JPH1047135A - 内燃機関のスロットル制御装置 - Google Patents

内燃機関のスロットル制御装置

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JPH1047135A
JPH1047135A JP8202437A JP20243796A JPH1047135A JP H1047135 A JPH1047135 A JP H1047135A JP 8202437 A JP8202437 A JP 8202437A JP 20243796 A JP20243796 A JP 20243796A JP H1047135 A JPH1047135 A JP H1047135A
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throttle
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Kazunari Shirai
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スロットルバルブの作動状態に応じて制御ゲ
インを切り換えるスロットル制御装置において、制御ゲ
インの切り換え直後に生じるスロットル開度の変動を抑
制して、内燃機関を常に安定して運転できるようにす
る。 【解決手段】 スロットルバルブの実開度であるセンサ
値と、その目標開度である指令値との偏差が零になるよ
うに、バルブ開閉用のDCモータをフィードバック制御
する装置において、偏差が所定範囲(±2°)内であれ
ば定常状態を、そうでなければ過渡状態を、夫々判定し
て、各状態毎に使用する制御ゲイン(比例ゲインKp,
積分ゲインKi)を切り換えることにより、制御の応答
性と安定性を両立する。また、定常状態判定時には、制
御ゲインをゆっくりと変化させて、スロットル開度が指
令値からオーバシュートするのを防止し、逆に過渡状態
判定時には、制御ゲインを速やかに変化させて、過渡時
の応答性を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スロットルバルブ
の実開度がアクセルペダルの踏込量等に応じて設定され
た指令値となるように、スロットルバルブを開閉するア
クチュエータをフィードバック制御する内燃機関のスロ
ットル制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、スロットルバルブの実開度を
検出し、この検出した実開度が、アクセルペダルの踏込
量や内燃機関が搭載された車両の運転状態(例えば駆動
輪のスリップ状態)等に応じて設定された指令値と一致
するように、スロットルバルブを開閉するアクチュエー
タ(一般に直流モータが使用される)をフィードバック
制御する、スロットル制御装置が知られている。
【0003】しかし、従来では、こうしたフィードバッ
ク制御に用いる制御ゲイン(比例ゲイン,積分ゲイン,
微分ゲイン等)として、予め設定された固定値を使用し
ていたため、例えば、指令値の変化に対する応答性を重
視して、制御ゲインを、比例ゲインが大きく、積分ゲイ
ンが小さくなるように設定すると、実開度が略指令値に
制御されている際に、実開度と指令値との偏差が少し大
きくなっただけでも、スロットル開度が急変して、内燃
機関の回転が大きく変動し、運転者に不快感を与えてし
まうとか、DCモータ等のアクチュエータのダイナミッ
ク特性によって、スロットル開度を指令値に完全に一致
させることができなくなるといった問題があった。また
逆に、例えば、定常時の安定性を重視して、制御ゲイン
を、比例ゲインが小さく、積分ゲインが大きくなるよう
に設定すると、上記問題は解消できるものの、指令値が
急変して、実開度と指令値との偏差が大きくなった際
に、スロットルバルブを指令値方向に速やかに変化させ
ることができず、過渡時の応答性が損なわれるといった
問題があった。
【0004】そこでこうした問題を解決するために、本
願出願人は、特願平7−194402号により、スロッ
トルバルブの実開度と指令値との偏差に基づき、スロッ
トルバルブの作動状態を判定し、その判定した作動状態
に応じて、制御ゲインを切り換えることを提案した。
【0005】つまり、図6(a)に示す如く、スロット
ル開度をセンサにて検出したセンサ値(つまり実開度)
と指令値との偏差が、所定範囲(±δ)内にある場合に
は、スロットルバルブは定常状態であると判定して、制
御ゲインを、安定性重視の制御ゲインに設定し、逆に、
その偏差が、所定範囲(±δ)から外れ、スロットルバ
ルブを開又は閉方向に速やかに駆動する必要がある場合
には、スロットルバルブは過渡状態にあると判定して、
