JPH1048390A - 放射性ヨウ素の放射能消滅方法及びその中性子照射装置 - Google Patents
放射性ヨウ素の放射能消滅方法及びその中性子照射装置Info
- Publication number
- JPH1048390A JPH1048390A JP20803896A JP20803896A JPH1048390A JP H1048390 A JPH1048390 A JP H1048390A JP 20803896 A JP20803896 A JP 20803896A JP 20803896 A JP20803896 A JP 20803896A JP H1048390 A JPH1048390 A JP H1048390A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- iodine
- target
- liquid
- neutrons
- solid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】I-129を安定させた状態で中性子照射してより
半減期の短い核種に核変換させる。また、最終廃棄物処
分の負担を軽減させる。 【解決手段】原子力発電所や核燃料再処理工場等の原子
力施設から発生するI-129を含む固体廃棄物1,液体廃
棄物2または廃銀吸着材3から液体ターゲット4または
固体ターゲット5を作製する。この液体ターゲット4ま
たは固体ターゲット5に軽水炉,高速増殖炉,材料試験
炉等の中性子発生施設から熱中性子,熱外中性子,共鳴
中性子,高速中性子などの中性子を照射する。この中性
子照射により長半減期核種のI-129(半減期1.57×107
年)を短半減期のI-130( 12.36時間)に核変換でき
る。
半減期の短い核種に核変換させる。また、最終廃棄物処
分の負担を軽減させる。 【解決手段】原子力発電所や核燃料再処理工場等の原子
力施設から発生するI-129を含む固体廃棄物1,液体廃
棄物2または廃銀吸着材3から液体ターゲット4または
固体ターゲット5を作製する。この液体ターゲット4ま
たは固体ターゲット5に軽水炉,高速増殖炉,材料試験
炉等の中性子発生施設から熱中性子,熱外中性子,共鳴
中性子,高速中性子などの中性子を照射する。この中性
子照射により長半減期核種のI-129(半減期1.57×107
年)を短半減期のI-130( 12.36時間)に核変換でき
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半減期1.57×107 年
を有する放射性ヨウ素(I-129)を中性子照射により消
滅させるための放射性ヨウ素の放射能消滅方法及びその
中性子照射装置に関する。
を有する放射性ヨウ素(I-129)を中性子照射により消
滅させるための放射性ヨウ素の放射能消滅方法及びその
中性子照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力施設から発生する廃棄物の内、現
在最終処分(埋設)が事業化されているものは、青森県
六ヶ所村に建設されている日本原燃の六カ所低レベル放
射性廃棄物埋設センターに受け入れられる原子力発電所
から発生する低レベル放射性廃棄物のみである。この処
分場は、処分場の深度から、浅地中埋設処分の施設と分
類される。
在最終処分(埋設)が事業化されているものは、青森県
六ヶ所村に建設されている日本原燃の六カ所低レベル放
射性廃棄物埋設センターに受け入れられる原子力発電所
から発生する低レベル放射性廃棄物のみである。この処
分場は、処分場の深度から、浅地中埋設処分の施設と分
類される。
【0003】この中で廃棄物中のヨウ素濃度は2.78×10
5 Bq/ton以下と制限されており、他の放射能濃度の制限
を受けている核種の内、最も低い値が取られている。放
射能濃度制限値を越える濃度を持つ廃棄物は現状最終処
分ができない。このような廃棄物については、現在事業
化に向け、深度 100m以上の地層処分を前提とした処分
方策が検討されている最中である。
5 Bq/ton以下と制限されており、他の放射能濃度の制限
を受けている核種の内、最も低い値が取られている。放
射能濃度制限値を越える濃度を持つ廃棄物は現状最終処
分ができない。このような廃棄物については、現在事業
化に向け、深度 100m以上の地層処分を前提とした処分
方策が検討されている最中である。
【0004】I-129を含む廃棄物を地層処分した場合、
ヨウ素の化学的性質と、I-129の半減期から、人工バリ
アおよび天然バリアでの遅延による放射能の減衰はほと
んど期待できない。このため、I-129に起因する処分後
の安全性を高めるためには、処分深度を深くする必要が
あるが、しかし、施設の経済的負担は大きくなるものと
考えられる。
ヨウ素の化学的性質と、I-129の半減期から、人工バリ
アおよび天然バリアでの遅延による放射能の減衰はほと
んど期待できない。このため、I-129に起因する処分後
の安全性を高めるためには、処分深度を深くする必要が
あるが、しかし、施設の経済的負担は大きくなるものと
考えられる。
【0005】我国では、日本原燃の核燃料再処理工場
が、21世紀初頭に本格的な運転開始に向け現在建設中で
ある。核燃料再処理施設では、燃料被覆管中に閉じ込め
られていた核燃料物質や核燃料物質の中性子核反応によ
り生じる核分裂生成物を、燃料要素を剪断溶解すること
により開放する。この際、核分裂生成物の内、気体状の
ものは廃ガス処理系に移行して処理する。
が、21世紀初頭に本格的な運転開始に向け現在建設中で
ある。核燃料再処理施設では、燃料被覆管中に閉じ込め
られていた核燃料物質や核燃料物質の中性子核反応によ
り生じる核分裂生成物を、燃料要素を剪断溶解すること
により開放する。この際、核分裂生成物の内、気体状の
ものは廃ガス処理系に移行して処理する。
【0006】特に、長半減期の放射性同位体を含むヨウ
素についてはオフガス系で銀化合物を用いた吸着材(銀
シリカゲル,銀ゼオライト等)や活性炭等で除去される
処置がとられている。ここで発生する廃棄物は、現在運
転開始している前記放射性廃棄物の処分施設では、最大
放射能濃度の制限から受け入れられず、現在最終処分が
できない廃棄物となる可能性が高い。
素についてはオフガス系で銀化合物を用いた吸着材(銀
シリカゲル,銀ゼオライト等)や活性炭等で除去される
処置がとられている。ここで発生する廃棄物は、現在運
転開始している前記放射性廃棄物の処分施設では、最大
放射能濃度の制限から受け入れられず、現在最終処分が
できない廃棄物となる可能性が高い。
【0007】前述のように原子力施設(特に核燃料再処
理施設)により発生するI-129を含むヨウ素廃棄物は、
最終処分することが困難な状況にあることから、I-129
核種そのものを核変換しその放射能を低減する必要があ
る。この方法として原子炉等の中性子を利用し、I-129
(n,γ)I-130,I-129(n,γ)I-130m,I-129
(n,2n)I-128に代表される中性子核反応により、
より半減期の短い核種に変換する方法が考えられる。
理施設)により発生するI-129を含むヨウ素廃棄物は、
最終処分することが困難な状況にあることから、I-129
核種そのものを核変換しその放射能を低減する必要があ
る。この方法として原子炉等の中性子を利用し、I-129
(n,γ)I-130,I-129(n,γ)I-130m,I-129
(n,2n)I-128に代表される中性子核反応により、
より半減期の短い核種に変換する方法が考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヨウ素
は元素として化学的反応性が強く、揮発性を有すること
から人体に与える影響も大きいため、その取り扱いに多
大の注意を払う必要がある。このため原子炉等で中性子
照射する場合にはよりヨウ素を安定化させた状態で照射
する必要がある。
は元素として化学的反応性が強く、揮発性を有すること
から人体に与える影響も大きいため、その取り扱いに多
大の注意を払う必要がある。このため原子炉等で中性子
照射する場合にはよりヨウ素を安定化させた状態で照射
する必要がある。
【0009】また、今後運転開始される再処理工場やそ
の他の原子力施設から発生するI-129を含むさまざまな
廃棄物に適用するためには、さまざまな形態の廃棄物か
ら化学的にヨウ素を単離できるような回収方法を開発す
る必要がある。
の他の原子力施設から発生するI-129を含むさまざまな
廃棄物に適用するためには、さまざまな形態の廃棄物か
ら化学的にヨウ素を単離できるような回収方法を開発す
る必要がある。
【0010】例えば特開平5-40198 号公報には活性炭に
吸着したI-129を含むヨウ素を化学的または物理的方法
によってヨウ素を単体として回収し、これを石英または
ジルコニウム管内に封入した後、熱中性子炉で照射して
消滅処理する技術が開示されている。
吸着したI-129を含むヨウ素を化学的または物理的方法
によってヨウ素を単体として回収し、これを石英または
ジルコニウム管内に封入した後、熱中性子炉で照射して
消滅処理する技術が開示されている。
【0011】ただしこの公報の技術には、I-129を含む
廃棄物に関しては、I-129の含まれる活性炭からの回収
のみを開示しており、今後運転開始される再処理工場
や、その他の原子力施設から発生するI-129を含むさま
