JPH10501690A - 同種移植の寛容性を誘導するためのキメラmhcクラスi抗原 - Google Patents

同種移植の寛容性を誘導するためのキメラmhcクラスi抗原

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JPH10501690A
JPH10501690A JP7529785A JP52978595A JPH10501690A JP H10501690 A JPH10501690 A JP H10501690A JP 7529785 A JP7529785 A JP 7529785A JP 52978595 A JP52978595 A JP 52978595A JP H10501690 A JPH10501690 A JP H10501690A
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エム. ステプコウスキー,スタニスロー
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Abstract

(57)【要約】 キメラMHCクラスI分子は、受容体型N末端、ドナー型アルファ−1螺旋領域、及び受容体型アルファ−2ドメインを有しており、該分子は、移植時に受容体に投与されると、ドナー移植片に対する寛容性を誘導する。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称:同種移植の寛容性を誘導するためのキメラ MHCクラスI抗原 発明の分野 本発明は、組換え型の主要組織適合性複合体(MHC)分子、特に同種〔異系〕 移植片(allograft)の寛容性(tolerance)を誘導できるようにしたキメラMHCク ラスIの分子に関するものである。本発明はまた、移植を受ける者に対し、自己 型の調節ドメインと、ドナー型の免疫原性ドメインを有するキメラMHCクラス I分子を投与することにより、移植された同種〔異系〕移植片の寛容性を誘導す る方法に関する。 発明の背景 主要組織適合性複合体(MHC)は、ほぼ全細胞の表面にみられる多形性(polym orphic)細胞膜の糖蛋白質である組織適合性抗原を含んでいる。個体は、個体群 の中の非常に数多くの対立遺伝子(alleles)から多形性形態を同時に発現する。 移植された異質な組織に対する拒絶反応は、抗体とクラスIの組織適合性抗原が 細胞障害性リンパ球(CTL)を認識することによって起こされる。T細胞受容体 は、異なる抗原のうち、特定の組織適合性抗原分子と関連するものだけを認識す る。 当該分野の専門家にとって公知のことであるが、MHC分子は細胞内異質ペプ チド抗原と結合し、結合された抗原を細胞膜の表面に運搬し、T細胞による認識 のための抗原として存在する。T細胞が抗原結合MHC分子を認識すると、次に 免疫反応のカスケード(cascade)を開始する結果になる。 器官移植においては、外科技術の多大な進歩、新薬の開発にもかかわらず、器 官移植を受ける者は大部分が、今なお拒絶反応の危険にさらされている。拒絶反 応を防止するために現在行なわれている治療は、広範囲に亘る免疫抑制薬に頼っ ている。その薬剤として、例えば、サイクロスポリンA(CsA)があるが、この 薬の場合、患者は生涯摂取し続けなければならない。このように長期に亘って免 疫抑制を続けると、日和見感染、癌、薬剤特有の毒素性などを併発する結果とな る。それゆえ、手術期間(perioperative period)だけ投与する治療システムを開 発すれば、長期間に亘る免疫抑制の影響を回避することができるので大いに有用 である。 MHC分子を利用して器官移植の拒絶反応を緩和することはこれまでにも試み られているが、従来の方法はドナー型のMHC抗原を発現するドナー細胞を全部 投与するものである。この方法では、同種〔異系〕抗原(alloantigen)を手術前 に投与する必要がある。それゆえ、移植時のかなり前からドナーを特定せねばな らないため、 臨床的な適用可能性が限られる。移植時に投与できる有効な治療システムの開発 が望まれる所以である。 発明の要旨 MHCクラスI分子の中に、免疫反応を生起させるのに重要で特異な機能性ド メインが含まれていることを見い出したものである。優性で同種異系(allogenic )のエピトープは、MHCクラスI分子のアルファ−1ドメインの螺旋部分に存 在し、亜優性(sub-dominant)の同種異系エピトープは、アルファ−1ドメインの N−末端に存在している。予期せぬことであったが、アルファ−2ドメインは免 疫原性配列(immunogenic sequences)を欠いているが、異質(foreign)な抗原を認 識するのに重要な調節機能を果たすことがわかった。ドナー型の免疫優性アルフ ァ−1の螺旋状エピトープを、野生型(受容体)免疫優性エピトープと置換すると 、受容体型のアルファ−1N−末端とアルファ−2ドメイン配列によってフラン クされる時、免疫原性のあるMHCクラスI分子は免疫寛容原(tolerogen)に変 換される。トランスフェクトされた(transfected)細胞で、これらの「準自己型( quasi-self)」のキメラMHCクラスI分子をもった細胞の抽出物を、移植を受 ける者に投与し、その際、サイクロスポリン(CsA)を7日クールで投与すると 、ドナー固有の移植寛容性を誘導した。このキメラ分子は、同種移植片の寛容性 を誘導し、臨床的に関連づけられたシステム を提供する。 図面の簡単な説明 図1は、BUF肝癌細胞におけるWT−RT1.Aaを表わす発現ベクター(exp ression vector)の説明図である。WT−RT1.Aaを符号化する遺伝子は、S V40プロモータおよびエンハンサーを含むpSG5哺乳動物の発現ベクターの EcoRI部位にて、適切な方向にサブクローン化された。 図2は、フルオレセインの蛍光色素を有するラビットの抗ラットIgG抗体( 250倍に希釈;白い部分)にさらすことにより、又はプリコートされた(pre-co ated)抗RT1a抗体(濃い部分)を用いて、標準の細胞の表面と、トランスフェク トされた7316A BUF肝癌細胞(hepatoma;ヘパトーム)の表面で検出され たWT−RT1.Aaのグラフである。染色された細胞の割合を夫々の図の中で示 している。 図2Aは、トランスフェクトされていない(non-transfected)肝癌細胞であっ て、多クローン性抗RT1a抗体にさらされた肝癌細胞を示している。 図2Bは、トランスフェクトされていない肝癌細胞であって、R2/15S抗 ラットRT1.AaクラスIの多形性モノクローン抗体にさらされた肝癌細胞を示 している。 図2Cは、トランスフェクトされていない肝癌細胞で あって、MRC OX18抗ラットRT1AクラスI単形性(monomorphic)モノク ローン抗体にさらされた肝癌細胞を示している。 図2Dは、WT−RT1.Aaでトランスフェクトされ、多クローン抗RT1a 抗体にさらされた肝癌細胞を示している。 図2Eは、WT−RT1.Aaでトランスフェクトされ、R2/15S抗ラット RT1.AaクラスI多形性モノクローン抗体にさらされた肝癌細胞を示している 。 図2Fは、WT−RT1.Aaでトランスフェクトされ、MRC OX18抗ラ ットRT1AクラスI単形性モノクローン抗体にさらされた肝癌細胞を示してい る。 図3は、WT−RT1.Aaのトランスフェクタント(transfectants)によるA CI(RT1a)に対する用量依存性免疫のグラフである。WF(RT1u)ラットに 、ACU心臓移植の7日前に105〜2×107細胞を注射した。水平な破線は、 注射を受けていないWF受容体におけるACI移植片の平均生存日数を示してい る。図中の黒丸は皮下注射、黒四角は静脈注射、黒菱形は門脈注射を示している 。白丸は、皮下投与された正常な肝癌細胞を表わしており、白四角は静脈注射、 白菱形は門脈注射を示している。 図4は、クラスIRT1.Aaの略説明図であって、キメラ置換部位を示してい る。