JPH104954A - タバコ根圏定着性シュードモナス属微生物ならびにそれを用いたタバコの土壌病害防除剤および防除方法 - Google Patents

タバコ根圏定着性シュードモナス属微生物ならびにそれを用いたタバコの土壌病害防除剤および防除方法

Info

Publication number
JPH104954A
JPH104954A JP8164711A JP16471196A JPH104954A JP H104954 A JPH104954 A JP H104954A JP 8164711 A JP8164711 A JP 8164711A JP 16471196 A JP16471196 A JP 16471196A JP H104954 A JPH104954 A JP H104954A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tobacco
soil
nicotine
present
roots
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8164711A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidenori Hara
秀紀 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Tobacco Inc filed Critical Japan Tobacco Inc
Priority to JP8164711A priority Critical patent/JPH104954A/ja
Publication of JPH104954A publication Critical patent/JPH104954A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 タバコ根部への定着性が高い微生物を提供
し、該微生物を安定的に植物根へ定着させ、タバコの土
壌病害を防除する方法を提供する。 【解決手段】 シュードモナス属に属し、ニコチン分解
能を有し、タバコ根部への定着性が高い新規細菌。およ
びニコチン分解能を有し、タバコ根部への定着性が高い
微生物をタバコの根部、栽培地、またはその土壌に存在
させることでタバコの土壌病害の発生を防止する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タバコ根に定着性
が優れたニコチン分解性のシュードモナス属細菌に関す
るものである。本発明はさらに、本細菌をタバコ根に導
入あるいは根部で選択的に増殖させて定着させ、タバコ
立枯病を防除する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】植物病原細菌の1種であるシュードモナ
ス・ソラナセアラム(Pseudomonas solanacearum)の寄
生によって起こるタバコ立枯病あるいはナス科植物青枯
病(以下、単に立枯病と略す)は、タバコ、トマト、ナ
ス、ピーマン等多くの作物で被害が多い。
【0003】立枯病菌は、土壌中で長期間生存しやす
く、いったん植物体に感染すると増殖が速いので、防除
が極めて困難であることから、作物病害の中でも難防除
病害の一つとされている。
【0004】立枯病を防除するためには、従来から土壌
くん蒸剤、例えばクロルピクリンや臭化メチルなどが主
として用いられている。しかしながら、近年、これらの
薬剤の使用は、刺激臭による公害の発生、環境汚染およ
びオゾン層の破壊の原因となることや、土壌中の病原菌
だけでなく有用な微生物までも死滅させることから、よ
り安全で効果の高い防除法が求められてきた。
【0005】一方、自然の土壌中には、病原菌に対し拮
抗作用を示す微生物が多数存在することが明らかになっ
ており、安全で効果的な防除法を提供するために、これ
らの拮抗性の微生物を用いて立枯病を防除する試みが広
く行われている。
【0006】その例を示すと、シュードモナス・プチー
ダ(Pseudomonas putida)を用いる方法(日本植物病理
学会報(1990)56巻:404)、シュードモナス・フルオ
レセンス(Pseudomonas fluorescens)を用いる方法(R
evista de Microbiologia(1989)vol 20:18-26)、弱
病原性のシュードモナス・ソラナセアラム バクテリオ
シン産生菌株(Pseudomonas solanacearum)を用いる
方法(特開平1-16579)などがあげられる。
【0007】しかしながら、一般に拮抗細菌を土壌病害
の防除に使用する場合は問題がある。すなわち、拮抗細
菌が植物の根によく定着し、そこで活動する必要がある
が、圃場などの自然環境下では、根圏環境が温室条件下
とは異なることから拮抗細菌の定着性が悪いので、病原
菌の生存や活動とそれにともなう病害の発生を抑制でき
ず、防除効果が低いあるいは不安定な場合が多いことが
