JPH10501560A - 加工性ポリ(ヒドロキシ酸) - Google Patents
加工性ポリ(ヒドロキシ酸)Info
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Abstract
(57)【要約】
溶融加工工程の間に、分解により一つか二つ以上の酸遊離基を引き起こす0.05〜3重量%のペルオキシ化合物をポリマーに添加することにより安定化された加工性ポリ(ヒドロキシ酸)組成物であって、これは良好な溶融強度および弾性を有する。溶融強度はインフレートフィルム法のような従来型の方法でフィルムを加工するのに充分な高さの溶融強度を有する。
Description
【発明の詳細な説明】
加工性ポリ(ヒドロキシ酸)
本発明は、高い溶融強度および加工性を有するポリ(ヒドロキシ酸)組成物に
関する。特に、本発明はこれらの組成物のフィルム製造における使用に関する。
生物分解性ポリマー類、生体高分子類は連続的に開発されている一群の物質を
構成している。これらのうちには、モノマーがカルボキシル基とヒドロキシル基
の両方を有することができるポリマーであるポリ(ヒドロキシ酸)がある。この
ようなポリマーの例には、ポリ乳酸(ポリラクチド、PLA)、ポリ(ヒドロキシ
ブチレート)、ポリグリコリド、およびポリ(ε-カプロラクトン)が含まれる
。乳酸二量体、ラクチドから最もよく製造されるポリラクチドまたはポリ乳酸は
、既に何年か縫合、分解性骨爪のような医療用または薬剤の徐放用に使用されて
きている。これらの用途におけるポリマーの分子量は、代表的には非常に高く、
かつポリマーは、加工する前に溶解および沈澱させて精製し、熱分解はそのとき
少ない。ポリマーの高い価格およびその工程中の熱分解により、包装のような嵩
張る用途での使用が制限された。これらの医療用に使用されるような方法による
前記ポリマーの製造または取り扱いは経済的に有益ではない。
ポリ乳酸は、ポリエステルを製造する際に代表的であるポリ縮合反応により、
直接的に製造出来る。しかしながら、ラクチドの開環重合により、最高の分子量
が達成される。ポリラクチドは、多くの従来型のポリマー類と同様の性質を有す
る熱可塑性ポリエステルである。しかしながら問題は、これらのポリマー類は加
工が困難であって、例えばインフレートフィルムの製造は不可能であることであ
った。
ポリラクチドの医療用以外の使用も、近年特に興味深い。衛生製品、農業用フ
ィルムおよび紙コーティングまたはフリーフィルムのいずれかの包装用用途のた
めの生物分解性の堆肥になり得る材料が探求されている。この理由は、化石原
料の代わりに天然物を使用することに関する目的と、例えば澱粉ベース熱可塑性
物質に匹敵するポリラクチドの良好な機械的および障壁特性があった。
ポリラクチドは、多くの従来型のポリマーに似た熱可塑性ポリエステルである
。しかしながら、ポリマーが加工する間に分解し、かつ分子量が著しく低下する
という問題が在る。その結果、最終生成物の有用な寿命、および、部分的にはこ
れらの機械的特性は悪化する。従来型のポリマーの場合、安定剤の使用により、
これらの問題を取り除くことが出来る。安定剤の使用の目的は、分子量を、重合
後およびとりわけ加工する間にもできるだけ一定に保持することである。分子量
の変化は、例えば溶融粘度により監視できる。
芳香族ポリエステルと用いることの出来る従来型の安定剤は、乳酸ポリマー類
においては効果がない。ドイツ国特許出願第4102170号明細書によると、ポリ(
ヒドロキシブチレート)の安定化に使用されるホウ酸は、乳酸ポリマーの場合作
用しない。
多様な安定剤の信頼できる実験が公表されている。日本国特開昭68-008614号
公報においては、ポリ乳酸はγ-ブチロラクトンまたはα-アセタール-γ-ブチロ
ラクトンのようなラクトン化合物で安定化されている。日本国特開昭68-002949
号公報には、イソシアネートを添加して乳酸ポリマーの耐熱性を改善することが
記述されている。これらの方法は実験されたが、乏しい結果しか残されていない
。
純粋なポリラクチドから加工フィルムを作る試みも、成功していない。いくつ
かのフィルムは、他のポリマー類とブレンドすることにより、またはコポリマー
類から作られた。
ドイツ国特許出願第4300420号においては、ポリラクチドと他の脂肪族ポリエ
ステル、好適にはポリカプロラクトンのブレンドが得られている。ポリマーは溶
