JPH1047860A - 複式アーク溶解炉およびそれを用いた冷鉄源の溶解方法 - Google Patents

複式アーク溶解炉およびそれを用いた冷鉄源の溶解方法

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JPH1047860A
JPH1047860A JP3097697A JP3097697A JPH1047860A JP H1047860 A JPH1047860 A JP H1047860A JP 3097697 A JP3097697 A JP 3097697A JP 3097697 A JP3097697 A JP 3097697A JP H1047860 A JPH1047860 A JP H1047860A
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furnace
melting
melting furnace
exhaust gas
scrap
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JP3097697A
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English (en)
Inventor
Hideaki Mizukami
秀昭 水上
Shuzo Uchino
周三 内野
Hirotsugu Kubo
博嗣 久保
Keiji Wakahara
啓司 若原
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Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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    • Y02P10/20Recycling

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  • Vertical, Hearth, Or Arc Furnaces (AREA)
  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)
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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】炉からの排ガス顕熱および潜熱を一層効率よく
回収し、且つ生産性向上を図り得るアーク溶解炉および
それを用いた冷鉄源の溶解方法。 【解決手段】1基の電源2 と2基の溶解炉1,1'を有する
複式アーク溶解炉とし、更に、炉排ガスを燃焼させてよ
り高温の排ガスを得る燃焼室5,5'を2基の溶解炉1,1'間
に設けダクト4,6,4,6'で接続し、且つ1回の装入チャン
スで1溶解分のスクラップ15' 全量を収容できる炉内空
間の炉体にする。更に溶解炉の炉内湯面から炉内の側壁
上端17までの高さLと炉内径Dとの比L/Dを0.6〜
1.4の範囲にする。上記複式アーク溶解炉を用い、コ
ークス等の補助燃料を燃焼させるための酸素を40Nm
3 /t以上使用して冷鉄源を溶解する。 【効果】 電力原単位が低減し、且つ、生産性が向上す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、2基の溶解炉を
交互に操業運転する複式アーク溶解炉、およびこれを用
いた冷鉄源の溶解方法に関するものであり、生産性の向
上を図ると共に、特に、溶解炉内より発生する排ガスを
回収しエネルギーの有効利用を図るものである。
【0002】
【従来の技術】製鋼用電気炉は、交流アーク溶解炉から
直流アーク溶解炉に切り換えられたり、また新設時には
直流アーク溶解炉が採用されることが多くなり、環境改
善および消費電力の節減に寄与している。また、最近で
は生産性の向上および生産コストの低減のために、一電
源に対して複数の溶解炉を設け、操業中の溶解炉から発
生する高温の排ガスを待機中溶解炉に導入してこの待機
中溶解炉に装入されたスクラップを予熱すると共に待ち
時間を短縮する操業を行なうことができる所謂複式溶解
炉が提案されている。
【0003】上記複式アーク溶解炉の例として、例え
ば、特開昭62−29889号公報は、操業中の溶解炉
より発生する高温の排ガスからの熱回収方法として、交
互に操業される複数の溶解炉を備えた複式溶解炉におい
て、待機中の溶解炉にスクラップを装入し、一方、操業
中の溶解炉より発生する排ガスの一部を上記待機中の溶
解炉に導くことによりスクラップを予熱し熱回収をする
と共に、更に、予熱に使用済みの排ガスと操業中の溶解
炉から発生する排ガスの残りの部分とを合流させること
