JPH10500308A - IgA Fc非結合型のB群ストレプトコッカスベータ抗原のクローニング - Google Patents
IgA Fc非結合型のB群ストレプトコッカスベータ抗原のクローニングInfo
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、ベータ抗原として知られているB群ストレプトコッカス(GBS)表面タンパク質をコードする遺伝子の遺伝子操作に関する。このベータ抗原はIgA免疫グロブリンのFc領域と非免疫的に結合することが知られている。IgA結合機能をコードするベータ抗原遺伝子の一部が、遺伝子工学技術を用いて同定され、除去された。改変されたベータ抗原遺伝子によってコードされる新規なポリペプチドはIgAには結合しないが、野生型ベータ抗原タンパク質に対して生成した単一の特異性を有する抗ベータ抗原抗血清と免疫反応性である。このIgA非結合型のベータ抗原は、GBS感染を防御するヒトワクチンの成分として用いることができる。
Description
【発明の詳細な説明】
IgA Fc非結合型のB群ストレプトコッカスベータ抗原のクローニング
発明の背景
B群ストレプトコッカス(GBS)は、ヒトの重要な病原体である。これらの細菌は
疾患を引き起こす物質として成人で、特に免疫無防備状態(immunocompromised)
の個体でますます認められるようになってきている;しかし、それは、米国の新
生児敗血症の全症例の40%以上の感染物質であり、これにより、GBSは、国立科
学アカデミー(National Academy of Science)によって、1985年、米国における
予防可能な感染症の第4位の重要な原因と認められることになった。米国では、
年間12000症例以上のGBS敗血症が発生し、その結果、2500人以上の乳児が死亡し
、そして1350症例が永久的な神経障害を受けている。さらに、妊娠関連合併症(p
regnancy.related morbidity)が、毎年ほぼ50000人の女性に起きている。ある最
近の概説記事では、この国のGBS疾患の1年当たりの直接的費用は726,000,000ド
ルと推定している。現在のところ、GBSワクチンで利用可能なものはないが、B群
ストレプトコッカス疾患が原因のコストの94%以上は、有効な母体用(maternal)
ワクチンの開発によっておそらく無用になり得ることが推測されている。
GBSを他のストレプトコッカス種と区別するB群特異的炭水化物抗原に加えて、
これらの細菌は、それらの表面に発現している7つの既知の型特異的炭水化物抗
原のうちの1つの存在に基づいて、血清型が決定されている。それらは、Ia、Ib
、II、III、IV、VおよびVIと呼ばれている。さらに、集合的にCプロテインとし
て知られている多くのタンパク質抗原が単離されてきている。これらは、アルフ
ァ、ベータ、ガンマおよびデルタと表される。このアルファ抗原およびベータ抗
原をコードする遺伝子が、クローン化され(CleatおよびTimmis、1987; Michelら
、1991)、配列決定され(Jerlstromら、1991;Hedenら,1991;Michelら、1992)、
そしてベータ抗原は、多くの研究者たちによって特異的に、しかし免疫的にでは
なく、ヒトIgAのFc領域と相互作用していることが示された(Russell.Jonessおよ
びGotschlich、1984;Russell-Jonesら、1984;Bradyら、1989;Anthonyら、199
0;Lindahlら、1990;Kvamら、1992)。特定の炭水化物血清型の種間での特異的C
プロテイン抗原の分布は文献に部分的に記載されているが、複雑である。
多くの研究グループが新生児敗血症の全症例の半数以上がIII型生物によって
引き起こされるが、III型生物は健康なコロニーを作った乳児および妊娠中の女
性から単離した生物の25%未満であることを報告している。血清型IIIのGBSの予
防に関心が集まっているが、どの血清型も良性とは考えられない。血清型IIIのG
BSと一般に関連しているただ一つのCプロテイン抗原は、デルタ抗原である(Brad
yら、1989;Chunら、1991)。
GBS血清型特異的炭水化物抗原に対する低レベルの母体IgG抗体は、新生児では
、疾患の感受性(disease susceptibility)と相関することが示された(Bakerら、
1978;Fisherら、1983)。残念ながら、多くの炭水化物抗原は、ヒトでは免疫原
性が貧弱である。これは、II型ポリサッカライドという例外もあり得るが、GBS
型特異的炭水化物に当てはまることが知られている。GBSの複数の血清型に対し
て効果的なワクチンの開発が疾患の予防において最も重要であると考えられる。
全長GBSベータ抗原は、約130000ダルトンのポリペプチドである。それは、免疫
原性であり、動物モデルでは防御的抗体の形成を誘発することが報告されている
(Michelら、1991;Madoffら、1992)。しかし、ワクチンとしてのベータ抗原の使
用の可能性は、それがヒトIgAのFc領域と、高い親和性を伴って非免疫的に相互
作用するという望ましくない性質のため、実質的に危うい状態である。短縮され
た(truncated)型のベータ抗原は、その抗原が細胞表面に発現されていなくても
、特定のGBS株から分泌され、IgA Fc結合型も非結合型もどちらも観察される(Br
adyら、1989)。
GBSに対する高レベルの母体抗体が、胎盤を通じて新生児に運ばれ、新生児を
防御するという証拠がある。したがって、母体用GBSワクチンを開発することに
多大な関心が集まっている。ウサギおよびマウスでは、ベータ抗原が免疫原性で
ある(すなわちベータ抗原は防御抗体の形成を誘導する)ことは公知であるが、
ヒトタンパク質に結合し得るヒトワクチン成分に含むことは危険であろう。した
がって、本発明の目的は、GBSのIgA Fc非結合型のベータ抗原を提供することで
ある。
発明の簡単な概要
本発明は、ベータ抗原と呼ばれるGBS表面タンパク質がヒトIgAに結合すること
ができないように、それをコードする遺伝子の遺伝子操作に関する。より具体的
には、コードされるタンパク質によるIgA結合に必須のこのベータ抗原の遺伝子
の
一部を同定し欠失させた。改変されたベータ抗原遺伝子によってコードされる新
規なタンパク質はIgAには結合しないが、天然のベータ抗原タンパク質に対して
生じる単一特異性抗ベータ抗原抗血清と免疫反応する。このことは、ヒトワクチ
ンの成分として用いられる本発明の遺伝子操作されたベータ抗原が、GBS感染に
よる深刻な健康への脅威を防御することを可能にする。
図面の簡単な説明
図1.ベータ抗原遺伝子のDNA配列を示す。ポリメラーゼ連鎖反応に用いる順方
向(aおよびc)および逆方向(bおよびd)オリゴヌクレオチドプライマーの位置
を示す。このオリゴヌクレオチドプライマー内に挿入された制限エンドヌクレア
ーゼ配列の位置も示す(BamHIおよびSalI)。逆方向プライマーbと順方向プライ
マーcとの間のDNAの領域は本明細書および図2に記載したクローニングストラテ
ジーにより欠失させた。
図2.短縮されたベータ抗原遺伝子の構築を示す。PCRで生成したDNA(pJB2aお
よびpAH10については952塩基対、pAH5およびpJB48については2385塩基対)を、3
932塩基対のpCRTMIIベクターのTAクローニング部位に連結した。GBS配列の末端
に入れたBamHI(B)およびSalI(S)制限エンドヌクレアーゼ部位の位置、およ
びクローン化された挿入DNAの方向を示す。GBS誘導DNAを太字で示す。
