JPH10501419A - 細胞物質の検出方法 - Google Patents

細胞物質の検出方法

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JPH10501419A JP8502395A JP50239596A JPH10501419A JP H10501419 A JPH10501419 A JP H10501419A JP 8502395 A JP8502395 A JP 8502395A JP 50239596 A JP50239596 A JP 50239596A JP H10501419 A JPH10501419 A JP H10501419A
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Abstract

(57)【要約】 本発明方法は、分析のために核の形態を保存しつつ細胞中のDNAを検出するための迅速な方法に関する。該方法は、ポリマー膜フィルター上に細胞を沈着させ(細胞中に含まれるDNAはポリマー膜フィルター上に保持され、蛍光標識された核酸プローブとのハイブリダイゼーションに利用可能である)、ポリマー膜フィルターを標識核酸プローブとともにインキュベーションし、次いで、標識核酸プローブを検出する(核酸プローブの検出はDNAの存在を示すものである)ことからなる。プローブを細胞に侵入させ、DNAとハイブリダイゼーションさせるための、別々の透過工程を必要としない。該方法は、単純で迅速であり、かつ臨床研究室において見いだされる試料体積に適用可能である。本発明方法は、ポリマー膜フィルター上で分別され、濾過され、増殖または定着される細胞についての、単一コピー配列プローブを用いる分析を可能する。さらに、該方法は、膜フィルター上において、単一コピーまたは繰り返しDNA配列を含むプローブの中期染色体ならびに静止期核へのハイブリダイゼーションを可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】 細胞物質の検出方法 発明の背景 分子クローニング、サザンブロッティング、ノーザンブロッティングおよびin situハイブリダイゼーションのごとき方法は、核酸ハイブリダイゼーションの 特異性および感度を利用するものである。これらの方法は、日常的に、オートラ ジオグラフ検出法と組み合わされた高特異性放射活性ポリヌクレオチドプローブ を使用する。 in situハイブリダイゼーション(FISH)における蛍光は、染色体分析と 分子的方法との間のギャップを解決することを助ける重要かつ強力な診断の道具 である。DNAプローブセットを標識し、細胞遺伝学的標品にそれらをハイブリ ダイゼーションさせる能力は、この方法を用いて微小な染色体異常を検出できる ことを示すものである。この方法の高い分解能により、単一コピー配列の直接的 可視化が可能である。各染色体は、静止期核において別々のドメインまたは別個 の集中的なテリトリーを占めているので(Lichter,P.,et al.PNAS USA.85:9664 〜9668,1988;Manuelidis,L.Hum.Genet.71:288〜293,1985;Cremer,T.et al.Exp.C ellRes.176:199〜220,1988)、大部分の核において各個別の染色体の存在に関す る別個のFISHシグナルが得られる。それゆえ、染色体13の3つのコピーを 伴う静止期核は、3つの染色体13のFISHシグナルを示すが、正常な二染色 体核は2つのシグナルを生じるであろう。染色体特異的であるコスミド整列群に 基づく適当なプローブセットを用いて、親の診断において染色体を数えることが できる。三染色体核型はFISH法によって診断されている(Lichter,P.,et al .PNAS USA.85:9664〜9668,1988;Klinger,K.,et al.,Am.J.Hum.Genet.51:55〜65, 1992)。FISH用試料標品中の変数がハイブリダイゼーションおよびシグナル の質に大いに影響しうることが示されている(Cheselet M-F(編)in situ hybr idization histchemistry.CRC Press,Boca Raton,pp39〜70中、Jordan,C.A. 1990.In situ hybridization in cells and tissue sections:a study of myeli n gene expression during CNS myelination and remyelination;Patterson,D. (編)Molecular genetics of chromosome 21 and Down syndrome.Wiley-Liss,N ew York,pp69〜78中、Lichter,J.P.,Jaunch,A.,Cremer,T.,and Ward,D.C.1990.D etection of Down syndrome by in situ hybridization with chromosome 21 sp ecific DNA probes; McNeil,et al.,Genet.Anal.Tech.Appl.8:41〜58,1991)。 最適なFISHパラメーターも細胞タイプに依存する。 FISHは、しばしば、染色体分析と組み合わせて用いられる。臨床研究室で 分析される大部分の染色体スプレッドは、人工的に誘導された細胞タイプ、また は自然に分裂している細胞タイプ(例えば、リンパ球、羊水細胞、骨髄)の豊富 なソースに由来する。標的細胞が豊富でない場合、あるいは標的細胞が静止して いるかまたは分裂頻度が少ない場合には(例えば、Minimal Residual Diseaseに おけるまれな癌細胞または母性細胞循環における胎児細胞)、静止期FISHを 用いると、染色体に基づく分析よりも多くの細胞が分析に利用できる。 細胞損失を最小にし(例えば、細胞に有害でありうる細胞濃縮工程または遠心 分離工程の数を減らす)、潜在的に有益な標的材料へのアクセスを最大にする、 試料の捕獲および分析方法に対する必要性が明らかに存在する。最適なFISH 結果を得るためには異なる細胞タイプは異なる処理工程を必要とすることは明ら かである。さらに、複数の試料の単純、迅速、かつ同時の処理を可能にするプロ セスに対する必要性が存在する。 発明の概要 本発明方法は、分析のために核の形態を保存しつつ細胞中のDNAを検出する ための迅速な方法に関する。該方法は、ポリマー膜フィルター上に細胞を沈着さ せ(細胞中に含まれるDNAはポリマー膜フィルター上に保持され、蛍光標識さ れた核酸プローブとのハイブリダイゼーションに利用可能である)、ポリマー膜 フィルターを標識核酸プローブとともにインキュベーションし、次いで、標識核 酸プローブを検出する(核酸プローブの検出はDNAの存在を示すものである) ことからなる。プローブを細胞に侵入させ、DNAとハイブリダイゼーションさ せるための、別々の透過工程を必要としない。