JPH10501408A - Gls1をコードするdna - Google Patents

Gls1をコードするdna

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JPH10501408A
JPH10501408A JP8501009A JP50100996A JPH10501408A JP H10501408 A JPH10501408 A JP H10501408A JP 8501009 A JP8501009 A JP 8501009A JP 50100996 A JP50100996 A JP 50100996A JP H10501408 A JPH10501408 A JP H10501408A
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エル−シエルベイニ,モハメツド
クレマス,ジヨージフ・エイ
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Abstract

(57)【要約】 グルカンシンターゼ遺伝子1(GLS1)をコードするDNAをクローニングし、1,3−β−Dグルカンシンターゼ活性を変調する化合物のin vitroスクリーニングアッセイに使用する。

Description

【発明の詳細な説明】 GLS1をコードするDNA 発明の背景 サッカロミセス・セレビシエSaccharomyces cerevisi ae菌の突然変異表現型を復帰させる遺伝子を含むDNA分子は単離及び精製さ れている。この遺伝子はGLS1(グルカンシンターゼ遺伝子1)である。GL S1は1,3−β−Dグルカンシンターゼのサブユニットをコードしている。従 って、GLS1によってコードされたタンパク質は真菌性疾患の薬剤療法の標的 となる。本発明はまた、アスペルギルス・フミガーツスAspergillus fumigatus、カンジダ・アルビカンスCandida albica ns、シゾサッカロミセスポンペSchizosaccharomyces p ombe及びPhytophthora infestansなどの他の真菌類 から単離されるGLS1のホモローグを包含する。 治療用化合物の作用モードを理解するためには、多様な実験方法が必要である 。1つの方法では、被験化合物に耐性または感受性の生物を単離する。このよう な生物を使用して薬剤標的 をコードする遺伝子を単離し得る。 真菌類の細胞壁は多数のポリマー、即ち、キチン、α−及びβ−グルカン類及 びマンノプロテイン類から成る複合体構造を有している。真菌類の細胞壁は生細 胞の多様な細胞プロセスに関与する。即ち、栄養成長、形態形成、高分子の取込 み及び分泌、浸透圧変化の防御、などは細胞壁の組成及び結合性(integr ity)の変化の影響を受ける。(真菌類には不可欠であり哺乳類細胞には欠如 している)細胞壁の合成を阻止することによって作用する抗真菌性化合物は高い 殺真菌性活性を有し、しかも哺乳類細胞に対する毒性が低い。 1つのクラスのβ−グルカン阻害物質は、アキュレアシンA、エキノカンジン B及びニューモカンジンのようなリポペプチド抗生物質から成る。これらの化合 物は、非極性脂肪酸側鎖を含む環状ヘキサペプチドである。エキノカンジンは、 1,3−β−Dグルカンの合成を阻止するので、細胞壁の結合性を破壊して酵母 細胞を溶菌させる殺真菌性を有している。in vitroのエキノカンジンは グルコースが1,3−β−Dグルカンの形態に重合することを阻止する。 別のクラスのβ−グルカン合成阻害物質は、パピューラカン ジン及びキーシアカンジンから成る。これらの化合物は芳香環系に結合したグリ コシド成分と2つの長鎖脂肪酸とを含有している。これらの化合物はエキノカン ジンと同じ作用モードを有している。 カリニ・ニューモシスティスPneumocystis cariniiはそ の嚢子の壁にβ−グルカンを含んでいることが証明された(Matsumoto ,Yら,1989,J.Protozool.36:21S−22S)。パピュ ーラカンジン及びエキノカンジンのようなβ−グルカン合成阻害物質はP.ca rinii感染症の治療に有用であろう。カリニ肺炎のラットモデルにおいて、 L−671,329(エキノカンジン)及びL−687,781(パピューラカ ンジン)の双方が感染ラット肺の嚢子の数を減少させるために有効であった(D .M.Schmatzら,1990,PNAS 87:5950−5954)。 これらの結果は、β−グルカン合成がP.carnii感染症の治療に有効な治 療薬を同定するための標的であることを示唆する。 β−グルカン合成に影響を及ぼした薬剤耐性酵母菌を単離するために数多の研 究がなされてきた。単離された突然変異体と しては、acu1(Mason,M,M,ら,1989,Cold Sprin g Harbor Laboratory,Abstract#154)、及び 、pap1(Duran,A.ら,1992,Profiles in Bio technology(T.G.Villa and J.Abalde,Ed s.),Serivicio de Publicaciones,Unive rsidad de Santiago,Spain,pp.221−232) がある。 本発明では、グルカン合成に特異的に作用した突然変異株を単離するための選 択物質としてより効力のあるエキノカンジン(L−733,560)を使用した 。1つの突然変異体(MS14株)はエキノカンジン耐性であり、またキチンシ ンターゼ阻害物質ニッコマイシンZに超感受性である。MS14中の突然変異が FKS1遺伝子中に存在することを確認し、これをfks1−4と命名する。別 の突然変異体(MS1株)はエキノカンジン耐性であり、パピューラカンジン及 びラパマイシンの双方に超感受性である。GLS1遺伝子をクローニングするた めにMS1株を使用した。発明の概要 1,3−β−Dグルカン(GLS1)の生合成に関与するタンパク質をコード するDNA分子を同定し、クローニングし、発現させ、抗真菌性化合物のスクリ ーニングアッセイで使用する。図面の簡単な説明 図1。エキノカンジン耐性を与える単一遺伝子突然変異を示す減数分裂産物の 分離パターン(2:2)。MS1と野生株GG100−14Dとの交配によって 得られた四分子の4つの減数分裂産物を示す細胞を、7.5μMのL−733, 560を含む培地にスポットした。28℃で2日間増殖させると、4つの分離体 のうちの2つが増殖可能であり、これは薬剤耐性表現型の2:2分離を証明する 。 図2。ブイヨン微量希釈アッセイによってMS1株(Gls1−1突然変異体 )のエキノカンジンL−733,560耐性を試験した。 図3。MS1株(gls1−1)の形態的欠陥。細胞の集合体が(A)、集合 体の中心に向かって溶菌を開始し(B)、集合体の全部の細胞が溶解する(C& D)ことが示されている。 図4。1,3−β−Dグルカン合成及びキチン合成に対するL−733,56 0及びニッコマイシンZの効果。X2180−1A(野生型)及びMS1(gl s1−1突然変異体)から調製した膜抽出物を使用して、1,3−β−グルカン シンターゼ反応(A)及びキチンシンターゼ反応(B)を触媒した。基質として 、UDP−グルコース(A)及びN−アセチルグルコサミン(B)を使用した。 図5。1,3−β−Dグルカンシンターゼ活性に対するGTPγSの効果。漸 増濃度のGTPγSの存在下で1,3−β−グルカンシンターゼ反応をプライム するために野生株及び突然変異株の膜抽出物を使用した。 図6。gls1−1の最小相補性フラグメントの位置決定。gls1−1相補 性活性を有する17kbのクローンの部分的制限地図を示す(A)。GLS1の 転写方向を矢印で示す。制限地図の下方の線で示す酵母ゲノムのDNAフラグメ ントを動原体プラスミドYCP50に挿入した(B)。組換えプラスミドでMS 1(gls1−1突然変異体)を形質転換させた。形質転換細胞のエキノカンジ ン耐性表現型の相補性を試験した。図示のプラスミドは上から下にpJAC2、 pHF及びpEF である。制限酵素の略号は、DはDpnI、EはEcoRI、HはHindIII 、KはKpnIである。 図7。GLS1はエキノカンジンに対する感受性を媒介する。 図8。348個のアミノ酸から成るGLS1遺伝子産物のハイドロパシープロ ット。 図9。S.cerevisiaeのGLS1のヌクレオチド配列及び予想アミ ノ酸配列。 図10。GLS1はgls1−1突然変異のパピューラカンジン−及びラパマ イシン−超感受性表現型に相補性を有している。 (A)gls1−1突然変異を有する細胞に対するラパマイシンの効果。 (B)同じ突然変異細胞に対するパピューラカンジンBの効果。プラスミド上の GLS1によって形質転換された突然変異細胞は双方の薬剤に対する感受性を回 復する。 図11。ゲノムDNAのサザンハイブリダイゼーション。クローン化されたG LS1のホモローグが他の真菌類中に存在するか否かを試験するために、S.c erevisiaeのGLS1遺伝子に由来のDNAプローブを複数の異種真菌 類のゲノ ムDNAにハイブリダイズさせた。Candida albicans、Asp ergillus fumigatus、Pneumocysts carin ii及びSchizosaccharomyces pombeなどの数種の真 菌類中にGLS1ホモローグの存在が証明される。発明の詳細な説明 1,3−β−Dグルカン(GLS1)の生合成に関与するタンパク質をコード するDNA分子を同定し、クローニングし、発現させ、抗真菌性化合物のスクリ ーニングアッセイに使用する。 