JPH1047457A - ディファレンシャル装置 - Google Patents

ディファレンシャル装置

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JPH1047457A
JPH1047457A JP20594696A JP20594696A JPH1047457A JP H1047457 A JPH1047457 A JP H1047457A JP 20594696 A JP20594696 A JP 20594696A JP 20594696 A JP20594696 A JP 20594696A JP H1047457 A JPH1047457 A JP H1047457A
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JP
Japan
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differential
gear
coating layer
electroless nickel
nickel coating
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JP20594696A
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Yasuhiko Ishikawa
泰彦 石川
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GKN Driveline Japan Ltd
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Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 差動制限力を発生する摺動摩擦面の焼付きを
防止すると共に、差動ギヤのピッチングを防止し、耐久
性が向上すると共に、安定した差動制限力が得られるデ
ィファレンシャル装置の提供を課題とする。 【解決手段】 デフケース1と、サイドギヤ5,7と、
ピニオンギヤ17,19とを備え、デフケース1とピニ
オンギヤ17,19が直接摺動することにより差動制限
を行うディファレンシャル装置であって、摺動するピニ
オンギヤ17,19の摺動面に無電解ニッケルコーティ
ング層23を形成し、ピニオンギヤ17,19の歯面に
は無電解ニッケルコーティング層が形成されていないこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に用いられる
差動制限機能を有するディファレンシャル装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のディファレンシャル装置
としては、例えば特開平6−207646号公報に図5
に示す平行軸タイプのものが開示されている。このディ
ファレンシャル装置では、デフケース301内にこれと
同軸に一対の出力側サイドギヤ303,305が回転可
能に配置されている。両サイドギヤ303,305を連
結する対のピニオンギヤ307は、デフケース301に
その回転軸と平行に設けられた複数対の収納孔309に
それぞれ摺動回転自在に収納されている。そして、図6
に示すように、収納孔309の開口部bとエプロン部a
との間の形状は、ピニオンギヤ307の歯先面との間の
空間が増大するように修正されている。また、デフケー
ス301の周壁には複数の潤滑油通路311,313が
設けられている。
【0003】デフケース301に入力されたエンジンか
らの駆動力はピニオンギヤ307を経てサイドギヤ30
3,305に伝達される。このとき、ピニオンギヤ30
7は噛み合いの反力に応じて収納孔309に押し付けら
れる。サイドギヤ303,305の差動時には、ピニオ
ンギヤ307は収納孔309に押し付けられた状態で摺
動し、摺動摩擦により差動制限力が生じる。こうして、
ピニオンギヤ307は差動制限力を発生させるだけでな
く、入力された駆動力をその歯先面によってサイドギヤ
303,305に伝達する役割を担っている。そして、
上記収納孔309の形状修正や潤滑油通路311,31
3は摺動部の摩耗や焼付きを防止するためのものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、このよう
なディファレンシャル装置の設計においては、駆動力の
伝達強度のみではなく、衝撃力や摩擦力をも考慮し、潤
滑性向上策と共に各部材に浸炭焼入れ等多くの熱処理が