制御ゲインを、応答性重視の制御ゲインに設定するので
ある。
【0006】そして、この提案のスロットル制御装置に
よれば、スロットルバルブの作動状態に対応した制御ゲ
インを用いてスロットル制御を実行できるため、スロッ
トルバルブを、そのときの作動状態に対応した最適な速
度で開閉でき、制御の応答性及び安定性を両立できる。
また、上記のように定常時の積分ゲインを大きくするこ
とにより、指令値が安定しているとき(例えば内燃機関
のアイドル運転時等)に、スロットル開度を指令値に完
全に一致させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記提案の
スロットル制御装置のように、制御ゲインを、スロット
ルバルブの作動状態に応じて切り換えるに当って、スロ
ットルバルブの作動状態が変化したときに制御ゲインを
そのまま切り換えるようにすると、制御量を演算する演
算部の動作が、制御ゲインの変化に間に合わず、DCモ
ータ等のアクチュエータに対する制御信号が一時的にず
れて、スロットルバルブが変動することがあった。
【0008】そして、こうしたスロットルバルブの変動
は、スロットルバルブが定常状態から過渡状態に移行し
た際には問題ないものの、スロットルバルブが過渡状態
から定常状態に移行した際には運転者に不快感を与えて
しまうことになる。つまり、内燃機関のアイドル運転時
等、スロットルバルブが定常状態にあるときは、内燃機
関の回転が一定状態にあることから、ほんの少しの回転
変動でも、運転者は気づく。従って、スロットルバルブ
が過渡状態から定常状態に変化したときに、制御ゲイン
を、応答性重視の制御ゲインから安定性重視の制御ゲイ
ンへと急激に切り換え、この切り換えによりスロットル
バルブが変動すると、内燃機関の回転が変動して、運転
者に不快感を与えてしまうのである。
【0009】尚、スロットルバルブが定常状態から過渡
状態に変化したときは、一般に、アクセルペダルの急開
/急閉操作によって、応答性が要求されていることが多
く、この場合、内燃機関の回転は大きく変動している。
従って、スロットルバルブが定常状態から過渡状態に変
化した際に、制御ゲインの急激な切り換えによって、ス
ロットルバルブが変動しても、運転者は気づかず、運転
者に不快感を与えることはない。また、この場合には、
応答性が要求されていることから、制御ゲインを急激に
変化させる必要もある。
【0010】また、スロットルバルブの定常状態での安
定性を重視する場合、定常状態での積分ゲインには大き
な値が設定されるが、過渡状態中は、通常、実開度と指
令値との偏差が大きいことから、スロットルバルブが過
渡状態から定常状態に変化した際に、制御ゲインをその
まま切り換え、積分ゲインを大きくすると、過渡状態の
間に蓄積された積分要素によって、定常状態への移行後
の積分要素が必要以上に大きくなり、スロットルバルブ
が指令値に達した後も、蓄積された積分要素の力でスロ
ットルバルブが動かされ、図6(b)に示すように、ス
ロットル開度が指令値を大きく越えるオーバシュートが
発生するといった問題もある。そして、このようにオー
バシュートが発生すると、これに伴い内燃機関の回転も
変動することになるため、運転者に不快感を与えること
になる。
【0011】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
ので、スロットルバルブの作動状態に応じて制御ゲイン
を切り換える内燃機関のスロットル制御装置において、
制御ゲインの切り換えに伴い生じるスロットルバルブの
変動を抑制して、内燃機関を常に安定して運転できるよ
うにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の内燃機関のスロットル制
御装置においては、スロットル開度検出手段が、スロッ
トルバルブの実開度を検出し、制御手段が、その検出さ
れた実開度がアクセルペダルの踏込量等に応じて設定さ
れた指令値と一致するように、所定の制御ゲインを用い
て、スロットルバルブ開閉用のアクチュエータをフィー
ドバック制御する。
【0013】また本発明では、作動状態判定手段が、ス
ロットルバルブの作動状態が、少なくとも、実開度と指
令値との偏差が所定範囲内となる定常状態であるか、或
は、その偏差が所定範囲から外れた過渡状態であるかを
判定する。そして、この作動状態判定手段による判定結
果が定常状態から過渡状態へと変化すると、制御ゲイン
設定手段が、制御手段において使用される制御ゲイン
を、定常状態に対応した定常時制御ゲインから過渡状態
に対応した過渡時制御ゲインへと速やかに切り換え、逆
に、作動状態判定手段による判定結果が過渡状態から定
常状態へと変化すると、制御ゲイン設定手段が、制御ゲ