により被予熱スクラップ中の臭気成分を熱分解する方法
(以下、「先行技術1」という)を開示している。
【0004】また、特開昭62−136514号公報
は、同じく操業中の溶解炉より発生する高温の排ガスか
らの熱回収方法において熱回収率を一層向上させるため
に、複式アーク溶解炉において、操業中の溶解炉と待機
中の溶解炉の間に燃焼室を設けー操業中の溶解炉から発
生した高温排ガス中の可燃ガスを上記燃焼室で燃焼させ
てより高温の排ガスにし、これを先行技術1と同様待機
中の溶解炉に導きスクラップを予熱すると共に、待機中
溶解炉への排ガス導入口を溶解炉の下部に設け且つ排出
口を該溶解炉の上部にもうけることにより溶解炉内での
排ガスのショートパスを防止して熱回収率を一層向上さ
せる方法(以下、「先行技術2」という)を開示してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した先行技術1お
よび2によればいずれも、非通電時間を短縮することが
可能となり生産性の向上を図ることができると同時に、
排ガスの熱回収効果をあげることができる。しかしなが
ら、待機中の溶解炉に装入可能なスクラップ量は、溶解
炉の内容積に制限があるので1溶解分のスクラップ全量
を一度に予熱することはできない。但し、先行技術1の
場合は、別途予熱室を設けているので、待機中の溶解炉
で予熱可能な量にこの予熱室で加熱される量をプラスす
ることができる。しかし、この場合でも、溶解炉の内容
積には制限があり、操業炉への初回装入チャンスに1溶
解分のスクラップ全量を装入することはできない。従っ
て、スクラップの追加装入時にはおける炉熱の放散を回
避することができず、また、追加装入時の粉塵発生およ
び通電中断による生産性の低下を回避することができな
いという問題が残る。
【0006】従って、この発明の目的は上述した問題を
解決して、複式溶解炉において生産性の向上を図ると共
に、操業中の溶解炉から発生する高温の排ガスを待機中
の溶解炉に導入してスクラップを予熱し、上記高温排ガ
スからの熱回収率を従来よりも更に向上させることがで
きる複式アーク溶解炉、およびこれを用いたスクラップ
等冷鉄源の溶解方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
観点から、高温排ガスからの熱回収率を高めることによ
り電力原単位の低減を図ることができるアーク溶解炉を
開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、下記知見を得
た。
【0008】溶解炉を1溶解分のスクラップ全量を装入
することができる内容積を有する炉体とし、且つ、一電
源方式で上記炉体を複式に設置し、一方の炉体での溶解
・精錬中の排ガスで他方の炉体内の被予熱スクラップ全
量の予熱に利用する。このようにすると、先ず、炉内に
1溶解分のスクラップ全量が装入されているので、スク
ラップ予熱が効率的に行なわれる。従って、一方の炉体
での溶解期のスクラップ加熱効率が上がること、及び、
他方の待機中炉体内の被予熱スクラップ(1溶解分のス
クラップ全量)の予熱に対して上記一方の炉体で発生し
た排ガス顕熱が有効利用される。こうして、各炉体内で
の、スクラップ加熱及び予熱の効率が向上する。
【0009】上記設備を用いた操業において、更に、コ
ークス等の補助燃料を燃焼させると、この燃焼熱で付加
された熱源もまた、上記各炉体でのスクラップ加熱及び
予熱と同じ原理により、その効率が向上する。
【0010】更に、上述した複式アーク溶解炉設備にお
いて、炉体形状を、溶鋼湯面から炉内の側壁上端までの
高さLと炉の内径Dとの比L/Dを所定値にするとスク
ラップの加熱および予熱効率が一層向上する。そして、
このような設備を用いたスクラップの溶解において、上
記補助燃料の量を増やし、それに伴い補助燃料を燃焼さ
せるための酸素使用量を増やして40Nm3 /t以上に
すると、補助燃料を増量した効果の効率が向上する。こ
のように操業中の溶解炉から発生する排ガスの有する顕
熱および潜熱がスクラップの加熱・予熱に一層有効に利
用される。
【0011】一方、溶解・精錬とスクラップ予熱とを交
互に繰り返す操業形態により最大投入電力を従来よりも
小さくすることができる。上述した設備およびその使用
方法により、従来のアーク炉では達成できなかったよう
な高効率溶解が可能となり、溶解単位重量当たりの電力
消費量を低減することができるとの知見を得た。
【0012】この発明は上述した知見にもとづいてなさ
れたものであって、請求項1記載の複式アーク溶解炉
は、スクラップ等の原料の予熱および溶解・精錬を交互
に行なう2基の溶解炉と、上記2基の溶解炉の内任意の
1基の溶解炉を操業運転するために切り換え可能な1基
の電源設備と、予熱された原料を上記2基の溶解炉の内
