JPH1048210A - 特異結合分析における感度調節方法 - Google Patents
特異結合分析における感度調節方法Info
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- JPH1048210A JPH1048210A JP22330196A JP22330196A JPH1048210A JP H1048210 A JPH1048210 A JP H1048210A JP 22330196 A JP22330196 A JP 22330196A JP 22330196 A JP22330196 A JP 22330196A JP H1048210 A JPH1048210 A JP H1048210A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、イムノクロマトグラフ法にお
ける新しい感度調節技術を提供することである。 【構成】本発明は、イムノクロマトグラフ法等の特異結
合分析における感度調節方法であって、背景と識別する
ことができない識別不能標識で識別可能標識物質に用い
たものと同じ特異結合性物質を標識した感度調節物質
を、識別可能標識物質と共に反応させる感度調節方法、
ならびにこの方法を応用した分析装置である。 【効果】付加的な反応時間を与えなくても確実に感度の
調節を期待できる。この方法を応用した装置の製造が容
易である。
ける新しい感度調節技術を提供することである。 【構成】本発明は、イムノクロマトグラフ法等の特異結
合分析における感度調節方法であって、背景と識別する
ことができない識別不能標識で識別可能標識物質に用い
たものと同じ特異結合性物質を標識した感度調節物質
を、識別可能標識物質と共に反応させる感度調節方法、
ならびにこの方法を応用した分析装置である。 【効果】付加的な反応時間を与えなくても確実に感度の
調節を期待できる。この方法を応用した装置の製造が容
易である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リガンドとレセプター
との特異的な親和性による結合反応を応用したクロマト
グラフ分析に関するものである。より具体的には、本発
明は特異結合分析において特に測定感度の制御を可能と
する技術に関するものである。本発明における特異結合
分析の代表的なものがイムノクロマトグラフ法である。
特異結合分析の対象となる成分はさまざまな性格を持
つ。たとえば疾患の指標となる成分であれば、一定濃度
以上で検出される時に臨床的な意味を持つというケース
が少なくない。このような物質については、正常な範囲
で陽性化しないように反応系の感度を調節する必要があ
る。
との特異的な親和性による結合反応を応用したクロマト
グラフ分析に関するものである。より具体的には、本発
明は特異結合分析において特に測定感度の制御を可能と
する技術に関するものである。本発明における特異結合
分析の代表的なものがイムノクロマトグラフ法である。
特異結合分析の対象となる成分はさまざまな性格を持
つ。たとえば疾患の指標となる成分であれば、一定濃度
以上で検出される時に臨床的な意味を持つというケース
が少なくない。このような物質については、正常な範囲
で陽性化しないように反応系の感度を調節する必要があ
る。
【0002】特異結合分析の中でも抗原−抗体反応を利
用した測定方法は、免疫システムの高度な特異性を利用
した分析技術で、類似の構造や活性を持つ物質を厳密に
識別し、しかも高い感度を実現できる。特に発光反応や
各種シグナル増幅を標識の検出系として利用すれば、従
来の放射性同位元素を標識としたRIA法をしのぐ感度
さえ期待できる。またこれらの測定系に加えて、免疫比
濁法やラテックス凝集法といった反応系では、光学測定
を行うことにより定量的な数値を高い精度で求めること
ができる。更にモノクローナル抗体作成技術の普及によ
り様々な結合活性を備えた抗体を均一な品質で多量に生
産できるため、高い特異性と再現性を容易に実現できる
ようになった。
用した測定方法は、免疫システムの高度な特異性を利用
した分析技術で、類似の構造や活性を持つ物質を厳密に
識別し、しかも高い感度を実現できる。特に発光反応や
各種シグナル増幅を標識の検出系として利用すれば、従
来の放射性同位元素を標識としたRIA法をしのぐ感度
さえ期待できる。またこれらの測定系に加えて、免疫比
濁法やラテックス凝集法といった反応系では、光学測定
を行うことにより定量的な数値を高い精度で求めること
ができる。更にモノクローナル抗体作成技術の普及によ
り様々な結合活性を備えた抗体を均一な品質で多量に生
産できるため、高い特異性と再現性を容易に実現できる
ようになった。
【0003】このような背景のもとで、各種疾患の指標
となる抗原性物質を抗体を使った免疫学的な反応に基づ
いて測定する技術が広く実用化されている。血液、糞
便、あるいは尿のような生体試料中の抗原性物質の測定
が様々な疾患や健康状態の診断を助けることが知られて
いる。たとえば尿中に絨毛性ホルモンを検出する時に
は、妊娠が疑われる。また糞便中のヘモグロビンは、消
化器系の潰瘍や腫瘍等をスクリーニングするための指標
となる。
となる抗原性物質を抗体を使った免疫学的な反応に基づ
いて測定する技術が広く実用化されている。血液、糞
便、あるいは尿のような生体試料中の抗原性物質の測定
が様々な疾患や健康状態の診断を助けることが知られて
いる。たとえば尿中に絨毛性ホルモンを検出する時に
は、妊娠が疑われる。また糞便中のヘモグロビンは、消
化器系の潰瘍や腫瘍等をスクリーニングするための指標
となる。
【0004】ところで免疫学的な分析方法は、RIA、
ELISA、免疫比濁法、あるいはラテックス凝集法に
よって定量的な数値を得るという方向とは別に、スライ
ド凝集法やイムノクロマトグラフ法といった定性的な反
応が簡便な操作による簡易検査を実現するために応用さ
れている。特にイムノクロマトグラフ法は、試料となる
液体を滴下するだけで分析を行うことができるうえ、分
析結果の判定も容易に行えるので、高価な分析装置を用
意できない小規模な医療施設、あるいは家庭における日
常的な健康管理に有用である。
ELISA、免疫比濁法、あるいはラテックス凝集法に
よって定量的な数値を得るという方向とは別に、スライ
ド凝集法やイムノクロマトグラフ法といった定性的な反
応が簡便な操作による簡易検査を実現するために応用さ
れている。特にイムノクロマトグラフ法は、試料となる
液体を滴下するだけで分析を行うことができるうえ、分
析結果の判定も容易に行えるので、高価な分析装置を用
意できない小規模な医療施設、あるいは家庭における日
常的な健康管理に有用である。
【0005】
【従来技術の問題点】イムノクロマトグラフ法は、次の
ような反応原理に基づいている。たとえばサンドイッチ
法によって抗原を検出しようとする場合には、この抗原
に対する抗体を固定した領域(固定領域)を備えたクロ
マトグラフ媒体を用意する。クロマトグラフ媒体は、液
体を流体移送できる素材で構成されており、一般的には
固定領域の上流に標識抗体を乾燥状態で保持している。
この標識抗体を保持している部分に試料となる液体を滴
下すると、液体試料は固定領域へと移送される。この段
階で標識抗体は液体試料によって溶解され、そしてもし
も検出対象である抗原が存在すれば結合反応を起こす。
やがて液体試料が固定領域に達すると、抗原が存在して
いれば抗原を介して標識抗体が固定領域に捕捉される。
逆に抗原が存在していない時には標識抗体は固定領域に
捕捉されることなく固定領域の下流に除去される。抗体
が検出対象となる時には、標識抗体に代えて標識抗原を
利用する。一方競合法の原理を適用する時には、抗原の
測定にあたって標識抗原を利用する
ような反応原理に基づいている。たとえばサンドイッチ
法によって抗原を検出しようとする場合には、この抗原
に対する抗体を固定した領域(固定領域)を備えたクロ
マトグラフ媒体を用意する。クロマトグラフ媒体は、液
体を流体移送できる素材で構成されており、一般的には
固定領域の上流に標識抗体を乾燥状態で保持している。
この標識抗体を保持している部分に試料となる液体を滴
下すると、液体試料は固定領域へと移送される。この段
階で標識抗体は液体試料によって溶解され、そしてもし
も検出対象である抗原が存在すれば結合反応を起こす。
やがて液体試料が固定領域に達すると、抗原が存在して
いれば抗原を介して標識抗体が固定領域に捕捉される。
逆に抗原が存在していない時には標識抗体は固定領域に
捕捉されることなく固定領域の下流に除去される。抗体
が検出対象となる時には、標識抗体に代えて標識抗原を
利用する。一方競合法の原理を適用する時には、抗原の
測定にあたって標識抗原を利用する
【0006】ところで先に述べたとおり、イムノクロマ
トグラフ法のような定性的な反応原理に基づく分析方法
では、分析感度の調節が必要となることが多い。ある物
質が正常な場合には検出されず病的な場合にのみ出現す