該方法は、単純で迅速であり、か つ臨床研究室において見いだされる試料体積に適用可能である。 本発明方法は、ポリマー膜フィルター上で分別され、濾過され、増殖または定 着される細胞についての、単一コピー配列プローブを用いる分析を可能する。さ らに、該方法は、膜フィルター上において、単一コピーまたは繰り返しDNA配 列を含むプローブの中期染色体ならびに静止期核へのハイブリダイゼーションを 可能にする。 発明の詳細な説明 本発明方法は、核の形態を実質的に無傷のまま、検鏡および細胞のDNA(す なわち、標的DNA、分析されるDNA)の同定用に、細胞を迅速に単離するこ とができるという知見に基づく。ポリマー膜フィルターの使用は、スライドガラ スに優る多くの利点を有しており、例えば、細胞表面上の蛍光物質結合モノクロ ーナル抗体による蛍光バックグラウンドの除去を伴う過剰な液体の簡単な除去を 可能にしつつ、蛍光活性化セルソーター(FACS)からの膜フィルター上への 直接的な回収が可能となる。膜フィルター上への細胞の濾過もまた、細胞濃縮の ための遠心分離の必要性を減じる。さらに、単一または複数の試料を扱う場合に 、ポリマー膜フィルターは、細胞の損失を伴う種々の細胞濃縮工程(例えば、遠 心分離)に対する必要性のごとき分析に必要とされる多くの工程を減らす。 本発明方法は、いかなる細胞のDNAの検出にも適する。これらの細胞は、原 核細胞および真核細胞を包含する。好ましい具体例において、本発明方法を用い て、ヒトおよび他の哺乳動物の赤血球細胞、栄養芽層、白血球、羊水細胞、腫瘍 細胞および割球のごとき単一細胞懸濁液中の哺乳動物細胞のDNAの検出を行う 。一般的には、細胞を濾過により膜上に沈着させる。細胞を膜上に定着させ、あ るいは増殖させることができる。細胞沈着の正確な方法は、細胞タイプおよび細 胞が受けた前処理に依存する。 用語「細胞物質」は、細胞中のいずれかの場所に含まれている細胞成分をいい 、 例えば、核酸および蛋白をいう。細胞核酸は、DNAおよびRNAを包含する。 細胞蛋白は、核マトリックスおよび細胞質に含有される蛋白、ならびにヒストン のごとき核酸結合蛋白を包含する。用語「核物質」は、細胞の核のいずれかの場 所に含まれている物質をいい、核酸および各蛋白を包含する。 用語「細胞懸濁液」は、細胞を含有するすべての液体をいう。この液体は、通 常には単一細胞状態、すなわち、通常には他の細胞または構造、組織、器官の一 部に付着していない細胞を含む。かかる細胞は血液または尿由来であってもよい 。「細胞懸濁液」もまた、構造、組織、もしくは器官の一部由来で、現に液体に 懸濁されている凝集していない細胞をいう。「細胞懸濁液」は、同じ構造、組織 もしくは器官由来であってもよくそうでなくてもよい同種または異種の細胞タイ プのいずれかを含んでいてもよい。 用語「濾過」は、細胞を含有する液体試料のポリマー膜フィルターへの適用を いう。濾過は、試料を微小な穴を有する膜フィルターに通すことにより細胞およ び/または細胞の一部を液体試料中の過剰の流体から取るプロセスである。この プロセスは、圧力を利用することにより溶液から粒子を取り、膜上に保持するも のである。濾過は、液体を多孔性の機械的障壁または膜フィルターに通すことに より懸濁物質を液体から物理的に取るプロセスである。これにより、流体から分 離された物質の抽出および分析が容易になる。 用語「細胞沈着または適用」は、濾過することおよび単一細胞または単一細胞 懸濁液をポリマー膜フィルター上に適用することを包含する。これらの他の方法 は、単一細胞含有液滴または単一細胞懸濁液をポリマー膜フィルター上に適用す ることおよびそれを乾燥させることを包含する。別の方法は、定着させること( Klinger,K.et al.Am.J.Hum.Genet.51:55〜65,1992)を包含する。 用語「ポリマー膜」または「ポリマー膜フィルター」は、ポリカーボネート、 ポリビニリデンフルオリド(PVDF)、ポリスルホン、ナイロン、セルロース エステル、ニトロセルロース、ポリプロピレンおよびテフロン(PFTE)から 作られた有機膜フィルターを包含し、それらの膜は、DNAをハイブリダイゼー ション、検出および分析に適した条件に保持し、in situハイブリダイゼーショ ンプロセスによっても無傷のままにしておく特徴を有する。 用語「標識リガンド」は、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、 Cy3TM、CyROTM、CY5TM(Biological Detection Systems,Inc.,Pittsb urgh,PA)、Cascade BlueTMおよびLucifer Yellow(Molecular Probes,Eugene,O R)のごとき蛍光色素で直接または間接的に標識された抗体および核酸(または 核酸プローブ)を包含する。本発明標識核酸プローブを蛍光色素で直接または間 接的に標識することができる。 用語「結合」は、抗体がそれらの標的に結合する作用、および例えばハイブリ ダイゼーションによって核酸がそれらの標的に結合する作用を包含する。好まし い具体例において、本発明リガンドをビオチン(bio)で標識し、蛍光タグを 付けたアビジンまたはストレプトアビジンで蛍光的に検出するか、あるいはジゴ キシゲニン(dig)標識プローブを蛍光タグを付けた抗ジゴキシゲニンを用い て検出する。別法として、DNAリガンドを蛍光タグで直接標識することもでき る。当業者に知られた標準的方法によってこれらを行うことができる。 用語「検出」は、標識リガンド結合細胞物質(すなわち、標的DNA)の分析 または検出が装置の助けによって可能になるすべての検出方法を包含する。かか る装置は、顕微鏡、FACS装置および蛍光計を包含する。 当業者に知られたいずれのリガンド標識法であっても本発明方法の目的に適す る。ニックトランスレーション(Rigby,et al.,J.Mol.Biol.,113:23,1977)また はランダムプライミング(FeinbergおよびVogelstein,Anal.Biochem.,132:6〜13 ,1983)によりジゴキシゲニン−11−dUTP(Boehringer Mannheim,Indiana polis,IN)またはビオチン−16−dUTP(Boehringer Mannheim,Indianapol is,IN)をDNA中に取り込ませることができる。選択された蛍光発色基に結合 したアビジンとともにインキュベーションすることによりビオチン含有化合物の 検出を行うことができる。ジゴキシゲニン標識ヌクレオチドの検出を、FITC 、Texas Red、ローダミンまたは他のいずれかの蛍光発色基に結合した抗ジゴキ シゲニン抗体を用いて行うことができる。しばしば、選択された蛍光発色基(F ITC)Cy3TM、CyROTM、ローダミン、Cascade BlueTMまたは Texas Red)に結合した2次抗体を用いてモノクローナル抗体を検出する。DA PI、アクリジンオレンジ、ヨウ化プロピジウム、およびHoechst色素のごとき DNA結合色素での染色によりDNAの検出を行うことができる。