一方の溶解炉で溶解・精錬中に一方の溶解炉で発生した
高温の排ガスを他方の溶解炉へ導入し、他方の溶解炉内
の原料を予熱するためのダクト設備とを備えた複式アー
ク溶解炉において、上記溶解炉はいずれも、溶解・精錬
に使用するスクラップの全量を初装入の1チャンスで収
容する能力を有することに特徴を有するものである。
【0013】請求項2記載の複式アーク溶解炉は、請求
項1記載の複式アーク溶解炉において、一方の溶解炉で
発生した高温の排ガスを燃焼させてより高温の燃焼ガス
を生成するための燃焼室をダクト設備内に付加して設け
ることに特徴を有するものである。
【0014】請求項3記載の複式アーク溶解炉は、請求
項1または2記載の複式アーク溶解炉において、溶解炉
の炉内湯面から炉内の側壁上端までの高さLと炉内径D
との間の関係が、式:L/D=0.6〜1.4を満たす
ことに特徴を有するものである。
【0015】請求項4記載の複式アーク溶解炉を用いた
冷鉄源の溶解方法は、請求項1〜3の内いずれか一つに
記載の複式アーク溶解炉を用い、上記溶解・精錬中の溶
解炉内において、コークス等の補助燃料を燃焼させるこ
とに特徴を有するものである。
【0016】請求項5記載の複式アーク溶解炉を用いた
冷鉄源の溶解方法は、請求項4記載の、複式アーク溶解
炉を用いた冷鉄源の溶解方法において、コークス等の補
助燃料を燃焼させるために、40Nm3 /t以上の酸素
を使用することに特徴を有するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、この発明を、図面を参照し
ながら説明する。図1は、この発明の一つの実施態様を
示す複式直流アーク溶解炉の概略説明図である。同図に
おいて、1および1’は溶解炉、1aおよび1a’は電
極、2は直流電源設備、5および5’は燃焼室である。
二基の溶解炉1および1’には、共用の直流電源設備2
および二次側導体3が選択的に接続されることにより交
互に操業され、一方の溶解炉が操業されている間は、他
方の溶解炉は待機中となるように設計されている。これ
ら溶解炉1および1’には炉排ガスダクト4および4’
がそれぞれ接続され、炉排ガスダクト4と4’との間に
は、二つの燃焼室5および5’が設けられている。燃焼
室5と5’とは上部および下部をそれぞれ上部予熱ダク
ト6および下部予熱ダクト6’で接続されており、下部
予熱ダクト6’の中間部からバイパスダクト7が分岐し
て設けられ、同図に示すように二つの放出ダクト8およ
び8’の一端に接続している。放出ダクト8および8’
の途中には、各溶解炉1および1’の側壁9および9’
下部に出口をもつ排出ガスダクト10および10’が接
続され、放出ダクト8および8’の他端同士は下流で合
流し排風機(図示せず)を介して集塵機(図示せず)に
接続している。
【0018】一方、上記ダクトには所定のダンパーが設
けられている。即ち、炉排ガスダクト4および4’には
ダンパー11および11’が、上部予熱ダクト6および
下部予熱ダクト6’にはダンパー12および12’、1
2”が、放出ダクト8および8’にはダンパー13およ
び13’が、排出ガスダクト10および10’にはダン
パー14および14’が設けられている。
【0019】次に、上記複式直流アーク溶解炉の操業態
様について同じく図1を参照しながら説明する。予熱済
みであって1溶解分のスクラップ15全量が内部に収容
された一方の溶解炉1に直流電源設備2から二次側導体
3を接続する。他方の溶解炉2は、電極1a’を上昇さ
せ、内部に1溶解分のスクラップ15’全量を装入した
後、電極孔に蓋をした炉蓋1b’で炉口を密閉する。次
いで、所定のダンパー操作、即ち、炉排ガスダクト4お
よび4’のダンパー11および11’、上部予熱ダクト
6のダンパー12、放出ダクト8’のダンパー13’お
よび排出ガスダクト10’のダンパー14’を開にし、
その他のダンパーを全て閉にした状態で溶解炉1に通電
を開始し、一方の溶解炉1内のスクラップ15を加熱、
溶解し、所定の精錬を行なう。この加熱、溶解、精錬中
に溶解炉1から発生する高温の排ガスを、放出ダクト8
および8’の下流側の排風機(図示せず)の吸引作用に
より炉排ガスダクト4を経由させて一方の燃焼室5に導
入し、次いで他方の燃焼室5’に導入して上記排ガス中
の可燃分を燃焼させて更に温度を高められた燃焼ガスを
生成させ、炉排ガスダクト4’を経由させて他方の溶解
炉1’に導入し、炉内のスクラップ15’を加熱、昇温
する。以上における排ガスおよび燃焼ガスの通過経路を
図1に実線の矢印で示す。
【0020】一方の溶解炉1において所定の精錬を完了
したら通電を停止し、炉排ガスダクト4および排出ガス
ダクト14を溶解炉1から切り離し、溶解炉1を傾動さ
せて出鋼する。次いで、直ちに二次側導体3を他方の溶
解炉1’側に接続して溶解炉1’の操業に入る。この