るようなケースでは、存在の事実を確実に分析できれば
よいので感度の調節は重要な問題ではなく必要なのは高
い感度である。しかしこのような物質はまれであり、む
しろ正常と異常の境界は量的な問題であることが一般的
である。このような物質について定性的な分析を行う場
合には、正常な濃度範囲では陰性の、そして異常な濃度
範囲においてのみ陽性結果を与えるように感度の調節を
行わなければならない。
トグラフ法のような定性的な反応原理に基づく分析方法
では、分析感度の調節が必要となることが多い。ある物
質が正常な場合には検出されず病的な場合にのみ出現す
るようなケースでは、存在の事実を確実に分析できれば
よいので感度の調節は重要な問題ではなく必要なのは高
い感度である。しかしこのような物質はまれであり、む
しろ正常と異常の境界は量的な問題であることが一般的
である。このような物質について定性的な分析を行う場
合には、正常な濃度範囲では陰性の、そして異常な濃度
範囲においてのみ陽性結果を与えるように感度の調節を
行わなければならない。
【0007】感度調節の基本的なアプローチは、分析系
に参加する分析対象成分を減らす方法である。たとえ
ば、イムノクロマトグラフ法において、分析対象試料を
固定化した抗体といったん接触させてから分析を開始す
る方法[ 1][ 2]が知られている。この方法では容易に感
度を下げることができる。しかし予め捕捉用の固定化抗
体と接触させるために付加的な反応時間が必要となる。
付加的な反応時間が不十分であれば、期待する感度の低
下を実現できない場合が生じるといった問題点が生じ
る。付加的な反応時間を確保するには、捕捉用抗体を固
定化した領域に液体試料を一定時間保持させるための特
殊な構造が必要となる。捕捉用の抗体は、固定化するの
ではなく遊離の状態で用いても同じような作用を期待で
きる。ところが一般にクロマトグラフ媒体に用いられる
ことの多いニトロセルロースは、抗体を吸着してしまう
性質を持つ。したがって遊離の状態で抗体を保持させて
おくためには、抗体を保持させる前に予めブロッキング
しておかなければならない。
に参加する分析対象成分を減らす方法である。たとえ
ば、イムノクロマトグラフ法において、分析対象試料を
固定化した抗体といったん接触させてから分析を開始す
る方法[ 1][ 2]が知られている。この方法では容易に感
度を下げることができる。しかし予め捕捉用の固定化抗
体と接触させるために付加的な反応時間が必要となる。
付加的な反応時間が不十分であれば、期待する感度の低
下を実現できない場合が生じるといった問題点が生じ
る。付加的な反応時間を確保するには、捕捉用抗体を固
定化した領域に液体試料を一定時間保持させるための特
殊な構造が必要となる。捕捉用の抗体は、固定化するの
ではなく遊離の状態で用いても同じような作用を期待で
きる。ところが一般にクロマトグラフ媒体に用いられる
ことの多いニトロセルロースは、抗体を吸着してしまう
性質を持つ。したがって遊離の状態で抗体を保持させて
おくためには、抗体を保持させる前に予めブロッキング
しておかなければならない。
【0008】この他にも、たとえば標識や固相側に間接
的な結合様式を用い、この部分で競合的な反応が生じる
ように設計して結果的に試料を希釈したのと同じ効果を
得ようとする試みが知られている[ 3]。この方法では、
測定範囲を狭めることなく希釈効果を実現できるが、標
識なり固相化のために間接的な結合反応が必要なので反
応系が複雑になってしまう。したがって、原理的には感
度の調節が可能であるが、現実には高度な製造技術が求
められることになる。
的な結合様式を用い、この部分で競合的な反応が生じる
ように設計して結果的に試料を希釈したのと同じ効果を
得ようとする試みが知られている[ 3]。この方法では、
測定範囲を狭めることなく希釈効果を実現できるが、標
識なり固相化のために間接的な結合反応が必要なので反
応系が複雑になってしまう。したがって、原理的には感
度の調節が可能であるが、現実には高度な製造技術が求
められることになる。
【0009】この他の背景技術として、反応に直接関与
しない不活性なラテックスを免疫成分を固定したラテッ
クスとともに試料と反応させるイムノクロマトグラフ法
[ 4]が知られている。しかしこの公知技術における不活
性なラテックス粒子は、非特異反応を抑制することを目
的としており感度の調節機能はない。また複数項目の同
時測定を実現するために、複数色の粒子を組み合わせて
利用する技術が公知[5][ 6]である。しかしこれらの報
告において利用されている互いに識別可能な色を備えた
粒子は、単に異なる標識として機能しているのみで感度
の調節機能は持っていない。
しない不活性なラテックスを免疫成分を固定したラテッ
クスとともに試料と反応させるイムノクロマトグラフ法
[ 4]が知られている。しかしこの公知技術における不活
性なラテックス粒子は、非特異反応を抑制することを目
的としており感度の調節機能はない。また複数項目の同
時測定を実現するために、複数色の粒子を組み合わせて
利用する技術が公知[5][ 6]である。しかしこれらの報
告において利用されている互いに識別可能な色を備えた
粒子は、単に異なる標識として機能しているのみで感度
の調節機能は持っていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、イムノクロ
マトグラフ法における感度の調節を容易に実現すること
ができる新しい技術の提供を課題とする。より具体的に
は、付加的な反応時間を与えなくても確実な感度調節機
能を発揮し、しかも商業ベースでも特異結合分析装置を
容易に製造することができる感度調節技術の提供が本発
明の課題である。
マトグラフ法における感度の調節を容易に実現すること
ができる新しい技術の提供を課題とする。より具体的に
は、付加的な反応時間を与えなくても確実な感度調節機
能を発揮し、しかも商業ベースでも特異結合分析装置を
容易に製造することができる感度調節技術の提供が本発
明の課題である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、特異的な親和
性を持つリガンドとレセプターのいずれか一方を分析対
象成分として分析するための特異結合分析における感度
調節方法であって、次の条件a)−f)を含み、背景と
識別することができない識別不能標識で識別可能標識物
質に用いたものと同じレセプターまたはリガンドが標識
された、不溶性でかつクロマトグラフ媒体中で流体移送
が可能な感度調節物質を利用し、この感度調節物質を予
め分析対象成分と反応させるか、または識別可能標識物
質と共に反応させる感度調節方法である。 a)分析対象成分であるリガンドに対するレセプター、
またはレセプターを分析対象成分とするときには対応す
るリガンドを、その背景から識別することができる不溶
性の標識成分で標識した識別可能標識物質を用い、 b)分析対象成分を含む液体を前記識別可能標識物質と
ともに流体移送することができるクロマトグラフ媒体で
試料液体を流体移送し、 c)流体移送経路上の前記識別可能標識物質と前記液体
とが流体移送によって達する位置に、分析対象成分を介
して識別可能標識を結合できる形でレセプターが固定さ
れた固定領域を備えており、 d)識別可能標識物質が前記固定領域において分析対象
成分を介して固定され、 e)固定領域において結合反応にあずからなかった識別
可能標識物質は流体移動によって固定領域から除去され
るものであり、 f)前記識別可能標識物質の固定領域への結合、または
固定領域において結合反応にあずからなかった識別可能
標識物質を不溶性の標識成分を指標として検出する
性を持つリガンドとレセプターのいずれか一方を分析対
象成分として分析するための特異結合分析における感度
調節方法であって、次の条件a)−f)を含み、背景と
識別することができない識別不能標識で識別可能標識物
質に用いたものと同じレセプターまたはリガンドが標識
された、不溶性でかつクロマトグラフ媒体中で流体移送
が可能な感度調節物質を利用し、この感度調節物質を予
め分析対象成分と反応させるか、または識別可能標識物
質と共に反応させる感度調節方法である。 a)分析対象成分であるリガンドに対するレセプター、
またはレセプターを分析対象成分とするときには対応す
るリガンドを、その背景から識別することができる不溶
性の標識成分で標識した識別可能標識物質を用い、 b)分析対象成分を含む液体を前記識別可能標識物質と
ともに流体移送することができるクロマトグラフ媒体で
試料液体を流体移送し、 c)流体移送経路上の前記識別可能標識物質と前記液体
とが流体移送によって達する位置に、分析対象成分を介
して識別可能標識を結合できる形でレセプターが固定さ
れた固定領域を備えており、 d)識別可能標識物質が前記固定領域において分析対象
成分を介して固定され、 e)固定領域において結合反応にあずからなかった識別
可能標識物質は流体移動によって固定領域から除去され
るものであり、 f)前記識別可能標識物質の固定領域への結合、または