ざまの廃棄物への適用方法は開示されてない。
廃棄物に関しては、I-129の含まれる活性炭からの回収
のみを開示しており、今後運転開始される再処理工場
や、その他の原子力施設から発生するI-129を含むさま
ざまの廃棄物への適用方法は開示されてない。
【0012】また、単体のヨウ素をターゲットとして用
いているため、封入作業を行う際、I-129を含むヨウ素
が気化する可能性があり、封入作業を行うための施設や
設備の負担が大きくなる課題がある。
いているため、封入作業を行う際、I-129を含むヨウ素
が気化する可能性があり、封入作業を行うための施設や
設備の負担が大きくなる課題がある。
【0013】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、中性子照射により長半減期核種のI-129を短
半減期のI-130に核変換させることができる放射性ヨウ
素の放射能消滅方法を提供することにある。
たもので、中性子照射により長半減期核種のI-129を短
半減期のI-130に核変換させることができる放射性ヨウ
素の放射能消滅方法を提供することにある。
【0014】また、本発明は原子力発電所や核燃料再処
理工場などの原子力施設から発生する廃棄物中に含まれ
るI-129を消滅または低減させ、最終廃棄物処分の負担
を軽減できる放射性ヨウ素の放射能消滅方法を提供する
ことにある。
理工場などの原子力施設から発生する廃棄物中に含まれ
るI-129を消滅または低減させ、最終廃棄物処分の負担
を軽減できる放射性ヨウ素の放射能消滅方法を提供する
ことにある。
【0015】さらに、本発明はI-129を中性子照射する
際にターゲットとして使用するI-129を含んだ液体ター
ゲットまたは固体ターゲットをより安定した状態で中性
子照射できるようにするとともにI-129をターゲット被
覆材に封入する作業施設の設備負担を軽減できる放射性
ヨウ素の放射能消滅方法を提供することにある。
際にターゲットとして使用するI-129を含んだ液体ター
ゲットまたは固体ターゲットをより安定した状態で中性
子照射できるようにするとともにI-129をターゲット被
覆材に封入する作業施設の設備負担を軽減できる放射性
ヨウ素の放射能消滅方法を提供することにある。
【0016】また、本発明は安定したヨウ素化合物を含
む液体ターゲットを連続的に安定して中性子照射できる
放射性ヨウ素(I-129)の放射能消滅用中性子照射装置
を提供することにある。
む液体ターゲットを連続的に安定して中性子照射できる
放射性ヨウ素(I-129)の放射能消滅用中性子照射装置
を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ヨウ
素-129(半減期1.57×107 年)を含む液体ターゲットま
たは固体ターゲットを作製し、このターゲットを熱中性
子,熱外中性子,共鳴中性子または高速中性子などの中
性子を発生する施設により中性子照射することを特徴と
する。
素-129(半減期1.57×107 年)を含む液体ターゲットま
たは固体ターゲットを作製し、このターゲットを熱中性
子,熱外中性子,共鳴中性子または高速中性子などの中
性子を発生する施設により中性子照射することを特徴と
する。
【0018】請求項1の発明によれば、長半減期核種の
I-129(半減期1.57×107 年)を含む液体ターゲットま
たは固体ターゲットをI-129消滅用ターゲットとして作
成し、このターゲットを熱中性子,熱外中性子,共鳴中
性子,高速中性子などの中性子で中性子照射すると、半
減期の短い核種のI-130半減期12,36時間)に核変換さ
せることができる。
I-129(半減期1.57×107 年)を含む液体ターゲットま
たは固体ターゲットをI-129消滅用ターゲットとして作
成し、このターゲットを熱中性子,熱外中性子,共鳴中
性子,高速中性子などの中性子で中性子照射すると、半
減期の短い核種のI-130半減期12,36時間)に核変換さ
せることができる。
【0019】I-129は熱中性子の吸収断面積の他に熱外
中性子〜共鳴中性子領域( 0.1〜1000eV)に高い共鳴
吸収積分を持っている(熱中性子吸収断面積27バーン、
共鳴吸収積分30バーン:Mughabghab,S.F.,Divadeenam,
M.,Holden,N.E.,’Nutron Cross Sections,vol.1.Part
A.,pp53-8)。この領域の中性子も含めてI-129に照射す
ることを有効に使用することができる。
中性子〜共鳴中性子領域( 0.1〜1000eV)に高い共鳴
吸収積分を持っている(熱中性子吸収断面積27バーン、
共鳴吸収積分30バーン:Mughabghab,S.F.,Divadeenam,
M.,Holden,N.E.,’Nutron Cross Sections,vol.1.Part
A.,pp53-8)。この領域の中性子も含めてI-129に照射す
ることを有効に使用することができる。
【0020】熱中性子炉での照射を考慮した場合、I-1
29の熱中性子断面積および共鳴吸収積分から、消滅速度
Rは R=σφ+λ で表される。
29の熱中性子断面積および共鳴吸収積分から、消滅速度
Rは R=σφ+λ で表される。
【0021】ただし、σは中性子吸収断面積、φは中性
子束、λは崩壊定数である。ここで、熱外中性子〜共鳴
中性子領域で共鳴吸収の起こる中性子束を熱中性子束の
0.4倍と仮定すると、研究用の出力の小さい原子炉〔熱
中性子束3E11(中性子/cm3 /秒)と仮定〕では消滅
速度γlは、γl=3E11×39.8E−24+λ=1.24E1
1(/秒)である。
子束、λは崩壊定数である。ここで、熱外中性子〜共鳴
中性子領域で共鳴吸収の起こる中性子束を熱中性子束の
0.4倍と仮定すると、研究用の出力の小さい原子炉〔熱
中性子束3E11(中性子/cm3 /秒)と仮定〕では消滅
速度γlは、γl=3E11×39.8E−24+λ=1.24E1
1(/秒)である。
【0022】この時のI-129が1/2 に減少するまでの時
間は、1769年となる。この値はI-129の半減期である1.
57E7年よりもかなり短く、中性子発生施設でのI-129
の照射がI-129の低減に有効であることが分かる。
間は、1769年となる。この値はI-129の半減期である1.
57E7年よりもかなり短く、中性子発生施設でのI-129
の照射がI-129の低減に有効であることが分かる。
【0023】請求項2の発明は、前記ヨウ素-129は、原
子力発電所または核燃料再処理工場等の原子力施設から
発生する廃棄物中に含まれるものであることを特徴とす
る。請求項2の発明によれば、原子力発電所や核燃料再
処理工場等の原子力施設から発生する廃棄物中のI-129
を中性子照射によって消滅させることにより、廃棄物の
最終処分の負担を軽減できる。
子力発電所または核燃料再処理工場等の原子力施設から
発生する廃棄物中に含まれるものであることを特徴とす
る。請求項2の発明によれば、原子力発電所や核燃料再
処理工場等の原子力施設から発生する廃棄物中のI-129
を中性子照射によって消滅させることにより、廃棄物の
最終処分の負担を軽減できる。
【0024】請求項3の発明は、前記液体ターゲット
は、前記ヨウ素-129を水酸化カリウム水溶液に溶解した
液体からなることを特徴とする。請求項3の発明によれ
ば、I-129を水酸化カリウム水溶液にイオンとして安定
化させた液体ターゲットを作製することができる。
は、前記ヨウ素-129を水酸化カリウム水溶液に溶解した
液体からなることを特徴とする。請求項3の発明によれ
ば、I-129を水酸化カリウム水溶液にイオンとして安定
化させた液体ターゲットを作製することができる。
【0025】アルカリ溶液として水酸化ナトリウム溶液
ではなく、とくに水酸化カリウム溶液を使用する理由
は、水酸化カリウムを使用する方が水酸化ナトリウムを
使用した場合に比較して、必然的に発生する放射性核種
の半減期が短く(K−42:半減期12,36時間,Na−2
2:半減期2,6年)、未反応のI-129を回収する際の
発生放射能の減衰する時間が短くなるためである。
ではなく、とくに水酸化カリウム溶液を使用する理由
は、水酸化カリウムを使用する方が水酸化ナトリウムを
使用した場合に比較して、必然的に発生する放射性核種
の半減期が短く(K−42:半減期12,36時間,Na−2
2:半減期2,6年)、未反応のI-129を回収する際の
発生放射能の減衰する時間が短くなるためである。
【0026】請求項4の発明は、前記液体ターゲット
は、前記原子力施設の液体廃棄物中からその溶液中のヨ
ウ素の化学形態がI- となるように酸化還元処理し、硝
酸銀を添加して溶液中のヨウ素をヨウ化銀として回収し
た後、水素気流中で高温処理して気体状I2 を発生さ
せ、この気体状I2 を水酸化カリウム水溶液に溶解した
液体からなることを特徴とする。
は、前記原子力施設の液体廃棄物中からその溶液中のヨ
ウ素の化学形態がI- となるように酸化還元処理し、硝
酸銀を添加して溶液中のヨウ素をヨウ化銀として回収し
た後、水素気流中で高温処理して気体状I2 を発生さ
せ、この気体状I2 を水酸化カリウム水溶液に溶解した
液体からなることを特徴とする。
【0027】請求項5の発明は、前記液体ターゲット
は、前記原子力施設の廃棄物中に含まれる廃銀吸着材を
水素気流中で高温処理して気体状I2 を発生させ、この
