【発明の詳細な説明】
内燃エンジンの制御
本発明は、内燃エンジンの作動の制御に関し、より詳しくは内燃エンジンの速
度および/または負荷の制御に関する。
エンジンの作動の制御においては、数多くの制御機能が、エンジンの作動状態
を変化させる構成要素の動きを必要とする。そのような動きを生じさせるために
電気的に若しくは電子的に作動させられる装置を使用することは、現在共通に行
われているが、そのような装置は通常、検出されたエンジンの作動状態に応じて
操作される。そのような装置は、検出信号によって直接制御されるか若しくは検
出信号が入力する電子制御装置(ECU)によって制御される。このような制御
は効果的でありかつ正確であるが、電気的若しくは電子的装置は製造したり購入
したりするには比較的高価であるばかりでなく、電気的エネルギの本格的な供給
源を必要とする。これらのコスト要素は、低コストの小排気量エンジンにおいて
は特に重要である。
内燃エンジンから排出される排気ガスエミッションの量を低減させることに関
して言えば、自動車エンジンばかりではなく、プレジャーボート用の船用エンジ
ンや自動二輪およびスクータ用の小排気量エンジン等、広い範囲にわたるエンジ
ンについて、排気ガスを許容レベル以下とするための制御が導入されるべきであ
ると認識されている。また、様々な形態の固定されたエンジン、および芝刈り機
およびチェーンソー等の装置に用いられる比較的低コストかつ小排気量エンジン
についても、燃料消費量および排気ガスが制限される傾向にある。
特に2サイクル・エンジンにおける排気エミッションの最も効果的な制御は、
燃焼室に燃料を直接噴射することによって達成される。燃料の調量、噴射および
点火を含む燃焼過程のすべての状況を制御するべくプログラムされた高性能の電
子制御ユニット(ECU)を有する洗練されたエンジン管理システムを装備する
ことは、比較的大きい排気量のエンジンを備えた自動車にとっては、経済的に受
け入れ可能である。しかしながら、そのようなエンジン・マネジメント・システ
ムのコストは、小型船用エンジン、自動二輪およびスクータ用エンジン、芝刈り
機用エンジン等の比較的低コストかつ小排気量エンジンの作動制御に用いるには
、あまりに高すぎる。
そのような小排気量エンジンの、燃料供給制御におけるチャレンジを提示する
作動領域は、エンジン・アイドル状態である。すなわち、各シリンダによって要
求される燃料の量は比較的少なく、かつ正確に制御できることは間違いがないか
らである。以前に、アイドル状態における燃料供給制御を達成するには、電子制
御装置(ECU)によって制御される線形ステッパーモーターのような電気的な
構成部品の使用を必要とする。この装置は、燃料システムのトータル・コストに
比較して高価であり、いくつかのアプリケーションにおいては、速度制御の所要
レベルを達成するために必要ではあるけれども、その使用は望ましくない。さら
に、ステッパモーターについては、長期間の使用における耐久性が、いくつかの
環境下においては所望のレベルより低いことが見いだされているとともに、振動
や信頼性等の問題も関連している。
したがって、本発明の目的は、効果的で信頼性があり、かつ比較的低いコスト
でエンジン・コントロールシステムに組み込むことができる、内燃エンジンの作
動を制御する方法および装置を提供することにある。
少くともエンジンの作動範囲の一部において内燃エンジンを作動させる方法は
、エンジンの作動と関連する供給源から供給される流体の圧力を制御する段階と
、少なくとも一つのエンジン作動パラメータを制御するために前記制御された圧
力を適用する段階とを含む。
より詳しくは、エンジンの作動と関連する供給源から供給される流体の圧力を
、エンジンの作動要求に基づいて修正する段階と、前記作動パラメータの制御を
活性化させるために修正された流体圧力供給源を適用する段階を含む、少くとも
エンジンの作動範囲の一部において内燃エンジンを作動させる方法が提供される
。
流体圧力の使用によって制御されるエンジンの代表的なパラメータは、エンジ
ンの回転速度、燃料の供給率および供給時期、および点火時期である。
好ましくは、前記流体圧力は、エンジンの作動から生じたガス圧である。例え
ば、前記ガス圧は、クランク室掃気形2サイクル・エンジンのクランク室内のガ
ス、または、圧縮空気および圧縮ガスが燃料を噴射させるために用いられる2流
体燃料噴射装置における空気供給源若しくはガス供給源から導き出される。
これに対して、エンジン吸入システム若しくはエンジン排気システムから調達
可能なガス圧は、エンジンの作動パラメータの制御を生じさせるエネルギを提供
するために使用される。作動中における特定機能を実行するべく、圧縮ガスを提
供するコンプレッサーを備えたエンジンにおいては、コンプレッサーの吸気側若
しくは供給側のガスの圧力が、前記制御を生じるために使用される。そのような
コンプレッサーは、圧縮ガス、便利には圧縮空気を上述した2流体燃料噴射装置
を経由してエンジンの各燃焼室に供給し、燃料供給を生じさせるために設けられ
る。
本発明の一つの好ましい実施形態において提供される、エンジン負荷およびエ
ンジン速度の範囲の少なくとも一部にわたって内燃エンジンを作動させる方法は
、エンジン作動パラメータの少なくとも一つを制御する制御手段を動かすために
エンジンの作動から導かれたガス圧を負荷する段階を含む。
便利には、ガス圧は、エンジンの回転速度や負荷の変化に関連して圧力が変化
する供給源から導かれる。これに対して、ガス圧を、実質的に不変の圧力供給源
から導くとともに、
制御手段を動かすために選択された方法によって負荷し、アクチュエータの正反
対若しくは複数の方向における変化を成し遂げ、エンジン作動の少なくとも一つ
のパラメータを制御することができる。
1つの配置においては、ガスの圧力が、知られている波形において周期的とさ
れ、かつエンジン・パラメータの制御を生じさせる制御手段を活性化させるため