固定領域において結合反応にあずからなかった識別可能
標識物質を不溶性の標識成分を指標として検出する
【0012】本発明の感度調節方法は、イムノクロマト
グラフ法のようなクロマトグラフ媒体を利用した特異結
合分析において有効である。特異結合分析は、抗原やハ
プテンとその抗体、糖類−レクチン、アビジン(または
その誘導体)とビオチン(またはその誘導体)、ヘモグ
ロビン−ハプトグロビン、互いに相補的な塩基配列を持
つ1本鎖の核酸どうし、酵素とその基質、あるいはホル
モンとその受容体等のリガンド−レセプター間の特異的
な親和性を利用して一方の成分を分析する方法である。
以下に、具体的な反応フォーマットとしてサンドイッチ
法によるイムノクロマトグラフ法を例にとり本発明の感
度調節方法の適用について説明する。
グラフ法のようなクロマトグラフ媒体を利用した特異結
合分析において有効である。特異結合分析は、抗原やハ
プテンとその抗体、糖類−レクチン、アビジン(または
その誘導体)とビオチン(またはその誘導体)、ヘモグ
ロビン−ハプトグロビン、互いに相補的な塩基配列を持
つ1本鎖の核酸どうし、酵素とその基質、あるいはホル
モンとその受容体等のリガンド−レセプター間の特異的
な親和性を利用して一方の成分を分析する方法である。
以下に、具体的な反応フォーマットとしてサンドイッチ
法によるイムノクロマトグラフ法を例にとり本発明の感
度調節方法の適用について説明する。
【0013】イムノクロマトグラフ法(サンドイッチ法
の場合)では、抗原に標識抗体と固相化抗体とを反応さ
せサンドイッチ状の免疫複合体を形成させ、この複合体
の形成をクロマトグラフ媒体の上で標識を検出すること
によって確認する。本発明の感度調節方法をイムノクロ
マトグラフ法に適用する時には、標識抗体と同じ抗体を
背景と識別することができない識別不能標識で標識した
ものを感度調節物質として利用する。ここでいう背景と
は、クロマトグラフ媒体の固定領域におけるクロマトグ
ラフ媒体の素材と定義することができる。したがって、
背景と識別することができない標識とは、たとえば白の
クロマトグラフ媒体に対する無色のラテックス粒子を示
すことができる。クロマトグラフ媒体として一般に利用
されるニトロセルロースそのものは白色なので、肉眼的
な判定を行う場合に最も基本的な選択は無色、あるいは
白色の標識である。しかしながらニトロセルロースには
着色することが可能なため、白色以外の選択も考えられ
る。たとえばクロマトグラフ媒体を黒とすれば、白色ラ
テックスを識別可能標識とする事ができる。なお背景と
識別することができないという条件は、識別不能標識の
色をクロマトグラフ媒体と同じ色、あるいは無色に限定
するものではない。識別可能な標識が背景から強いコン
トラストによって認識されるのに対して、識別すること
ができない識別不能標識は弱いコントラストを伴う色調
であっても事実上は差し支えない。
の場合)では、抗原に標識抗体と固相化抗体とを反応さ
せサンドイッチ状の免疫複合体を形成させ、この複合体
の形成をクロマトグラフ媒体の上で標識を検出すること
によって確認する。本発明の感度調節方法をイムノクロ
マトグラフ法に適用する時には、標識抗体と同じ抗体を
背景と識別することができない識別不能標識で標識した
ものを感度調節物質として利用する。ここでいう背景と
は、クロマトグラフ媒体の固定領域におけるクロマトグ
ラフ媒体の素材と定義することができる。したがって、
背景と識別することができない標識とは、たとえば白の
クロマトグラフ媒体に対する無色のラテックス粒子を示
すことができる。クロマトグラフ媒体として一般に利用
されるニトロセルロースそのものは白色なので、肉眼的
な判定を行う場合に最も基本的な選択は無色、あるいは
白色の標識である。しかしながらニトロセルロースには
着色することが可能なため、白色以外の選択も考えられ
る。たとえばクロマトグラフ媒体を黒とすれば、白色ラ
テックスを識別可能標識とする事ができる。なお背景と
識別することができないという条件は、識別不能標識の
色をクロマトグラフ媒体と同じ色、あるいは無色に限定
するものではない。識別可能な標識が背景から強いコン
トラストによって認識されるのに対して、識別すること
ができない識別不能標識は弱いコントラストを伴う色調
であっても事実上は差し支えない。
【0014】肉眼的な判定に利用できる識別可能標識や
識別不能標識には、ラテックス粒子や金属コロイド等の
素材を利用することができる。特にポリスチレンのよう
な重合体からなるラテックス粒子は、様々な色に着色さ
れたものが市販されており選択の幅が広い。他方金属コ
ロイドでは、それぞれが固有の色調を持っているので任
意の色調を得られるとは限らない。しかし、金、銀、
銅、プラチナ、ヨウ化銀、臭化銀、水酸化銅、酸化鉄、
水酸化アルミニウム、水酸化クロム、硫酸水銀、硫酸バ
リウム、ニ酸化チタンなどといった幅広い化合物がイム
ノクロマトグラフ法において標識に利用できることが知
られている。しかも金属コロイドの中には、たとえば金
のように粒径によって黄橙色から青紫色に色調を変える
ものの存在も知られている。したがって色調が限られて
いるとはいえ金属コロイドの中からでもかなり幅広い色
調を選択することができる。本発明においては、この他
に疎水性染料、顔料、セレン、テルル、あるいはイオウ
といった非金属コロイド、そして色素封入リポソーム等
を標識物質として利用することができる。疎水性染料や
顔料については既に多くの化合物が標識として知られて
いる[ 7]。また色素封入リポソームにあっては、無色を
はじめとする任意の色調、あるいは蛍光色素等を利用す
ることが可能である。
識別不能標識には、ラテックス粒子や金属コロイド等の
素材を利用することができる。特にポリスチレンのよう
な重合体からなるラテックス粒子は、様々な色に着色さ
れたものが市販されており選択の幅が広い。他方金属コ
ロイドでは、それぞれが固有の色調を持っているので任
意の色調を得られるとは限らない。しかし、金、銀、
銅、プラチナ、ヨウ化銀、臭化銀、水酸化銅、酸化鉄、
水酸化アルミニウム、水酸化クロム、硫酸水銀、硫酸バ
リウム、ニ酸化チタンなどといった幅広い化合物がイム
ノクロマトグラフ法において標識に利用できることが知
られている。しかも金属コロイドの中には、たとえば金
のように粒径によって黄橙色から青紫色に色調を変える
ものの存在も知られている。したがって色調が限られて
いるとはいえ金属コロイドの中からでもかなり幅広い色
調を選択することができる。本発明においては、この他
に疎水性染料、顔料、セレン、テルル、あるいはイオウ
といった非金属コロイド、そして色素封入リポソーム等
を標識物質として利用することができる。疎水性染料や
顔料については既に多くの化合物が標識として知られて
いる[ 7]。また色素封入リポソームにあっては、無色を
はじめとする任意の色調、あるいは蛍光色素等を利用す
ることが可能である。
【0015】標識を肉眼で判定するのではなく、機械的
に読み取る場合には識別不能標識の選択の幅は更に広が
る。たとえば特定の波長で固有の反射強度を示す物質を
識別可能な標識に用いるのであれば、識別不能標識は測
定波長で背景と同じ程度の反射強度しか示さない物質で
さえあればよく色の有無は問われない。標識物質に特定
の波長で蛍光や発光をもたらす成分を利用する場合にも
同じことが言える。この場合、標識の測定に用いる波長
においてなんら光学的な活性を持たないものであれば良
く、他の波長における蛍光(発光)特性は無関係であ
る。イムノクロマトグラフ法には、光学的に活性な成分
のみならず磁気的な標識を利用することも可能である。
磁気的に活性な標識を測定するときには、不活性な標識
は磁気的に不活性であれば良く、光学的な特性は無関係
である。
に読み取る場合には識別不能標識の選択の幅は更に広が
る。たとえば特定の波長で固有の反射強度を示す物質を
識別可能な標識に用いるのであれば、識別不能標識は測
定波長で背景と同じ程度の反射強度しか示さない物質で
さえあればよく色の有無は問われない。標識物質に特定
の波長で蛍光や発光をもたらす成分を利用する場合にも
同じことが言える。この場合、標識の測定に用いる波長
においてなんら光学的な活性を持たないものであれば良
く、他の波長における蛍光(発光)特性は無関係であ
る。イムノクロマトグラフ法には、光学的に活性な成分
のみならず磁気的な標識を利用することも可能である。
磁気的に活性な標識を測定するときには、不活性な標識
は磁気的に不活性であれば良く、光学的な特性は無関係
である。
【0016】以上のような背景からの識別性の点で特徴
付けられる本発明の識別可能な標識、あるいは識別不能
な標識は、リガンドとレセプターの少なくとも一方を固
定できるものであって、しかもこの物質を固定した状態
で試料液体によってクロマトグラフ媒体中を流体移動で
きるものでなければならない。試料とともに流体移動で
きるようにすることで、移動中も分析対象成分との特異
結合反応を進めることが可能となる。