図3.クローンJB2a(レーン1)、AH10(レーン2)、AH5(レーン3)、JB48
(レーン4)および806−2(レーン5)由来のプラスミドDNAのBstXI制限消化を示
す。示したDNA標準物のおよその大きさは、20、5.0、3.5、2.0、1.9、1.6、およ
び1.3kbである。
図4A〜4E.プラスミドpJB2aのGBS HG806株誘導挿入DNAの配列を、公開されて
いるベータ抗原遺伝子配列(Jerlstronら、1991;Hedenら、1991)の対応する領域
と並べて示す。
図5.大腸菌の濃縮LBブロス培養上清(パネルAおよびB)または細胞抽出物(
パネルCおよびD)のウエスタンイムノブロット分析を示し、抗ベータ抗血清をプ
ローブとするか(パネルAおよびC)、またはビオチン標識骨髄腫IgAκをプロー
ブとしたもの(パネルBおよびD)を示す。レーン1〜7はそれぞれ、pJB2a、AH5、
806−2、pAH10、pJB48、p618−12、もしくはpCRTMIIを有する大腸菌INVアルファ
F'に
対応する。クローンJB2a、806−2、AH10、618−12および618−18はすべて、ベー
タ抗原遺伝子用のGBSプロモーターDNAを含み、これらのクローンについては、検
出可能なレベルのベータ抗原発現が一貫して観察される。
発明の詳細な開示
本発明は、B群ストレプトコッカス(GBS)ベータ抗原のIgA結合部分の同定およ
び欠失に関する。このGBSベータ抗原のIgA Fc結合ドメインは2つの短縮されたベ
ータ抗原ポリペプチドの活性を比較することにより位置づけられた。GBSの2AR株
によって分泌される約55000ダルトンのポリペプチドはヒトIgAのFc領域に結合す
るが、HG806株によって分泌される約38000ダルトンのポリペプチドは結合しない
。どちらのポリペプチドもウサギ抗ベータ抗血清と反応性であり、成熟全長野生
型ベータ抗原タンパク質としては同じアミノ末端を共有することが示された。し
たがって、ベータ抗原のIgA Fc結合活性は、2AR株によって発現されるこのポリ
ペプチドの17000ダルトンのカルボキシ末端内に直接的に存在するか、あるいは
この領域がこの分子のアミノ末端部分と関連したIgA Fc結合活性を与えるのに必
要であるかのいずれかが推定される。
本発明の特定の局面は、野生型ベータ抗原タンパク質のIgA結合活性をコード
するDNA部分を欠く、新規な組換えベータ抗原遺伝子の構築に関する。ヒトIgAの
非免疫的結合に必要なベータ抗原ポリペプチドの部分をコードすると考えられて
いる、そのDNA分節を欠いた遺伝子を構築するためにクローニングストラテジー
を開発した。オリゴヌクレオチドプライマーは、ベータ抗原DNAの2つの特別の分
節を増幅するように、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて設計した。推定IgA F
c結合ドメインの上流0.95キロ塩基(kb)のベータ抗原DNA、ならびに下流2.4キロ
塩基のDNAを増幅してクローン化した(図1参照)。2つのGBS株の染色体DNAをPC
Rの鋳型として用いた。HG806株は、短縮された約38000ダルトンのIgA Fc非結合
分子を発現するが、ss618C株は全長(約130000ダルトン)のIgA Fc結合ベータ抗
原を発現する。SalI制限エンドヌクレアーゼ部位を、それぞれ約0.95kbおよび約
2.4kbのDNA分節を生成するために用いた逆方向および順方向プライマーに挿入し
、その結果、一旦クローン化したらこれら2つの分節がインフレームで連結され
て、ベータ抗原のIgA Fc結合ドメインにきわめて近接して約150アミノ酸残基を
欠く最終ポリ
ペプチド産生物になるようにした。各株のPCR増幅した遺伝子分節を、市販のベ
クターpCRTMIIにクローン化した。このベクターは、PCR生成したDNAを受け入れ
るように特別に設計されていた。最後に、各株の約0.95kbおよび約2.4kb遺伝子
分節を有するpCRTMIIをSalIおよびTthIIIi制限エンドヌクレアーゼで2重に消化
した。適切な大きさの断片を回収し、連結してベータ抗原遺伝子分節をインフレ
ームで融合させ、そしてpCRTMIIベクターの単一コピーを再構築する(図2参照
)。BamHI制限エンドヌクレアーゼ配列を、約0.95kbおよび約2.4kb遺伝子分節を
生成するために用いた順方向および逆方向プライマーそれぞれに挿入した。した
がって、機能的IgA Fc結合ドメインをコードするのに必要なDNAを欠くベータ抗
原遺伝子構築物を、BamHIでの消化により、ベクターから切り出すことができる
。このことは、これらの遺伝子構築物をBamHI配列を有するどのようなベクター
を選択しようともマルチクローニング部位で移入することを可能にする。この約
0.95kbおよび約2.4kb遺伝子分節は、それらのそれぞれのプラスミドから、SalI
もしくはBamHIでの二重消化、またはベクターDNA内の挿入物のどちらの側でも切
断するBstXIでの消化のいずれかにより切り出すことができる。
本発明はさらに、クローニングストラテジーにより欠失させた領域を含む組換
えベータ抗原遺伝子構築物を用いた新規なIgA非結合ポリペプチドの発現に関す
る。HG806株由来の0.95kbおよび2.4kbのベータ抗原遺伝子断片のPCR増幅が成功
したということは、この株による著しく短縮されたポリペプチドの発現にも関わ
らず、観察された表現形を示すような主だった欠失はその遺伝子中に存在しなか
ったことを示す。短縮された産生物の発現の適当な説明は、この特定の株のベー
タ抗原遺伝子中の成熟前停止コドンとなるナンセンス変異の存在である。予想さ
れるように、推定IgA結合ドメインの上流に位置するHG806誘導DNAの配列決定の
間には、成熟前停止コドンは見られなかった。HG806に存在する遺伝的障害は、
上記のクローニングストラテジーによって除去されるベータ抗原遺伝子の部分に
最も存在しそうである。したがって、HG806におけるそのような欠失がカルボキ
シ末端のベータ抗原の再発現を可能にする。これは実際のところ、約3.3kbの融
合タンパク質構築物のポリペプチド産物が抗ベータ抗体と反応性であり、約0.95
kbの遺伝子分節の産物より実質的に大きいという場合であるようである。
IgA Fc結合ドメインをコードするDNAの除去は、ss618C株に由来する遺伝子構
築物によるIgA Fc結合活性の抹消となる。適切な大きさの遺伝子構築物(3.3kb)
をHG806株およびss618C株の両方から誘導した。HG806株およびss618C株の両方に
由来する約3.3kbの融合遺伝子構築物によって発現されたポリペプチドは、GBSベ
ータ抗原を認識するポリクローナルウサギ抗血清を用いるウエスタンイムノブロ
ッティングにより検出することができるが、これらのポリペプチドとビオチン標
識ヒト骨髄腫IgAカッパタンパク質との相互作用は実証されなかった。これらの
結果は、IgA Fc結合に必要なDNA分節が、十分に破壊されて、ベータ抗原のその
特性が除去されたが、ポリペプチドの抗原性の性質は、それと特定の抗ベータ抗
体との相互作用を排除するほど十分には妨げられていないということを示してい
る。宿主タンパク質(例えば、免疫グロブリン分子)と高い親和性で特異的に結
合する任意の分子をワクチンの成分として用いることは許容できないので、この
望ましくない特性を排除した特別に操作されたGBSベータ抗原遺伝子の構築物は
、GBSワクチン調製物において、それを担体としておよび免疫原として用いるこ
とを可能にするであろう。したがって、本発明はさらに、免疫応答を起こす免疫
原性組成物として本明細書中に開示されたIgA非結合ベータ抗原の用途に関する