インを、過渡時制御ゲインから定常時制御へと除々に変
化させる。
【0014】このため、本発明のスロットル制御装置に
よれば、スロットルバルブの作動状態が定常状態から過
渡状態に変化した際には、制御ゲインを過渡時制御ゲイ
ンに速やかに切り換えることにより、スロットル開度の
指令値への追従性,つまりスロットル制御の応答性を確
保でき、逆にスロットルバルブの作動状態が過渡状態か
ら定常状態に変化した際には、制御ゲインを過渡時制御
ゲインから定常時制御ゲインへとゆっくりと変化させる
ことにより、制御ゲインの急激な切り換えによって生じ
る内燃機関の回転変動を防止することができる。
【0015】また、定常状態での安定性を重視して、定
常状態で使用する積分ゲインを大きな値に設定したとし
ても、過渡状態から定常状態への移行時には、積分ゲイ
ンは小さな値から大きな値へと除々に変化することにな
るので、過渡状態にて蓄積された積分要素によって、定
常状態への移行後の積分要素が必要以上に大きくなるの
を抑制でき、スロットル開度が指令値からオーバシュー
トするのを防止できる。
【0016】なお、このように定常状態での安定性を重
視して、定常状態での積分ゲインを大きな値に設定する
場合、過渡状態での積分ゲインを充分小さくすれば、ス
ロットルバルブの実開度と指令値との偏差が大きい過渡
状態にて蓄積される積分要素を小さくすることができる
ので、定常状態への移行後に生じるスロットル開度のオ
ーバシュートをより良好に防止することができる。
【0017】そして、このように本発明によれば、スロ
ットルバルブの作動状態が過渡状態から定常状態に変化
した際に、制御ゲインをゆっくりと切り換えて、スロッ
トル開度が変動したり、オーバシュートが発生するのを
防止できるため、制御ゲインの切り換えに伴い生じる内
燃機関の回転変動を抑えて、運転者に不快感を与えるの
を防止できる。
【0018】また次に、請求項2に記載の内燃機関のス
ロットル制御装置では、上記請求項1に記載の作動状態
判定手段が、スロットルバルブの実開度と指令値との偏
差が所定範囲内から所定範囲外に変化した際には、スロ
ットルバルブの定常状態から過渡状態への移行を速やか
に判定し、スロットルバルブの実開度と指令値との偏差
が所定範囲外から所定範囲内に変化した際には、その
後、この偏差が所定範囲内となる状態が所定時間継続し
た時点で、スロットルバルブの過渡状態から定常状態へ
の移行を判定する。
【0019】つまり、請求項2に記載のスロットル制御
装置においては、スロットルバルブの実開度と指令値と
の偏差が所定範囲内から所定範囲外に変化した際には、
スロットルバルブが過渡状態に入った旨を速やかに判定
して、制御ゲイン設定手段に対して、制御ゲインを過渡
時制御ゲインに速やかに切り換えさせる。このため、例
えば指令値が急変して実開度が指令値から大きくずれた
際に、スロットルバルブを速やかに指令値方向に駆動す
ることができ、過渡状態での応答性を確保できる。
【0020】また、スロットルバルブの実開度と指令値
との偏差が所定範囲外から所定範囲内に変化した際に
は、その状態が所定時間以上継続した時点で、スロット
ルバルブの定常状態を判定することにより、制御ゲイン
設定手段が制御ゲインを過渡時制御ゲインから定常時制
御ゲインに変化させる開始タイミングを遅らせる。この
結果、この遅延時間内に、過渡状態の間に蓄積された積
分要素を充分小さくした上で、制御ゲインの切り換えを
開始させることができ、定常状態への移行後にスロット
ル開度が指令値からオーバシュートするのを、より確実
に防止することができる。
【0021】またこのように、本発明では、スロットル
バルブの過渡状態から定常状態への移行の判定を遅延さ
せるので、例えば、運転者のアクセルペダル操作によっ
て、指令値が比較的ゆっくりと変化している際に、スロ
ットルバルブの実開度と指令値との偏差が一時的に所定
範囲内に入ったような場合には、過渡状態での制御ゲイ
ンにてスロットル制御を継続させることができ、過渡状
態と定常状態との判定が短時間で交互に切り換わり、そ
れに応じて制御ゲインが切り換えられて、内燃機関が回
転変動するのを防止できる。
【0022】ここで、本発明において、制御ゲイン設定
手段がスロットルバルブの作動状態に応じて設定する制
御ゲインには、作動状態判定手段が判定するスロットル
バルブの作動状態(本発明では、少なくとも定常状態と
過渡状態)毎に、各状態での制御に適した制御ゲインを
適宜設定しておけばよく、例えば、制御手段が、比例・
積分・微分制御(PID制御)を行なうように構成され
ている場合には、制御ゲインとして、比例ゲイン,積分
ゲイン,及び微分ゲインを、スロットルバルブの作動状
態毎に予め設定しておき、制御手段が、比例・積分制御