付けられる本発明の識別可能な標識、あるいは識別不能
な標識は、リガンドとレセプターの少なくとも一方を固
定できるものであって、しかもこの物質を固定した状態
で試料液体によってクロマトグラフ媒体中を流体移動で
きるものでなければならない。試料とともに流体移動で
きるようにすることで、移動中も分析対象成分との特異
結合反応を進めることが可能となる。
【0017】これらの標識物質は実際にはクロマトグラ
フ媒体中で流体移動させるため、感度調節物質と標識成
分との間で流体移動特性の違いが大きくならないように
するのが好ましい。両者ができるだけ同じように流体移
動することによって、感度調節物質と分析対象成分とが
十分に反応することができ、結果的に確実な感度調節作
用をもたらす。このような条件を満足するためには、識
別不能な物質と識別可能な物質の素材を共通にするのが
最も基本的な方法である。たとえば、識別可能な物質と
して着色ラテックスを利用するのであれば、色の違い以
外はできるだけ物性が共通のラテックス粒子を利用する
ようにすればよいのである。もちろん、まったく異なっ
た素材であっても同じ様な流体移動特性を経験的に検索
することは可能である。あるいは、多少移動特性が異な
っていたとしても、たとえば完全にクロマトグラフ媒体
に感度調節用抗体を固定した場合に比べれば、はるかに
確実な感度調節作用を期待できることは言うまでもな
い。
フ媒体中で流体移動させるため、感度調節物質と標識成
分との間で流体移動特性の違いが大きくならないように
するのが好ましい。両者ができるだけ同じように流体移
動することによって、感度調節物質と分析対象成分とが
十分に反応することができ、結果的に確実な感度調節作
用をもたらす。このような条件を満足するためには、識
別不能な物質と識別可能な物質の素材を共通にするのが
最も基本的な方法である。たとえば、識別可能な物質と
して着色ラテックスを利用するのであれば、色の違い以
外はできるだけ物性が共通のラテックス粒子を利用する
ようにすればよいのである。もちろん、まったく異なっ
た素材であっても同じ様な流体移動特性を経験的に検索
することは可能である。あるいは、多少移動特性が異な
っていたとしても、たとえば完全にクロマトグラフ媒体
に感度調節用抗体を固定した場合に比べれば、はるかに
確実な感度調節作用を期待できることは言うまでもな
い。
【0018】ところでイムノクロマトグラフ法の場合に
は、抗原はリガンドに相当し、抗体がレセプターに相当
する。抗原を分析対象とするときには抗体が試薬成分と
して利用される。このケースでは本発明の感度調節物質
は、標識成分を構成する抗体と同じ抗体を識別不能な標
識物質と結合させれば良い。抗体を共通とすることで、
より確実な感度調節作用を期待できる。たとえばモノク
ローナル抗体を標識成分に結合させて用いるときには、
少なくとも同じエピトープを認識するモノクローナル抗
体を感度調節に用いるのが望ましい。あるいはポリクロ
ーナル抗体を感度調節に用いても良いが、このときには
標識用に用いた抗体のエピトープに対して十分に競合し
うる反応特性を持ったポリクローナル抗体を選ぶように
する。
は、抗原はリガンドに相当し、抗体がレセプターに相当
する。抗原を分析対象とするときには抗体が試薬成分と
して利用される。このケースでは本発明の感度調節物質
は、標識成分を構成する抗体と同じ抗体を識別不能な標
識物質と結合させれば良い。抗体を共通とすることで、
より確実な感度調節作用を期待できる。たとえばモノク
ローナル抗体を標識成分に結合させて用いるときには、
少なくとも同じエピトープを認識するモノクローナル抗
体を感度調節に用いるのが望ましい。あるいはポリクロ
ーナル抗体を感度調節に用いても良いが、このときには
標識用に用いた抗体のエピトープに対して十分に競合し
うる反応特性を持ったポリクローナル抗体を選ぶように
する。
【0019】一方、ポリクローナル抗体やモノクローナ
ル抗体どうしを混合して、あるいはポリクローナル抗体
をモノクローナル抗体と混合して標識成分を構成する場
合も考えられる。このときには、混合した抗体の少なく
とも1種の抗体と共通の抗体を感度調整に利用すれば良
い。1種のみで十分な感度調整作用を得られなければ、
他の混合に用いた抗体と共通の抗体を感度調整のために
組み合わせれば、より強力な感度調整効果を期待でき
る。
ル抗体どうしを混合して、あるいはポリクローナル抗体
をモノクローナル抗体と混合して標識成分を構成する場
合も考えられる。このときには、混合した抗体の少なく
とも1種の抗体と共通の抗体を感度調整に利用すれば良
い。1種のみで十分な感度調整作用を得られなければ、
他の混合に用いた抗体と共通の抗体を感度調整のために
組み合わせれば、より強力な感度調整効果を期待でき
る。
【0020】更に本発明の感度調節物質は、試料液体と
定められた順序で分析対象成分と接触させなければなら
ない。すなわち本発明における感度調節物質は、標識成
分と分析対象成分とが接触するよりも前に、あるいは標
識成分とともに分析対象成分と接触するようにする必要
がある。分析対象成分と標識成分とが接触した後に感度
調節物質を作用させても、既に分析対象成分の大部分は
標識成分と反応してしまっており、もはや必要な感度調
節作用を期待することはできない。このような反応順序
を簡便に実現するには、次のような手段が有効である。
もっとも基本的な方法は、試料液体に予め感度調節物質
を添加し、これを通常の結合分析操作によって分析する
方法である。このような手順では、試薬キットとしては
なんら新しいものを用意する必要はない。また前述のイ
ムノクロマトグラフ法においては、クロマトグラフ媒体
の一部に感度調節物質を予め保持させておくことが可能
である。感度調節物質を保持させる位置は、固定領域に
対して標識成分を保持させる位置よりも上流か、あるい
は標識成分と同じ位置であっても良い。上流に感度調節
物質を保持させた場合には、標識成分よりも先に分析対
象物質と接触することになり、他方同じ位置に保持させ
ればともに分析対象成分と接触することになる。いずれ
の場合であっても、感度調節のために捕捉用抗体を固定
して用いる先行技術に比較して、流体移動によって固定
領域に達するまでの間に十分な反応時間を確保すること
ができる。
定められた順序で分析対象成分と接触させなければなら
ない。すなわち本発明における感度調節物質は、標識成
分と分析対象成分とが接触するよりも前に、あるいは標
識成分とともに分析対象成分と接触するようにする必要
がある。分析対象成分と標識成分とが接触した後に感度
調節物質を作用させても、既に分析対象成分の大部分は
標識成分と反応してしまっており、もはや必要な感度調
節作用を期待することはできない。このような反応順序
を簡便に実現するには、次のような手段が有効である。
もっとも基本的な方法は、試料液体に予め感度調節物質
を添加し、これを通常の結合分析操作によって分析する
方法である。このような手順では、試薬キットとしては
なんら新しいものを用意する必要はない。また前述のイ
ムノクロマトグラフ法においては、クロマトグラフ媒体
の一部に感度調節物質を予め保持させておくことが可能
である。感度調節物質を保持させる位置は、固定領域に
対して標識成分を保持させる位置よりも上流か、あるい
は標識成分と同じ位置であっても良い。上流に感度調節
物質を保持させた場合には、標識成分よりも先に分析対
象物質と接触することになり、他方同じ位置に保持させ
ればともに分析対象成分と接触することになる。いずれ
の場合であっても、感度調節のために捕捉用抗体を固定
して用いる先行技術に比較して、流体移動によって固定
領域に達するまでの間に十分な反応時間を確保すること
ができる。
【0021】このような反応順序とすることで、分析対
象成分の一部が感度調節物質と結合する。感度調節物質
と結合した分析対象成分は、標識成分と結合したものと
同じように固定領域において捕捉される。しかし感度調
節物質に標識として与えられているのは背景と識別する
ことができない物質なので、結果的には信号として捕ら
えることができず見かけ上の感度が下がることになる。
このようなメカニズムによって感度の調節機構を実現す
る本発明においては、感度調節物質の使用量を希望する
感度を実現できるように経験的に設定することになる。
具体的には、陰性にするべき濃度の分析対象成分を含む
試料を用意し、この試料が陰性と判定されるように感度
調節物質の使用量を設定すればよい。感度調節物質の使
用量は、標識側に用いる抗体の力価、標識成分の使用
量、目的とする分析対象成分のカットオフ値(すなわち
陽性と陰性の判定基準値)、予想される試料液体の体積
などを考慮して設定する。
象成分の一部が感度調節物質と結合する。感度調節物質
と結合した分析対象成分は、標識成分と結合したものと
同じように固定領域において捕捉される。しかし感度調
節物質に標識として与えられているのは背景と識別する
ことができない物質なので、結果的には信号として捕ら
