JPH1048371A - 原子力プラント - Google Patents
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- JPH1048371A JPH1048371A JP8207437A JP20743796A JPH1048371A JP H1048371 A JPH1048371 A JP H1048371A JP 8207437 A JP8207437 A JP 8207437A JP 20743796 A JP20743796 A JP 20743796A JP H1048371 A JPH1048371 A JP H1048371A
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Abstract
用してジルカロイ燃料被覆管の腐食を防止することがで
きる原子力プラントを提供する。 【解決手段】 ジルカロイ燃料被覆管を有する原子力プ
ラントにおいて、前記ジルカロイ燃料被覆管の使用環境
下において前記ジルカロイ燃料被覆管の腐食を抑制する
金属元素を前記ジルカロイ燃料被覆管の表面近傍に存在
させる。
Description
覆管を有する原子力プラントに係わり、特に、ジルカロ
イ燃料被覆管の腐食を防止することができる原子力プラ
ントに関する。
圧水型原子炉(PWR)などの軽水炉においては、燃料
被覆管の材料としてジルコニウム基合金の一種であるジ
ルカロイが使用されている。このジルカロイは中性子吸
収断面積が小さく、また機械的性質も優れており燃料被
覆管として適した材料であるが、冷却材である軽水との
間で腐食反応を生じるという問題がある。BWRにおけ
るジルカロイ燃料被覆管と軽水との腐食反応は、従来は
レンズ状の酸化物を生成させるノジュラ腐食が主であっ
たが、近年は、製造時における熱処理工程の変更等によ
って、腐食形態が、全面に一様な酸化皮膜を形成する均
一腐食に変わりつつある。一方、PWRにおけるジルカ
ロイ燃料被覆管と軽水との腐食反応は、従来から変わら
ず、均一酸化皮膜形成が主な腐食形態である。但し、軽
水炉における現在の燃料使用条件では、これらの腐食
(酸化膜厚さ)は燃料被覆管の健全性といった観点から
は、燃料の寿命に影響を与えるほどの深刻な問題にはな
っていない。
騰に起因して使用済燃料の発生量の低減の要求があり、
また一方では、原子力プラントの運転費用に占める燃料
費の割合が大きいことから、その経済性の向上のために
燃料の高燃焼度化、すなわち長寿命化が計画されてい
る。そのため、長期間の使用においても腐食に対して十
分な裕度を有する優秀な燃料被覆管が求められている。
このような状況から、現在、ジルカロイ燃料被覆管の耐
食性の改善が重要な研究課題の一つになっている。
に影響を与える因子としては、燃料被覆管の製造履歴や
熱処理、合金成分などといった材料因子と、溶存酸素、
中性子照射、冷却材中の不純物といった環境因子とが考
えられており、耐食性の向上のためにこれらの因子につ
いて精力的に研究が進められている。
ロイ燃料被覆管の耐食性に与える水質環境因子の影響に
関する検討・研究を進めるなかで、冷却材中に存在する
微量金属がジルカロイの腐食を抑制させる可能があるこ
とを推定するに至った。そこで、これを確証するため
に、原子力プラントにおけるジルカロイ燃料被覆管の環
境を模擬した条件の下で、微量金属を共存させてジルカ
ロイの腐食試験を実施した。そして、腐食試験の結果は
前記推定が正しいことを示すものであった。また、腐食
試験で使用された試験片の分析結果からその腐食抑制メ
カニズムの解明に成功し、さらにその防止策をも得るこ
とができた。
ルカロイ燃料被覆管の腐食皮膜の成長速度を調査したと
ころ、材料因子のみでは説明困難な事例に数多く遭遇し
た。つまり、全く同じ製造ロットのジルカロイ燃料被覆
管を用いたにも関わらず、同じ運転時間あたりの酸化皮
膜厚さがプラントによって全く異なる事例が数多く報告
されていた。本発明者らはこの事実からジルカロイ燃料
被覆管の腐食が確かに水質条件によって影響されている
と確信した。さらに、これらの腐食速度の相違が、プラ
ント水中の微量不純物の有無によって左右されていると
推定し、不純物濃度とジルカロイ燃料被覆管の酸化膜厚
さとの因果関係について詳細に調査を行った。その結
果、銅がジルカロイの腐食速度に影響を及ぼしており、
微量の銅が共存することによってジルカロイの腐食が抑
制されることを突き止めた。
り且つ減速材でもある軽水が放射線分解を起こし、様々
な短寿命ラジカル種の生成、合成、分解を経て、最終的
には水素、酸素、過酸化水素を生成する。各々の平衡濃
度は炉型や対象部位、さらには給水系の水質等によって
異なり、例えば通常水質(給水系の酸素濃度を制御しな
い場合)のBWRにおけるジルカロイ燃料被覆管部位で
は、水素:酸素:過酸化水素=50:400:200p
pb、再循環配管部位では、水素:酸素:過酸化水素=
25:200:50ppbなどの値がシミュレーション
計算によって報告されている。すなわち、この反応によ
って生成される酸素や過酸化水素が以下に示すジルカロ
イ燃料被覆管の腐食(酸化皮膜の生成)を押し進めてい
ることが示されている。 Zr + O2 → ZrO2 ところで、原子力プラントにおいては、銅は炉水中にお
いて一価、ないしは二価イオンとして存在する。一方、
燃料被覆管の表面に付着する際には価数ゼロの金属状態
で存在する場合や酸化第一銅(Cu2 O)、酸化第二銅
(CuO)で存在する場合など、原子炉内で複数のイオ
ン価数をとっている特異な元素である。そこで、本発明
者らは、上記のような酸素や過酸化水素などの酸化を進
める酸化剤が存在する水質環境下においてジルカロイ燃
料被覆管と銅とが共存した場合、銅がジルカロイ燃料被
覆管の腐食現象に対して緩衝剤として機能しているので
はないかと考えた。つまり、酸素や過酸化水素がジルカ
ロイ燃料被覆管の表面近傍に接近し、ジルカロイを酸化
させる状況において銅が共存すると、酸化剤がジルカロ
イよりも優先的に銅を酸化させてしまい、酸化剤が酸化
力を失ってしまうため結果的にジルカロイ燃料被覆管の
腐食(酸化皮膜の成長)が抑制されるのではないかと推
定したのである。また、酸化した銅はイオンとして系統
内を循環し、他の部位において還元され、再び燃料被覆
管の表面近傍に接近して同様の反応を司ると考えられ
る。銅の還元は酸化反応が起きている部位において容易
に進み、例えば配管表面などで酸化皮膜が成長されつつ
あるような状況で起き得ると推定される。
トにおけるジルカロイ燃料被覆管の環境を模擬した条件
の下で、銅を1価イオンとして共存させて、ジルカロイ
の腐食試験を実施した。その結果、銅イオン濃度を水中
で10ppbに調整し、1000時間浸漬した条件下の
ジルカロイ模擬燃料被覆管に、確かな腐食抑制現象を見
いだした。つまり、銅イオンがない条件ではジルカロイ
模擬燃料被覆管に生成した均一酸化皮膜厚さが約1ミク
ロンであったものが、銅イオンの共存下では約0.8ミ
クロンと約20%減になっていたのである。また、模擬