解した状態で混合し、粒状にし、かつこの顆粒をエステル交換を達成するために
融解する直前の温度で、長い時間処理する。
PCT特許出願公開第92/04493号明細書は、柔軟性を得るための可塑剤として多
量のラクチドまたはラクチドオリゴマーを有するポリラクチド組成物を開示して
いる。
PCT特許出願公開第94/07941号明細書においては、フィルムに対して適当で
あるといわれる溶融安定性ポリラクチド組成物が得られる。残渣のラクチドおよ
び水分含有量は非常に低くあるべきであり、かつ正確な量のメソラクチドが重合
に使用されるべきである。いくつかの「フィルム」が、実施例2において、厚い
シートの押出により製造された。試験製造物の厚さは1〜13mmであった。試験棒
を全ての他の実施例で使用した。この特許出願によっても、例えばポリカプロラ
クトンとのポリラクチドブレンドを使用することは最も好ましい。
ポリラクチドまたはコポリマーは、既に非常に古い特許公報において示されて
いるように、溶液からの鋳造法または圧縮により自立フィルムに製造された。例
えば米国特許第2703316号及び第4045418号明細書がある。
フィルム製造のために多くの試みがおこなわれたが、薄い延伸フィルムをつく
るための経済的な従来型の大規模インフレートフィルム法を基礎とする大規模の
製造は、ポリマーの溶融強度が低いかまたは欠損することが原因で、可能ではな
かったことは明白である。いくつかの方法でフィルムが得られた場合には、これ
らフィルムは脆性を有し、かつ多くの可塑剤を添加するかまたは他の重合体成分
とブレンドした場合を除いては破壊値において非常に低い伸び率を有する。
他の重要な問題は溶融安定性である。ポリラクチドは溶融加工する間高温にお
いて分解することはよく知られている。殆どの機械的特性はある限界分子量以上
で保たれるが、粘度は激しく低下し、かつまた、このことは、これらのポリマー
のインフレート法を不可能にする。既に上記したPCT特許出願公開第94/07941号
明細書においてのみ、溶融安定性化合物が議論されているが、ここでさえ、溶融
強度はインフレート法に対しては充分ではない。この明細書の溶融安定性は、多
くの異なる因子の和であり、正確に厳密に定義された重合体化合物が必要とされ
ている。
本発明によれば、驚くべきことに、種々のペルオキシドを加工中に、または別
工程で混合物に添加することにより、ポリ乳酸が安定化できることを見出した。
ペルオキシドの添加により、鎖の分断を低減することができ、すなわち分子量の
減少を遅くすることが出来る。ペルオキシドの安定化効果は、溶融粘度値からも
認めることが出来、これは、ペルオキシド添加のために、加工する間にペルオキ
シドなしのときよりもかなり遅く減少する。ペルオキシドの効果は数倍であり得
る。触媒の失活および末端基のキャッピングは可能な機構のようである。架橋は
無視することが出来る。ゲル形成が観られないからである。ペルオキシドの作用
の理論的背景は、本発明の範囲外である。
さらに、本発明の目的は、良好な溶融強度および伸び率を有するポリラクチド
組成物を達成することである。さらなる目的は、従来型の方法、例えばインフレ
ート法によりフィルム形成するのに充分な溶融強度を有する組成物を達成するこ
とである。
本発明に係る安定化においては、市場で入手し得る多数の有機ペルオキシ化合
物を用いることができる。特に適切なのは、ペルオキシ化合物であり、それから
酸が分解生成物として形成される。この酸遊離基がポリマーのヒドロオキシル末
端基を安定化することは明白である。さらに、安定剤として作用するペルオキシ
ドは、短い、好適には10秒未満、しかしより好適には5秒未満の半減期により特
徴づけられる。適切なペルオキシドの得られる例には、ジラウロイルペルオキシ
ド(200℃における半減期、0.057秒)、tert-ブチルペルオキシ-ジエチルアセテ
ート(0.452秒)、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノネート(0.278秒)、t
ert-ブチルペルオキシ-イソブチレート(0.463秒)およびtert-ブチルペルオキ
シアセテート(3.9秒)、tert-ブチルペルオキシベンゾエート(4.47秒)および
ジベンゾイルペルオキシド(0.742秒)が含まれる。最後に言及した二つは、と
