JPH10500492A - 高勾配磁気細胞選別による造血樹状細胞の単離 - Google Patents

高勾配磁気細胞選別による造血樹状細胞の単離

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JPH10500492A JP8527761A JP52776196A JPH10500492A JP H10500492 A JPH10500492 A JP H10500492A JP 8527761 A JP8527761 A JP 8527761A JP 52776196 A JP52776196 A JP 52776196A JP H10500492 A JPH10500492 A JP H10500492A
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Abstract

(57)【要約】 高純度でかつ機能的に完全な樹状細胞を、コロイド状の超常磁性粒子を用いて細胞群混合物より急速に単離する方法が提供される。樹状細胞は、二段階の高勾配磁気細胞分離を用いて血液またはリンパ液の試料から濃縮される。リンパ球、ナチュラルキラー細胞および単核細胞が、リンパ細胞および骨髄細胞に存在するマーカーに特異的に結合することによって除去される。分離段階において、樹状細胞がHGMSにより濃縮される。精製された樹状細胞は、インビトロ分析において、または免疫調節治療で、特にナイーブT細胞を感作するための抗原提示細胞の起源として用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 高勾配磁気細胞選別による造血樹状細胞の単離 導入 技術分野 本発明の技術分野は、造血樹状細胞の単離である。背景 抗原提示細胞の機能および同定は、過去より論争の課題となってきた。マクロ ファージおよび樹状細胞(リンパ指状突起樹状細胞と呼ばれることもある)は、 抗原を提示することが現在わかっている。マクロファージは活性化されたT細胞 およびB細胞に対して提示を行う。しかしながらヘルパーT細胞の活性化は、樹 状細胞による抗原提示に依存する。樹状細胞は、末梢血液中の抗原を選択して処 理し、続いてリンパに移動して、最終的にリンパ節の傍皮質T細胞部で成熟する と考えられている。マクロファージおよび樹状細胞は、全ての成熟段階において 、既に活性化されているT細胞に抗原を提示することができるが、ナイーブT細 胞を感作することができるのは成熟樹状細胞だけである。 樹状細胞は骨髄の造血幹細胞から誘導される。樹状細胞の前駆体および未成熟 の樹状細胞は、血液およびリンパ液中に存在している。組織学的に区別するなら 、完全に成熟した樹状細胞は脾臓およびリンパ節に存在している。抗原提示にお いて役割を果たす際、樹状細胞は高濃度のMHCクラスIタンパク質およびクラ スIIタンパク質を発現する。 末梢血単核細胞から樹状細胞を単離するための方法がこれまでに数多く開示さ れている。これらの手法の共通の特徴は、インビトロで1〜2日間、培養を行う 必要があることである。この間に樹状細胞は、低いボイヤント強度(bouyant de nsity)と、プラスチックにほとんどまたは全く癒着せず他の細胞から分離しや すいという特徴とを獲得する。 最近、新鮮な血液から樹状細胞を単離する手法が発表されている。これらの手 法はすべて、T細胞の除去段階、それに続くフローサイトメトリーによる選別を 必要とする。しかしながらFACSは高度な技術力を要するため、日常的な利用 は妨げられている。FACS選別は、時間がかかり、コストも高い手法である。 FACS選別はさらに、大量の細胞を選別すること、または同時に多数の試料を 選別することが困難であるという欠点を有している。 細胞選別についてこれとは別の手法も開示されており、それによると抗体に結 合する磁気微粒子が特定の細胞タイプを選別するために用いられる。改良された 分離方法によると血液から樹状細胞を選別することができ、それは多数の、およ び大量の試料について行うことができ、即ちその分離方法にかかる試料は、抗原 を提示する樹状細胞の特徴決定および使用に際して多くの利点をもたらす。関連文献 培養時間後の樹状細胞の単離については、「Cameron et al.(1992)Science25 7: 383」、「Langhoff et al.(1991)P.N.A.S. 88: 7998」、「Chehimiet al.( 1993)J .Gen.Viol. 74: 1277」、「Cameron et al.(1992)Clin .Exp.Immunol . 88: 226」、「Thomas et al.(1993)J .Immunol. 150: 821」、「Karhumaki e t al,(1993)Clin .Exp.Immunol. 91: 482」に記載されている。 フローサイトメトリー選別法による末梢の血液からの樹状細胞の単離について は、「Thomas et al.(1994)J .Immunol. 153: 4016」、「Ferbas et al.(1994 )J .Immunol. 152: 4649」、および「O'Dohelrty et al.(1994)Immunology 82: 487」に記載されている。 抗原刺激を受けた樹状細胞によるナイーブT細胞(naive T cells)の活性化 については、「Flamand et al.(1994)Eur .J.Immunol. 24: 605-610」、「Meh ta-Damani et al.(1994)J .Immunology 153: 996」、および「Somasse et al. (1992)J .Exp.Med.175: 15-21」に記述されている。 高勾配磁気細胞選別法については、「Miltenyi et al.(1990)Cytometry 11: 231-238」に記述されている。モルディ(Molday)はU.S.4,452,773で、磁性鉄 −デキストラン微粒子の調製について開示しており、生物学的物質への付着に適 当な粒子のさまざまな調製方法についても要約している。