気体状I2 を水酸化カリウム水溶液に溶解した液体から
なることを特徴とする。
は、前記原子力施設の廃棄物中に含まれる廃銀吸着材を
水素気流中で高温処理して気体状I2 を発生させ、この
気体状I2 を水酸化カリウム水溶液に溶解した液体から
なることを特徴とする。
【0028】請求項6の発明は、前記液体ターゲット
は、前記原子力施設から発生するヨウ素129 を含む固体
廃棄物を酸洗またはアルカリ溶解した後、アルカリ溶解
後は水を添加して溶液とし、この溶液または前記酸洗後
の溶液中のヨウ素の化学形態がI- となるように亜ニチ
オン酸またはチオ硫酸ナトリウムにより酸化還元処理し
た後、硝酸銀を添加し溶液中のヨウ素をヨウ化銀として
回収し、つぎに水素気流中で高温処理して気体状I2 を
発生させ、この気体状I2 を水酸化カリウム水溶液に溶
解した液体からなることを特徴とする。
は、前記原子力施設から発生するヨウ素129 を含む固体
廃棄物を酸洗またはアルカリ溶解した後、アルカリ溶解
後は水を添加して溶液とし、この溶液または前記酸洗後
の溶液中のヨウ素の化学形態がI- となるように亜ニチ
オン酸またはチオ硫酸ナトリウムにより酸化還元処理し
た後、硝酸銀を添加し溶液中のヨウ素をヨウ化銀として
回収し、つぎに水素気流中で高温処理して気体状I2 を
発生させ、この気体状I2 を水酸化カリウム水溶液に溶
解した液体からなることを特徴とする。
【0029】請求項4から6の発明によれば原子力発電
所や核燃料再処理工場等の原子力施設から発生する廃棄
物からI-129を含むヨウ素を抽出回収する。水素気流中
で回収物を高温処理して気体状ヨウ素を発生させ、水酸
化カリウム溶液に吸収溶解することにより、容易に液体
ターゲットを作製することができる。
所や核燃料再処理工場等の原子力施設から発生する廃棄
物からI-129を含むヨウ素を抽出回収する。水素気流中
で回収物を高温処理して気体状ヨウ素を発生させ、水酸
化カリウム溶液に吸収溶解することにより、容易に液体
ターゲットを作製することができる。
【0030】請求項7の発明は、前記固体ターゲットは
前記ヨウ素-129を含むヨウ素をヨウ化鉛およびヨウ化セ
リウムの化合物として前記中性子照射中に発生するキセ
ノンガスの内圧に耐え得る被覆材としての封入管内に封
入したものからなることを特徴とする。
前記ヨウ素-129を含むヨウ素をヨウ化鉛およびヨウ化セ
リウムの化合物として前記中性子照射中に発生するキセ
ノンガスの内圧に耐え得る被覆材としての封入管内に封
入したものからなることを特徴とする。
【0031】請求項7の発明によれば、気体状ヨウ素
(I-129を含む)を高温で、鉛(150℃)、セリウム(
200℃以上)等と反応させ、不揮発性のヨウ化鉛,ヨウ
化セリウム等の固体ターゲット用化合物を作製すること
ができる。
(I-129を含む)を高温で、鉛(150℃)、セリウム(
200℃以上)等と反応させ、不揮発性のヨウ化鉛,ヨウ
化セリウム等の固体ターゲット用化合物を作製すること
ができる。
【0032】固体ターゲットとしては、ヨウ化銀等も候
補として挙げられるが、鉛の安定同位体の中性子吸収断
面積と、銀の中性子吸収断面積から、鉛化合物を使用し
た方が、中性子照射により生成する放射能量が小さく、
照射済み固体ターゲット中から未反応のI-129を回収す
る際、より安全な操作が行える。
補として挙げられるが、鉛の安定同位体の中性子吸収断
面積と、銀の中性子吸収断面積から、鉛化合物を使用し
た方が、中性子照射により生成する放射能量が小さく、
照射済み固体ターゲット中から未反応のI-129を回収す
る際、より安全な操作が行える。
【0033】なお、セリウムを用いた場合でも半減期の
短い核種しか生じる可能性はなく、放射能の減衰時間を
考慮することで照射後の処理が安全に行うことができ
る。
短い核種しか生じる可能性はなく、放射能の減衰時間を
考慮することで照射後の処理が安全に行うことができ
る。
【0034】また、固体ターゲットに中性子を照射した
際、キセノンガスが発生する。このキセノンの発生によ
り固体ターゲットを封入した封入管の内部圧力は上昇す
る。内部圧力の上昇により封入管は破損する恐れがあ
る。
際、キセノンガスが発生する。このキセノンの発生によ
り固体ターゲットを封入した封入管の内部圧力は上昇す
る。内部圧力の上昇により封入管は破損する恐れがあ
る。
【0035】封入管の破損は固体ターゲット中のI-129
の外部への放出を引き起こす可能性があるため、封入管
内部の圧力上昇に耐え得るステンレス鋼またはジルカロ
イ等を封入管の被覆材料として使用する。これにより封
入管の破損を防止できる。
の外部への放出を引き起こす可能性があるため、封入管
内部の圧力上昇に耐え得るステンレス鋼またはジルカロ
イ等を封入管の被覆材料として使用する。これにより封
入管の破損を防止できる。
【0036】請求項8の発明は、前記封入管は内部に前
記固体ターゲットを充填し、この固体ターゲットの外側
に隔壁を介して水,重水,黒鉛またはポリエチレンの少
なくとも一種を充填した同心円状二重管からなることを
特徴とする。
記固体ターゲットを充填し、この固体ターゲットの外側
に隔壁を介して水,重水,黒鉛またはポリエチレンの少
なくとも一種を充填した同心円状二重管からなることを
特徴とする。
【0037】請求項8の発明によれば、封入管を内管お
よび外管からなる同心円状二重管とし、外管内に水また
は重水,黒鉛またはポリエチレンを充填することによ
り、中・高速中性子を熱中性子化させ、内管内の固体タ
ーゲット中のI-129の核反応効率を向上させることがで
きる。
よび外管からなる同心円状二重管とし、外管内に水また
は重水,黒鉛またはポリエチレンを充填することによ
り、中・高速中性子を熱中性子化させ、内管内の固体タ
ーゲット中のI-129の核反応効率を向上させることがで
きる。
【0038】請求項9の発明は、前記固体ターゲットは
前記原子力施設の前記ヨウ素-129を含む排気系の廃銀吸
着材を水素気流中で高温処理して気体状I2 を発生さ
せ、この気体状I2 を高温で鉛またはセリウムと反応さ
せてヨウ化鉛またはヨウ化セリウムとした固体からなる
ことを特徴とする。
前記原子力施設の前記ヨウ素-129を含む排気系の廃銀吸
着材を水素気流中で高温処理して気体状I2 を発生さ
せ、この気体状I2 を高温で鉛またはセリウムと反応さ
せてヨウ化鉛またはヨウ化セリウムとした固体からなる
ことを特徴とする。
【0039】請求項9の発明によれば、廃銀吸着材(銀
添着シリカゲル,銀添着活性炭等)は直接水素気流中で
高温処理することにより、気体状ヨウ素(HI,I2 )
を発生させ、水酸化カリウム溶液に吸収溶解させること
ができ、排気系の廃銀吸着材を有効利用できる。
添着シリカゲル,銀添着活性炭等)は直接水素気流中で
高温処理することにより、気体状ヨウ素(HI,I2 )
を発生させ、水酸化カリウム溶液に吸収溶解させること
ができ、排気系の廃銀吸着材を有効利用できる。
【0040】請求項10の発明は、前記固体ターゲットは
前記原子力施設から発生するヨウ素-129を含む液体廃棄
物を溶液中のヨウ素の化学形態がI- となるように酸化
還元処理した後、硝酸銀を添加し溶液中のヨウ素をヨウ
化銀として回収し、つぎに水素気流中で高温処理して気
体状I2 を発生させ、この気体状I2 を鉛またはセリウ
ムと反応させてヨウ化鉛またはヨウ化セリウムとした固
体からなることを特徴とする。
前記原子力施設から発生するヨウ素-129を含む液体廃棄
物を溶液中のヨウ素の化学形態がI- となるように酸化
還元処理した後、硝酸銀を添加し溶液中のヨウ素をヨウ
化銀として回収し、つぎに水素気流中で高温処理して気
体状I2 を発生させ、この気体状I2 を鉛またはセリウ
ムと反応させてヨウ化鉛またはヨウ化セリウムとした固
体からなることを特徴とする。
【0041】請求項11の発明は、前記固体ターゲットは
前記原子力施設から発生するヨウ素-129を含む固体廃棄
物を酸洗浄またはアルカリ溶解した後、アルカリ溶解し
た後は水を添加した溶液または酸洗浄した溶液中のヨウ
素の化学形態がI- となるように酸化還元処理した後、
硝酸銀を添加し溶液中のヨウ素をヨウ化銀として回収
し、つぎに水素気流中で高温処理して気体状I2 を発生
させ、この気体状I2 を鉛またはセリウムと反応させて
ヨウ化鉛またはヨウ化セリウムとした固体からなること
を特徴とする。
前記原子力施設から発生するヨウ素-129を含む固体廃棄
物を酸洗浄またはアルカリ溶解した後、アルカリ溶解し
た後は水を添加した溶液または酸洗浄した溶液中のヨウ
素の化学形態がI- となるように酸化還元処理した後、
硝酸銀を添加し溶液中のヨウ素をヨウ化銀として回収
し、つぎに水素気流中で高温処理して気体状I2 を発生
させ、この気体状I2 を鉛またはセリウムと反応させて
ヨウ化鉛またはヨウ化セリウムとした固体からなること
を特徴とする。
【0042】請求項10および11の発明によれば、原子力
発電所や核燃料再処理工場等の原子力施設から発生する
固体または液体廃棄物からI-129を含むヨウ素を回収し
固体ターゲットにできる。
発電所や核燃料再処理工場等の原子力施設から発生する
固体または液体廃棄物からI-129を含むヨウ素を回収し
固体ターゲットにできる。
【0043】また、廃銀吸着材(銀添着シリカゲル,銀
添着活性炭等)の場合には、直接水素気流中で高温処理