指定される。ところが、この熱処理によって部材は微小
な変形を生じるので、差動制限力を安定させるために多
大の加工工数を費やして部材の精度管理を十分に行う必
要がある。
【0005】また、上記平行軸タイプのディファレンシ
ャル装置のように摺動摩擦面が差動制限力発生部と駆動
力伝達とを兼ねている場合、摩擦面の面圧が大きいの
で、上記潤滑性向上策や熱処理を施してもなお摩擦面の
摩耗量が大きく、潤滑油膜切れによる焼付きの恐れもあ
り、耐久性が十分ではない。
【0006】さらに近年、前輪駆動車(FF車)で上記
のようなトルク感応型の差動制限機能を有するディファ
レンシャル装置が見直され、これの装備によるハンドリ
ング性の向上、アクセルペダルの踏み込みに対するレス
ポンスの良さなど車両の運動性能の向上が可能として装
備率が増えている。そして、FF車に代表されるよう
に、ディファレンシャル装置を収容するハウジングはト
ランスミッションハウジングと共用されているのが一般
的であり、その場合当然ながら、ディファレンシャル装
置の潤滑油はトランスミッションと共用される。
【0007】共用される潤滑油にはMT油、AT油があ
り、特にAT(オートマチックトランスミッション)や
CVT(コンティニュアスリ バリアブル トランスミ
ッション)などではAT油が使用される。AT油の特徴
としては、第1にAT油はMT油に比べ粘度が低く、流
体トルクコンバータの作動流体を兼ねている。つまり油
流路の摩擦損失を低減するために粘度を低くしている。
また、トランスミッションの制御油圧アクチュエータの
作動用にも使用されるため、油温が低くてもアクチュエ
ータの正常な作動を可能にするために粘度を低くしてい
る。第2にAT油はMT油に比べ耐荷重性が低い(硫黄
SやリンPなどの極圧性を向上させる成分、つまり極圧
添加剤の油中含有量が少ない)。このことは、一定荷
重、一定油温のもとで数分間の慣らし運転をした後、荷
重を連続的に増加させ焼付き発生時の荷重を調べるとい
う一般的な規格焼付き評価試験によって、AT油はMT
油に比べ焼付き荷重がおおよそ1/2〜2/3と限界が
低いことが確認されている。
【0008】このような潤滑油で油浴潤滑される条件下
で、ディファレンシャル装置はエンジン回転数の最終減
速後の部位に配置されるので、エンジンからトランスミ
ッションへ伝達される駆動トルクの数倍のトルクを伝達
することになる。そのため、ディファレンシャル装置の
上記摺動摩擦面には大きな押付け力が作用し、潤滑油膜
が保持されずに摩耗や焼付きを早めてしまい、耐久性が
低下するという問題があった。
【0009】そこで、上記のような従来の問題点を解決
するために、本出願人は、駆動力を受けて回転するデフ
ケースと、デフケース内に同軸に支持され、かつデフケ
ースと相対回転自在に支持された一対のサイドギヤと、
デフケースにその回転軸に平行に、かつ前記サイドギヤ
の周囲に形成された収納孔と、収納孔に摺動回転自在に
収納支持され、互いに噛合うと共に前記サイドギヤにそ
れぞれ別に噛合う少くとも一対のピニオンギヤとを備
え、動力伝達時にサイドギヤとピニオンギヤとの噛合い
反力を受け、デフケースとピニオンギヤが摺動すること
により一対のサイドギヤの差動制限を行うディファレン
シャル装置において、前記ピニオンギヤの摺動面に、該
ピニオンギヤが有する表面硬さよりも硬い無電解ニッケ
ルコーティング層(例えばカニゼンコーティング層−登
録商標)を形成し、このコーティング層の摺動により摺
動摩擦面の摩耗、焼付きを防止し、耐久性が向上すると
共に安定した差動制限力が得られるディファレンシャル
装置を提案している(特願平7−343964号参
照)。
【0010】ここで、上記ピニオンギヤは、ブランクに
歯切り加工を行って歯車部材を形成し、この歯車部材に
浸炭処理(浸炭、焼入れ、焼戻し)を施して表面部分の
硬さを硬くした後、外周に研磨加工を行って外周表面の
仕上げ粗さを密にし、つぎに、歯車部材の全表面にメッ
キ処理を施して無電解ニッケルコーティング層を形成
し、この無電解ニッケルコーティング層の硬化熱処理を
行う加工工程によって形成され、無電解ニッケルコーテ
ィング層の表面硬さは、コーティング層形成前の歯車部
材表面硬さよりもより硬くなっている。
【0011】しかしながら、上記のような加工工程で形
成されたピニオンギヤは、歯面にも無電解ニッケルコー
ティング層が形成されており、この無電解ニッケルコー
ティング層の主成分であるニッケルは油をはじく特性を
有するため、歯面の潤滑油膜が保持されずに耐ピッチン
グ性が低下するという問題があった。
【0012】また、上記ピニオンギヤの加工工程では、