HGMSで用いられる ポリマー被膜を施した磁性粒子については、DE 3720844(Miltenyi)および「Milt enyi et al.,米国特許第5,385,707号」に記載されている。超常磁性粒子を調製 する方法は、米国特許第4,770,183号に記載されている。 発明の概要 高純度でかつ機能的に完全な樹状細胞を、コロイド状の超常磁性粒子を用いて 混合細胞群より急速に単離する方法が提供される。樹状細胞は、二段階の高勾配 磁気細胞分離を用いて血液またはリンパ液の試料から濃縮される。B細胞、T細 胞、NK細胞、および単核細胞が、リンパ細胞および骨髄細胞に存在するマーカ ーに特異的に結合することによって除去される。分離段階において、樹状細胞が HGMSにより濃縮される。単離された樹状細胞は、インビトロでサイトカイン の存在下で適宜培養される。精製された樹状細胞は、インビトロ分析および免疫 調節治療において使用するため、特にナイーブT細胞を感作するための、抗原提 示細胞の起源として用いることができる。 図面の簡単な説明 図1A(i)〜1C(i)は、樹状細胞の分離における、HLA−DR、なら びにCD3、CD14、CD16およびCD19の発現についての末梢血単核細 胞の同定を示す。図1A(ii)〜1C(ii)は、分離段階の間に起こる細胞群の 横方向および前方向への分散をする。 図2Aおよび2Bはそれぞれ、HLA−DR陽性細胞が濃縮された単離樹状細 胞によるCD4およびCD11cの発現を示す。図2Cおよび2Dはそれぞれ、 未分離の末梢血単核細胞における、およびHLA−DR陽性細胞が濃縮された単 離された樹状細胞におけるCD33およびCD11bの発現を示す。 図3は、インビトロの培養を行った後の単離された末梢血液の樹状細胞の前方 向および横方向への分散を示す。 図4A(i)〜4C(i)は、樹状細胞の分離における、CD4およびCD3 、CD14およびCD16の発現についての抹消血単核細胞の同定を示す。図4 A(ii)〜4C(ii)は、分離段階の間に起こる細胞群の横方向および前方向へ の分散を示す。 図5は、CD4陽性細胞を濃縮した単離された樹状細胞によるHLA−DRの 発現を示している。 特別な態様の説明 造血樹状細胞の分離方法、培養方法、および使用方法を開示する。血液試料が 適切な宿主から採取され、そして血液から単核細胞の調製物が作成される。樹状 細胞が、混合血液細胞群から、高勾配磁気細胞分離法、または高勾配磁気分離法 と低勾配磁気分離法との組み合わせを用いる、非樹状細胞の除去および樹状細胞 の濃縮を含む複合法によって濃縮される。血液細胞の懸濁液は、細胞表面抗原に 特異的な超常磁性粒子を用いて標識し、続いて磁気カラムへの結合によって選別 した。 樹状細胞を濃縮するために高勾配の磁気細胞選別法を利用することにより、現 在用いられているフローサイトメトリー法に比較していくつかの利点が提供され る。本方法では、利用および維持が容易な、安価な試薬および装置が用いられる 。複数のカラムを準備することによって多くの試料を同時に処理することができ る。自動化された系は、多数の試料、および大容量の試料の処理を容易にするた めに用いることができる。 本方法は、造血樹状細胞およびその前駆体が高度に濃縮された群を提供する。 即ち、通常その群の少なくとも約90%、更に通常その群の約95%が樹状細胞 またはその前駆体である。純度は、さまざまな方法で評価することができる。簡 単な方法においては、フローサイトメトリーを、樹状細胞により発現される細胞 表面のマーカーに特異的な光検出試薬と共に用いることができる。本方法によっ て分離された樹状細胞は、クラスIおよびクラスII MHCタンパク質、例えば ヒトのクラスIIタンパク質であるHLA−DP、HLA−DQ、およびHLA− DR、ならびにクラスIタンパク質であるHLA−A、HLA−B、およびHL A−Cなどを発現することにより特徴づけられる造血細胞である。またこの樹状 細胞は、CD45、CD33、およびほとんどの部分でCD4を発現する。この 細胞は、大部分のリンパおよび単細胞特異性の細胞マーカー、例えばCD3、C D11b、CD14、CD16、およびCD19の発現を欠如する。血液中に見 いだされる樹状細胞の成熟サブセットは、CD11c、高濃度のCD33、およ びCD45ROの発現により特徴付けられ、またナイーブT細胞または既に活性 化されているT細胞を刺激するように抗原を提示することができる。樹状細胞の 前駆体は、CD11c陰性で、CD33を低レベルで発現し、またCD45RA 陽性であり、インビトロでの培養後成熟細胞に分化する。培養に関しては下記に 詳述する。樹状細胞(DC)という用語は、他の方法で特別にその意味を述べな い 限り、血液中に見いだされるような成熟細胞および前駆細胞の両方を含むものと する。 本明細書で用いられるように、血液試料には、血液、リンパ液、白血球伝達産 物(leukophoresis product)、骨髄などの造血性の生物試料が含まれ、またこ の用語にはこのような液の誘導体および画分が含まれるものとする。この試料は 、何の特別な分離処理も含まない、緩衝液での希釈、濃縮、濾過、またはその他 の粗処理のような前処理を行うことができる。血液試料は血管を穿孔することで 簡単にどの部位からも採取される。この試料は通常少なくとも約20mlで、更 に通常少なくとも約40mlであり、最大約500mlであってもよいが、通常 約250ml以上であることはない。この血液はEDTA、ヘパリン、または酸 −クエン酸−デキストロース溶液の添加などの、凝集を防止する従来の方法によ って処理される。 有核細胞の調製物が、試料から調製される。赤血球から有核細胞を分離するい かなる方法も採用することができる。フィコール−パック(Ficoll-Paque)密度 勾配または溶出を利用する方法が、文献によく記載されている。代替法として、 血液細胞を、成人の赤血球を選択的に溶解する溶液、例えばアンモニウムクロラ イド−カリウム(ammonium chloride-potassium)、アンモニウムオキサレート (ammonium oxalate)などに再懸濁してもよい。 有核末梢血細胞(NPBC)の試料から、非樹状細胞を選択的に除去する。