抗真菌性化合物はヒトを含む動物の真菌性感染症の治療に使用される。より安 全でより有効な抗真菌性化合物の需要は増加の一途を辿っている。真菌類の細胞 壁の構造が哺乳類の細胞膜の構造とは違っているので、真菌類の細胞壁の維持ま たは生合成を特異的に妨害する化合物は薬剤スクリーニングの標的となり得る。 細胞壁の生合成は真菌類及び植物の維持及び成長の基礎となる。細胞壁は支持 組織を形成し、原形質を環境から機械的に保護する。高分子の選択的取込み、浸 透圧調節、細胞増殖及び細 胞分裂は細胞壁で生じる。細胞外栄養素の加水分解及び形態形成中の細胞壁高分 子の代謝回転に関する酵素活性は細胞外マトリックスと関連する。 S.cerevisiaeの細胞壁は80%−90%という多量の多糖類から 成る。細胞壁ポリマーの主成分はグルカン及びマンナンであり、更に、少量のキ チンが存在する(Cabib,E.,1991,Antimicrob.Age nts Chemither.35:170−173)。グルカンは細胞壁の剛 性を支持及び維持し、マンノプロテインは細胞壁の浸透性を調節すると考えられ ている(Zlotnikら,1984)。 S.cerevisiaeの細胞壁の30%−60%は3種類のグルカンによ って構成されている(Fleet,G.H.,1985,p.24−56.M. R.McGinnis(編),Current Topics in Medi cal Mycology Vol.I.Springer,Verlag,N ew York)。グルカンの最も多い形態(全体の60%)は、アルカリまた は酢酸に不溶であり、分枝状1−3−βポリマーであり、3%の1−6−β鎖間 結合を含むフィブリル状構 造を有し、1−6−β残基間結合が欠如している。グルカンの二番目の形態(全 体の32%)は、希アルカリに可溶であり、不定形構造を有し、主として1−3 −β結合を含み、多少の1−6−β結合を含む。グルカンの最も少ない形態(全 体の8%)は、酸に可溶であり、高度に分枝状であり、主として1−6−β結合 を含んでいる。 エキノカンジンは、恐らくは1,3−β−グルカンの合成を阻止することによ って、細胞壁の生合成を妨害する。細胞壁形成の基幹酵素は1,3−β−グルカ ンシンターゼである。この酵素は動物細胞には存在しないので、抗真菌性化合物 を開発するための標的となり得る。1,3−β−グルカンシンターゼは、基質と してUDP−グルコースを使用し界面活性剤に可溶なGTP−結合タンパク質に よって賦活される膜関連酵素である(Kang,M.S.and E.Cabi b.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:5808−581 2)。 栄養要求性、温度感受性及びUV感受性突然変異体を単離するための文献(S hermanら,1986)に記載の技術と同様の技術を使用して薬剤耐性突然 変異体を単離する。 GLS1遺伝子は、細胞にエキノカンジン耐性を与える突然変異(gls1− 1)の相補性を利用して染色体DNAライブラリーから単離され得る(Sher manら,1986)。DNAクローニングベクター中でDNAフラグメントの ライブラリーを調製し、個々のクローンをGLS1の存在に基づいてスクリーニ ングすることによって染色体DNAからGLS1遺伝子を単離し得る。例えば、 プラスミドYCp50中のGRF88株に由来のS.cerevisiaeのゲ ノムDNAのライブラリーは、American Type Culture Collection,12301 Parklawn Drive,Rock ville,Maryland 20852からATCC37415として入手 し得る。 プラスミドライブラリーは、微生物の純粋培養物から染色体DNAを単離する ことによって調製され得る。例えば、1種類以上の制限エンドヌクレアーゼ酵素 で部分消化することによって染色体DNAを断片化する。得られたDNAフラグ メントを大きさによって分け、次いでフラグメントをクローニングベクターに挿 入し得る。 クローニングベクターを少なくとも1つの制限エンドヌクレ アーゼによって切断し、ホスファターゼによって処理し、DNAフラグメントを DNAリガーゼによって結合させる。クローニングベクターを使用して、DNA 取込み能力を有するコンピテント宿主細胞を形質転換させる。クローニング、D NAプロセシング及び発現に使用し得る宿主細胞の非限定例は、細菌、酵母、真 菌類、昆虫細胞及び哺乳類細胞である。大腸菌Escherichia col i K−12のRR1、HB101、JM109、DH11SまたはDH5a株 は有用な宿主細胞である。約5×104の独立ゲノムDNAフラグメントがクロ ーニングベクターに結合すると、ライブラリーが形成される。完全ライブラリー は完全ゲノム像を含んでいると考えることができよう。形質転換手順中に組換え DNA分子を取込んで安定に維持するコンピテント宿主細胞は、プラスミド選択 薬剤を補充した培地での増殖能力によって同定され得る。アンピシリン耐性遺伝 子を含むプラスミドベクターの場合、アンピシリンが選択薬剤である。1つのラ イブラリーの完全像を得るためには、形質転換混合物を寒天プレート上に広げ、 適正条件下でインキュベートする。形質転換細胞を、寒天プレートの表面から少 量の液体培地に再浮遊させる。細胞浮遊液を、選択薬剤を補充し たより多量の液体培地に接種し、37℃で一夜インキュベートする。次に、当業 界で公知の方法で細胞からプラスミドDNAを抽出する。 スクリーニングは、プラスミドライブラリー中のGLS1遺伝子を同定するよ うに計画する。1つの戦略では、S.cerevisiaeのD2−8B株また はD2−8D株のようなgls1−1突然変異体を使用する必要がある。細胞を 、DNA取込み能力を有するコンピテント細胞とし、次いでライブラリーDNA によって形質転換させる。GLS1遺伝子を含んだ形質転換体は選択薬剤エキノ カンジンに対してプラスミド依存的な感受性増加を示すであろう。 形質転換混合物のアリコートを選択培地で平板培養する。形質転換体のコロニ ーを採取し、液体培地に再浮遊させ、プールし、25%グリセロールを補充した 培地中で−80℃で凍結保存する。1ミリリットルあたりのコロニー形成単位の 数として定義される力価を当業界で公知の方法で測定する。 GLS1遺伝子を含む形質転換体の同定は、プラスミド選択培地を含む寒天プ レートを用い、各プレート上でカウント可能な数のコロニーが増殖するように該 プレートにライブラリーを 平板培養することによって行う。各コロニーの一部分をレプリカ平板法によって 2つの寒天プレートに移す。1つのプレートは、中級の感受性をもつ細胞を致死 させる濃度の選択薬剤エキノカンジンを補充したプラスミド選択培地を含み、第 2のプレートは、プラスミド選択培地だけを含む。陽性クローンはエキノカンジ ン非含有プレートでは正常に増殖するがエキノカンジン含有プレートでは殆どま たは全く増殖しない。 潜在性クローンのエキノカンジン感受性表現型は種々の試験によって検出され 得る。1つの試験では、コロニーから採取した細胞を種々の濃度の選択薬剤エキ ノカンジンを含むプレートの表面に直接塗抹する。2日間のインキュベーション 後に試験の結果を記録する。薬剤の存在下で増殖し難くかった細胞は潜在的陽性 であり、相補的遺伝子を担持するプラスミドを含む可能性が高い。 第2の試験では、レプリカ平板法を用い、各コロニーの一部分を、第1の試験 で使用した濃度の約2倍の濃度の選択薬剤エキノカンジンを含む寒天培地に移す 。陽性クローン(エキノカンジン感受性クローン)はこれらのプレート上で増殖 しない。 第3の試験では、コロニーから採取した細胞をプラスミド選 択液体培地に接種し、飽和まで増殖させる。飽和培養物のアリコートを選択薬剤 エキノカンジン補充または非補充の新しい液体培地に接種する。波長600nm の光学密度によって増殖を測定する。エキノカンジンの存在下で増殖しないコロ ニーをエキノカンジン感受性として記録する。 別の試験では、ブイヨン微量希釈アッセイでクローンを試験する。このアッセ イでは1つの濃度範囲の選択薬剤エキノカンジンを用いて試験する。陽性クロー ンは選択薬剤エキノカンジンに対して初期の耐性突然変異体よりも高い感受性を 示す。 GLS1遺伝子の機能性コピーを含む組換えプラスミドを同定するために、上 述のような試験を使用してゲノムDNAライブラリーをスクリーニングし得る。 エキノカンジン感受性の増加がプラスミドにコードされたGLS1のコピーに起 因するか否かを判断するために、陽性クローンからプラスミドDNAを除去して エキノカンジン感受性の減少を試験する。エキノカンジン感受性の増加がプラス ミドの存在に起因するものであるならば、プラスミドの除去によってこの表現形 質が喪失するであろう。 エキノカンジン感受性の増加がGLS1遺伝子を含有するプ ラスミドの存在に起因するものであることは、陽性クローンからプラスミドDN Aを単離することによってより直接的に証明し得る。DNA取込み能力を有する コンピテント大腸菌の細胞をプラスミドで形質転換させ、形質転換体を同定し単 離する。プラスミドDNAを形質転換大腸菌から単離し次いで制限エンドヌクレ アーゼによって消化してばらばらの大きさのフラグメントを得る。各フラグメン トの大きさをゲル電気泳動のような慣用の方法によって測定する。プラスミドを 種々の酵素によって消化し、切断地図を作成する。切断地図はクローン化された フラグメント毎に異なっており各フラグメントに特異的である。