(PI制御)を行なうように構成されている場合には、
制御ゲインとして、比例ゲイン及び積分ゲインを、スロ
ットルバルブの作動状態毎に予め設定しておけばよい。
【0023】また、制御ゲイン設定手段は、必ずしも、
制御ゲインを構成する定数(つまり、比例ゲイン,積分
ゲイン,微分ゲイン)の全てを切り換える必要はなく、
例えば、制御手段がPID制御を行なうように構成され
ている場合に、制御ゲイン設定手段が切り換える制御ゲ
インとして、比例ゲイン及び積分ゲインを設定してお
き、微分ゲインについては、スロットルバルブの作動状
態にかかわらず、常に固定値を用いるようにしてもよ
い。
【0024】そして、スロットル開度が略指令値に制御
されている定常時の安定性を確保しつつ、スロットル開
度が指令値から大きく外れた過渡時の応答性を向上する
には、制御ゲイン設定手段を、請求項3に記載のように
構成することが望ましい。つまり、請求項3に記載の内
燃機関のスロットル制御装置においては、請求項1又は
請求項2に記載の制御ゲイン設定手段が、制御ゲインの
内の比例ゲインを、定常状態に比べて過渡状態の方が大
きくなるように設定し、制御ゲインの内の積分ゲイン
を、過渡状態に比べて定常状態の方が大きくなるように
設定するように構成される。
【0025】そして、このように構成すれば、スロット
ルバルブが過渡状態にあるときには、大きな比例ゲイン
を用いることにより、実開度と指令値との偏差(偏差:
大)に応じて、スロットルバルブを指令値方向に速やか
に駆動できる(応答性確保)と共に、小さな積分ゲイン
を用いることにより、過渡時に蓄積される積分要素を小
さくして、スロットルバルブが定常状態に切り換わった
際に生じるオーバシュートを抑制できる。
【0026】また、スロットルバルブが定常状態にある
ときには、比例ゲインが小さく、積分ゲインが大きい制
御ゲインを用いることにより、実開度と指令値との偏差
が少し変化してもスロットルバルブが大きく変化するの
を防止して、制御の安定性を確保できると共に、このと
き蓄積される積分要素によってスロットル開度を指令値
に一致させることができる。
【0027】また次に、本発明の作動状態判定手段とし
ては、単に、スロットルバルブの作動状態が定常状態で
あるか、或は過渡状態であるかを判定するように構成し
てもよいが、スロットルバルブが過渡状態にある場合に
は、更に、実開度と指令値との大小関係から、スロット
ルバルブを駆動すべき方向(つまり開方向又は閉方向)
を判定するというようにしてもよい。そしてこの場合に
は、制御ゲイン設定手段がスロットルバルブの作動状態
に応じて切り換える制御ゲインとして、定常状態,スロ
ットル開方向への過渡状態,及びスロットル閉方向への
過渡状態の各作動状態毎に、最適な制御ゲインを予め設
定しておけばよい。
【0028】そして、このように構成した場合でも、請
求項1に記載の発明によれば、スロットル開方向への過
渡状態から定常状態への移行時、或はスロットル閉方向
への過渡状態から定常状態への移行時には、制御ゲイン
をゆっくりと変化させることになり、また請求項2に記
載の発明によれば、定常状態の判定を遅延させることに
なるので、上記説明した効果を得ることができる。
【0029】またこのように構成した場合、スロットル
バルブの開方向への駆動時と閉方向への駆動時とで、ア
クチュエータの制御に用いる制御ゲインを異なる値に設
定できることから、スロットルバルブがスプリングにて
閉方向又は開方向に付勢されており、スロットルバルブ
の駆動方向によって必要なトルクが異なるような場合
に、アクチュエータをより最適に制御することが可能に
なる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図1は本実施例の車両用内燃機関のス
ロットル制御装置の全体構成を表わす概略図である。
【0031】図1に示す如く、内燃機関1の吸気通路2
には、吸気通路2を通って内燃機関1に吸入される空気
量を制御するスロットルバルブ3が設けられ、このスロ
ットルバルブ3には、スロットル開度(実開度)を検出
するスロットル開度検出手段としてのスロットル開度セ
ンサ4が設けられている。またアクセルペダル5には、
その踏込量(以下、アクセル開度ともいう)を検出する
アクセル開度センサ6が設けられている。そして、スロ
ットル開度センサ4及びアクセル開度センサ6からの信
号(スロットル開度信号TH及びアクセル開度信号A
p)は、マイクロコンピュータを中心に構成されたEC
U(Electronic Control Unit:電子制御装置) 10に
入力される。
【0032】また、スロットルバルブ3の回転軸には、
減速ギヤ13を介して、DCモータ12の回転軸が連結
されており、スロットルバルブ3は、このDCモータ1