指摘されている。
【0008】例えば、上記のシュードモナス・プチーダ
あるいはシュードモナス・フルオレセンスを用いた例で
は、これらの拮抗細菌が立枯病菌に対して培地上で抗菌
活性を示し、温室内の短期実験で発病抑制効果が認めら
れているが、しかし、汚染畑では防除効果が認められな
かったり、栽培後期に防除効果が著しく低下する例がほ
とんどで、栽培期間の長いナス科植物に使用して後期ま
で満足する防除効果を示す拮抗細菌は、今のところ知ら
れていない。
【0009】また、上記特開平1-16579の弱病原性のシ
ュードモナス・ソラナセアラム バクテリオシン産生菌
(OM2菌株)を用いた例では、その後の研究により、
OM2菌株の根部への定着に18℃以上の温度条件が必要
なことが明らかになった。一般のタバコ畑の移植時は3
月にあたり、この温度条件を満たせないことから、処理
した菌が減少しやすく、そのために効果が低いあるいは
不安定になることが認められる。
【0010】これらの問題点を解決するためには、接種
した細菌を効率的に根に定着させる必要がある。これま
で定着性向上のために、拮抗細菌を種子や種いもなどに
塗布したり、タルク、ゼオライト、炭などに培養菌を添
加するなどの工夫がなされているが、いずれも単独で
は、効果が不安定な場合が多い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のことから、土壌
病害の拮抗細菌による防除においては、根部への定着性
が高い拮抗細菌を用いて安定的に植物根へ定着させる方
法の開発が強く望まれている。
【0012】一方、近年、遺伝子工学的手法をもとに拮
抗細菌が生産する抗菌物質の遺伝子解析がめざましく進
んでおり、この成果を病害防除に応用する試みがなされ
つつある。その1つの方法として抗菌物質生産遺伝子を
植物体に組み込むことが考えられ、この方面での研究が
進んでいるが、そのような方法では植物の種類に合わせ
てそれぞれ組換え植物を作成する必要があり、時間と労
力がかかる。
【0013】そこで、遺伝子工学的手法の別の利用法と
して抗菌物質生産遺伝子を根圏微生物に組み込んで、定
着した微生物が生産した抗菌物質によって防除を図る方
法も考えられる。しかし、この方法の効果が高いかどう
かは、用いた微生物が植物根にうまく定着できるかどう
かにかかっている。したがって、根部への定着性の極め
て高い細菌を提供することは、この方法による病害防除
の可能性をさらに高めるためにも急務である。
【0014】したがって、本発明はタバコ根への定着能
の高い新規細菌を提供するものである。本発明はさら
に、タバコ根への定着能の高い細菌を利用した立枯病の
防除剤および防除方法を提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来まで
の研究に使用されている拮抗細菌あるいは担体との組み
合わせとは異なる観点から研究を進め、タバコ根部での
定着性が優れた細菌を発見した。また、これらの細菌を
根部に導入し、選択的に増殖・定着させることによって
立枯病が効果的に防除できることを発見し、本発明を完
成した。
【0016】すなわち、本発明者は、タバコの根圏に生
息している微生物の種類と密度を調べるなかで、タバコ
の根圏にはニコチン分解性の細菌が存在すること、そし
てそのような細菌は他のナス科植物であるトマトに比べ
て著しく多いことを発見した。さらに、これらニコチン
分解性細菌の中でも、特に蛍光性シュードモナス属細菌
が、根から遊離しにくい部位で、よく増殖・定着するこ
とを明らかにした。このように、土壌あるいは植物根圏
で生息し、これらの試料から容易に分離される特定の細
菌がタバコ根部で生産されるニコチンを資化して根圏部
に良好に定着し、植物体に悪影響を及ぼさず立枯病の防
除効果を示すことを発見した。なお、ニコチン分解性の
シュードモナス属細菌は、病害防除あるいは微生物の根
圏定着の分野では従来知られておらず、本発明により初
めて提供されたものである。
【0017】タバコ根部への定着性が高い新規細菌 本発明の細菌は、シュードモナス属に属し、ニコチン分
解能を有し、タバコ根部への定着性が高い新規細菌であ
る。
【0018】本発明の細菌のニコチン分解能は、ニコチ
ンを0.2%程度の量で含む培地上で旺盛な生育を示す
ことから識別可能である。さらに、ニコチン培地に6%
ケイタングステン酸を含む0.1N塩酸を噴霧すると培
地中のニコチンはケイタングステン酸ニコチンとなり白
色の沈殿が生じるが、ニコチン分解菌のコロニー周辺は
透明帯となることから容易に確認できる(凍結及び乾燥
研究会会誌(1986)32巻:78〜82)。
【0019】タバコ根への定着性は、リファンピシン耐
性の突然変異株を作成し、これをタバコ根部に処理した
のち、定期的に根部を採取して、段階希釈法により、キ
ングB培地にリファンピシンを50ppm程度添加した
培地上に生育したコロニーを計数することによって評価
できる。