りわけ良好な作用を示すことが立証された。上記は作用するペルオキシドの数個
の例のみであり、かつ相当する方法で作用する他のペルオキシドも本発明の目的
の範囲内であることは当然である。
ペルオキシドの使用量は、好適には0.01〜3重量%である。最も好適な量はペ
ルオキシ化合物に依存する。
驚くべきことに、あるペルオキシドでポリラクチドを安定化することにより、
安定化後溶融強度および伸び率が非常に高くなることが認められた。伸び率は15
0〜300%である。これは従来型の市販のインフレート装置を使用したポリラクチ
ドのインフレート法を可能にする。このフィルムは効果的に延伸することも出来
る。
使用したポリラクチドはL-、D-またはD,L-ラクチドまたはこれらのブレンド
から任意の重合法で生成することができる。コポリマーまたはポリマーブレンド
も使用出来るが、本発明の使用性能には必要ではない。特にポリ-L-ラクチドを
使用するのが好ましい。本発明に係るポリマーは、約20,000〜400,000の、好適
には40,000〜200,000重量平均分子量(Mw)を有する。これは10,000〜200,000の
、好適には10,000〜100,000の数平均分子量(Mn)を指す。
ポリラクチドフィルムは、少量の従来の可塑剤、顔料、充填剤等を添加するこ
とにより、異なる目的通りに容易に仕上げることが出来る。
一般に適切な可塑剤は、ジ-またはトリカルボン酸エステル、エポキシド油ま
たはエステル、重合体のポリエステル、脂肪族ジエステル、アルキルエーテルモ
ノ-または-ジエステルおよびグリセリンエステルのような、市場で入手し得る可
塑剤である。これらの可塑剤のブレンドも使用できる。可塑剤を使用する場合、
適切な量な0.5〜30重量%である。
充填剤としては、炭酸カルシウム、カオリン、雲母、タルク、酸化ケイ素、ゼ
オライト、ガラス繊維または球体、澱粉またはおが屑のような、全ての従来の無
機または有機の充填剤が使用出来る。充填剤の適切な量は、最終生成物に依存し
て0.5〜50重量%とすることができる。
フィルムは、本発明のポリラクチド組成物からインフレート法により形成する
ことが出来、これは本発明の最大の利益の一つである。これに加えて、勿論、流
延フィルムまたはシートも形成できるが、これらは通常材料において高い需要が
固定化していない。インフレートまたは流延フィルムの厚さは、異なる分子量の
ポリマーを用いることにより、かつペルオキシドの量を変えることにより、かつ
また適切な可塑剤および/または充填剤を添加することにより、最終生成物に従
って容易に仕上げることが出来る。
フィルムの使用の目的は、フィルムの従来の全ての用途であり、かつ特に、廃
棄物量を最小限にし、かつ例えば堆肥を施すことにより処理したいものある。こ
のような用途は、例えば、ポーチ、フィルム、鞄のようないろいろな包装材料、
おむつのような衛生製品、および農業用フィルムのようなものである。
ポリラクチドから形成したシートは、いろいろな包装トレーまたは蓋、または
農業用の浅い容器または植木鉢に加工することができる。
多くの異なる種類の生成物が、本発明のポリマー組成物からつくることが出来
る。このような用途の一つは、ひねりフィルムと呼ばれ、これは例えばキャンデ
ィーに使用するラップを意味し、ラップは物の周りを包んで包装を閉じるために
両端をねじる。このねじりは、閉じたままで、消費者が使用する前には開かない
。良好なねじり特性を有するポリマーは多くない。最良のねじり材料の一つはセ
ロハンである。
ヒートシールまたは高周波シールのどちらによっても容易にシール出来ること
も、本発明のポリマー組成物から形成されるフィルムまたはシートに特徴的なこ
とである。種々の印刷インクも、水溶性であっても、非常によくフィルムに固着
する。
以下の実施例により、本発明をより詳細に説明する。
実施例1〜3においては、二つの異なるポリ(L-乳酸)を使用し、これらの重
量平均分子量Mwはそれそれ160,000および140,000g/モルであり、数平均分子量Mn
はそれそれ約70,000および60,000g/モルであった。従って、分子量の比Mw/Mnは
約2.3であった。ポリマーはネステーOyで製造し、かつそれ自体で実験に使用し
た。以下のペルオキシド:
A.ジベンゾイルペルオキシド(フルカ)、半減期0.742秒
B.ジ-tert-ブチルペルオキシド(アクゾー)、半減期20.5秒
C.ジクミルペルオキシド(アクゾー)、半減期14.7秒