することにより、気体状ヨウ素(HI,I2 )を発生さ
せ、以後同様にして液体または固体ターゲットにでき
る。
添着活性炭等)の場合には、直接水素気流中で高温処理
することにより、気体状ヨウ素(HI,I2 )を発生さ
せ、以後同様にして液体または固体ターゲットにでき
る。
【0044】すなわち、I-129を含む液体廃棄物の場合
には、溶液中のヨウ素の化学形態がI−になるよう酸化
還元処理し、硝酸銀を添加し溶液中のヨウ素をヨウ化銀
として回収する。その後水素気流中で回収物を高温処理
することにより、気体状ヨウ素(HI,I2 )を発生さ
せる。
には、溶液中のヨウ素の化学形態がI−になるよう酸化
還元処理し、硝酸銀を添加し溶液中のヨウ素をヨウ化銀
として回収する。その後水素気流中で回収物を高温処理
することにより、気体状ヨウ素(HI,I2 )を発生さ
せる。
【0045】I-129を含む固体廃棄物の場合には、酸洗
浄もしくはアルカリ融解した後、得られた溶解(アルカ
リ融解後は水を添加し溶液とする)中のヨウ素の化学形
態がI−になるよう酸化還元処理した後、硝酸銀を添加
し溶液中のヨウ素をヨウ化銀として回収し、つぎに水素
気流中で高温処理することにより気体状ヨウ素を発生さ
せることができる。
浄もしくはアルカリ融解した後、得られた溶解(アルカ
リ融解後は水を添加し溶液とする)中のヨウ素の化学形
態がI−になるよう酸化還元処理した後、硝酸銀を添加
し溶液中のヨウ素をヨウ化銀として回収し、つぎに水素
気流中で高温処理することにより気体状ヨウ素を発生さ
せることができる。
【0046】請求項12の発明は、前記固体ターゲットを
被覆材としての封入管内に封入して中性子照射した後、
120日以上放置し、つぎに前記封入管を開封して未照射
のヨウ素-129を回収することを特徴とする。
被覆材としての封入管内に封入して中性子照射した後、
120日以上放置し、つぎに前記封入管を開封して未照射
のヨウ素-129を回収することを特徴とする。
【0047】請求項12の発明によれば、中性子の照射に
より封入管内部にはキセノンガスが発生するが、発生す
るキセノンの中には放射性のキセノンガスXe-131mも
含まれる。固体ターゲットから未反応のI-129を再び回
収する際には、放射性ガスを減衰させることは、作業員
被ばくの観点から重要となる。Xe-131mの放射能を一
定期間放置することで減衰させた後に、固体ターゲット
から未反応のI-129を回収することができる。
より封入管内部にはキセノンガスが発生するが、発生す
るキセノンの中には放射性のキセノンガスXe-131mも
含まれる。固体ターゲットから未反応のI-129を再び回
収する際には、放射性ガスを減衰させることは、作業員
被ばくの観点から重要となる。Xe-131mの放射能を一
定期間放置することで減衰させた後に、固体ターゲット
から未反応のI-129を回収することができる。
【0048】請求項13の発明は、熱中性子,熱外中性子
または高速中性子を発生させる中性子発生施設と、この
中性子発生施設からの中性子を液体ターゲットに照射す
る照射セクションと、この照射セクションに前記液体タ
ーゲットが流入するように前記液体ターゲットを循環さ
せる液体ターゲット循環ライン配管とを具備したことを
特徴とする。
または高速中性子を発生させる中性子発生施設と、この
中性子発生施設からの中性子を液体ターゲットに照射す
る照射セクションと、この照射セクションに前記液体タ
ーゲットが流入するように前記液体ターゲットを循環さ
せる液体ターゲット循環ライン配管とを具備したことを
特徴とする。
【0049】請求項13の発明によれば、液体ターゲット
を中性子照射セクションを循環させながらより安定化さ
せた状態で中性子照射することができ、液体ターゲット
中のI-129の核反応効率を向上させることができる。
を中性子照射セクションを循環させながらより安定化さ
せた状態で中性子照射することができ、液体ターゲット
中のI-129の核反応効率を向上させることができる。
【0050】請求項14の発明は、前記液体ターゲット循
環ライン配管は循環ポンプにより前記液体ターゲットが
流れる内管と、この内管の外側に設けられ水または重水
が流れる外管とを有する同心円状二重管ループからなる
ことを特徴とする。
環ライン配管は循環ポンプにより前記液体ターゲットが
流れる内管と、この内管の外側に設けられ水または重水
が流れる外管とを有する同心円状二重管ループからなる
ことを特徴とする。
【0051】請求項14の発明によれば、液体ターゲット
を循環させる配管としてステンレス鋼等のアルカリ性に
耐久性を持つ配管を二重にして外管に水または重水を中
性子減速材として循環させ、中・高速中性子を熱中性子
化させ、内管内の液体ターゲット中のI-129の核反応率
を向上させることができる。
を循環させる配管としてステンレス鋼等のアルカリ性に
耐久性を持つ配管を二重にして外管に水または重水を中
性子減速材として循環させ、中・高速中性子を熱中性子
化させ、内管内の液体ターゲット中のI-129の核反応率
を向上させることができる。
【0052】請求項15の発明は、前記液体ターゲット循
環ラインは内側に液体ターゲットが流れる内管と、この
内管の外側に黒鉛またはポリエチレンが充填された外管
とを有することを特徴とする。
環ラインは内側に液体ターゲットが流れる内管と、この
内管の外側に黒鉛またはポリエチレンが充填された外管
とを有することを特徴とする。
【0053】請求項15の発明によれば、液体ターゲット
を循環させる配管としてステンレス鋼等のアルカリ性に
耐久性を持つ配管を二重にして外管と内管との間に黒鉛
またはポリエチレンを充填すると、中・高速中性子を熱
中性子化させ、内管内の液体ターゲット中のI-129の核
反応効率を向上させることができる。
を循環させる配管としてステンレス鋼等のアルカリ性に
耐久性を持つ配管を二重にして外管と内管との間に黒鉛
またはポリエチレンを充填すると、中・高速中性子を熱
中性子化させ、内管内の液体ターゲット中のI-129の核
反応効率を向上させることができる。
【0054】請求項16の発明は、前記液体ターゲット循
環ライン配管にGe半導体検出器またはNaI(Tl)
シンチレーション検出器による放射線測定モニターを設
けてなることを特徴とする。
環ライン配管にGe半導体検出器またはNaI(Tl)
シンチレーション検出器による放射線測定モニターを設
けてなることを特徴とする。
【0055】請求項16の発明によれば、I-129の消滅低
減の度合いは放射化によって生成するI-130(γ線エネ
ルギー536 keV)の放射能濃度をGe半導体検出器ま
たはNaI(Tl)シンチレーション検出器によって測
定し、容易にモニタリングできるので、液体ターゲット
を安全に中性子照射できる。
減の度合いは放射化によって生成するI-130(γ線エネ
ルギー536 keV)の放射能濃度をGe半導体検出器ま
たはNaI(Tl)シンチレーション検出器によって測
定し、容易にモニタリングできるので、液体ターゲット
を安全に中性子照射できる。
【0056】請求項17の発明は、前記液体ターゲット循
環ライン配管に熱交換器,気液分離装置,液体ターゲッ
トの注入口,液体ターゲット抽出口および循環ポンプを
設けてなることを特徴とする。
環ライン配管に熱交換器,気液分離装置,液体ターゲッ
トの注入口,液体ターゲット抽出口および循環ポンプを
設けてなることを特徴とする。
【0057】請求項17の発明によれば、液体ターゲット
を循環ポンプにより連続的に循環できるため、常に安定
した状態で中性子照射できる。また、I-129および安定
ヨウ素(I-127)の放射化により最終的にキセノン(X
e)が発生するが、これを溶液から除去するため、気液
分離器によりキセノンガス等を系外に除去できる。
を循環ポンプにより連続的に循環できるため、常に安定
した状態で中性子照射できる。また、I-129および安定
ヨウ素(I-127)の放射化により最終的にキセノン(X
e)が発生するが、これを溶液から除去するため、気液
分離器によりキセノンガス等を系外に除去できる。
【0058】さらに、熱交換器により液体ターゲットの
温度調節を行うことができ、また気液分離器により中性
子照射により発生するXeガス等を除去することができ
るとともに、放射線被ばく低減に有効となる。
温度調節を行うことができ、また気液分離器により中性
子照射により発生するXeガス等を除去することができ
るとともに、放射線被ばく低減に有効となる。
【0059】
【発明の実施の形態】図1により本発明に係る放射性ヨ
ウ素の放射能消滅方法の実施の形態を説明する。
ウ素の放射能消滅方法の実施の形態を説明する。
【0060】I-129を中性子照射して消滅させるために
は中性子照射されるI-129を含んだものを液体または固
体状のI-129消滅用ターゲットに作製する必要がある。
図1はI-129を含む消滅用ターゲットを作製する工程の
概略を示している。
は中性子照射されるI-129を含んだものを液体または固
体状のI-129消滅用ターゲットに作製する必要がある。
図1はI-129を含む消滅用ターゲットを作製する工程の
概略を示している。
【0061】図1において、固体廃棄物1および液体廃
棄物2は原子力発電所や核燃料再処理工場等の原子力施
設から発生する放射性廃棄物であり、また廃銀吸着材3
は同じく原子力施設のオフガス系でヨウ素を除去するた