燃料被覆管には僅かながら銅酸化物が付着していたが、
これには酸化第一銅(Cu2 O)ばかりでなく酸化第二
銅(CuO)も含まれていたのである。この現象は銅が
酸化されたことを意味しており、この結果としてジルカ
ロイの酸化が抑制されたと解釈される。
て、ジルカロイ燃料被覆管の腐食は銅が共存することに
よって抑制されることが明らかになった。また、その腐
食メカニズムは発明者が推定したように、銅が複数のイ
オン価数を取るためにジルカロイ燃料被覆管の腐食現象
に関して緩衝剤として機能するためと推定され、銅を共
存させることによってジルカロイ燃料被覆管の腐食を抑
制することができるとの確信を得た。
抑制するために銅の共存が有効であることが判明した
が、従来の原子力プラント、例えばBWRにおいては、
復水器の材料に銅と亜鉛との合金である真鍮が用いれら
れており、その結果として炉水中の銅濃度が高くなって
前記腐食抑制作用が生じていたに過ぎなかった。
有する金属元素を積極的に利用してジルカロイ燃料被覆
管の腐食を防止することができる原子力プラントを提供
することにある。
することによってジルカロイ燃料被覆管の腐食が抑制さ
れることが判明したが、銅以外にも、燃料被覆管の使用
環境下において複数のイオン価数を取り得る元素が存在
するので、このような銅以外の元素もまた銅と同様のメ
カニズムによってジルカロイ燃料被覆管の腐食を抑制し
得るものと考えられる。
元素の電位−pH図を調査したところ、銅(Cu)に加
えて、セリウム(Ce)、チタン(Ti)、バナジウム
(V)、クロム(Cr)、タングステン(W)、マンガ
ン(Mn)、鉄(Fe)、錫(Sn)、鉛(Pb)にお
いても同様の効果が期待できることが判明した。
−pH図の計算例である。ここで、温度を300℃とし
たのはBWRにおける燃料被覆管の使用環境を想定した
ものである。電位−pH図は、熱力学的な手法によっ
て、pHと電位で規定される特定の環境において、銅が
存在した場合に銅のどの形態が安定であるかを表してい
る。なお、図1は、銅の濃度が10-6(mol/l)の
条件で計算されている。図1において横軸は300℃に
おけるpHを示しており、BWRの温度条件で不純物を
含まない系では約5.5となる。また、縦軸は水素基準
電極に対する材料の電位を示しており、材料毎に異なる
が通常のBWRの炉水環境では、例えばステンレス鋼で
0Vから0.1Vなどの値が多く報告されている。ま
た、ジルカロイについては従来報告例はなかったが、ス
テンレス鋼とほぼ同様の値を示すことを本発明者らは実
験的に確認した。つまり、300℃の水中におけるステ
ンレス鋼やジルカロイ表面では、銅が一価としてイオン
(Cu+ )もしくは酸化物(Cu2 O)として存在する
か、二価としてイオン(Cu2+)もしくは酸化物(Cu
O)ないしは水酸化物(Cu(OH)2 )として存在す
るかの境界近傍であることがわかる。つまり、銅は電位
によって容易にイオン価数が移行する状況にある。この
結果、ジルカロイと銅が共存すると酸化剤である酸素や
過酸化水素は銅を優先的に酸化させ、ジルカロイの腐食
を抑制すると考えられる。また、銅以外の他の元素につ
いてもほぼ同様な状況にあり、同じメカニズムによって
同様な効果が得られる。
せる当該金属元素の濃度は高ければより効果的という訳
ではない。これは、高温水中でのその物質の溶解度によ
って規定されるからである。つまり、炉水中においてそ
の物質の溶解度を超えた濃度で存在するとそれらは析出
反応を起こす。特にBWRの燃料表面では沸騰に伴って
濃縮現象が生じるためにこの析出現象が顕著である。こ
こで、高温水中における各物質の溶解度データについて
はすべてのデータが得られている訳ではなく、また既に
得られているデータにおいてもそれらの信頼性は残念な
がら完全とは言えない。そこで、発明者は、高温水中に
おける熱力学データを検討し、燃料表面における濃縮現
象が生じている環境下でも析出が起きない濃度範囲を算
定し、さらに安全係数を見込んで5ppbという値を得
た。つまり、この濃度以下であるならば燃料表面に析出
することなくジルカロイ燃料被覆管と当該金属元素とを
共存させることができることになる。
ることによりジルカロイ燃料被覆管の腐食抑制剤となる
前述の金属元素は、放射化によって二次的な放射能を発
生させないように予め同位体比を調整したものであるこ
とが望ましい。ここで、「同位体比を調整する」ことの
意味についてクロムを例にとって説明する。自然界にお
いてクロムは50Cr、52Cr、53Cr、54Crが各々
4.3、83.8、9.5、2.4%の割合で存在して
いる。この天然の存在比のままのクロムを原子力プラン
トに供給すると、放射化反応によって50Crから51C
r、54Crから55Crの各放射性同位元素が生成され
る。これらの放射性同位元素は、高エネルギーのガンマ
線を大量に発生する有害物質である。そこで、原子力プ
ラントに供給する前に、予め遠心分離法などによって同
位体分離を行い、50Cr及び54Crを除外して52Cr及
び53Crのみにすることによって、二次的な放射能の発
生を阻止することができる。このような方法を「同位体
比の調整」とここでは定義するものである。
は、ジルカロイ燃料被覆管を有する原子力プラントにお
いて、前記ジルカロイ燃料被覆管の使用環境下において
前記ジルカロイ燃料被覆管の腐食を抑制する金属元素を
前記ジルカロイ燃料被覆管の表面近傍に存在させるよう
にしたことを特徴とする。
は、前記金属元素は前記ジルカロイ燃料被覆管の使用環
境下において複数のイオン価数を取り得ることを特徴と
する。
は、前記金属元素はセリウム(Ce)、チタン(T
i)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、タングステ
ン(W)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(C
u)、錫(Sn)、鉛(Pb)の一群から選ばれた1種
類又は2種類以上の元素であることを特徴とする。
は、複数のイオン価数を取り得る前記金属元素の同位体
比を調整し、前記金属元素の放射化による二次的な放射
能の発生を抑制するようにしたことを特徴とする。
は、前記金属元素は前記ジルカロイ燃料被覆管の使用前
に予め前記ジルカロイ燃料被覆管の表面に付与されたこ
とを特徴とする。
は、前記金属元素はレーザークラッディング、メッキ、
ドライプレーティング、溶射、イオン注入、ライニング
のうちの1又は2以上の技術を用いて前記ジルカロイ燃
料被覆管の表面に付与されたことを特徴とする。
は、前記イオン注入技術によって前記ジルカロイ燃料被
覆管の表面に前記金属元素を注入する場合に注入量を1
×1017個/cm2 以下にしたことを特徴とする。
は、前記ライニング技術によって前記ジルカロイ燃料被
覆管の表面に100ミクロン以下の厚さの前記金属元素
の薄膜を形成したことを特徴とする。
は、前記原子力プラントの系統内において前記金属元素
を発生させる金属元素発生装置を有することを特徴とす
る。請求項10記載の発明による原子力プラントは、前