NHLA-A2.1−RT1.Aaは、 最初の20アミノ酸の配列(最初のベータストランドとループ)をHLA−A2. 1の配列に変換するN−末端において、4種類の残基変化(5、9、11及び1 7にて)を含んでいる。α−1hu−RT1.Aaは、α−1ドメインの(58、6 2、63、65、66、69、70、73、77、80の位置で)αヘリックス( 51〜90)の中に10のアミノ酸変化を含んでおり、この領域はRT1.Auの アミノ酸に変換される。α−2du−RT1.Aaキメラは、最初のベータストラ ンドと、α−2ドメイン(91〜182)のαヘリックス(97、105、148 、151、152、169、174、182の位置)に沿って、8個のアミノ酸 変化を含んでおり、このドメインをRT1.Auのドメインに変換させる。TMは トランス膜(trans-membrane)ドメインであり、CYTは細胞質ドメインである。 図5A−Cは、PCR遺伝子をSOEすることにより変換されたRT1.Aaの CDNAの生産を示す一連の写真である。変化したアミノ酸の位置は、各レーン の上に示されている。 図5Aは、NHLA-A2.1−RT1.Aaの産物を示している。PCR#1、140 塩基対(レーン2)と、PCR#2、1490塩基対(レーン3)の重複産物が、P CR#3(レーン4)の中でSOE操作されている。 図5Bは、α−1hu−RT1.Aaの産物を示してい る。PCR#1、300塩基対(レーン2)と、PCR#2、1310塩基対(レ ーン3)の重複産物が、PCR#3(レーン4)の中でSOE操作されている。 図5Cは、α−2du−RT1.Aaの産物を示している。400、150、1 20及び990塩基対(レーン2〜5)の4種類の重複PCR産物は、PCR#5 (レーン6)の中で共にSOE操作されている。 図6は、キメラNHLA-A2.1−RT1.Aa、α−1hu−RT1.Aa及びα−2 du−RT1.Aaのヌクレオチド配列を示している。cDNAの全長は、2つの 方向に配列されている。図示の配列は、変換されたアミノ酸残基と、対応するヌ クレオチドの変化(アンダーラインが付されている)だけを表わしている。ドット 印は、WT−RT1.Aa配列から変化の無かったことを示している。 図7は、トランスフェクトされたBUF肝癌細胞の細胞表面に検出されたキメ ラRT1.Aaを示すグラフである。RT1.AaのcDNAは、フルオレセインの 蛍光色素を持ったラビットの抗ラットIgG抗体(250倍に希釈)にさらされた もので、多クローン性の抗RT1.Aa(8倍に希釈)抗体でプリコーティングした もの(濃く示される)と、していないもの(白く示される)がある。 図7Aは、トランスフェクトされていない肝癌細胞に検出されたRT1.Aaを 示している。 図7Bは、WT−RT1.Aaでトランスフェクトされ た細胞に検出されたRT1.Aaを示している。 図7Cは、α−1hu−RT1.Aaでトランスフェクトされた細胞に検出され たRT1.Aaを示している。 図7Dは、α−1du−RT1.Aaでトランスフェクトされた細胞に検出され たRT1.Aaを示している。 図7Eは、NHLA-A2.1−RT1.Aaでトランスフェクトされた細胞に検出され たRT1.Aaを示している。 図8は、WF宿主におけるキメラRT1.Aa抗原の免疫原性を示すグラフであ り、ACI(RT1a)に対して免疫が用量依存性であることを表わしている。W Fラットは、ACIの心臓移植片攻撃を行なう7日前に、105〜2×107細胞 の皮下注射が行なわれた。平均生存時間は、日数で計算した。各グループには、 5匹以上のラットを用いた。水平破線は、注射をしなかったWF受容体における ACI移植片の平均生存時間(5.4±0.5日)を表わしている。水平実線(50 %指数)は、生存時間が50%縮まったことを表わしている。ACI脾細胞(黒三 角)の皮下注射により、WT−RT1.Aa(黒丸)のトランスフェクタントよりも 2.6倍、NHLA-A2.1−RT1.Aa(黒四角)のトランスフェクタントよりも7.6 倍、免疫原性が大きくなることを示した。キメラα−1hu−RT1.Aa(白四角 )、α−2du−RT1.Aa(白菱形)、トランスフェクトされていない肝癌細胞( 黒菱形)は、免疫原性能力を示さなかった。 図9は、2×107個のACI脾細胞(黒三角)、WT−RT1.Aaのトランス フェクタント(黒丸)、NHLA-A2.1−RT1.Aaのトランスフェクタント(黒四角) 、α−1hu−RT1.Aaのトランスフェクタント(白四角)、α−2du−RT1 .Aaのトランスフェクタント(白菱形)、トランスフェクトされていない肝癌細胞 (黒菱形)の投与を7日間続けた後のWFラットと、処理が行われず(non-treated )実験を受けていない(naive)宿主(白丸)から得たリンパ腺細胞の中の抗ACI( RT1a)の細胞障害性T細胞の頻度(frequency)を示すグラフである。データは 、限界希釈分析により作成した。 図10A−Cは、ACI脾細胞又はキメラRT1.Aaトランスフェクタントで 処理されたWFラットの中で作られた抗RT1a同種抗体(alloantibody)を示す グラフであり、ACI脾細胞は黒三角、トランスフェクタントは、WT−RT1 .Aaを黒丸、NHLA-A2.1−RT1.Aaを黒四角、α−1hu−RT1.Aaを白四 角、α−2du−RT1.Aaを白菱形で示している。比較対照となる標準の血清 は、処理が行なわれず実験を受けていない宿主(白丸)又はACI心臓(白菱形)の WF拒絶体(rejectors)から得たものである。 図10Aは、IgGを結合する同種抗体の存在を示している。データは、チャ ンネルシフト(mean channel shift)の平均として与えられている。 図10Bは、IgMを結合する同種抗体の存在を示している。データは、チャ ンネルシフトの平均として与えられている。 図10Cは、抗ACIの細胞障害性同種抗体の存在を示している。データは、 特異的溶菌(specific lysis)の%として与えられている。 図11は、WF(RT1u)心臓の同種移植片のACI(RT1a)受容体を生体内 (インビボ)で免疫する際、ACI宿主の中のキメラRT1.Aa抗原を皮下注射し たときの効果を示すグラフである。ACIラットは、注射されていないものを破 線で示し、WF(RT1u)の心臓移植片の攻撃を行なう7日前に、WT−RT1. Aa(黒丸)、NHLA-A2.1−RT1.Aa(黒四角)、α−1hu−RT1.Aa(白四角) 、α−2du−RT1.Aa(白菱形)のトランスフェクタント又はWF脾細胞(黒菱 形)で免疫性が与えられた。 図12は、WT−RT1.Aa(黒丸)、NHLA-A2.1−RT1.Aa(黒四角)、α− 1hu−RT1.Aa(白四角)、α−2du−RT1.Aa(白菱形)のトランスフェク タント、WF脾細胞(黒菱形)を皮下注射した後のACIラット、又は皮下注射し ていない宿主(白丸)から得られたリンパ腺内の抗WF(RT1u)細胞障害性T細 胞の頻度を示すグラフである。データは、限界希釈分析により得られた。 図13は、サイクロスポリン(cyclosporine)と結合されたe−HAg−キメラ を移植中に投与することにより誘導された寛容性を示すグラフである。WF(R T1u)のACI(RT1a)受容体は、注射処理されないもの(破線)と、CsAだ けを7日クール(7 day course)で経口投与したもの(実線)と、WT−RT1.Aa (黒丸)、NHLA-A2.1−RT1.Aa(黒四角)、α−1hu−RT1.Aa(白四角)、 α−2du−RT1.Aa(白菱形)のトランスフェクタント、WF肝細胞(黒矢印) から得られたe−HAgを一回注射したもの、トランスフェクトされていないB UF肝癌細胞(黒菱形)がある。 望ましい実施例の詳細な説明 MHCクラスI分子 主要組織適合性複合体(MHC)のクラスI移植抗原は、細胞表面の糖蛋白質で あり、抗原を細胞障害性T細胞に供給する。それらは、ヘテロダイマー(heterod imeric)であり、多形性で、MHC符号化され、約45KDの重鎖からなり、こ れは約12KDのβ−2ミクログロブリン(β−2m)の軽鎖とは共有結合してい ない。