他のDNA結 合色素は、Molecular Probesから出されているYOYOTM、YO−PROTM、T OTOTM、TO−PROTM、およびSYBRTMを包含する。 上記のごとく、本発明方法は、多孔性ポリマー膜フィルター上で細胞を濾過す ることからなる。本発明膜フィルターを、焼結ガラスフィルターホルダーのごと き器具上に置いて、濾過を行っている間膜を維持固定してもよい。使用される正 確なフィルターホルダーまたは装置に依存してFISHの結果は変化しうる。膜 フイルターと真空装置との間に挿入されるCellMicroSievesTM(5μm;New Yor k,Carmel,NYのBiodesign Inc.)から作られた支持体は、一般的には、検出すべ き標識リガンドのシグナルを増強し、細胞物質の形態および分配を膜フィルター 上に保持することがわかっている。さらに、平へしフィルター(flatter filter )を得て、顕微鏡分析を容易にすることができる。それは絶対に必要というわけ ではなく、それをプロトコールに含ませるかどうかは実験的に決定する必要があ る。 細胞または核を含有する液体試料の濾過を可能にし、試料の液体部分を透過さ せつつ細胞または核からなる細胞物質を保持し、所望シグナルの分析を妨害する に十分な自己蛍光を伴わずに引き続いて行われる保持細胞物質の顕微鏡検出を可 能にするポリマー膜フィルターはいずれも本発明方法に適する。さらに、膜は、 一連の処理および洗浄の間、細胞物質を保持しなくてはならず、さらに無傷のま までなければならない(すなわち、破れたり、はずれたりしない)。例えば、い くつかのニトロセルロース膜は本発明の目的には脆すぎる。さらにそのうえ、保 持された核は顕微鏡分析に適した形態学的状態でなければならない。また、膜フ ィルターは、操作されている間その物理的一体性を維持し、比較的平らでなけれ ばならない(すなわち、巻き上がったり、使用試薬に溶解しない)。かかるポリ マー膜フィルターは、認容性の下がっていく順に、ポリカーボネート、ポリビニ リデンフルオリド(PVDF)、ポリスルホン、セルロースならびにニトロセル ロ ースの混合エステルから作られたものを包含する。試みられたいくつかのナイロ ン膜は、それらの自己蛍光のために不適当であった。孔サイズ5μmまたはその 以上の膜フィルターは、そのサイズのために細胞損失を引き起こすので、ある種 の細胞タイプには適さないことがわかっていることに注意すべきである。0.1 μm未満の孔サイズの膜フィルターは固定されない細胞とともにフラグメント化 したシグナルを生じる傾向がある。多くの試料の調製が単純化され、複数の膜フ ィルターをハイブリダイゼーションさせ同時に洗浄することができる。これらの 後者の利点は臨床研究室における操作にとり重要である。 本発明方法において種々の固定法を用いることができる。ある種の固定プロト コールは分析すべきシグナルの質または核の形態に影響するようであるというこ とが見いだされたことに注意すべきである。多くの固定剤はシグナルの質に悪影 響を及ぼす。有益な効果を有することがわかっている固定剤は、Streck's Tissu e Fixative(S.T.F.TM;Streck Laboratories,Inc.,Omaha,NE)、HistochoiceTMM B Fixative(Amresco,Solon,OH)、RBC FixTM(Isolab,Inc.,Akron,OH)、およ びZinc Formal-FixxTM(Shandon,Pittsburgh,PA)を包含する。マイクロウェー ブ照射のごとき他の固定方法もFISHに適用できる。いくつかの試料タイプは 、良好なハイブリダイゼーションのために固定処理を必要としない。試料を固定 すべき工程を実験的に決定する必要がある。フィルター上への沈着後、固定され た、または固定されていない細胞はやはり、NaOH、パパイン、およびトリプ シンを包含する試薬に応答する可能性があり、サイズのごとき核形態の変化を示 す可能性がある。このことはハイブリダイゼーション結果に影響するかもしれな い。 使用DNAプローブは、コスミド整列群からなる単一コピープローブ(100 〜140kb)であるか、または繰り返しプローブであるかのいずれかであった 。標的は各DNAであった。使用した13、18および21のコスミド整列群に 関して、我々は、正常細胞については2個のシグナルを、そして異数体細胞につ いては3〜4個のシグナルを期待した。 本発明の1の好ましい具体例において、0.1または0.2μmのCostar (Cambridge,MA)ポリカーボネート膜を、フィルターホルダー上の5μmのCell MicroSievesTMフィルター上に置く。焼結ガラスタイプのフィルターホルダーを 真空フラスコの頂上部に置く。真空レギュレーターを400mmHgにセットし て真空フラスコから真空源への配管を行う。細胞懸濁液をポリカーボネート膜上 にピペッティングする。流体が膜を通過した後、膜フィルターをピンセットで取 り、風乾する。膜をハイブリダイゼーションまで−20℃で保存するか、または 同日にハイブリダイゼーションに使用してもよい。ハイブリダイゼーションのた めには、10μlの湿潤用溶液をスライドガラス上にピペッティングする。泡の 生成が最小となる方法で、膜フィルターを注意深くこの液滴上に置く。次いで、 10μlのハイブリダイゼーション混液を膜フィルター上に置く。次いで、カバ ーガラスをフィルター上にゆっくりと置いて泡の生成を最小限にする。次いで、 スライドガラスを80℃で9〜13分変性させ、加湿チャンバ中37℃で一晩イ ンキュベーションする。ハイブリダイゼーション洗浄および分析を実施例1に説 明する。多数の試料が存在する場合には、プラスチック袋中で、試料を含有する 複数の膜フィルターを同時にハイブリダイゼーションさせ、次いで、検出蛍光物 質とともにインキュベーションすることができる。ハイブリダイゼーションおよ び検出洗浄の間、フィルターを束縛せずに、あるいはメッシュ袋に入れて洗浄す ることができる。 もう1つの好ましい具体例において、FACSでソーティングされた試料を0 .1または0.2μmの黒色ポリカーボネート膜フィルターを用いて収集すること ができる。上記との相違は、真空フラスコを用いずに、真空ホースを接続したプ レキシガラス構造体の頂上部にフィルターホルダーを置くということである。一 定の真空の存在下で、またはソーティング完了まで真空を差し止めながら、FA CSから発出する細胞の流れを膜フィルター上に直接沈着させるかまたはその上 に落とすことのできるように装置全体(膜フィルター、CellMicroSievesTM、フ ィルターホルダー、プレクシガラス)を配置する。膜フィルターは乾燥していて も、湿っていてもよい。それが湿っている場合には、ソーティング終了まで真空 を差し止める。膜上に集まる液体が過剰でない場合にのみ、ソーティング終了 まで真空を差し止めることができる。