滑皮膜の形成は、以下の手順で行った。 電気すずめっき:電気すずめっきは、鉄イオンを含むジ
ンケート亜鉛置換処理液で20秒間浸漬処理して亜鉛−
鉄合金の中間層を形成したのち、有機添加剤を含む中性
すず電気めっき浴中に浸漬し、金属すずをアノードとし
て2A/dm2の電流密度で通電し、厚さ5μmのすず
皮膜層を形成した。 置換すずめっき:置換すずめっきは、2価すずイオンと
有機添加剤を含む酸性置換すずめっき浴に試験片を浸漬
し30℃で120秒間処理を行った。平均膜厚は約4μ
mであった。 固体潤滑剤:固体潤滑剤皮膜は、二硫化モリブデンを含
む耐熱樹脂コーティング剤を塗布、焼付けて試験片表面
に約10μmの膜厚で形成した。
【0034】性能の評価 エッチング深さ:エッチングの平均深さは、エッチング
処理前の試験片の重量、およびエッチング処理後に硝酸
浸漬したのちの重量を測定し、重量差と素材の比重から
算出した。 エッチング断面の顕微鏡観察:エッチング断面を顕微鏡
で観察し、硬質粒子がエッチングされた母材の基底面よ
りの突出程度を調べた。そして硬質粒子の突出状態を次
の基準により判定した。
処理前の試験片の重量、およびエッチング処理後に硝酸
浸漬したのちの重量を測定し、重量差と素材の比重から
算出した。 エッチング断面の顕微鏡観察:エッチング断面を顕微鏡
で観察し、硬質粒子がエッチングされた母材の基底面よ
りの突出程度を調べた。そして硬質粒子の突出状態を次
の基準により判定した。
【0035】優:硬質粒子が母材の基底面より突出しか
つ硬質粒子と母材マトリックスとの間に深い溝が形成さ
れていない。この例として図1に示すエッチング断面の
顕微鏡写真を示す。灰色の部分が硬質粒子を、白色の部
分が母材のマトリックス金属を、黒い部分が空間を示
す。なお、この例は実施例1のものである。 良:硬質粒子が母材の基底面より突出しているが硬質粒
子と母材マトリックスとの間に深い溝が形成されてい
る。 不可:硬質粒子が母材の基底面より突出しておらずかつ
硬質粒子と母材マトリックスとの間に深い溝が形成され
ている。この例として図2に示すエッチング断面の顕微
鏡写真を示す。灰色の部分が硬質粒子を、白色の部分が
母材のマトリックス金属を、黒い部分が空間を示す。な
お、この例は比較例1のものである。
つ硬質粒子と母材マトリックスとの間に深い溝が形成さ
れていない。この例として図1に示すエッチング断面の
顕微鏡写真を示す。灰色の部分が硬質粒子を、白色の部
分が母材のマトリックス金属を、黒い部分が空間を示
す。なお、この例は実施例1のものである。 良:硬質粒子が母材の基底面より突出しているが硬質粒
子と母材マトリックスとの間に深い溝が形成されてい
る。 不可:硬質粒子が母材の基底面より突出しておらずかつ
硬質粒子と母材マトリックスとの間に深い溝が形成され
ている。この例として図2に示すエッチング断面の顕微
鏡写真を示す。灰色の部分が硬質粒子を、白色の部分が
母材のマトリックス金属を、黒い部分が空間を示す。な
お、この例は比較例1のものである。
【0036】皮膜密着性:皮膜の密着性は、ニチバン株
式会社製セロハン粘着テープを貼り付け、引き剥がして
めっき皮膜または塗膜の剥離の有無を表3の基準により
判定した。
式会社製セロハン粘着テープを貼り付け、引き剥がして
めっき皮膜または塗膜の剥離の有無を表3の基準により
判定した。
【表3】
【0037】表2の評価試験結果から、本発明のエッチ
ング液を使用した実施例1〜9では、何れも硬質粒子が
母材の基底面より突出しているのがわかる。特に実施例
1、2、3、5、6、7、9、では、硬質粒子が母材の
基底面より突出しかつ硬質粒子と母材マトリックスとの
間に深い溝が形成されていない。潤滑皮膜の密着性が向
上し良好な性能を示した。これに対し、比較例1〜4で
は潤滑皮膜の密着性が劣り性能が良好なものはなかっ
た。
ング液を使用した実施例1〜9では、何れも硬質粒子が
母材の基底面より突出しているのがわかる。特に実施例
1、2、3、5、6、7、9、では、硬質粒子が母材の
基底面より突出しかつ硬質粒子と母材マトリックスとの
間に深い溝が形成されていない。潤滑皮膜の密着性が向
上し良好な性能を示した。これに対し、比較例1〜4で
は潤滑皮膜の密着性が劣り性能が良好なものはなかっ
た。
【0038】
【発明の効果】以上で説明したように、アルミニウム合
金摺動材に本発明のエッチング液、エッチング方法を用
いれば、容易に潤滑皮膜の密着性が向上することは明ら
かであり、自動車エンジン用ピストンなどアルミニウム
合金摺動部材に利用して実用上の効果が大きい。
金摺動材に本発明のエッチング液、エッチング方法を用
いれば、容易に潤滑皮膜の密着性が向上することは明ら
かであり、自動車エンジン用ピストンなどアルミニウム
合金摺動部材に利用して実用上の効果が大きい。
【図1】実施例1のエッチング処理後の断面の金属組織
を表す顕微鏡写真図である。
を表す顕微鏡写真図である。
【図2】比較例1のエッチング処理後の断面の金属組織
を表す顕微鏡写真図である。
を表す顕微鏡写真図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 和彦 東京都中央区日本橋1丁目15番1号 日本 パーカライジング株式会社内 (72)発明者 川口 純 東京都中央区日本橋1丁目15番1号 日本 パーカライジング株式会社内 (72)発明者 川越 亮助 東京都中央区日本橋1丁目15番1号 日本 パーカライジング株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】アルカリ金属イオンまたはアンモニウムイ
オンのうち少なくとも1種のイオンと、りん酸イオンと
を、これらのイオンのモル濃度比、〔アルカリ金属イオ
ン(mol/l) +アンモニウムイオン(mol/l) 〕/〔りん酸
イオン(mol/l)〕が0.3〜1.3の範囲となるよう含
み、かつ弗素イオンを0.01〜5モル/リットル含む
ことを特徴とするアルミニウム合金用エッチング液。 - 【請求項2】含珪素アルミニウム合金を、請求項1のエ
ッチング処理液に接触させ、次いで硝酸水溶液に接触さ
せるアルミニウム合金用エッチング方法。 - 【請求項3】含珪素アルミニウム合金を、請求項1のエ
ッチング処理液に接触させ、次いで超音波を照射しなが