超 常磁性粒子に結合する除去試薬は、リンパ球および単核血液細胞に存在し、樹状 細胞には低濃度であるかまたは存在しない細胞表面抗原に結合する。特に有用な 除去試薬は、細胞表面の抗原に結合する抗体である。完全な抗体を用いることも できるし、または例えばFab、F(ab’)2、軽鎖または重鎖断片などの断 片を用いることもできる。このような抗体は、ポリクローナル抗体であっても、 またはモノクローナル抗体であってもよく、これらは通常商業的に入手すること ができるし、または他の手段としては、当業者に知られた手法を用いて容易に製 造することもできる。除去処理に用いるべく選択される抗体は、低濃度の非特異 的染色性を有するとともに、通常抗原に対して少なくとも約100μMの親和性 を有するであろう。 広範囲の血液細胞型を除去するため、通常は除去試薬の混合物が用いられるで あろう。通常、単核末梢血細胞の少なくとも約75%が複合除去試薬によって結 合されるであろう。除去処理に適した抗原は、単核細胞、T細胞、NK細胞およ びB細胞に特異的な抗原である。例えば単核細胞で見いだされるCD14または CD11bや、T細胞で見いだされるCD3、NK細胞で見いだされるCD16 、およびB細胞で見いだされるCD19である。この他の有用な細胞表面抗原と しては、T細胞のマーカーであるCD2、CD5、CD6およびCD7、Bの細 胞マーカーであるCD20、CD21、CD22、CD23、CD24およびC D37、NK細胞および好中球のマーカーであるCD16、またCD56、CD 57およびCD94、並びに顆粒球のマーカーであるCD15などがある。好ま しい態様では、CD13、CD14またはCD11bに特異的な抗体の混合物が 用いられ、そこには任意でCD16および/またはCD19が含まれる。他の組 合せはCD3、CD11bおよびCD16に特異的な抗体群である。 除去試薬の抗体は、米国特許第4,452,773号および米国特許第4,230,685号に記 載されているようにして調製される超常磁性粒子に結合させる。微粒子は通常直 径が約100nm以下であり、通常直径は約10nm以上の大きさである。結合のための 厳密な方法は、本発明を実施するにあたってそれほど重要でははく、多くの別法 が当業者には知られている。同時係属中の特許出願第08/252,112号に記載されて いるように、直接結合により抗体を粒子に結合する。なおこれは参照として本明 細書に組み入れられる。非直接的な結合はいくつかの方法で行うことができる。 除去試薬の抗体を、例えばビオチンのような高親和性の結合系の一成分に結合さ せ、粒子を例えばアビジンのような他の成分に結合させることができる。また、 例えば抗−マウスIgや抗−ラットIgなどの除去抗体の種特異的抗原決定基を 認識する二次抗体を用いることもできる。非直接的な結合方法によれば、種々の 除去抗体とともに、例えば抗体、アビジンなどの磁気的に結合した物質を一つ使 用することができる。 好ましい方法において、同時係属中の特許出願第08/252,112号に記載されてい るように、超常磁性粒子に結合したハプテンに特異的な二次抗体が用いられる。 このハプテン特異的抗体は通常、そのハプテンに対して少なくとも約100μMの 親 和性を有する。除去抗体は適当なハプテンに結合する。好ましいハプテンはジゴ キシン、ジゴキシゲニン、FITC、ジニトロフェニル、ニトロフェニルなどで ある。ハプテンを抗体に結合する方法は当業者には既知である。 本方法の実施に必要ではないが、例えばフィコエリトリン、FITC、ロダミ ン、テキサスレッド、アロフィコシアニンなどの蛍光色素を除去抗体を標識する のに用いることができる。蛍光色素標識は顕微鏡で観察するのに用いることがで きるし、または除去段階および濃縮段階を行ったあとでその細胞組成物をフロー サイトメトリーによって観察するのに用いることもできる。蛍光標識は、磁性粒 子と同様に、非直接的結合系で便利に用いることができる。例えばジゴキシゲニ ン結合除去抗体の混合物は、磁気粒子に結合した抗ジゴキシゲニン抗体と組み合 わせ、その後抗ハプテン抗体に対する蛍光色素結合抗体で標識することにより用 いることができる。 除去試薬の抗体はNPBCの懸濁液に添加し、有用な細胞表面の抗原に結合す るのに十分な時間インキュベートする。このインキュベートは通常、少なくとも 約5分間、通常は約30分以下行われる。抗体の磁気的分離の効果が抗体の不足に よって制限されないように、反応混合液中には充分な濃度の抗体が存在している ことが望ましい。適当な濃度は滴定によって決定する。細胞の分離が行われる培 地は、細胞の生存能力を維持する培地であればいかなるものであってもよい。好 ましい培地は0.1〜0.5% BSAを含むリン酸緩衝生理食塩水である。種々の培 地を商業的に入手することができ、細胞の特徴に応じて用いることができる。こ れらの培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco's Modified Eagle Me dium/dMEM)、ハンク塩基性塩溶液(Hank's Basic Salt Solution/HBS S)、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(dPBS)、RPMI、イスコブ培地 (Iscove's medium)、5mMのEDTAを含有するPBSなどが含まれ、しばしば 補足的に仔牛胎児の血清、BSA、HSAなどが含まれる。 磁気的に結合した二次抗体が用いられる場合には、細胞懸濁液は洗浄して二次 抗体とともにインキュベートする前に上述したように培地に再懸濁してもよい。 別の方法では、二次抗体は反応混合液に直接添加することができる。直接的に結 合した除去抗体を用いる場合には、細胞懸濁液を直接次の段階で用いてもよいし 、または洗浄して培地に再懸濁してもよい。 磁気的に標識した細胞懸濁液は、国際公開第90/07380号(WO 90/07380)に記 述されているようにカラムまたはチャンバーに入れる。なおこの文献は参照とし て本明細書に組み入れられる。マトリックスは、密閉された強磁性体球、スチー ルウール、ワイヤー、磁気的に作用する微細粒子などを含んでいてもよい。