細胞を試験管中にソーティングするのでは なく膜上に直接ソーティングし、次いで、膜フィルター上の細胞を濾過すること の利点は、細胞損失が少なく、試料の取り扱いが少なく、迅速、容易な試料の処 理が行えることである。まれな細胞が膜フィルター上にソーティングされる割合 は、得られるFISHの質に影響しうる。一定の真空の存在下で乾燥した膜上へ の直接ソーティングの場合、迅速に(20秒またはそれ以下)膜上にソーティン グされる胎児肝細胞は、数分間かけて沈着される同じ細胞よりも良好な結果を生 じた。CD71、糖蛋白A、およびHoechst33342に関してソーティングさ れた胎児肝細胞を用いる実験において、固定されていない細胞を用いて良質なハ イブリダイゼーションが得られた。妊娠女性由来の血液を同じパラメーターを用 いてソーティングした場合、固定細胞を用いて最良の結果が得られた。ソーティ ング前および膜上への沈着後に細胞を固定することは最良のFISHの結果を生 じた。ソーティングされていない母性試料については、良好なハイブリダイゼー ション結果のためには固定しないことが必要であった。 膜フィルター上でのFISH完了後、訓練された顕微鏡操作者または自動イメ ージプロセッシングのいずれかにより分析を行うことができる。全体として自動 イメージップロセッシングと両立できる膜フィルター上のFISHプロトコール を開発することが我々の最終目的である。これにはできる限り平らな試料を作成 する必要があろう。3次元的な標的細胞は、不可能でないにしても、自動焦点調 節を非常に困難にするであろうし、また、訓練された人にとっても分析を必ず複 雑なものにする。好ましい具体例は、単一焦点平面に細胞およびシグナルを有す るものであろう。また、このことは、試料を手動で読み取る場合にも分析を単純 にする。 本発明方法は、真空濾過によって細胞または細胞懸濁液をポリマー膜フィルタ ー上に沈着させることからなる。さらに細胞を透過性にするための試薬処理を必 要としない。単一コピー配列ならびに繰り返し配列に対するDNAプローブをう まく用いて静止期および中期の染色体上の各DNAを探索した。我々の方法によ り、迅速な顕微鏡による染色体の計数のための十分に平らな核が得られる。プロ トコール全体は、研究室で標準的に用いられているものよりも単純で、多数の臨 床試料の迅速処理に適する。実施例1:膜フィルター上に捕獲された胎児肝細胞中のDNAの検出 Ficoll-Paqueグラジエント(Pharmacia,Uppsala,Sweden)によりヒト・胎児肝 細胞を分画した。50mLコニカルチューブ中で、細胞を2倍体積のHank's Bal anced Salt Solution(HBSS)またはPBSで希釈した。10mlの希釈血 液を15mlのコニカルチューブ中にピペッティングし、次いで、9インチのパ スツールピペット中のFicoll-Paqueを血液試料の下に置いた。卓上遠心機中、2 5℃にいおて、2000RPMで20分間チューブを遠心分離した。血清を含有 する最上層を取り、捨てた。単核細胞層を新しいチューブに取り、PBSで2回 すすぎ、完全RPMI1640(RPMI1640、10%ウシ胎児血清(FC S)、1%ペニシリン、1%ストレプトマイシン)中に再懸濁し、ヘマサイトメ ーターで計数した。 一部を0.22μmPVDF膜フィルター(Millipore,Bedford,MA)または0. 1もしくは0.2μmポリカーボネート膜フィルター(Poretics,Livermore,CAま たはCostar,Cambridge,MA)のいずれかの上にスポットし、DAPIアンチフェ ード溶液(500μg/mlの4,6−ジアミノ−2−フェニル−インドール( DAPI− Sigma,St.Louis,MO)、2.33%DABCO(Sigma,St.Louis,MO) ,20mM Tris−HCl,pH8.0、90%v/vグリセロール)で染色 して有核細胞数を決定することにより有核細胞濃度を決定した。次いで、DAP I陽性核の数を顕微鏡で計数した。細胞をPBS中に希釈して100〜400個 /μlの濃度とし、次いで、下記のごとく、最小5〜10μlの細胞を膜フィル ター上で真空濾過した。焼結ガラス濾過装置(Kontes,Vineland,NJ)上に置かれ た5μmCellMicroSievesTMフィルター上に膜フィルターを置き、400mmH gで真空濾過した。液体を膜フィルターで濾過した後、膜を取り、風乾した。膜 フィルターを−20℃で保存した。 膜フィルターを貯蔵庫から取り出し、スライドガラス上の10μlの湿潤用溶 液(50%ホルムアミド、6XSSC(1XSSC=0.15M NaCl、0. 15Mクエン酸ナトリウム、pH7.0)、10%(w/v)デキストラン硫酸 )上に細胞側を上にして置いた。10μlのハイブリダイゼーションカクテル( 50%ホルムアミド、6XSSC、10%デキストラン硫酸、200ng/μl ヒト・Cot1 DNA(GIBCO BRL,Life Technologies,Gathersburg,MD)、お よび超音波処理で600bpフラグメントとしたサケ・精子DNA800ng/ μl)を膜フィルター上に置いた。スライドガラス、パラフィルムまたはカバー ガラスを膜フィルター上に置いた。DNAプローブを以下の濃度としてハイブリ ダイゼーションカクテル中に含有させた:10ng/μl常染色体プローブ、0 .5〜2.5ng/μl Xプローブまたは5ng/μl Yプローブ。これらのプ ローブおよびプローブ標識プロトコールはKlinger,K.,et al.,Am.J.Hum.Genet., (1992)51:55に記載されている。 80℃のスライドウォーマー(slide warmer)で9〜13分間核酸を変性させ た。次いで、膜フィルターを加湿チャンバ中37℃で一晩インキュベーションし た。 インキュベーション後、膜フィルターをスライドガラスから取り、2XSSC ,pH7.0で2回すすいで過剰のハイブリダイゼーションカクテルを除去した。 次いで、膜フィルターをバッチ法で洗浄した。それぞれ、最初の3回の洗浄を、 50%ホルムアミド、2XSSC,pH7.0中で42℃で5分間行った。膜フィ ルターを2XSSCで2回すすぎ、それぞれ、0.1XSSC中、60℃で5分 間、3回洗浄し、3%BSA、4XSSC中、42℃で5分間ブロッキングした 。次いで、それらをスライドガラス上に固定し、4XSSC,1%ウシ・血清ア ルブミン(BSA)、0.1%ツイン20中、適当な蛍光物質とともに、37℃ で30分インキュベーションした。適当な蛍光物質とは:ストレプトアビジン− Cy3TM(2.0μg/ml;Jackson ImmunoResearch Laboratories,Inc.West Grove,PA)、抗ジゴキシゲニン−FITC(1.0μg/ml;Boehringer Mann heim,Indianapolis,IN)、CyROTM(250ng/ml;Biological Dtetcti on Systems,Pittsburgh,PA)またはアビジン−FITC(5.0μg/ ml:Vector Laboratories,Burlingame,CA)であり、次いで、パラフィルムま たはカバーガラスで覆った。 