めに銀化合物を使用した際に発生する放射性廃棄物であ
る。固体廃棄物1,液体廃棄物2および廃銀吸着材3中
には長半減期核種のI-129(半減期1.57×10年)が含ま
れている。
棄物2は原子力発電所や核燃料再処理工場等の原子力施
設から発生する放射性廃棄物であり、また廃銀吸着材3
は同じく原子力施設のオフガス系でヨウ素を除去するた
めに銀化合物を使用した際に発生する放射性廃棄物であ
る。固体廃棄物1,液体廃棄物2および廃銀吸着材3中
には長半減期核種のI-129(半減期1.57×10年)が含ま
れている。
【0062】このI-129が含まれている固体廃棄物1お
よび液体廃棄物2を図1に示す工程により消滅用ターゲ
ットとして液体ターゲット4または固体ターゲット5に
作製する。液体ターゲット4および固体ターゲット5を
作製する方法は大別して固体廃棄物1,液体廃棄物2お
よび廃銀吸着材3を出発原料とする三通りの方法があ
る。
よび液体廃棄物2を図1に示す工程により消滅用ターゲ
ットとして液体ターゲット4または固体ターゲット5に
作製する。液体ターゲット4および固体ターゲット5を
作製する方法は大別して固体廃棄物1,液体廃棄物2お
よび廃銀吸着材3を出発原料とする三通りの方法があ
る。
【0063】まず、固体廃棄物1を出発原料として液体
ターゲット4を作成する場合には、固体廃棄物1を酸に
浸漬し酸溶解6を行う。つぎに還元剤7および硝酸銀
(AgNO3 )8で処理し、固液分離して液相9と固相
10に分離する。
ターゲット4を作成する場合には、固体廃棄物1を酸に
浸漬し酸溶解6を行う。つぎに還元剤7および硝酸銀
(AgNO3 )8で処理し、固液分離して液相9と固相
10に分離する。
【0064】分離した固相10をN2 +H2 ガス中で加熱
し気体状I2 11を発生させる。この気体状I2 11を水酸
化カリウム(KOH)にバブリングして溶解し液体ター
ゲット4とする。
し気体状I2 11を発生させる。この気体状I2 11を水酸
化カリウム(KOH)にバブリングして溶解し液体ター
ゲット4とする。
【0065】固体廃棄物1から固体ターゲット5を作製
する場合には上記固体廃棄物1から液体ターゲット4の
作製工程において気体状I2 11を 200℃でPb化合物に
吸着して固体ターゲット5とする。
する場合には上記固体廃棄物1から液体ターゲット4の
作製工程において気体状I2 11を 200℃でPb化合物に
吸着して固体ターゲット5とする。
【0066】液体廃棄物2から液体ターゲット4または
固体ターゲット5を作製する方法は前記固体廃棄物1か
らの方法において、酸溶解6までの工程を省略して殆ど
同様の工程をたどる。
固体ターゲット5を作製する方法は前記固体廃棄物1か
らの方法において、酸溶解6までの工程を省略して殆ど
同様の工程をたどる。
【0067】また、廃銀吸着材3を出発原料として液体
ターゲット4または固体ターゲット5を作製する場合は
固体廃棄物1または液体廃棄物2を出発原料とした方法
において、酸溶解6および固液分離による固相10,12ま
での工程を省略して直接、N2 +H2 ガス中で加熱する
工程から行う。そして、以後の工程は固体廃棄物1また
は液体廃棄物2からの工程に準じて行う。
ターゲット4または固体ターゲット5を作製する場合は
固体廃棄物1または液体廃棄物2を出発原料とした方法
において、酸溶解6および固液分離による固相10,12ま
での工程を省略して直接、N2 +H2 ガス中で加熱する
工程から行う。そして、以後の工程は固体廃棄物1また
は液体廃棄物2からの工程に準じて行う。
【0068】図1のようにして作製した液体ターゲット
4または固体ターゲット5に中性子を照射する。この中
性子照射により液体ターゲット4または固体ターゲット
5中に含まれるI-129は半減期の短い核種に変換させる
ことができる。中性子発生源としては軽水炉,高速増殖
炉,材料試験炉(JMTR)などの原子炉から発生する
熱中性子,熱外中性子,共鳴中性子,高速中性子などで
ある。
4または固体ターゲット5に中性子を照射する。この中
性子照射により液体ターゲット4または固体ターゲット
5中に含まれるI-129は半減期の短い核種に変換させる
ことができる。中性子発生源としては軽水炉,高速増殖
炉,材料試験炉(JMTR)などの原子炉から発生する
熱中性子,熱外中性子,共鳴中性子,高速中性子などで
ある。
【0069】中性子照射がI-129の放射能低減に有効で
ある一例は、前述したとおりである。これをその他の原
子炉についての適用を検討すると以下のように有効性を
表すことができる。一般の軽水炉の熱中性子束を 3.5E
13(中性子/cm3 /秒)とし、熱外中性子領域で共鳴の
起こる中性子束を熱中性子束の 0.4倍と仮定すると、I
-129が 1/2に減少するまでの時間は、前項の課題を解決
するための手段で述べた場合と同様の計算から 7.6年と
なる。また、熱中性子束の非常に大きいJMTRでは
(熱中性子束8E14(中性子/cm3 /秒)と仮定)同様
の計算から0.66年となり、本発明が有効であると考えら
れる。また高速増殖炉でも、同様にI-129の中性子照射
が、I-129の半減期を短くできる。
ある一例は、前述したとおりである。これをその他の原
子炉についての適用を検討すると以下のように有効性を
表すことができる。一般の軽水炉の熱中性子束を 3.5E
13(中性子/cm3 /秒)とし、熱外中性子領域で共鳴の
起こる中性子束を熱中性子束の 0.4倍と仮定すると、I
-129が 1/2に減少するまでの時間は、前項の課題を解決
するための手段で述べた場合と同様の計算から 7.6年と
なる。また、熱中性子束の非常に大きいJMTRでは
(熱中性子束8E14(中性子/cm3 /秒)と仮定)同様
の計算から0.66年となり、本発明が有効であると考えら
れる。また高速増殖炉でも、同様にI-129の中性子照射
が、I-129の半減期を短くできる。
【0070】I-129消滅用ターゲットとして、液体ター
ゲットを作製する際の、ヨウ素ガスを吸収安定化させる
アルカリ溶液の候補としては、水酸化ナトリウム溶液,
水酸化カリウム溶液などが挙げられる。本発明がアルカ
リ溶液として特に水酸化カリウム溶液を用いる理由は、
以下の通りである。
ゲットを作製する際の、ヨウ素ガスを吸収安定化させる
アルカリ溶液の候補としては、水酸化ナトリウム溶液,
水酸化カリウム溶液などが挙げられる。本発明がアルカ
リ溶液として特に水酸化カリウム溶液を用いる理由は、
以下の通りである。
【0071】水酸化カリウムと水酸化ナトリウムを用い
た場合、中性子との反応により、後者が Na−23(n,2n)Na−22 の反応により、半減期が 2.6年である放射性Na−22が
生成する。
た場合、中性子との反応により、後者が Na−23(n,2n)Na−22 の反応により、半減期が 2.6年である放射性Na−22が
生成する。
【0072】一方、水酸化カリウムを使用した場合は中
性子により生成する放射性カリウムの中で最も長い半減
期を持つK−42でも半減期は 12.36時間と短い。即ち、
水酸化カリウムを用いることで必然的に発生する放射性
核種の半減期を、より短くできる。
性子により生成する放射性カリウムの中で最も長い半減
期を持つK−42でも半減期は 12.36時間と短い。即ち、
水酸化カリウムを用いることで必然的に発生する放射性
核種の半減期を、より短くできる。
【0073】この水酸化カリウム溶液の利用により、原
子炉炉心と原子炉外を循環させる照射ループを構成する
ことが可能となった。このことによりヨウ素濃度のコン
トロールやI-129の消滅核反応の進展状況が直接監視で
き、固体ターゲット照射のように照射試料の交換もな
く、連続的に消滅することができる。またI-129以外の
中性子照射による核変換消滅が可能な核種に対しても核
種注入が可能となる。
子炉炉心と原子炉外を循環させる照射ループを構成する
ことが可能となった。このことによりヨウ素濃度のコン
トロールやI-129の消滅核反応の進展状況が直接監視で
き、固体ターゲット照射のように照射試料の交換もな
く、連続的に消滅することができる。またI-129以外の
中性子照射による核変換消滅が可能な核種に対しても核
種注入が可能となる。
【0074】I-129消滅用ターゲットとして、固体ター
ゲットに、本発明の実施の形態による化合物以外に、再
処理オフガスから発生する銀を用いたヨウ素吸着材をそ
のまま用いることも考えられる。しかし、銀化合物を用
いた場合は、銀の中性子吸収により、放射性のAg− 1
08m(半減期 127年)、Ag− 110m(半減期 250日)
が生成する(これらの中性子吸収断面積それぞれ3およ
び 4.5バーン)。
ゲットに、本発明の実施の形態による化合物以外に、再
処理オフガスから発生する銀を用いたヨウ素吸着材をそ
のまま用いることも考えられる。しかし、銀化合物を用
いた場合は、銀の中性子吸収により、放射性のAg− 1
08m(半減期 127年)、Ag− 110m(半減期 250日)
が生成する(これらの中性子吸収断面積それぞれ3およ
び 4.5バーン)。
【0075】一方、鉛化合物を用いた場合でも放射性核
種は生成するが、鉛の中性子吸収断面積は非常に小さく
(放射性核種の生じる反応断面積は最大で 0.661バー
ン)、銀を用いた場合よりも発生する放射能量は小さ
い。また、セリウムを用いた場合でも半減期の短い核種
(最長で半減期 138日のCe-139)しか生じる可能性は