えることができず見かけ上の感度が下がることになる。
このようなメカニズムによって感度の調節機構を実現す
る本発明においては、感度調節物質の使用量を希望する
感度を実現できるように経験的に設定することになる。
具体的には、陰性にするべき濃度の分析対象成分を含む
試料を用意し、この試料が陰性と判定されるように感度
調節物質の使用量を設定すればよい。感度調節物質の使
用量は、標識側に用いる抗体の力価、標識成分の使用
量、目的とする分析対象成分のカットオフ値(すなわち
陽性と陰性の判定基準値)、予想される試料液体の体積
などを考慮して設定する。
【0022】クロマトグラフ媒体には、標識抗体と抗原
との免疫学的な反応を行わせながらこれらの成分をスム
ーズに流体移動しうる素材を用いる。具体的には、ニト
ロセルロース、ろ紙、あるいは不織布などといった素材
を例示できる。これらの素材は、必要であればアルブミ
ン、乳成分、正常動物血清などでブロックしておくと非
特異的な吸着を防止することができるうえに、試料溶液
の展開を促進する効果も期待できる。これらの捕捉剤以
外の成分は、公知のイムノクロマトグラフ法に利用され
ているものをそのまま利用することができる。
との免疫学的な反応を行わせながらこれらの成分をスム
ーズに流体移動しうる素材を用いる。具体的には、ニト
ロセルロース、ろ紙、あるいは不織布などといった素材
を例示できる。これらの素材は、必要であればアルブミ
ン、乳成分、正常動物血清などでブロックしておくと非
特異的な吸着を防止することができるうえに、試料溶液
の展開を促進する効果も期待できる。これらの捕捉剤以
外の成分は、公知のイムノクロマトグラフ法に利用され
ているものをそのまま利用することができる。
【0023】なお固定領域における固相化抗体は必ずし
も予め固相化しておく必要はなく、プロテインAやアビ
ジン−ビオチンシステム等を利用してクロマトグラフ媒
体中を移動させながら間接的に捕捉することも可能であ
る。抗体を直接、あるいは間接的に、クロマトグラフ媒
体上の任意の位置に固定することによって固相化抗体と
する技術は既に公知である。間接的に固相化する方法を
利用するときであっても、標識抗体と抗原との混合物が
捕捉剤と接触後に固相化すべき抗体と反応する構成とす
るのが好ましい。
も予め固相化しておく必要はなく、プロテインAやアビ
ジン−ビオチンシステム等を利用してクロマトグラフ媒
体中を移動させながら間接的に捕捉することも可能であ
る。抗体を直接、あるいは間接的に、クロマトグラフ媒
体上の任意の位置に固定することによって固相化抗体と
する技術は既に公知である。間接的に固相化する方法を
利用するときであっても、標識抗体と抗原との混合物が
捕捉剤と接触後に固相化すべき抗体と反応する構成とす
るのが好ましい。
【0024】本発明の感度調節方法は、イムノクロマト
グラフ法のような公知の特異結合分析において分析対象
とされていた種々の成分に応用することができる。この
ような分析対象物質としては、ホルモン、腫瘍マーカ
ー、微生物抗原、各種血液成分等を示すことができる。
更に具体的には、ホルモンとしてヒト絨毛性性腺刺激ホ
ルモン(hCG)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体
ホルモン(LH)、インスリン、グルカゴン、甲状腺刺
激ホルモン(TSH)、および副腎皮質ホルモン等が分
析対象として知られている。中でも尿を試料とするhC
Gの分析は妊娠診断の重要な指標であり、一般家庭向け
にも簡易検査が可能な分析装置が市販されている主要な
検査項目である。また各種血液成分には、たとえばヘモ
グロビンを免疫学的な反応に基づいて検出する方法が糞
便潜血の検出方法に応用されている。糞便中のヘモグロ
ビンを免疫学的な手法で検出することによって、食事制
限なしで糞便潜血の検査が可能となり、現在では大腸が
んのスクリーニングとして重要な検査項目となってい
る。
グラフ法のような公知の特異結合分析において分析対象
とされていた種々の成分に応用することができる。この
ような分析対象物質としては、ホルモン、腫瘍マーカ
ー、微生物抗原、各種血液成分等を示すことができる。
更に具体的には、ホルモンとしてヒト絨毛性性腺刺激ホ
ルモン(hCG)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体
ホルモン(LH)、インスリン、グルカゴン、甲状腺刺
激ホルモン(TSH)、および副腎皮質ホルモン等が分
析対象として知られている。中でも尿を試料とするhC
Gの分析は妊娠診断の重要な指標であり、一般家庭向け
にも簡易検査が可能な分析装置が市販されている主要な
検査項目である。また各種血液成分には、たとえばヘモ
グロビンを免疫学的な反応に基づいて検出する方法が糞
便潜血の検出方法に応用されている。糞便中のヘモグロ
ビンを免疫学的な手法で検出することによって、食事制
限なしで糞便潜血の検査が可能となり、現在では大腸が
んのスクリーニングとして重要な検査項目となってい
る。
【0025】ここまでは抗原を分析対象とした場合を例
にとって説明してきたが、同様の原理で抗体を分析対象
とすることもできる。特定の抗原を認識する抗体の検出
は、感染症の診断において重要な情報を与える。抗原特
異的な抗体の検出においては、標識抗体に代えて標識抗
原を用い、固相化抗体は分析対象となる抗体クラス(あ
るいはサブクラス)を認識するものを用いる。
にとって説明してきたが、同様の原理で抗体を分析対象
とすることもできる。特定の抗原を認識する抗体の検出
は、感染症の診断において重要な情報を与える。抗原特
異的な抗体の検出においては、標識抗体に代えて標識抗
原を用い、固相化抗体は分析対象となる抗体クラス(あ
るいはサブクラス)を認識するものを用いる。
【0026】更に、クロマトグラフ媒体中では先に述べ
た分析対象物質上の2ヶ所以上の結合部位を利用してサ
ンドイッチ構造をもたらすサンドイッチ法以外に、1ヶ
所の結合部位に対する結合成分の競合原理を利用した競
合法や阻害反応等のアッセイフォーマットが可能であ
る。本発明の感度調節方法は、サンドイッチ法の他にこ
れらのアッセイフォーマットへも応用することが可能で
ある。すなわち本発明は、前記サンドイッチ法における
感度調節方法に加えて競合法、あるいは阻害反応法にお
ける感度調節方法を提供する。競合法や阻害反応法にお
いては、本発明の識別可能標識あるいは識別不能標識が
いずれも分析対象成分と同じ成分に対して与えられる。
固定領域のレセプターに対するこれら標識リガンドの結
合が、試料中に存在する分析対象成分(リガンド)によ
って阻害を受けることで分析系が成立する(レセプター
を分析対象とする)。このとき本発明における感度調節
物質は、分析対象成分とともに標識成分の固定領域への
結合を阻害する方向に働き、結果として感度の調節作用
をもたらす。なおここで標識成分や感度調節物質に利用
される分析対象成分と同じ成分とは、かならずしも同一
の化合物である必要はなく、固定領域の捕捉成分に対す
る結合活性が事実上等価であれば良い。具体的には、固
定領域の捕捉成分に抗体を用いるのであれば、その抗体
の認識する抗原決定基を備えたものであれば抗原の完全
分子ではなく単なる断片であってもよい。
た分析対象物質上の2ヶ所以上の結合部位を利用してサ
ンドイッチ構造をもたらすサンドイッチ法以外に、1ヶ
所の結合部位に対する結合成分の競合原理を利用した競
合法や阻害反応等のアッセイフォーマットが可能であ
る。本発明の感度調節方法は、サンドイッチ法の他にこ
れらのアッセイフォーマットへも応用することが可能で
ある。すなわち本発明は、前記サンドイッチ法における
感度調節方法に加えて競合法、あるいは阻害反応法にお
ける感度調節方法を提供する。競合法や阻害反応法にお
いては、本発明の識別可能標識あるいは識別不能標識が
いずれも分析対象成分と同じ成分に対して与えられる。
固定領域のレセプターに対するこれら標識リガンドの結
合が、試料中に存在する分析対象成分(リガンド)によ
って阻害を受けることで分析系が成立する(レセプター
を分析対象とする)。このとき本発明における感度調節
物質は、分析対象成分とともに標識成分の固定領域への
結合を阻害する方向に働き、結果として感度の調節作用
をもたらす。なおここで標識成分や感度調節物質に利用
される分析対象成分と同じ成分とは、かならずしも同一
の化合物である必要はなく、固定領域の捕捉成分に対す
る結合活性が事実上等価であれば良い。具体的には、固
定領域の捕捉成分に抗体を用いるのであれば、その抗体
の認識する抗原決定基を備えたものであれば抗原の完全
分子ではなく単なる断片であってもよい。
【0027】本発明の感度調節方法を適用したイムノク
ロマトグラフ法の構成に必要な成分は、予め組み合わせ
てキット化された特異結合分析装置とすることができ
る。すなわち本発明は、特異的な親和性を持つリガンド
とレセプターのいずれか一方を分析対象成分として分析
するための特異結合分析装置であって、次の構成要素
g)−j)を含み、背景と識別することができない識別