次いで、膜フィルターをスライドガラスから取り、42℃において4XSSC 、0.1%ツイン20で5分間、3回洗浄し、室温において2XSSC中ですす ぎ、スライドガラス上に置き、DAPIアンチフェードをその上に置いた。約2 5μlのDAPIアンチフェードを膜フィルター上に置き、カバーガラスで覆い 、ネイルポリッシュ(nail polish)で封をした。 適当な励起およびエミッションフィルターを装備したZeiss AxioplanまたはAx ioscopeエピ蛍光顕微鏡を用いて分析を行った。 遺伝学的に正常な胎児肝細胞において、細胞1個あたり染色体13、18また は21に関する2つのシグナルが検出された。女性の胎児肝細胞において、2つ のXシグナルが検出され、男性の胎児肝細胞において、1つのXシグナルおよび 1つのYシグナルが検出された。実施例2:膜フィルターに適用された、ソーティングされた胎児肝細胞のハイブ リダイゼーション 女性胎児肝単核細胞を実施例1に記載のごとく得て、蛍光活性化細胞ソーティ ング(FACS)用に調製した。1%BSAを補足した1mlのPBSに細胞を 再懸濁し、次いで、Ficoll Hypaqueグラジエントにより分画した。この1mlの 試料から、50μlの部分試料を、キーホル・リムペットのヘモシアニン(Bect on Dickinson,San Jose,CA)に対する抗体での染色用に取り、20μlの部分試 料を取り、使用する各抗体で染色した。これらの部分試料を用いて細胞のバック グラウンド自己蛍光を測定した。試料の残りをFITC−抗−CD71(Becton Dickinson,San Jose,CA)で染色した。試料中の100万個の細胞ごとに10μ lの抗体を染色のために使用した。抗体添加後、細胞をボルテックス撹拌し、次 いで、氷上で30分インキュベーションした。Eppendorf遠心機5415型(Epp endorf,Brinkmann Industries,Westbury,NY)の目盛りを4にセットして細胞を 遠心分離した。溶液を吸引除去し、細胞を0.5〜1mlのPBS 中に再懸濁した。次いで、フローサイトメトリーおよびFACS用に、細胞を6 mlのポリプロピレンチューブに移した。 ソーティングされた細胞を0.2μmの黒色ポリカーボネート(Costar)膜フ ィルター上で真空濾過した。BioX(2.5ng/μl)および同時にDig 18(10ng/μl)とのハイブリダイゼーション後、2つのXシグナルを容 易に可視化されたが、18のシグナル強度は中程度ないし弱いものであった。実施例3:PVDF膜フィルター上で標識核酸プローブを用いる臍帯血中のDN Aの検出 単核ヒト臍帯血細胞をFicollグラジエントで分離し、約500個の細胞を0. 22μmPVDF(Millipore)膜フィルター上で真空濾過した。フィルターを 75mM KClで飽和し、37℃で20分インキュベーションし、3:1メタ ノール:酢酸中で10分間固定した。次いで、各30〜60秒のエタノールシリ ーズ(70%、80%、90%、100%)で細胞を脱水した。BioX(2. 5ng/μl)、BioY(5ng/μl)、Bio13(10ng/μl)、 Bio18(10ng/μl)またはBio21(10ng/μl)プローブの いずれかを含有するハイブリダイゼーションカクテル40μlにフィルターをハ イブリダイゼーションさせた。DNAを80℃で10分間変性させ、フィルター を一晩ハイブリダイゼーションさせ、実施例1記載のごとく洗浄した。良好なX およびYシグナル、および小さく鋭い13、18および21のシグナルが観察さ れた。実施例4:種々の膜フィルター上で標識核酸プローブを用いる胎児肝細胞中のD NAの検出 実施例1記載のごとく調製した単核胎児肝細胞を、異なるタイプのフィルター 上で真空濾過(400mmHg)した:フィルターは、セルロースの混合エスエ ル(Millipore and Whatman)、ニトロセルロース(Schleicher and Schuell) 、 PVDF(Millipore)、ポリフルオロテトラエチレン(PFTE:Miilipore) 、ナイロン(Schleicher and Schuell and Micron Separations Inc.)、ポリス ルホン(Gelman)、およびポリカーボネート(Costar)。細胞をBioXDig YまたはDigXBio21のいずれかとハイブリダイゼーションさせた。ハイ ブリダイゼーションシグナルの質は以下のごとし(最良から最悪への順に):ポ リカーボネート、PVDF、ポリスルホン、セルロースの混合エステル、ニトロ セルロース、PFTE、そしてナイロン。実施例5:ポリカーボネート膜フィルター上に捕獲された母性試料中のDNAの 検出 男性胎児を有していると考えられるドナーの羊水穿刺により得た20mlの血 液からなる母性血試料を実施例1記載のごとく処理した。実施例2記載の方法と 同様の方法により細胞を染色した。細胞をHoechst33342で37℃で30分 染色し、2回洗浄し、次いで、FITCに結合したモノクローナル抗体で染色し た。細胞を4℃で45分インキュベーションし、2回洗浄し、0.5mlのPB Sに再懸濁した。細胞を0.5mlのPBS/2%FCS中にソーティングし、 2枚の0.1μmの黒色Costarポリカーボネート膜上で真空濾過し、それらをB ioXDigYプローブとハイブリダイゼーションさせた。2枚のフィルターの うち、第1のものは414個の核を有しており、そのうち315個がXX、5個 がXY、72個が不明であった。実施例6:PVDFおよびポリカーボネート膜上に直接ソーティングされた胎児 肝細胞 単核胎児肝細胞をFicollグラジエントから回収し、専売のモノクローナル抗体 およびCD3に対する抗体で染色した。モノクローナル抗体の標的およびCD3 の不存在に関してそれらを0.22μmPVDF(Millipore)および0.2μm ポリカーボネート(Poretics)膜上に直接ソーティングした。使い捨てフィルタ ーユニットから取り外したフィルター支持体上にフィルターを置いた。このフィ ルター支持体をプレクシガラス装置上の開口部上に置いた(該装置はさらに配管 の一端を接続するための底部の開口を有する)。この配管を真空ホースに接続し た。このセットアップにより、我々は、ソーターから出てきた細胞を膜上で真空 濾過することができた。 次いで、100%エタノール、Optistain、3:1メタノール:酢酸、または 75mM KClの種々の組み合わせを用いて、細胞を含有する膜フィルターを 種々の方法で処理した。処理後、膜をBioXDig21(Xは2.5ng/μ l、21は10ng/μl)とハイブリダイゼーションさせ、実施例1記載のご とくCy3TMで検出した。 両方のタイプの膜について、有意なFITCバックグラウンド(すなわち、標 的シグナルを妨害する自己蛍光)はなかった。0.2μmポリカーボネート膜に ついての最良の処理プロトコールは、乾燥膜上にソーティングし、風乾し、Hema ticx Opstain II-Aバッファー(Gam Rad,San Juan Capistrano,CA)中に1分間 浸し、乾燥し、次いで、ハイブリダイゼーションするものであった。