なく、放射能の減衰時間を考慮することにより照射後の
処理を安全かつ容易に行うことができる。
種は生成するが、鉛の中性子吸収断面積は非常に小さく
(放射性核種の生じる反応断面積は最大で 0.661バー
ン)、銀を用いた場合よりも発生する放射能量は小さ
い。また、セリウムを用いた場合でも半減期の短い核種
(最長で半減期 138日のCe-139)しか生じる可能性は
なく、放射能の減衰時間を考慮することにより照射後の
処理を安全かつ容易に行うことができる。
【0076】I-129を吸着させた銀添着シリカゲル,銀
添着活性炭等を水素気流中で高温処理することにより、
気体状ヨウ素(HI,I2 )を発生させることができ
る。現在、原子力発電所や核燃料再処理工場等の原子力
施設のオフガス系には、ヨウ素除去のため、銀化合物を
使用した吸着材(銀添着シリカゲル,銀添着ゼオライ
ト,銀添着活性炭)が用いられている。
添着活性炭等を水素気流中で高温処理することにより、
気体状ヨウ素(HI,I2 )を発生させることができ
る。現在、原子力発電所や核燃料再処理工場等の原子力
施設のオフガス系には、ヨウ素除去のため、銀化合物を
使用した吸着材(銀添着シリカゲル,銀添着ゼオライ
ト,銀添着活性炭)が用いられている。
【0077】この操作により、これらすべてのヨウ素用
吸着材すべてからヨウ素を回収することができる。ま
た、化学的および物理的な方法で、I-129を液体廃棄物
および固体廃棄物から回収することにより、原子力発電
所や核燃料再処理工場等の原子力施設から発生するほと
んどの廃棄物のI-129を低減できる。
吸着材すべてからヨウ素を回収することができる。ま
た、化学的および物理的な方法で、I-129を液体廃棄物
および固体廃棄物から回収することにより、原子力発電
所や核燃料再処理工場等の原子力施設から発生するほと
んどの廃棄物のI-129を低減できる。
【0078】I-129の中性子照射によりキセノンガスが
発生する。固体ターゲットを使用する場合には、発生す
るキセノンによる封入管内部の圧力上昇に耐え得る被覆
材料を用いる。液体ターゲットを用いる場合には、発生
するキセノンガスを液体ターゲットから連続的に除去す
る設備を設けるため、本発明によりキセノンガス発生に
起因する問題は解決できる。
発生する。固体ターゲットを使用する場合には、発生す
るキセノンによる封入管内部の圧力上昇に耐え得る被覆
材料を用いる。液体ターゲットを用いる場合には、発生
するキセノンガスを液体ターゲットから連続的に除去す
る設備を設けるため、本発明によりキセノンガス発生に
起因する問題は解決できる。
【0079】I-129の中性子照射中につぎの反応により
放射性キセノンガスが発生することが考えられる。
放射性キセノンガスが発生することが考えられる。
【0080】 I-129(n,γ)I-130(n,γ)I-131→Xe-131m Xe-131mは半減期11.9日である。固体ターゲットから
未反応のI-129を再び回収する場合、あらかじめXe-1
31mを減衰させることは、作業員被ばく低減に有効とな
る。照射後 120日以上放置させた後に開封作業を行え
ば、Xe-131mの放射能は照射直後よりも1000分の1以
下に減衰できる。
未反応のI-129を再び回収する場合、あらかじめXe-1
31mを減衰させることは、作業員被ばく低減に有効とな
る。照射後 120日以上放置させた後に開封作業を行え
ば、Xe-131mの放射能は照射直後よりも1000分の1以
下に減衰できる。
【0081】つぎに、図2により液体ターゲットを使用
した場合の中性子照射装置の実施の形態を説明する。図
2において、符号13は軽水炉,材料試験炉,高速増殖炉
等の中性子発生施設における原子炉炉心で、この原子炉
炉心13から中性子14が発生する。中性子14を液体ターゲ
ットに照射する照射セクション15は原子炉炉心13に対向
して設けられている。この照射セクション15には循環ポ
ンプ16により液体ターゲットを循環させる循環ラインが
設けられている。
した場合の中性子照射装置の実施の形態を説明する。図
2において、符号13は軽水炉,材料試験炉,高速増殖炉
等の中性子発生施設における原子炉炉心で、この原子炉
炉心13から中性子14が発生する。中性子14を液体ターゲ
ットに照射する照射セクション15は原子炉炉心13に対向
して設けられている。この照射セクション15には循環ポ
ンプ16により液体ターゲットを循環させる循環ラインが
設けられている。
【0082】すなわち、液体ターゲットを照射セクショ
ン15に流入して中性子14を照射し、照射された液体ター
ゲットを流出する循環ライン配管17が照射セクション15
の流入側と流出側に接続されている。照射セクション15
の流出側循環ライン配管17には熱交換器18,気液分離器
19が順次接続している。
ン15に流入して中性子14を照射し、照射された液体ター
ゲットを流出する循環ライン配管17が照射セクション15
の流入側と流出側に接続されている。照射セクション15
の流出側循環ライン配管17には熱交換器18,気液分離器
19が順次接続している。
【0083】気液分離器19の下流側にはガス20と液体21
に分離した分岐配管が接続し、液体21側の配管には放射
線モニタ22,ターゲット注入口23,ターゲット抽出口24
が順次設けられている。ターゲット抽出口24の下流側は
循環ポンプ16の吸込口に接続する循環ライン配管17が設
けられている。
に分離した分岐配管が接続し、液体21側の配管には放射
線モニタ22,ターゲット注入口23,ターゲット抽出口24
が順次設けられている。ターゲット抽出口24の下流側は
循環ポンプ16の吸込口に接続する循環ライン配管17が設
けられている。
【0084】循環ライン配管17は循環ポンプ16により液
体ターゲットが流れる内管と、この内管の外側に設けら
れ水または重水が流れる外管とを有する同心円状二重管
からなっている。また、水または重水を流す代りに黒鉛
またはポリエチレンを充填することもできる。
体ターゲットが流れる内管と、この内管の外側に設けら
れ水または重水が流れる外管とを有する同心円状二重管
からなっている。また、水または重水を流す代りに黒鉛
またはポリエチレンを充填することもできる。
【0085】放射線モニタ22はGe半導体検出器または
NaI(Tl)シンチレーション検出器によるγ放射線
測定モニタで、このモニタによりI-130(γ線エネルギ
ー536 KeV)の放出するγ線を測定することによって
I-129の消滅状態をモニタリングできる。熱交換器18に
より液体ターゲットの温度を調節し、気液分離器19によ
り中性子照射により発生するXeガス等を除去すること
ができる。
NaI(Tl)シンチレーション検出器によるγ放射線
測定モニタで、このモニタによりI-130(γ線エネルギ
ー536 KeV)の放出するγ線を測定することによって
I-129の消滅状態をモニタリングできる。熱交換器18に
より液体ターゲットの温度を調節し、気液分離器19によ
り中性子照射により発生するXeガス等を除去すること
ができる。
【0086】つぎに本発明に係る放射性ヨウ素の放射能
消滅方法の実施例を説明する。 (実施例1)実験室において、I-129を 0.047Bq/ml
(I-129原子 3.4E13個/ml)に調製した溶液サンプル
をポリエチレン容器に封入した。これを、原子炉の照射
専用ラックに移し、平均熱中性子束3E11(中性子/c
m3 /秒)で、これを4時間照射した。照射後、γ線測
定によりI-130の放出するγ線を測定した。測定結果か
ら、照射直後に換算して37Bq/mlのI-130が生成してい
ることがわかった。
消滅方法の実施例を説明する。 (実施例1)実験室において、I-129を 0.047Bq/ml
(I-129原子 3.4E13個/ml)に調製した溶液サンプル
をポリエチレン容器に封入した。これを、原子炉の照射
専用ラックに移し、平均熱中性子束3E11(中性子/c
m3 /秒)で、これを4時間照射した。照射後、γ線測
定によりI-130の放出するγ線を測定した。測定結果か
ら、照射直後に換算して37Bq/mlのI-130が生成してい
ることがわかった。
【0087】すなわち、4時間の照射により、1mlあた
りI-129原子 2.4E6個を消滅させたことになる。1時
間照射を続けた場合、消滅するI-129原子は 5.3E9個
となり、この条件での半減期は3200年であり、I-129の
消滅速度を5000倍加速させた効果がある。
りI-129原子 2.4E6個を消滅させたことになる。1時
間照射を続けた場合、消滅するI-129原子は 5.3E9個
となり、この条件での半減期は3200年であり、I-129の
消滅速度を5000倍加速させた効果がある。
【0088】よって、本実施例1によれば、中性子照射
がI-129の放射能消滅に効果を有することが認められ
る。実施例1で利用した中性子照射可能な設備よりも中
性子束の高い設備、たとえばJMTR等を使用すれば、
さらにI-129の放射能低減速度を低下できる。
がI-129の放射能消滅に効果を有することが認められ
る。実施例1で利用した中性子照射可能な設備よりも中
性子束の高い設備、たとえばJMTR等を使用すれば、
さらにI-129の放射能低減速度を低下できる。
【0089】(実施例2)平均ヨウ素濃度 0.02vol%の
空気を1l/minの流速で4体直列に連結した洗気瓶(25