浸炭処理時の焼戻し(250℃から空冷)と、無電解ニ
ッケルコーティング層の硬化熱処理(約300℃から空
冷)との2回の焼戻しが行われるため、歯車部材の組織
が粗大化し、硬度が低下するという問題があった。
【0013】本発明は、このような問題点に着目してな
されたものであり、差動制限力を発生する摺動摩擦面の
焼付きを防止すると共に、差動ギヤのピッチングを防止
し耐久性が向上すると共に安定した差動制限力が得られ
るディファレンシャル装置の提供を課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、駆動力を受けて回転する
デフケースと、デフケース内に同軸に支持され、かつデ
フケースと相対回転自在に支持された一対の出力ギヤ
と、デフケースにその回転軸に平行に、かつ前記出力ギ
ヤの周囲に形成された収納孔と、収納孔に摺動回転自在
に収納支持され、互いに噛合うと共に前記出力ギヤにそ
れぞれ別に噛合う少くとも一対の差動ギヤとを備え、動
力伝達時に出力ギヤと差動ギヤとの噛合い反力を受け、
デフケースと差動ギヤが摺動することにより一対の出力
ギヤの差動制限を行うディファレンシャル装置であっ
て、前記差動ギヤは、ブランクの全表面に無電解ニッケ
ルコーティング層を形成し、この無電解ニッケルコーテ
ィング層上から歯切り加工を行ってブランクが露出した
歯面を有する歯車部材を形成し、つぎに、浸炭焼入れ、
焼戻し処理を施して歯面の表面硬さを硬くすると共に無
電解ニッケルコーティング層の表面硬さを前記歯面の表
面硬さよりもより硬くしたことを特徴とする。
【0015】したがって、差動ギヤの歯先面は駆動力を
伝達すると共にデフケースの収納孔と直接摺動して差動
制限力を発生する。そして、差動ギヤの摺動面(歯先面
及び端面)に歯面の硬さよりもより硬い無電解ニッケル
コーティング層が形成されているので、駆動力と差動制
限力とが作用する厳しい摺動面面圧の条件下にあって
も、無電解ニッケルコーティング層が摺動するので摩
耗、焼付きが防止され耐久性が向上すると共に、安定し
た差動制限力が得られる。
【0016】また、差動ギヤの摺動面に無電解ニッケル
コーティング層を形成することにより、MT(マニュア
ルトランスミッション),AT,CVT等と潤滑油を共
用する条件下にあっても潤滑油質に影響されずに、摺動
面の摩耗、焼付きが防止され耐久性が向上すると共に、
安定した差動制限力が得られる。
【0017】さらに、差動ギヤの歯面には、無電解ニッ
ケルコーティング層が形成されていないので、歯面の潤
滑油膜が保持されるため、ピッチングが防止され、耐ピ
ッチング性が向上すると共に、安定した差動制限力が得
られる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図1〜図4
により説明する。図1は本実施形態の平行軸型ディファ
レンシャル装置の全体断面図であり、図2は部分断面図
である。図3〜図4は説明図である。まず、構成を説明
する。
【0019】デフケース1はデフケース本体1aとカバ
ー1bとがボルト3により結合されてなり、両端ボス部
1c,1dの外周部にて図示しないハウシングに回転可
能に支持される。また、デフケース1には図示しないリ
ングギヤが固定され、デフケース1はこのリングギヤを
介してエンジンの駆動力を受け、回転する。上記ハウシ
ングの内部には油溜りが形成され、ディファレンシャル
装置は変速機と共用の潤滑油により油浴潤滑される。ボ
ス部1c,1dの内周には螺旋状の油溝1e,1fが形
成され、またデフケース本体1aおよびカバー1bには
開口1g,1hおよび1jが設けられている。これらの
油溝1e,1fおよび開口1g,1hおよび1jから潤
滑油が流出入し、デフケース1内の各噛み合い部および
後述の摺動摩擦部を潤滑する。
【0020】デフケース内部には、一対の出力ギヤとし
ての左右のヘリカルサイドギヤ5,7が軸部5a,7a
にてデフケース1に同軸に回転可能に対向支持されてい
る。サイドギヤ5,7はその軸部5a,7aの内周にて
左右の出力軸(図示省略)にスプライン連結される。そ
して、サイドギヤ5,7の対向端面間および各サイドギ
ヤ5,7とデフケース1の端面との間にスラストワッシ
ャ9がそれぞれ配置されている。また、サイドギヤ5,
7間にはスラストブロック11が配置されている。
【0021】サイドギヤ5,7の周囲のデフケース1に
は、図2(a図は図1のA−A断面図、b図は図1のB
−B断面図)に示すように、その軸に平行に長短の対の
収納孔13,15が周方向等分に複数対形成されてい
る。長短の収納孔13,15には一対の差動ギヤとして