0.22μ mPVDFについての最良のプロトコールは、ポリカーボネートについてのもの と同じであるか、または乾燥膜上のソーティングし、100%エタノール中に1 分間浸し、Opstainに1分間浸し、乾燥し、次いで、ハイブリダイゼーションす るものであった。最良の膜は良好かつ強力なCy3TMならびにFITCシグナル および良好な核形態を有し、良好なスライドに匹敵するものであった。男性胎児 肝細胞は1つのXシグナルを有し、女性胎児肝細胞は2つのXシグナルを有し、 いずれの性由来の細胞も2つの21シグナルを有していた。実施例7:ポリカーボネート膜フィルター上に直接ソーティングされた母性血液 細胞 3人の妊婦由来の単核細胞(Ficoll分離し、次いで、プールしたもの)をCD 71、糖蛋白AおよびHoechst33342で染色した。CellMicroSievesTM支持フ ィルターをフィルターホルダー上、ポリカーボネート膜の下に置いた。次いで、 一定の真空下(500mmHg)で、細胞を種々の乾燥ポリカーボネート膜 フィルター上に直接ソーティングした。約1000個の細胞をFACSにより各 膜上にソーティングした。次いで、膜をDigXBio13とハイブリダイゼー ションさせ、次いで、分析していずれの膜が最良の結果を示すかを決定した。 自己蛍光は、Micron Separations Inc.およびMilliporeにより製造された膜上 のハイブリダイゼーションシグナルを読むことを困難にした。0.22μmより も大きい孔サイズを有する膜は、核をフィルターの孔中に引き込み、核をまさに 3次元として分析を複雑にした。Costarにより製造された0.1、0.2、0.6 ならびに0.8μmの膜、および0.1ならびに0.2μmのPoreticsの膜は最良 のハイブリダイゼーションシグナルを生じた。ハイブリダイゼーションシグナル は明確かつ強力であった。実施例8:FISHのためにポリカーボネート膜上に直接ソーティングされた母 性試料の調製 3人の妊婦由来の末梢血(20ml)をFicoll-Paque分離し、単核細胞層を取 り(実施例1参照)、プールした。次いで、細胞を、CD71、糖蛋白A、Hoec hst33352(実施例2参照)に関して染色し、一部を表2に示す時間、種々 の固定剤で処理した。それぞれソーティング前の固定処理後、Eppendorf遠心機 の目盛りを4にセットして4分間細胞をペレット化し、PBSで2回洗浄した。 すすいだペレットをPBS中に再懸濁し、実施例6記載のごとく、黒色の乾燥0 .1μmポリカーボネート膜上にソーティングした。細胞懸濁液を完全に膜上で 濾過した後、膜を濾過器具から取り、表2に示すようにソーティング後の固定を 行った。各ソーティング前固定条件から得られた細胞を、10枚の膜上に直接ソ ーティングし、次いで、それぞれの膜をソーティング後固定処理のうちの1つで 処理した。膜フィルターを風乾し、ハイブリダイゼーションまで−20℃で保存 した。 膜をBioXDig21とハイブリダイゼーションさせ、実施例1記載のごと く洗浄した。試料を分析し、各ソーティング前固定群からの最良のものを、染色 体21のシグナルの強度ならびに分離能および核の形態に基づいてランク付けし た。 最良のソーティング後固定は、2、15および30分間のS.T.F.TMであっ た。一般的には、2分および12分のホルムアルデヒドでのソーティング前固定 はシグナルはほとんど得られないかまたは得られなかった。ソーティング前固定 と組み合わせて用いられた最悪のソーティング後固定は:2分および12分のホ ルムアルデヒド、60分のS.T.F.TMおよび15分のホルムアルデヒドであっ た。最良の条件は、2つの強力かつ別個の染色体21シグナルおよび2つの強力 なXシグナルを生じた。全体として最良の条件は:S.T.F.TMで25分ソーテ ィング前固定し、S.T.F.TMで2分ソーティング後固定するものであった。染 色体21プローブに関するハイブリダイゼーション効率は100%であった。2 番目に良かった条件は、ソーティング前に固定せず、S.T.F.TMで2分ソーテ ィング後固定するものであり、最良の条件と比較すると、この試料中の核の形態 はあまり良くなく、ハイブリダイゼーション効率は最良の条件よりも低かった( 96%)。その次に良かった条件は、パラホルムアルデヒドで2分ソーティング 前固定し、S.T.F.TMで2分ソーティング後固定するもの、およびパラホルム アルデヒドで12分ソーティング前固定し、S.T.F.TMで2分ソーティング後 固定するものであった。実施例9:ポリカーボネート膜上に直接ソーティングされたヒト胎児肝細胞およ び成人PBMCs中のDNAの検出 ヒト男性胎児肝細胞を実施例1記載のごとく調製した。2人の妊婦由来の血液 をFicoll分離し、次いで、プールした。次いで、プールした母性試料および胎児 肝試料の両方を別々に、実施例2記載のごとくCD71、糖蛋白AおよびHoechs t33342で染色した。細胞を計数し、次いで、胎児肝細胞のいくらかを、胎 児細胞1個:母性細胞250個の割合で母性細胞中に添加した。Becton Dickins on Vantage FACSを用いて胎児/母性細胞混合物ならびに純粋な母性細胞集団を 、実施例7記載の器具上に置かれた黒色の0.1μmCosterポリカーボネート膜 上にソーティングした。全部で1500個の細胞をFACSにより各膜上にソー ティングした。真空圧を350mmHgにセットした。実施例1に詳述した方法 に従って膜をDigXBio18とハイブリダイゼーションさせた。 乾燥した(実施例6〜8のように)、または種々の溶液(PBS、2XPBS 、PBS中10%グリセロール、35mM KCl、または核単離バッファー( NIB;250mM蔗糖、25mM NaCl、10mM PIPES、1.5 mM MgCl2、5mM スペルミジン、pH7.0))で湿ったポリカーボネー ト膜上に細胞をソーティングした。湿った膜については、ソーティングが完了す るまで真空にしなかった。乾燥した膜については、1セットをソーティング中ず っと真空にし、他のセットをソーティング完了まで真空にしなかった。最終的な 試験変数は、支持体としての5μmCellMicroSievesTMの存在または不存在であ った。ポリカーボネート膜が湿っている状況下では、支持体膜も同じ溶液で湿ら せた。乾燥したポリカーボネート膜を器具上に置いた場合には乾燥したCellMicr oSievesTM膜を用いた。 膜フィルターをシグナルの質、核のバックグラウンドおよび核の形態に関して 分析した。それぞれの湿/乾/真空条件について、CellMicroSievesTM膜の存在 あるいは不存在いずれが好ましいかについての決定を行った。次いで、好ましい CellMicroSievesTMの配置を有する7枚の膜を互いに相対的に評価した。胎児肝 細胞添加試料はある人により分析され、母性試料は別の人により分析された。