0ml 8mol/l KOH溶液)に10分間送った。このとき
のヨウ素回収率は約95%( 1.7×10-4mol/l)であっ
た。
空気を1l/minの流速で4体直列に連結した洗気瓶(25
0ml 8mol/l KOH溶液)に10分間送った。このとき
のヨウ素回収率は約95%( 1.7×10-4mol/l)であっ
た。
【0090】本実施例2によれば水酸化カリウム溶液
が、一般にヨウ素の吸収にアルカリ溶液として用いられ
る水酸化ナトリウム溶液と同様の効果があり、また、溶
液ターゲットを用いる際にナトリウムと比較して、長半
減期の核種を生成する可能性が少なく安全にその後の操
作が行える水酸化カリウム溶液も、液体ターゲットとし
て使用できることが認められる。
が、一般にヨウ素の吸収にアルカリ溶液として用いられ
る水酸化ナトリウム溶液と同様の効果があり、また、溶
液ターゲットを用いる際にナトリウムと比較して、長半
減期の核種を生成する可能性が少なく安全にその後の操
作が行える水酸化カリウム溶液も、液体ターゲットとし
て使用できることが認められる。
【0091】(実施例3)ヨウ化銀化合物を水素および
窒素の混合ガス気流中で、 500℃に加熱した。この気流
を硝酸鉛の粉末と接触させた。加熱後、加熱試料中のヨ
ウ素を定量したところ、50%のヨウ素が失われていた。
また、硝酸鉛を酸に溶解後、溶解液の元素分析を実施し
たところ、ヨウ素が加熱試料の46%が検出された。
窒素の混合ガス気流中で、 500℃に加熱した。この気流
を硝酸鉛の粉末と接触させた。加熱後、加熱試料中のヨ
ウ素を定量したところ、50%のヨウ素が失われていた。
また、硝酸鉛を酸に溶解後、溶解液の元素分析を実施し
たところ、ヨウ素が加熱試料の46%が検出された。
【0092】本実施例3によれば、再処理工場などで使
用されるヨウ素用の銀吸着材からヨウ素の回収が可能で
あり、またこの操作で固体ターゲットを作製できること
を示している。さらに酸溶解により固体物からのヨウ素
回収が可能であることも示している。
用されるヨウ素用の銀吸着材からヨウ素の回収が可能で
あり、またこの操作で固体ターゲットを作製できること
を示している。さらに酸溶解により固体物からのヨウ素
回収が可能であることも示している。
【0093】なお、実施例1は中性子照射により、I-1
29を短半減期のI-130に核変換できる作用があることを
示している。また実施例2は水酸化カリウム溶液が気流
中のヨウ素ガスを吸収することが可能であることを示し
ている。さらに実施例3は、再処理工場などで使用され
るヨウ素用の銀吸着材からヨウ素の回収が可能であるこ
と、実施例3の操作が固体ターゲットの作製に適してい
る作用があること、固体物の酸溶解で溶液にヨウ素を回
収できる作用がある。
29を短半減期のI-130に核変換できる作用があることを
示している。また実施例2は水酸化カリウム溶液が気流
中のヨウ素ガスを吸収することが可能であることを示し
ている。さらに実施例3は、再処理工場などで使用され
るヨウ素用の銀吸着材からヨウ素の回収が可能であるこ
と、実施例3の操作が固体ターゲットの作製に適してい
る作用があること、固体物の酸溶解で溶液にヨウ素を回
収できる作用がある。
【0094】
【発明の効果】本発明によれば、原子力発電所,核燃料
再処理工場などの原子力施設から発生する廃棄物中に含
まれる長半減期核種のI-129(半減期1.57×107 )年を
回収し、液体もしくは固体ターゲットを作製し、このタ
ーゲットを軽水炉,高速炉,材料試験炉等原子炉の熱中
性子,熱外中性子,共鳴中性子または高速中性子等の中
性子を発生させる施設において中性子照射により消滅さ
せる効果がある。
再処理工場などの原子力施設から発生する廃棄物中に含
まれる長半減期核種のI-129(半減期1.57×107 )年を
回収し、液体もしくは固体ターゲットを作製し、このタ
ーゲットを軽水炉,高速炉,材料試験炉等原子炉の熱中
性子,熱外中性子,共鳴中性子または高速中性子等の中
性子を発生させる施設において中性子照射により消滅さ
せる効果がある。
【0095】また、照射後の処理を行う際、中性子照射
中に生成する可能性のあるガス状の放射性核種を減衰さ
せることで被ばくの少ない操作が行える効果がある。さ
らに、液体ターゲットを用いる場合には、連続処理可能
な設備を供給することが可能となる。
中に生成する可能性のあるガス状の放射性核種を減衰さ
せることで被ばくの少ない操作が行える効果がある。さ
らに、液体ターゲットを用いる場合には、連続処理可能
な設備を供給することが可能となる。
【図1】本発明に係る放射性ヨウ素の放射能消滅方法の
実施の形態において廃棄物等から液体ターゲットおよび
液体ターゲットを作製するまでの概略工程図。
実施の形態において廃棄物等から液体ターゲットおよび
液体ターゲットを作製するまでの概略工程図。
【図2】本発明に係る放射性ヨウ素の放射能消滅方法用
中性子照射装置の実施の形態を概略的に示す系統図。
中性子照射装置の実施の形態を概略的に示す系統図。
1…固体廃棄物、2…液体廃棄物、3…廃銀吸着材、4
…液体ターゲット、5…固体ターゲット、6…酸溶解、
7…還元剤、8…硝酸銀、9…液相、10…固相、11…気
体状I2 、12…固相、13…原子炉炉心、14…中性子、15
…照射セクション、16…循環ポンプ、17…循環ライン配
管、18…熱交換器、19…気液分離器、20…ガス、21…液
体、22…放射線モニタ、23…ターゲット注入口、24…タ
ーゲット抽出口。
…液体ターゲット、5…固体ターゲット、6…酸溶解、
7…還元剤、8…硝酸銀、9…液相、10…固相、11…気
体状I2 、12…固相、13…原子炉炉心、14…中性子、15
…照射セクション、16…循環ポンプ、17…循環ライン配
管、18…熱交換器、19…気液分離器、20…ガス、21…液
体、22…放射線モニタ、23…ターゲット注入口、24…タ
ーゲット抽出口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 栄一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内
Claims (17)
- 【請求項1】 ヨウ素-129(半減期1.57×107 年)を含
む液体ターゲットまたは固体ターゲットを作製し、この
ターゲットを熱中性子,熱外中性子,共鳴中性子または
高速中性子などの中性子を発生する施設により中性子照
射することを特徴とする放射性ヨウ素の放射能消滅方
法。 - 【請求項2】 前記ヨウ素-129は、原子力発電所または
核燃料再処理工場等の原子力施設から発生する廃棄物中
に含まれるものであることを特徴とする請求項1記載の
放射性ヨウ素の放射能消滅方法。 - 【請求項3】 前記液体ターゲットは、前記ヨウ素-129
を水酸化カリウム水溶液に溶解した液体からなることを
特徴とする請求項1記載の放射性ヨウ素の放射能消滅方
法。 - 【請求項4】 前記液体ターゲットは、前記原子力施設
の液体廃棄物中からその溶液中のヨウ素の化学形態がI
- となるように酸化還元処理し、硝酸銀を添加して溶液
中のヨウ素をヨウ化銀として回収した後、水素気流中で
高温処理して気体状I2 を発生させ、この気体状I2 を
水酸化カリウム水溶液に溶解した液体からなることを特
徴とする請求項1記載の放射性ヨウ素の放射能消滅方
法。 - 【請求項5】 前記液体ターゲットは、前記原子力施設
の廃棄物中に含まれる廃銀吸着材を水素気流中で高温処
理して気体状I2 を発生させ、この気体状I2 を水酸化
カリウム水溶液に溶解した液体からなることを特徴とす
る請求項1記載の放射性ヨウ素の放射能消滅方法。 - 【請求項6】 前記液体ターゲットは、前記原子力施設
から発生するヨウ素129 を含む固体廃棄物を酸洗または
アルカリ溶解した後、アルカリ溶解後は水を添加して溶
液とし、この溶液または前記酸洗後の溶液中のヨウ素の
化学形態がI- となるように亜ニチオン酸またはチオ硫
酸ナトリウムにより酸化還元処理した後、硝酸銀を添加
し溶液中のヨウ素をヨウ化銀として回収し、つぎに水素
気流中で高温処理して気体状I2 を発生させ、この気体
状I2 を水酸化カリウム水溶液に溶解した液体からなる
ことを特徴とする請求項1記載の放射性ヨウ素の放射能
消滅方法。 - 【請求項7】 前記固体ターゲットは前記ヨウ素-129を
含むヨウ素をヨウ化鉛およびヨウ化セリウムの化合物と
して前記中性子照射中に発生するキセノンガスの内圧に
耐え得る封入管内に封入したものからなることを特徴と
する請求項1記載の放射性ヨウ素の放射能消滅方法。 - 【請求項8】 前記封入管は内側に前記固体ターゲット
を充填し、この固体ターゲットの外側に隔壁を介して
水,重水,黒鉛またはポリエチレンの少なくとも一種で
充填した同心円状二重管からなることを特徴とする請求
項1記載の放射性ヨウ素の放射能消滅方法。 - 【請求項9】 前記固体ターゲットは前記原子力施設の
前記ヨウ素-129を含む排気系の廃銀吸着材を水素気流中
で高温処理して気体状I2 を発生させ、この気体状I2
を高温で鉛またはセリウムと反応させてヨウ化鉛または
ヨウ化セリウムとした固体からなることを特徴とする請
求項1記載の放射性ヨウ素の放射能消滅方法。 - 【請求項10】 前記固体ターゲットは前記原子力施設
から発生するヨウ素-129を含む液体廃棄物を溶液中のヨ
ウ素の化学形態がI- となるように酸化還元処理した