2の回転により開閉される。つまり、本実施例では、ス
ロットルバルブ3のアクチュエータとして、DCモータ
12が使用される。そして、このDCモータ12には、
ECU10側から電流が供給される。また、スロットル
バルブ3の回転軸には、リターンスプリング14が設け
られ、スロットルバルブ3は、このリターンスプリング
14によって、常時、全閉側に付勢されている。
【0033】次に、図2は本実施例のスロットル制御装
置の要部構成を表わし、図3はこの制御装置を構成する
フィードバック制御系での信号の流れを表わす。以下、
この図2及び図3を用いて、本実施例のスロットル制御
装置の構成及び制御動作を詳しく説明する。
【0034】図2に示す如く、アクセル開度センサ6か
らのアクセル開度信号Ap及びスロットル開度センサ4
からのスロットル開度信号THは、A/D変換器10a
にてA/D変換されて、ECU10内に取り込まれる。
そしてECU10は、これらの信号に応じてDCモータ
12の制御量を演算し、モータ駆動回路11に、その演
算結果に対応したPWM(Pulse Width Modulation:パ
ルス幅変調)信号を出力する。すると、モータ駆動回路
11からDCモータ12には、このPWM信号に対応し
た電流が流れ、DCモータ12がその電流値に対応した
回転トルクを発生し、この回転トルクにより、減速ギヤ
13を介してスロットルバルブ3を開閉する。なお、図
2において、符号7は、スロットルバルブ3の全閉位置
を規制する全閉ストッパを表わす。
【0035】また、このとき、ECU10は、図3に示
すように、アクセル開度信号ApのA/D変換値に基づ
いてスロットルバルブ3の目標開度である指令値θcm
dを算出し、PID制御部10bにおいて、所定の制御
ゲイン(比例ゲインKp,積分ゲインKi,微分ゲイン
Kd)を用いた演算動作により、上記算出した指令値θ
cmdと、スロットル開度信号THをA/D変換して得
られたスロットルバルブ3の実開度(以下、センサ値と
いう)θthとの偏差△θがなくなるように、スロット
ルバルブ3の制御量を算出する(換言すれば、モータ駆
動回路11に出力するPWM信号を生成する)ことによ
り、DCモータ12に対するフィードバック制御を実行
する。
【0036】ところで、PID制御部10bにおいてフ
ィードバック制御のために使用される制御ゲインの内、
制御量の比例要素(Kp・△θ)を決定する比例ゲイン
Kpは、スロットルバルブ3の開閉時の立上がり又は立
下がりの傾き、即ち、応答速度を決定する。従って、こ
の比例ゲインKpを大きい値に固定すると、スロットル
バルブ3の応答速度は早くなるが、反動としてのオーバ
シュートが大きくなり、スロットル開度を一定保持しよ
うとすると発振し易くなる。
【0037】また、制御量の積分要素(Ki・∫△θ)
を決定する積分ゲインKiは、スロットルバルブ3の指
令値θcmdとセンサ値θthとの偏差△θを小さくす
るように働く。従って、この積分ゲインKiを大きい値
に固定すると、センサ値θthが指令値θcmd付近に
収束した際、センサ値θthを指令値θcmdに一致さ
せることができるものの、センサ値θthと指令値θc
mdの偏差△θが大きいときには、この大きな偏差△θ
を蓄積することになるため、積分要素が大きくなりす
ぎ、センサ値θthが指令値θcmd付近で大きくハン
チングして、センサ値θthを指令値θcmdに収束さ
せるのに時間がかかる。
【0038】また、制御量の微分要素(Kd・d△θ/
dt)を決定する微分ゲインKdは、スロットルバルブ
3の開閉における応答速度に関連する最終収束速度を決
定する。従って、この微分ゲインが大きくなると、スロ
ットルバルブ3の応答速度が遅くなるが、反面、スロッ
トルバルブのスロットル開度変動時のオーバシュートが
小さくなる。
【0039】そこで、本実施例のスロットル制御装置で
は、センサ値θthと指令値θcmdとの偏差△θに基
づき、スロットルバルブ3が定常状態にあるか過渡状態
にあるかを判定し、その判定した各作動状態に応じて、
PID制御部10bで制御量の演算に用いる制御ゲイン
の内の比例ゲインKpと積分ゲインKiとを夫々切り換
えることにより、スロットル制御の応答性と安定性とを
両立できるようにしている。
【0040】以下、こうした制御ゲイン(比例ゲインK
p,積分ゲインKi)の切り換えのためにECU10に
おいて実行される制御処理を、図4に示すフローチャー
トに沿って説明する。この処理は、ECU10におい
て、所定時間(例えば、2msec.毎)に繰返し実行され
る処理であり、処理が開始されると、まずS110(S
はステップを表わす)にて、スロットル開度の指令値θ
cmd及びセンサ値θthを読み込む。そして、続くS
120では、その読み込んだ指令値θcmdとセンサ値