。
遺伝コードの重複性のため、種々の異なるポリヌクレオチド配列が本明細書中
に開示されるポリペプチドをコードすることができる。本発明のポリペプチドと
同一の、もしくは実質的に同一のポリペプチドをコードする別のポリヌクレオチ
ド配列を作成することは当業者の技術の範囲である。これらの変異体および別の
ポリヌクレオチド配列は、本発明の範囲内である。本明細書中で用いられるよう
に、「実質的に同じ」配列とは、コードされるポリペプチドと抗ベータ抗原抗血
清との免疫反応性を実質的に変えないアミノ酸置換、欠失、付加、もしくは挿入
をコードする配列をいう。さらに、本発明の範囲は、このポリヌクレオチド配列
によってコードされるポリペプチドがIgAには結合しないが、抗ベータ抗原抗血
清と免疫反応するかぎり、本明細書中に開示されたヌクレオチド配列のすべて、
もしくは部分を包含する。
IgAには結合しないが、抗ベータ抗原抗血清との免疫学的反応性を保持してい
る請求の範囲に係るポリペプチドの断片および変異体は、本発明の範囲内にある
。
当業者が理解するように、このポリペプチドのアミノ酸配列内の特定のアミノ酸
の置換は、このポリペプチドの免疫学的反応性を変えることなく行うことができ
る。例えば、アミノ酸は以下のクラスに分けられる:非極性、非荷電極性、塩基
性、および酸性。保存的置換は、それによって1つのクラスのアミノ酸を同じク
ラスの別のアミノ酸で置き換えることであり、その置換がそのポリペプチドの免
疫学的反応性を実質的に変えない限り本発明の範囲内にある。非保存的置換もま
た、IgA非結合ポリペプチドの免疫学的反応性を著しく変えない限り、含まれる
。
本明細書中で特に例示されるポリペプチドは、単一融合生成物としての全長野
生型GBSベータ抗原のアミノ酸1〜209および353〜1127を含む。当業者が容易に理
解するように、ベータ抗原の欠失させた領域は、本明細書中に例示する領域より
いくらか大きいかまたは小さいことがあり得る。変異体ポリペプチドは、このポ
リペプチドがIgAには結合しないが抗ベータ抗原抗血清とは免疫反応するかぎり
、本発明の範囲内にある。例えば、本明細書中に提供される技術を用いると、当
業者は、本明細書に例示した欠失させた領域のどちらかの末端に付加または除去
された1〜約60まで変わるアミノ酸のポリペプチドを容易に調製することができ
る。例えば、好ましい実施態様においては、約250から始まるアミノ酸は、アミ
ノ酸約350まで欠失させることができる。好ましくは、付加されるアミノ酸はい
ずれも野生型ベータ抗原ポリペプチドの対応するアミノ酸と同じである。本明細
書中に特に例示されるポリペプチドのアミノ末端もしくはカルボキシ末端のいず
れかに付加もしくは欠失されているアミノ酸を有するポリペプチドも本発明の範
囲内にある。そのような付加もしくは欠失は当業者には容易に明らかである。
本発明のポリヌクレオチドは、組換えベータ抗原を発現させるために用いるこ
とができる。それらは、GBS感染をアッセイするためのプローブとして用いるこ
とができる。このポリヌクレオチドはまた、DNAサイズ決定標準物として用いる
ことができる。
本発明のポリペプチドは、GBSに対する免疫学的応答を起こすために用いるこ
とができる。それらはまたは、分子量標準物として、またはアッセイにおける不
活性タンパク質として用いることもできる。このポリペプチドはまたGBSと免疫
反応性の抗体の存在を検出するために用いることができる。
本発明のポリヌクレオチド配列はRNAもしくはDNAのいずれかからなる。より好
ましくは、このポリヌクレオチド配列はDNAからなる。
材料および方法
細菌株およびプラスミド フロリダ州ゲインスビルのフロリダ大学、J.ヒルズ
ミラー健康科学センター、シャンズホスピタル臨床研究所(the clinical labor
atories of Shands Hospital,J.Hills Miller Health Science Center,Univer
sity of Florida,Gainesville,Florida)からのB群ストレプトコッカス(GBS
)の単離物を本研究に用いた。ss618株を疾患コントロールセンター(Centers f
or Disease Control)(Atlanta,GA)から入手した。ss618C株を、先に記載され
たように(Bradyら,1989)、高レベルのGBSベータ抗原発現およびIgA Fc結合活性
について選択した。血清学的試験に用いるため、GBSをトッド・ヒュイット(Tod
d-Hewitt)ブロス(BBL Microbiology Systems,Cockeysville,MD)で18〜24時間
、37℃で、定常期まで増殖させた。保存培養物をグリセロール中で−70℃で保存
した。プラスミドベクターpCRTMII(InVitrogen Corp.,San Diego,CA)を、ポリ
メラーゼ連鎖反応を用いて生成したGBSベータ抗原遺伝子をクローニング断片と
して用いた。連結したpCRTMIIおよびPCR生成ベータ抗原DNAを用いて製造者の使
用説明書にしたがって大腸菌 INVアルファF'(”ONESHOT”,InVitrogen Corp.)
を形質転換した。大腸菌を、50μg/mlのアンピシリンまたはカナマイシンを補充
したルリア・バータニ(Luria-Bertani)(LB)ブロスで37℃で通気しながら増殖さ
せた。
抗体 Ia、Ib、IIおよびIII型炭水化物抗原に対するウサギ抗体、ならびにc−
プロテインマーカーに対するウサギ抗体は、R.ファックラム(R.Facklam)博士(
Center for Disease Control,Atlanta,GA)から提供された。GBSベータ抗原を認
識する単一特異性抗血清を、先に記載されたように(Bradyら,1989)、抗c−プロ
テイン血清の、アルファ、ガンマ、およびデルタ抗原を発現している適切な株と
の選択的吸着によって調製した。ペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギIgG(全分
子)は、Cappel (Organon Teknika Corp.,Westchester,PA)から購入した。
制限エンドヌクレアーゼ 制限エンドヌクレアーゼAlwNI、BspHIII、BstXI、D
raIII、HindIII、KpnI、SalI(New England BioLabs,Beverly,MA)、BamHI、BglI
、BglII、EcoRV(Promega,Madison,WI)、ClaI(Bethesda Research Laboratories,
Ga
ithersburg,MD)、TthIIIi(International Biotechnologies,Inc.,New Haven,CT)
、およびXmnI(Stratagene,La Jolla,CA)を、製造者の指示に従って用いた。
ヒトIgAのビオチン化 クロマトグラフィーによって精製したヒト骨髄腫IgAカ
ッパは、Cappel (Westchester,PA)から購入した。タンパク質を0.01Mリン酸ナ
トリウム緩衝液、pH7.3で5mg/mlの濃度になるまで再懸濁した。1mgのIgAを250μ
g(ジメチルスルホキシド中10mg/ml、Fisher Scientific,Fair Lawn,NJ)のビ
オチン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(Sigma Chemical Co.,St.Louis
,MO)と反応させた。この反応は0.1Mホウ酸ナトリウム緩衝液(pH8.8)中で、1.0m
l反応容量で行った。この混合物を4時間、4℃で上下に回転させた。反応を20μl