に、圧力波の高いおよび/または低い圧力の部分を選択的に負荷するための準備
がなされる。
周期的な圧力の供給源として、上述したクランク室掃気形2サイクル・エンジン
のクランク室を用いることができる。
1つの特定の実施形態においては、本発明は内燃エンジン、特に2サイクル内
燃エンジンの各シリンダに対する燃料供給の制御に適用される。より具体的には
、少なくともエンジンが選択された速度範囲において作動しているときに、燃料
供給率が燃料制御部材の物理的な動きによって制御される、内燃エンジンの回転
速度を制御する方法が提供される。そして、前記方法は、エンジンの作動によっ
て生じ、かつエンジンの回転速度応じて変化するガス圧から生み出される力によ
って、燃料制御部材の物理的な動きを生じさせる段階を備える。
便利には、前記ガス圧によって生み出された力は、燃料制御部材若しくは前記
燃料制御部材の動きを生じさせる中間部材の動きを生じるために負荷される。好
ましくは、前記力は、線形変位が可能で、かつ燃料制御部材に連結された、ピス
トン若しくはダイヤフラムのような作動手段にガス圧を負荷することによって生
み出される。この形の燃料供給率の制御は、好ましくはエンジン回転速度が、少
なくともアイドル状態若しくはアイドル状態に近い状態にあるときに実行される
。
便利には、燃料は圧縮ガスに伴われてエンジンに供給されるが、その圧縮ガス
が燃料制御部材の動きを生じさせる。
より具体的には、燃料噴射内燃エンジンの回転速度を制御する方法が提供され
る。ここで、少なくともエンジンがアイドル状態のとき若しくは選択された速度
範囲において作動しているときに、燃料はガスに伴出されて噴射される。燃料供
給率は、燃料制御装置部材の物理的な動きによって制御される。そして、前記方
法は前記ガスの圧力に応じて生み出された力によって前記燃料制御部材の動きを
生じさせる段階を備える。
好ましくは、選択された速度範囲は、エンジンの通常のアイドル速度若しくは
他の速度範囲を含むが、作動速度の変化は制限されている。好ましくは、エンジ
ンが選択された速度範囲の外側で作動しているときに動作する、エンジンに対す
る燃料の供給率を制御する他の形態が提供される。そして、その他の形態の制御
はは、単独で、若しくは上述した燃料制御装置部材と協力して動作する。
便利には、燃料を噴射するために使用されるガスの圧力は、特にアイドル状態
においては、エンジンの回転速度の変化に応じて変化する。好ましい形態におい
ては、燃料の噴射に用いられるガスは、リザーバ内に保持されるとともに、エン
ジンの燃焼室が圧縮行程を経ているときに、エンジンの一つ以上の燃焼室からリ
ザーバに供給される。したがって、リザーバ内におけるガス圧の変化は、その燃
焼室のエンジン・サイクルに関連する燃焼室からリザーバへの空気供給の終了時
点を調整することによって達成できる。典型的には、圧縮行程において前記終了
時点がピストンの上死点位置に近ければ近いほど、最終的にリザーバ内に貯蔵さ
れかつ供給されるガスの圧力は高くなる。
燃料がガスに伴出されて燃焼室に直接に噴射されるエンジンにおいては、ガス
若しくは空気の燃焼室からリザーバへの供給は、燃料噴射完了後の一定の期間の
間燃料噴射器を開いた状態に保つことによって、燃料噴射器を通してもたらされ
る。燃焼室内における圧縮圧力がリザーバ内における圧力を上回ると、ガスがリ
ザーバ内に供給され、リザーバ内の圧力上昇を引き起こす。したがって、燃料噴
射器の閉鎖タイミングを調節するによって、リザーバ内におけるガスの圧力を変
えることができる。しかしながら、エンジンが作動しているときには、燃料噴射
器動作の他の要素がリザーバ内のガス圧力に影響する。これらの他の要素は、単
独に若しくは協同して影響する下記の要素を含むが、これらに限定されるもので
はない。
(1)噴射の開始。
(2)噴射の期間。
(3)噴射の周波数。
(4)燃料噴射器・バルブのストローク。
このような使用にふさわしいガス・リザーバおよび燃料噴射器・バルブの代表的
な配置は、1つの形態が出願人による米国特許第4936279号に、また他の
形態が出願人によるPCT特許出願PCT/AU94/00210に、それぞれ
詳細に開示されている。
そしてその開示は、参照のために本明細書に組み込まれる。
リザーバに確立されたガスの圧力は、燃料制御部材の必要とされる動きを生じ
させるために使用される。
本発明の他の形態においては、少なくともアイドル状態若しくは選択された速
度範囲内で作動しているクランク室掃気形2サイクル内燃エンジンの回転速度を
制御する方法が提供される。ここで、燃料供給率は、燃料制御部材の物理的な動
きによって制御される。
また、前記制御方法は、前記エンジンのクランク室内の圧力に応じて発生させら
れた力によって、前記燃料制御部材の動きを生じさせる段階を含む。
前記燃料制御部材に作用する、クランク室内の圧力から生じた力のタイミング
および期間を制御する切り換え手段を経由して、前記燃料制御部材の物理的な動
きが制御される。さらに、クランク室圧力の正圧要素および負圧要素の両方、若
しくはそれらの組合わせが、燃料制御部材の動きを引き起こす力を生じさせるた
めに用いられる。
これに対して、燃料制御部材の動きを引き起こすガスの圧力によって生じる力
を、エンジンの空気吸入システムから導くこともできる。エンジンの回転速度お
よび/または負荷の変化に関連して吸入システム内の気圧が変化する性質は、燃
料制御部材を動かすために直接に用いられる。若しくは、吸入システム内のガス
圧は、単に、燃料制御部材を制御する圧力の供給源として使用される。後者の構
成においては、前述された切り換え手段は、燃料制御部材に作用する、圧力によ
って生じた力のタイミングおよび期間の制御に用いられる。
便利には、上述された供給源のいずれかに由来するガス圧は、チャンバー内に
配置され若しくはチャンバーの一部を形成するピストン若しくはダイヤフラムの