ら水洗することを特徴とするアルミニウム合金用エッチ
ング方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20512696A JPH1046366A (ja) | 1996-08-02 | 1996-08-02 | アルミニウム合金用エッチング液およびエッチング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20512696A JPH1046366A (ja) | 1996-08-02 | 1996-08-02 | アルミニウム合金用エッチング液およびエッチング方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1046366A true JPH1046366A (ja) | 1998-02-17 |
Family
ID=16501865
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20512696A Pending JPH1046366A (ja) | 1996-08-02 | 1996-08-02 | アルミニウム合金用エッチング液およびエッチング方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1046366A (ja) |
Cited By (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB2470056A (en) * | 2009-05-07 | 2010-11-10 | Nexeon Ltd | A method of forming a silicon anode material for rechargeable cells |
| US8870975B2 (en) | 2007-07-17 | 2014-10-28 | Nexeon Ltd. | Method of fabricating structured particles composed of silicon or a silicon-based material and their use in lithium rechargeable batteries |
| US8932759B2 (en) | 2008-10-10 | 2015-01-13 | Nexeon Ltd. | Method of fabricating structured particles composed of silicon or a silicon-based material |
| US8945774B2 (en) | 2010-06-07 | 2015-02-03 | Nexeon Ltd. | Additive for lithium ion rechageable battery cells |
| US9012079B2 (en) | 2007-07-17 | 2015-04-21 | Nexeon Ltd | Electrode comprising structured silicon-based material |
| US9184438B2 (en) | 2008-10-10 | 2015-11-10 | Nexeon Ltd. | Method of fabricating structured particles composed of silicon or a silicon-based material and their use in lithium rechargeable batteries |
| US9252426B2 (en) | 2007-05-11 | 2016-02-02 | Nexeon Limited | Silicon anode for a rechargeable battery |
| JP2016117935A (ja) * | 2014-12-22 | 2016-06-30 | 株式会社不二製作所 | 摺動部材の表面処理方法及び摺動部材 |
| US9583762B2 (en) | 2006-01-23 | 2017-02-28 | Nexeon Limited | Method of fabricating fibres composed of silicon or a silicon-based material and their use in lithium rechargeable batteries |
| US9608272B2 (en) | 2009-05-11 | 2017-03-28 | Nexeon Limited | Composition for a secondary battery cell |
| US9647263B2 (en) | 2010-09-03 | 2017-05-09 | Nexeon Limited | Electroactive material |
| US9853292B2 (en) | 2009-05-11 | 2017-12-26 | Nexeon Limited | Electrode composition for a secondary battery cell |
| US9871248B2 (en) | 2010-09-03 | 2018-01-16 | Nexeon Limited | Porous electroactive material |
-
1996
- 1996-08-02 JP JP20512696A patent/JPH1046366A/ja active Pending
Cited By (22)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US9583762B2 (en) | 2006-01-23 | 2017-02-28 | Nexeon Limited | Method of fabricating fibres composed of silicon or a silicon-based material and their use in lithium rechargeable batteries |