の1.0M NH4Clを添加して室温で10分間インキュベーションすることにより停止
した。結合しなかったNHS-ビオチンを「SEPHADEX」G-25M(PD-10,Pharmacia,Pisc
ataway,NJ)のカラムを通過させることによって結合したタンパク質から分離し
た。IgA.ビオチン結合体をPBSに緩衝液交換し、アリコートにして−20℃で保存
した。ペルオキシダーゼ−アビジンはシグマ・ケミカル(Sigma Chemical Co.)か
ら購入した。
B 群ストレプトコッカス表面抗原および分泌抗原検出のためのドットブロット アッセイ
この研究に用いるすべての単離物を「PHADEBACT」ストレプトコッカ
ス試験(Pharmacia Diagnostics,Piscataway,NJ)を用いるスクリーニングによ
ってGBSであることを確認した。細菌を先に記載された方法(Bradyら、1988)の変
法を用いてタイプ分けした。簡単に述べると、細菌を10mlのトッド・ヒュイット
ブロス中で37℃で(約18時間)増殖させ、遠心分離により回収し(8分間、100×
g)、5mlの0.15Mリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、pH7.4で1回洗浄し、2mlのPBSに
再懸濁した。この細菌懸濁液をPBSで1:40に希釈した。培養上清を0.2ミクロン
のディスポーザブルフィルター("ACRODISC",Gelman Sciences,Ann Arbor,MI)を
用いて濾過し、"MINICON"Macrosolute Concentrators(Amicon,Beverly,MA)を
用いて約20倍に濃縮した。各GBS細胞懸濁液の試料50μlと、100μlの各対応する
培養上清を2つずつニトロセルロース膜("TRANSBLOT"transfer medium Bio-Rad L
aboratories,Hercules,CA)上に、"MANIFOLD I"微量試料濾過マニホルド(micro
sample filtration manifold)(Schleicher & Schuell,Keene,NH)を用いて点在
させた。ウェ
ルを2回200μlのPBSで洗浄し、フィルターを装置からはずした。ニトロセルロー
スフィルターを、0.25%のゼラチンおよび0.25%の「TWEEN-20」を含むPBS(PBS
−Gel−Tw)で室温で4回(1回の洗浄あたり15分、1cm2フィルター面積当たり約2
ml)洗浄することによりブロックした。次いで、フィルターを、PBS−Gel−Twで
1:500に希釈した型特異的抗体(0.1ml/cm2)と1−3時間反応させ、さらに4回PBS
−Gel−Twで上記のように洗浄した。フィルターを一晩、PBS−Gel−Twで1:1000
に希釈したペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギIgG(0.1ml/cm2)でプローブした。
フィルターをPBS-Gel−Twで2回(各15分間)洗浄し、そして発色前にPBSで2回洗
浄した。反応性は、周囲温度で30分間、0.1ml/cm2の4-クロロ−1−ナフトール溶
液(7mlのPBS、1mlの4−クロロ−1−ナフトール[Sigma Chemical Co.;氷冷メタノ
ール中3mg/ml]、および8μlの30%過酸化水素[Fisher Scientific])中で発色さ
せることにより可視化した。細菌懸濁物および培養上清をそれぞれのGBS型特異
的抗血清および単一特異性抗ベータ抗血清との反応性に関してテストした。抗Ib
炭水化物型の抗血清および/または抗ベータ抗血清に反応性を示したすべての株
を、次に、IgA Fc結合活性に関してテストした。
ヒトIgA Fc結合活性を検出するためのドットブロットアッセイ GBSを、IgA F
c結合活性に関して、ビオチン標識ヒト骨髄腫IgAカッパ(1:500希釈)をアッセイ
の第1段階で一次抗体の代わりに用い、そして発色前にペルオキシダーゼーアビ
ジン(1:1000)をペルオキシダーゼ結合二次抗体の代わりに用いた以外は上記と
同様のドットブロット手順を用いてスクリーニングした。
短縮されたベータ抗原ポリペプチドのアミノ末端配列決定 GBSの2AR株および
HG806株からの短縮されたベータ抗原ポリペプチドを含む濃縮したトッド・ヒュ
イットブロス培養上清を、下記に記載したように、0.2M Tris、pH8.9を陽極緩衝
液として、0.1M Tris、0.1M Tricine、0.1% SDSを陰極緩衝液として用いて、10
%のドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)にか
けた。タンパク質を、エレクトロブロットにより、20%メタノール、10mM MES緩
衝液、ph6.0(2−[N−モルホリノ]エタンスルホン酸、Sigma Chemical Co.)を用
いて、PVDF膜("IMMUNOBILON-P",Millipore Corp.,Bedford,MA)に移した。こ
の膜をクマシーブリリアントブルーで染色し、ブロットされたベータ抗原バンド
を切り
出して、アプライド・システムズ470Aタンパク質配列決定機(Applied Biosyste
ms 470A Protein Sequencer)(Foster City,CA)を用いて配列決定した。
染色体DNAの調製 GBSを37℃で一晩、20mM DL−トレオニンを含むトッド・ヒ
ュイットブロス5ml中で増殖させた。翌朝、10mlの新鮮なブロスを加え、この培
養物をさらに45分増殖させた。次いで、0.75gのグリシンを加え、この培養物を
さらに60分間増殖させた。細胞を、7500×gで10分間遠心分離することにより回
収し、1mlの滅菌蒸留水に再懸濁した。この細胞懸濁液をエッペンドルフチュー
ブに移し、エッペンドルフ遠心分離器で高速で3分間遠心分離することにより細
胞をペレット化した。この細胞を、25%スクロースを含む5mM EDTA、10mM Tris
、pH8.5、0.5mlに再懸濁した。6μlのRNase(10mg/ml)および70μlのリゾチーム(
15mg/ml)を加え、この細胞を37℃で1時間インキュベーションした。細胞を40μl
の10%SDSの添加により溶解し、室温で20分間インキュベーションした。この混
合物を短時間ボルテックスし、その後、0.6mlのフェノール/クロロホルム/イ
ソアミルアルコール(25:24:1)で3回抽出した。エッペンドルフ遠心分離器での
5分間の低速回転により相が分離した。0.5mlのクロロホルム/イソアミルアルコ
ール(24:1)でさらに3回抽出を行って、残ったフェノールを除去した。DNAを含
んでいる水相を10mM Tris、2mM EDTA、pH8.0に対して4℃で一晩透析した。DNAは
、1/10容量の3M酢酸ナトリウムおよび2容量の95%エタノールの添加により沈殿
した。このペレットを70%エタノールで洗浄し、DNAを1mg/mlの濃度になるまで
滅菌蒸留水に再懸濁した。
ポリメラーゼ連鎖反応 PCRに用いるオリゴヌクレオチドプライマーは、先に
公開されたGBSベータ抗原をコードする遺伝子の配列(Jerlstromら1991)の、塩基
121〜139(順方向プライマーa)および1491〜1509(順方向プライマーc)の位置
に対応し、相補的なヌクレオチドは塩基1039〜1057(逆方向プライマーb)およ
び3841〜3859(逆方向プライマーd)の位置に対応していた。順方向プライマーa
および逆方向プライマーdの5'末端に付加したのはBamHIの制限配列であり、SalI