θthとの偏差△θの絶対値が、スロットルバルブ3の
回転角度で所定角度(本実施例では2°)以下になって
いるか否かを判断する。
【0041】そして、偏差の絶対値が2°を越えている
場合には、スロットルバルブ3を速やかに駆動すべき過
渡状態であると判断して、S170に移行し、比例ゲイ
ンKp及び積分ゲインKiとして、予め設定された過渡
状態での値(本実施例では、Kp=12,Ki=4)を
設定し、更に続くS180にて、後述の処理で使用する
カウンタCNTを値0にクリアした後、当該処理を一旦
終了する。
【0042】尚、図4において、比例ゲインKp及び積
分ゲインKiに付与した添え字nは、今回の処理で設定
した各ゲインの値を表わし、添え字(n-1) は、今回の処
理実行前に既に設定されている各ゲインの値を表わす。
一方、S120にて、偏差の絶対値が2°以下であると
判断されると、S130に移行して、偏差の絶対値が2
°以下になった状態の継続時間を計時するために、カウ
ンタCNTをインクリメント(+1)し、続くS140
にて、このカウンタCNTの値が所定値以上であり、偏
差の絶対値が2°以下になってから、その状態が所定時
間(本実施例では40msec.)以上継続しているか否か
を判断する。
【0043】そして、S140にて、偏差の絶対値が2
°以下になってからその状態が40msec.以上継続して
いないと判断されると、そのまま当該処理を終了し、逆
に、S140にて、偏差の絶対値が2°以下になってか
らその状態が40msec.以上継続していると判断される
と、スロットルバルブ3の作動状態は過渡状態から定常
状態に移行したと判断して、S150に移行する。従っ
て、本実施例では、偏差の絶対値が2°以下になって
も、その状態が40msec.以上継続していない場合に
は、スロットルバルブ3の過渡状態から定常状態への移
行が判定されることはなく、この間は、先にS170に
て設定された過渡状態での制御ゲイン(Kp=12,K
i=4)を用いてスロットル制御が実行されることにな
る。
【0044】また次に、スロットルバルブ3が定常状態
であると判断された場合に実行されるS150では、比
例ゲインKp及び積分ゲインKiを定常状態に対応した
値に切り換えるための更新値tKp及びtKiとして、
夫々、過渡状態での値とは異なる所定値(本実施例で
は、tKp=4,tKi=12)を設定する。
【0045】そして、続くS160では、スロットル制
御に用いる比例ゲインKp及び積分ゲインKiを、夫
々、次式(1),(2)を用いて算出し、その算出結果を、以
降のスロットル制御に用いる比例ゲインKp及び積分ゲ
インKiとして設定した後、当該処理を一旦終了する。
【0046】 Kpn =Kp(n-1) +(tKp−Kp(n-1) )/16 …(1) Kin =Ki(n-1) +(tKi−Ki(n-1) )/16 …(2) つまり、本実施例では、S160において、上記(1),
(2)式を用いて比例ゲインKp及び積分ゲインKiを更
新することにより、スロットルバルブ3の作動状態の過
渡状態から定常状態への移行を判定した際には、比例ゲ
インKp及び積分ゲインKiを、定常状態でのスロット
ル制御に適した値(更新値tKp及びtKi)に速やか
に切り換えるのではなく、その値tKp,tKiと前回
算出した各ゲインKp,Kiとの偏差の1/16の値に
て、各ゲインKp,Kiを所定時間毎に更新する、所謂
なまし処理により、各ゲインKp,Kiを、定常状態で
のスロットル制御に適した更新値tKp及びtKiに除
々に近付けるのである。
【0047】以上説明したように、本実施例のスロット
ル制御装置においては、PID制御部10bで制御量
(詳しくはモータ駆動回路11に出力するPWM制御信
号)を生成するに当って使用される制御ゲインの内、比
例ゲインKpと積分ゲインKiとを、スロットルバルブ
3の作動状態(定常状態と過渡状態)に応じて切り換え
る。また、この切り換えに当っては、図5に示すよう
に、スロットルバルブ3の過渡状態を判定した際には、
各制御ゲインKp,Kiをそのまま過渡状態に対応した
所定値(Kp=12,Ki=4)に設定し、スロットル
バルブ3の定常状態を判定した際には、上記演算式
(1),(2)を用いて、各制御ゲインKp,Kiを、過渡状
態に適した所定値(Kp=12,Ki=4)から定常状
態に適した所定値(Kp=4,Ki=12)へと除々に
変化させる。
【0048】このため、本実施例によれば、スロットル
バルブ3の作動状態が偏差△θの小さい定常状態から偏
差△θの大きい過渡状態に変化した際には、制御ゲイン
Kp,Kiを速やかに過渡状態に適した値に切り換える
ことにより、センサ値θthの指令値θcmdへの追従
性(換言すればスロットル制御の応答性)を確保するこ