胎 児肝/母性添加物については、2つの細胞タイプにおいて観察されたシグナルま たは核のバックグラウンドにおいては一貫した相違はなかった。小片状または不 規則な核は通常は母性のもので、胎児核は丸い傾向を示した。一般的には、Cell MicroSievesTM支持体が存在する場合には、DAPI染色核はより大きく暗く、 DAPIで不均一に染まる少数の不規則な形態の核が存在した。胎児肝細胞添加 試料および母性試料についての試料適用の好ましさを表3Aおよび3Bに詳細に 示す。 フィルターを前以て湿らせることは核の分散に影響した。核のバックグラウン ドはいくつかの溶液、例えばKClおよび2XPBSにより影響された。種々の 細胞が大部分のフィルター上に見られたが、他のものよりも総体的に悪い核を生 じたものもあった(例えばNIB)。ハイブリダイゼーションが最適な場合、母 性および胎児細胞両方について2つの染色体18のシグナルが存在した。男性胎 児細胞は1つのX染色体シグナルを有し、成人女性細胞は2つのXシグナルを有 していた。実施例10:ポリカーボネート膜フィルター上で真空濾過されたヒト成人リンパ 球のハイブリダイゼーション 単核成人血液細胞をフィコールグラジエントから回収した。有核細胞濃度の測 定後、懸濁液を希釈して200個/μlとし、その5μlを0.2μmポリカー ボネート(Costar)膜上で400mmHgで真空濾過した。次いで、実施例1に 記載のごとく、膜をXYプローブ(0.5ng/μlおよび5ng/μl)とハ イブリダイゼーションさせ、洗浄した。蛍光顕微鏡により、男性成人細胞はXお よびYシグナルを有し、成人女性細胞はXシグナルを有していたことが示された 。実施例11:ポリカーボネート膜フィルター上で真空濾過されたヒト・赤白血球 病(HEL)細胞のハイブリダイゼーション HEL細胞を洗浄し、PBSに再懸濁した。次いで、細胞を、0.2μm黒色C ostarポリカーボネート膜上で真空濾過した。実施例1記載のごとく、膜をBi oXDigYおよびDigXBio21とハイブリダイゼーションさせた。核は 、1つのX、2つのYおよび4つの21シグナルを示すか、あるいは1つのX、 1つのYおよび4つの21シグナルを示した。実施例12:ポリカーボネート膜上での羊水細胞のDNAへのハイブリダイゼー ション Klinger,K.W.,et al.,Am.J.Hum.Genet.,(1992)51:55に記載の方法に従ったが 、スライドガラス上に置かれた湿った(PBSで)0.1μm孔の黒色Costar膜 を用いる改変を行って、プールしておいた羊水および胎児肝細胞の試料を定着さ せた。さらに、実施例1記載の方法を用いて試料を膜上で真空濾過した。膜上で の羊水細胞および胎児肝細胞のハイブリダイゼーションを、スライドガラス上に 定着された同じ細胞で得られたハイブリダイゼーションと比較した。膜およびス ライガラスをBioXDigYとハイブリダイゼーションさせ、実施例1の詳説 に従って洗浄した。膜上に定着された羊水細胞のシグナル強度および質は、スラ イドガラス上に定着された羊水細胞について観察されたものに匹敵した。胎児肝 細 胞は、スライドガラス上に定着された場合に、湿った、または乾燥した膜の上に 定着された場合よりもわずかに良好なシグナルを示した。膜上で濾過された羊水 細胞および胎児肝細胞のシグナルの強度および質は、スライドガラスまたはフィ ルター上に定着された細胞に関するものよりもずっと良好であった。実施例13:膜フィルター上での複数の試料の同時かつ効率的な処理 11枚の0.2μm黒色Costar膜フィルターの各4分円に胎児肝試料をスポッ トした。次いで、膜フィルターを半分に切り、それぞれに2つの胎児肝試料部位 を設けた。次いで、10枚の半円膜フィルターの各セットを互いに上に重ね、そ れぞれプラスチック製の袋に入れた。Bio13(10ng/μl)およびDi gXプローブ(1.5ng/μl)を含有する全部で50μlのハイブリダイゼ ーションカクテルを一方の袋に入れてから封をした。第2の袋に25μlの同じ カクテルならびに25μlの湿潤用溶液を入れてから封をした。袋を80℃の水 浴中に10分間置くことにより、重ねた膜上のDNAおよびプローブを変性させ た。次いで、袋を37℃で一晩インキュベーションした。11枚目の膜フィルタ ーを半分に切り、実施例1に詳述した我々の標準的方法に従って両方の部分をハ イブリダイゼーションさせた。両方をスライドガラス上に置き、一方の膜を10 μlのカクテルとハイブリダイゼーションさせ、第2の膜を、5μlの湿潤用溶 液で希釈した5μlのカクテルとハイブリダイゼーションさせた。次いで、膜フ ィルターをすべて、我々の標準的プロトコールにより洗浄した。個々にスライド ガラス上に固定する前に、袋の中のすべての膜に関して検出工程を行うことによ りハイブリダイゼーションシグナルを検出した。結果は、それぞれ重ねた膜フィ ルターの中央部の膜フィルターはXおよび13シグナルを有する核を含んでおり 、それらは強度および質において、重ねた膜フィルターの端のほうの膜フィルタ ーと、あるいはスライドガラス上でハイブリダイゼーションした膜フィルターと 区別できないものであった。さらに、より高濃度のハイブリダイゼーションカク テル(すなわち、湿潤用溶液を用いず)を用いた膜フィルターはより強力なハイ ブリダイゼーションシグナルを生じた。実施例14:ドットブロット器具上での複数の試料の調製、次いで、FISH 黒色0.2μmCostarポリカーボネート膜フィルターの長方形の片を、ドット ブロット器具(96ウェル Convertible Filtration Manifold System-GIBCOBR L)中に挟んだ。PBSに再懸濁された25μlの胎児細胞をピペットで各ウェ ル中に取り、真空(400mmHg)を適用して膜上で細胞を濾過した。いくつ かのポリカーボネート膜の下にはCellMicroSievesTM5μm支持体フィルターを 用いた。3つの異なる胎児肝試料を各フィルターに24回適用して、96個の試 料を含む膜を24個の部分に切ることができるようにし、各部分は3つの異なる 胎児肝試料を有するようにした。さらに各部分は膜に番号を付けるために使用す る部位を有していた。膜を24個の部分に切断した後、実施例1に概説した標準 法を用いてDigX(2.5ng/μl)およびBioY(5ng/μl)とハ イブリダイゼーションさせたところ、男性細胞については強力かつ分離したXお よびYシグナルが、そして女性細胞については分離したXシグナルが示された。 CellMicroSievesTM支持体を用いて作成した場合にわずかな優位性が認められた 。これらの結果は、我々が、ガラス焼結フィルターホルダー上で作成されたフィ ルターを用いて日常的に得ているハイブリダイゼーション結果に匹敵するもので あった。実施例15:NaOH処理は核サイズおよびハイブリダイゼーションシグナルに 影響する 胎児肝単核細胞をPBS中に希釈(20個/μl)し、500個の細胞を0. 2μm白色ポリカーボネート(Poretics)、および0.22μmPVDF(Milli pore)膜上で濾過した。