の長短のヘリカルピニオンギヤ17,19がそれぞれ摺
動回転自在に収納されている。したがって、ピニオンギ
ヤ17,19の歯先面17a,19aと収納孔13,1
5とが直接に摺動し合う摺動面になっている。長いピニ
オンギヤ17は第1と第2のギヤ部17b,17cおよ
びこれらをつなぐ小径の軸部17dからなり、第1ギヤ
部17bは右のサイドギヤ7と噛み合っている。一方、
短いピニオンギヤ19は第1と第2のギヤ部19b,1
9cが連続して形成され、第1のギヤ部19bは左のサ
イドギヤ5と噛み合っている。そして、両ピニオンギヤ
17,19の第2のギヤ部17c,19c同士が、左の
サイドギヤ5の軸方向左方で互いに噛み合っている。こ
うして、ピニオンギヤ17,19が左右のサイドギヤ
5,7を連結している。また、両ピニオンギヤ17,1
9は、その端面Jにてデフケース1により軸方向の移動
を止められている。
【0022】さらに、ピニオンギヤ17,19の歯先面
には、図3に示すように、潤滑用の網目状の油溝(複数
の溝)21がローレット加工により形成されている。こ
の油溝21はピニオンギヤ17,19の回転方向(例え
ば矢印D)、スラスト方向(例えば矢印E)のいずれと
も交差するように形成されている。
【0023】そして、ピニオンギヤ17,19は、その
全表面に硬化用の無電解ニッケルコーティング層23が
表面形状および網目状の油溝21の形状に倣って形成さ
れている。コーティング層23が形成された油溝21の
形状寸法は、例えば図4(図3のC−C断面図)に示す
ように、網目の長さa=0.50mm,溝幅b=0.2
0mm,溝深さc=0.10mm,コーティング層厚さ
t=0.01mmに設定される。コーティング層23
は、このように微小の油溝21の形状に倣って均一厚さ
に得られ、油溝21を埋めてしまうことはない。
【0024】ここで、ピニオンギヤ17,19の加工工
程について説明する。
【0025】ピニオンギヤ17,19のブランク外周に
ローレット加工により網目状の油溝21を形成した後、
外周に研磨加工を行って外周表面の仕上げ粗さを密にす
る。つぎに、ブランクの全表面に無電解ニッケルコーテ
ィング層23(コーティング層厚さt=0.01mm)
を形成し、この無電解ニッケルコーティング層23上か
ら歯切り加工を行ってブランクが露出した歯面17e,
19eを有する歯車部材を形成する。この歯車部材に浸
炭焼入れ、焼戻し処理を施して歯面17e,19eの表
面硬さをHR C56〜60にすると共に無電解ニッケル
コーティング層23の表面硬さを歯面17e,19eの
表面硬さHR C56〜60よりもより硬いHR C64〜
68にして形成する。
【0026】このような加工工程でピニオンギヤ17,
19が形成されているので、ピニオンギヤ17,19の
摺動面(歯先面及び端面)に歯面17e,19eの表面
硬さよりもより硬い無電解ニッケルコーティング層23
が形成され、歯面17e,19eには無電解ニッケルコ
ーティング層は形成されていない。
【0027】また、デフケース1に形成された収納孔1
3,15やピニオンギヤ端面Jとの摺動面は、表面硬さ
R C48〜52となっている。
【0028】また、ピニオンギヤ17,19に形成する
無電解ニッケルコーティング層23は歯先面17a,1
9aのみに形成してもよい。
【0029】つぎに、このディファレンシャル装置の作
用を説明する。
【0030】駆動力伝達時には、ピニオンギヤ17,1
9の歯先面17a,19aはデフケース1の収納孔1
3,15に押し付けられ、また、ヘリカルギヤの噛み合
いによるスラストを受けピニオンギヤ17,19の一方
側の端面Jが直接デフケース1の壁面に押し付けられ
る。サイドギヤ5,7はスラストワッシャ9を介して、
互いに押し付けられるか、またはデフケース1に押し付
けられる。そして、サイドギヤ5,7の差動時には、ピ
ニオンギヤ17,19の歯先面17a,19aおよび端
面Jはその押し付けられた状態で摺動し、摩擦により差
動制限力が生じる。一方、サイドギヤボス部の油溝1
e,1fおよびデフケース1の開口1g,1h,1jか
ら導入された潤滑油が各噛み合い部と共にピニオンギヤ
17,19の歯先面17a,19aおよび端面Jに供給
される。
【0031】このとき、網目状の油溝21の形状に倣っ
て形成されたコーティング層23により、図3の例えば
矢印D,E方向に生じる摩擦力に対する耐剥離性が向上
される。また、無電解ニッケルコーティング層23は
0.005〜0.04mm程度の厚さで十分な耐摩耗、
耐焼き付き性および耐衝撃性が得られるので、駆動トル
クが衝撃的に入力した場合にも十分な耐久性が得られ