詳細な切断地図 によってゲノム内部の特定遺伝子を十分に同定し得る。エンドヌクレアーゼ消化 によって作製したクローン化遺伝子のフラグメントをアガロースゲルから精製し 、当業界で公知の方法によって適当な配列決定用ベクターに結合するとよい。ベ クターの非限定例としては、pUC18、pUC19、YEp24、pGEM3 Zf(+)、pGEM5Zf(+)及びpGEM7Zf(−)がある。 S.cerevisiaeのGLS1遺伝子を使用して病原性真菌類の相同遺 伝子を単離及び特性決定し得る。C.neo formans、C.albicans、A.fumigatus及びPhyt ophthora infestansの菌株を非限定例とする他の真菌類は細 胞壁に1−3−β−Dグルカンを有しているので、これらの真菌類の各々にはG LS1の機能性ホモローグが存在している可能性が高い。GLS1の機能性ホモ ローグは細胞壁に1−3−β−Dグルカンを有している他の生物中にも存在する かもしれない。 GLS1ホモローグは被験生物から染色体DNAを単離することによって検出 され得る。単離された染色体DNAの一部分を多数の制限酵素によって切断する 。DNAの消化フラグメントをゲル電気泳動によって分離する。次いでフラグメ ントを固体膜支持体に移す。次に膜を標識プローブと共に一夜ハイブリダイズさ せる。ブロットを洗浄し、次いでXAR−5フィルムに露光し、慣用の方法(L askey and Mills(1977)FEBS Letters,82 :314−316)によって現像する。ブロット洗浄条件は、高度の相同性(≧ 80%の測定値)を有するフラグメントだけがプローブにハイブリダイズするよ うな条件である。プローブにハイブリダイズする消化フラグメントの大きさ及び パターンからゲノム地 図を作成する。各生物毎に、地図は染色体中のGLS1ホモローグを十分に特異 的に同定する。 gls1−1(MS1株)、gls1−2(MS41株)及びgls1−3( MS43株)またはGLS1の分裂物または欠失物を非限定例とするGLS1遺 伝子の突然変異はグルカンシンターゼ阻害物質のスクリーニングに有用である。 このようなスクリーニングは、GLS1野生株に比較したときのこれらの突然変 異体のエキノカンジン耐性及びパピューラカンジン感受性の増加に依存する。こ のような感受性の違いを検出し得る任意の技術を使用し得る。寒天プレート上の 阻害ゾーンアッセイが特に有用である。 クローン化されたGLS1 cDNAを適当なプロモーターと他の適当な転写 調節要素とを含む発現ベクターに分子クローニングすることによって組換え発現 させ、原核性または真核性の宿主細胞に移入して組換えGLS1を産生させる。 本文中で発現ベクターは、クローン化された遺伝子コピーの転写及び適正宿主 中でのそれらのmRNAの翻訳に必要なDNA配列であると定義される。このよ うなベクターは、細菌、酵母、藍藻類、植物細胞、昆虫細胞及び動物細胞のよう な種々の 宿主中で真核細胞遺伝子を発現させるために使用され得る。 特殊設計されたベクターは、細菌−酵母または細菌−動物細胞のように宿主間 でDNAをシャトリングさせ得る。適正に構築された発現ベクターは、宿主細胞 中での自律複製用の複製起点と、選択可能マーカーと、限定数の有用な制限酵素 部位と、高コピー数の能力と、活性プロモーターとを含み得る。プロモーターは 、RNAポリメラーゼに指令してDNAと結合させRNA合成を開始させるDN A配列であると定義される。強力プロモーターはmRNAを高頻度で開始させる プロモーターである。発現ベクターの非限定例は、クローニングベクター、修飾 されたクローニングベクター、特殊設計されたプラスミドまたはウイルスである 。 哺乳類細胞中で組換えGLS1を発現させるために種々の哺乳類発現ベクター を使用し得る。組換えGLS1発現用の適当な市販の哺乳類発現ベクターの非限 定例としては、pMC1neo(Stratagene)、pXT1(Stra tagene)、pSG5(Stratagene)、EBO−pSV2−ne o(ATCC37593)、pBPV−1(8−2)(ATCC37110)、 pdBPV−MMTneo(342 −12)(ATCC37224)、pRSVgpt(ATCC37199)、p RSVneo(ATCC37198)、pSV2−dhfr(ATCC3714 6)、pUCTag(ATCC37460)及びIZD35(ATCC3756 5)がある。 また、GLS1をコードするDNAを発現ベクターにクローニングして組換え 宿主細胞で発現させてもよい。組換え宿主細胞は原核細胞でも真核細胞でもよく 、その非限定例は細菌、酵母、哺乳類細胞及び昆虫細胞である。市販されている 適当な哺乳動物種に由来の細胞系の非限定例は、CV−1(ATCC CCL7 0)、COS−1(ATCC CRL1650)、COS−7(ATCC CR L1651)、CHO−K1(ATCC CCL61)、3T3(ATCC C CL92)、NIH/3T3(ATCC CRL1658)、HeLa(ATC C CCL2)、C1271(ATCC CRL1616)、BS−C−1(A TCC CCL26)及びMRC−5(ATCC CCL171)である。 発現ベクターは、形質転換、トランスフェクション、感染、プロトプラスト融 合及び電気穿孔を非限定例とする多数の技術 のいずれかによって宿主細胞に導入され得る。発現ベクター含有細胞をクローン 増殖させ、個々に分析して、GLS1タンパク質を産生しているか否かを判断す る。GLS1発現宿主細胞クローンの同定は、抗GLS1抗体との免疫反応性及 び宿主細胞関連GLS1活性の存在などを非限定例とする数種の手段によって行 うとよい。 また、in vitro産生させた合成mRNAを用いてGLS1 cDNA を発現させてもよい。合成mRNAは、小麦胚芽抽出物及び網状赤血球抽出物を 非限定例とする種々の無細胞系に有効に翻訳でき、またカエル卵母細胞への微量 注入を非限定例とする細胞主体系に有効に翻訳できる。 最適レベルの酵素活性及び/またはGLS1タンパク質を産生する(1つまた は複数の)GLS1 cDNA配列を判定するために、修飾されたGLS1 c DNA分子を構築する。宿主細胞をcDNA分子で形質転換させ、GLS1 R NA及びタンパク質のレベルを測定する。 宿主細胞中のGLS1タンパク質のレベルを、イムノアフィニティ法及び/ま たはリガンドアフィニティ法のような種々の方法で定量する。GLS1特異的ア フィニティビーズまたはG LS1特異的抗体を使用して35S−メチオニン標識するかまたは非標識のGLS 1タンパク質を単離する。標識GLS1タンパク質をSDS−PAGEによって 分析する。非標識GLS1タンパク質は、GLS1特異的抗体を用いるウエスタ ンブロッティング、ELISAまたはRIAアッセイによって検出する。 組換え宿主細胞中でGLS1を発現させた後、GLS1タンパク質を回収して 活性形態のGLS1を得る。GLS1精製手順はいくつか存在し、適宜使用し得 る。組換えGLS1は細胞溶解液から精製してもよくまたはならし培地から精製 してもよく、このためには分画化、クロマトグラフィーなどの当業界で公知の段 階を組合わせてまたは単独で使用するとよい。 更に、全長の新生GLS1またはGLS1のポリペプチドフラグメントに特異 的なモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体によって作製したイムノアフ ィニティカラムを使用して他の細胞性タンパク質から組換えGLS1を分離し得 る。 組換えタンパク質は抗体の産生にも使用し得る。本文中で使用された「抗体」 なる用語は、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体の双方、並びに、抗原 またはハプテンに結合し得るFv、Fab及びF(ab)2フラグメントのよう な抗体フ ラグメントを包含する。 GLS1に対する単一特異的抗体は、GLS1に反応性の抗体を含有する哺乳 動物の坑血清から精製されるか、または、標準法を用いてGLS1に反応性のモ ノクローナル抗体として調製される。本文中で使用される単一特異的抗体なる用 語は、GLS1に対して均一結合特性を有する単一抗体種または多数抗体種であ ると定義される。本文中で使用される均一結合なる用語は、上述のGLS1関連 抗体種のような抗体種が特異的抗原またはエピトープに結合する能力を意味する 。酵素特異的抗体は、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ヤギ、ウマなどの 動物を、任意に免疫アジュバントを添加した適正濃度のGLS1で免疫すること によって感作される。免疫動物としてはウサギが好ましい。 GLS1に反応性のモノクローナル抗体(mAb)は、近交系マウスのGLS 1免疫のような慣用の方法によって調製し得る。 抗GLS1をin vitro産生するために、約2%のウシ胎仔血清を含む DMEM中でハイブリドーマを増殖させると十分な量の特異的mAbが得られる 。当業界で公知の方法によ ってmAbを精製する。 腹水またはハイブリドーマ培養液の抗体価を血清学的または免疫学的な種々の アッセイによって定量する。アッセイの非限定例としては、沈降、受動凝集、エ ンザイムリンクトイムノソルベントアッセイ(ELISA)法、ラジオイムノア ッセイ(RIA)法がある。体液中または組織及び細胞の抽出物中のGLS1の 存在を検出するために同様のアッセイを使用する。 上述のような方法は単一特異的抗体を産生するために使用されてもよく、GL S1ポリペプチドフラグメントまたは全長の新生GLS1ポリペプチドに特異的 な抗体を産生するために使用されてもよい。 