マト リックスは、細胞の金属との接触を妨げる不浸透性の被膜で被覆されていてもよ い、例えば鉄、スチールなどの強磁性材料を含む。このマトリックスは、分離チ ャンバー内に十分な磁場勾配を形成することで磁気的に標識された細胞の保持が 効果的に行えるように、適切な表面領域を持っていなくてはならない。分離を行 うのに必要な容積は経験的に決定することができるが、それは細胞の大きさ、細 胞表面抗原の密度、細胞数、抗体親和性などによって変化する。 最終的な細胞調製物の純度を最大にするためには、厳密性の異なる二つの系が 用いられる。これらの系において、除去段階では高いパーセントの標識された細 胞を捕獲し、また濃縮段階では低いパーセントの標識された細胞を捕獲する。こ のことは、第1分離段階から第2分離段階へと、標識された細胞が移動する可能 性を減少している。除去カラムの持つ厳密性は、例えば少なくとも約95%の標 識された細胞が磁場の存在下でそのカラムに保持されることであり、さらに通常 は少なくとも約99%の標識された細胞が保持され、更に好ましくは少なくとも 約99.9%が保持されることである。結合構造、マトリックスの組成、磁場強 度、強磁性カラムの大きさおよび流量は、そのカラムに保持される標識された細 胞の割合を決定するであろう。厳密性を増加させる要因は、カラムの大きさおよ び長さの増大、流速の減少、ならびにマトリックス成分の微細化である。繊維か らなるカラムマトリックスは、除去段階に好適である。厳密性の経験的な決定は 、結合した細胞および結合していない細胞を分析することによって行うことがで きる。 標識された細胞は、磁場の存在下でマトリックスに結合する。その磁場は一般 に少なくとも約100mTであり、更に一般的には少なくとも約500mTであ って、通常約2T以上ではなく、更に通常は約1T以上ではない。磁場の発生源 は、永久磁石であってもよいし、電気的な磁石であってもよい。溶出液中に含ま れる結合していない細胞は、カラムを通った溶出液として収集する。更に純度を 高めるためには、その結合していない細胞を磁気カラムに二度通せばよい。 非結合細胞は、樹状有核細胞を選択するために濃縮段階で用いられる。超常磁 性粒子に付着した濃縮試薬は、樹状細胞により提示される細胞表面抗原に結合す る。特に重要であるのは、MHCクラスIIタンパク質、例えばHLA−DR、H LA−DQおよびHLA−DPに特異的な試薬の使用、または例えば樹状細胞お よびその前駆体に特異的なCD4などの樹状細胞に特異的に存在するその他の細 胞表面マーカーの使用、または場合によっては、成熟した樹状細胞に特異的なC D11cの使用である。CD45ROは成熟した樹状細胞を選択するために用い ることができ、またCD45RAは前駆細胞を選択するために用いることができ る。 濃縮試薬を選択すると、特定のマーカーの発現の分布に基づいて除去試薬の選 択がある程度決定される。除去試薬は、濃縮マーカーを発現する非樹状細胞を特 異的に除去できるように選択されるであろう。例えばCD4は、T細胞および単 球によって高度に発現されるため、CD4選択より前の除去段階には、T細胞お よび単球に特異的な試薬が含まれる。MHCクラスIIタンパク質は、T細胞では 発現しないかまたは低密度でしか発現せず、B細胞および単球では発現するため 、HLAクラスII選別より前の除去段階にはB細胞および単球に特異的な試薬が 含まれる。 HLAクラスIIタンパク質に特異的な試薬は、対立遺伝子特異的な試薬、即ち タンパク質の多形的な領域に対する試薬、または保存配列に対する試薬であって もよい。HLA−DRαは配列が比較的変化が少ないが、これに対してHLA− DRβは高度に多形的である。通常試薬は、非常に多くの個体からのHLAタン パク質を認識するように選択される。しかしながら、対立遺伝子特異的な試薬を 用いることで特殊なハロタイプを有する樹状細胞を単離することが望ましい。 都合の良いことに、濃縮試薬は除去のために用いられるのとは異なる非直接的 な結合を介して磁気標識を形成する。この第一の結合反応は、濃縮試薬および除 去試薬の両方を組み合わせてもよい。濃縮試薬に特異的な第2段階の磁性体粒子 は、除去が完了したあとで添加する。他の方法では、直接的に結合した濃縮試薬 を用いることもできる。 濃縮試薬、超常磁性粒子、カラム、および緩衝液は除去試薬について記述した のと同様にして調製されるが、濃縮カラムについての厳密性は、除去カラムの厳 密性よりは低い程度である。濃縮カラムの厳密性は例えば、少なくとも約50% の標識された細胞が磁場の存在下でカラムに保持され、通常は少なくとも約80 %の標識された細胞が保持され、そして通常95%以上は保持されないようなも のである。球形のカラムマトリックスは、濃縮段階にとっては好ましい。この細 胞は磁気マトリックスに結合する。最初の結合のあとでマトリックスは、何らか の好適な生理的緩衝液を用いて洗浄することによって結合していない細胞を除去 することができる。この結合していない細胞は破棄する。 結合した細胞は、磁場を取り除くことによって放出されて、好適な緩衝液中に 溶出する。この細胞は、その細胞の生存を維持するのに適切な培地中に収集して もよい。さまざまな培地を商業的に入手することができ、細胞の特徴に応じて用 いることができる。これらの培地には、dMEM、HBSS、dPBS、RPM I、PBS−EDTA、PBS、イスコブ培地などが含まれ、しばしば補足的に 仔牛胎児の血清、BSA、HSAなどが含まれる。 多くの場合、この分離手法において、初めに除去段階が行なわれ、続いて濃縮 段階が行われる。もし濃縮段階が初めに行われるべきであるならば、濃縮された 細胞から磁気標識を除去するために、濃縮したあとで追加の段階が必要である。 これは好適な方法で行うことができる。この濃縮された細胞群をデキストラナー ゼの溶液とともにインキュベートすればよい。この際のデキストラナーゼは、標 識された細胞から実質的に全ての微粒子を取り除くのに充分な濃度で存在させる 。通常この反応は、少なくとも約15分間で完了する。続いて除去段階を、デキ ストラナーゼ処理した細胞を用いて前述したように行うことができる。 他の方法では、濃縮段階を初めに行い、そして微粒子の代わりに大きな磁性球 体を用いるよう、除去段階を変更してもよい。