とができる。また、スロットルバルブ3の作動状態が過
渡状態から定常状態に変化した際には、制御ゲインK
p,Kiを定常状態に適した値に除々に変化させること
により、内燃機関のアイドル運転等によってスロットル
バルブ3が定常状態に入った際に、スロットル開度が変
動して、内燃機関1の回転変動が生じ、運転者に不快感
を与えるといったことを防止できる。
【0049】また本実施例では、スロットルバルブ3の
過渡状態での応答性と定常状態での安定性とを共に確保
するために、比例ゲインKpについては、過渡状態では
大きく(値12)、定常状態では小さく(値4)なるよ
うにし、積分ゲインKiについては、定常状態では大き
く(値12)、過渡状態では小さく(値4)なるように
しているが、スロットルバルブ3の作動状態が過渡状態
から定常状態に移行した際、積分ゲインKiはゆっくり
と大きい値に変化することから、スロットルバルブ3が
過渡状態にあるときに蓄積された積分要素によって、ス
ロットルバルブ3が定常状態に入ってからの積分要素が
大きくなりすぎるようなことはなく、図6(b)に示し
たオーバシュートが発生するのを防止できる。
【0050】また、特に、本実施例では、単にセンサ値
θthと指令値θcmdとの偏差△θが所定範囲内(つ
まり偏差△θの絶対値が2°以下)になった際に、スロ
ットルバルブ3の過渡状態から定常状態への移行を判定
するのではなく、その状態が所定時間(40msec.)以
上継続した時点で、定常状態を判定することから、その
間に、偏差△θが大きい過渡状態にて蓄積された積分要
素を充分小さくすることができ、その後、定常状態を判
定して、積分ゲインKiを増加した際に、積分要素が必
要以上に大きくなって、オーバシュートが発生するの
を、より確実に防止できる。
【0051】即ち、センサ値θthと指令値θcmdと
の偏差△θが±2°以内となったときにそのまま定常状
態を判定するようにした場合、定常状態の判定後の積分
ゲインKiの増加の仕方によっては、過渡状態で蓄積さ
れた積分要素によって積分要素が大きくなりすぎ、オー
バシュートが発生することがある。
【0052】そして、積分ゲインKiの変化だけでオー
バシュートを防止するには、積分ゲインKiをよりゆっ
くりと増加させればよいが、このようにすると、定常状
態に入ってからセンサ値θthを指令値θcmdに一致
させるのに時間がかかる。一方、この時間を短くするに
は、定常状態を判定する偏差△θの判定値を、例えば、
±1°とか±0.5°というように、±2°よりも小さ
くすればよい。しかし、この判定値を小さくすると、定
常状態中、外乱等でスロットルバルブが少し動いても
(例えば0.6°とか1.1°だけ動いても)、過渡状
態を判定して、制御ゲインを変化させてしまうことにな
る。
【0053】しかし、本実施例のように、センサ値θt
hと指令値θcmdとの偏差△θが定常状態の判定値で
ある±2°以内に入り、その状態が所定の遅延時間(4
0msec.)経過した時点で、定常状態を判定して、積分
ゲインKiを除々に大きくするようにすれば、外乱等に
よって過渡状態を誤判定するのを防止しつつ、上記オー
バシュートをなくすことができるようになる。
【0054】尚、以上説明した比例ゲインKp,積分ゲ
インKiの値や、定常状態の判定に使用する判定値(2
°)、遅延時間(40msec.)等については、本発明を
適用する内燃機関のスロットル制御系に応じて適宜設定
すれば良く、上記各値は、絶対的なものではない。
【0055】そして、本実施例においては、図4におけ
るS110〜S140及びS180の処理が、請求項1
及び請求項2に記載の作動状態判定手段に相当し、図4
におけるS150,S160,及びS170の処理が、
請求項1及び請求項3に記載の制御ゲイン設定手段に相
当する。
【0056】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種
々の態様をとることができる。例えば、上記実施例で
は、PID制御部10bにおいて使用する制御ゲインの
内、微分ゲインKdについては、予め設定された固定値
を使用するものとして説明したが、この微分ゲインKd
についても、スロットルバルブ3の作動状態に応じて切
り換えるようにしてもよい。
【0057】また、上記実施例では、スロットルバルブ
3の作動状態として、定常状態と過渡状態との2種類の
作動状態を判定して、その判定結果に応じて制御ゲイン
を切り換えるものとして説明したが、スロットルバルブ
3の作動状態として、例えば、スロットルバルブ3を閉
方向に駆動する際の過渡状態と、スロットルバルブ3を
開方向に駆動する際の過渡状態とを判定し、各過渡状態
毎に最適な制御ゲインを使用するようにすれば、スロッ