【0020】本発明のシュードモナス属細菌は、ニコチ
ンを含む培地上での生育の有無、タバコ根部への定着
性、およびシュードモナス属の特徴に基づいて、微生物
分野の通常の技術によって土壌等の自然界から分離する
ことができ、そのようにして分離される微生物は全て本
発明の範囲に含まれる。ニコチンを含む培地の例は、後
記実施例1に記載されている。さらに、分離された微生
物に、好ましい性質、例えば立枯病菌に対する拮抗性を
与えるように、遺伝子操作その他の方法で改変したもの
も本発明の範囲内である。
【0021】本発明の細菌は、驚くべきことに、試験管
内での立枯病菌に対する拮抗作用の有無にかかわらず、
これらを移植前等の適当な時期にタバコの根や土壌に導
入することによって、立枯病を効果的に防除することが
できる。すなわち、後記実施例2〜5において、根圏に
定着するシュードモナス属細菌のうち、優先種とされる
シュードモナス・フルオレセンスおよびシュードモナス
・プチーダを実施例1の分離株の中から選び出し、それ
ぞれニコチン分解能が異なる菌株間でタバコ根部に対す
る定着性および立枯病に対する発病抑制効果について調
べたところ、いずれの種においても、ニコチン分解性を
有する細菌が定着性が高く、かつ抑制効果も高いことが
判明した。このようにして見いだされたニコチン分解性
の好ましい細菌株の例が、シュードモナス・フルオレセ
ンス(F27R2,F30R2,F89R1)およびシ
ュードモナス・プチーダ(PP2,PP3,PP4)で
ある。
【0022】ニコチン分解性と定着性との間に関連性が
存在する理由としては、本発明の細菌は、タバコ根で生
産されるニコチンの根外部への漏出部位で著しく増殖す
ることが考えられる。この漏出部位は、傷口あるいは亀
裂部などからなり、一方では、病原菌の侵入場所でもあ
る。したがって、本発明の細菌による立枯病の抑制機構
については、病原菌の侵入を物理的あるいは抗菌物質で
防ぐためと考えられる。また、植物体に抵抗性を誘導す
ることも考えられる。但し、本発明はこれらの理論に拘
束されるものではない。
【0023】タバコ立枯病の防除方法および防除剤 本発明は、タバコ立枯病の防除方法および防除剤も提供
する。
【0024】本発明の防除方法は、ニコチン分解能を有
し且つタバコ根部への定着性が高い微生物および/また
はそれらの培養物を有効成分として、タバコの根部、栽
培地またはその土壌に存在させ、タバコ栽培開始から収
穫までのほぼ全期間または少なくとも一時期にタバコ立
枯病の病原菌の増殖および/または活動を抑制すること
よりなる。
【0025】本発明の方法に用いる微生物は、典型的に
は上記の新規細菌である。しかし、それ以外にも、ニコ
チン分解能を有し、それゆえタバコ根部への定着性が高
く、タバコの根部、栽培地、またはその土壌に存在させ
ることでタバコの土壌病害の発生を防止する性質を有す
る微生物は種々存在すると思われる。そのような微生物
には、細菌、真菌、放線菌および酵母が含まれる。した
がって、ニコチン分解能をもつ微生物の中から、タバコ
根部への定着性の高い微生物を選択し、本発明の方法に
使用することは本発明の範囲に含まれる。
【0026】本発明の方法に用いるための微生物の増殖
は適宜行ってよい。例えば、本発明の新規細菌の場合、
特別な培養基を準備する必要がなく、肉エキス培地、キ
ングB培地等一般細菌用の培地でよく増殖する。培養条
件は、振盪培養・通気培養などの好気的条件下で行なう
が、温度は、20〜30℃好ましくは25〜30℃、pHは5〜8好
ましくは6〜7、培養期間は1〜4日好ましくは2〜3日が適
当である。なお、寒天入りの斜面あるいは平板培地で培
養し、培地上に生育した菌体を用いても良い。
【0027】タバコの「根部」とは、植物を栽培した場
合に土壌中あるいは水耕液中にあって水分や栄養分の吸
収を行なう部分である。また、根部、栽培地またはその
土壌へ存在させるための細菌の導入は、菌体培養物をタ
バコの植物体やその周辺へ散布あるいは潅注したり、菌
体培養物中へ根部を浸漬することによって容易に行なう
ことができる。例えば、生菌として105〜1010/ml好ま
しくは107〜109/mlの濃度で本畑移植の7日前から移植
の1か月後までの間にこれらを根部に導入する。導入の
一方法として浸漬処理する場合に、その浸漬時間は、30
分ないし3時間好ましくは1時間前後である。また、潅注
あるいは潅水処理で根部に導入する場合には、苗1株当
り5〜20ml、移植後は50〜200mlが適当である。あるい
は、菌体を土壌中に撹拌散布することによっても、同じ
ような効果が期待できる。
【0028】また、細菌の導入と同時にあるいはしばら
く後に、ニコチンを含む溶液をタバコ周辺の土壌に潅注
等することによって、選択的に有用細菌の増殖が可能
で、さらに高い定着性および防除効果が期待できる。ニ
コチンを含む溶液の例としては、硫酸ニコチン、ニコチ
ンなどが挙げられる。
【0029】また、これらの細菌に抗菌物質遺伝子を導
入することによって、病原菌の侵入部位でさらに効果的