ような変位可能な部材に負荷される。そして、前記部材の変位の度合いは、前記
チャンバーの一部におけるガスの圧力によって決定される。変位可能な部材は、
直接若しくは間接的に燃料制御部材に接続され、前記チャンバー若しくはその一
部におけるガスの圧力に応じてエンジンに供給する燃料の量を制御する。
好ましくは、燃料制御部材は、ガス圧によって生じた力の減少が燃料供給率の
増加をもたらすように構成することもできる。
チャンバ若しくはその一部に保持されるガスの量は、必要とされる燃料料供給
率に関連して、かつガスの圧力に対比させて選択されることが好ましい。必要と
される燃料供給率に従って、前記チャンバ若しくはその一部からのガスの供給お
よび解除を制御するために、適当なバルブ操作が提供される。
要するに、燃料供給率のような、選択された作動範囲にわたるエンジンの選択
された機能的条件の作動制御は、利用可能なガス圧供給源の使用によって、好ま
しくは間接的に成し遂げられる。このとき、好ましくは、通常の作動の間におい
てエンジンから前記ガス圧取り込むこととすれば、追加の圧力供給源の準備や、
専用の圧力供給源を不要とすることができる。ガス供給源は、制御を働かせる際
に、制御を作動させるために、または圧力若しくは使用する期間を調整するため
に単純なオン/オフ方式で使用することができる。
また、エンジンの制御を生じさせるために使用されるガスに関する圧力の基準
値は、絶対圧、すなわち大気の常態値以下の圧力(負圧)を含む。
本発明は、本発明が提案するエンジン燃料供給率コントロールシステムのいく
つかの実際的な配置に関する以下の説明から、容易に理解される。
図面において、
図1は、内燃エンジンの回転速度を制御する本発明の一実施形態の概略図;
図2は、図1の回転速度コントロールシステムが適用される燃料噴射器を組み
込んだエンジン・シリンダヘッドの部分断面図;
図3は、エンジン速度制御装置の他の実施形態の概略図;
図4は、エンジン速度制御装置のさらに別の実施形態の概略図;
図5は、本発明が適用される燃料調量装置の断面図;
図6は、本発明が適用される本発明を適用する方法を示した図である。
図1には、アイドル状態における回転速度の制御のために特に使用されるエン
ジン速度制御機構の基本的なレイアウトが、ダイアグラム的に図示されている。
ロッド1は、その一方の端部が圧力アクチュエータ3のダイヤフラム2に直接連
結されている。ロッド1の他方の端部は、前記ロッド1の動きによって引き起こ
される動きに応じてエンジンに供給する燃料の供給率を制御する機構の一部とさ
れた、図示されない部材に直接的若しくは間接的に連結されている。燃料の供給
率を制御する装置は、本明細書においてより詳細に後述される。前記圧力アクチ
ュエータ3は、ダイヤフラム2を有した普通のダイアフラム式とされ、圧力チャ
ンバ5を形成するとともに、この圧力チャンバ5とは反対側においてダイヤフラ
ム2の側面に作用する、圧縮ばね4を有している。
エンジンの図2に示されるような燃料噴射装置のリザーバ7は、導管8を介し
て圧力アクチュエータ3の圧力チャンバ5と直接連通している。前記導管8は、
リザーバ7内におけるガス圧の高周波変動が圧力チャンバ5におけるガス圧の変
化をもたらすことを制限するオリフィス9を備えている。しかしながら、前記導
管8が、第二圧力チャンバ6と等しく連通していることは注意されるべきである
。図示されないけれども、導管8が連結されている圧力チャンバとは反対側の圧
力チャンバ(例えば図1における圧力チャンバ6)は、他の圧力チャンバ(例え
ば図1における圧力チャンバ5)内における圧力の増加若しくは減少に反応する
ことを可能にするために、典型的に大気に通気されている。
燃料噴射器・ノズル・ユニット30は、公知の方法によってエンジンのシリン
ダヘッドに取り付けられ、1つのシリンダの燃焼室内に直接に燃料を噴射するよ
うにされている。燃料噴射器・ノズルの開閉は公知の構造の電子制御装置(EC
U)によって公知の方法で制御され、エンジンへに対する燃料供給の開始タイミ
ングおよび期間の制御が行われる。
ノズル・ユニット30のノズルが開かれると、リザーバ7内の空気が調量され
た燃料と共にノズルを通して放出され、燃料の微粒化と搬送とを助ける。調量さ
れた燃料の燃焼室への供給に引き続いて、ノズルは追加された期間の間開いた状
態に保持される。これにより、燃焼室内のガスがリザーバ7内に補給されて、次
の燃料供給イベントを生じさせるために必要なレベルにまでガスの圧力が高めら
れる。噴射システムに対して圧縮空気を供給するというこの概念は、本願出願人
による米国特許第4936279号、および前述した本願出願人によるPCT特
許出願にPCT/AU94/00210号において詳細に開示されている。これ
らの特許は関連する特許として本明細書に記載される。
リザーバ7内のガス若しくは空気の基準圧力は、燃料噴射器・ノズルの開口タ
イミング、およびより重要には、燃焼サイクルの圧縮行程における燃焼室内のピ
ストン位置に関連する閉鎖タイミングによって決定される。典型的には、圧縮行
程における燃料噴射器・ノズルの閉鎖が遅くなればなるほど、リザーバ7内のガ
ス圧力は高まる。それゆえに、エンジンの回転速度が指定された回転速度、例え
ばエンジンのアイドル速度から変化した場合には、燃料噴射器・ノズルの開口お
よび/または閉鎖のタイミングを変化させることによって、リザーバ7内の圧力
を増加させ若しくは減少させることができる。このことは、翻って、圧力チャン
バ5内における圧力の増加若しくは減少の結果として、ダイヤフラム2のロッド
1の現在位置からの伸張方向若しくは短縮方向の変位を生じさせる。前記ロッド
1のそのような動きは、燃料噴射器・ユニット30に対する燃料供給率(すなわ
ち調量された燃料の燃料噴射器・ユニット30に対する供給)を調節し、エンジ
ン回転速度を後述される予め設定された値若しくは目標値に復帰させる。