マウスのH−2系とヒトのHLA系について、ラットのRT1系と同じ様 に考察した。クラスI分子の幾つかの対立遺伝子型の中で、ただ一つ、各々の種 (species)の中に移植片の生存に影響を及ぼすものがあった(ヒトでは、HLA− A、B;マウスでは、H−2K、D;ラットではR T.1A)。 MHCクラスI重鎖の細胞外部分は、アルファ−1、アルファ−2及びアルフ ァ−3の3つのドメインに分化され、各ドメインは、約90アミノ酸長さであり 、別個のエクソンに符号化されている。アルファ−3ドメインとベータ−2mは 、比較的保存がよく、免疫グロブリンの一定ドメインに対してアミノ酸配列が相 同性であることを示している。多形性のアルファ−1とアルファ−2のドメイン は、免疫グロブリンの一定領域又は可変領域に対する配列の相同性をあまり示し ていないが、互いには配列の相同性を少し有している。細胞膜端部の多形性アル ファ−1(約90アミノ酸)ドメインとアルファ−2(約92アミノ酸)ドメインは 、各々が、非平行で、ベータ構造のひだ状のシートを4枚含んでおり、それらは 、一つのアルファ螺旋領域(第1の領域は、アルファ−1ドメインからのもの、 第2の領域は、アルファ−2ドメインからのもの)により、境界を成している。 アルファ−2ドメインは、多形度が少なく、アルファ−3(約92アミノ酸)ドメ インの細胞膜基部に取り付けられており、その後には、保存されたトランス膜( 25アミノ酸)と細胞質内(約30アミノ酸)セグメントがある。ラット、マウス 、及びヒトのクラスIMHC分子は、公知の様々なMHCクラスI分子のヌクレ オチド配列に基づいて、同様な構造的特徴を有するものと考えられる。 MHCクラスI分子の構造と機能については、例えば、文献[Matsumura et a l.,1992,Science 257:927-934; Bjorkman and Parham,1990,Annu .Rev.Bio chem. ,59:253-288; and Germain,1994,Cell,76:287-299]を参照することが できる。免疫優性エピトープ アルファ−1ドメインは、アルファ−1螺旋領域及び亜優性のN末端の同種異 系決定基(allogenic determinant)の中に、免疫優性、免疫原性のエピトープを 含んでいることを示した。アルファ−2ドメインは、免疫原性エピトープを含ん でいない。 免疫優性で免疫原性のエピトープがアルファ−1螺旋領域に含まれていること は、次の実験によって示された。RT1.Aa分子のキメラ突然変異体は、アルフ ァ−1螺旋領域を、RT1.Au遺伝子シーケンスの対応するアルファ−1螺旋領 域と置換することにより作られた。このキメラ遺伝子から作られた蛋白質は、R T1b(BUF)の宿主を、ACI移植片をもった被移植RT1.Aaの方に感作す る(sensitize)ことはできなかった。これは、同じキメラペプチドが、RT1b( BUF)の宿主を、RT1.Au抗原を発現するWFu同種移植片の方に感作した ことと対比される。アルファ−1aの螺旋エピトープを含んだ追加のキメラは、 ACI移植片に対してBUFの宿主とWFuの宿主の両方を免疫にした。亜優性免疫原性エピトープ アルファ−1ドメインのN末端セグメントに亜優性の免疫原性エピトープの存 在することが次の実験によって示された。野生型RT1.Aa遺伝子は、N末端エ ピトープ(約20アミノ酸)をヒトHLA−2.1配列の対応するN末端エピトー プと置換することによって変更された。この置換の結果、WFu宿主の場合、R T1a(ACI)に対する免疫原性が低下し、N末端における免疫原性エピトープ の存在を示した。しかし、N末端aエピトープだけがRT1.Aaキメラの中に存 在し、このキメラには、アルファ−1a配列が対応するアルファ−1u配列と置換 されており、ACI(RT1a)移植片に対してBUF(RT1b)又はWFu(RT 1u)ラットのどちらか一方を感作することはできなかった。亜優性エピトープは 、アルファ−1ドメインの最初のベータストランド及びループに対応している。調節エピトープ アルファ−1ドメインとは異なり、アルファ−2の同種異系ドメインは、免疫 原性能力のある決定基を欠いていた。これは、2つの実験によって示された。野 生型RT1.Aa遺伝子の変更は、アルファ−2aドメイン全体を、対応するアル ファ−2uドメイン配列と置換することにより行なわれた。このキメラ遺伝子に より符号化された蛋白質と、アルファ−1u螺旋配列を含むキメラ遺 伝子により符号化された蛋白質は、どちらも、夫々、WFu(RT1u)とACI( RT1a)の心臓同種移植片に対して、BUF(RT1b)受容体を免疫にすること はできなかった。 免疫原性があるエピトープを同種同系配列(syngenic sequences)によりフラン キングすると、宿主の免疫反応は、不応答性(unresponsiveness)の方に向けられ る。この観察は、2つの実験結果に基づいている。最初は、アルファ−2uドメ イン配列と共に、N末端a及びアルファ−1螺旋aの免疫原性エピトープでトラン スフェクトされた細胞が注射されたWFu(RT1u)宿主は、RT1a(ACI)の 同種移植片の方に感作されなかった。更に、これらの受容体は、抗ACIアロ抗 体を産生することができず、同種の特異なCTLの機能を抑制する陰性の調節T 細胞が存在することを示した。同じキメラ分子は、BUF(RT1b)の受容体を 感作してACI(RT1a)の心臓の拒絶反応を加速(accelerate)した。第2に、 受容体型N末端a及びアルファ−2a配列によりフランクされた優性ドナー型アル ファ−1u螺旋状免疫原性エピトープをもったトランスフェクタントが注射され たACI受容体では、(WFu)RT1u心臓の同種移植片の生存を延ばした。こ れは、WFu同種抗原に対するfTcの減少方向と一致した。同じキメラ分子は 、BUF(RT1b)受容体におけるWFu(RT1u)の加速された拒絶反応 を誘導した。これは、受容体型クラスI分子に現われたドナー型免疫原性エピト ープが免疫寛容原性になることを示すものである。キメラに誘導された寛容性 同種移植片に対して反応が行なわれないように誘導する際、特異的クラスIM HC同種抗原の果たす役割は、マウスの実験から明らかである。受容体N末端a 及びアルファ−2a配列によってフランクされたアルファ−1uヘリックスでトラ ンスフェクトされた細胞の抽出物が、CsA療法の7日クールと共に、移植開始 時(0日目)、門脈を経て一度注射された。この注射処理により、ACI(RT1a )受容体の80%が、WFu(RT1u)心臓の同種移植片に対してドナー固有の寛 容性を誘導した。これは、野生型RT1.Aa、つまり肝細胞をもったWFuクラ スIのRTluaと、N末端抗原が置換され又はアルファ−2ドメインが置換さ れたキメラ分子の抽出物は、移植片の拒絶反応を防止する上で効果がなかったこ とと対比される。この様に、修飾(modification)されたクラスIのMHC同種抗 原を用いて、キメラクラスI分子を開発し、無傷の野生型抗原に対して陰性の免 疫反応を誘導した。キメラ(準自己型)クラスI分子を用いて寛容性を誘導するこ とは、移植片の拒絶反応を防止する上で、新規であり且つ臨床的に適応可能であ る。有用なキメラ 本発明の有用なキメラ分子は、MHCクラスI抗原であり、これは、受容体型 アルファ−1ドメイン、受容体型アルファ−2ドメインのN末端領域と、ドナー 型アルファ−1ドメインの螺旋領域を有している。キメラMHCクラスI分子又 はそれらを符号化した遺伝子の修飾又は変更は、免疫原性があり且つ調節性のエ ピトープを著しく変えることなく、また本発明のキメラの機能を変えることなく 行なうことができることは、当該分野の専門家であれば理解することができるだ ろう。本発明の有用なキメラは、三次元の形態で、望ましくは外部ペプチドと結 合し存在させるのに十分な表面をもたらすものが望ましい。