このような磁性球体を用いること については前にも述べており、その試薬は商業的に入手できる。濃縮された細胞 群を、除去抗体の混合物に結合した直径が約1〜10μmの高度に磁性化されて いるポリマー球体を用いてインキュベートする。続いて、細胞の混合物を磁場に きわめて近接したところに配設する。そのポリマー球体に結合している実質的に 全ての細胞は約1分以内に磁石に結合する。それは約5分以上はかからない。結 合していない細胞をデカントし、そして利用することができる。 除去段階および濃縮段階が完了した後、その細胞は直ちに抗原を提示するため 、さらにcDNA合成で用いるmRNAの起源としてDC機能の分析を行うため などで用いることができる。成熟した細胞および始原細胞とは、成熟段階中の遺 伝子発現における違いを検出するため、および成熟した樹状細胞により発現され る特異的遺伝子を同定するためにcDNAを消去して比較することができる。 他の方法では、その細胞をインビトロで、更なる成熟を誘導するのに充分な期 間、即ち通常は少なくとも約1日間で約7日以上ではない期間だけ、更に通常は 約2〜3日間だけ培養してもよい。この樹状細胞は適当な液体状の中性培地中で 培養され、その培地は更に、成熟した抗原提示細胞に樹状細胞前駆体の分化を充 分に高めることのできる濃度のサイトカイン、またはサイトカインの結合体を含 んでいる。細胞は1mlあたり約104個〜1mlあたり約106個、通常は約1 04個〜105個の濃度に増殖する。種々の培地を商業的に入手して用いることが でき、それにはダルベッコ改変イーグル培地(dMEM)、ハンク塩基性塩溶液 (HBSS)、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(dPBS)、RPMI、イス コブ培地などが含まれ、しばしば補足的に血清、即ち通常は加熱インキュベート された正常なヒト血清が、一般的には約5−15%、好ましくは約10%の濃度 で含まれる。細菌の生育を阻止するための適当な抗体、および他の添加物、例え ばピルビン酸(0.1−5mM)、グルタミン(0.5−5mM)、2−メルカ プトエタノール(1−10×10-5M)を含んでいてもよい。 対象となるサイトカインには、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、G M−CSFおよびTNF−αが含まれる。前駆体、即ちCD11c陰性樹状細胞 の培養物へのGM−CSFの添加は、とりわけ興味のもたれるところである。用 いられる因子は、天然で発生するかまたは合成、例えば組換えて調製されたもの でもよいし、ヒトまたは他の種、例えばネズミであってもよいがヒトであること が好ましい。他の方法では、培地で調製された単核細胞はサイトカインの源とし て用いられる(例えば、O'Doherty et al.(1994)上記、参照)。サイトカイン の量は、通常約1ng/ml〜1μg/mlの範囲内である。 適切な培養条件は、抗原を提示する能力について得られた細胞を解析すること によって経験的に試験することができる。抗原提示活性を検出するさまざまな方 法が当業者に知られており、それらは本目的のために利用することができる。例 えば、最適条件には及ばない濃度の抗−CD3で刺激された新生の単離T細胞を 増殖できるようにする細胞の能力を測定することができる(Thomas et al.(199 4),前記、参照)。ほとんどの場合、抗原を提示する能力の増加は培養後に起こ り、しばしばB7(CD80、CD86)の発現が増加することによって達成さ れる。 培養の前または後のいずれかの濃縮された樹状細胞群は、インビボまたはイン ビトロでT細胞を刺激する抗原提示細胞として用いることができる。この細胞は 、タンパク質抗原またはそのペプチドと結合する。抗原性のペプチドは通常、長 さが約6個〜20個のアミノ酸からなり、更に通常は約10個〜18個のアミノ 酸からなる。このペプチドは広い範囲のさまざまなタンパク質から誘導される配 列を有している。多くの場合、T細胞抗原決定基、通常は主要抗原決定配列とし て作用するペプチドを用いることが望ましい。多くの抗原から得られる抗原決定 配列が当業者には既知である。別の方法では抗原決定配列は、未変化のMHCタ ンパク質に結合するペプチドを単離し、配列を決定することによって、または標 的配列から一連のペプチドを合成し、次にその異なるペプチドに対するT細胞の 反応性をアッセイすることによって、または異なるペプチドを持つ一連の結合複 合体を生成し、そしてT細胞結合体を定量することによって経験的に決定するこ とができる。断片の調製、配列の同定、および最小配列の同定については米国特 許第5,019,384号(91年5月28日発行)に詳細に記述されており、この文献は参照 として本明細書に引用される。このペプチドは当業者に既知の種々の方法で調製 することができる。 重要な抗原には、腫瘍細胞抗原、同種異形のMHC抗原、アレルゲン、例えば HIV−1、肝炎、ヘルペスウイルス類、脳のウイルス類、呼吸器のウイルス類 、ラブドウイルス、ルベオーラ、ポックスウイルス、パラミクソウイルス、麻疹 ウイルス、フィロウイルスなどのウイルス類を含む病原性器官のタンパク質が含 まれる。関心のある感染抗原にはまた、例えばニューモコッカス(Pneumococcus )、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、バチルス(Bacillus)、ストレプ トコッカス(Streptococcus)、メニンゴコッカス(Meningococcus)、ゴノコ( Gonococcus)、エシェリキア(Eschericia)、クレブシエラ(Klebsiella)、プ ロテウス(Proteus)、シュードモナス(Pseudomonas)、サルモネラ(Salmonel la)、シゲラ(Shigella)、へモフィラス(Hemophilus)、ヤーシニア(Yersin ia)、リステリア(Listeria)、コリネバクテリウム(Corynebacterium)、ビ ブリオ(Vibrio)、クロストリディア(Clostridia)、クラミジア(Chlamydia )、ミコバクテリウム(Mycobacterium)、ヘリコバクター(Helicobacter)お よびトレポネラ(Treponema)、即ち原生動物の病原体、および類似の細菌など の細菌が含まれる。 