記金属元素発生装置は、前記金属元素を金属、酸化物、
水素化物ないしは水酸化物、或いは金属酸塩のように水
素及び酸素の一方若しくは両方を含む化合物のいずれか
の状態として前記原子力プラントの高温系に設置して高
温水を通水し、腐食放出反応によって前記金属元素を前
記高温水中に放出させるようにしたことを特徴とする。
トは、前記金属元素発生装置は金属メッシュスクリーン
を有するカラムを備えており、前記金属元素は前記金属
メッシュスクリーンによって前記カラムの内部に保持さ
れていることを特徴とする。請求項12記載の発明によ
る原子力プラントは、前記金属元素を微粒子化し、その
粒径が0.1mmから1mmの間に分布するように粒度
調整したことを特徴とする。
トは、粒度調整された前記金属元素を溶融温度の半分以
上の温度で焼成して焼結状態にしたことを特徴とする。
トは、前記金属元素発生装置に対して並列にバイパスラ
インを設け、このバイパスラインの途中に流量調節バル
ブを設け、この流量調節バルブの開閉度を調節して前記
金属元素発生装置内を流れる高温水の流量を調節し、こ
れによって前記金属元素の発生量を制御する濃度制御装
置を設けたことを特徴とする。
トは、前記金属元素発生装置に対して直列に高圧ポンプ
を設け、この高圧ポンプの流量を調節して前記金属元素
発生装置内を流れる高温水の流量を調節し、これによっ
て前記金属元素の発生量を制御する濃度制御装置を設け
たことを特徴とする。
トは、前記原子力プラントは再循環ラインを有する沸騰
水型原子炉であり、前記金属元素発生装置は、前記沸騰
水型原子炉における系統のうち、炉水又は炉水と略等温
の高温水が流れている系統に設けられており、前記濃度
制御装置は、前記再循環ラインを流れる炉水中の前記金
属元素の濃度を測定し、その測定値に応じて前記流量調
節バルブの開閉度又は前記高圧ポンプの流量を調節して
炉水中の前記金属元素の濃度を制御することを特徴とす
る。
トは、前記炉水又は炉水と略等温の高温水が流れている
系統は、再循環ライン、給水ライン、炉水浄化ラインの
いずれかの系統であることを特徴とする。
トは、前記濃度制御装置はイオンクロマトグラフィによ
って前記金属元素の濃度を測定することを特徴とする。
トは、2台の前記金属元素発生装置を並列に設けたこと
を特徴とする。
トは、前記原子力プラントの系統外から前記金属元素を
系統内に注入する金属元素注入装置を有することを特徴
とする。
トは、前記金属元素注入装置は、前記金属元素を酸化
物、水素化物ないしは水酸化物、或いは金属酸塩のよう
に水素及び酸素の一方若しくは両方を含む化合物のいず
れかの状態の原料を溶液状態又はスラリー状態に変態さ
せた後に前記原子力プラントの系統内に注入するように
したことを特徴とする。
トは、前記原料は1ミクロン以下の微粉末状であること
を特徴とする。
トは、前記金属元素注入装置は、微粉末状の前記原料を
含んだ液体を蓄えたタンクと、このタンク内の液体を強
制的に攪拌して前記原料の沈降を防止するインペラーと
を備えていることを特徴とする。
トは、前記金属元素注入装置は、前記金属元素からなる
金属板又は前記金属元素を一部に含む金属板によって構
成された複数の電極を有する電解槽を備えており、前記
電極に直流電圧を印加して前記金属元素をイオン化する
ようにしたことを特徴とする。
トは、前記電極に印加する直流電圧の極性を所定時間毎
に切り換えて前記複数の電極の減肉を均一化するように
したことを特徴とする。
トは、前記電解槽内の電解液の中に予め炭酸ガスを溶解
させて電解液を電解質として電極反応を促進するように
したことを特徴とする。
トは、電極反応後の電解液中に脱気ガスを注入して電解
液中に溶解している炭酸ガスを脱気するようにしたこと
を特徴とする。
トは、前記金属元素注入装置に対して直列に流量調節バ
ルブを設け、この流量調節バルブの開閉度を調節して前
記金属元素の注入量を制御する濃度制御装置を設けたこ
とを特徴とする。
トは、前記金属元素注入装置に対して直列に注入ポンプ
を設け、この注入ポンプの流量を調節して前記金属元素
の注入量を制御する濃度制御装置を設けたことを特徴と
する。
トは、前記原子力プラントは再循環ラインを有する沸騰
水型原子炉であり、前記濃度制御装置は、前記再循環ラ
インを流れる炉水中の前記金属元素の濃度を測定し、そ
の測定値に応じて前記流量調節バルブの開閉度又は前記
高圧ポンプの流量を調節して炉水中の前記金属元素の濃
度を制御することを特徴とする。
トは、前記金属元素注入装置は、再循環ライン、給水ラ
イン、炉水浄化ライン等の高温系、或いは復水浄化ライ
ン等の低温系のいずれかの系統に前記金属元素を注入す
る特徴とする。
トは、炉水中における前記金属元素の濃度を5ppb以
下に制限したことを特徴とする。
いて図面を参照して説明する。本実施形態においては、
レーザークラッディング、メッキ、ドライプレーティン
グ、溶射、イオン注入、ライニングなどの技術を用い
て、ジルカロイ燃料被覆管の表面に上述した腐食抑制剤
となる当該金属元素を予め付与することを特徴とする。
以下、ジルカロイ燃料被覆管の表面に当該金属元素を付
与する方法について説明する。
方法について説明する。レーザークラッディングは当該
金属元素の金属粉末をバインダに溶かしてペースト状に
して対象部位に塗布し、その後、レーザービームを照射
してクラッド合金層を形成する工法である。腐食防止効
果を高めるためには燃料被覆管の全面に合金層を薄く形
成するのが最も効果的であるが、燃料被覆管の表面の一
部に当該金属元素を付与した場合でも腐食防止効果を得
ることができるので、合金層をスポット的に加工した
り、或いは燃料被覆管の軸方向に一本ないし数本の線状
に加工しても良い。また、レーザー源としてはYAG(Y
ttrium Aluminuim Garnet)レーザが現行では最も優れて
いる。図2はレーザークラッディングによる施工方法を
概念的に示しており、この方法は点線源であるために母
材への影響が少ないという特徴がある。
する。メッキは電気化学的に当該金属元素を対象部位に
析出させる工法であり、燃料被覆管の表面の全面に当該
金属元素を付与することができる。当該金属元素は硫酸
塩、アンモニウム塩、シアン化合物、エチレンジアミン
化合物、EDTA化合物などとしてメッキ槽に満たし、
対象部材を浸漬して施工する。図3はメッキ槽の一例を
示しており、メッキ槽1は、当該金属よりなる陽極2
と、陰極3とが挿入されており、陽極2と陰極3との間
には所定の電圧が印加されている。また、陽極2と陰極
3との間には隔膜4が介装されている。さらに、メッキ
槽1の下部には、メッキ施工層の均一化を図るために空
気パイプ5が設けられている。そして、施工対象部材は
隔膜4の内側に浸漬されて処理される。
法について説明する。ドライプレーティングは乾式で当
該金属膜を対象部位に形成させる工法であり、燃料被覆
管の全面に当該金属元素を付与することができる。ドラ
イプレーティング方法をさらに細かく分類すると、金属
を気化させて固体表面で凝縮させる蒸着法、雰囲気ガス
中で気体放電を起こさせ、蒸発粒子をイオン化させて活