制限配列は逆方向プライマーbおよび順方向プライマーcの5'末端に付加した。こ
れらのオリゴヌクレオチドプライマーの位置を概略的に図1に示す。下線を引い
た制限配列を有するPCRプライマー配列および太字で示したベータ抗原DNAは、以
下の通
りである:
PCRは、約50〜100ngの鋳型DNA、1μmの各プライマー、および「TAクローニン
グキット(TA CLONING KIT)」 (InVitrogen Corp.)に含まれている試薬を製造者
の指示に従って用いて行った。反応は、33サイクル行い、Coy 「テンプサイクラ
ー(TEMPCYCLER)」(Coy,Ann Arbor,MI)を用いて、鋳型としてGBSのHG806株およ
びss618C株の染色体DNAを用い、以下のパラメーターを用いた:(i)変性、96℃、
30秒間;(ii)プライマーアニーリング、56℃、1分間;(iii)プライマー伸張、72
℃、2分間。最後のサイクルの後にはさらに5分間のプライマー伸張工程を行った
。新規なBamHIおよびSalI制限部位を含む952塩基対および2385塩基対のDNA断片
がこのプロセスから生成することが予想された。PCR産生物を0.7%アガロースゲ
ルによる電気泳動で分析し、以下に記載するpCRTMIIベクターに直接クローン化
される前にサイズを確認した。
PCR 生成DNA断片のクローニング HG806およびss618C染色体DNAを鋳型として用
いるPCRによって生成した952塩基対および2385塩基対のベータ抗原遺伝子断片を
、pCRTMIIベクターに連結した。このベクターは、重複したチミジン残基を有す
る直鎖状型で供給され、それらの残基が前記PCR工程から得たDNA断片上の突出し
たアデノシン残基に連結される。連結されたDNAを用いて、製造者の指示に従っ
て大脳菌 INVアルファF’(”ONESHOT”InVitrogen Corp.)を形質転換した。ク
ローンを50μgのアンピシリンまたはカナマイシン、および1ml当たり0.75μgの5
−ブロモ−4-クロロ−3−インドリル−ベータ−D−ガラクトピラノシド(X-GAL)
を補充したLB寒天上で青色−白色選択によりスクリーニングした。白色のコロニ
ーを選択し、そしてプラスミドDNAを以下に記載のミニプレップ手順により調製
した。クローンを、適切なサイズの挿入物の組込みに関して、BStXIでミニプレ
ップDNAを消化することによりスクリーニングした。pCRTMIIベクター中のTAクロ
ーニング部位の約20塩基上流および下流に2つのBstXI制限エンドヌクレアーゼ部
位がある。配
列決定したベータ抗原遺伝子のどちらにもBstXI部位は見いだされなかった(Jerl
stromら、1991;Hedenら、1991)。ベクターDNAに関する挿入DNAの方向を制限エ
ンドヌクレアーゼ分析により決定した。952bp挿入物を有するクローンについて
はBglIIおよびEcoRVを用い、2385bp挿入物を有するクローンについてはDraIII、
BspHI、およびHindIIIを用いた。以下のクローンを、IgA Fc非結合型のベータ抗
原をコードする遺伝子の構築に用いるために選択した;JB2a、AH5、AH10、およ
びJB48。pJB2aおよびpAH5はそれぞれ、HG806株から誘導した952bpおよび2385bp
の挿入物を含むプラスミドを示し;一方pAH10およびpJB48はそれぞれ、ss618C株
から誘導した952bpおよび2385bpの挿入物を含むプラスミドを示す。それぞれの
ストレプトコッカス株から誘導したこの952bp挿入物は、ベータ抗原遺伝子の推
定プロモーターDNAを含むことが予想された。さらなる研究のために選択した4つ
のプラスミドそれそれについての挿入DNAは、pCRTMIIベクターDNA(5'から3'へ
)については反対の方向(3'から5'へ)であった(図2参照)。
4つのプラスミドそれそれの大規模な調製を以下のように行い、各プラスミド
をSalIおよびTthIIIi制限エンドヌクレアーゼで消化した。SalI部位を952bp挿入
物および2385bp挿入物の各1端に入れたが、一方pCRTMIIベクターのヌクレオチド
1567位には1つのTthIIIi部位がある。これを図2に概略的に示す。pJB2aおよびpA
H10の消化は、約2.2kbおよび2.7kbの断片サイズになることが予測され、pAH5お
よびpJB48は、1.2kbおよび5.1kbの断片サイズになることが予測される。2.2kbお
よび5.1kb断片の連結は、ベータ抗原遺伝子分節のインフレームでの融合、なら
びにpCRTMIIベクターの単一コピーの再構築になる。約20μgの各プラスミドDNA
を最初にSalIで、次にTthIIIiで製造者の指示に従って消化した。この二重消化
したものを0.7%アガロースプレップゲルに流し、適切なサイズのバンドを切り
出して、各ゲル切片を「マイクロフィルターフュージ(MICROFILTERFUGE)」チュ
ーブ(Rainin,Woburn,MA)に入れ、−70℃で30分間凍結し、4℃で30分間、エッペ
ンドルフ遠心分離器で高速で回転させ、−70℃で、1/10容量の3M酢酸ナトリウ
ムおよび2容量の95%エタノールを用いてDNAを沈殿させることによりDNAを回収
した。pJB2a由来の2.2kb断片をpJB48由来の5.1kb断片に連結した。連結されたDN
Aを用いて、製造者の指示に従って、大腸菌 INVαF'を形質転換した。クローン
を上記のように
スクリーニングした。ミニプレップDNAをBStXIで消化し、3337bp挿入物の存在を
確認した。このことは、952bp断片および2385bp断片のそれぞれに入れられたSal
I部位によるこれらの断片の融合を示している。以下のクローンは適切なサイズ
のDNA挿入物を含み、さらなる分析のために選択された。p806-2は、pJB2aとpAH5
プラスミドDNAとの融合産物を示し、一方p618−12とp618−18は、pAH10とpJB48
プラスミドDNAとの融合産物を示す。p806−2、p618−12、およびp618−18の大規
模なプラスミド調製物は、以下に記載のように調製され、各プラスミドは、以下
に記載した制限酵素分析により、予測したベータ抗原遺伝子配列と対照して確認
された。さらに、pJB2a由来のDNA挿入物は、M13順方向シーケンシングプライマ
ーおよび逆方向シーケンシングプライマーを用いて、フロリダ大学ICBR DNA配列
決定コアファシリティ(University of Florida ICBR DNA Sequencing Core Faci
lity)でのDNA配列分析にかけた。
プラスミドDNAの調製 多量のプラスミドDNAを、アルカリ溶解、PEG沈殿手順
を用いて調製した。簡単に述べると、組換えプラスミドを有する大腸菌を、37℃
で一晩、通気しながら、50μg/mlのアンピシリンまたはカナマイシンを含む30ml
のTerrific Broth(12g/lのバクトトリプトン、24g/lのバクト−イースト抽出物
、4ml/lのグリセロール、17mMのKH2PO4、72mMのK2HPO4)中で増殖させた。細菌細
胞を遠心分離によって回収し、4mlのGTE緩衝液(50mMグルコース、25mM Tris、pH
8.0、10mM EDTA、pH8.0)に再懸濁した。細胞を、1%SDSを含有する新しく調製し
た0.2NのNaOH 6mlを添加して氷上で5分間インキュベーションすることにより溶
解した。この溶液を6m1の3.0M酢酸カリウム、pH4.8を加えて氷上で5分間インキ
ュベーションすることにより中和した。細胞砕片を12000×gで10分間、室温で遠
心分離することにより除き、上清を清潔なチューブに移した。RNAseを最終濃度