一般に、リザーバ7内の圧力は燃料噴射器・ノズルの閉鎖に対してより敏感で
あるため、燃料噴射器・ノズルの閉鎖タイミングの制御がより重要である。しか
しながら、エンジンが働いている時には、燃料噴射器・ノズル作動の他の要素が
、同じくリザーバ7内のガスの圧力に影響する。このような影響を与える要素は
、下記の要素を単独で若しくは集合的に含むが、これらに限定されるものではな
い。
(1)空気噴射の開始
(2)空気噴射の期間
(3)空気噴射の周波数
(4)燃料噴射器・バルブのストローク
したがって、1つの実施形態においては、エンジンの回転速度が予め設定され
ている値若しくは目標値を下回ると、シリンダの圧縮行程において燃料噴射器・
ノズルはより早く閉鎖され、リザーバ7およびチャンバ5内の有効圧力が減少す
る。すると、図1に示されたロッド1は上方に移動し、後述されるようにエンジ
ンに対する燃料の供給率を増加させる。これに対して、エンジンの回転速度が予
め選択された値を越えて増加すると、燃料噴射器・ノズルの閉鎖タイミングが圧
縮行程において遅い側に調節され、リザーバ7およびチャンバ5内の圧力を増加
させる。すると、ロッド1は下側に移動し、エンジンに対する燃料供給率が減少
する。導管8が圧力チャンバ6に接続されている場合にはその逆が適用されるこ
とは明らかである。燃料調量装置のピストンのストロークの交互変化によってエ
ンジンに対する燃料の供給率を制御する方法については、本明細書において後に
詳述される。
導管8に設けられたオリフィス9の機能は、燃料噴射器・ノズルが開かれるた
びに生じるリザーバ7内の圧力変動を減少させることにある。それゆえに、圧力
アクチュエータ3のダイヤフラム2は、各サイクル毎のリザーバ7内の圧力変化
によっては影響されず、主にリザーバ7内のより長い期間における圧力変化に応
答して影響される。
アクチュエータ3を駆動するための他の圧力変化の供給源は、普通のスロット
ルにより制御される、エンジンの空気吸入流路である。エンジンが作動している
ときに、標準大気圧以下の圧力が、吸入流路の中に存在することは良く知られて
いる。そして、スロットルがセット・ポジションのときには、エンジンの回転速
度が増加するにつれて吸入流路における圧力がさらに減少するとともに、エンジ
ンの回転速度が減少するにつれて吸入流路における圧力は増加する。
それゆえに、もし図1に示す導管8が、ガス・リザーバ7に代えてエンジンの吸
気流路と連通している場合には、エンジンの回転速度に関連して変化する圧力を
、アクチュエータ3のダイヤフラム2に関して圧力チャンバ5とは反対側の圧力
チャンバ6に対して作用させることができる。すなわち、圧力源が標準大気圧以
下となっているために、導管8は、圧力チャンバ5ではなく圧力チャンバ6と連
通する必要がある。
このような配置においては、エンジンの回転速度が選択された値以上に増加し
た場合には、圧力チャンバ6内の圧力は減少し、(吸気流路内の負圧が増加し)
ダイヤフラム2は下方に動く。これに対して、エンジンの回転速度が減少した場
合にはダイヤフラム2は上方へ動く。それゆえに、エンジンに対する燃料の供給
率は、ロッド1の動きによって制御され、エンジンの回転速度は予め選択された
速度、特に予め定められたアイドル回転速度に維持される。この変形例において
は、前記ばね4は引張ばねとされるか、大気に通気されたダイヤフラム2の反対
側に配置される。
図1に概略的に示されている燃料噴射器・ノズル・ユニット30およびエア・
リザーバ7の配置の詳細は、図2に示されている。ここで、2サイクル・エンジ
ンのシリンダ頭部には、エア・リザーバ7、2流体燃料噴射器ユニット30およ
び点火プラグ35が組み込まれている。図2および以下の説明から、エンジンの
回転速度を制御するために、いくつかの既存のハードウェアを用いることができ
ることは明らかである。
2流体燃料噴射器30は、既知の構造を有するとともに、燃焼室20と連通す
るように、既知の方法によってシリンダヘッド19内の流路38に配置されてい
る。ガス・リザーバ7は、部分的にシリンダヘッド19内部のキャビティーとし
て、また部分的に分離可能なカバープレート17として形成されている。ガス・
リザーバ7は、流路26を介して連続的に流路38と連通している。
燃料噴射器ユニット30は、流路38に受けられているノズル13と、ソレノ
イド・ユニット48によって制御されるポペット・バルブ16とを有している。
ソレノイド・ユニット48は、既知の方法によって周期的に励磁され、バルブ1
6を開閉して燃焼室20に燃料および空気を供給する。
燃料調量装置14は、調量された燃料を、燃料配管14Aおよびニードル18
を介して、流路26と直接連通する流路42の喉部に、周期的に供給する。燃料
は、バルブ16のステム22の下端部23を囲むとともに、バルブ16の頭部2
4の上流側と直接連通している環状のキャビティー25に移る。流路26は、
燃料噴射器30のノズル15内において横方向に配置されるとともに、シリンダ
ヘッド19内のリザーバ7と燃料噴射器ユニット30内の環状キャビティー25
との間を連続的に連通させている。
上述した燃料およびガスを用いるエンジンの作動においては、調量された量の
燃料を調量ユニット14からリザーバ7内部のニードル18を通してキャビティ
ー25に供給する動作と、ガスによって搬送される燃料をリザーバ7からノズル
15を通してエンジンの燃焼室20に供給するためにバルブ16を開く動作とは
、別個の動作であることが理解されるべきである。起動位置を仮定すると、ガス
・リザーバ7は予めエンジンの燃焼室20から受け取ったガスによって満たされ
るとともに、エンジンの圧縮行程においてそのシリンダのピストンが上方へ動く
。また、調量された燃料は、燃料調量ユニット14によって流路26を介して燃
料噴射器30内のキャビティー25に供給されている。次いで、シリンダ内の圧