性にして成膜させるイオンプレーティング法、当該金属
元素を金属状態でターゲットとし、電極間に高電圧を印
加して放電を起こさせて対象部位に薄膜を形成させるス
パッタリング法などがある。図4はスパッタリング装置
の概念図を示し、スパッタリング装置10は当該金属で
形成されたターゲット11を備えている。このターゲッ
ト11に対向するようにホルダー12が配置されてお
り、このホルダー12上に対象部材13が載置されてい
る。ターゲット11及びホルダー12は絶縁体14によ
って真空容器15から絶縁されており、さらに、スパッ
タリング効率を高めるためにターゲット11及びホルダ
ー12の周囲にはシールド16が設けられている。そし
て、ターゲット11には直流電源17によって高電圧が
印加され、ターゲット11を構成する当該金属がプラズ
マ化し、対象部材13に付着して薄膜を形成する。
る。溶射は、当該金属を加熱し、溶融又はそれに近い状
態にして素地に吹き付けて皮膜を形成する工法である。
また、燃料被覆管への溶射にあたっては最も高温状態が
得られるプラズマ溶射が最適である。このプラズマ溶射
は、生成される皮膜が高密度であり、密着性が良好であ
るなどの特徴を備えている。図5はプラズマ溶射の原理
を示した概念図であり、溶射装置20は陽極であるプラ
ズマトーチ21を備え、このプラズマトーチ21の中に
陰極22が設けられている。そして、金属供給路23を
経由して粉末状の当該金属Mが供給され、作動ガスGに
よってプラズマジェットPが噴射される。溶射された材
料は対象部材24の表面に付着して皮膜を形成する。さ
らに、この溶射装置20は、プラズマの指向性を高める
ために対象部材24を陽極としている。
説明する。イオン注入は、当該金属元素をイオン化した
後に電界によって加速し、対象部材の表面に衝突させて
打ち込むという物理的現象を利用するものである。この
イオン注入技術は、例えばニッケルイオンの注入によっ
て材料の摩耗を抑制することを利用した工具鋼への適用
や、チタン合金へのバリウムイオンの注入による耐食性
の向上などが報告されており、既に様々な分野において
適用されている。イオン注入法では、注入量を表す単位
として単位面積当たりの注入されたイオン数(個/cm
2 )が良く用いられる。目安としては1×1017個/c
m2 の注入量は10原子%程度の表面組成に対応すると
考えられている。当該金属元素を燃料被覆管に付与する
に当たっては表面に10%程度の当該金属元素を含有す
る皮膜が形成されていれば十分と考えられるので、本工
法を用いる場合には1×1017個/cm2 が注入量の上
限となる。イオン注入の際には、注入されたイオンと対
象部材の原子と直接弾性衝突、及び直接弾性衝突後に生
じるカスケード衝突によって、対象部材内に多数の点欠
陥や2次欠陥が導入され、いわゆる照射損傷が引き起こ
される可能性がある。そこで、本工法を適用する際に
は、イオン注入後に対象部材に対して熱処理による焼鈍
操作を加えることが好ましい。
属状態とし、圧延して製作した薄膜を燃料被覆管の外側
に被覆する工法である。薄膜の厚さは100ミクロン程
度で十分であると考えられる。
ルカロイ燃料被覆管の使用前に、予め、ジルカロイ燃料
被覆管の表面に腐食抑制剤として機能する金属元素を付
与したので、この金属元素によって使用中のジルカロイ
燃料被覆管の腐食を防止することができる。
いて図面を参照して説明する。本実施形態による原子力
プラントは、当該金属元素を金属、酸化物、水素化物な
いし水酸化物、或いは金属酸塩のように水素と酸素の一
方、もしくは両者を含む化合物のいずれかの状態とし、
原子力プラントの高温系に設置して高温水を通水させ、
腐食放出反応によって所定濃度を得るようにしたことを
特徴としている。
下において、腐食抑制剤として機能する金属元素を発生
させるための金属元素発生装置30を示している。この
金属元素発生装置30は、カラム31を備えており、こ
のカラム31の内部には金属メッシュスクリーン32が
設けられている。この金属メッシュスクリーン32の間
には粒子化された当該金属が充填された金属元素部33
が設けられている。当該金属の粒子は0.1mmから1
mmの粒径分布を持つように粒度調整されて比表面積の
増大が図られると共に、カラム31内での充填密度の向
上が図られている。カラム31の一方の端部には、原子
力プラントの系統内の高温水をカラム31内に導入する
ための入口配管34が接続されており、この供給配管3
4の途中にはバルブ35が設けられている。また、カラ
ム31の他方の端部にはカラム31内に供給された高温
水を排出するための出口配管36が接続されており、こ
の出口配管36の途中には、流量調節機能を有する流量
調節バルブ37が設けられている。また、入口配管34
と出口配管36との間にはカラム31をバイパスするよ
うにしてバイパス配管38が設けられており、このバイ
パス配管38の途中には流量調節機能を有する流量調節
バルブ39が設けられている。
ては、入口配管34を経由して原子力プラントの系統内
の高温水がカラム31内に導入され、粒子状の当該金属
よりなる金属元素部33を通過する。すると、当該金属
のイオンが高温水の中に溶解し、当該金属イオンを含有
する高温水は出口配管36を経由して原子力プラントの
系統内に環流される。また、原子力プラント内の当該金
属イオンの濃度を濃度制御装置(図示を省略)によって
監視し、バルブ37及び39の開閉度を常時調節しなが
ら最適濃度に調節する。つまり、当該金属イオンの濃度
が所定値よりも低い場合には、バイパス配管38のバル
ブ39を絞り、カラム31内を流れる高温水の流量を増
加させる。一方、当該金属イオンの濃度が所定値よりも
高い場合には、出口配管36のバルブ37を絞ってカラ
ム31内の流量を減少させ、当該金属イオンの発生量を
低下させる。
属を粒子化し、0.1から1mmの粒径分布を持つよう
に粒度調整しているが、粒度調整した後に溶融温度の半
分以上の温度で焼成し、焼結状態にして供すると、高温
水を通過させても焼結状態を保つため、焼結微粒子が誤
って原子力プラントの高温系に直接流入するようなこと
がなく、高温系での保持が容易となる。
適用した例を示している。図7において符号41は原子
炉圧力容器を示し、この原子炉圧力容器41内には炉心
42が設けられている。この炉心42からの熱によって
生成された蒸気は、蒸気ライン43を経由して蒸気ター
ビン44に送られて仕事をする。蒸気タービン44で仕
事をした蒸気は復水器45において凝縮されて水に戻
る。この水は復水ポンプ46によって復水浄化装置47
に送られ、不純物が除去された後に給水加熱器48で予
熱されて原子炉圧力容器41内に環流される。また、炉
水は再循環ポンプ49を有する再循環ライン50及びジ
ェットポンプ51によって原子炉圧力容器41内を強制
的に循環されている。また、再循環ライン50を流れる
炉水の一部は炉水浄化系ポンプ52を有する炉水浄化ラ
イン53を介して、再生熱交換器54、非再生熱交換器
55で降温された後、炉水浄化装置56によって浄化さ
れる。浄化された炉水は給水ライン57を経由して原子