が20μg/mlとなるように添加し、37℃で20分間インキュベーションした。次いで
、上清を1/2容量のクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)で2回抽出し、
水相を清潔なチューブに移した。全DNAを等量の100%イソプロパノールの添加、
および12000×gで10分間の室温での遠心分離により沈殿させた。このDNAペレッ
トを70%エタノールで洗浄し、減圧下で乾燥させ、600μlの滅菌蒸留水に再懸濁
した。プラスミドDNAを、最初に160μlの4M NaCl、次に800μlの13%PEG2000を
添加すること
により沈殿させた。十分に混合した後、この試料を氷上で20分間インキュベーシ
ョンし、プラスミドDNAを12000×gで15分間、4℃での遠心分離によりペレット化
した。このペレットを70%エタノールで洗浄し、減圧下で乾燥させ、滅菌蒸留水
で1mg/mlの濃度になるように再懸濁した。
ミニプレップDNAを調製し、各コロニーを25μg/mlのカナマイシンを含有する2
mlのテリフィック・ブロス(Terrific Broth)に接種し、37℃で一晩通気しながら
インキュベーションすることによって、白色コロニーから単離したプラスミドDN
Aをスクリーニングした。1.5mlの各夜間培養物をエッペンドルフチューブに移し
、細菌をエッペンドルフ遠心分離器で1分間高速で、室温にて遠心分離すること
により採取した。上清を捨て、細菌を100μlの溶菌緩衝液(8%スクロース、10mM
Tris、pH8.0、50mM EDTA、pH8.0、および0.5%Triton X-100)で再懸濁した。10
μlの新しいリゾチーム(10mg/ml)および2μlののRNAse(10mg/ml)を細胞懸濁物に
加えて混合した。この細胞を30秒間煮沸し、そして細菌砕片を室温で高速で5分
間遠心分離することによりペレット化した。このペレットを減菌した楊枝で取り
出し、DNAを室温の100μlのイソプロパノールの添加により沈殿させた。DNAを室
温で高速で15分間遠心分離することによりペレット化した。上清をデカントし、
ペレットを減圧下で乾燥させた。このDNAペレットを10μlのTE(10mM Tris)2mM E
DTA、pH8.0)で再懸濁した。
クローンの制限エンドヌクレアーゼ消化 プラスミドを目的の7つのクローン
から精製した。JB2a、AH5、AH10、JB48、806−2、618−12、および618−18。各
プラスミドを、以下に列挙した酵素を用いた制限エンドヌクレアーゼ分析を行っ
て公開されたベータ抗原遺伝子の配列(Jerlstromら,1991;Hedenら,1991)および
pCRTMIIベクターに基づいて予測された消化パターンを確認した。pJB2aおよびpA
H10は、KpnI、BglI、AlwNI、XmnI、およびClaI/BssH2で消化し;pAH5およびpJB
48は、KpnI、DraIII、AlwNI、およびHindIIIで消化し;そしてp806−2、p618−1
2、およびp618−18は、KpnI、BglI、BglII、AlwNI、およびClaI/BssH2で消化し
た。
ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミド電気泳動およびウエスタンイム ノブロッティング
タンパク質試料を、2%(wt/vol)ドデシル硫酸ナトリウム、1
0%グリセロール(wt/vol)、0.5M Tris-HCl、pH6.8、0.01%ブロムフェノールブ
ル
ー中で5分間煮沸することにより変性させた。変性したタンパク質を、7.5%もし
くは10%のポリアクリルアミドゲルスラブで、スラブあたり25mAで1時間、Laemm
li(1970)の方法により電気泳動した。あらかじめ色の付いた分子量マーカー(Sig
ma Chemical Co.)を、推定分子量を測定するために、各ゲルの一つのレーンに流
した。ゲル上のタンパク質を、トウビン(Towbin)ら(1979)の方法によりニトロ
セルロース(”TRANSBLOT”transfer medium,Bio-Rad)に電気泳動により移した
。このゲルとニトロセルロースフィルターを、25mM Tris、192mMグリシン、20%
メタノール(ph8.3)に予め浸漬し、「トランスブロット」セミドライトランスフ
ァーセル(”TRANSBLOT SD”Semi-Dry Transfer Cell)(Bio-Rad)を組立て、15Vで
30分間電気泳動した。ブロットをブロックし、ウサギ抗ベータ抗原抗血清とペル
オキシダーゼヤギ抗ウサギIgG、またはビオチン標識ヒト骨髄腫IgAカッパとペル
オキシダーゼ−アビジンを用いて、ドットブロットアッセイに関して上記のよう
にプローブした。
タンパク質試料を以下のように調製した。:GBS株の上清をドットブロットア
ッセイのために上記のように調製した。各濃縮GBS培養上清15μlを各レーンに負
荷した。大腸菌の細胞抽出物を、10mlの細菌を一晩37℃で通気しながら50μg/ml
のアンピシリンまたはカナマイシンを含有するLBブロスで増殖させることによっ
て調製した。この細菌を、2000×gで10分間、室温で遠心分離することにより採
取した。この細胞を5mlのPBSで1回、1mlのPBSで1回洗浄した。この細胞を、200
μlのSDS−試料緩衝液に再懸濁し、5分間煮沸した。細胞砕片をエッペンドルフ
遠心分離器で10分間高速で遠心分離することにより取り除いた。1レーンあたり
各細胞抽出物50μlを負荷した。残ったLBブロス培養上清を上記のようにGBSトッ
ド・ヒュイットブロス培養上清のために約40倍に濃縮して、1レーンあたり各濃
縮大腸菌培養上清50μlを負荷した。
以下は、本発明を実施するために、最良の型を含む手順を例示する実施例であ
る。これらの実施例は限定するものとして解釈されるべきではない。他に言及が
ない限り、すべての百分率は重量%であり、すべての溶媒混合比は容量比である
。
実施例I−GBSによるベータ抗原発現/IgA Fc結合活性の同定
ドットブロットアッセイでテストした場合にベータ抗原もしくはIb型炭水化物
を表面に発現している53株のB群ストレプトコッカスを同定した。これらのすべ
ての株を、培養上清へのベータ抗原の分泌に関してテストし、表面および/また
は分泌IgA Fc結合活性に関してスクリーニングした。IgA Fc活性がなくてもベー
タ抗原の発現を示す株はなかった。したがって、先に同定されたGBSの2AR株およ
びHG806株は、表面発現がなくても、短縮されたMr約55000のIgA Fc結合型ベータ
抗原およびMr約38000のIgA Fc非結合型ベータ抗原をそれぞれ分泌するが、これ
らをさらなる特徴づけのために選択した。GBSのss618C株は、高レベルの全長IgA
Fc結合型ベータ抗原Mr約130000を発現するが、これもまたクローニング実験の
候補として選択した。実施例2−短縮された型のベータ抗原のアミノ末端配列決定
GBSベータ抗原タンパク質内のIgA Fc結合活性のおよその位置を決定するため
、GBSの2AR株およびHG806株によって分泌された2つの短縮されたベータ抗原ポリ
ペプチドに関して、アミノ末端配列決定を行った。2AR株によって発現されるMr
約55000のIgA Fc結合ポリペプチドの10アミノ末端基は、37アミノ酸残基のシグ
ナル配列を切断した後の成熟全長ベータ抗原タンパク質について予想されたアミ
ノ末端配列(Jerlstromら、1991;Hedenら、1991)に対応する。HG806株によって
発現されるMr約38000のIgA Fc非結合ポリペプチドのアミノ末端残基も同じであ