樹状細胞は、インビトロで、少なくとも約0.1μMから最大約1mMの濃度 の抗原を含む生理学的に受容できる緩衝液に、その細胞を入れることによって抗 原で刺激される。ペプチド抗原は通常、完全なタンパク質抗原、または細胞溶解 物よりも低い濃度で効果を得ることができる。その細胞は、一般的には37℃で 、抗原がその細胞に結合するのに充分な時間、抗原とともにインキュベートする ことができる。ペプチド抗原は通常、少なくとも約1時間、および6時間または それ以上の時間インキュベートが行われる。完全なタンパク質抗原では通常、少 なくとも約3時間、および約12時間またはそれ以上の時間インキュベートが行 われるであろう。 DC類を刺激する抗原は、その抗原に対するT細胞の応答を刺激するために用 いることができる。T細胞は、インビボでの自己増殖した宿主または同種異形の 宿主のいずれかであってもよいし、またはインビトロでの培養物であってもよい 。インビボで用いる場合、樹状細胞は生理学的に受容できる培地にいれ、皮下注 射、静脈内注射、粘膜内投与などの投与法で投与することができる。通常は少な くとも1×104個の細胞が、好ましくは1×105個またはそれ以上が投与され るであろう。この細胞は、注射、カテーテル、またはそれに類似のものにより導 入することができる。細胞を導入する目的によっては望ましくは、例えばIL− 2およびIL−4などのインターロイキン、これと同様に他のインターロイキン 、例えばG−、M−およびGM−CSFなどのコロニー刺激因子、例えばγ−イ ンターフェロンなどのインターフェロン、エリスロポエチンなどが因子として用 いることもできる。これらの種々の因子の量は、細胞の投与の目的、即ち患者が 有する特別な必要性に依存しており、その量は通常、経験的に決定することがで きる。 抗原で刺激した樹状細胞またはその膜成分は、抗原特異的なT細胞を得るため の免疫吸着剤として用いてもよい。T細胞の定量は、T細胞の活性化、例えば自 己免疫疾患、移植の拒絶反応、ウイルス感染、細菌および原生動物の感染などを 含むT細胞の活性化が関連する多くの条件の経過をモニターすることで実施する ことができる。 以下の実施例は例示のために提示されたものであって、これに限定すべく提示 されているのではない。 実施例 実施例1 HGMSによるCD3-、CD14-、CD16- CD19-、HLA−DR+樹状細胞の精製 材料および方法 ヒトNPBCの調製 NPBCは、フィコール−ヒパック(Ficoll-Hypaque) (Pharmacia,Uppsala,Sweden)で遠心分離することによって白血球を多く含む 被膜形成細胞から得た。遠心分離を行った後に界面の細胞を集めて緩衝液に再懸 濁し、300×gで沈降させてから、続いてもう一度再び緩衝液に再懸濁し、2 00×gで遠心分離して血小板を除去した。 標識 約2×108個のNPBCは、ビオチン化α−CD3(5μg/ml) 、α−CD14(2μg/ml)、α−CD16(2μg/ml)、α−CD1 9(5μg/ml)、ジゴキシゲニン結合抗−HLA−DR モノクローナル抗 体(mAb)(5μg/ml)およびヒトIgG(1.6mg/ml)を用いて 容積1mlのPBS、即ち1%の仔牛血清アルブミン中で8℃で10分間インキ ュベートし、続いて二度洗浄した(300×g)。 磁気標識 上記に記載したようなビオチン化抗体を用いて標識された細胞は、 ストレプトアビジンを結合したコロイド状の超常磁性微粒子を用い、容積1ml 中で8℃でインキュベートした。15分間たった時点でストレプトアビジン−シ クローム(CyChrome)(Pharmingen,San Diego,CA)を添加(2μg/ml) してその細胞を更に8℃で5分間インキュベートした。続いてその細胞を再び洗 浄して1mlの緩衝液に再懸濁した。 HGMSによる細胞の除去 磁気的に標識されたCD3、CD14、CD16 およびCD19陽性細胞を、MACS永久磁石内に挿入されたCSカラム(磁性 化できるスチールウールマトリックス)を通過させることにより除去し、「Milt eyi et al.(1992)上記」によって記述されているように本質的に選別した。最 適な除去を行うために、MACSカラムの出口に22Gの磁針を用いることによ って流速をほぼ3ml/分に維持した。この細胞を続いて1mlの緩衝液で洗い 流した。細胞分離の効果を評価するために、非分離細胞のアリコート、ならびに 磁性細胞画分および非磁性細胞画分のアリコートを、FACScanフローサイトメー ター(Becton Dickinson,San Jose,CA)を用いて二パラメーターサイトメトリ ー分析によって分析した。各試料について10,000回記録をして、FASCcan リサーチソフトウエア(Becton Dickinson)を用いて分析した。生存細胞は、死 滅細胞を特異的に染色するヨー素化プロピジウム(PI)を用いて、分散、およ びヨー素化プロピジウム染色とフィコエリトリン染色との相対比により通過させ た。 抗−ジゴキシゲニン標識 CD3、CD14、CD16およびCD19陽性細 胞を除去したNPBCを、コロイド状の超常磁性微粒子に結合した抗−ジゴキシ ゲニンモノクローナル抗体と共に、1mlの容積中8℃でインキュベートした。 15分経過した後、PEに結合した抗−ジゴキシゲニンモノクローナル抗体を添 加し、その細胞を8℃で更に5分間インキュベートした。続いてその細胞を再び 洗浄し、0.5mlの緩衝液中に再懸濁した。 HGMSによる細胞の濃縮 磁気的に標識されたHLA-DR*細胞を、MiniMA CS永久磁石内に挿入されたMiniMACSカラム(Miltenyi Biotec GmbH,Bergish Gl adbach,ドイツ)で濃縮した。1mlの容積で約0.35ml/分の流速で、陰 性細胞をそのカラムから洗い流した。続いてそのカラムを0.5mlの緩衝液を 用いてさらに4度洗浄した。