力が実質的にリザーバ7内の圧力を下回るときに、圧縮行程の一点においてバル
ブ16が開口すると、ガスによって搬送される調量された燃料は、リザーバ7か
ら流路42,26、環状キャビティー25およびノズル15を介してエンジンの
燃焼室20内に吐出される。
比較的短い時間の後、調量された燃料の全てがノズル15を通して燃焼室20
に吐出される。そして、シリンダ内におけるピストンの連続する上昇運動は、燃
焼室20内に圧力の上昇をもたらす。リザーバ7内の圧力が燃焼室20内の圧力
より高まり、かつガスの流れ方向が逆になると、先行する燃料供給の間に圧力を
放出したリザーバ7内のガスは置き換えられる。このガスの逆流は、燃焼室20
に燃料を供給するためにノズル15が次に開口する時点におけるリザーバ7にお
けるガスの圧力を、実質的に燃焼室20内の圧力以上のレベルにまで高める。そ
して、再チャージされたリザーバ7は、次のエンジン・サイクルの間に燃焼室2
0に対して燃料を供給できる状態となる。
燃料調量ユニット14は、従来用いられているどのような構造のものでも良い
が、特にこの環境における使用にふさわしい燃料調量ユニットは、本願出願人の
出願に係るPCT特許出願No.PCT/AU92/00561若しくは国際特
許出願No.WO93/00502に開示されている。
これらの明細書に開示されるように、空気によって搬送される燃料を燃焼室2
0に供給するタイミングは、電子制御装置(ECU)を用いて従来知られている
方法によって行われる。また、燃料の調量は燃焼室20に対する燃料供給とは独
立して行われるので、燃料供給のタイミングおよび燃料噴射器・ノズル15の開
口期間は、1サイクル当たりの燃料の供給量に対して直接に影響することなく変
化させることができる。それゆえに、リザーバ7内の圧力を変えるために燃料噴
射器・ノズル15を開口および/または開口終了のタイミングを変化させるとい
う本発明の実行は、燃料の調量および噴射の動作を妨げることなく行うことがで
きる。前述したように、燃料噴射器・バルブの閉鎖タイミングを変化させること
によってリザーバ7内のガスの圧力を制御することができる。そして、エンジン
の圧縮行程に関連させて燃料噴射器・バルブ16の閉鎖を遅くすればするほど、
リザーバ7の圧力が高くなる。
燃料噴射システムの制御に通常用いられるECUは、エンジンの作動状態に関
するいろいろな入力信号、例えばエンジン回転速度を受け取る。したがって、リ
ザーバ7内のガス圧力を制御することによってエンジンのアイドル速度若しくは
他に選択されたエンジン作動速度範囲を制御するプログラムをECUに含ませ、
エンジンの回転速度を所望のレベルに保つべく、圧力アクチュエータ3等の適当
な機構を動作させてエンジンに対する燃料供給率を制御することは、単純な問題
である。例えば、これは、適当なルックアップ・テーブル若しくはマップを経由
して、またはPIDアルゴリズムによる調整を介して活性化することができる。
図3には、クラン内に誘導された空気がクランク室から燃焼室への移動に先立
って圧縮される、クランク室掃気形の2サイクル・サイクル・エンジンに特に適
用できる本発明の他の実施形態が概略的に示されている。この種のエンジン構成
は、クランク室内の空気の圧力を使用して図1に示された圧力アクチュエータの
ような機構を作動させ、特にエンジンがアイドル状態にある間にエンジンの回転
速度を制御するという本発明の実行を可能にする。
図3に示したように、ロッド61は、図1を参照して前述したのと全く同様に
、圧力アクチュエータ63の一部を形成するダイヤフラム62に直接に連結され
ている。圧力チャンバ65内の圧力は、2サイクル・エンジン71のクランク室
70内の空気を、エア・パイプ68a、バルブ60およびエア・パイプ68bを
介して圧力チャンバ65に導入する、バルブ60によって制御される。また、前
記バルブ60は、圧力チャンバ65内の空気の、ライン67を介しての大気への
通気、若しくはエンジン71の空気吸入系のような他の適当な位置への通気を制
御し、最終的に圧力チャンバ65内の圧力を一定に保つ。したがって、この特別
な実施形態においては、バルブ60は、2つの開き位置および1つの閉じ位置を
有した3位置弁として構成され、2つの開き位置の各々においては、バルブ60
は圧力チャンバ65内の空気を流出させ、若しくは圧力チャンバ65内に空気を
流入させることができる。このコントロールシステムは、他のガス圧供給源に等
しく適用できることができる。すなわち、この特別な実施形態においては、一定
圧力の供給源としてクランク室内の正圧を使用しているが、一定圧力を供給する
他の供給源も使用することができる。
例えば一定圧力の供給源として、図1に示したリザーバ7を利用することもで
きるが、前述したように燃料噴射手段30は、ノズル開き時間の終了時点を変化
させるためには作動させられず、通常通り作動する。リザーバ7内のガス圧力は
、エンジン・クランク室70内の圧力に代わって、一定圧力供給源の役目を果た
す。
これに対して、エンジン71の空気吸入系においてスロットル・ブレード69
の下流に生じる負圧もまた、クランク室内の正圧の代わりとして等しく使用する
ことができる。それゆえに、負圧の供給源が圧力チャンバ65に適用される。同
様に、クランク室内の負圧を、クランク室内の正圧と同様に、圧力供給源として
使用することができる。しかしながら、これらの後者2つの実施形態においては
、逆止め弁72を逆向きにする必要があるとともに、スプリング64を圧力チャ
ンバ65内に移動させるか若しくは引張ばねとする必要があることは、明白であ
る。さらに、ガス圧供給源として普通のコンプレッサーを用いることもできる。
バルブ60は、ソレノイド54若しくはその他装置によって、ECU55の制
御下で作動させられる。空気供給管68aに設けられたワンウェイ・バルブ72
は、上記の大気圧がクランク室70からライン68bおよびチャンバ65に供給