GLS1 cDNA、GLS1またはGLS1タンパク質に対する抗体を含む キットを作製し得る。このようなキットは、GLS1 DNAにハイブリダイズ するDNAを検出するため、または、サンプル中のGLS1タンパク質もしくは ペプチドの存在を検出するために使用される。このようなキャラクタリゼーショ ンは、法化学分析、分類学的決定及び疫学的研究などを非限定例とする種々の目 的に有用である。 本発明のDNA分子、RNA分子、組換えタンパク質及び抗 体は、GLS1 DNA、GLS1 RNAまたはGLS1タンパク質のスクリ ーニング及びレベル測定に使用され得る。組換えタンパク質、DNA分子、RN A分子及び抗体は、GLS1の検出及び型判定に適したキットの構成成分となる 。このようなキットは、閉鎖境界を維持する適当な区画形成性担体を少なくとも 1つの容器中に含むであろう。担体は更に、GLS1を検出するための適当な組 換えGLS1タンパク質または抗GLS1抗体のような試薬を含むであろう。担 体は更に、標識抗原または酵素基質などのような検出手段を含み得る。 遺伝コードが縮重性なので、特定アミノ酸をコードするコドンが2種以上存在 し、従って、アミノ酸配列は、類似のDNAオリゴヌクレオチドのセットのいず れかによってコードされ得る。GLS1配列に一致するのはセットの1成員だけ であり、このセットはミスマッチを伴うDNAオリゴヌクレオチドの存在下であ ってもGLS1 DNAにハイブリダイズし得るであろう。また、ミスマッチの DNAオリゴヌクレオチドもGLS1 DNAにハイブリダイズし、GLS1を コードするDNAの同定及び単離を可能にするであろう。 特定生物に由来のGLS1をコードするDNAは他の生物に 由来のGLS1のホモローグを単離及び精製するために使用され得る。このため には、前者のGLS1 DNAを、GLS1のホモローグをコードしているDN Aを含むサンプルと共に適正なハイブリダイゼーション条件下で混合するとよい 。ハイブリダイズしたDNA複合体を単離し、この複合体から相同性DNAをコ ードしているDNAを精製し得る。 特定アミノ酸をコードする種々のコドンには相当量の重複(redundan cy)が存在することが知られている。従って、同一アミノ酸の任意の翻訳をコ ードする代替コドンを含むDNA配列も本発明の目的である。本明細書の記載で は、1つまたは複数の置換コドンを有する配列を縮重性変異と定義する。発現さ れたタンパク質の最終物理的特性を実質的に変化させないようなDNA配列また は翻訳タンパク質中の突然変異も本発明の範囲に包含される。例えば、ロイシン の代わりにバリン、リシンの代わりにアルギニン、または、グルタミンの代わり にアスパラギンが存在するような置換はポリペプチドの機能性変化を生じないで あろう。 ペプチドをコードするDNA配列を改変し、天然産生ペプチドの特性とは異な る特性を有するペプチドをコードさせること も可能である。DNA配列を改変する方法の非限定例としては、部位特異的突然 変異誘発がある。改変された特性の非限定例としては、基質に対する酵素の親和 性の変化がある。 本文中で使用されたGLS1の「機能性誘導体」なる表現は、GLS1の生物 活性に実質的に同様の生物活性(機能的にまたは構造的に)を有する化合物を意 味する。「機能性誘導体」なる用語は、GLS1の「フラグメント」、「変異体 」、「縮重変異体」、「アナローグ」、「ホモローグ」または「化学誘導体」を 包含すると理解されたい。「フラグメント」なる用語は、GLS1の任意のポリ ペプチドサブセットを意味する。「変異体」なる用語は、完全GLS1分子また はそのフラグメントに構造及び機能が実質的に同様である分子を意味する。分子 がGLS1に「実質的に同様である」という表現は、双方の分子が実質的に同様 の構造を有するかまたは双方の分子が実質的に同様の生物活性を有することを意 味する。従って、2つの分子が実質的に同様の活性を有するとき、一方の分子の 構造が他方の分子中に見出されない場合または2つのアミノ酸配列が一致しない 場合であっても変異体であると考えてよい。「アナローグ」なる用語は、完全G LS1分子またはそのフラグメントに実質的に同様の機能を有する分子を意味す る。 本発明の目的はまた、GLS1をコードするDNAまたはRNAの発現及びG LS1タンパク質のin vivo機能を変調する化合物のスクリーニング方法 を提供することである。これらの活性を変調する化合物は、DNA、RNA、ペ プチド、タンパク質または非タンパク質性有機分子のいずれでもよい。化合物は 、GLS1をコードするDNAもしくはRNAの発現またはGLS1タンパク質 の機能を増進または減衰させることによって変調し得る。GLS1をコードする DNAもしくはRNAの発現またはGLS1タンパク質の機能を変調する化合物 は、種々のアッセイによって検出され得る。アッセイは、発現または機能の変化 の有無を判断する単なる「イエス/ノー」アッセイでもよい。被験サンプルの発 現または機能を標準サンプルの発現または機能のレベルに比較することによって 定量的なアッセイを行ってもよい。 以下の実施例で本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例の細部に限定 されない。実施例1 菌株、プラスミド及び培地 この研究で使用した酵母菌株を表1にまとめる。突然変異株はX2180−1 A株に由来する。 GG100−14D株及びX2180−1A株は夫々、K.Bostian及 びC.Ballouから得られた。突然変異体をX2180−1A中で作製し、 GG100−14Dに異種交配した。略号:wt、野生型;Ech,エキノカン ジン;S,感受性;R,耐性。 以下の培地を使用した。YPAD培地は、1%のバクト酵母エキスと2%のバ クト−ペプトンと2%のデキストロースと0.003%の硫酸アデニンとを含む 。合成デキストロース(SD)培地は、アミノ酸非含有の0.67%のバクト酵 母窒素基材(Difco)と2%のデキストロースと2%のバクト寒天(Dif co)とを含む。合成完全(SC)培地は、培地1リットルあたり各20mgの アデニン、ヒスチジン及びウラシルと60mgのロイシンと30mgのリシンと 20mgのトリプ トファンとを補充したSD培地である。胞子形成培地は、2%のバクト寒天(D ifco)と0.3%の酢酸カリウムである。Ura欠失培地は、ウラシル非含 有SC培地である。固形培地は約20g/リットルの寒天を使用して調製する。実施例2 DNA操作及び形質転換 標準DNA操作法を使用した(Sambrook,J.,E.F.Frits ch and T.Maniatis,1989,Molecular Clo ning:a laboratory manual,2nd ed.,Col d Spring Harbor Laboratory Press,Col d Spring Harobr,N.Y.)。大腸菌DH5a株(Hanah an,D.,1983,「プラスミドによる大腸菌の形質転換に関する研究(S tudies on transformation of Escheric hia coli with plasmids)」,J.Mol.Biol. 166:557−580)を細菌形質転換宿主として使用した。DNAライブラ リーによる酵母形質転換を電気穿孔によって実施した(Becker,D.an d L.G uarente,1991,「電気穿孔による酵母の高い形質転換効率(Hig h−efficiency transformation of yeast by electroporation)」,In C.Guthrie a nd G.Fink(eds.),Guide to yeast genet ics and molecular biology,Methods En zymol.194:182−187)。種々のプラスミドサブクローンによる 他の全ての酵母形質転換はアルカリカチオン法によって行った(Ito,H., M.Fukuda,M.Murata and A.Kimura,1983, 「アルカリカチオンによる完全形酵母細胞の形質転換(Transformat ion of intact yeast cells with alkal i cations)」,J.Bacteriol.153:63−68)。ア ルカリ溶菌法によって大腸菌からプラスミドDNAを調製した(Sambroo k,J.ら,前出)。大腸菌を形質転換するためにプラスミドを既述の手順で酵 母から単離した(Hoffman,C.S.and F.Winston,19 87,「酵母の10分間調製物は大腸菌形質転換用の自律プラスミド を有効に放出する(A ten−minute DNA preparatio n from yeast efficiently releases au tonomous plasmids for transformation of Escherichia coli)」,Gene57:267−27 2)。MS1株のエキノカンジン耐性表現型に相補性である野生型遺伝子GLS 1を、動原体シャトルベクターYCp50中で構築した酵母ゲノムライブラリー から後述のごとく単離した(Rose,M.D.,P.Novick,J.H. Thomas,D.Botstein and G.R.Fink,1987, Gene.60:237−243)。実施例3 GLS1の特定領域に相補的な合成オリゴヌクレオチドプライマー及びシーク エナーゼ試薬キット(U.S.Biochemical Corp.)