った。したがって、GBSベータ抗原のIgA Fc結合ドメインが、2AR株によって発現
されるポリペプチドのカルボキシ末端の17000ダルトンの中にあると結論づける
ことが妥当である。あるいは、このIgA Fc結合ドメインは、HG806によって発現
される38000ダルトンのポリペプチドの中に少なくとも部分的に存在するかもし
れないが、2ARによって発現される別の17000ダルトンがIgAFc結合活性を与える
適切なコンフォメーションを達成するのに必要であるかもしれない。実施例3−IgA Fc非結合型のGBSベータ抗原をコードする遺伝子の構築
推定IgA Fc結合ドメインの上流および下流のDNAがポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
によって増幅されるように、オリゴヌクレオチドプライマーを設計した。これら
のプライマーの位置を図1に示す。このクローニングストラテジーによってベー
タ
抗原遺伝子から除去されるDNA分節も図示する。順方向プライマーaおよび逆方向
プライマーdの5'末端にBamHIの制限配列を付加し、一方逆方向プライマーbおよ
び順方向プライマーcの5'末端にSalI制限配列を付加した。これらの挿入された
制限部位の位置も図1に示す。
GBSのHG806株およびss618C株に由来する染色体DNAをPCR反応の鋳型として用い
た。BamHIおよびSalI制限部位を含む952塩基対のDNA断片は、順方向プライマーa
および逆方向プライマーbの使用の結果予測され、一方2385塩基対を含む断片は
、順方向プライマーcおよび逆方向プライマーdの使用の結果予測された。これら
の2つの断片を、鋳型として両GBS株由来の染色体DNAを用いるPCRにより成功裡に
生成した。PCR産物を0.7%アガロースゲルで電気泳動することによって分析し、
pCRTMIIベクターに直接クローン化する前にサイズを確認した。
PCR生成DNAによる952塩基対および2385塩基対を直鎖状のpCRTMIIベクターに連
結し、それを用いて大腸菌INVαF'を形質転換した。クローンは青色−白色選択
によりスクリーニングした。白色コロニーを選び、ミニプレップによって挿入DN
Aの存在についてスクリーニングした。挿入物を有するこれらのクローンを、pCRTM
IIベクター内の挿入DNAのどちらかの側を切断するBstXIを用いて、制限分析を
行った。適切なサイズになった挿入部物を有するこれらのクローンは、約0.95kb
もしくは2.4kbであり、さらなる制限エンドヌクレアーゼ分析を行った。約0.95k
bの挿入物を有するクローンをBglIおよびEcoRV制限エンドヌクレアーゼを用いて
位置を決め、一方約2.4kbの挿入物は、HindIII、DraIII、およびBspHI制限エン
ドヌクレアーゼを用いて位置を決めた。これにより、各クローンにおける、ベク
ターDNAに関する挿入DNAの方向の決定が可能になる。4つのクローンをさらなる
遺伝子操作のために選択した。JB2およびAH10は、GBSのHG806株およびss618C株
由来の約0.95kbのクローンをそれぞれ表した。AH5およびJB48は、GBSのHG806株
およびss618C株由来の約2.4kbのクローンをそれぞれ表した。これらの4つのすべ
てのクローンの挿入DNAは、ベクターDNA(5'から3')に関して反対の方向(3'から5
')であることが見いだされた。
この約0.95kbのDNA断片と約2.4kbのDNA断片の連結およびpCRTMIIベクターの単
一コピーの再構築に関するストラテジーを図2に示す。4つのクローンのそれぞれ
に由来するプラスミドDNAをSalIおよびTthIIIi制限エンドヌクレアーゼで消化し
た。GBSのHG806株およびss618C株由来のプラスミドからの適切な消化断片を精製
し、約0.95kbの遺伝子分節と約2.4kbの遺伝子分節をインフレームで各分節の一
端に挿入されたSalI部位を介して連結した。制限断片のもう一方の端でのTthIII
i部位を介した連結は完全なpCRTMIIベクターを再構築することになった。pJB2a
の制限断片(約0.95kb、HG806)およびpAH10の制限断片(約0.95kb、ss618C)をpAH5
(約2.4kb、HG806)およびpJB48(約2.4kb、ss618C)にそれぞれ連結した。連結した
DNAを再び用いて大腸菌INVアルファF'を形質転換し、そして白色コロニーをミニ
プレップおよびBstXI消化によって適切なサイズの挿入物(3337塩基対)の存在に
関してスクリーニングした。約3.3kbの挿入物を含む3つのクローンをさらなる研
究のために選択した。これらは、pJB2aとpAH10との融合により構築された806−2
、およびpAH5とpJB48の融合によって構築された618−12および618−18を含んで
いた。
実施例4−プラスミドDNAの制限エンドヌクレアーゼ分析
プラスミドを、7つの選択したクローンから、アルカリ溶解/PEG沈殿手順を用
いて精製した。図3は、ベクターDNAから挿入DNAを分離するためにBstXIで消化し
た各プラスミド(p618−12およびp618−18を除く)を示す。このpCRTMIIベクタ
ーは、3932塩基対を含み、そしてTAクローニング部位から約20塩基対上流および
下流のBstXI部位を有する。2つの公開された配列(Jerlstromら、1991;Hedenら
、1991)に基づくベータ抗原遺伝子にはBstXI部位はない。すべてのプラスミドは
、直鎖状ベクターを表す約3.9kb断片、およびクローン化されたGBS DNAを表す
約0.95kb断片、約2.4kb断片、もしくは3.3kb断片を示す。
この図は、同一で適切なサイズの断片が、両方の株HG806(レーン1と3)およ
びss618C(レーン2と4)について、オリゴヌクレオチドプライマーaとb(レーン
1と2)、およびcとd(レーン3と4)を用いるPCRにより生成されたこと、および
これらの株が成功裡にpCRTMIIベクターにクローン化されたことを示す。約3.3kb
のベータ抗原遺伝子挿入物を創生するための、約0.95kbと約2.4kbのPCR生成DNA
の上首尾な連結をHG806株から誘導した806−2についてレーン5に示す。同じ結果
がp618−12およびp618−18をBstXIで消化した場合にも観察された。
このクローン内に含有されるGBS DNAが、公開されたベータ抗原遺伝子配列を
表
すことをさらに確認するために、各プラスミドを制限エンドヌクレアーゼパネル
を用いて分析した。予想されるおおよその断片サイズは、公開されたpCRTMIIベ
クターの配列およびベータ抗原遺伝子に基づいて、各酵素名の後の括弧内に列挙
する。pJB2aおよびpAH10をKpnI(約4.9kb)、BglII(約1.7kbおよび約3.2kb)、
AlwNI(約2.3kbおよび約2.5kb)、XmnI(約2.4kb、約0.5kbおよび約2.0kb)、お
よびClaI/BssHII(約1.7kbおよび約3.2kb)で消化し、pAH5およびpJB48をKpnI
(約6.3kb)、DraIII(約1.9kb、約0.07kbおよび約4.3kb)、AlwNI(約2.3kb、
約2.5kbおよび約1.5kb)、およびHindIII(約0.02kb、約0.02kb、約0.08kb、お
よび約5.5kb)で消化した。p806−12、p618−12およびp618−18は、KpnI(約7.3
kb)、BglI(約2.3kbおよび約5.0kb)、BglII(約1.7kbおよび約5.6kb)、AlwNI
(約2.3kb、約1.5kbおよび約3.4kb)、およびClaI/BssHII(約1.7kbおよび約5.