されるように配置される
エンジンの回転速度が必要とされる速度を越えて増加した場合には、ECUは
バルブ60を作動させて排出管67を閉鎖するとともに吸入管68bを開く。こ
れにより、エンジン・クランク室70からアクチュエータ63の圧力チャンバ6
5に向かって圧縮空気が流入し、ダイヤフラム62を下向きに湾曲させるので、
ロッド61は同様に下向きに変位する。ロッド61のこの動きは、翻ってエンジ
ンに対する燃料供給率を減少させる。これに対して、エンジンの回転速度が低過
ぎる場合には、ECUはバルブ60を作動させて吸入管68bを閉じた状態に保
つとともに、排出管67を開き、アクチュエータ63の圧力チャンバ65内の圧
力を減少させる。これにより、ダイヤフラム62はスプリング64の作用によっ
て上方へ移動するので、ロッド61も上方へ移動し、エンジンに対する燃料供給
率が増加する。エンジンの回転速度が正常な場合には、両配管68b,67は閉
鎖され、チャンバ65内の圧力はその状態に保たれる。
図3に関連して記述されたエンジン燃料制御システムは、特にクランク室掃気
形2サイクル・エンジンの速度制御に適しているが、コンプレッサーからの一定
供給、図1Iに示したガス・リザーバ7のような他の適当な供給源、若しくは2
サイクル・エンジンのクランク室内の最大圧力等、他の圧縮空気供給源を有した
エンジンに関連して使用することもできる。バルブ60は、圧力ガス供給源を圧
力アクチュエータ63のチャンバ65に選択的に適用し、チャンバ65を大気に
開放させたり、チャンバ65を圧力ガスの供給および大気への開放の両方から分
離させたりできるように配置される。後の位置において、圧力アクチュエータ6
3のダイヤフラム62は、ロッド61と共に固定位置に保持される。バルブ60
のそれぞれの作動位置は、予め設定されたエンジン速度、若しくはアイドル速度
のような所望のエンジン回転速度に関連する、エンジンの実際の回転速度に依存
して、ECUによって選択可能である。図3に示された実施形態に関する修正は
、自動調節弁60を無くすとともに、アクチュエータ63の圧力チャンバ65に
、直径を固定したブリード・オリフィスを設けることである。オリフィスは、エ
ンジンの回転速度に比例した圧力の変化を圧力チャンバ65内に供給できるよう
に寸法取りされる。したがって、エンジンの回転速度が増加するとダイヤフラム
上の圧力が増加するとともに、エンジンの回転速度が減少するとダイヤフラム上
の圧力が減少する。これにより、ロッド61の変位すなわち燃料供給率は、所望
のエンジン回転速度を保つように制御される。また、図3に示した実施形態に関
連して、アクチュエータ63に供給されるガスを、エンジンのクランク室70か
らではなく、外部の供給源から供給することができる。また、ガスの供給は、バ
ルブ60の開き具合、開口の周波数、開口の全期間、またはこれらの任意の組合
わせを変化させることによって制御することができる。ここで、本発明を多気筒
の2サイクル・エンジンに適用する際には、燃料供給率制御アクチュエータ63
に供給されるガスを、エンジンの一つ若しくは複数のクランク室から供給するこ
とができる。図4には、図3に示したエンジン制御システムの変形例が示されて
いる。クランク室掃気形2サイクル・エンジン81およびアクチュエータ
83は、図3における対応要素71および63と同じであるので、ここでは詳細
な説明を省略する。相違点は、図3に示した多位置バルブ60が、ECU86の
制御下でソレノイド88によって作動させられる一つのバルブ要素85によって
置き換えられていることにある。この実施形態を理解するためには、クランク室
掃気形の2サイクル・エンジンにおいては、エンジン・シリンダ・サイクルに関
連するクランク室内の圧力変化のタイミングが、大まかに言って、エンジンの回
転速度には依存しないということを理解することが必要である。唯一の主要な相
違は、圧力サイクルのリアル・タイム周波数である。ピーク最大圧力および最小
圧力の小さな変化があるかもしれない。しかしながら、このことはエンジン速度
制御手段の作動には、大きくは影響しない。それゆえ、クランク室80内の圧力
を、エンジン81に対する燃料供給を調節するアクチュエータ83のような装置
を作動させる、として信頼できる供給源若しくはエネルギとして使用することが
できる。
ECU86は、必要とされるエンジン燃料供給率を示す適当な入力信号を受け
るとともに、その燃料供給率を達成するために、ダイヤフラム82の必要位置を
決定する。次いで、ECU86はソレノイド88を作動させて、シリンダ・サイ
クルの適当な部分の間にバルブ85を開き、圧力チャンバ87に圧力を作用させ
て、必要とされた燃料供給率に対応する位置にダイヤフラム82を動かす。
ダイヤフラム82が、図4に示されるように下向きに移動されるべき時には、
エンジン81の作動サイクルにおいてクランク室内の圧力が高い期間の間、バル
ブ85が開かれる。ダイヤフラム82が、図4に示されるように上向きに移動さ
れるべき時には、エンジン81の作動サイクルにおいてクランク室内の圧力が低
い期間の間、典型的にはクランク室内の圧力が大気圧以下の間に、バルブ85が
開かれる。燃料供給率を不変とするためにダイヤフラム82が固定位置に保持さ
れるべき時には、バルブ85は閉じた状態に保持される。***
さらに本発明の他の実施形態は、力を生み出す圧力としてエンジン吸入システ
ムの中に存在する圧力、特にエンジン吸入システムにおけるスロットル・ブレー
ドよりは下流でかつ吸気リード弁よりは上流に存在する圧力を、活用することが
できる。エンジンの回転速度および/または負荷に関連して変化するこの圧力供
給源は、図1において符号3で示されるアクチュエータ等を制御するために使用
することができる。
典型的には、エンジンがアイドル状態若しくは低速運転されている間には、吸