に病原菌の侵入を防止することも可能である。したがっ
て、本発明の細菌は、病害防除用としてのみならず、タ
バコ根へ定着させるための拮抗細菌を創生するための材
料としても使用可能である。
【0030】本発明の防除剤は、ニコチン分解能を有し
且つタバコ根部への定着性が高い微生物(典型的には本
発明の新規細菌)および/またはそれらの培養物を有効
成分として、使用時に、生菌として105〜1010/ml好ま
しくは107〜109/mlの濃度にすることができる、乾燥製
剤、固形製剤、濃厚懸濁製剤、または希釈製剤として製
造される。必要であれば、増量剤、安定剤、若干のニコ
チン、細菌の栄養源、等を適宜加えてもよい。さらに、
本発明の防除剤を肥料と混合して提供することもでき
る。
【0031】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明の内容を説明す
る。
【0032】実施例1:ニコチン分解性シュードモナス
属細菌の分離 栃木県小山市のタバコ畑から、健全なタバコ根部を掘り
取り、ハサミで根部を切り離し、付着している土壌を振
り落とした。約1cmの長さに切断した根を10mlの滅菌
水中に入れ、ミキサーで撹拌したのち、得られた段階希
釈液を0.1mlずつキングB培地(プロテオースペプトンN
o3 20g,KH2PO4 1.5g,MgSO4・7H201.5g,グリセリン
10ml, 蒸留水 1,000ml:J. Lab. Clin. Med(1954)v
ol44:301〜307)上に画線した。28℃、2〜3日間培養
後、紫外線照射下で蛍光を発するコロニーをそれぞれ分
離し、−80℃のフリーザーで保存した。それぞれの細菌
株は、ニコチン合成培地(KH2PO4 1.0g,MgSO4 0.5g
,Fe2(SO4)3 痕跡,CaCl2痕跡,MnSO4 痕跡,Na2MoO4
痕跡,ニコチン 2.2g,蒸留水1,000ml,寒天20.0g:日
本土壌肥料学会報(1967)38巻:161〜166)上での生育
の有無からニコチン分解性と非分解性に区別した。さら
に、上記ニコチン培地から寒天を除いたニコチン液体培
地に分離菌株を接種し、28℃で7日間振とう培養後、
培地中に残存するニコチン含量を調べて、ニコチン分解
性の有無を確認した。このようにしてニコチン分解性が
異なる蛍光性シュードモナス属細菌をそれぞれ約100株
ずつ得た。
【0033】実施例2:分離株の同定 実施例1で分離されたシュードモナス・フルオレセンス
と思われる菌株の中で、ニコチン分解性のものと非分解
性の菌株を無作為にそれぞれ3株ずつ選んだ。そして、
それぞれの細菌学的性質を調べた。
【0034】
【表1】 第1表 細菌学的性質 試験項目 F27R2 F30R2 F89R1 F4R1 F64R1 F97R1 形態 桿菌 桿菌 桿菌 桿菌 桿菌 桿菌 グラム染色性 − − − − − − 胞子 − − − − − − 運動性 + + + + + + 酸素に対する態度 好気性 好気性 好気性 好気性 好気性 好気性 オキシダーゼ + + + + + + カタラーゼ + + + + + + OF O O O O O O 蛍光色素の生成 + + + + + + 硝酸塩還元 − − − − − − インドール生成 − − − − − − グリコース発酵性 − − − − − − アルギニンジヒドラーゼ + + + + + + 尿素分解 − − − − − − エスクリン加水分解 − − − − − − ゼラチン液化 + + + − − + PNPG − − − − − − 資化性 グルコース + + + + + + L-アラビノース + + + + + + D-マンノース + + + − − + D-マンニトール + + + + + + N-アセチル-D-グルコサミン + + + + + + マルトース − − − − − − グルコン酸カリウム + + + + + + n-カプリン酸 + + + + + + アジピン酸 − − − − − − dl- リンゴ酸 + + + + + + クエン酸ナトリウム + + + + + + 酢酸フェニル − − − + + − キシロースからの酸の産生 + + + + + + ソルビトールの資化性 − − − − − − 黄色色素の生成 − − − − − − ニコチン分解性 + + + − − −
【0035】以上の6菌株は、細菌学的性質をもとにBe
rgey's Manual of Systematic Bacteriology volume 1
(1984)をもとに調べた結果、いずれもシュードモナス・
フルオレセンスに属する細菌株であると同定した。F27R
2、F30R2および F89R1菌株は、ニコチン分解を有する新
細菌株であり、そのうちF30R2およびF89R1菌株は、それ
ぞれFERM BP-5555およびFERM BP-5556として、平成8年
5月30日に工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託