を用いて 、GLS1の5′端及び3′端のヌクレオチド配列をジデオキシチェーンターミ ネーション法(Sanger,F.,S.Nicklen and A.Cou lson,1977,「チェーンターミネーション阻害物質によるDNA配列決 定(DNA sequencing with chain−terminating inhibitors)」, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:5463−5467, 1977)によって決定した。実施例4 PCR増幅 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を公表されている手順に従って実施した(M ullis,K.B.and F.A.Faloona,1987,「ポリメラ ーゼ触媒連鎖反応によるin vitroの特異的DNA合成(Specifi c synthesis of DNA in vitro via a po lymerase−catalyzed chain reaction)」, Meth.Enzymol.155:335−350。X2180−1A株に由 来の約5ngの合成DNAを鋳型として使用した。染色体IIIのMAT遺伝子座 から左側に5kb離れた領域の1.5kgのフラグメントを増幅するように合成 オリゴヌクレオチドプライマーを設計した。2つのプライマーの配列を以下に示 す。 5′−TGACAGTAGTTTCACAAGTACTTAA TATTGGAAATG−3′(配列番号1)、及び、 5′−TCAGATAATTTTATCGGTACCTTTTATATGTTA AAT−3′(配列番号2)。 増幅したDNAフラグメントをゲル精製し、ランダムプライミング法によって 放射性標識し(Feinberg,A.P.and B.Vogelstein ,1984,Anal.Biochem.,137:266)、公表されている プロトコル(Sambrook,J.ら,前出)に従って動原体ベクターYCp 50(Rose,M.D.ら,前出)中で酵母ゲノムDNAライブラリーを含む 細菌コロニーをスクリーニングするためのプローブとして使用した。実施例5 遺伝子破壊 GLS1遺伝子の染色体破壊を1段階遺伝子破壊プロトコルによって実施した (Rothstein,R.J.,1983,「酵母中での1段階遺伝子破壊( One−step gene disruption in yeast)」, Methods Enzymol.101:202−211)。pJAC2−1 の1.6kbpのDpnIフラグメントをpUC18の HincII部位にクローニングすることによってプラスミドpJAC4を構築し た。NruI−EcoRVによってpJAC4を二重消化すると、GLS1によ ってコードされた40個のC−末端アミノ酸をほぼ含む1.2kbのフラグメン トが切除された。S.cerevisiaeのURA3遺伝子を担持する1.5 kbのDNAフラグメントをYCp50プラスミドからNruI−SmaIフラ グメントとして単離した。精製したフラグメントをT4 DNAポリメラーゼで 処理し、プラスミドpJAC4上のGLS1のNruI−EcoRV部位に平滑 端結合すると、GLS1の破壊欠失を含むプラスミドpJAC9が得られた。プ ラスミドpJAC9を大腸菌中で増殖させ、プラスミドの構造を制限分析によっ て確認した。 gls1::URA3破壊フラグメントをpJAC9から2.7kbのXba I−HindIIIフラグメントとして精製し、これを野生型GLS1遺伝子を含 むura3−52酵母株(菌株GG100−14D及びD2−5A)の形質転換 に使用した。ウラシル原栄養性酵母形質転換体をウラシル欠失SC培地で選択し た。2つの形質転換株の各々から、1つのUra+形質転換体を単コロニー形成 によって精製した。2つの形質転換体の 各々から得られた3つのUra+単コロニーのL−733,560耐性を試験す ると、薬剤耐性を示すことが判明した。これらのコロニーを更に特性決定し、G LS1遺伝子座における組込み現象をサザンハイブリダイゼーション(Samb rook,J.ら,前出)によって確認した。GG100−14D及びD2−5 A中のGLS1遺伝子の破壊によって得られた2つの突然変異体を夫々MS10 0及びMS101と命名した。 完全ゲノムDNAを菌株GG100−14D、D2−5A、MS100及びM S101の静置培養物から単離した。約5μgの量の各DNAをDraIによっ て制限消化した。消化産物を1%アガロースゲルに溶解し、ZetaプローブG Tナイロン膜に移し、製造業者のプロトコル(Biorad Laborato ries)に従ってハイブリダイゼーション処理した。GLS1に内在するDr aIフラグメントの32P放射性標識プローブをランダムプライマー法(Fein berg,A.P.and B.Vogelstein,1984,Anal. Biochem.137:266)によって調製した。実施例6 液体ブイヨン微量希釈アッセイ 突然変異株のエキノカンジン感受性/耐性を定量するために、対数期まで増殖 させた酵母細胞を2mlのSCブイヨンに接種し、28℃で一夜インキュベート した。平底の96ウェルのマイクロタイタープレートに75μlのSC培地を2 〜12列に播種した。列1には、150μlの培地を加えた。エキノカンジン( L−733,560)を滅菌蒸留水中の30μg/ml濃度の溶液に調製した。 エキノカンジン溶液のアリコート(75μl)を列3に添加し、列3から75μ lを列4に移し、次いで各ウエルの内容物を混合した。列4から75μlを列5 に移し、以後同様にして列12まで系列希釈し、列12から75μlを廃棄した 。URA欠失培地中で6×105細胞/mlの希釈物を酵母菌株から調製した。 次に、75μlの細胞浮遊液を列2〜12まで添加し、4×104細胞/ウエル とした。プレートを28℃で24−48時間インキュベートした。エキノカンジ ンの存在下及び非存在下の増殖を600nmの吸光度によって測定した。実施例7 グルカンシンターゼアッセイ 対数期まで増殖させた突然変異細胞及び野生型細胞から膜抽出物を調製した( Kang and Cabib,PNAS,83,5808−5812,198 6)。ガラスビーズで均質化した後、未破壊細胞及び破片を低速遠心分離(1, 000×gで5分間)によって除去した。上清流体を100,000×gで60 分間遠心し、得られたペレットを2.5ml(湿潤細胞1gあたり)のバッファ で洗浄した。バッファは、0.05Mのリン酸カリウム(pH7.5)と0.5 mMのDTTと1.0mMのPMSFとを含んでいた。洗浄したペレットを5% グリセロールを含有する同じバッファに再懸濁させた。このタンパク質抽出物は 酵素アッセイで使用する1,3−β−グルカンシンターゼ及びキチンシンターゼ のソースとして役立った。 BCAタンパク質アッセイ試薬キット(Pierce Corp.)を用い、 ウシ血清アルブミン(BSA;Pierce Corp.)を標準として用いて タンパク質濃度を測定した。1,3−β−グルカンシンターゼ反応を従来から公 表されている手順(Cabib,E.and M.S.Kang,198 7,Fungal 1,3−β−glucan synthase,Metho ds Enzymol,138:637−642)で実施した。簡単に説明する と、80mlの反応物は、125mMのTris−HCl(pH7.5)と、0 .25mMのジチオトレイトールと、30mMのKFと、0.3Mのグリセロー ルと、0.23%のBSAと、0.125mMのPMSFと、2mMのUDP− グルコースと、10mMのグアノシン5′−(g−チオ)三リン酸(GTP−γ S)と、0.1ナノモルのUDP−〔3H〕グルコース(Amersham;4 .5Ci/ミリモル)と、25mgの膜タンパク質抽出物とを含んでいた。薬剤 を用量滴定(dose titration)するために、0.0、0.1、0 .5、5、25及び50mMのL−733,560の存在下で反応を実施した。 25℃で150分間インキュベーション後、トリクロロ酢酸に不溶な物質に組込 んだ〔3H〕−グルコースをガラス繊維フィルター(102×258mm)に回 収し、ベータプレート液体シンチレーションカウンター(Cambridge Technologies Inc.;ハーベスター2800シリーズ)を用い て測定した。このような反応の産物は、ラミナリナーゼ(Sig ma,#L9259)によって可溶化されるがα−アミラーゼ(Sigma,# A2643)によって可溶化されないことによって検証された。実施例8 キチンシンターゼアッセイ 従来から公表されているキチンシンターゼアッセイを使用した(Kang,M .S.,N.Elango,E.Mattia,J.Au−Young,P.W .Robbins and E.Cabib,1984,「サッカロミセス・セ レビシエからのキチンシンターゼの単離。反応産物中への捕捉による酵素の精製 (Isolation of chitin synthetase from Saccharomyces cereviciae,Purificati on of an enzyme by entrapment in the reaction product),J.Biol.Chem.259:1 4966−14972)。約125mgの膜タンパク質抽出物をトリプシン活性 化し、キチンシンターゼ反応を触媒するために使用した。