入システムのスロットル・ブレードは、本質的に閉鎖されている。これにより、
リード弁の上流およびスロットル・ブレードの下流に負圧が生じる。スロットル
・ブレードがセット・ポジションにある時には、負圧はエンジンの回転速度に関
して変化し、エンジンの回転速度が増加するにつれて負圧は強まるとともに、エ
ンジンの回転速度が減少するにつれて負圧は弱まる。それゆえに、この変化する
負圧を、図1中に符号2で示されるダイヤフラム等の動きを制御するために使用
することができる。
例えば、ある速度でアイドル運転することが求められたが、エンジンの実際の
回転速度があまりに高すぎる場合には、吸入システム内の圧力は、所望の回転速
度でアイドル運転された場合よりも低くなる。(すなわち、所望の値よりも負圧
が強い。)それゆえに、この圧力を図1において符号8で示される導管を介して
、ダイヤフラム2を動かすために使用し、エンジンに対する燃料の供給率を減少
させるために、図1において符号1で示されるロッドを適当に作動させることが
できる。これに対して、所望のアイドル速度よりもエンジンの回転速度が低い場
合には、吸入システム内により大きな圧力が生じるので(すなわち、所望の値よ
りも負圧が弱い)、この圧力をエンジンに対する燃料の供給率を増すべく、ロッ
ド1を作動させるために使用することができる。
図1に示されるアクチュエータ3、圧力チャンバ5,6および導管8が、吸入
システムにおける負圧の増加若しくは減少が、エンジンに対する燃料の供給率の
所望の制御を与えるように配置されることは、明らかである。
図5は、本発明が適用される燃料調量装置を図示するが、その詳細については
、本願出願人によるPCT特許出願No.PCT/AU92/00516に記載
されている。図5に示されている参照符号は、前記PCT出願において使用され
た参照符号に対して100を加えたものである。しかし、PCT特許出願におけ
る参照数字によって識別される数多くの構成要素は、この明細書においては記述
されないが、上記の特許出願において適切に記述されている。PCT特許出願N
o.PCT/AU92/00516の開示は、参照のために本明細書に組み込ま
れる。
図5に示される機構のうち、本発明に直接関連する部分は、ジェットニードル
147に連結されたピストン151、およびピストン・ストップ161と協動し
てピストン151のストロークすなわちジェットニードル147のストロークを
制御するカム159である。より詳しくは、ピストン151は、シリンダ158
内への流体圧力の周期的な負荷に応じて、シリンダ158内を往復運動する。こ
の流体圧力のアプリケーションは、ピストン151およびこのピストン151に
連結された燃料ジェットニードル147を、図5において右方向に変位させる。
これにより、燃料がダクト155を通して図示されない燃料噴射器に供給される
。すなわち、ピストン151のストロークすなわちジェットニードル147のス
トロークを変化させることによって、供給する燃料の量をエンジンの燃料要求に
従って変化させることができる。
調量された燃料の供給量の変化は、シリンダ158内におけるピストン151
の戻り位置を制御しているピストン・ストップ161と協動するカム159を、
軸160周りに回転させることによって達成することができる。したがって、ピ
ストン・ストップ161が図5の右方向に動かされるにつれて燃料ジェットニー
ドル147のストロークは減少し、それに応じて燃料調量チャンバから供給され
る燃料の量が減少する。
図6には、カム159の構造の詳細、および図1,3,4にそれぞれ示された
ロッド1,61,41によるカム159の作動が図示されている。カム159は
、軸92上に回転可能に取り付けられたスリーブ91と一体とされている。駆動
ピン93は、軸92に堅く固着されるとともに、スリーブ91に形成されたみぞ
穴94を通して延びる。コイルばね95は、96においてカム159に固着され
るとともに、97において駆動ピン93に固着されている。したがって、スプリ
ング95は、スリーブ91をアーム93に対してみぞ穴94の前端で保持する。
軸92およびアーム93が反時計回りに回転するに連れて、スリーブ91および
カム159は、軸92と一致して、同じくその方向に移動させられる。
軸92は、エンジンの常用速度および負荷運転制御装置に応じて回転させられ、
エンジン負荷および回転速度に比例して燃料供給が制御される。
アーム99はスリーブ91に堅固に固着されている。そして、ロッド98は、
作動手段3,63,83のダイヤフラム2,63,83の動きに応じて軸線方向
に動かされる、図1,3,4にそれぞれ示されたロッド1,61,41と同一で
ある。したがって、エンジンがアイドル状態若しくは低い速度で運転されており
、かつアクチュエータ3、63、83が機能している際におけるロッド98の図
6の左方向への動きは、アーム99、スリーブ91およびカム159の軸92に
対する反時計回りの回転をもたらし、ピストン・ストップ161を持ち上げるの
で、燃料ジェットニードル147のストロークが増加してエンジンに対する燃料
の供給が増加する。図6においてロッド98が図示右方向に動くと、スプリング
96は、みぞ穴94の前端が再びアーム93に接触するまでアーム99、スリー
ブ91、カム159を時計方向に回転させる。
したがって、通常のエンジン速度制御機構およびこの機構に取り付けられたシ
ャフト92が静止しているときに、エンジンに対する燃料の供給率を制御するた
めに、図1、3若しくは4に関連して記載された作動手段3、63,83を使用
することができることは明らかである。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1996年10月11日
【補正内容】
しかしながら、そのようなエンジン・マネジメント・システムのコストは、小
型船用エンジン、自動二輪およびスクータ用エンジン、芝刈り機用エンジン等の