炉圧力容器41に環流される。
ポンプ52が再生熱交換器54もしくは非再生熱交換器
55の下流側に配置されているプラントもある。さら
に、炉水再循環系を持たず、インターナルポンプと呼ば
れるポンプを原子炉圧力容器41内に複数基装備し、こ
れらのインターナルポンプによって炉水を強制攪拌する
ようにしたプラント(ABWRと呼ばれている)も建設
されており、今後はこのABWRタイプのプラント数が
増加する情勢にある。
属元素発生装置30が付帯されており、この金属元素発
生装置30の上流側及び下流側には隔離用のバルブ3
5、37がそれぞれ設けられている。また、金属元素発
生装置30をバイパスするバイパスライン38の途中に
は流量調節機能を有する流量調節バルブ39が設けられ
ており、この流量調節バルブ39は濃度制御装置61に
よって開閉度を調節できるようになっている。この濃度
制御装置61は再循環ポンプ49の下流側における金属
イオン濃度を測定し、その測定値に応じて流量調節バル
ブ39の開閉度を調節するようになっている。ここで、
濃度制御装置61における金属イオン濃度測定方法(分
析方法)としては、イオン種濃度を連続的に測定するこ
とができるイオンクロマトグラフィが現時点では最適で
ある。なお、隔離用のバルブ35、37は金属元素発生
装置30をメインテナンス時に隔離するために使用され
る。以上述べたように本実施形態によれば、金属元素発
生装置30で発生した当該金属イオンは再循環水と共に
原子炉圧力容器41内に供給され、これによってジルカ
ロイ燃料被覆管の腐食が抑制される。
おいては金属元素発生装置30は再循環ポンプ49の上
流側に設けられており、バルブ35、37を開放するこ
とによって再循環ライン50に接続される。さらに、金
属元素発生装置30とバルブ35との間には高圧ポンプ
71が設けられており、この高圧ポンプ71は金属元素
発生装置30で生じる圧力損失を補償する。また、濃度
制御装置72は再循環ポンプ49の上流側における金属
イオン濃度を測定し、その測定値に応じて高圧ポンプ7
2の流量を調節するようになっている。このように高圧
ポンプ72の流量を濃度制御装置72によって調節して
金属イオンの濃度を制御するようにすれば、図7に示し
た流量調節バルブ39が不要となる。
ように2基の金属元素発生装置30を並列に設け、それ
ぞれの金属元素発生装置30の上流側及び下流側に隔離
用のバルブ73、74を設けることもできる。このよう
に構成することによって、原子力プラントの運転時にお
いても、一方の金属元素発生装置30によって当該金属
元素の供給を行いながら、他方の金属元素発生装置30
をバルブ73、74によって隔離してメインテナンスを
行うことができる。
0を再循環ライン50に設置するようにしたが、金属元
素発生装置30の設置位置は再循環ライン50に限定さ
れるものではなく、例えば給水ライン57、炉水浄化ラ
イン53の出口部等のように炉水温度と同程度の高温水
が流れている部位に設置することができる。
いて図面を参照して説明する。図10は本実施形態にお
ける金属元素注入装置80を示し、この金属元素注入装
置80は腐食抑制剤として機能する当該金属元素を金属
状態としておき、この金属状態の当該金属元素から電極
反応によって金属イオンを発生させ、この金属イオンを
注入ポンプを用いて原子力プラントの系統内に注入する
ようにしたものである。
を示しており、この炭酸ガス飽和槽81は、電極反応に
よって金属イオンが容易に発生しうるように、電解液を
電解質にする機能を有している。このように電解液を電
解質にすることによって、低い電圧で電解反応を起こす
ことができるので、電極反応を起こすための直流電源設
備を小型化することができる。炭酸ガス飽和槽81には
純水供給ライン82が接続されており、この純水供給ラ
イン82の途中には純水流量を調節する流量調節バルブ
83が設けられている。また、炭酸ガス飽和槽81の内
部には、バブリングライン84の先端部に設けられた炭
酸ガス放出部85が配置されており、バプリングライン
85には炭酸ガスボンベ86が接続されている。また、
炭酸ガス飽和槽81には、過剰に供給された炭酸ガスを
炭酸ガス飽和槽81から放出するために、配管87を介
してシールポット88が接続されている。
介して電解槽90に連結されている。この電解槽90に
は電解液が入れられており、この電解液の中には一対の
板状の電極91が浸漬されており、これらの電極91に
はリード線92を介して直流電源93が接続されてい
る。これらの電極91は、腐食抑制剤として機能する当
該金属元素を含む金属材料によって形成されており、当
該金属元素単体で形成することもできる。なお、図10
には2枚の電極91が示されているが、電極の枚数を増
やすことによって当該金属イオンの発生量を増加させた
り、或いは異なる金属種からなる電極を取り付けること
によって異なるイオン種をブレンド状態で発生させるこ
ともできる。また、直流電源93の極性を一定時間毎に
切り換えるようにすれば、複数の電極の減肉量が均等化
されて当該金属の材料の有効利用を図ることができる。
炭酸ガス除去タンク95に連結されている。この炭酸ガ
ス除去タンク95の内部には、バブリングライン96の
先端部に設けられた脱気ガス放出部97が配置されてお
り、このバブリングライン96には脱気ガスボンベ98
が接続されている。脱気ガス放出部96は多数の微細な
吹き出し口を有するバブラー構造を備えており、このバ
ブラー構造によって脱気ガスを効率的に注入することが
できる。また、炭酸ガス除去タンク95には、回収され
た炭酸ガスと過剰な脱気ガスを炭酸ガス除去タンク95
から放出するために、配管99を介してシールポット1
00が接続されている。さらに、炭酸ガス除去タンク9
5には、生成された金属イオン溶液を原子力プラント内
の目的の部位に送るための輸送配管101が接続されて
おり、この輸送配管101の途中には注入ポンプ102
が設けられている。
て説明する。まず、流量調節バルブ83によって一定流
量に調節された純水が、純水供給ライン82を経由して
炭酸ガス飽和槽81に連続的に供給される。また、炭酸
ガスボンベ86からの炭酸ガスがバブリングライン84
を経由して炭酸ガス放出部85に供給され、この炭酸ガ
ス放出部85から炭酸ガス飽和槽81の中に気泡状の炭
酸ガスが放出される。炭酸ガス飽和槽81内に放出され
た気泡状の炭酸ガスは純水中に溶解し、以下の解離反応
を起こして電解質となり、電解槽90における電極反応
を促進する。 CO2 +H2 O→H2 CO3 H2 CO3 →H+ +HCO3 - HCO3 - →H+ +CO3 2- なお、過剰に供給された炭酸ガスは配管87を経由して
シールポット88から系外に放出される。
離状態にある溶液が連結管89を経由して電解槽90に
送られる。電解槽90内の一対の電極91には直流電源
93によって互いに極性の異なる電圧が印加されている
ので、この電極91において電極反応が行われ、電極9
1を構成する当該金属がイオンとして溶液中に溶解す
る。
した電解液は、連結管94を経由して炭酸ガス除去タン