された。
【0036】実施例3 1994年5月11日にタバコ立枯病の汚染畑にタバコ
(品種:Va115)を移植した。そして、上記第1表
の菌株をそれぞれ3株ずつキングB液体培地で25℃、3
日間それぞれ振盪培養したのち、遠心集菌し、滅菌水中
に約108/mlの濃度で懸濁し、6月11日に株元に株当
り100mlずつ潅注した。試験は1区当たり9株を供試
し、2回反復で行った。処理後は、根圏部における処理
細菌の密度の推移を調べるとともに、定期的に発病状況
を観察し、タバコ栽培の収穫終了時である8月5日に最
終調査を行いそれぞれの菌株で処理されたタバコの発病
率を比較した。試験の結果を第2表に示す。
【0037】
【表2】 第2表 タバコ根圏に処理した蛍光性シュードモナス属細菌の 推移と立枯病の発生 試験 ニコチン 根圏部における密度/乾燥根1g 立枯病発病率 区別 分解能 0日後 15日後 30日後 8 月1日 8月5日 % (%) % (%) F 4R1 - 7.9×107 4.0×106 2.7×106 55.6 77.8 F64R1 - 1.5×108 3.8×106 5.1×105 22.2(48.2) 22.2(63.0) F97R1 - 3.1×107 3.2×106 1.6×106 66.7 88.9 F27R2 + 2.1×108 6.9×106 3.4×106 44.4 55.6 F30R2 + 2.4×107 6.1×106 2.5×106 0.0(18.5) 11.1(29.6)F89R1 + 1.0×108 1.7×107 4.5×107 11.1 22.2 注:()内は、3菌株の平均発病率を示す。
【0038】第2表に示されるとおり、ニコチンの分解
能力がない蛍光性シュードモナス属細菌は、供試した3
株ともに処理後、根圏での密度が低下しやすく、処理後
30日目には処理直後の約5%以下の密度であった。ま
た、立枯病の発病も多く、最終調査では、平均63.0%の
発病率を示した。一方、ニコチン分解性菌の場合は、根
圏部における細菌密度の減少が緩慢で定着性が高く、発
病率も非分解性菌の場合に比べて著しく低いものが多か
った。その中でも、F30R2の発病率は11.1%と最も
低く、防除効果が優れていた。また、F89R1は供試
した菌株の中で根圏での生存・増殖能力が優れていた。
【0039】実施例4 実施例1で分離した菌株あるいは保存株のうちシュード
モナス・プチーダに属すると思われる菌株を選び、その
中でニコチン分解性のものと非分解性の菌株を無作為に
それぞれ3株ずつ選んだ。そして、それぞれの細菌学的
性質を調べた。なお、IFO1416菌株は財団法人発酵研究
所保存のシュードモナス・プチーダ標準株である。
【0040】
【表3】 第3表 細菌学的性質 試験項目 PP2 PP3 PP4 IFO1416 PP13 PP14 形態 桿菌 桿菌 桿菌 桿菌 桿菌 桿菌 グラム染色性 − − − − − − 胞子 − − − − − − 運動性 + + + + + + 酸素に対する態度 好気性 好気性 好気性 好気性 好気性 好気性 オキシダーゼ + + + + + + OF O O O O O O 蛍光色素の生成 + + + + + + 硝酸塩還元 − − − − − − インドール生成 − − − − − − グルコース発酵性 − − − − − − アルギニンジヒドラーゼ + + + + + + 尿素分解 − − − − − − エスクリン加水分解 − − − − − − ゼラチン液化 − − − − − − PNPG − − − − − − 資化性 グルコース + + + + + + L-アラビノース + + + − − − D-マンノース + + + − − − D-マンニトール − − − − − − N-アセチル-D-グルコサミン − − − − − − マルトース − − − − − − グルコン酸カリウム + + + + + + n-カプリン酸 + + + + + + アジピン酸 − − − − − − dl- リンゴ酸 + + + + + + クエン酸ナトリウム + + + + + + 酢酸フェニル + + + + + + ニコチン分解性 + + + − − −
【0041】以上の6菌株は、細菌学的性質をもとにBe
rgey's Manual of Systematic Bacteriology volume 1
(1984)をもとに調べた結果、いずれもシュードモナス・
プチーダに属する細菌株であると同定した。PP2、P
P3およびPP4菌株は、ニコチン分解能を有する新細
菌株であり、そのうちPP4菌株は、FERM BP−
5554として平成8年5月30日に工業技術院生命工
学工業技術研究所に寄託された。
【0042】実施例5 1995年5月24日にタバコ立枯病の汚染畑にタバコ
(品種:BY4)を移植した。そして、上記第3表の菌
株をそれぞれ3株ずつキングB液体培地で25℃、3日間
それぞれ振盪培養したのち、遠心集菌し、滅菌水中に約
108/mlの濃度で懸濁し、これを6月26日に株元に株