際、溶解炉1の炉修および溶解炉1へのスクラップの装
入作業が完了するまでの間は、下部予熱ダクト6’のダ
ンパー12”を開にし、ダンパー12、12’、13お
よび14’を閉にして溶解炉1’から発生する排ガスを
燃焼室5’に通して可燃分を燃焼させた上で放出ダクト
8’を経由し放出する。この際の排ガスおよび燃焼ガス
の通過経路を図1に破線の矢印で示す。
【0021】溶解炉1の準備作業が完了したらダクト1
2”および13’を閉にし、ダクト12および13を開
にし、炉排ガスダクト4および排出ガスダクト14を溶
解炉1に接続して溶解炉1’から発生する排ガスを燃焼
室5および5’に通して可燃分を燃焼させた後、溶解炉
1に導き炉内のスクラップを予熱する。これにより、溶
解炉1の操業時とは逆に、溶解炉1’から発生した排ガ
スで溶解炉1内の1溶解分のスクラップを加熱、予熱す
る。
【0022】以上の手順を繰り返し行ない二基の溶解炉
1および1’を交互に操業することにより非通電時間を
短縮して製鋼サイクル時間(出鋼から出鋼までの所要時
間)を短縮することができると共に、1溶解分のスクラ
ップ全量を待機中の溶解炉で高温に予熱することができ
るので、従来よりも更に高効率の熱回収を行なうことが
できる。
【0023】次に、溶解炉の炉体形状・寸法について、
1溶解分のスクラップ全量を装入することを前提とし、
炉内湯面から炉内の側壁上端までの高さLと炉内径Dと
の比L/Dは、アークの効率的形状および発生方向と炉
内のスクラップ分布との関係を左右する要因であり、ア
−クからスクラップへの着熱効率に大きく影響する。そ
こで、この着熱効率に着目して、L×D2 が一定である
という条件、即ち、湯面よりも上方の炉内容積を一定に
した各種L/Dの実用小型ア−ク炉を用いて、発生ガス
の排ガスによりア−ク炉外へ持ち去られる熱損失につい
て試験した。試験溶解はいずれのチャ−ジにおいても、
嵩密度が一定のスクラップを用い、かつ、初装入で全て
のスクラプを装入し、常法によるア−ク炉試験操業を行
なった。
【0024】図2は、湯面から炉内の側壁上端までの高
さLと炉内径Dとの比L/Dと、排ガスの熱損失比との
関係を示すグラフである。但し、排ガスの熱損失比は、
L/D=0.55の場合の試験チャ−ジにおける排ガス
の顕熱および潜熱の和に対する、当該試験チャ−ジにお
ける排ガスの顕熱および潜熱の和の割合で表わしたもの
である。
【0025】図2から明らかなように、L/Dが増加す
るに従い、排ガスの熱損失比は低下する。L/Dが0.
6における排ガスの熱損失比は0.90程度に低下し、
その効果も操業コスト上有用なものである。更に、L/
Dが大きくなるほど排ガスの熱損失比は低下している。
しかしながら、L/Dが1.4を超えても排ガスの熱損
失比の低下量は小さくほぼ飽和する。一方、L/Dが大
きくなるほど、電極昇降装置、建屋、クレ−ン設備およ
び炉体冷却設備等の諸元を大きくしなければならないと
いう不利益が発生し、L/Dが1.4を超えると上記不
利益が問題となる。排ガスの熱損失比、並びに、上記設
備の投資および運転コストを考慮した場合、L/Dは
0.7〜1.2の範囲内であることが望ましい。
【0026】従って、スクラップの溶解効率の向上を図
り、且つトータルコストを下げるためには、L/Dは
0.6〜1.4、更に望ましくは、0.7〜1.2の範
囲内であるのがよい。
【0027】また、この発明の複式直流アーク溶解炉の
それぞれの炉体は、1チャ−ジの出湯に必要な量のスク
ラップを全量、1回の装入チャンスで装入することがで
きる炉内容積を有することが必要である。そこで、1チ
ャ−ジのスクラップ装入量、および、L/Dを決め、こ
れに応じて定まるLおよびDを算出することにより、所
望の炉内寸法を求めることができる。通常のア−ク炉に
おいては、L、D、および、スクラップの装入量Wの間
には、下記(2)式: L/D=(4/π){(ρl −ρS ’)/ρl ρS ’}(W/D3 ) ----------------(2) 但し、ρl :溶鋼の密度 ρS ’:スクラップの嵩密度 W :スクラップの装入量 の関係がある。ア−ク炉においては種々の形態の製鋼用
スクラップが使用され、これらスクラップの嵩密度は
0.3〜1.0t/m3 の範囲内の種々のものにわたる
が、その加重平均値は、0.7t/m3 程度である。従
って、1チャ−ジのスクラップ装入量W、および、L/
Dを与えれば、湯面から炉内の側壁上端までの高さL、
および、炉内径Dが求められる。例えば、W=120t
とすれば、この発明における望ましい条件であるL/D
≧0.6が満たされるためには、炉内径D≦6.9
(m)であって、且つ、湯面から炉内側壁上端までの高
さLは、Dの値に応じて、L≧0.6×D(m)であれ
ばよい。
【0028】以上のようにして、L/Dを0.6〜1.