本発明のキメラMH CクラスI分子として、ドナー型免疫原性決定基(アルファ−1h)、受容体型 N末端免疫原性決定基(アルファ−1N)、受容体型アルファ−2決定基が挙げら れる。 本発明の有用なキメラ分子は、次の要領にて作製し、スクリーンされてもよい 。キメラ遺伝子は、当該分野で公知の組換え方法により作製してもよい。望まし い方法として、実験例2に記載される如く、PCRに基づいてスプライシングを 重複延長(overlap extension)する方法がある。特定のMHCクラスI抗原を符 号化した遺伝子は、免疫優性α−1hエピトープを、異なるMHCクラスI分子 の対応する免疫優性α−1hエピトープと置き換えられる。なお、保存されたエ ピトープは、受容体 のMHCクラスI型から成り、免疫優性エピトープの置換配列は、特定されたド ナーのMHCクラスI型から得ることが望ましい。キメラ蛋白質を符号化した遺 伝子でトランスフェクトされた細胞は、これら蛋白質を発現し、該蛋白質は、例 えば3モルのKClで抽出される。キメラ蛋白質を含有する抽出物約10ミリグ ラムが、ドナーの器官移植時(0日目)に、モデル受容体(例えばラット)の門脈に 注射される。移植された動物には、7日クールでCsAが経口投与がある(10m g/kg、0〜6日)。実験動物と標準動物に対して、平均生存率を求めた。本発明 の有用なキメラ分子は、ドナー固有の移植寛容性を誘導できるものである。 免疫寛容原性効果をもたらすMHCクラスI蛋白質を符号化した特定のキメラ MHCクラスI遺伝子として、α−1ドメイン(約20アミノ酸)及びα−2ド メインの受容者型N末端部分を符号化した遺伝子配列、α−1ドメインのドナー 型螺旋領域を符号化した遺伝子配列がある。置換されたドナー配列は、α−1の 螺旋領域の多形性領域を含むことが望ましい。 本発明のキメラMHCクラスI分子の受容体への移植は、望ましくは移植時に 投与して行なわれ、これは当該分野で公知の方法により行なわれる。分子は、注 射されることが望ましく、静脈内への注射が最も望ましい。キメラ分子は、精製 された糖蛋白質として投与され、これ は分子を発現する抽出物又は細胞全体として投与される。投与量及びその処方は 、医師が公知の方法に基づいて決める。 望ましい実施例において、キメラ分子を符号化した遺伝子でトランスフェクト された細胞の抽出物は手術中投与され、これは7日クールのCsA療法と共に行 なわれる。 実施例 実験例1 野生型RT1.Aaの効果の特徴づけ 野性型RT1.AaのcDNAは、J.Howard[Rada et al.,1990,PNAS USA, 87:2167-2171]から入手した。これを、SV40プロモータ及びエンハンサー[ Stratagene,LaJolla,カリフォルニア州]を含む哺乳動物の発現ベクターpSG 5のECORI部位にて適当な方向にサブクローン化された。このベクターは、 リポフェクチン試剤[GIBCO,Grand Island,NY; Felinger et al.,1987]を用 いて、耐ネオマイシン遺伝子を含むpSV2−NEOと共に、BUF(RT1b) のモリスヘパトーム7316A細胞[Masuji et al.,Acta Med .Okyama,28:28 1-293,1974]の中で、一緒にトランスフェクトされた。25μlのリポフェクチ ン(lipofectin)プラスミドDNA(10μ pSG5−RT1.Aa:pSU2NE O、10:1)複合体が、60ml培養皿にある4ml無血 清培地[完全RPMI,Sigma,St.Louis,ミズーリ州]の中の2×105細胞に加 えられた。37℃で6時間培養した後、培地(medium)は10%のウシ胎児血清R PMIで置換された。更に48時間培養した後、400μg/ml(最終濃度)のジェ ネティシン(Geneticin)[G418,GIBCO,Grand Island,ニューヨーク州]を培養培 地に加えることにより、安定なトランスフェクタントが選択され、生存群が増や され、RT1.Aaの表面発現を分析した。 トランスフェクトされた細胞は、FACSにより分析され、蛍光色素を有する ラビットの抗ラットIgG抗体(250倍に希釈)に細胞をさらすことにより、或 いは特定の抗体でプリコートすることにより細胞表面のRT1.Aaを検出した。流動細胞計測分析(Flow Cytometry Analysis) トランスフェクトされたBUF(RT1b)肝癌細胞の表面に野生型RT1.Aa が発現するのを検出するために、トランスフェクトされたBUF肝癌細胞と、ト ランスフェクトされていないBUF肝癌細胞をハンクスの平衡塩類溶液[HBSS; Sigma,St.Louis,ミズーリ州]の中で懸濁させた。なお、この溶液には、5% ウシ胎児血清(FCS)が補充されている。約3×103細胞を、4℃、50μlの 希釈液の中で30分間培養した。希釈液は、WT−RT1.Aaに対して多クロー ンBUF(RT1b)抗体を4倍、8倍及び16倍に希釈した液、又はR2/1 5S抗ラットRT1.AaクラスIの多形性モノクローン抗体[Bioproducts for Science,Indianapolis,インディアナ州]、又は抗ラットRT1.Aaクラスの単 一構造のモノクローン抗体MRC OX 18[Bioproducts for Science,India napolis,インディアナ州]を150倍に希釈した液である。洗浄後、フルオレセ イン(FITC)を接合したラビットの抗ラットIg[Zymed labs,San Francisc o,カリフォルニア州]の250倍希釈液50μlを細胞に加えられた。第2の培 養の後、細胞を洗い流して、1.5%パラホルムアルデヒドと結合させた。FI TCラビット抗ラットIgでのみ染色された細胞を用いて、バックグラウンドの 特異性のない蛍光が測定された。分析は、ベクトン・ディッキンソンのレーザー フローサイトメトリーシステム[Mountain View,カリフォルニア州]に基づいて 行なわれた。データは、試料の蛍光とバックグラウンドの染色との差をプラスの 染色として計算され、細胞の割合として求めた。 図2に示す如く、野生型RT1.Aaの安定トランスフェクタントのFACS分 析の結果、抗RT1aの多クローン抗体又は特定の抗RT1.AaクラスIのRT 2/15Sモノクローン抗体では、(90%よりも大きな)陽性染色が上昇するこ とが分かった。更に、抗ラットRT1Aクラスの同一構造(monomorphic)のモノ クローン抗体MRC OX18で染色すると、トランスフェクトされ た細胞の方が、トランスフェクトされていない細胞よりもクラスI分子の全表面 発現は、より多くなることが分かった。 成人した雄の同系繁殖体のWFu(RT1a)ラット[Harlan Sprague Dawley,I ndianapolis,インディアナ州]には、1×105〜2×107の標準細胞又はトラ ンスフェクトされた細胞が、AClの心臓同種移植の7日前に注入された。移植 片の平均生存時間を計算により求めた。心臓移植 異所性の心臓移植組織をドナーのラット[Harlan Sprague Dawley,Indianapol is,インディアナ州]から得て、これを前述[Ono and Lindsey,1969,J .Thora cic Cardiovasc.Surg. 51: 225-229]した如く、腹腔内に入れた。ドナーの心 臓は、ヘパリンが加えられた心臓麻痺性溶液を冷やしたものを、大動脈の中を灌 流させた。これは、受容体を塩酸ケタミン(ketamine hydrochloride)[Parke-Da vis,Morris Plains,ニュージャージ州;100g重さ当り0.1 mg]で麻酔をかけた 後、大静脈及び肺静脈の結紮による回復前に行なわれた。腎臓の下の大静脈及び 大動脈の微小血管は、ドナーの肺動脈及び大動脈に吻合され、これは、8−0ナ イロン縫糸[Ethicon,Somerville,ニュージャージ州]を用いて行なわれた。低 温イシェミー時間(cold ischemia time)は、45分より短かった。心臓の活動状 態は、腹の触接により評価した。 