次いで、さらなる3つのプロトコールのうちの1つを行 う前に膜を風乾した。プロトコール1は、0.5M NaOH、中和バッファー (1.5M NaCl、0.5M Tris−HCl、pH8.0)、2XSSC 、次いで、Optistainに順次2分間浸し、次いで、65℃で5分間乾燥すること からなっていた。プロトコール2は、Optistain、0.5M NaOH、次 いで、中和バッファーに順次2分間浸し、次いで、65℃で5分乾燥することか らなっていた。プロトコール3用の膜を、0.5M NaOHに3分間、中和バ ッファーに2分間、Optistainに2分間、次いで、65℃で5分間乾燥した。Opt istain対照膜をOptistainに浸し、次いで、乾燥した。次いで、膜フィルターを BioXDig21とハイブリダイゼーションさせた。PVDF膜については、 30μlの湿潤用溶液および30μlのハイブリダイゼーションカクテルを用い たが、ポリカーボネート膜は10μlの湿潤用溶液および10μlのハイブリダ イゼーションカクテルを必要とした。変性を80℃で13分行った。実施例1記 載のごとく膜をハイブリダイゼーションさせ、洗浄した。使用蛍光物質は抗−d ig−FITCおよびアビジンCyROTMであった。 これらの結果は、それぞれの膜フィルターはハイブリダイゼーションのための 異なる最適条件を有することを示す。さらに、これらの結果は、膜上に固定され ていない細胞も核サイズの変化によってやはり試薬に応答することができること を示す。実施例16:PVDF膜フィルター上で濾過された、あるいはスライドガラス上 でサイトスパン(Cytospun)された臍帯細胞の細胞保持についての比較 2種の臍帯血由来の単核細胞を、それぞれFicollグラジエントから回収し、5 %ウシ胎児血清を含有するRPMI1640培地中に再懸濁した。臍帯血試料# 1からの約300個の細胞および臍帯血試料#2からの約150個の細胞を、6 50mmHgの真空圧下でPVDFフィルター上で濾過し、風乾した。各臍帯血 試料からの同数の細胞を、以下の条件下で顕微鏡用スライドガラス上でサイトス パンした(Cytospun3,Shandon Lipshaw,Pittsburgh,PA):800rpm、5分 、低加速度。PVDFフィルターおよび顕微鏡用スライドガラスをDAPIアン チフェードで染色し、評点をつけた。臍帯血#1については、PVDFフィルタ ー上の平均細胞保持数は、353個(113%)であり、それに対してサイトス パンスライドガラス上の細胞保持数は165個(55%)であった。臍帯血#2 も同様の結果であり、PVDFフィルター上に保持された平均細胞数は147個 (98%)であり、それに対してサイトスパンスライドガラス上の細胞保持数は 103個(68%)であった。臍帯血細胞の保持は、細胞をPVDF膜 フィルターで濾過した場合、スライドガラス上のサイトスパンの場合よりも良好 であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラフ−ロバーツ,アリソン・エル アメリカ合衆国01746マサチューセッツ州 ホリストン、コンコード・ストリート18 番 (72)発明者 クリンガー,キャサリン・ダブリュー アメリカ合衆国01776マサチューセッツ州 サッドベリー、ボーディッチ・ロード54 番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.a.ポリマー膜フィルター上に細胞を沈着させ、ここに細胞のDNAはポ リマー膜フィルター上に保持され、標的DNAに特異的な標識核酸プローブとの ハイブリダイゼーションに利用可能であり、 b.標的DNAへの核酸プローブのハイブリダイゼーションに十分な時間、ポ リマー膜フィルターを核酸プローブとともにインキュベーションし、次いで、 c.標識核酸プローブを検出し、ここに核酸プローブの検出は標的DNAの存 在を示すものである からなる、細胞中の標的DNAの検出方法。 2.細胞が哺乳動物細胞である請求項1の方法。 3.ポリマー膜フィルターがポリカーボネートから作られている請求項1の方 法。 4.ポリマー膜フィルターがPVDFから作られている請求項1の方法。 5.工程a)の前に細胞が固定される請求項1の方法。 6.工程a)の後にポリマー膜フィルターが固定される請求項1の方法。 7.a.ポリマー膜フィルター上で細胞を濾過し、ここに細胞の標的DNAは 標的DNAに特異的な標識核酸プローブとのハイブリダイゼーションに利用可能 であり、 b.標的DNAへの核酸プローブのハイブリダイゼーションに十分な時間、ポ リマー膜フィルターを核酸プローブとともにインキュベーションし、次いで、 c.標識核酸プローブを検出し、ここに核酸プローブの検出は標的DNAの存 在を示すものである からなる、細胞中の標的DNAの検出方法。 8.細胞が哺乳動物細胞である請求項7の方法。 9.ポリマー膜フィルターがポリカーボネートから作られている請求項7の方 法。 10.ポリマー膜フィルターがPVDFから作られている請求項7の方法。 11.工程a)の前に細胞が固定される請求項7の方法。 12.工程a)の後にポリマー膜フィルターが固定される請求項7の方法。 13.a.ポリマー膜フィルター上に細胞を沈着させ、ここに核のDNAはポ リマー膜フィルター上に保持され、標的DNAに特異的な標識核酸プローブとの ハイブリダイゼーションに利用可能であり、 b.標的DNAへの核酸プローブのハイブリダイゼーションに十分な時間、ポ リマー膜フィルターを核酸プローブとともにインキュベーションし、次いで、 c.標識核酸プローブを検出し、ここに核酸プローブの検出は標的DNAの存 在を示すものである からなる、核中の標的DNAの検出方法。 14.核が哺乳動物核である請求項13の方法。 15.ポリマー膜フィルターがポリカーボネートから作られている請求項13 の方法。 16.ポリマー膜フィルターがPVDFから作られている請求項13の方法。 17.工程a)の前に細胞が固定される請求項13の方法。 18.工程a)の後にポリマー膜フィルターが固定される請求項13の方法。 19.a.ポリマー膜フィルター上で細胞を濾過し、ここに核の標的DNAは 標的DNAに特異的な標識核酸プローブとのハイブリダイゼーションに利用可能 であり、 b.標的DNAへの核酸プローブのハイブリダイゼーションに十分な時間、ポ リマー膜フィルターを核酸プローブとともにインキュベーションし、次いで、 c.標識核酸プローブを検出し、ここに核酸プローブの検出は標的DNAの存 在を示すものである からなる、核中の標的DNAの検出方法。 20.核が哺乳動物核である請求項19の方法。 21.ポリマー膜フィルターがポリカーボネートから作られている請求項19 の方法。 22.ポリマー膜フィルターがPVDFから作られている請求項19の方法。 23.工程a)の前に細胞が固定される請求項19の方法。 24.工程a)の後にポリマー膜フィルターが固定される請求項19の方法。
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