100mlの反応物は 、50mMのTris−HCl,pH7.5と、40mMのMgClと、 32mMのN−アセチルグルコサミン(GlcNAc)と、1mMのUDP−N −アセチル−〔14C〕グルコサミン(4×105cpm/マイクロモル)と、0 .8mg/mlのジギトニンとを含んでいた。0.0、0.125、0.5、2 及び8μMのニッコマイシンZの存在下で反応させた。30℃で30分間インキ ュベーション後、反応産物を10%のトリクロロ酢酸で沈殿させ、Whatma nガラスマイクロファイバーGF/Aディスクに回収し、取込まれた〔14C〕− GlcNAcをカウントした。実施例9 エキノカンジン耐性自然突然変異体の単離 1,3−β−グルカンの生合成に関与する遺伝子の突然変異体を単離するため に、ニューモカンジンB化合物、L−733,560を使用してX2180−1 A株中の耐性突然変異体を同定した。7.5mMのL−733,560の存在下 でコロニーを形成し得る約40個の自然突然変異体を以下のごとく単離した。野 生型X2180−1A株をSD最小培地中で定常期まで増殖させた。約1〜3× 106の細胞を、7.5、15または45mMのL−733,560を含むSD プレートに散布した。 28℃で4日間インキュベーション後、エキノカンジン耐性コロニーが1−3× 10-6の頻度で出現した。突然変異株MS1、MS41及びMS14をこの手順 によって単離した。MS14はFKS1遺伝子中に突然変異(fls1−4)を 含む。MS1及びMS41は突然変異gls1−1及びgls1−2を夫々含む 。実施例10 EMS突然変異誘発及びgls1−3突然変異を含むMS43株の単離 YPADブイヨン(5ml)にX2180−1A株の一夜培養物を接種して初 期細胞密度1×106細胞/mlとし、30℃で一夜インキュベートした。一夜 培養物の2.5mlのアリコートを50mMのKPO4バッファ,pH7.0中 で遠心分離によって2回洗浄し、10mlの同じバッファに再浮遊させた。洗浄 細胞の5mlのアリコートに、150μlのエチルメタンスルホン酸(EMS) を添加した。処理した細胞の浮遊液を撹拌し、30℃で1時間インキュベートし た。洗浄培養物の別の5mlを氷上に未処理で維持した。処理した5mlの細胞 に等容の調製直後の10%(w/v)フィルター滅菌チオ硫酸 ナトリウム溶液を加えて混合した。細胞を回収し、滅菌水で2回洗浄し、5ml のYPADに再浮遊せさ、24℃で4〜6時間インキュベートした。適正な細胞 希釈物を最小培地(SD)で平板培養した。未処理培養物を希釈し同様に平板培 養した。24℃で3日間増殖後、コロニーを0.001μg/mlのL−733 ,560含有及び非含有のYPAD培地にレプリカ平板法で培養し、30℃でイ ンキュベートした。この手順によって試験した1,000個のコロニー中、10 個のコロニーがL−733,560に耐性であった。MS43と命名したこれら の耐性菌株のうちの1つは、後述するようにgls1−3突然変異を含むことが 判明した。実施例11 遺伝子解析 3つの突然変異株(MS1、MS41、MS43)の各々と野生株GG100 −14Dとの間の異種交配を実施した。四分子分析は、3つの突然変異株のいず れにおいてもL−733,560耐性が単一形質として分離することを示した( 図1)。単一遺伝子突然変異は突然変異株と野生株とを交配しときにメンデルの 法則(2:2)で分離すると予測される。 MAtaエキノカンジン耐性突然変異体をMATaエキノカンジン感受性株G G100−14D(野生型)に交配することによって3つの突然変異株の突然変 異の優性または劣性を試験した。得られた3つのMATa/MATaヘテロ接合 二倍体株D2(MS1×GG100−14D)、D12(MS41×GG100 −14D)及びD28(MS43×GG100−14D)はいずれもL−733 ,560に感受性を示し、これは、MS1、MS41及びMS43株が劣性突然 変異を有することを示す。 これらの突然変異が劣性であることは、ヘテロ接合二倍体D2、D12及びD 28が突然変異体の表現型よりもむしろ野生型の表現型を示すという観察によっ て確認された。二倍体D2、D12及びD28から得られた薬剤耐性分離体を用 いて相補性試験を実施した。MS1、MS41またはMS43に由来する突然変 異を含む耐性単離物間に形成された二倍体(D132、D136、D137、D 140、D141及びD142)はL−733,560に対する耐性を示し、こ れは3つの突然変異間に相補性が存在しないことを示す。 これらの結果は、独立に単離された3つの突然変異gls1 −1(MS1株)、gls1−2(MS41株)及びgls1−3(MS43株 )が1つの相補性グループを構成することを示す。異なる遺伝子または非連鎖遺 伝子中の突然変異は特定の表現型に相補性であり得る。同じ遺伝子または緊密に 連鎖した遺伝子中の突然変異は通常は互いに相補性にはなり得ないので、1つの 相補性グループとして分類される。実施例12 gls1突然変異の遺伝子マッピング MS41とGG100−14Dとの異種交配によって得られた37の四分子の 減数分裂分離体の遺伝子解析に基づいて、gls1−1突然変異をマッピングす ると、染色体IIIのMAT遺伝子座から1.35センチモルガンの範囲内に存在 することが判明した(表2)。同様の解析によって、gls1−2(MS41株 )及びgls1−3(MS43株)の双方がMAT遺伝子座に連鎖することが判 明した。両親型の四分子のクラスはGG100−14DとMS1との交配から得 られたクラス(12四分子)またはGG100−14DとMES43との交配か ら得られたクラス(19四分子)だけであった。突然変異が非連鎖遺伝子座また は異なる染色体中に局在する遺伝子に生じた場 合、後代の優性テトラ型クラス(T)が予測されるであろう。遺伝子交配で使用 した突然変異株及び野生株の表現型を以下に示す。菌株 表現型 MS1 Mat a,エキノカンジンR MS41 Mat a,エキノカンジンR MS43 Mat a,エキノカンジンR GG100−14D Mat a,エキノカンジンR MATa耐性突然変異体(MS1、MS41またはMS43株)とMATa感 受性野生株(GG100−14D)との異種交配から得られた四分子は以下の3 つのテトラ型のいずれか1つを示す筈である。 1.両親型表現型(PD): Mat a エキノカンジンR Mat a エキノカンジンS 姉妹種は両親のいずれかの表現型を示す。 2.非両親型表現型(NPD): Mat a エキノカンジンS Mat a エキノカンジンR 姉妹種はいずれの両親の表現型も示さない。 3.テトラ型表現型(T):姉妹種は両親型表現型及び非両親型表現型の双方( Mat a エキノカンジンS、Mat a エキノカンジンR、Mat a エ キノカンジンR、Mat a エキノカンジンS)を示す。 3つのgls1突然変異体と野生株GG100−14Dとの異種交配によって 得られたデータを表2にまとめる。 <1というNPD比は連鎖を示す。このデータは3つのgls突然変異がMA Tに連鎖していることを示す。2つの遺伝子座の間のマップ距離は{100(1 /2T)+NPD}/四分子の総数によって計算する。gls1−1とMATと の間の距離は50/37=1.35センチモルガンである。実施例13 MS1突然変異株のキャラクタリゼーション MS1株は左右相称的交配欠陥を示す(即ち、2つのgls1−1コピーを含 むホモ接合二倍体産生用交配は効率が極めてよくない)。得られるホモ接合二倍 体は胞子形成培地で継代培養したときに胞子を形成しない。ホモ接合二倍体は浸 透圧的に不安定であり、水に浮遊させると破裂する。 対照的に、ヘテロ接合二倍体を産生するための野生型細胞と3つのgls1突 然変異のいずれかを含む細胞との交配は正常に進行する。 形態学的には、MS1細胞は30℃のYPAD培地中でいくつかの凝集細胞( 図3)及び多数の出芽を示し、ときには綿状増殖を示す。MS1株はまたYPA D中では野生型親株よりもゆっくりと増殖する。この緩徐な増殖の特徴は、細胞 が分裂期 に入る前の長い遅滞期を有することである。実施例14 抗真菌性薬剤のMS1株に対する効果 MS1株は細胞の壁、膜、ステロール及びタンパク質合成に影響を及ぼす30 種以上の阻害物質パネルに対して試験したときに多剤耐性を示さなかった。 L−733,560に対する耐性に加えて(図2)、MS1細胞は、1,3− β−グルカンシンターゼ阻害物質であるパピューラカンジン及び免疫抑制剤であ るラパマイシンに対して野生型親株よりも感受性である(図10)。実施例15 1,3−β−グルカンシンターゼ及びキチンシンターゼの活性レベル 細胞膜から得られた粗酵素調製物の1,3−β−グルカンシンターゼ及びキチ ンシンターゼの活性を試験した。L−733,560及びニッコマイシンZに対 するこれらのポリマーのin vitro合成の感受性を試験した(図4)。 これらの実験は、MS1のグルカン合成活性が野生型細胞に比べて低下してい る(80%未満の活性)ことを示した。実施例16 GTPγSによる1,3−β−D−グルカン合成の賦活 GTPγSによる1,3−β−グルカン合成の活性化を試験するために、3. 3μMのGTPγSの非存在下及び存在下で1,3−β−DグルカンへのUDP −グルコースの取込みを測定した。MS1突然変異体の酵素活性によるグルカン 合成はGTPγSによって賦活された(約19倍)。これはMS1突然変異酵素 による6倍の賦活と対比を成す(図4)。 別の実験では、種々の濃度のGTPγSによる突然変異体及び野生型の膜の賦 活を試験した。MS1突然変異体の酵素活性はGTPγSの濃度増加に顕著には 応答しなかった(図5)。