データは、平均生存時間(MST)±S.D.として与えられ、t試験により比較し た。P<0.05の値は、統計的に有意差のあることを示した。 生後約4週間乃至6週間で、体重約160〜200g(RT1u)のWFuラッ ト[Helen Sprague-Dowdy,Indianapolis,インディアナ州]を、1〜2×107の 野生型RT1.AaでトランスフェクトされたBUF肝癌細胞(これは、標準の肝 癌細胞ではなく、トランスフェクトされていないBUF(TR1b)肝癌細胞)と 共に、ACI(RT1a)心臓の同種移植片の攻撃の7日前、皮下注射した。この 結果、移植された動物の平均生存時間は、夫々、5.4±0.5日間から3±0. 0日、又は2.8±0.4日へと縮まった(P<0.001)。静脈内での輸送(int ravenous delivery)は、免疫原性がより少なく、門脈ルートは効果がなかった。 これらのデータを図3に示す。 実験例2 キメラRT1.AaクラスI抗原の生産と特徴づけ ポリメラーザ連鎖反応(PCR)に基づいて、遺伝子のスプライシングを重複延 長(splicing with overlap extension)する方法(遺伝子のSOE操作)を用いて 、プライマーのパネルを使った3つのキメラ分子を作り出す。この方法は、次の 文献に記載されており、多くの目的のために引用することによって本願への記載 加入とする[Horton et al.,Biotechniques,8:528(1990),"Gen e Splicing by Overlap Extension: Tailor-Made Genes Using the Polymerase Chain Reacion]。 野生型RT1.AaのcDNAを含むプラスミドpBS3.3/1[Rada et al. ,1990,PNAS USA,87:2167-2171]は、5'及び3'のフランキング「外側プライ マー(outside primers)」のAとL(配列データ用の表1を参照)の間で、PCR 増幅反応するための鋳型として用いられた。なお、前記プライマーは、Eco R Iの制限部位と、内側重複する「SOE操作」のプライマーを含んでおり、 塩基置換を含んだ。最初のPCR反応では、5'の外側プライマー(500ng)を 1μl、最初の内側プライマー(500ng)を1μl、dNTP(25mM)を1μl、 DNA鋳型(1μl)を1μl、10X hot tubDNAポリメラーゼ緩衝剤を10μ l、hot tubDNAポリメラーゼ[Amersham,Arlington,イリノイ州]を1μl、 及びdH2O85μlを用いた。第2のPCR反応では、第2の内側プライマーと 3'のフランキング外側プライマーを用いた。 PCR反応は、鉱油(mineral oil)を適用して行なわれ、 94℃での変性(denaturation)を1分間; 53℃でのアニーリングを2分間; 72℃での伸長(elongation)を3分間; のサイクルを2回行なった後、 94℃での変性を1分間; 59℃でのアニーリングを2分間; 72℃での伸長を3分間; のサイクルを23回行なった後、72℃で10分間の伸長にて終了した。 2種類のPCR産物を低融点アガロースゲルの中で電気泳動させて、切出し(e xcision)用のDNAバンドを産生し、60℃で溶融した。第3のSOE操作のP CR反応では、2つの外側フランキングプライマーを用い、第1及び第2のPC R反応の溶融ゲルのスライス5μlをDNA鋳型として、1.6kbのRT1.Aaの DNA断片を産生し、これを切り出し、溶出し、エタノールを析出させ、70% エタノールで洗浄し、dH2Oの中で溶解した。これらの反応に使用されたプラ イマーを表1に示す: 内側(internal)プライマーB、C、D及びEを用いて、N末端置換えを行なっ た。 最初の4つの個々のPCR反応において、F、G、H、I、J及びKの6つの 内側プライマーを用いた。次に、プライマーAとLでSOE操作による反応を1 回行ない、アルファ−2ドメインを変えた。 これらの反応では、野生型RT1.AaのcDNAのN末端(N)、アルファ−1 螺旋領域(α−1h)又はアルファ−2ドメイン(α−2d)の中で置換が行なわれ た。これらの遺伝子の配列を、図4に模式化して示しており、産生されたキメラ の構成を表2に示す: 野性型RT1.AaのcDNAを含むプラスミドpBS3.3/1[Rada et al. ,PNAS USA,87:2167-2171,1990]が、5'と3'のフランキング外側プライマー (AとL)の間で、PCR増幅反応を行なうために、鋳型として用いられた。各プ ライマーは、EcoR I部位を含み、内側で重複するSOE操作を行なった2 つのプライ マーは、塩基置換を含んでいる。NHLA-A2.1−RT1.Aaの突然変異体は、ヒト HLA−A2.1のアルファ−1ドメインの最初のベータストランド及びループ の中の最初の20アミノ酸を符号化したN末端ヌクレオチドを担持している。3 つのPCR反応では、内側プライマーB及びCを用いて、ヌクレオチドのコード を、Leu5からMetに、Tyr9からPheに、Ala11からSerに、Le u17からArgに変更された。図5Aは、第1のPCR反応(プライマーA及び B;140塩基対、レーン2)と第2のPCR反応(プライマーC及びL;149 0塩基対、レーン3)の産物を示しており、これらは、第3のPCR反応(プライ マーA及びL)の中でSOE操作され、1.6kbのキメラcDNA(レーン4)を作 った。 アルファ−1hu−RT1.AaのcDNAは、アルファ−1ヘリックス(アミノ 酸51〜90)の中に、RT1.Auを含んでおり、このため、内側プライマーD 及びEを用いて、Glu58をAspに、Gln62をArgに、Gln63をGlu に、Arg65をGlnに、Ile66をLysに、Glu69をGlyに、Trp70 をAsnに、Ile73をAsnに、Asp77をSerに、Thr80をAsnに変 えた。図5Bは、第1のPCR反応(プライマーA及びD)が300の塩基対断片 (レーン2)を作り出したことを示しており、塩基対断片は、第3のPCR 反応(レーン4)の中で、第2のPCR(プライマーE及びL、レーン3)により作 られた1310塩基対断片の中にSOE操作が行なわれた。 アルファ−2Du−RT1.Aa突然変異体は、アルファ−2uドメイン(アミノ 酸91−182)を含んでいるので、Glu97をArgに、Ser105をThrに 、Glu148をAspに、Arg151をGlyに、Try152をValに、Ser1 69 をArgに、Leu174をHisに、Ser182をLeuに変えることができる 。図5Cに示される如く、PCR1(プライマーA及びF、レーン2)、PCR2 (プライマーG及びH、レーン3)、PCR3(プライマーI及びJ、レーン4)、 PCR4(プライマーK及びL、レーン5)の4つの初めのPCR反応の中で、F 、G、H、I、J及びKの6つの内側プライマーが用いられた。4つのPCR断 片(400、150、120及び990塩基対)が、最後の1つのPCR反応(プ ライマーA及びL、レーン6)の中で、SOE操作された。PCR産物のサブクローニング及び配列 野生型と突然変異を起こしたRT1.AaのPCR産物を個々に、pT7ブルー のTベクター[Novagen,Madison,ウィスコンシン州]の中に結紮した。前記ベ クターは、各端部に単一の3'dT残基と、T4 DNAリガーゼ[Promega,Mad ison,ウィスコンシン州]を用いた耐 アムピシリン遺伝子を含んでいる。Epicurean Coli XL-1Blue MRF'コンピテント 細胞[Stratagene,La Jolla,カリフォルニア州]は、結紮混合物により耐アム ピシリン細胞の中に転換され、LBアムピシリンプレートの上に載せられた。生 存している群体は、アムピシリン(100mg/ml)を含む5mlのLB培地の中で、 別個に増殖され、プラスミドDNAがミニプレプ(mini-prep)により抽出され、 EcoR Iにより消化され、1.6kbRT1.Aa断片を存在させるためにスクリ ーンされた。