不能標識で識別可能標識物質に用いたものと同じレセプ
ターまたはリガンドが標識された、不溶性でかつクロマ
トグラフ媒体中で流体移送が可能な感度調節物質を利用
し、この感度調節物質を予め分析対象成分と反応させる
か、または識別可能標識物質と共に反応させることがで
きる位置に備えた特異結合分析装置 g)分析対象成分であるリガンドに対するレセプター、
またはレセプターを分析対象成分とするときには対応す
るリガンドを、その背景から識別することができる不溶
性の標識成分で標識した識別可能標識物質 h)分析対象成分を含む液体を前記識別可能標識物質と
ともに流体移送することができるクロマトグラフ媒体、 i)分析対象成分を含む液体を前記識別可能標識物質と
ともに流体移送することができるクロマトグラフ媒体 j)流体移送経路上の前記識別可能標識物質と前記液体
とが流体移送によって達する位置に、分析対象成分を介
して識別可能標識を結合できる形でレセプターが固定さ
れた固定領域
ロマトグラフ法の構成に必要な成分は、予め組み合わせ
てキット化された特異結合分析装置とすることができ
る。すなわち本発明は、特異的な親和性を持つリガンド
とレセプターのいずれか一方を分析対象成分として分析
するための特異結合分析装置であって、次の構成要素
g)−j)を含み、背景と識別することができない識別
不能標識で識別可能標識物質に用いたものと同じレセプ
ターまたはリガンドが標識された、不溶性でかつクロマ
トグラフ媒体中で流体移送が可能な感度調節物質を利用
し、この感度調節物質を予め分析対象成分と反応させる
か、または識別可能標識物質と共に反応させることがで
きる位置に備えた特異結合分析装置 g)分析対象成分であるリガンドに対するレセプター、
またはレセプターを分析対象成分とするときには対応す
るリガンドを、その背景から識別することができる不溶
性の標識成分で標識した識別可能標識物質 h)分析対象成分を含む液体を前記識別可能標識物質と
ともに流体移送することができるクロマトグラフ媒体、 i)分析対象成分を含む液体を前記識別可能標識物質と
ともに流体移送することができるクロマトグラフ媒体 j)流体移送経路上の前記識別可能標識物質と前記液体
とが流体移送によって達する位置に、分析対象成分を介
して識別可能標識を結合できる形でレセプターが固定さ
れた固定領域
【0028】本発明による特異結合分析装置は、感度調
節物質を予め分析対象成分と反応させるか、または識別
可能標識物質と共に反応させることができる位置に備え
たものでなければならない。このような構成を具体的に
示せば、たとえば次のような構成を挙げることができ
る。一般的には特異結合分析装置を構成するクロマトグ
ラフ媒体には、前期固定領域に対して、それよりも上流
に少なくとも標識成分を保持した領域が存在する。感度
調節物質は、前期標識成分を保持した領域よりも固定領
域に対して上流に保持させておくか、あるいは標識成分
とともにクロマトグラフ媒体に保持させておく構成を採
用することができる。クロマトグラフ媒体を利用した特
異結合分析装置では、標識成分を保持した領域よりも更
に上流に液体受容部と呼ばれる試料液体を受け止めるた
めの領域が用意されていることもある。このようなケー
スでは、前期液体受容部と標識成分を保持した領域との
間の任意の位置に感度調節物質を保持させておけばよ
い。本発明による特異結合分析装置は、試料液体の不必
要な蒸発を防ぐことを目的としてクロマトグラフ媒体全
体、あるいはその一部を液体不透過性の材料で覆ってお
くことができる。またクロマトグラフ媒体に適用された
液体試料の過剰量を吸収するための液体吸収パッドをク
ロマトグラフ媒体の任意の部位に接触させておくことが
できる。このような特異結合分析装置の構造は、既に公
知である[ 8]。
節物質を予め分析対象成分と反応させるか、または識別
可能標識物質と共に反応させることができる位置に備え
たものでなければならない。このような構成を具体的に
示せば、たとえば次のような構成を挙げることができ
る。一般的には特異結合分析装置を構成するクロマトグ
ラフ媒体には、前期固定領域に対して、それよりも上流
に少なくとも標識成分を保持した領域が存在する。感度
調節物質は、前期標識成分を保持した領域よりも固定領
域に対して上流に保持させておくか、あるいは標識成分
とともにクロマトグラフ媒体に保持させておく構成を採
用することができる。クロマトグラフ媒体を利用した特
異結合分析装置では、標識成分を保持した領域よりも更
に上流に液体受容部と呼ばれる試料液体を受け止めるた
めの領域が用意されていることもある。このようなケー
スでは、前期液体受容部と標識成分を保持した領域との
間の任意の位置に感度調節物質を保持させておけばよ
い。本発明による特異結合分析装置は、試料液体の不必
要な蒸発を防ぐことを目的としてクロマトグラフ媒体全
体、あるいはその一部を液体不透過性の材料で覆ってお
くことができる。またクロマトグラフ媒体に適用された
液体試料の過剰量を吸収するための液体吸収パッドをク
ロマトグラフ媒体の任意の部位に接触させておくことが
できる。このような特異結合分析装置の構造は、既に公
知である[ 8]。
【0029】
【作用】本発明における感度調節物質は、付加的な反応
時間を必要としない感度調節機構を実現する。本発明で
は感度調節物質が、標識成分に先だって分析対象成分と
接触する態様も提案しているが、この態様においても付
加的な反応時間を与える必要はない。感度調節物質は分
析対象成分と反応しながら流体移動し、いずれ標識成分
と接触することになるが、その後も固定領域を通過する
まで常に標識成分と競合的に反応している。このような
原理に基づいているので、付加的な反応時間を与えなく
ても確実に感度の調節作用を期待することができる。本
発明における感度調節物質が、標識成分に先立って分析
対象成分と接触せず、両者がともに分析対象成分と接触
する態様においても十分な感度調節作用を期待できるの
も、このような反応原理を採用しているためである。先
行技術においては、感度調節のための抗体をクロマトグ
ラフ媒体に固定して作用させていたので、本発明のよう
な確実な感度の調節作用は期待できない。
時間を必要としない感度調節機構を実現する。本発明で
は感度調節物質が、標識成分に先だって分析対象成分と
接触する態様も提案しているが、この態様においても付
加的な反応時間を与える必要はない。感度調節物質は分
析対象成分と反応しながら流体移動し、いずれ標識成分
と接触することになるが、その後も固定領域を通過する
まで常に標識成分と競合的に反応している。このような
原理に基づいているので、付加的な反応時間を与えなく
ても確実に感度の調節作用を期待することができる。本
発明における感度調節物質が、標識成分に先立って分析
対象成分と接触せず、両者がともに分析対象成分と接触
する態様においても十分な感度調節作用を期待できるの
も、このような反応原理を採用しているためである。先
行技術においては、感度調節のための抗体をクロマトグ
ラフ媒体に固定して作用させていたので、本発明のよう
な確実な感度の調節作用は期待できない。
【0030】
【発明の効果】本発明の感度調節方法は、前述のような
反応原理を採用しているので、公知の方法では期待しに
くい確実な感度の調節を容易に実現できる。特に感度調
節機能を備えた特異結合分析装置を製造する場合に本発
明は有利である。本発明によって提供される感度調節機
能を備えた特異結合分析装置は、感度調節のための抗体
が固定されておらず試料液体とともに流体移動しながら
反応するため、反応時間を確保するための特殊な構造を
用意しなくても確実な感度調節作用を発揮する。
反応原理を採用しているので、公知の方法では期待しに
くい確実な感度の調節を容易に実現できる。特に感度調
節機能を備えた特異結合分析装置を製造する場合に本発
明は有利である。本発明によって提供される感度調節機
能を備えた特異結合分析装置は、感度調節のための抗体
が固定されておらず試料液体とともに流体移動しながら
反応するため、反応時間を確保するための特殊な構造を
用意しなくても確実な感度調節作用を発揮する。
【0031】また本発明の感度調節物質は予めなんらか
の不溶性物質に結合させた形でクロマトグラフ媒体に保
持させるので、たとえばニトロセルロースのようなタン
パク吸着性のクロマトグラフ媒体に適用した場合であっ
ても特別にブロッキング等の操作が不要であり製造工程
が少なくなる。特に、標識成分とともにクロマトグラフ
媒体に適用する態様を採用した場合には、感度調節機能
のための付加的な製造工程はほとんど発生しない。これ
らの特徴は、単に抗体を遊離の状態のまま利用する方法
に対して有利な点として挙げられる。
の不溶性物質に結合させた形でクロマトグラフ媒体に保
持させるので、たとえばニトロセルロースのようなタン
パク吸着性のクロマトグラフ媒体に適用した場合であっ
ても特別にブロッキング等の操作が不要であり製造工程
が少なくなる。特に、標識成分とともにクロマトグラフ