D.tert-ブチルペルオキシベンゾエート(アクゾー)、半減期4.47秒
を実験において安定化に使用した。
全てのペルオキシドは市販品であり、それだけで使用した。
他の実施例においても、ネステーOyにより製造した115,000、130,000、および
145,000の分子量(Mw)を有するポリラクチドを使用した。
前記分子量はポリスチレンスタンダードを用いてGPC(ゲル浸透クロマトグラ
フ)装置により測定した。DSC(示差走査熱量測定)の測定は、パーキン エル
マーDSC7およびメトラーDSC-30S装置で実施した。これらの測定においてのサン
プルの重量は10mgで行った。加熱および冷却速度は10℃/分であり、かつ測定は
2サイクルであった。熱重量分析(TGA)は、メトラーTG50装置を用い
て実施した。測定中のサンプルのサイズは10mgであり、サンプルは窒素雰囲気下
で500℃まで加熱し、かつ加熱速度は10℃/分であった。ポリマーのケル含有量は
、溶媒としてクロロホルムを使用してASTM D2765の方法により決定した。
実施例1.フィルム
ポリ乳酸の安定化を、ブラベンダー(Brabender)ミキサー(プラスチコーダ
ー(登録商標)pL2000)を用いて調査し、これにより機械のトルクから化合物の
溶融粘度を直接的に監視することもできた。Mwが160,000であるポリラクチド40g
を0〜3%のジベンゾイルペルオキシド(A)と、180℃で5分間混合した。全ての
ペルオキシドが反応したと仮定すると、DSC測定では範囲外のピークを示さなか
った。ポリマーサンプルを、PETフィルム間で、圧力200barおよび温度180℃にお
いて15秒間加圧した。成形後、フィルムを室温まで急速に冷却した。フィルムの
厚さは250〜300μmであった。フィルムをクロロホルムに溶解し、ゲルは視覚的
に検出できなかった。
ペルオキシドの添加量は、図1から認められるように、溶融粘度に影響を及ぼ
した。ペルオキシドを0〜0.5重量%の量添加すると、溶融粘度は増加したが、そ
の差は0.5重量%の添加とおよび3.0重量%の添加との間では小さかった。ペルオ
キシドを使用しない場合には、溶融粘度は加工の間に急速に減少した。
実施例2.テープ
140,000のMwを有するポリラクチドをA〜Dのペルオキシドと混合した。ペル
オキシドは、添加する前に少量のシクロヘキサンに溶解した。しかしながら、ペ
ルオキシドAの使用時には、Aはシクロヘキサンに不溶であったため、溶媒とし
てトルエンを使用した。加工する前に溶媒をポリマーから蒸発させた。全ての実
験を窒素気流下で実施した。実験用のバッチサイズはポリ乳酸40gであった。そ
の後、サンプルを、ブラベンダー プラスチコーダー(登録商標)PL E651単一
スクリュー押出機で、テープに加工した。領域温度は190℃、200℃、200℃で、
ノズル温度は200℃であった。スクリューの回転速度は50rpmであった。押出機の
滞留時間は約1.5分であった。
ポリラクチドの安定化していない基準サンプルの分子量Mwは、加工の間に初期
値の少なくとも3分の1まで低下した。Mw/Mnは、初期値2.3から約1.9ま
で低下した。DSC分析によれば、基準サンプルは、約50℃のガラス転移点Tg、約1
70℃の融点Tm、および約50%の結晶化度Crを有した。熱重量分析によれば、分解
温度(TD)は、約303℃であった。表1は種々のペルオキシドを使用した場合の
分子量を示し、かつ表2は対応する実験のDSC/TGA測定結果を示している。表1
の結果はペルオキシドBおよびCでは所望の安定化効果が達成されなかったが、
ペルオキシドAおよびDでは分子量が僅かだけ減少したことを示している。
実施例3 ゲル形成
ポリラクチドの可能な架橋を、ペルオキシド処理後のポリマーのゲル含有量を
測定することにより調査した。ポリラクチドをいろいろな量のジベンゾイルペル
オキシドと、実施例1の方法でブレンドした。ゲル含有量はASTM D2765により測
定したが、キシレンの代わりにクロロホルムを使用した。ペルオキシド含有量が
0.25重量%以下の場合にはゲル形成は認められず、ペルオキシド含有量が3重量
%未満の場合でもゲル形成は低かった。結果をさらに粒度分析機マルベルン(Ma
lvern)2600cで調査すると、非常に小さい粒子の量は低いペルオキシド含有量の
ときに目立ち、大きい粒子の量はペルオキシド含有量の増加に伴って増加した。