当り100mlずつ潅注した。試験は1区当たり9株供試
し、2回反復で行った。処理後は、定期的に発病状況を
観察した。結果を第4表に示す。
【0043】
【表4】 第4表 立枯病の発生 試験区別 ニコチン 立枯病発病率 分解能 7月21日 7月28日 8月4日 % (%) % (%) % (%) IFO14164 − 16.7 22.2 33.3 PP13 − 0.0(7.4) 22.2(22.2) 22.2(25.9) PP14 − 5.6 22.2 22.2 PP 2 + 0.0 11.1 27.8 PP 3 + 0.0(0.0) 11.1(7.4) 11.1(14.8) PP 4 + 0.0 0.0 5.6 無処理 5.6 16.7 27.8 注:()内は、3菌株の平均発病率を示す。
【0044】第4表に示されるとおり、無処理区では、
7月中旬から発病株が散見され、最終調査の8月4日に
は、27.8%の発病率を示した。ニコチン非分解性細
菌の処理区では、初発生の時期は菌株によって異なるも
のの、最終調査では、無処理区とほぼ同様の発病率を示
した。
【0045】一方、ニコチン分解性細菌の処理区では、
いずれも初発生時期が遅れる傾向を示し、最終発病率も
低い例が多かった。その中でもPP4菌株は、最終発病
率が5.6%と著しく低く、防除効果が優れていた。
【0046】
【発明の効果】本発明においては、生物学的方法でタバ
コの立枯病を防除するために、立枯病の病原菌との拮抗
作用の他に、タバコの根部への定着性に注目した。その
結果、タバコの根部へ良好に定着するニコチン分解性の
細菌の存在が見いだされた。このような細菌は、収穫時
までの長期間立枯病菌の増殖を防止できるため、立枯病
の防除のために直接使用することが可能である。さら
に、このような細菌に立枯病菌に対する拮抗作用等の好
ましい性質を付与することにより、生物学的防除方法を
一層改良することが期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:40)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シュードモナス属に属し、ニコチン分解
    能を有し、タバコ根部への定着性が高い新規微生物。
  2. 【請求項2】 シュードモナス・フルオレセンス(Pseu
    domonas fluorescen s)F30R2菌株(FERM BP-555
    5)である請求項1記載の微生物。
  3. 【請求項3】 シュードモナス・フルオレセンス(Pseu
    domonas fluorescen s)F89R1菌株(FERM BP-555
    6)である請求項1記載の微生物。
  4. 【請求項4】 シュードモナス・プチーダ(Pseudomona
    s putida)PP4菌株(FERM BP-5554)である請求項1
    記載の微生物。
  5. 【請求項5】 タバコの根部、栽培地、またはその土壌
    に存在させることでタバコの土壌病害の発生を防止する
    性質を有する、請求項1、2、3または4記載の微生
    物。
  6. 【請求項6】 土壌病害がシュードモナス・ソラナセア
    ラム(Pseudomonas solanacearum)が原因で起こるタバ
    コ立枯病である請求項5記載の微生物。
  7. 【請求項7】 タバコの根部、栽培地、またはその土壌
    に存在させることでタバコの土壌病害の発生を防止する
    性質を有する、蛍光性シュードモナス属に属する微生物
    および/またはその培養物を有効成分として含んでな
    る、植物の土壌病害防除剤。
  8. 【請求項8】 タバコの根部、栽培地、またはその土壌
    に存在させることでタバコの土壌病害の発生を防止する
    性質を有する、蛍光性シュードモナス属に属する微生物
    および/またはその培養物を、植物の根部、栽培地、ま
    たはその土壌に存在させることよりなる、植物の土壌病
    害防除方法。
  9. 【請求項9】 ニコチン分解能を有する微生物のうちか
    らタバコ根部への定着性が高く、タバコの根部、栽培
    地、またはその土壌に存在させることでタバコの土壌病
    害の発生を防止する性質を有する微生物を選択し、選択
    された微生物またはその改変体および/またはそれらの
    培養物を、タバコの根部、栽培地またはその土壌に存在
    させ、タバコ栽培開始から収穫までのほぼ全期間または
    少なくとも一時期にタバコ立枯病の病原菌の増殖および
    /または活動を抑制することよりなる、タバコ立枯病の
    防除方法。
  10. 【請求項10】 ニコチン分解能を有する微生物が、シ
    ュードモナス属の細菌である、請求項9の方法。