陽性群体は、250mlのLBアムピシリン培地の中で別々に培養さ れ、プラスミドDNAは、Qiagen-tips500[Qiagen,Chatsworth,カリフォル ニア州]を用いて、製造者の仕様に基づいて、マクシプレ(maxi-pre)により抽出 された。プラスミドDNAの配列形成は、2つの外側プライマーと多数の内側プ ライマーを用いて、蛍光ベースのTag dyedeoxy[商標名]ターミネーターのサイ クル配列形成キット[Applied Biosystems,Foster City,カリフォルニア州]を 用いて、2つの方向に行なわれた。要するに、20μl反応(TACS緩衝剤、d NTP合剤、dyedeoxy A、G、T及びCのターミネータ、ampliTag DNAポリメラ ーゼ、DNA鋳型、及びプライマー)は、25の熱サイクル反応(96℃で30秒 ;50℃で15秒;60℃で4分)で行なわれ、Centri-Sepスピンカラム[Princ eton Separations,Adelphia,ニュージャージ州] で精製され、アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)の373A DNAシーケンサに装填された。データ分析は、マッキントッシュII Ciコ ンピュータにより、ABI373A分析ソフトウェア(バージョン1.1.1)を用 いて行なわれた。変更されたアミノ酸と核酸の配列を図6に示しており、ここで は変化された残基にアンダーラインが付され、ドット印は、野生型RT1.Aa配 列からどんな変化も無かったことを示している。BUF(RT1b)肝癌細胞のトランスフェクション SV40プロモータを含む真核発現ベクターpSG5[stratagene,LaJolla ,カリフォルニア州]の中でサブクローン化された野生型又は突然変異したRT 1.AaのcDNAは、リポフェクチン試剤[Gibco,Grand Island,ニューヨーク 州; Felinger et al.,1987]を用いてBUFモリスヘプトーム7316A細胞 [Matsuji et al.; 1974,Acta Med Okyama 28: 281-293]をトランスフェクシ ョン(transfection)するために用いられた。リポフェクチン(25μl)−プラス ミドDNA(10μg;pSG5−RT1.Aa:pSV2NEO;10:1)の複 合体は、60mm組織培養皿の中の4ml無血清培地[完全RPMI;Sigma,St.Lo uis,ミズーリ州]の中の2×105細胞に加えられた。37℃で6時間培養した 後、培地はウシ胎児血清(FCS)−RPMIで置き換え られた。更に48時間培養した後、安定なトランスフェクタントが、400μg/ ml(最終濃度)のジェネティシン[G418; Gibco,Grand Island,ニューヨーク州 ]を添加することにより選択された。生存する群体は増えて、TR1.Aaの表面 発現を分析した。 実験例1の記載と同じ様に、フローサイトメトリ分析を行ない、野生型の表面 発現、又はトランスフェクトされたBUF(RT1b)細胞のキメラRT1.Aaの 表面発現を検出した。 安定なキメラトランスフェクタントは全てのものが、同様な表面染色レベル、 つまり90%よりも多いレベルの表面染色を示した。これに対し、トランスフェ クトされなかった肝癌細胞の表面染色は約38%に過ぎなかった。これらの結果 を図7A〜7Eと、表3に示す。 実験例3 BUF宿主におけるキメラRT1.Aa抗原の免疫原性 成人した雄の同系繁殖体のバッファローラット(BU F;RT1b)を、Harlan Sprague Daroley[Indianapolis,インディアナ州]から 購入し、底部にワイヤーが付けられたケージの中に入れて、明と暗のサイクルが 繰り返し行なわれた。ラットは、水と食べ物を自由に摂取できる状態におかれた 。BUFの宿主は、トランスフェクトされた肝癌細胞ラインと同じハプロタイプ をもっており、この宿主は、ACI(RT1a)、又はWistar Furth(WFu;RTu )の心臓の同種移植片で移植を行なう7日前に、野生型又は実施例2の突然変異 したキメラ抗原のどちらか一方をもった2×107細胞が皮下注射された。 心臓移植は、実験例1に記載したのと同じ要領にて実施した。 表4に示される様に、置換されたアルファ−2uドメイン配列、又は置換され たN末端HLA配列を有するキメラMHCクラスI抗原を持った細胞を注射する と、両方とも、BUF(RT1b)宿主を、WFu(RT1u)ドナーではなく、AC I(RT1a)から移植片に対して免疫にした。これに対し、置換されたアルファ −1u螺旋配列を持ったキメラ抗原は、BUF(RT1b)受容体を、ACI(RT 1a)ドナーの同種抗原に対してではなく、WFu(RT1u)に対して感作した。 これらの事実により、アルファ−1の螺旋領域(但し、RT1.AaとRT1.Au のクラスI同種抗原のアルファ−2ドメインではない)は、移植拒絶反応の加速 を誘導する優性の免疫原 性エピトープを含んでいることがわかる。更に、アルファ−1u螺旋配列で置換 された突然変異体に存在するN端末aのエピトープは、ACI(RT1a)移植片の 拒絶反応の加速を誘導することはできなかった。 実験例4 WF受容体におけるキメラRT1.Aa抗原の免疫原性 成人した雄の同系繁殖体であるWF(RT1u)ラットを実験例3の記載と同じ 要領にて購入し、ケージに入れた。WFラットは、キメラMHCクラスI分子α −1hu−RT1.Aa及びα−2du−RT1.Aaの置換配列と同じ様なハプロタ イプの配列を有している。これらの動物は、1×105〜2×107のACI(R T1a)の脾細胞、又は、キメラ突然変異体WT−RT1.Aa、NHLA-A2.1−RT 1.Aa、α−1hu−RT1.Aa又はα−2du−RT1.Aaでトランスフェクト された肝癌細胞を、 実験例1及び3に記載した方法に基づいて、ACI(RT1a)の心臓の同種移植 片で移植する7日前に、皮下注射することにより、免疫性が与えられた。 10×106のACI(RT1a)の脾細胞で免疫すると、移植された動物の平均 生存時間は5.4±0.5日から2.3±0.5日(p<0.001)まで縮まり、一 方、20×106のWT−RT1.Aa又はNHLA-A2.1−RT1.Aa(Naエピトー プを欠いている)は、ACI(RT1a)の移植拒絶反応を2.8±0.4日(p<0. 001)及び4.2±0.4日(p<0.001)まで加速した。これらのデータを表 5に示す。 図8に示される様に、平均生存時間(50%指数)の半分とするには、WF受容 体には、7.5×106のACI細胞、20×106のWT−RT1.Aa又は57 ×106のNHLA-A2.1−RT1.Aaのトランスフェクタントが注射されなければ ならない。 しかし、α−1hu−RT1.Aaトランスフェクタントは、α−1a螺旋エピト ープを欠失しているので、20×106を投与してもACI(RT1a)移植片(平 均生存時間:5.4±0.5、NS;図8)の拒絶反応の加速を誘導することはで きなかった。このデータは、免疫優性で免疫原性のあるエピトープがこの領域に 存在することを確認するものである。WT−RT1.AaとNHLA-A2.1−RT1. Aaのトランスフェクタント(p<0.001;図8)の免疫原性が相違することは 、N末端の置換えによって、免疫原性がある亜優性のエピトープが除去されるこ とを示唆している。 なお、免疫原性があるNaとα−1haエピトープはα−2du−RT1.Aaキ メラトランスフェクタントに存在すると推定されるが、これらエピトープはWF 受容体(平均生存時間:4.9±0.4、NS;図8)に免疫性を与えることはでき なかったことと対比される(但し、この突然変異体は、ACI(RT1a)の心臓に 対してBUF(RT1u)動物を感作した)。宿主型α−2duのフランキング配列 は、免疫原性があるドナー型α−1aエピトープに対する宿主の反応調節能力を 低下させた。 