実施例17 機能的相補性及びハイブリダイゼーションによるGLS1遺伝子の単離 エキノカンジン耐性表現型の相補性によってGLS1遺伝子をクローニングし た。酵母菌D2.8B(MATa,ura3−52,gls1−1を動原体ベク ターYcP50(Rose,M.D.ら,1987,Gene.60:237− 243)中の酵母ゲノムDNAライブラリーで形質転換させ、次いで、U ra欠失培地で形質転換体を選択した。形質転換体(2400)をUra欠失培 地のマスタープレートに接種し、0.0または7.5μMのL−733,560 を補充した同じ培地を含むプレートにレプリカ平板法で培養した。30℃で2〜 3日間のインキュベーション後、4つの感受性コロニーを単離した。これらの4 つのコロニーのうちで、D2.8B(pJAC2−1)と命名した1つのコロニ ーは相補性プラスミドpAC2−1を含むことが判明した。別の実験として、M ATの左側に約7kb離れて位置する配列を示す1.5kbのDNAフラグメン トをPCRによって増幅し、放射性標識し、コロニーハイブリダイゼーションに よってYCp50を主体とする酵母ゲノムライブラリーをスクリーニングするた めのプローブとして使用した(Sambrook,J.ら,前出)。この手順に よって約4800の細菌コロニーをスクリーニングすると、pJAC2−2と命 名されたプラスミドを含むハイブリダイズクローンが得られた。 pJAC2−1及びpJAC2−2は同一の制限地図を有するDNAフラグメ ントを含む。pJAC2−2をD2.8B株に導入した。3つの酵母形質転換体 を試験すると、L−733, 560に対して野生型のレベルの感受性を獲得したことが判明した。更に、形質 転換体から調製した膜抽出物は、形質転換しない突然変異体の膜に関連する低レ ベルの1,3−β−グルカンシンターゼ特異的活性を復帰させていた。 D2.8B(pJAC2−2)と命名した酵母形質転換体から形質転換用プラ スミドpJAC2−2を除去するために、YPADブイヨン中で一夜増殖させ次 いでYPADプレートに平板培養して単コロニーを形成させる処理を連続3回繰 返した。処理後のクローンはプラスミドを喪失し、L−733,560耐性を示 した。実施例18 Gls1−1最小相補性フラグメントの決定 クローン化したインサートDNAを内部切断する制限酵素で消化することによ って、pJAC2のgls−1相補性領域を規定した(図6)。YcP50にサ ブクローニングした制限フラグメントを含むプラスミドを大腸菌DH5a中で増 殖させ、制限パターンに関して特性決定し、次いで突然変異酵母株MSD2.8 Bに導入した。得られた酵母形質転換体の増殖速度及び薬剤耐性表現型を試験し た。gls1−1相補性活性は約4 kbのKpnIフラグメント(図1)中に存在していた。更に相補性分析して、 GLS1遺伝子を含む1.6kbpのDpnIフラグメントを規定した。 17kbの出発ライブラリークローンから得られたより小さいDNAフラグメ ントの制限解析及びサブクローニングを用いて、pJAC2の4kbのKpnI フラグメントを単一コピーベクターYCpLac33にクローニングしてpJA C1を作製した。pJAC1はMS1突然変異体表現型に相補性であった。 同様の解析によって、pJAC2から得られた1.6kbのDpnIフラグメ ントを細菌ベクターpUC18のHIncII部位にクローニングしてpJAC4 と命名されたプラスミドを産生した。GLS1を含む1.6kbのBamHI/ SphIフラグメントをpJAC4から精製し、YEp24及びYCp50の双 方のプラスミドにサブクローニングして(BamHI及びSph1によって消化 )、pJAC5及びpJAC3を夫々作製した。双方のプラスミド(pJAC3 及びpJAC5)はgls1−1薬剤耐性/感受性表現型に相補性であった(図 7、8)。実施例19 GLS1のヌクレオチド及び推定アミノ酸の配列解析 ジデオキシチェーンターミネーション法を使用してGLS1の5′端のヌクレ オチド配列を決定した。最初の200bpの配列を決定し、染色体IIIのYCR 34の読取り枠(ORF)と比較した(Olwer,S.ら,1992,Nat ure 357:38−46)。比較した200bp全部の配列が一致した。こ れらの結果は、GLS1とYCR34のORFとが一致することを示唆した。G LS1/YCR34のヌクレオチド配列及び予測アミノ酸配列を図9に示す。 GLS1/YCR34の5′非翻訳領域の600bpの配列は、プロモーター 「TATA」ボックスの4つの候補を含む。更に、酵母のHAP1結合部位に高 度に相同なUAS要素の2つの候補が存在する。従って、GLS1のプロモータ ー領域は、酵母遺伝子CYC1のプロモーター領域に顕著な類似性を示す。4つ の「TATA」要素の配列適合度は2つの遺伝子でほぼ一致する。UAS配列も またCYC1のUAS1に高度な相同性を示す。これはGLS1発現がCYC1 の発現と同様にして調節され得ることを示唆する。 GLS1/YCR534の348アミノ酸の推定タンパク質産物をタンパク質 データベースに比較した。既知のタンパク質との有意な相同性は見出されなかっ た。Kyte及びDoolittleのアルゴリズムを用いて348残基のアミ ノ酸をハイドロパシー分析した(図10)。推定タンパク質産物は塩基性(pI =10.3)であり、疎水性である。配列中に複数のロイシンジッパー構造モチ ーフが存在し、これはタンパク質産物が二量体を形成し得ることを示す。実施例20 GLS1遺伝子破壊 GLS1が必須であるか否かを試験するために、1段階遺伝子破壊によってG LS1遺伝子の染色体欠失を生じさせた(Rothstein,R.J.,19 83,Methods Enzymol.1012:202−211)。GLS 1をコードする配列の大部分を含むプラスミドpJAC4の1.2kbの領域を NruI−EcoRVフラグメントとして欠失させた。URA3遺伝子を含む1 .5kbのDNAフラグメントとの平滑端結合によってpJAC4の欠失領域を 置換した。GLS1の破壊コピーを2.7kbpのHIndII/XbaIフラグ メ ントとして切除し、このフラグメントを使用してGLS1を含有する2つの野生 株GG100−14D及びD2.5Aを形質転換した。 得られたUra+酵母形質転換体のエキノカンジン耐性を試験した。2つの形 質転換体(GGDgls1及びD2.5ADgls1)はL−733,560に 対する耐性を獲得しており、更に分析した(図9)。GLS1遺伝子座の変質を サザンハイブリダイゼーション分析によって確認した。GLS1の欠失した単相 体菌株が生存適性を有することは、遺伝子が増殖に必須でないことを示す。実施例21 病原性真菌類中に存在するGLS1のホモローグ 酵母の膜調製物を塩及び界面活性剤で処理することによって酵母1,3−β− Dグルカンシンターゼを可溶性及び不溶性の2つの画分に分画し得る。GTPの 存在下で2つの画分を混合することによってグルカンシンターゼ活性を再生し得 る。Cabibと彼の共同研究者らは、可溶化した画分は酵母と他の真菌類との 間で互換性を有することを示した。これは、真菌類のグルカン合成酵素間に相同 性が有り得ることを示唆する。 クローン化したGLS1のホモローグが他の真菌類に存在してるか否かを試験 するために、複数の異種真菌類のゲノムDNAを調製し、一連のPCR及びサザ ンハイブリダイゼーション分析を行った。結果は、GLS1ホモローグが、Ca ndida albicans、Aspergillus fumigatus 、Schizosacchromyces pombe及びPhytophth ora infestansなどの他の真菌類に存在することを示した(図11 )。実施例22 Pneumocystis CariniiからのGLS1ホモローグの単離 P.cariniiに感染した雄のスプレーグ・ドーリーネズミのラット全肺 をBrinkmannホモジナイザーで均質化し、文献(P.A.Libera torら,1992,J.Clin.Micro.30(11):2968−2 974)に記載の手順でDNAを単離する。2〜5μgの精製DNAをEcoR Iのような制限エンドヌクレアーゼで消化し、アガロースゲルでフラグメントを 分離する。DNAをニトロセルロースのような固体支持体に移し、サザン法(S outhern, E.M.1975,J.Mol.Biol.98:503−517)によってG LS1に相同性をもつフラグメントを探す。低減した緊縮性でブロットを洗浄す ることによって軽度に相同な遺伝子を同定し得る。 ハイブリダイズするフラグメントがサザンブロットで観察されたアガロースゲ ルの領域からミニライブラリーを調製することによってP.cariniiのG LS1ホモローグをクローニングする。フェノール:CHCl3抽出によって夾 雑物を除去した後、ゲルのこの領域から得られたDNAフラグメントを適当なプ ラスミドベクターに結合し、大腸菌を形質転換させる。ミニライブラリーを担持 した大腸菌クローンを寒天プレートに広げ、in situコロニー溶解によっ てGLS1に相同なインサートを探す。個々の形質転換体から得られたDNAを ニトロセルロースに移し、放射性標識したGLS1 DNAフラグメントにハイ ブリダイズさせ、洗浄し、フィルムに露光する。GLS1に相同性を有するイン サートを含むコロニーをフィルム上で可視化する。次に、プラスミドDNAを陽 性クローンから単離し、増殖させ、分析する。標準法によるDNA配列解析を使 用して、GLS1に対する相同性の程度を確認し、GLS 1用の破壊S.cerevisiae中で発現させることによって機能的相同性 を証明し得る。