JP8164711A 1996-06-25 1996-06-25 タバコ根圏定着性シュードモナス属微生物ならびにそれを用いたタバコの土壌病害防除剤および防除方法 Pending JPH104954A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8164711A JPH104954A (ja) 1996-06-25 1996-06-25 タバコ根圏定着性シュードモナス属微生物ならびにそれを用いたタバコの土壌病害防除剤および防除方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8164711A JPH104954A (ja) 1996-06-25 1996-06-25 タバコ根圏定着性シュードモナス属微生物ならびにそれを用いたタバコの土壌病害防除剤および防除方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH104954A true JPH104954A (ja) 1998-01-13

Family

ID=15798441

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8164711A Pending JPH104954A (ja) 1996-06-25 1996-06-25 タバコ根圏定着性シュードモナス属微生物ならびにそれを用いたタバコの土壌病害防除剤および防除方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH104954A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0928726A2 (en) 1998-01-13 1999-07-14 Nissan Motor Co., Ltd. Brake pedal structure for vehicle
CN100434513C (zh) * 2007-01-22 2008-11-19 山东大学 一株可代谢尼古丁的恶臭假单胞菌及其应用
CN100537747C (zh) 2007-08-16 2009-09-09 浙江工业大学 降解尼古丁新菌株--假单胞菌zutskd及其应用
WO2012067668A1 (en) * 2010-11-16 2012-05-24 University Of Delaware Compositions and methods for improving rice growth and restricting arsenic uptake
US8383390B2 (en) 2008-05-29 2013-02-26 Japan Tobacco Inc. Bacteria that reduce content of heavy metals in plant
US8551919B2 (en) 2009-04-13 2013-10-08 University Of Delaware Methods for promoting plant health
US8697603B2 (en) 2010-03-01 2014-04-15 University Of Delaware Compositions and methods for increasing biomass, iron concentration, and tolerance to pathogens in plants
CN113430233A (zh) * 2020-12-18 2021-09-24 中国农业科学院烟草研究所 荧光假单胞杆菌的纳米硒合成活性菌液、其制备方法及其应用
CN119410516A (zh) * 2024-09-25 2025-02-11 南京林业大学 一株耐低温促进烟草早生快发的恶臭假单胞菌yc15及其应用

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0928726A2 (en) 1998-01-13 1999-07-14 Nissan Motor Co., Ltd. Brake pedal structure for vehicle
CN100434513C (zh) * 2007-01-22 2008-11-19 山东大学 一株可代谢尼古丁的恶臭假单胞菌及其应用
CN100537747C (zh) 2007-08-16 2009-09-09 浙江工业大学 降解尼古丁新菌株--假单胞菌zutskd及其应用
US8383390B2 (en) 2008-05-29 2013-02-26 Japan Tobacco Inc. Bacteria that reduce content of heavy metals in plant
US8551919B2 (en) 2009-04-13 2013-10-08 University Of Delaware Methods for promoting plant health
US9023758B2 (en) 2009-04-13 2015-05-05 University Of Delaware Methods for promoting plant health