結果を表3に示した。
実施例4.安定化したポリラクチドの溶融特性
ポリ-L-ラクチド(PLLA)を、前出の実施例に記載した方法で安定化し、つま
り、ポリマーをジベンゾイルペルオキシド(フルカ、半減期0.742秒)で、5分
間180℃で溶融混合した。溶融特性の測定に使用した装置は、ゲトフェルト押出
機であり、スクリュー直径30mmおよび長さ20Dで、溶融ポンプおよびキャピラー
ダイを備え、L/D=100/3であった。引取装置は、ポリマー溶融物の単軸伸
リマー溶融体ストランドは二つの共回転ホイールの間でつかみ、このストランド
を一定の速度または一定の加速度で、ストランドが破壊するまで伸ばした。この
実験においては、一定の加速を使用した。ポリマー溶融体を伸ばすのに用いた引
張力は、伸ばされたストランドの速度の関数として記録した。
押出機の温度プロファイルは160-180-180-180であり、かつ溶融ポンプとダイ
の温度は180℃であった。ダイ圧力は、溶融ポンプrpmにより調節して、ポリマー
ストランドの溶融破壊を回避した。種々の速度における溶融体の引張力を表4に
示した。安定化したポリラクチドを安定化していないポリラクチドと比較し、か
つまた、メルトインデックス4.5のフィルムグレードの低密度ポリエチレンとも
比較した。
これらの結果からは、0.5%のペルオキシドで安定化したポリラクチドは、フ
ィルムグレードのポリエチレンと比較出来ることがわかる。
実施例5.安定化したポリラクチドの溶融強度特性
種々のグレードのポリラクチドのインフレートフィルムは、スクリュー直径19
mm、長さ25Dのブラベンダー押出機により製造した。押出機は、25mmの直径およ
び1.0mmのダイ間隙のインフレートフィルムダイを備えた。押出機の温度プロフ
ァイルは170-180-190℃、かつダイにおいては190℃に設定した。スクリュー速度
は30rpmに設定した。膨張比は2:1であった。フィルムの薄さを10μmから150μm
まで変え、取出装置の速度により調節した。
押出加工に引き続き、適当なインフレート法の主要な基準であり、押し出され
たポリマーの溶融強度および弾性に対応する気泡安定性の目視検査を行った。定
常状態の押出を1時間保持した。
種々の分子量の、安定化した、および安定化していないポリラクチドのフィル
ム押出特性を表5に示した。インフレートフィルムは、安定化していないポリラ
クチドからは形成できない。これらの結果から、適切な安定剤量は、適当なイン
フレートフィルムを形成するためには、より低い分子量を有するポリラクチドで
は、より大きいことがわかる。
実施例4および5から、ポリラクチド組成物は、薄いフィルムから厚いフィル
ムまでの種々のフィルムを適用するために、ポリマーの分子量および安定剤の量
を変化させることにより有効に製造できることは明白である。
実施例6.安定化していないポリラクチドと比較した安定化したポリラクチド
のインフレートフィルムの物理的特性
上述したように、安定化していないポリラクチドのインフレートフィルムは、
ポリマーの溶融強度が欠乏することにより形成出来なかった。しかしながら、共
押出により、安定化していないインフレートフィルムのインフレートフィルムは
つくることが可能であった。ポリエチレンの二層の間にポリラクチド層がある、
共押出フィルムを、ダイ温度を190℃に設定して形成した。使用したポリエチレ
ンは、メルトインデックス4.0のボレアリス(Borealis)ポリマーOyによりつく
ったフィルムグレード LDPE,,NCPE4024であった。ポリラクチドフィルムを、ポ
リエチレン層からはがした。これが可能なのは、ポリラクチドとポリエチレンの
間の接着が比較的低いからである。
共押出フィルムは、安定化したポリラクチドからも、勿論形成することが出来
る。これは、特別の目的のために無菌フィルムが必要とされる若干の特別な場合
に良好な方法となり得る。
安定化した、および安定化していないポリラクチドフィルムの物理的特性を、
表6に示した。
安定化したポリラクチドからつくったフィルムの高い柔軟性は、結果から明ら
かにみることができる。
実施例7.安定化したポリラクチドへの可塑剤の添加
安定化したポリラクチドから形成したフィルムは、既にそれ自体で柔軟性があ
るが、まださらにポリマーに可塑剤を添加することにより仕上げることができる