媒体に適用する態様を採用した場合には、感度調節機能
のための付加的な製造工程はほとんど発生しない。これ
らの特徴は、単に抗体を遊離の状態のまま利用する方法
に対して有利な点として挙げられる。
【0032】
1.抗ヒトヘモグロビンA0・ポリクローナル抗体の作
成 ヒト・ヘモグロビン溶血液より精製したヒトヘモグロビ
ンA0溶液を、等量のフロイント・コンプリート・アジ
ュバントと混合しエマルジョンとした。このエマルジョ
ン1mlをニュージーランド・ホワイト・ラビット種に免
疫後、2週間毎に3回の追加免疫を行い、最終免疫の1
週間後に耳静脈から採血し、これを遠心分離にかけ抗血
清を得た。得られた抗血清から40%飽和硫安塩析法に
よってγグロブリン分画を塩析させ、遠心分離によって
得られた沈澱を0.15M塩化ナトリウム含有0.02M
リン酸緩衝液pH7.2(以下PBSと略す)に溶解し、
同じ緩衝液に対して24時間透析後280nmにおける吸
光度によってタンパク濃度を1%に調節し抗ヒトヘモグ
ロビンA0・ポリクローナル抗体とした。
成 ヒト・ヘモグロビン溶血液より精製したヒトヘモグロビ
ンA0溶液を、等量のフロイント・コンプリート・アジ
ュバントと混合しエマルジョンとした。このエマルジョ
ン1mlをニュージーランド・ホワイト・ラビット種に免
疫後、2週間毎に3回の追加免疫を行い、最終免疫の1
週間後に耳静脈から採血し、これを遠心分離にかけ抗血
清を得た。得られた抗血清から40%飽和硫安塩析法に
よってγグロブリン分画を塩析させ、遠心分離によって
得られた沈澱を0.15M塩化ナトリウム含有0.02M
リン酸緩衝液pH7.2(以下PBSと略す)に溶解し、
同じ緩衝液に対して24時間透析後280nmにおける吸
光度によってタンパク濃度を1%に調節し抗ヒトヘモグ
ロビンA0・ポリクローナル抗体とした。
【0033】2.抗ヒト・ヘモグロビンA0・モノクロ
ーナル抗体の作成 1と同じエマルジョンをBALB/cマウスに免疫後、
2週間毎に3回の追加免疫を行い、最終免疫の3日後に
脾臓を取り出して、ケラーとミルシュタインの方法[ 9]
に従ってP3-NS1/1-Ag4-1ミエローマと融合させた。EL
ISA法により抗体産生ハイブリドーマを選別し、限界
希釈法でクローニングを行った。スクリーニングの結果
得られたいくつかの抗体産生クローンのうち、標識であ
るラテックス粒子に感作した状態でヘモグロビンと反応
させた時に速やかに凝集を生じないものを選んで以下の
実験に用いた。得られたクローンをあらかじめプリスタ
ンを腹腔内に投与しておいたBALB/cマウスの腹腔
に投与し、3週間後に腹水を採取した。この腹水から4
0%飽和硫安塩析法によってγグロブリン分画を塩析さ
せ、遠心分離によって得られた沈澱を0.15M塩化ナ
トリウム含有0.02Mリン酸緩衝液pH7.2(以下P
BSと略す)に溶解し、同じ緩衝液に対して24時間透
析後280nmにおける吸光度によってタンパク濃度を1
%に調節して抗ヒト・ヘモグロビンA0・モノクローナ
ル抗体とした。
ーナル抗体の作成 1と同じエマルジョンをBALB/cマウスに免疫後、
2週間毎に3回の追加免疫を行い、最終免疫の3日後に
脾臓を取り出して、ケラーとミルシュタインの方法[ 9]
に従ってP3-NS1/1-Ag4-1ミエローマと融合させた。EL
ISA法により抗体産生ハイブリドーマを選別し、限界
希釈法でクローニングを行った。スクリーニングの結果
得られたいくつかの抗体産生クローンのうち、標識であ
るラテックス粒子に感作した状態でヘモグロビンと反応
させた時に速やかに凝集を生じないものを選んで以下の
実験に用いた。得られたクローンをあらかじめプリスタ
ンを腹腔内に投与しておいたBALB/cマウスの腹腔
に投与し、3週間後に腹水を採取した。この腹水から4
0%飽和硫安塩析法によってγグロブリン分画を塩析さ
せ、遠心分離によって得られた沈澱を0.15M塩化ナ
トリウム含有0.02Mリン酸緩衝液pH7.2(以下P
BSと略す)に溶解し、同じ緩衝液に対して24時間透
析後280nmにおける吸光度によってタンパク濃度を1
%に調節して抗ヒト・ヘモグロビンA0・モノクローナ
ル抗体とした。
【0034】3.感度調節物質と標識成分 2で得たモノクローナル抗体を、等量のPBS緩衝液に
10%w/vとなるように分散させた赤色ポリスチレンラテ
ックス(平均粒径0.303μm)、または同じ素材か
らならる無色のラテックスと混合して37℃で1時間物
理吸着させた。同じPBS緩衝液で遠心洗浄して得られ
る沈殿を、1%のBSAを含むPBS緩衝液に分散させ
て室温で1時間放置してブロックした。再びPBS緩衝
液で遠心洗浄し、最終的に同じ緩衝液でラテックス濃度
で2%w/vとなるように分散させて着色ラテックス標識モ
ノクローナル抗体(以下標識抗体と省略する)、あるい
は無色ラテックス標識感度調節物質(以下感度調節物質
と省略する)とした。得られた標識抗体を感度調節物質
と1:0、2:1、および1:1の割合で混合し、予め
5%(w/v)のシュクロースのPBS溶液を塗布し乾燥した
多孔質ポリエチレンシート(厚さ1mm、1×1cm)に3
00μl滴下して室温で乾燥させ標識抗体領域を作成し
た。
10%w/vとなるように分散させた赤色ポリスチレンラテ
ックス(平均粒径0.303μm)、または同じ素材か
らならる無色のラテックスと混合して37℃で1時間物
理吸着させた。同じPBS緩衝液で遠心洗浄して得られ
る沈殿を、1%のBSAを含むPBS緩衝液に分散させ
て室温で1時間放置してブロックした。再びPBS緩衝
液で遠心洗浄し、最終的に同じ緩衝液でラテックス濃度
で2%w/vとなるように分散させて着色ラテックス標識モ
ノクローナル抗体(以下標識抗体と省略する)、あるい
は無色ラテックス標識感度調節物質(以下感度調節物質
と省略する)とした。得られた標識抗体を感度調節物質
と1:0、2:1、および1:1の割合で混合し、予め
5%(w/v)のシュクロースのPBS溶液を塗布し乾燥した
多孔質ポリエチレンシート(厚さ1mm、1×1cm)に3
00μl滴下して室温で乾燥させ標識抗体領域を作成し
た。
【0035】4.イムノクロマトグラフィー装置の作成 孔径5μmのニトロセルロース・メンブラン・フィルタ
ー(東洋濾紙製)を1×4.5cmに裁断し、端から2cm
の位置に0.6%に希釈した抗ヘモグロビン・ポリクロ
ーナル抗体3μlをスポットし、室温で風乾後に2%BS
AのPBS溶液に30分間浸漬した。メンブランの表面
を水洗後、室温で風乾させることにより展開域を得た。
更に厚手の濾紙17Cr(ワットマン製)を1×3cmに
裁断し、展開域の下流に配置して液体吸収域とした。標
識抗体領域−展開域−液体吸収域の順で展開域(ニトロ
セルロースシート)を下にして各領域を5mmずつ端を重
ね合わせて配置し、ポリエチレンテレフタレート支持体
上に両面テープで固定した。
ー(東洋濾紙製)を1×4.5cmに裁断し、端から2cm
の位置に0.6%に希釈した抗ヘモグロビン・ポリクロ
ーナル抗体3μlをスポットし、室温で風乾後に2%BS
AのPBS溶液に30分間浸漬した。メンブランの表面
を水洗後、室温で風乾させることにより展開域を得た。
更に厚手の濾紙17Cr(ワットマン製)を1×3cmに
裁断し、展開域の下流に配置して液体吸収域とした。標
識抗体領域−展開域−液体吸収域の順で展開域(ニトロ
セルロースシート)を下にして各領域を5mmずつ端を重
ね合わせて配置し、ポリエチレンテレフタレート支持体
上に両面テープで固定した。
【0036】5.ヘモグロビンの検出 試料として、溶血液を0.1%BSAを含むPBS溶液で希
釈し、ヘモグロビン25〜1600μg/mlを含有する試
料を用意した。ヘモグロビン濃度はシアンメトヘモグロ
ビン法[10]により測定した。試料を試料供給域に100
μl滴下し、展開域の固定領域(ポリクローナル抗体を
固定した部位)における色の変化を肉眼で観察した。結
果を表1に示した。表中のーは固定領域における発色を
確認できないもの、±はわずかに発色を認めたもの、+
は明らかな発色を認めたものを示す。表1からわかるよ
うに、感度調節物質の混合割合によって自由に分析感度
を調節できることが明らかである。
釈し、ヘモグロビン25〜1600μg/mlを含有する試
料を用意した。ヘモグロビン濃度はシアンメトヘモグロ
ビン法[10]により測定した。試料を試料供給域に100
μl滴下し、展開域の固定領域(ポリクローナル抗体を
固定した部位)における色の変化を肉眼で観察した。結
果を表1に示した。表中のーは固定領域における発色を
確認できないもの、±はわずかに発色を認めたもの、+
は明らかな発色を認めたものを示す。表1からわかるよ
うに、感度調節物質の混合割合によって自由に分析感度
を調節できることが明らかである。
【0037】
【表1】