4の範囲内、または、0.7〜1.2の範囲内に限定す
ればそれぞれの限定に応じて、排ガスの熱回収を向上さ
せ、且つ、1溶解分のスクラップ全量を初装入チャンス
に装入することができる炉内寸法および形状を決めるこ
とができる。
【0029】なお、この発明においては、1溶解分のス
クラップ全量を初装入チャンスに装入するので、操業中
に炉蓋の開閉を行なう必要はなく、炉蓋開閉に伴う炉熱
損失が無くなる。また、溶解期においては、電極からの
アークはスクラップに囲まれて発生しており、スクラッ
プへの着熱効率が高くなる。更に、スクラップを炉内中
央部に装入することができるので、例えば、炉体の炉壁
部にスクラップを連続的に装入する場合に発生し易い、
炉内壁部にア−ク熱が十分に供給されないことによる炉
内壁部へのスクラップ融着等の問題は解消される。
【0030】また、アーク溶解炉内ではコークス、オイ
ル、および天然ガス等補助燃料を補助熱源として使用
し、溶解電力原単位の低減を図る。図3に、L/Dが
0.85の140トン複式直流アーク溶解炉における、
補助燃料の燃焼に使用した酸素量と溶解電力原単位との
関係の試験結果を示す。同図から明らかなように、酸素
量の増加につれて電力原単位が減少する傾向を示し、特
に40Nm3 /t以上において急激に減少する。これ
は、溶解中の一方の炉内でのスクラップへの着熱効果
と、溶解中の炉で発生した排ガスによる他方の炉内スク
ラップの予熱効果とが、補助燃料の燃焼用酸素が40N
3 /t以上において著しいことを示す。但し、上記燃
焼用酸素量は補助燃料の種類が一定の場合、その供給量
に比例して増やすものとする。従って、補助燃料の燃焼
用酸素使用量は、望ましくは40Nm3 /t以上にすべ
きである。
【0031】
【実施例】次に、この発明を実施例により更に詳細に説
明する。図1に示したこの発明の実施態様において、1
溶解分の予熱済みスクラップ15を溶解炉1で溶解・精
錬し、その間発生する高温排ガス中の可燃分を二つの燃
焼炉5および5’で、これに供給されたO2 ガスで燃焼
させ、更に昇温した燃焼ガスを溶解炉1’に導きスクラ
ップ15’を予熱し、利用済み燃焼排ガスは集塵機(図
示せず)を通して放出した。排ガスおよび燃焼ガスの通
過経路は図1中の実線の矢印で示す通りである。
【0032】図4は、溶解炉1(1’)としての直流ア
ーク溶解炉の概略縦断面図であり、1溶解分のスクラッ
プ全量が溶解した時の炉内溶鋼22の湯面16から炉内
の側壁上端17までの高さ(フリーボード)をL、炉内
径をDで示す。炉本体18の上部に炉蓋19が固定さ
れ、炉蓋19には電極1aとして上部電極棒が装入さ
れ、また炉排ガスダクト4(4’)が接続され、また炉
底20にはもう一つの電極として炉底電極21および湯
口22が設けられている。
【0033】表1に、本発明の範囲内の1回装入の複式
直流アーク溶解炉を用いた溶解方法である実施例1およ
び2、並びに、本発明の範囲外の従来の2回装入の複式
直流アーク溶解炉を用いた溶解方法である比較例につい
て、溶解炉の諸元およびその主な操業条件を示す。
【0034】
【表1】
【0035】実施例1および2と比較例との主な違い
は、フリーボードLと炉内径Dとの比L/Dの値であ
る。いずれも複式アーク溶解炉であるからその操業では
予熱スクラップを使用するが、比較例では第1回目の装
入チャンスのスクラップのみが予熱されたものであるの
に対して、実施例1および2では1溶解分のスクラップ
全量が予熱されたものである点が両者で大きく異なる。
【0036】表2に、本発明の複式直流アーク溶解炉お
よび比較用直流ア−ク溶解炉の各々を使用して行なった
試験操業における総括熱収支の結果を示す。
【0037】
【表2】
【0038】表2の試験結果から下記事項がわかる。排
ガス顕熱および潜熱の出熱が比較例では実施例1および
2と比較して大きい。これに対して、実施例1および2
においては、排ガス顕熱および潜熱の出熱が小さい。こ
のため、両者における投入電力を比較すると、実施例2
では比較例よりも50kWh低減し、また、実施例1で
は比較例より125kWh低減している。実施例1が実
施例2よりも優れているのは、溶解炉内での補助燃料の
燃焼用の酸素使用量を多くしたためである。
【0039】なお、本発明は、直流アーク溶解炉に限る