ク95に送られる。炭酸ガス除去タンク95の内部で
は、バブリングライン96を経由して脱気ガスタンク9
8から供給された脱気ガスが、気泡状態にて脱気ガス放
出部97から放出されている。放出された気泡状の脱気
ガスによって、溶液中に溶解している炭酸イオンが解離
反応の逆反応によってガス状態で回収される。回収され
た炭酸ガスは、過剰に供給された脱気ガスと共に、配管
99を介してシールポット100から系外に放出され
る。
て生成された当該金属イオンを含む溶液は、注入ポンプ
102によって加圧され、輸送配管101を経由して原
子力プラント内の目的の部位に送られる。
ば、当該金属イオン種を製造しながら原子力プラントの
系統内に注入するようにしたので、タンク内の濃度も低
く、しかも、電解液中の炭酸イオンを脱気によって除去
するようにしたので、不必要なイオン種の導入が抑制さ
れ、目的の金属イオンのみを注入することができる。
いた金属イオンの一部は微粒子の水酸化物として溶液中
に析出するが、この微粒子は高温水中に導入されると再
びイオン状態となる。これは、これらの金属の溶解度が
目的とする濃度(例えば5ppb)と比較して十分に高
いからであり、その結果、付随的に不要なイオン種を原
子炉内に持ち込むことなく所期の目的を達成することが
できる。
もしくは当該金属元素を含む金属板を複数枚用いて電極
91を構成するようにしたので、金属イオン種の濃度
は、電極91の電流値を調整することによって任意の値
に制御することが可能であり、しかも、微調整を正確に
行うこともできるし、不必要な金属イオン種の流入を防
止することもできる。さらに、電極91を形成する金属
の組成を変更することによって注入するイオン種を変更
することが可能であり、また、金属組成の異なる複数の
金属板によって電極91を構成すれば、注入するイオン
種をブレンド状にすることもできる。また、電極91を
構成する金属板の数を増減することによって、対象とす
る原子力プラントの規模に応じてイオン種の発生量を調
節することができる。
置80をBWRに適用した場合を示している。輸送配管
101の出口端が炉水浄化ライン53に接続されてお
り、注入ポンプ102の下流側の輸送配管101の途中
には流量調節バルブ103が設けられている。また、再
循環ライン50には濃度制御装置104が設けられてい
る。この濃度制御装置104は再循環ポンプ49の上流
側における金属イオン濃度を測定し、その測定値に応じ
て流量調節バルブ103の開閉度及び金属元素注入装置
80の金属イオン発生量を制御し、これによって炉水中
の金属イオン濃度を所定値に制御する。ここで、濃度制
御装置104における金属イオン濃度測定方法(分析方
法)としては、イオン種濃度を連続的に測定することが
できるインラインのイオンクロマトグラフィが現時点で
は最適である。この方法によれば、一定時間おきに炉水
中の金属イオン濃度を測定することができる。
0を炉水浄化ライン53に接続するようにしたが、金属
元素注入装置80の接続位置は炉水浄化ライン53に限
定されるものではなく、例えば再循環ライン50、給水
ライン57等のように炉水温度と同程度の高温水が流れ
ている部位や、或いは復水浄化装置(図示を省略)の出
口部等のような低温水が流れている低温系に接続するこ
ともできる。
いて図面を参照して説明する。図12は本実施形態にお
ける金属元素注入装置110を示しており、金属元素注
入装置110は、目的とする金属元素を発生させるため
に、対象とする金属元素を酸化物、水素化物ないしは水
酸化物、或いは金属酸塩のように水素及び酸素の一方、
もしくは両方を含む化合物状態とし、スラリー状態もし
くは溶液状態で注入して所定濃度を得ることを特徴とす
るものである。
備え、このタンク111には純水供給ライン112を経
由して純水が連続的に供給されている。タンク111の
上方には微粉末タンク113が設けられており、この微
粉末タンク113には、腐食抑制剤として機能する当該
金属元素が、酸化物、水素化物ないしは水酸化物、或い
は金属酸塩のように水素及び酸素の一方、もしくは両方
を含む化合物が微粉末状で充填されている。そして、微
粉末タンク113内の微粉末は、連続的もしくは間欠的
にタンク11内に供給される。なお、微粉末の粒径は沈
降防止の観点から1ミクロン以下のサブミクロンオーダ
であることが望ましい。また、タンク111内にはイン
ペラー114が設けられており、このインペラー114
の強制攪拌機能によって微粉末の沈降を確実に防止する
ことができる。そして、タンク111には、生成された
スラリー状の混濁液もしくは溶液を原子力プラント内の
目的の部位に送るための輸送配管115が接続されてお
り、この輸送配管115の途中には高圧ポンプ116が
設けられている。そして、輸送配管115を経由して原
子力プラント内の目的部位に供給されたスラリーは、プ
ラント系統内の高温水と接触することによって速やかに
金属イオン化される。
置110をBWRに適用した場合を示している。輸送配
管115の出口端が給水ライン57に接続されており、
また、再循環ライン50には濃度制御装置117が設け
られている。この濃度制御装置117は再循環ポンプ4
9の上流側における金属イオン濃度を測定し、その測定
値に応じて高圧ポンプ116の流量を制御し、これによ
って炉水中の金属イオン濃度を所定値に制御する。
注入装置110で生成された当該金属元素を含むスラリ
ー状の混濁液が輸送配管115を経由して給水ライン5
7に供給され、供給されたスラリーは給水ライン57を
流れる高温水との接触して金属イオン化される。生成さ
れた金属イオンは原子炉圧力容器41内に供給されてジ
ルカロイ燃料被覆管の腐食を抑制する。
110を給水ライン57に接続するようにしたが、金属
元素注入装置110の接続位置は給水ライン57に限定
されるものではなく、例えば再循環ライン50、炉水浄
化ライン53の出口部等のように炉水温度と同程度の高
温水が流れている部位に設置することができる。また、
低温水が流れている低温系であっても、系内の流量が十
分に大きく、微粉末の沈降が無視できるような部位であ
れば金属元素注入装置110を接続することが可能であ
る。
てはジェットポンプによって炉水を強制循環させるタイ
プのBWRを例にとって説明したが、本発明の適用はこ
のタイプのBWRに限られるものではなく、ジェットポ
ンプを持たない自然循環式のBWRや、外部再循環ライ
ンを持たす、インターナルポンプによって炉水を強制循
環させるABWR、さらにはPWRなどを含むすべての
軽水炉、重水炉など、各種の原子力プラントに適用する
ことができる。
カロイ燃料被覆管の使用環境下においてジルカロイ燃料
被覆管の腐食を抑制する金属元素をジルカロイ燃料被覆
管の表面近傍に存在させるようにしたので、ジルカロイ
燃料被覆管の腐食を長期間にわたって防止することがで
きる。
算例を示した図。
た概念図。
置の概略を示した縦断面図。
示した系統図。
統図。
統図。
装置の概略を示した縦断面図。
を示した系統図。
装置の概略を示した縦断面図。
を示した系統図。