最終的に、HLA−DR+細胞が、磁石から1ml のP BS/BSA中にカラムから溶出された。生存細胞の数は、除去段階および濃縮 段階において、MACSカラムを通過させる直前および直後にNeubauerカウンタ ーチャンバーを用いて評価した。死滅細胞は、トリパンブルー染色により排除し た。細胞分離の効果を評価するために、非分離細胞のアリコート、ならびに磁気 細胞画分および非磁気細胞画分から得られるアリコートをFACScanを用い るフローサイトメトリーによって分析した。 対比染色法 新たに末梢血から単離された樹状細胞を、α−CD4−FITC 、α−CD11c−FITC、α−CD33−FITCまたはα−HLA−DR のいずれかとともに8℃で10分間インキュベートした。その後で細胞を一度洗 浄し、続いてフローサイトメトリーで分析した。 樹状細胞培養 樹状細胞を、血清、ペニシリン、ストレプトマイシン、グルタ ミン、および5%のFCSを含む完全RPMI 1640培地で70時間培養し た。結果 選別された群の分析が図1に示されている。CD3-、CD14-、CD16- 、CD19-、HLA−DR+の表現形質を備えた樹状細胞群が、95%の純度で 単離された。樹状細胞はCD4陽性であった。二つの異なる群が存在しており、 CD11cの発現に基づいて区別することができた。樹状細胞の前駆体がCD1 1c陰性であり、成熟した樹状細胞がCD11c陽性である。新しく単離された 樹状細胞は特徴的な樹状形態を欠如しており、リンパ球よりもわずかに高く前方 に分散する中間の大きさの細胞の外観を有している。 図1A〜1Cには、磁気精製方法のフローサイトメトリーによるモニターの結 果が示されている。CD3-、CD14-、CD16-、CD19-、HLA−DR+ DCが、CD3、CD14、CD16およびCD19陽性細胞の免疫磁気的除 去およびそれに続くHLA−DR陽性細胞の濃縮によって新しいNPBCから濃 縮した。CD3、CD14、CD16およびCD19陽性細胞は、ビオチン化モ ノクローナル抗体およびストレプトアビジン−結合コロイド状超常磁性微粒子を 用いて非直接的に磁性的に標識した。HLA−DR陽性細胞は、ジゴキシゲニン を結合した抗−HLA−DR mAbおよびコロイド状の超常磁性粒子に結合し たジ ゴキシゲニン mAbを用いて非直接的に標識した。細胞は、CD3、CD14 、CD16およびCD19についてはストレプトアビジンシクロームを用いて染 色し、HLA−DRについてはフィコエリトリンに結合した抗−ジゴキシゲニン mAbを用いて染色した。生存細胞は光分散シグナルによって通過させた。樹状 細胞のパーセントは、囲まれた細胞の脇に示されている。 図1A(i)は、非分離NPBCPE 抗−HLA−DR染色に対するシクロ ーム 抗−CD3、CD14、CD16およびCD19染色のドットプロットで ある。図1A(ii)は、(i)と同じ群から得られる前方向の分散(FSH−H )と横方向の分散(SSH−H)シグナルのドットプロットである。図1B(i )は、CD3、CD14、CD16およびCD19ポシティブ細胞を磁気的に除 去した後でのNPBCを示している。図1B(ii)は、(i)と同じ群から得ら れる前方向と横方向の分散である。図1C(i)は、CD3、CD14、CD1 6およびCD19陽性細胞を除去した後、およびHLA−DR+細胞を濃縮した 後でのNPBCを示している。図1C(ii)は、(i)と同じ群から得られる前 方向および横方向の分散である。 図2Aは、CD4−FITCを用いて対比染色した後でのCD3-、CD14- 、CD16-、CD19-、HLA−DR+樹状細胞のドットプロットである。図 2Bは、CD11c−FITCを用いて対比染色した後での(2A)と同じ群を 示している。図2Cは、非分離の末梢血単核細胞についてのCD33染色と、( 2A)で示された単離された樹状細胞群についてのCD33染色との比較を示し ている。非分離細胞の中で、CD33が単核細胞上に発現している。樹状細胞の 前駆体におけるCD33の発現は、単核細胞で見られた発現よりも弱く、成熟樹 状細胞ではその発現は強い。図2Dは、非分離の末梢血単核細胞についてのCD 11b染色と、(2A)で示された単離された樹状細胞群についてのCD11b 染色との比較を示している。非分離の末梢血単核細胞の中で、CD11bが単球 上に高いレベルで発現するが、NK細胞においての発現量は少ない。樹状細胞の 発現はNK細胞に匹敵するが、単核細胞で見られる発現よりは弱い。 図3は、70時間培養したあとでCD3-、CD14-、CD16-、CD19- 、HLA−DR+樹状細胞から発生する分散シグナルのドットプロットである。 図 1C(ii)に示されている新しく単離された細胞に比較すると、横方向の分散が 有意に増加している。 新しく単離された樹状細胞は特徴的な樹状形態を欠如しており、リンパ球より もわずかに高く前方に分散する中間の大きさの細胞の外観を有している。単純な 卵形またはぎざぎざの核を有する丸い細胞と、穏やかにゆがんだ縁および更に複 雑なまたは小葉状の核を有する丸くない細胞とを区別することができる。培養を 行ったあとで血液のDCは、樹状処理がなされたことを表す典型的なDC形態を 示す。 実施例2 HGMSによるCD3-、CD14-、CD16-、CD4+樹状細胞の精製 材料および方法は、以下のような違いがあるが本質的には実施例1で記載した とおりである。2×108個の新しく単離された末梢血液の単核細胞は、ビオチ ン化したα−CD3(5μg/ml)、α−CD14(2μg/ml)およびα −CD16(2μg/ml)、ジゴキシゲニン結合α−CD4 mAb(2μg /ml)およびヒトIgG(1.6mg/ml)を用いて容積1ml中で8℃で 10分間インキュベートし、続いて二度洗浄した(300×g)。続く免疫磁気 的除去段階では、CD3、CD14およびCD16を欠如する細胞を選択した。 濃縮段階ではCD4を発現する細胞を選択した。 選別した群の分析が図4に示されている。CD3-、CD14-、CD16-お よびCD4+の表現形質を備えた樹状細胞群が、97%の純度で単離された。図 4A〜4Cには、磁気精製方法のフローサイトメトリーによるモニターの結果が 示されている。