。市販の安定剤を実験において使用した:モノオレイン酸グリセロールおよびジ
オレエート(製造者 グリンドステッド プロダクツ AS、デンマーク)のブレン
ドであるエマルダン SHR60。
フィルムは実施例5に記載したように形成した。
ピーク時の応力および破壊時の伸びを表7に示した。結果から、可塑剤の添加
により、フィルム特性はさらに改良されること、かつ特に縦方向および横方向に
おける性質はより均等になることがわかる。
実施例8.ポリラクチドへの充填剤の添加
種々の量の市販の充填剤を安定化したポリラクチド組成物に添加した。充填剤
と可塑剤は同時に用いることも出来る。
実施例5に記載した処理によりフィルムを製造した。結果を表8に示した。こ
れらの結果から、少量のタルクは非常に強くて固いフィルムを与えるが、多量の
カオリンでは柔軟なフィルムが得られ、これは少量のいくつかの可塑剤によりさ
らに柔軟化できることがわかる。
実施例9.安定化したポリラクチドフィルムのひねり特性
例えばキャンディーを個々のラップに包装の場合、約一回半ひねることにより
両端を閉める。最良のひねり材料の一つはセロハンであるので、これを用いて比
較試験を行った。本発明に係るポリラクチド組成物のひねり特性は非常に良好で
あった。
ひねり特性は、フィルムでキャンディーの代用品の周りを包んで、かつ両端を
1.6回転ひねる社内で開発した装置で試験した。この機械でひねりを開けるのに
必要な力、およびそれ自身によりひねりを開ける角度も測定した。ポリラクチド
およびセロハンの結果を表9に示した。
実施例10.ポリラクチドフィルムのシール性および印刷性
実施例6で形成したフィルムのシール性を調査した。このフィルムのシール性
は良好であった。ヒートシールは105℃において、シール時間0.5秒で実施した。
シール中においては、一つのシール棒のみを加熱した。高周波シールを60℃にお
いて形成した。両方の場合のシールは完全であった。
フィルムの印刷性を試験し、フィルムが溶媒および水ベースインクの両方で、
コロナ処理なしに印刷できることが見出された。この印刷は、テープ法により試
験した際、フィルムへの極めて良好な粘着を有した。
実施例11.土中に埋めたポリラクチドの分解
安定化していないポリラクチドと同様に安定化したポリラクチドが少なくとも
生物分解することもあることを示す為に、種々のレベルの安定剤を用いた試験棒
を射出成形により形成した。試料を土中に埋め、一定時間の間隔をあけて取出し
、
機械的特性を試験した。表10にまとめた結果から、全てのサンプルが6〜8週間
後には脆化しているとみることができた。
実施例12.一定の湿度における安定化したポリラクチド生成物の分解
実施例11の試験棒を、温度23℃、湿度50%の一定条件下で保存した。これは
、生物分解の第一段階が水による加水分解であるという仮定を検査するために行
った。機械的特性を表11に示す。分子量も測定し、結果を表12に示した。結
果によれば、加水分解速度は、安定化していないものに対するよりも、安定化し
たサンプルに対して、より高かった。これはおそらく異なる結晶構造によるもの
である。
上記の実施例からわかるように、良好な溶融強度を有するポリラクチド組成物
およびこれらが製造される可能性は多様な種々の用途へのこれらの使用を可能に
した。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
// A01G 9/10 ZAB 9318−2B A01G 9/10 ZABC
9/14 9318−2B 9/14 S
13/02 9318−2B 13/02 D
B29C 55/28 7639−4F B29C 55/28
B29K 67:00
B29L 7:00
(72)発明者 ニエミ,マリア
フィンランド国、エフイーエン−00250
ヘルシンキ、ミッナ カントヒンカツ 24
アー 25
(72)発明者 ヨハンッスン,カルルーヨハン
フィンランド国、エフイーエン−06100
ポルボー、ウァデンストリョミンクヤ 32
(72)発明者 メイナンデル,ケルスティン
フィンランド国、エフイーエン−06100
ポルボー、ティカンティエ 6