Claims (32)
- 【請求項1】ジルカロイ燃料被覆管を有する原子力プラ
ントにおいて、前記ジルカロイ燃料被覆管の使用環境下
において前記ジルカロイ燃料被覆管の腐食を抑制する金
属元素を前記ジルカロイ燃料被覆管の表面近傍に存在さ
せるようにしたことを特徴とする原子力プラント。 - 【請求項2】前記金属元素は前記ジルカロイ燃料被覆管
の使用環境下において複数のイオン価数を取り得ること
を特徴とする請求項1記載の原子力プラント。 - 【請求項3】前記金属元素はセリウム(Ce)、チタン
(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、タング
ステン(W)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(C
u)、錫(Sn)、鉛(Pb)の一群から選ばれた1種
類又は2種類以上の元素であることを特徴とする請求項
1又は請求項2記載の原子力プラント。 - 【請求項4】複数のイオン価数を取り得る前記金属元素
の同位体比を調整し、前記金属元素の放射化による二次
的な放射能の発生を抑制するようにしたことを特徴とす
る請求項2又は請求項3に記載の原子力プラント。 - 【請求項5】前記金属元素は前記ジルカロイ燃料被覆管
の使用前に予め前記ジルカロイ燃料被覆管の表面に付与
されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれ
か一項に記載の原子力プラント。 - 【請求項6】前記金属元素はレーザークラッディング、
メッキ、ドライプレーティング、溶射、イオン注入、ラ
イニングのうちの1又は2以上の技術を用いて前記ジル
カロイ燃料被覆管の表面に付与されたことを特徴とする
請求項5記載の原子力プラント。 - 【請求項7】前記イオン注入技術によって前記ジルカロ
イ燃料被覆管の表面に前記金属元素を注入する場合に注
入量を1×1017個/cm2 以下にしたことを特徴とす
る請求項6記載の原子力プラント。 - 【請求項8】前記ライニング技術によって前記ジルカロ
イ燃料被覆管の表面に100ミクロン以下の厚さの前記
金属元素の薄膜を形成したことを特徴とする請求項6記
載の原子力プラント。 - 【請求項9】前記原子力プラントの系統内において前記
金属元素を発生させる金属元素発生装置を有することを
特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載
の原子力プラント。 - 【請求項10】前記金属元素発生装置は、前記金属元素
を金属、酸化物、水素化物ないしは水酸化物、或いは金
属酸塩のように水素及び酸素の一方若しくは両方を含む
化合物のいずれかの状態として前記原子力プラントの高
温系に設置して高温水を通水し、腐食放出反応によって
前記金属元素を前記高温水中に放出させるようにしたこ
とを特徴とする請求項9に記載の原子力プラント。 - 【請求項11】前記金属元素発生装置は金属メッシュス
クリーンを有するカラムを備えており、前記金属元素は
前記金属メッシュスクリーンによって前記カラムの内部
に保持されていることを特徴とする請求項10記載の原
子力プラント。 - 【請求項12】前記金属元素を微粒子化し、その粒径が
0.1mmから1mmの間に分布するように粒度調整し
たことを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の
原子力プラント。 - 【請求項13】粒度調整された前記金属元素を溶融温度
の半分以上の温度で焼成して焼結状態にしたことを特徴
とする請求項12記載の原子力プラント。 - 【請求項14】前記金属元素発生装置に対して並列にバ
イパスラインを設け、このバイパスラインの途中に流量
調節バルブを設け、この流量調節バルブの開閉度を調節
して前記金属元素発生装置内を流れる高温水の流量を調
節し、これによって前記金属元素の発生量を制御する濃
度制御装置を設けたことを特徴とする請求項9乃至請求
項13のいずれか一項に記載の原子力プラント。 - 【請求項15】前記金属元素発生装置に対して直列に高
圧ポンプを設け、この高圧ポンプの流量を調節して前記
金属元素発生装置内を流れる高温水の流量を調節し、こ
れによって前記金属元素の発生量を制御する濃度制御装
置を設けたことを特徴とする請求項9乃至請求項13の
いずれか一項に記載の原子力プラント。 - 【請求項16】前記原子力プラントは再循環ラインを有
する沸騰水型原子炉であり、前記金属元素発生装置は、
前記沸騰水型原子炉における系統のうち、炉水又は炉水
と略等温の高温水が流れている系統に設けられており、
前記濃度制御装置は、前記再循環ラインを流れる炉水中
の前記金属元素の濃度を測定し、その測定値に応じて前
記流量調節バルブの開閉度又は前記高圧ポンプの流量を
調節して炉水中の前記金属元素の濃度を制御することを
特徴とする請求項14又は請求項15に記載の原子力プ
ラント。 - 【請求項17】前記炉水又は炉水と略等温の高温水が流
れている系統は、再循環ライン、給水ライン、炉水浄化
ラインのいずれかの系統であることを特徴とする請求項
16記載の原子力プラント。 - 【請求項18】前記濃度制御装置はイオンクロマトグラ
フィによって前記金属元素の濃度を測定することを特徴
とする請求項16又は請求項17に記載の原子力プラン
ト。 - 【請求項19】2台の前記金属元素発生装置を並列に設
けたことを特徴とする請求項9乃至請求項18のいずれ
か一項に記載の原子力プラント。 - 【請求項20】前記原子力プラントの系統外から前記金
属元素を系統内に注入する金属元素注入装置を有するこ
とを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に
記載の原子力プラント。 - 【請求項21】前記金属元素注入装置は、前記金属元素
を酸化物、水素化物ないしは水酸化物、或いは金属酸塩
のように水素及び酸素の一方若しくは両方を含む化合物
のいずれかの状態の原料を溶液状態又はスラリー状態に
変態させた後に前記原子力プラントの系統内に注入する
ようにしたことを特徴とする請求項20記載の原子力プ
ラント。 - 【請求項22】前記原料は1ミクロン以下の微粉末状で
あることを特徴とする請求項21記載の原子力プラン
ト。 - 【請求項23】前記金属元素注入装置は、微粉末状の前
記原料を含んだ液体を蓄えたタンクと、このタンク内の
液体を強制的に攪拌して前記原料の沈降を防止するイン
ペラーとを備えていることを特徴とする請求項22記載
の原子力プラント。 - 【請求項24】前記金属元素注入装置は、前記金属元素
からなる金属板又は前記金属元素を一部に含む金属板に
よって構成された複数の電極を有する電解槽を備えてお
り、前記電極に直流電圧を印加して前記金属元素をイオ
ン化するようにしたことを特徴とする請求項20記載の
原子力プラント。 - 【請求項25】前記電極に印加する直流電圧の極性を所
定時間毎に切り換えて前記複数の電極の減肉を均一化す
るようにしたことを特徴とする請求項24記載の原子力