この調節能力の低下を確認するために、限界希釈分析を行ない、正常ラットと 免疫WFラットのリンパ腺(LN)細胞における抗ACI細胞障害性T細胞(fT c)のインビトロ頻度を量的に求めた。限界希釈分析 プレートは底部に96マイクロリットルの窪みを有し、窪みの中には、10% の熱不活性化されたFCSと、10ユニット/mlMの精製されたIL−2[Colla borative Research Inc.,bedford,マサチュセッツ州]で補足された完全RPM I 1640の培地の中に、5×104個の照射された(2000ラット)免疫原 性脾刺激体(splenic stimulators)が入れられており、キラー細胞(responder ce lls)を1:25,600乃至1:400まで24段階に希釈したものを1組とし て、文献[Ito et al.,1990,Transplantation 49: 422-428]に記載された方法 により、プレートの窪みの中に植種した(seeded)。37℃で7日間培養した後、 37℃で6時間培養をさらに行ない、各窪みにおける細胞障害活性を評価した。 1×104個のACI又はWFの標的細胞は、予めConcanavalin A(Con A)で3日 間刺激が与えられ、200〜500mCi/mg Cr[Amersham,Arlington,イリノイ 州]の比活性がラベルされている。カートリッジ収集システム[Skatron Inc., Stering,バージニア州]を用いて、得られた上澄から51Crを放出し、これを ガンマカウンターの中で測定した。 得られた結果につき、クロムの自然放出の平均が標準偏差(SD)の3倍を超え るときの値に、陽性(positive)の符号を付した。fTcの95%信頼限界を有す る最小 χ(カイ)二乗推定値は、キラー細胞の個数と、陰性細胞の数の自然対数とのポア ソン分布関係により得られた。最尤推定量と最小χ二乗値とのひらき(divergenc e)が10%未満で、χ二乗表から推定される確率が0.05よりも大きいとき、 「単一ヒット(a single hit)」のポアソンモデルと一致するものとみなした。 このデータは図9に示されている。予想されたように、ACIの脾細胞又はW T−RT1.Aaのトランスフェクタントは、両方とも、移植拒絶反応の加速を誘 導するものであり、これらの投与により、fTcは、実験に使われていない動物 での1:12638から、1:2548及び1:3474まで夫々増加した。こ れに対し、α−2du−RT1.Aaのトランスフェクタントは同種移植片の拒絶 反応を加速しなかったため、最初はfTcを1:3861まで増加させ、次に、 陰性調節細胞にV字形プロフィールの特徴をもたらし、その活性は1:6400 0より少ないfTc値では明白である[Florence et al.,1989,Transplantation 47:156,162]。同種抗体の検出 階段希釈された実験血清(1:4、1:16又は1:64)をACIリンパ腺( 3×103)と共に、4℃で30分間培養処理し、1週間経過した後のWFラット から得た血清の中で、抗ACI(RT1a)結合同種抗体が検出された。洗浄後、 FITCが接合されたラビットの抗ラ ットIgG(1:250)又はラビットの抗ラットIgM(1:100)の50μl が、第2の培養に対して添加された。細胞は洗浄されて結合された(fixed)。染 色の強さは、平均のチャンネルシフト(mean channnel shift)(MCS)として表 わした。このMCSは、試料の平均蛍光と、フルオレセインを有する第2の抗体 のみから得られた平均蛍光との差である。抗IgGへの結合は図10Aに示され 、抗IgMへの結合は図10Bに示されている。 実験血清における細胞障害性の抗ACI同種抗体は、補体依存性で抗体仲介さ れた2段階の細胞障害性分析により検出された。血清は56℃で30分間、熱不 活性化され、96マイクロリットルの窪み部付プレートの中で、HBSSを用い て、5%FCSと共に階段希釈された。51Crのラベルが付されたACIリンパ 腺の標的細胞(1×105)が各窪み部に加えられ、4℃で30分間培養された。 低毒素のラビット補体[Cedar Lane,Toronto,カナダ]を50ml(8倍に希釈) を加える前に、細胞は洗浄され、その後、37℃で30分間培養された。上澄が 集められ、ベックマンのガンマカウンターにより放射能が求められた。最大溶解 (maximum lysis)は、0.8%Triton[Sigma,St.Louis,ミズーリ州]で処理す る際に、標識ターゲットから放出される51Crに基づいている。補体単独との培 養により得られたバックグラウンド計数 は10%最大溶解よりも少なかった。特異的溶解のパーセントは次の要領により 求めた。 細胞障害性抗体の存在は図10Cに示されている。 α−2du−RT1.AaトランスフェクタントをWF(RT1u)宿主に注射した が、抗RT1a同種抗体の産生を刺激することはできなかった。これは、WT− RT1.Aa、NHLA-A2.1−RT1.Aa及びα−1hu-RT1.Aaを持ったトラン スフェクタントは全てのものが、補体非依存性のIgG抗体の産生を引き起こし たが、IgM抗体の産生を引き起こさなかったことと対比される。これらの結果 より、ドナー型α−1aの免疫原性があるドメインを、受容体型α−2uドメイン と組み合わせると、同種移植片に対する感作を抑制する調節反応を誘導できるこ とがわかった。 実験例5 ACI受容体におけるキメラRT1.Aa抗原の免疫原性 WF(RT1u)脾細胞、野生型、又はキメラRT1.Aaトランスフェクタント( 2×107)は、これまでの実験例の中で記載した方法及び分析を用いて、WF( RT1u)の心臓移植を行なう7日前に、ACI(RT1a)受容体に皮下注射され た。ACIは、実験例2のキメラ抗原の主鎖(backbone)と同じハプロタイプを有 している。注射 処理が行なわれた動物の平均生存時間を表6及び図11に示している。 WF脾細胞は、移植された受容体の平均生存日数を5.4±0.6日から4.0 ±0.7日(p<0.01)に縮めた。一方、同種同系のWT−RT1.Aaトランス フェクタントは効果がなかった(5.5±0.5;NS)。NHLA-A2.1−RT1.Aa 、α−2du−RT1.Aa及びα−1hu−RT1.Aaのトランスフェクタントが 移植されたWF(RT1u)心臓の平均生存時間は、8.7±1.0日(p<0.01) 、9.2±1.3日(p<0.001)、14.0±10.3日(p<0.01)であり、 注射処理をしていない標準の5.9±0.6日と比べて少し長くなった。 さらに、表7及び図12に示されるように、NHLA-A2.1−RT1.Aa、α−2 du−RT1.Aa又はα−1hu−RT1.Aaを持ったトランスフェクタントで免 疫すると、ACI(RT1a)ラットのリンパ腺細胞におけるW F同種異系抗原に対するfTcは、1:15572、1:20689及び1:6 5622となり、実験をしていない動物が1:11264であるのと比べて少な くなった。これは、WF脾細胞で免疫したとき、fTcが1:7541に増加し たことと対比される。これらのデータは、免疫原性のあるものを皮下注射したと きも、キメラRT1.Aa分子、特に受容体のN末端及びα−2ドメイン配列によ りフランクされたドナーのα−1ヘリックスを持った分子に免疫寛容原性能力が あることを示している。 実験例6 RT1a受容体のRT1u同種移植片に対するα−1u−RT1.Aaによる寛容性 への誘導 CsA療法と共に、移稙中、抗原を投与した臨床的に関連のあるモデルについ て、準自己型のキメラ抗原の免疫寛容原性をさらに調べた。このモデルは、例え ば、文 献[Didlake et al.,1988 Transplantation 46:743-747;Florence et al.,1989 Transplantation 47:156-162; Ito et al.,1990 Transplantation 49:422-428; Hamashima et al.,1994,in press; Yasumura et al.,1983 Transplantation 36 :603-609]に記載されている。 