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.少なくとも10,000の数平均分子量を有する加工性ポリ(ヒドロキシ酸)組成 物であって、溶融強度およびポリマーの弾性が、ポリ(ヒドロキシ酸)の、有機 ペルオキシドとの反応性押出により達成されていることを特徴とする加工性ポリ (ヒドロキシ酸)組成物。 2.溶融加工段階の間に、0.05〜3重量%の量の有機ペルオキシ化合物をポリマ ーに添加し、これの分解が一つか数個の酸遊離基を生成することを特徴とする請 求項1記載の加工性ポリ(ヒドロキシ酸)組成物。 3.ポリ(ヒドロキシ酸)の数平均分子量が10,000〜200,000であることを特徴 とする請求項1または2記載の加工性ポリ(ヒドロキシ酸)組成物。 4.ペルオキシドの量がポリマー量の0.05〜0.8重量%であることを特徴とする 請求項1〜3のいずれか一つの項に記載の加工性ポリ(ヒドロキシ酸)組成物。 5.使用したペルオキシドの半減期が、200℃の温度において、10秒未満である ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つの項に記載の加工性ポリ(ヒド ロキシ酸)組成物。 6.ペルオキシドがtert-ブチルペルオキシベンゾエートまたはジベンゾイルペ ルオキシドであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つの項に記載の加 工性ポリ(ヒドロキシ酸)組成物。 7.ポリ(ヒドロキシ酸)がポリ-L-ラクチドであることを特徴とする請求項1 〜6のいずれか一つの項に記載の加工性ポリ(ヒドロキシ酸)組成物。 8.溶融強度および弾性がインフレートフィルム製作に適切であることを特徴と する請求項1〜7のいずれか一つの項に記載のポリ(ヒドロキシ酸)組成物。 9.溶融強度および弾性が流延フィルムまたはシートの製造に適切であることを 特徴とする請求項1から8のいずれか一つの項に記載のポリ(ヒドロキシ酸)組 成物。 10.0.5〜30重量%の可塑剤を含有することを特徴とする請求項1〜9のいず れか一つの項に記載のポリ(ヒドロキシ酸)組成物。 11.可塑剤がジ-およびトリカルボン酸エステル、エポキシ油およびエステル 、 高分子量ポリエステル、脂肪族ジエステル、アルキルエーテルモノおよびジエス テルおよびグリセリンエステルまたはこれらの混合物から成る群から選ばれたも のであることを特徴とする請求項10記載のポリ(ヒドロキシ酸)組成物。 12.0.1〜50重量%の充填剤を含有することを特徴とする請求項1〜11のい ずれか一つの項に記載のポリ(ヒドロキシ酸)組成物。 13.充填剤が炭酸カルシウム、カオリン、雲母、タルク、二酸化ケイ素、ゼオ ライト、ガラス繊維または球体、澱粉またはおが屑から成る群から選ばれたもの であることを特徴とする請求項12記載のポリ(ヒドロキシ酸)組成物。 14.請求項1から13のいずれか一つの項に記載のポリ(ヒドロキシ酸)組成 物から形成されたフィルムまたはシート。 15.インフレートフィルム押出により製造された請求項14記載のフィルム。 16.流延押出により製造された請求項14記載のフィルムまたはシート。 17.ヒートシールまたは高周波シールによりシール出来るものであることを特 徴とする請求項14〜16のいずれか一つの項に記載のフィルムまたはシート。 18.溶媒または水ベースのインクにより印刷出来るものであることを特徴とす る請求項14〜16のいずれか一つの項に記載のフィルムまたはシート。 19.良好なひねり特性を有するものであることを特徴とする請求項14〜18 のいずれか一つの項に記載のフィルムまたはシート。 20.おむつのような衛生製品、農業用フィルム、バック、ポーチ、縮みまたは ひねりフィルム包装のような包装材料への請求項14〜19のいずれか一つの項 に記載のフィルムの使用。 21.トレイまたは蓋のような熱成形包装物品および栽培トレイまたは植木鉢と しての農業製品への請求項14〜19のいずれか一つの項に記載のシートの使用 。 22.加水分解性、および生物分解性であることを特徴とする請求項14〜21 のいずれか一つの項に記載のフィルム、シートおよび製品。
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1994
- 1994-12-29 JP JP51779795A patent/JP3295717B2/ja not_active Expired - Fee Related
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