トルバルブ3をより良好に開閉することができる。
【0058】また、上記実施例では、スロットルバルブ
3を開閉させるアクチュエータとして、DCモータ12
を用いるものとして説明したが、このアクチュエータに
は、DCモータ12以外の回転式のアクチュエータを使
用することもできるし、電磁ソレノイド等の直線運動す
るアクチュエータを使用することもできる。
【0059】また、上記実施例では、スロットル開度の
指令値θcmdは、アクセルペダル5の踏込量に応じた
アクセル開度信号Apに基づき設定するものとして説明
したが、例えば、車両加速時に駆動輪に加速スリップが
発生した際に内燃機関1の出力を抑制するトラクション
コントロールを実現するために、加速スリップ発生時に
は、駆動輪のスリップ率等に応じて、別途、スロットル
開度の指令値を生成し、スロットル制御には、その生成
した指令値を、アクセルペダル5の踏込量に対応した指
令値よりも優先して使用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の車両用内燃機関のスロットル制御装
置の全体構成を表わす概略図である。
【図2】 実施例のスロットル制御装置の要部構成を表
わす説明図である。
【図3】 実施例のスロットル制御装置を構成するフィ
ードバック制御系での信号の流れを表わす説明図であ
る。
【図4】 実施例のECUにおいて制御ゲイン切り換え
のために実行される制御処理を表わすフローチャートで
ある。
【図5】 実施例のECUにおける制御ゲインの切り換
え動作を説明するタイムチャートである。
【図6】 スロットルバルブの作動状態に従い制御ゲイ
ンをそのまま切り換えた場合の問題点を説明する説明図
である。
【符号の説明】
1…内燃機関 2…吸気通路 3…スロットルバル
ブ 4…スロットル開度センサ 5…アクセルペダル 6…アクセル開度センサ 10a…A/D変換器 10b…PID制御部 11…モータ駆動回路 1
2…DCモータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スロットルバルブの実開度を検出するス
    ロットル開度検出手段と、 該検出されたスロットルバルブの実開度がアクセルペダ
    ルの踏込量等に応じて設定された指令値となるように、
    所定の制御ゲインを用いて、スロットルバルブ開閉用の
    アクチュエータをフィードバック制御する制御手段と、 を備えた内燃機関のスロットル制御装置において、 前記スロットルバルブの作動状態が、少なくとも、前記
    実開度と前記指令値との偏差が所定範囲内となる定常状
    態であるか、該偏差が該所定範囲から外れた過渡状態で
    あるかを判定する作動状態判定手段と、 該作動状態判定手段による判定結果が、前記定常状態か
    ら前記過渡状態へと変化すると、前記制御ゲインを、前
    記定常状態に対応した定常時制御ゲインから前記過渡状
    態に対応した過渡時制御ゲインへと速やかに切り換え、
    前記判定結果が前記過渡状態から前記定常状態へと変化
    すると、前記制御ゲインを、前記過渡時制御ゲインから
    前記定常時制御へと除々に変化させる制御ゲイン設定手
    段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関のスロットル制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記作動状態判定手段は、前記実開度と
    前記指令値との偏差が前記所定範囲内から所定範囲外に
    変化した際には、前記スロットルバルブの定常状態から
    過渡状態への移行を速やかに判定し、前記実開度と前記
    指令値との偏差が前記所定範囲外から所定範囲内に変化
    した際には、その後、該偏差が所定範囲内となる状態が
    所定時間継続した時点で、前記スロットルバルブの過渡
    状態から定常状態への移行を判定することを特徴とする
    請求項1に記載の内燃機関のスロットル制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御ゲイン設定手段は、前記制御ゲ
    インの内の比例ゲインを、前記定常状態に比べて前記過
    渡状態の方が大きくなるように設定し、前記制御ゲイン
    の内の積分ゲインを、前記過渡状態に比べて前記定常状
    態の方が大きくなるように設定することを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載の内燃機関のスロットル制御
    装置。
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