プラント。 - 【請求項26】前記電解槽内の電解液の中に予め炭酸ガ
スを溶解させて電解液を電解質として電極反応を促進す
るようにしたことを特徴とする請求項24又は請求項2
5に記載の原子力プラント。 - 【請求項27】電極反応後の電解液中に脱気ガスを注入
して電解液中に溶解している炭酸ガスを脱気するように
したことを特徴とする請求項26記載の原子力プラン
ト。 - 【請求項28】前記金属元素注入装置に対して直列に流
量調節バルブを設け、この流量調節バルブの開閉度を調
節して前記金属元素の注入量を制御する濃度制御装置を
設けたことを特徴とする請求項20乃至請求項27のい
ずれか一項に記載の原子力プラント。 - 【請求項29】前記金属元素注入装置に対して直列に注
入ポンプを設け、この注入ポンプの流量を調節して前記
金属元素の注入量を制御する濃度制御装置を設けたこと
を特徴とする請求項20乃至請求項27のいずれか一項
に記載の原子力プラント。 - 【請求項30】前記原子力プラントは再循環ラインを有
する沸騰水型原子炉であり、前記濃度制御装置は、前記
再循環ラインを流れる炉水中の前記金属元素の濃度を測
定し、その測定値に応じて前記流量調節バルブの開閉度
又は前記注入ポンプの流量を調節して炉水中の前記金属
元素の濃度を制御することを特徴とする請求項28又は
請求項29に記載の原子力プラント。 - 【請求項31】前記金属元素注入装置は、再循環ライ
ン、給水ライン、炉水浄化ライン等の高温系、或いは復
水浄化ライン等の低温系のいずれかの系統に前記金属元
素を注入する特徴とする請求項30記載の原子力プラン
ト。 - 【請求項32】炉水中における前記金属元素の濃度を5
ppb以下に制限したことを特徴とする請求項1乃至請
求項31のいずれか一項に記載の原子力プラント。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8207437A JPH1048371A (ja) | 1996-08-06 | 1996-08-06 | 原子力プラント |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8207437A JPH1048371A (ja) | 1996-08-06 | 1996-08-06 | 原子力プラント |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1048371A true JPH1048371A (ja) | 1998-02-20 |
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ID=16539760
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8207437A Pending JPH1048371A (ja) | 1996-08-06 | 1996-08-06 | 原子力プラント |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1048371A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003528328A (ja) * | 2000-03-20 | 2003-09-24 | ウェスチングハウス アトム アクチボラゲット | ジルコニウム合金を含む構成部材、該構成部材の製造方法、および該構成部材を含む核プラント |
| KR20160008152A (ko) * | 2012-11-07 | 2016-01-21 | 웨스팅하우스 일렉트릭 컴퍼니 엘엘씨 | 원자로용 지르코늄 클래딩 내로의 고속 열적 적용에 의한 통합된 보호 물질의 침착 |
| KR20160102398A (ko) * | 2013-11-13 | 2016-08-30 | 아레바 인코포레이티드 | 금속 나노재료 층을 포함하는 핵 연료봉 크래딩 |
| JP2017517631A (ja) * | 2014-05-27 | 2017-06-29 | ウエスチングハウス・エレクトリック・カンパニー・エルエルシー | 原子力発電用ジルコニウム合金への金属含有層とクロム含有層とを含む保護被膜の付着 |
| CN117535660A (zh) * | 2023-11-12 | 2024-02-09 | 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 | 用于燃料包壳表面的Cr梯度复合涂层及其制法与应用 |
-
1996
- 1996-08-06 JP JP8207437A patent/JPH1048371A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003528328A (ja) * | 2000-03-20 | 2003-09-24 | ウェスチングハウス アトム アクチボラゲット | ジルコニウム合金を含む構成部材、該構成部材の製造方法、および該構成部材を含む核プラント |
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| US10290383B2 (en) | 2012-11-07 | 2019-05-14 | Westinghouse Electric Company Llc | Deposition of integrated protective material into zirconium cladding for nuclear reactors by high-velocity thermal application |
| US10984919B2 (en) | 2012-11-07 | 2021-04-20 | Westinghouse Electric Company Llc | Deposition of integrated protective material into zirconium cladding for nuclear reactors by high-velocity thermal application |
| KR20160102398A (ko) * | 2013-11-13 | 2016-08-30 | 아레바 인코포레이티드 | 금속 나노재료 층을 포함하는 핵 연료봉 크래딩 |
| JP2017517631A (ja) * | 2014-05-27 | 2017-06-29 | ウエスチングハウス・エレクトリック・カンパニー・エルエルシー | 原子力発電用ジルコニウム合金への金属含有層とクロム含有層とを含む保護被膜の付着 |
| CN117535660A (zh) * | 2023-11-12 | 2024-02-09 | 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 | 用于燃料包壳表面的Cr梯度复合涂层及其制法与应用 |
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