CD3-、CD14-、CD16-、およびCD4+DCは、CD3 、CD14、およびCD16陽性細胞の免疫磁気的除去およびそれに続くCD− 4陽性細胞の濃縮によって新しいNPBCから濃縮した。CD3、CD14、お よびCD16陽性細胞は、ビオチン化モノクローナル抗体およびストレプトアビ ジン−結合コロイド状超常磁性微粒子を用いて非直接的に磁性的に標識した。C D4陽性細胞は、ジゴキシゲニンを結合した抗−CD4 mAbおよびコロイド 状の超常磁性粒子に結合したジゴキシゲニン mAbを用いて非直接的に標識し た。細胞は、CD3、CD14およびCD16についてはストレプトアビジンシ クローム を用いて染色し、またCD4についてはフィコエリトリンに結合した抗−ジゴキ シゲニン mAbを用いて染色した。生存細胞は光分散シグナルによって通過さ せた。樹状細胞のパーセントは、囲まれた細胞の脇に示されている。 図4A(i)は、非分離NPBCのPE 抗−CD4染色に対するシクローム 抗−CD3、CD14およびCD16染色のドットプロットである。図4A(ii )は、(i)と同じ群から得られる前方向の分散(FSH−H)および横方向の 分散(SSH−H)シグナルのドットプロットである。図4B(i)は、CD3 、CD14およびCD16陽性細胞を磁気的に除去した後でのNPBCを示して いる。図4B(ii)は、(i)と同じ群から得られる前方向および横方向の分散 である。図4C(i)は、CD3、CD14およびCD16陽性細胞を除去し、 CD4+細胞を濃縮した後でのNPBCを示している。図4C(ii)は、(i) と同じ群から得られる前方向および横方向の分散である。 図5は、αHLA−DRを用いて対比染色した後でのCD3-、CD14-、C D16-、CD19-、CD4+樹状細胞のドットプロットである。CD4の発現 により単離されたほとんど全ての細胞が、HLA−DRを発現している。 本発明が血液から造血樹状細胞および樹状細胞の前駆体を分離するための簡単 で迅速な方法を提供することが、上述した結果より明らかである。操作の容易性 、ならびに試料の数および大きさを大きくする可能性は、従来の方法を越えた意 味のある利点を提供する。この細胞は、インビボおよびインビトロでT細胞刺激 を行うための抗原提示細胞の起源として有用である。またこの細胞は、樹状細胞 の生長、分化、および機能を分析するにあたっても有用である。 本明細書に引用された刊行物および特許出願はすべて、個々に参照として組み 入れられると特別におよび個別に示されていなくても、参照として本明細書に組 み入れられる。 前述した発明は、明確な理解を助ける目的で説明および例示のために詳細に記 述されているが、本発明の開示を参照することにより、添付の請求の範囲の本旨 または範囲を逸脱することなく変更および修正を加えることができることは当業 者にとって容易に明らかとなるであろう。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.血液試料から造血樹状細胞を濃縮する方法であって、 該血液試料から有核細胞の懸濁液を調製し、 該有核細胞の懸濁液に、非樹状造血細胞により発現されかつ樹状細胞には存在 しない一個またはそれ以上の細胞表面抗原に特異的な磁気的に結合した試薬を添 加し、 該細胞の懸濁液を磁場の存在下で強磁性マトリックスに通過させ、 該非樹状造血細胞により発現されかつ樹状細胞には存在しない一個またはそれ 以上の細胞表面抗原を含む細胞が実質的に含まれない除去された試料を提供する ために、該強磁性マトリックスに結合しない細胞を収集し、 該除去された試料に、樹状細胞により発現される細胞表面抗原に特異的な磁気 的に結合した試薬を添加し、 該除去された試料を、磁場の存在下で強磁性マトリックスに通過させ、 該結合しない細胞を含むマトリックスを洗浄し、 造血樹状細胞を含む濃縮された細胞試料を提供するために、磁場の実質的な非 存在下で該マトリックスから結合細胞を溶出すること、 を含む方法。 2.濃縮された細胞試料が、造血樹状細胞を少なくとも95%含む造血樹状細胞 を含む、請求の範囲1に記載の方法。 3.樹状細胞により発現される細胞表面抗原が、CD4またはHLAクラスIIタ ンパク質である、請求の範囲2に記載の方法。 4.HLAクラスIIタンパク質がHLA−DRである、請求の範囲3に記載の方 法。 5.樹状細胞により発現される細胞表面抗原に特異的な磁気的に結合した試薬が 、成熟した造血樹状細胞により発現される細胞表面抗原に特異的なものである、 請求の範囲2に記載の方法。 6.成熟した造血樹状細胞により発現される細胞表面抗原が、CD33、CD1 1cまたはCD45RAである、請求の範囲5に記載の方法。 7.樹状細胞により発現される細胞表面抗原に特異的な磁気的に結合した試薬が 、造血樹状細胞の前駆体により発現される細胞表面抗原に特異的なものである、 請求の範囲2に記載の方法。 8.造血樹状細胞の前駆体により発現される細胞表面抗原が、CD45ROであ る、請求の範囲7に記載の方法。 9.非樹状造血細胞により発現されかつ樹状細胞には存在しない一個またはそれ 以上の細胞表面の抗原が、CD3、ならびにCD14およびCD11bのいずれ かである、請求の範囲2に記載の方法。 10.非樹状造血細胞により発現されかつ樹状細胞には存在しない一個またはそ れ以上の細胞表面抗原が、CD16およびCD19の少なくとも一つをさらに含 む、請求の範囲9に記載の方法。 11.抗原提示細胞を濃縮する方法であって、請求項1に記載された造血樹状細 胞群を濃縮し、該濃縮された群を液体培養培地に添加し、インビトロで少なくと も1日増殖させることを含む、方法。 12.液体培養培地が、造血樹状細胞の前駆体から成熟樹状細胞への分化を増強 するのに十分な濃度のサイトカインGM−CSFを含む、請求の範囲11に記載 の方法。 13.強磁性マトリックスの二つのカラムと、CD14およびCD3に特異的な 磁気的に結合された抗体の混合物と、CD4およびHLA−DRの少なくとも一 つに特異的な磁気的に結合された抗体とを含む、血液から樹状細胞を分離するた めのキット。
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