【0038】文献 [ 1] 特開平6−341989 [ 2] 特開平8−101197 [ 3] 特開平4−351962 [ 4] 公表平4−504764 [ 5] 特開平1−152366 [ 6] 特開平8−94618 [ 7] 特開昭56−160655 [ 8] 公表平1-503174 [ 9] Nature 256,p495,1975 [10] Medical Physics Vol.2, p1072, 1950
Claims (8)
- 【請求項1】特異的な親和性を持つリガンドとレセプタ
ーのいずれか一方を分析対象成分として分析するための
特異結合分析における感度調節方法であって、次の条件
a)−f)を含み、背景と識別することができない識別
不能標識で識別可能標識物質に用いたものと同じレセプ
ターまたはリガンドが標識された、不溶性でかつクロマ
トグラフ媒体中で流体移送が可能な感度調節物質を利用
し、この感度調節物質を予め分析対象成分と反応させる
か、または識別可能標識物質と共に反応させる感度調節
方法 a)分析対象成分であるリガンドに対するレセプター、
またはレセプターを分析対象成分とするときには対応す
るリガンドを、その背景から識別することができる不溶
性の標識成分で標識した識別可能標識物質を用い、 b)分析対象成分を含む液体を前記識別可能標識物質と
ともに流体移送することができるクロマトグラフ媒体で
試料液体を流体移送し、 c)流体移送経路上の前記識別可能標識物質と前記液体
とが流体移送によって達する位置に、分析対象成分を介
して識別可能標識を結合できる形でレセプターが固定さ
れた固定領域を備えており、 d)識別可能標識物質が前記固定領域において分析対象
成分を介して固定され、 e)固定領域において結合反応にあずからなかった識別
可能標識物質は流体移動によって固定領域から除去され
るものであり、 f)前記識別可能標識物質の固定領域への結合、または
固定領域において結合反応にあずからなかった識別可能
標識物質を不溶性の標識成分を指標として検出する - 【請求項2】背景から識別可能な標識物質は背景色とは
異なる色を持たせて肉眼で識別可能なものとし、一方感
度調節物質は背景色と同じ色を持たせるか、あるいは無
色として肉眼で識別することができないものとする請求
項1の感度調節方法 - 【請求項3】クロマトグラフ媒体として白色のニトロセ
ルロース、またはその誘導体を用い、識別可能な標識成
分が着色ラテックス粒子、有色金属コロイド、および有
色顔料で構成される群から選択されたものである請求項
2の感度調節方法 - 【請求項4】識別可能な標識成分と識別不能標識成分と
が、同じ素材からなるものである請求項3の感度調節方
法 - 【請求項5】背景と識別することができない識別不能標
識成分が、無色または白色のラテックス粒子、金属コロ
イド、および顔料で構成される群から選択されたもので
ある請求項3の感度調節方法 - 【請求項6】特異的な親和性を持つリガンドとレセプタ
ーの組み合わせが、抗原−抗体、糖類−レクチン、核酸
−相補配列を持つ核酸、およびアビジン−ビオチンで構
成される群から選択される請求項1の感度調節方法 - 【請求項7】特異的な親和性を持つリガンドとレセプタ
ーのいずれか一方を分析対象成分として分析するための
特異結合分析装置であって、次の構成要素g)−j)を
含み、背景と識別することができない識別不能標識で識
別可能標識物質に用いたものと同じレセプターまたはリ
ガンドが標識された、不溶性でかつクロマトグラフ媒体
中で流体移送が可能な感度調節物質を利用し、この感度
調節物質を予め分析対象成分と反応させるか、または識
別可能標識物質と共に反応させることができる位置に備
えた特異結合分析装置 g)分析対象成分であるリガンドに対するレセプター、
またはレセプターを分析対象成分とするときには対応す
るリガンドを、その背景から識別することができる不溶
性の標識成分で標識した識別可能標識物質 h)分析対象成分を含む液体を前記識別可能標識物質と
ともに流体移送することができるクロマトグラフ媒体、 i)分析対象成分を含む液体を前記識別可能標識物質と
ともに流体移送することができるクロマトグラフ媒体 j)流体移送経路上の前記識別可能標識物質と前記液体
とが流体移送によって達する位置に、分析対象成分を介
して識別可能標識を結合できる形でレセプターが固定さ
れた固定領域 - 【請求項8】特異的な親和性を持つリガンドとレセプタ
ーのいずれか一方を分析対象成分として分析するための
特異結合分析における感度調節方法であって、次の条件
m)−r)を含み、背景と識別することができない識別
不能標識で識別可能標識物質に用いたものと同じリガン
ドまたはレセプターが標識された、不溶性でかつクロマ
トグラフ媒体中で流体移送が可能な感度調節物質を利用
し、この感度調節物質を予め固定領域と反応させるか、
または識別可能標識物質と共に固定領域と反応させる感
度調節方法 m)分析対象成分であるリガンドまたはリガンド類縁
体、あるいはレセプターを分析対象成分とするときには
レセプターまたはレセプター類縁体を、その背景から識
別することができる不溶性の標識成分で標識した識別可
能標識物質を用い、n)分析対象成分を含む液体を前記
識別可能標識物質とともに流体移送することができるク
ロマトグラフ媒体で試料液体を流体移送し、 o)流体移送経路上の前記識別可能標識物質と前記液体
とが流体移送によって達する位置に、分析対象成分に対
応するレセプター、またはレセプターを分析対象成分と
するときにはリガンドが前記分析対象成分と識別可能標
識物質とが結合できる形で固定された固定領域を備えて
おり、 p)識別可能標識物質が前記固定領域において分析対象
成分とともに固定されたレセプター、またはレセプター
を分析対象成分とするときにはリガンドに反応すること
によって競合反応系を構成するものであり、 q)固定領域において結合反応にあずからなかった識別
可能標識物質は流体移動によって固定領域から除去され
るものであり、 r)前記識別可能標識物質の固定領域への結合、または
固定領域において結合反応にあずからなかった識別可能
標識物質を不溶性の標識成分を指標として検出する
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22330196A JPH1048210A (ja) | 1996-08-07 | 1996-08-07 | 特異結合分析における感度調節方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22330196A JPH1048210A (ja) | 1996-08-07 | 1996-08-07 | 特異結合分析における感度調節方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1048210A true JPH1048210A (ja) | 1998-02-20 |
Family
ID=16796009
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22330196A Pending JPH1048210A (ja) | 1996-08-07 | 1996-08-07 | 特異結合分析における感度調節方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1048210A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016518598A (ja) * | 2013-04-12 | 2016-06-23 | シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド | 分析物同族体に対するアッセイ |
| WO2018030365A1 (ja) * | 2016-08-09 | 2018-02-15 | 積水メディカル株式会社 | イムノクロマトグラフィー検出キット |
| JP2018025426A (ja) * | 2016-08-09 | 2018-02-15 | 積水メディカル株式会社 | イムノクロマトグラフィー検出キット |
-
1996
- 1996-08-07 JP JP22330196A patent/JPH1048210A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016518598A (ja) * | 2013-04-12 | 2016-06-23 | シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド | 分析物同族体に対するアッセイ |
| WO2018030365A1 (ja) * | 2016-08-09 | 2018-02-15 | 積水メディカル株式会社 | イムノクロマトグラフィー検出キット |
| JP2018025426A (ja) * | 2016-08-09 | 2018-02-15 | 積水メディカル株式会社 | イムノクロマトグラフィー検出キット |
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