| US9871249B2 (en) | 2007-05-11 | 2018-01-16 | Nexeon Limited | Silicon anode for a rechargeable battery |
| US9252426B2 (en) | 2007-05-11 | 2016-02-02 | Nexeon Limited | Silicon anode for a rechargeable battery |
| US9012079B2 (en) | 2007-07-17 | 2015-04-21 | Nexeon Ltd | Electrode comprising structured silicon-based material |
| US8870975B2 (en) | 2007-07-17 | 2014-10-28 | Nexeon Ltd. | Method of fabricating structured particles composed of silicon or a silicon-based material and their use in lithium rechargeable batteries |
| US8940437B2 (en) | 2007-07-17 | 2015-01-27 | Nexeon Limited | Method of fabricating structured particles composed of silicon or a silicon-based material and their use in lithium rechargeable batteries |
| US9871244B2 (en) | 2007-07-17 | 2018-01-16 | Nexeon Limited | Method of fabricating structured particles composed of silicon or a silicon-based material and their use in lithium rechargeable batteries |
| US9184438B2 (en) | 2008-10-10 | 2015-11-10 | Nexeon Ltd. | Method of fabricating structured particles composed of silicon or a silicon-based material and their use in lithium rechargeable batteries |
| US8932759B2 (en) | 2008-10-10 | 2015-01-13 | Nexeon Ltd. | Method of fabricating structured particles composed of silicon or a silicon-based material |
| US8962183B2 (en) | 2009-05-07 | 2015-02-24 | Nexeon Limited | Method of making silicon anode material for rechargeable cells |
| GB2470056A (en) * | 2009-05-07 | 2010-11-10 | Nexeon Ltd | A method of forming a silicon anode material for rechargeable cells |
| US9553304B2 (en) | 2009-05-07 | 2017-01-24 | Nexeon Limited | Method of making silicon anode material for rechargeable cells |
| GB2470056B (en) * | 2009-05-07 | 2013-09-11 | Nexeon Ltd | A method of making silicon anode material for rechargeable cells |
| US9853292B2 (en) | 2009-05-11 | 2017-12-26 | Nexeon Limited | Electrode composition for a secondary battery cell |
| US10050275B2 (en) | 2009-05-11 | 2018-08-14 | Nexeon Limited | Binder for lithium ion rechargeable battery cells |
| US9608272B2 (en) | 2009-05-11 | 2017-03-28 | Nexeon Limited | Composition for a secondary battery cell |
| US9368836B2 (en) | 2010-06-07 | 2016-06-14 | Nexeon Ltd. | Additive for lithium ion rechargeable battery cells |
| US8945774B2 (en) | 2010-06-07 | 2015-02-03 | Nexeon Ltd. | Additive for lithium ion rechageable battery cells |
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| US9871248B2 (en) | 2010-09-03 | 2018-01-16 | Nexeon Limited | Porous electroactive material |
| US9947920B2 (en) | 2010-09-03 | 2018-04-17 | Nexeon Limited | Electroactive material |
| JP2016117935A (ja) * | 2014-12-22 | 2016-06-30 | 株式会社不二製作所 | 摺動部材の表面処理方法及び摺動部材 |
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