ものではなく、交流アーク溶解炉にも適用できる。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
通電中断による生産性の低下を回避し、生産性の向上を
図ることができると同時に、排ガスの熱回収効果を従来
よりも高めることができるので、生産コストの低減をは
かることができ、更に、追加装入時の粉塵発生を防止す
ることができる複式アーク溶解炉およびそれを用いた冷
鉄源の溶解方法を提供することができ、工業上有用な効
果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の複式直流アーク溶解炉の1実施例を
示す概略縦断面図である。
【図2】直流ア−ク炉における湯面から炉内の側壁上端
までの高さLと炉内径Dとの比L/Dと、排ガスの熱損
失比との関係を示すグラフである。
【図3】酸素使用量と溶解電力原単位との関係を示すグ
ラフである。
【図4】図1の溶解炉の要部概略縦断面図である。
【符号の説明】
1、1’ 溶解炉 1a 1a’電極 1b 1b’炉蓋 2 直流電源設備 3 二次側導体 4、4’ 炉排ガスダクト 4a 電極装入孔 4b 排ガス口 5、5’燃焼室 6 上部予熱ダクト 6’下部予熱ダクト 7 バイパスダクト 8、8’ 放出ダクト 9、9’ 側壁 10、10’ 排出ダクト 11、11’ ダンパー 12、12’、12” ダンパー 13、13’ ダンパー 14、14’ ダンパー 15、15’ スクラップ 16 湯面 17 側壁上端 18、18’ 炉本体 19 炉底 20 炉底電極 21 湯口 22 溶鋼 23 溶解期途中段階の溶鋼 24 電気炉排ガス 25 燃焼済み排ガス L 炉内の湯面から側壁上端までの高さ(フリーボー
ド) D 炉内径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F27D 17/00 101 F27D 17/00 101G (72)発明者 若原 啓司 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料の予熱および溶解・精錬を交互に行
    なう2基の溶解炉と、前記2基の溶解炉の内任意の1基
    の溶解炉を操業運転するために切り換え可能な1基の電
    源設備と、予熱された原料を前記2基の溶解炉の内一方
    の溶解炉で溶解・精錬中に前記一方の溶解炉で発生した
    高温の排ガスを他方の溶解炉へ導入し、前記他方の溶解
    炉内の原料を予熱するためのダクト設備とを備えた複式
    アーク溶解炉において、前記溶解炉は当該溶解・精錬に
    使用するスクラップの全量を初装入の1チャンスで収容
    する能力を有することを特徴とする複式アーク溶解炉。
  2. 【請求項2】 前記一方の溶解炉で発生した前記高温の
    排ガスを燃焼させてより高温の燃焼ガスを生成するため
    の燃焼室を前記ダクト設備内に付加して設けたことを特
    徴とする請求項1記載の複式アーク溶解炉。
  3. 【請求項3】 前記溶解炉の炉内湯面から炉内の側壁上
    端までの高さLと炉内径Dとの間の関係が、式:L/D
    =0.6〜1.4を満たすことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の複式アーク溶解炉。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の内いずれか一つに記載の
    複式アーク溶解炉を用い、前記溶解・精錬中の溶解炉内
    において、コークス等の補助燃料を燃焼させることを特
    徴とする、複式アーク溶解炉を用いた冷鉄源の溶解方
    法。
  5. 【請求項5】 前記コークス等の補助燃料を燃焼させる
    ために、40Nm3/t以上の酸素を使用することを特
    徴とする、請求項4記載の、複式アーク溶解炉を用いた
    冷鉄源の溶解方法。
JP3097697A 1996-05-27 1997-02-14 複式アーク溶解炉およびそれを用いた冷鉄源の溶解方法 Pending JPH1047860A (ja)

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