る。ヘリカルギヤのねじれ角を大きく設定して上記ピニ
オンギヤ端面Jにおける差動制限力発生寄与度を高めた
場合、特に摩耗、焼付きの防止に効果がある。
【0032】このように、コーティング層23による表
面硬さの向上によると共に、油溝21により潤滑油が供
給されることにより、摺動面の耐摩耗性、耐焼付き性が
向上する。
【0033】なお、駆動力伝達時に、ピニオンギヤ1
7,19はサイドギヤ5,7との噛み合いにより収納孔
13,15内で倒れが生じる場合があるが、この倒れに
より収納孔13,15との間に局部的な高面圧部が生じ
ても無電解ニッケルコーティング層により焼付きを防止
することができる。
【0034】こうして、本実施形態によれば、ピニオン
ギヤ17,19の歯先面17a,19aに無電解ニッケ
ルコーティング層23が形成されているうえに、網目状
の油溝21を有しているので、コーティング層23の耐
摩耗性、耐焼付き性および耐衝撃性の良さに加え油溝2
1による潤滑により、摺動面の摩耗、焼付きが防止され
耐久性が向上すると共に、安定した差動制限力が得られ
る。
【0035】さらに、ピニオンギヤ17,19の歯面1
7e,19eには、無電解ニッケルコーティング層が形
成されていないので、歯面17e,19eの潤滑油膜が
保持されてピッチングが防止され、耐ピッチング性が向
上すると共に、安定した差動制限力が得られる。
【0036】なお、本実施形態はピニオンギヤ17,1
9の歯先面17a,19aに網目状の油溝21を形成し
ているが、この油溝21は省略することもできる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、駆動力の伝達と差動制限力の
発生とを行う差動ギヤの摺動面(歯先面及び端面)に、
歯面の表面硬さよりもより硬い無電解ニッケルコーティ
ング層を形成しているので、駆動力と差動制限力とが作
用する厳しい摺動面面圧の条件下にあっても無電解ニッ
ケルコーティング層が摺動するため、摩耗、焼付きが防
止され耐久性が向上すると共に、安定した差動制限力が
得られる。
【0038】また、差動ギヤの摺動面に無電解ニッケル
コーティング層が形成されているので潤滑油質に影響さ
れないため、ディファレンシャル装置は変速機と潤滑油
を共用する条件下でも、耐久性が向上し、安定した差動
制限力が得られる。
【0039】さらに、差動ギヤの歯面には、無電解ニッ
ケルコーティング層が形成されていないので、歯面の潤
滑油膜が保持されるため、ピッチングが防止され、耐ピ
ッチング性が向上するとともに、安定した差動制限力が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の全体断面図である。
【図2】(a)は図1のA−A断面図であり、(b)は
図1のB−B断面図である。
【図3】一実施形態の部分拡大図である。
【図4】図3のC−C断面図である。
【図5】第1従来例の全体断面図である。
【図6】第1従来例の要部断面図である。
【符号の説明】
1 デフケース 5,7 サイドギヤ(出力ギヤ) 13,15 収納孔 17,19 ピニオンギヤ(差動ギヤ) 17a,19a 歯先面(摺動面) 17e,19e 歯面 23 無電解ニッケルコーティング層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動力を受けて回転するデフケースと、
    デフケース内に同軸に支持され、かつデフケースと相対
    回転自在に支持された一対の出力ギヤと、デフケースに
    その回転軸に平行に、かつ前記出力ギヤの周囲に形成さ
    れた収納孔と、収納孔に摺動回転自在に収納支持され、
    互いに噛合うと共に前記出力ギヤにそれぞれ別に噛合う
    少くとも一対の差動ギヤとを備え、動力伝達時に出力ギ
    ヤと差動ギヤとの噛合い反力を受け、デフケースと差動
    ギヤが摺動することにより一対の出力ギヤの差動制限を
    行うディファレンシャル装置であって、前記差動ギヤ
    は、ブランクの全表面に無電解ニッケルコーティング層
    を形成し、この無電解ニッケルコーティング層上から歯
    切り加工を行ってブランクが露出した歯面を有する歯車
    部材を形成し、つぎに、浸炭焼入れ、焼戻し処理を施し
    て歯面の表面硬さを硬くすると共に無電解ニッケルコー
    ティング層の表面硬さを前記歯面の表面硬さよりもより
    硬くしたことを特徴とするディファレンシャル装置。
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