5kb)で消化した。予測される消化パターンを各場合において示した。
実施例5−プラスミドJB2aからのGBS挿入DNAの配列決定
制限エンドヌクレアーゼ分析に加えて、クローンの1つ(JB2a)で、GBSのHG806株
から誘導したDNAを有しているものをDNA配列分析した。順方向および逆方向のM1
3シークエンシングプライマーを用いた。なぜなら、これらの配列がpCRTMIIIク
ローニングベクターに挿入されているからである。JB2a挿入DNAのDNA配列を図4A
−4Eに示す。この配列は、以前に公開された2つのベータ抗原遺伝子配列(Jerlst
romら、1991;Hedenら、1991)の対応する領域と並べて示している。
実施例6−ベータ抗原発現およびIgA Fc結合活性に関するクローンの分析
7つのクローンそれぞれからの細胞抽出物(煮沸調製)および濃縮培養上清を
、ウサギ抗ベータ抗血清およびビオチン標識ヒト骨髄腫IgAカッパとの反応性に
関して、ウエスタンイムノブロット分析を用いてテストした。pCRTMIIIベクター
DNAのみを含む大腸菌を用いて調製した試料は、これらの実験に陰性対照として
含まれた。結果(p618-18を除く)を図5に示す。抗ベータ抗体と反応性の分子は
、クローンJB2(レーン1)および806−2(レーン3)の培養上清(パネルA)、並
びにクローンJB2a(レーン1)、AH10(レーン4)、および618−12(レーン6)の
細胞抽出物(パネルC)において見られた。抗ベータ抗体と特異的に反応する任
意のポリ
ペプチドに関してはIgA Fc結合活性はなかった(パネルBおよびD)。いくつかの
非特異的IgA結合活性が大腸菌培養上清および細胞抽出物中に観察されたが、反
応性のパターンはpCRTMII陰性対照(レーン7)とテスト試料と同じであった。し
たがって、ベータ抗原に帰するものではなかった。クローン618−18に関して観
察された反応性のパターンは618−12に関して示されたパターンと同様であった
。
実施例7−ワクチン
本明細書に記載した新規なベータ抗原ポリペプチドは、ワクチンのような免疫
原性組成物内で有利に用いることができる。そのような組成物は、ヒトもしくは
動物に投与された場合、抗体もしくは他の免疫応答を生じさせ、それらは、その
ヒトもしくは動物のGBS感染に対する感受性を減少させる。
本明細書中に開示したベータ抗原ポリペプチド、および抗原性もしくは免疫原
性の特性を有するそれらの変異体を含むワクチンは、当該分野で周知の手順によ
り調製することができる。例えば、そのようなワクチンは、例えば、液体溶液も
しくは懸濁物のような注射可能物質として調製することができる。注射前の液体
状態の溶液もしくは懸濁物用の固体型もまた調製することができる。場合によっ
ては、この調製物を乳化することもできる。活性な抗原性成分(単数もしくは複
数の)は、薬学的に許容可能でその活性成分と適合性の賦形剤と混合することが
できる。適切な賦形剤の例は、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール
、エタノールなど、およびこれらの混合物である。さらに、必要に応じて、この
ワクチンは、少量の補助物質、例えば、湿潤剤もしくは乳化剤、pH緩衝剤、また
は水酸化アルミニウムもしくはムラミルジペプチドもしくはその変異体のような
アジュバントを含むことができる。また、粘膜性部位での抗体産生を剌激するコ
レラトキシンサブユニットBもしくは他の物質を用いることもできる。ペプチド
の場合、KLHもしくは破傷風トキソイドのようなより大きい分子と結合させるこ
とは、免疫原性を高めることもある。このワクチンを非経口的に、例えば皮下も
しくは筋肉内の注射によって、従来のように投与する。他の態様の投与に適切な
さらなる処方物には、坐薬、場合によっては経口処方物があげられる。坐薬につ
いては、伝統的な結合剤および担体には、例えば、ポリアルカレングリコールも
しくはトリグリセリドがあげられる。坐薬は活性な成分を約0.5%〜約10%、好
ましく
は約1〜約2%の範囲で含む混合物から形成することができる。経口処方物には、
通常用いられる賦形剤、例えば、薬学的等級のマンニトール、ラクトース、デン
プン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マ
グネシウムなどがあげられる。これら組成物は、溶液、懸濁物、錠剤、丸薬、カ
プセル、徐放性処方物、もしくは粉末の型を採ることができ、約10%〜約95%、
の活性成分、好ましくは約25%〜約70%を含むことができる。
化合物は、中性型もしくは塩の型のワクチンに処方することができる。薬学的
に許容可能な塩は酸付加塩(ペプチドの遊離のアミノ基で形成される)を含み、
それらは、無機酸(例えば、塩酸もしくはリン酸)、または有機酸(例えば、酢
酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸など)で形成される。遊離のカルボキシル基
で形成される塩はまた、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシ
ウム、もしくは水酸化第二鉄のような無機塩基およびイソプロピルアミン、トリ
メチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどのよ
うな有機塩基から誘導することもできる。
このワクチンは投与量処方物と適合した様式で、そして治療的に効果的であり
免疫原性であような量で投与されるる。投与する量は処置される被検体および所
望される防御の程度に依存することができる。粘膜免疫を促進することが知られ
ている方法を全身性免疫プロモーターと組み合わせてGBSに対する防御を最大に
することができることは有利である。また、本発明のベータ抗原ポリペプチドは
、免疫原性応答を高め、より広い範囲の防御を提供するために炭水化物抗原性成
分と組み合わせてもよい。この組み合わせは、例えば、化学的結合を介していて
もよい。投与に必要な正確な量の活性成分は、医師の判断に依存し、各個体に特
有であり得る。しかし、適切な投与量範囲は各個体あたり、活性成分約数百μg
の単位である。最初の投与と追加免疫注射についての適切なレジメもまた変化し
やすいものであるが、最初の投与の後1週間もしくは2週間の間隔で次の注射もし
くは他の投与というのが代表的である。
本発明のワクチンは粘膜免疫を誘導するために特別に設計した方法で処方し、
投与することができることは有利である。
本明細書に記載された実施例および態様は例示のみを目的とし、それらを考慮
することにより種々の改変または変更が当業者に示唆されるであろうが、それも
本願の本旨および範囲、ならびに添付の請求の範囲に含まれることが理解される
べきである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
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I,SK,TJ,TM,TT,UA,UZ,VN
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.ヒトIgA免疫グロブリンに結合しない、B群ストレプトコッカス由来のベータ抗 原ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド分子、ま たはその断片もしくは変異体。 2.ヌクレオチド配列が、図1に示すアミノ酸残基1〜209および353〜1127から本質 的になるアミノ酸配列をコードする、請求の範囲1に記載のポリヌクレオチド分 子。 3.ヒトIgAに結合しない、ヒトIgA免疫グロブリン結合ドメインを欠くベータ抗原 のアミノ酸配列を含むB群ストレプトコッカス由来のベータ抗原ポリペプチド、 または該ポリペプチドの断片もしくは変異体。 4.ポリペプチドが図1に示すアミノ酸残基1〜209および353〜1127を含む、請求の 範囲3に記載のベータ抗原ポリペプチド。 5.請求の範囲3に記載のベータ抗原ポリペプチドを薬理学的に許容可能な担体内 に含む免疫原性組成物。 6.ポリペプチドが、抗ベータ抗原抗血清と免疫反応性である、請求の範囲5に記 載の免疫原性組成物。 7.B群ストレプトコッカスに対する抗体を生成させる方法であって、請求の範囲3 のベータ抗原ポリペプチドを薬理学的に許容可能な担体中に含む有効量の組成物 を、ヒトもしくは動物に投与することを含む方法。 8.ポリペプチドが抗ベータ抗原抗血清と免疫反応性である、請求の範囲7に記載 の方法。 9.ポリヌクレオチドクローニング担体および請求の範囲1のポリヌクレオチド分 子を含む、組換えポリヌクレオチド移入ベクター。 10.請求の範囲9の組換えポリヌクレオチド移入ベクターによって形質転換された 宿主細胞。
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