後、硝酸銀を添加し溶液中のヨウ素をヨウ化銀として回
収し、つぎに水素気流中で高温処理して気体状I2 を発
生させ、この気体状I2 を鉛またはセリウムと反応させ
てヨウ化鉛またはヨウ化セリウムとした固体からなるこ
とを特徴とする請求項1記載の放射性ヨウ素の放射能消
滅方法。 - 【請求項11】 前記固体ターゲットは前記原子力施設
から発生するヨウ素-129を含む固体廃棄物を酸洗浄また
はアルカリ溶解した後、アルカリ溶解した後は水を添加
した溶液または酸洗浄した溶液中のヨウ素の化学形態が
I- となるように酸化還元処理した後、硝酸銀を添加し
溶液中のヨウ素をヨウ化銀として回収し、つぎに水素気
流中で高温処理して気体状I2 を発生させ、この気体状
I2 を鉛またはセリウムと反応させてヨウ化鉛またはヨ
ウ化セリウムとした固体からなることを特徴とする請求
項1記載の放射性ヨウ素の放射能消滅方法。 - 【請求項12】 前記固体ターゲットを前記封入管内に
封入して中性子照射した後、 120日以上放置し、つぎに
前記封入管を開封して未照射のヨウ素-129を回収するこ
とを特徴とする請求項7記載の放射性ヨウ素の放射能消
滅方法。 - 【請求項13】 熱中性子,熱外中性子または高速中性
子を発生させる中性子発生施設と、この中性子発生施設
からの中性子を液体ターゲットに照射する照射セクショ
ンと、この照射セクションに前記液体ターゲットが流入
するように前記液体ターゲットを循環させる液体ターゲ
ット循環ライン配管とを具備したことを特徴とする放射
性ヨウ素の放射能消滅用中性子照射装置。 - 【請求項14】 前記液体ターゲット循環ライン配管は
循環ポンプにより前記液体ターゲットが流れる内管と、
この内管の外側に設けられ水または重水が流れる外管と
を有する同心円状二重管ループからなることを特徴とす
る請求項13記載の放射性ヨウ素の放射能消滅用中性子照
射装置。 - 【請求項15】 前記液体ターゲット循環ラインは内側
に液体ターゲットが流れる内管と、この内管の外側に黒
鉛またはポリエチレンが充填された外管とを有すること
を特徴とする請求項13記載の放射性ヨウ素の放射能消滅
用中性子照射装置。 - 【請求項16】 前記液体ターゲット循環ライン配管に
Ge半導体検出器またはNaI(Tl)シンチレーショ
ン検出器による放射線測定モニターを設けてなることを
特徴とする請求項13記載の放射性ヨウ素の放射能消滅用
中性子照射装置。 - 【請求項17】 前記液体ターゲット循環ライン配管に
熱交換器,気液分離装置,液体ターゲットの注入口,液
体ターゲット抽出口および循環ポンプを設けてなること
を特徴とする請求項13記載の放射性ヨウ素の放射能消滅
用中性子照射装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20803896A JPH1048390A (ja) | 1996-08-07 | 1996-08-07 | 放射性ヨウ素の放射能消滅方法及びその中性子照射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20803896A JPH1048390A (ja) | 1996-08-07 | 1996-08-07 | 放射性ヨウ素の放射能消滅方法及びその中性子照射装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1048390A true JPH1048390A (ja) | 1998-02-20 |
Family
ID=16549628
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20803896A Pending JPH1048390A (ja) | 1996-08-07 | 1996-08-07 | 放射性ヨウ素の放射能消滅方法及びその中性子照射装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1048390A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2017104708A1 (ja) * | 2015-12-15 | 2017-06-22 | 株式会社クリア | 放射能消滅用原子炉システム |
| JP2023168643A (ja) * | 2023-08-12 | 2023-11-27 | 植月 利一 | 使用済み核燃料の合理的な処理方法 |
-
1996
- 1996-08-07 JP JP20803896A patent/JPH1048390A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2017104708A1 (ja) * | 2015-12-15 | 2017-06-22 | 株式会社クリア | 放射能消滅用原子炉システム |
| JPWO2017104708A1 (ja) * | 2015-12-15 | 2018-08-02 | 株式会社クリア | 放射能消滅用原子炉システム |
| CN108780666A (zh) * | 2015-12-15 | 2018-11-09 | 科利尔株式会社 | 可消除放射性的核反应堆系统 |
| US10395787B2 (en) | 2015-12-15 | 2019-08-27 | Clear Inc. | Nuclear reactor system for extinguishing radioactivity |
| JP2023168643A (ja) * | 2023-08-12 | 2023-11-27 | 植月 利一 | 使用済み核燃料の合理的な処理方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP4317269B2 (ja) | 中性子束による被爆方法、有用な同位元素を生成する方法及び長寿命同位元素を変換する方法 | |
| JP6279656B2 (ja) | 放射性同位元素を生成するための方法及び装置 | |
| KR101353730B1 (ko) | 방사성 동위원소 생성 및 표적 물질 용액의 처리 | |
| JP4342729B2 (ja) | モリブデン−99の生産および抽出のための方法およびシステム | |
| JP2008102078A (ja) | 放射性モリブデンの製造方法と装置及びその方法と装置で製造された放射性モリブデン | |
| KR20130119420A (ko) | 주요 중성자원 멀티플라이어 어셈블리 | |
| EP3413318B1 (en) | Method for preparing radioactive substance through muon irradiation, and substance prepared using said method | |
| JPH073474B2 (ja) | 放射性廃棄物の消滅処理方法 | |
| JPH1048390A (ja) | 放射性ヨウ素の放射能消滅方法及びその中性子照射装置 | |
| RU2155398C1 (ru) | Способ получения радиоизотопа стронций-89 | |
| JP2000284096A (ja) | 放射性同位元素製造方法及びその製造装置 | |
| Uda et al. | Preliminary tritium safety analysis and problems with obtaining public consent to deuterium plasma experiments in the LHD | |
| Zabaluev | Management of radionuclides from reprocessing plant gaseous effluents | |
| RU2155399C1 (ru) | Способ получения радиоизотопа стронций-89 | |
| JP2523696B2 (ja) | 直接サイクル型原子力プラント | |
| RU2276816C2 (ru) | Способ получения радиоизотопа стронций-89 | |
| RU2270488C2 (ru) | Способ радиационной обработки изделий и материалов жестким гамма-излучением | |
| JP2004286627A (ja) | 放射化黒鉛の処理方法および装置 | |
| RU2430441C1 (ru) | Способ получения радионуклида висмут-213 | |
| JP2001074891A (ja) | 放射線同位体製造装置および方法 | |
| JPH0638119B2 (ja) | 放射性廃棄物の消滅処理装置及び消滅処理方法 | |
| JPS5948698A (ja) | 放射性廃棄物の処理方法 | |
| Kozar' | Increasing 129I transmutation efficiency | |
| Ustinov et al. | 14C Entry into the Atmosphere | |
| Scheme | INCREASING 129 I TRANSMUTATION EFFICIENCY |