US8697603B2 (en) 2010-03-01 2014-04-15 University Of Delaware Compositions and methods for increasing biomass, iron concentration, and tolerance to pathogens in plants
WO2012067668A1 (en) * 2010-11-16 2012-05-24 University Of Delaware Compositions and methods for improving rice growth and restricting arsenic uptake
US8318636B2 (en) 2010-11-16 2012-11-27 University Of Delaware Compositions and methods for improving rice growth and restricting arsenic uptake
CN113430233A (zh) * 2020-12-18 2021-09-24 中国农业科学院烟草研究所 荧光假单胞杆菌的纳米硒合成活性菌液、其制备方法及其应用
CN113430233B (zh) * 2020-12-18 2023-01-24 中国农业科学院烟草研究所 荧光假单胞杆菌的纳米硒合成活性菌液、其制备方法及其应用
CN119410516A (zh) * 2024-09-25 2025-02-11 南京林业大学 一株耐低温促进烟草早生快发的恶臭假单胞菌yc15及其应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3428658B2 (ja) 抗菌性微生物製剤、その製造方法及び処理方法
EP0257756B1 (en) Prevention of fusarium diseases and microorganisms therefor
KR102411304B1 (ko) 식물의 저항성을 증진시키는 바실러스 잔톡실리 균주 및 이의 용도
JP2829325B2 (ja) 抗菌・抗線虫剤、植物細胞活性剤及びそのための微生物
CA1328238C (en) Nodulation promoting bacteria and use thereof
JP2835598B2 (ja) 育苗培土及びその製造方法並びに耐病性苗の育成方法
JPH104954A (ja) タバコ根圏定着性シュードモナス属微生物ならびにそれを用いたタバコの土壌病害防除剤および防除方法
KR101535893B1 (ko) 신규미생물 바실러스 아밀로리퀴펜션스 cc110와 이를 함유하는 미생물제제 및 미생물농약
Costa et al. Investigations on some of the mechanisms by which bioenhanced mulches can suppress Phytophthora root rot of avocado
JP2939467B1 (ja) ナス科植物の生育促進効果及び青枯病防除効果を示す細菌並びに栽培方法
JPH09194316A (ja) ナス科植物の土壌病害防除剤及びその防除方法
CN117417855A (zh) 一株高效去除根际瓜氨酸防控西瓜黄瓜枯萎病的生防细菌Pseudomonas putida YDTA3及其应用
JP2598208B2 (ja) イネ苗立枯細菌病の防除方法
JPH0638746B2 (ja) 軟腐病の防除剤および防除方法
WO2005045004A1 (ja) アブラナ科植物病害の防除剤および防除方法
JPH03251179A (ja) 軟腐病菌の固定化方法および防除方法
EP1307103B1 (en) Biological control of crown gall disease
JP3173990B2 (ja) 病害防除用微生物およびそれを用いた病害防除方法
JPH0940515A (ja) ナス科植物の土壌病害防除剤および防除方法
KR910009383B1 (ko) 고추역병 방제용 길항 미생물 및 이 길항 미생물을 이용한 고추역병의 방제방법
JPH09299076A (ja) バチルス・サーキュランスを用いたナス科植物の土壌病害防除剤および防除方法と植物の生育促進剤および促進方法
JPH09194314A (ja) ナス科植物の土壌病害防除剤及びその防除方法
JPH0937771A (ja) 植物の土壌病害防除剤および防除方法
Kravchenko et al. Dynamics of abundance of antifungal strains of Pseudomonas in the rhizosphere of hydroponic cucumbers grown on greenhouse mineral substrate
JPH09224475A (ja) 植物の栽培方法