実施例23 植物病原性真菌類からのGLS1ホモローグの単離 Phytophthora infestansのような植物病原性真菌類か らGLS1ホモローグをクローニングするために、高分子量ゲノムDNAをAt kins and Lambowitz(Mol.Cell.Biol.,5: 2272−2278)によって記載された方法で単離し、制限酵素によって部分 消化し、Stratageneから得られるクローニングキット及び慣用の方法 (Maniatis)を用いてStratagene Vector Lamb da−Dashにクローニングする。GLS1からのプローブを用いてライブラ リーをスクリーニングする。実施例24 GLS1突然変異体(MS1、MS41及びMES7−43株)はエキノカン ジン耐性及びパピューラカンジン超感受性であるが、fks1−4突然変異体( MS14株)はエキノカンジン耐性(野生型よりも50倍耐性)及びニッコマイ シンZ− 超感受性(1000倍の感受性)である。GLS1及びfks1−4の突然変異 体は、エキノカンジン、パピューラカンジン及びニッコマイシンZに対する耐性 /感受性の違いに基づいてキチン及びグルカンのシンターゼ阻害効果をもつ抗真 菌性化合物をスクリーニングし分類するためのアッセイに組込むことができる。 このアッセイから得られたデータ及び増殖阻害ゾーンのミリメートルで示す大き さを次表に示す。 酵母菌MS1及びMS14株は、グルカン及びキチンの合成 阻害物質をスクリーニングするアッセイで使用し得る。このアッセイはまた、パ ピューラカンジン及びエキノカンジンのような種々のクラスのグルカン合成阻害 物質を識別し得る。 MS14に活性であるがMS1及び野生株に対して不活性である化合物は、「 キチンシンターゼ型」の阻害物質である。MS1に対して活性であるが野生株及 びMS14に対してより低度に活性である化合物は「パピューラカンジン型」阻 害物質である。「エキノカンジン型」阻害物質は野生株に対する活性に比べてM S1細胞に対する活性が低下しており、MS14に対する活性は更に低下してい る。実施例25 他の宿主細胞系中でGLS1ポリペプチドを発現させるためのGLS1のクロー ニング (a)細菌発現ベクター中のGLS1 cDNAのクローニング 異種タンパク質の発現を指令するように設計された発現ベクターに最適GLS 1 cDNA配列を挿入した後、大腸菌のような細菌中で組換えGLS1を産生 させる。これらのベクターは、組換えGLS1が単独で合成されるかまたは以後 の操作に 適した融合タンパク質として合成されるように構築されている。発現は、組換え GLS1が可溶性タンパク質として回収されるかまたは不溶性封入体の内部に回 収されるように調節するとよい。これらの目的に適したベクターとしては、pB R322、pSKF、pUR、pATH、pGEX、pT7−5、pT7−6、 pT7−7、pET、pIBI(IBI)、pSP6/T7−19(Gibco /BRL)、pBluescriptII(Stratagene)、pTZ18 R、pTZ19R(USB)、pSE420(Invitrogen)などがあ る。 (b)ウイルス発現ベクター内へのGLS1 cDNAのクローニング GLS1 cDNA配列を含むワクシニアウイルスを感染させたHeLa S 3細胞のような哺乳類宿主細胞中で組換えGLS1を産生させる。GLS1:ワ クシニアウイルスを産生させるために、GLS1 cDNAを先ずpSC11、 pTKgptF1s、pMJ601のようなトランスファーベクターまたは他の 適当なベクターに結合させ、次いで相同組換えによってワクシニアウイルスに移 入する。プラーク精製及びウイルス 増幅後、GLS1:ワクシニアウイルスを使用して哺乳類宿主細胞を感染させ、 組換えGLS1タンパク質を産生する。実施例26 グルカンシンターゼサブユニットペプチドの産生方法 (a)GLS1タンパク質をコードするDNAによって宿主細胞を形質転換し て組換え宿主細胞を作製し、(b)グルカンシンターゼサブユニットペプチドを 産生させる条件下で組換え宿主細胞を培養し、(c)組換えグルカンシンターゼ サブユニットペプチドを回収することによって組換えGLS1を産生する。組換 えグルカンシンターゼサブユニットを標準法によって精製し特性決定する。実施例27 グルカンシンターゼサブユニット活性を変調する化合物を種々の方法で検出し 得る。グルカンシンターゼサブユニットに影響を与える化合物の同定方法は、 (a)被験化合物をグルカンシンターゼサブユニット含有溶液と混合して混合物 を形成し、 (b)混合物中のグルカンシンターゼサブユニット活性を測定し、 (c)混合物のグルカンシンターゼサブユニット活性を標準に比較する、段階か ら成る。 グルカンシンターゼサブユニット活性を変調する化合物は医薬組成物に配合し 得る。このような医薬組成物は、真菌類感染を特徴とする疾患または症状を治療 するために有効であろう。実施例28 グルカンシンターゼサブユニットをコードするDNAに構造的に近縁のDNA をプローブによって検出する。適当なプローブは図示のヌクレオチド配列の全部 または一部分を有するDNA、図示のヌクレオチドの配列の全部または一部分を 有するDNAによってコードされたRNA、図示のアミノ酸配列の一部分に由来 の縮重オリゴヌクレオチド、またはGLS1によってコードされたペプチドに対 する抗体から得ることができる。実施例29 グルカンシンターゼサブユニットまたはグルカンシンターゼサブユニットペプ チドをコードするDNAまたはRNAの検出及びキャラクタリゼーションに有用 なキットを慣用の方法によって作製する。キットは、グルカンシンターゼサブユ ニットをコードするDNA、組換えグルカンシンターゼサブユニットペ プチド、グルカンシンターゼサブユニットをコードするDNAに対応するRNA 、または、グルカンシンターゼサブユニットに対する抗体を含み得る。キットは 、法医学サンプルまたは疫学サンプルのような試験サンプルの特性決定に使用さ れ得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12N 1/21 9735−4B C12N 1/21 9/10 9359−4B 9/10 C12P 21/08 9358−4B C12P 21/08 G01N 33/53 0276−2J G01N 33/53 D // A61K 38/43 9455−4C A61K 39/395 D 39/395 9051−4C 37/48 (C12N 15/09 ZNA C12R 1:865) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 9/10 C12R 1:865)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.グルカンシンターゼサブユニットまたはその機能性誘導体をコードする単離 DNA。 2.図9のヌクレオチド配列またはその機能性誘導体を有する請求項1に記載の 単離DNA。 3.請求項1に記載の単離DNAまたはその相補的配列によってコードされた単 離RNA。 4.請求項1に記載の単離DNAを含む発現ベクター。 5.請求項4に記載の発現ベクターを含む組換え宿主細胞。 6.組換えグルカンシンターゼサブユニットペプチドの産生方法であって、 (a)宿主細胞を請求項1に記載の単離DNAによって形質転換させて組換え 宿主細胞を作製する段階と、 (b)組換えグルカンシンターゼサブユニットペプチドを産生し得る条件下で 組換え宿主細胞を培養する段階と、 (c)グルカンシンターゼサブユニットペプチドを回収及び精製する段階とか ら成る方法。 7.請求項6に記載の方法によって産生される精製された組換 えグルカンシンターゼサブユニットペプチド。 8.単離及び精製されたグルカンシンターゼサブユニットペプチドまたはその機 能性誘導体。 9.図9のDNAによってコードされていることを特徴とする請求項8に記載の 単離及び精製されたグルカンシンターゼサブユニットペプチド。 10.図9のアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項9に記載の単離及び 精製されたグルカンシンターゼサブユニットペプチド。 11.グルカンシンターゼサブユニットペプチド活性を変調する化合物の同定方 法であって、 (a)被験化合物をグルカンシンターゼサブユニットペプチドを含む溶液と混 合して混合物を形成する段階と、 (b)混合物中のグルカンシンターゼサブユニットペプチド活性を測定する段 階と、 (c)混合物のグルカンシンターゼサブユニットペプチド活性を標準に比較す る段階とから成る方法。 12.請求項11に記載の方法によって同定される化合物。 13.請求項12に記載の化合物を含む医薬組成物。 14.請求項1に記載の単離DNAと、組換えグルカンシンターゼサブユニット ペプチドまたはその機能性誘導体と、組換えグルカンシンターゼサブユニットペ プチドもしくはその機能性誘導体に対する抗体とから成るグループから選択され た試薬を含むキット。 15.請求項8に記載のグルカンシンターゼサブユニットペプチドに免疫反応性 の抗体。 16.請求項12に記載の化合物を動物に投与することから成る疾患の治療を要 する動物の治療方法。
JP8501009A 1994-05-26 1995-05-22 Gls1をコードするdna Pending JPH10501408A (ja)

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