WF(RT1u)心臓のACI(RT1a)受容体には、CsAを7日間経口投与す る(10mg/kg; 0−6日)と共に、さらに、NHLA-A2.1−RT1.Aa、α−1hu −RT1.Aa又はα−2du−RT1.Aaのトランスフェクタントから、又はト ランスフェクトされていないBUF肝癌細胞(RT1b)から、又はドナー型WF( RT1u)のヘパトシステスから調製した3M KCl抽出物(10mg)を、手術直 前に1回、門脈への静脈注射を行なった。 KCl抽出物は、3m KClで18時間処理することにより細胞から調製さ れ、その後、蛋白質の配列(configuration)、濃縮(concentration)及びPBSに よる透析が行なわれた。これは、文献[Reisfeld and Kahan,1970,Fed .Proc. 29:2034-2040]に記載された要領にて行なわれた。 MHC抗原(e−HAg)は、正常なBUF肝癌細胞、WTから、又は前述した ように安定なキメラトランスフェクタント[Reisfeld and Kahan,1970,Fed .Pr oc. 29:2034-2040]から得られた3M KClで抽出された。MHC抗原、e− HAg(10mg)は、移植の日に直ちに 門脈から投与され、その後7日間、10mg/kg/dayのCsAを0日から6日まで 、強制的に経口投与された。CsA粉末は、Sandoz[Basel,スイス]から入手し 、1%エチルアルコールと99%Cremophor[Sigma,St.Louis,ミズーリ州]の 混合物の中で溶解された。データを表8及び図13に示す。 CsA単独投与したものは、WF心臓同種移植の生存時間は16.2±1.6日 に延びた。WF(RT1u)のヘパトシテス、WT−RT1.Aa、NHLA-A2.1−R T1.Aa、α−2du−RT1.Aaのトランスフェクタント、又はトランスフェ クトされなかったBUF肝癌細胞(図10)から得られたKCl抽出物については 追加の効果はなかった。これは、α−1hu−RT1.Aaの抽出物が、受容体の 80%までが、その生存時間は著しく延びた(平均生存時間>170日、p<0. 001)ことと対比される。 60日以上、WF(RT1u)の心臓の同種移植が行なわれたACI(RT1a)受 容体の中で、5つの受容体は、ドナー型WF(RT1u)の二次的で異所の心臓移 植片(平均生存時間>120日)を受け入れた。これに対し、3つの受容体は、第 三者のBrown Norway(RT1u)の二次的で異所の心臓移植片を直ちに拒絶した(平 均生存時間は7.0±1.7時間)。二次的な移植組織は、首部の血管に吻合され た。 その次に、これら寛容性のACI受容体は、ドナー型WFの皮膚の同種移植片 を21日よりも長く受け入れた(n=8)が、第三者のBrown Norwayの皮膚の同種 移植片は8.01±0.0日以内に拒絶した。 これらの結果は、CsAに加えて、同種同系の配列を持ったフランキングα− 1の免疫原性エピトープが、ドナー特異的な移植寛容性を誘導すること示してい る。 発明を詳細に説明したが、当該分野の専門家であれば、技術、手順、材料及び 装置について種々の変形をなし得るであろう。本発明は、添付の請求の範囲の記 載及び精神の範囲内におけるそのような変形も包含するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07K 14/705 9356−4H C07K 19/00 19/00 9637−4B C12P 21/02 C // C12P 21/02 9051−4C A61K 37/02 ABC (C12P 21/02 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,UZ,VN (72)発明者 カーン,バリー ディー. アメリカ合衆国 77024 テキサス,ヒュ ーストン,レイン ホロウ 4

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. キメラ主要組織適合性複合体クラスI分子であって: N端末領域と螺旋領域を有するアルファ−1ドメイン;及び アルファ−2ドメイン; を含んでおり、アルファ−1ドメインの螺旋領域は、異なる対立遺伝子の主要 組織適合性クラスI分子のアルファ−1ドメインの対応する螺旋領域と置換えら れている。 2. 置換えられた螺旋領域は、特定されたドナーの対立遺伝子型主要組織適合 性複合体クラスI分子に一致している請求項1のキメラ分子。 3. N末端領域とアルファ−2ドメインは、特定された受容体の対立遺伝子型 主要組織適合性複合体クラスI分子と一致している請求項1のキメラ分子。 4. キメラ主要組織適合性複合体クラスI分子であって: 特定された受容体の対立遺伝子型N末端領域と、特定されたドナーの対立遺 伝子型螺旋領域を有するアルファ−1ドメイン;及び 特定された受容体の対立遺伝子型のアルファ−2ドメイン; を含んでおり、特定された受容体とドナーの対立遺伝子型は、主要組織適合性 クラスI分子の異なる対立遺伝子型である。 5. 主要組織適合性クラスI分子を符号化するキメラ遺伝子であって、該遺伝 子は: 特定された受容体の対立遺伝子型N末端多形性アルファ−1領域を符号化す る核酸配列; 特定されたドナーの対立遺伝子型多形性アルファー1螺旋領域を符号化する 核酸配列;及び 特定された受容体の対立遺伝子型のアルファ−2ドメインを符号化する核酸 配列; を含んでおり、受容体型とドナー型は、主要組織適合性複合体クラスI分子の 異なる対立遺伝子型である。 6. ドナーの移植片に対し受容体の寛容性を誘導する薬学的組成物であって、 該組成物は、薬学的に許容できる担体の中に、寛容性の誘導に有効な量のキメラ 主要組織適合性複合体クラスI分子を含んでおり、該分子は、特定された受容体 型N末端領域及び特定されたドナー型螺旋領域を含むアルファ−1ドメインと、 特定された受容体型のアルファ−2ドメインを有しており、ドナーの対立遺伝子 の主要組織適合性複合体クラスI型と、受容体の対立遺伝子の主要組織適合性複 合体クラスI型は異なっており、アルファ−1ドメインのN末端領域と、アルフ ァ−2ドメインのN末端領域 は、受容体と同じ対立遺伝子型であり、アルファ−1ドメインの螺旋部分は、ド ナーと同じ対立遺伝子型である。 7. キメラ分子は、分子を発現する細胞の抽出物として提供される請求項6の 薬学的組成物。 8. キメラ分子は、分子を発現する全細胞として提供される請求項6の薬学的 組成物。 9. キメラ分子は、精製された糖蛋白質として提供される請求項6の薬学的組 成物。 10.ドナーの移植片に対し、受容体の寛容性を誘導する方法であって: 受容体に対し、寛容性を有効に誘導する量のキメラ主要組織適合性複合体ク ラスI抗原を投与するステップを有しており、アルファ−1ドメインとアルファ −2ドメインのN末端部分は、受容体の対立遺伝子型からなり、アルファ−1螺 旋領域はドナーの対立遺伝子型からなり、受容体の対立遺伝子型とドナーの対立 遺伝子型は異なっている。 11.投与は、ドナーの移植片を移植する時に行なわれる請求項10の方法。 12.サイクロスポリンが投与される請求項10の方法。 13.サイクロスポリンは、移植後約7日間毎日投与される請求項12の方法。 14.キメラ分子は、手術中1回投与される請求項13 の方法。 15.キメラ分子は、細胞の抽出物の形態である請求項10の方法。 16.キメラ分子は、分子を発現する細胞の形態である請求項10の方法。 17.キメラ分子は、実質的に精製された糖蛋白質の形態である請求項10の方 法。 18.投与は注射により行なわれる請求項10の方法。 19.注射は門脈の中に行なわれる請求項18の方法。 20.投与により、受容体の中の抗ドナー抗体の産生が抑制される請求項10の 方法。
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