比較的低コストかつ小排気量エンジンの作動制御に用いるには、あまりに高すぎ
る。
そのような小排気量エンジンの、燃料供給制御におけるチャレンジを提示する
作動領域は、エンジン・アイドル状態である。すなわち、各シリンダによって要
求される燃料の量は比較的少なく、かつ正確に制御できることは間違いがないか
らである。以前に、アイドル状態における燃料供給制御を達成するには、電子制
御装置(ECU)によって制御される線形ステッパーモーターのような電気的な
構成部品の使用を必要とする。この装置は、燃料システムのトータル・コストに
比較して高価であり、いくつかのアプリケーションにおいては、速度制御の所要
レベルを達成するために必要ではあるけれども、その使用は望ましくない。さら
に、ステッパモーターについては、長期間の使用における耐久性が、いくつかの
環境下においては所望のレベルより低いことが見いだされているとともに、振動
や信頼性等の問題も関連している。
したがって、本発明の目的は、効果的で信頼性があり、かつ比較的低いコスト
でエンジン・コントロールシステムに組み込むことができる、内燃エンジンの作
動を制御する方法および装置を提供することにある。
本発明によれば、圧縮ガスによって搬送される燃料をエンジンの燃焼室に噴射
する燃料噴射システムを有した内燃エンジンの作動を制御する方法が提供される
。この方法は、少なくともエンジンの作動範囲の一部分において、エンジンの作
動に関連する圧力供給源から調達可能な流体圧力を管理する段階と、エンジンの
少なくとも一つの作動パラメータを制御する機構を作動させるために前記管理さ
れた流体圧力を負荷する段階とを備える。そして、前記機構の制御は電子制御ユ
ニットによって行われる。
請求の範囲
1. 圧縮ガスによって搬送される燃料をエンジンの燃焼室に噴射する燃料噴
射システムを有した内燃エンジンの作動を制御する方法であって、少なくともエ
ンジンの作動範囲の一部分において、エンジンの作動に関連する圧力供給源から
調達可能な流体圧力を管理する段階と、エンジンの少なくとも一つの作動パラメ
ータを制御する機構を作動させるために前記管理された流体圧力を負荷する段階
とを備え、前記機構の制御が電子制御ユニットによって行われることを特徴とす
る内燃エンジンの制御方法。
2. 内燃エンジンの回転速度若しくは負荷の作動範囲の少なくとも一部にわ
たって前記内燃エンジンへの燃料の供給率を制御するために、前記流体圧力を適
用することを特徴とする請求項1に記載の内燃エンジンの制御方法。
3. 内燃エンジンの回転速度若しくは負荷の作動範囲の少なくとも一部にわ
たって、点火時期を制御するために前記流体圧力を適用することを特徴とする請
求項1に記載の内燃エンジンの制御方法。
4. 内燃エンジンの各燃焼室に対する燃料噴射のタイミングを制御するため
に前記流体圧力を適用することを特徴とする請求項1に記載の内燃エンジンの制
御方法。
5. 前記流体圧力の供給源が、内燃エンジンの一つ若しくは複数の燃焼室に
流入する空気を導入する空気吸入系統とされることを特徴とする請求項1乃至4
のいずれかに記載の内燃エンジンの制御方法。
6. 前記内燃エンジンが、クランク室掃気形2サイクル内燃エンジンとされ
、かつ前記流体圧力の供給源が前記内燃エンジンの少なくとも1つのクランク室
とされることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の内燃エンジンの制
御方法。
7. 前記燃料噴射システムが、圧縮ガスによって搬送される燃料を前記エン
ジンの一つ若しくは複数の燃焼室に供給する噴射手段を有するとともに、前記流
体圧力の供給源が、燃料の前記燃焼室への供給に用いられる圧縮ガス供給源とさ
れることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の内燃エンジンの制御方
法。
8. 前記内燃エンジンが、各燃焼室に直接に燃料を供給する個別の燃料噴射
器を有するとともに、前記圧縮ガス供給源が、個々の前記燃料噴射器に対して圧
縮ガスを供給することを特徴とする請求項7に記載の内燃エンジンの制御方法。
9. 前記ガスがコンプレッサーによって供給されることを特徴とする請求項
7または8に記載の内燃エンジンの制御方法。
10. 前記内燃エンジンが、前記燃料噴射システムに対して圧縮空気を供給
する空気圧縮機を有するとともに、前記コンプレッサーの吸気側から前記流体圧
力を供給する段階を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の
内燃エンジンの制御方法。
11. 前記流体圧力供給源が、前記内燃エンジンの作動によって利用可能で
あり、かつ前記流体圧力が前記内燃エンジンの回転速度および負荷の変化に応じ
て変化することを特徴とする請求項1に記載の内燃エンジンの制御方法。
12. 前記流体圧力が、前記内燃エンジンの各サイクルの間に高レベルおよ
び低レベルの間で反復するとともに、前記サイクルの選択された部分の間に前記
流体圧力が前記制御を達成するために適用されることを特徴とする請求項1に記
載の内燃エンジンの制御方法。
13. 実質的に不変な圧力流体の供給を達成するために、前記流体圧力供給
源が前記サイクルにおける選択された期間内において流体を提供することを特徴
とする請求項12に記載の内燃エンジンの制御方法。
14. 前記流体圧力が、クランク室掃気形2サイクル内燃エンジンのクラン
ク室から供給されることを特徴とする請求項12または13に記載の内燃エンジ
ンの制御方法。
15. 前記機構がダイヤフラム装置を有する圧力アクチュエータとされるこ
とを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の内燃エンジンの作動方法。
16. 前記圧力アクチュエータの機械的出力が実質的に直線状とされ、かつ
前記圧力アクチュエータが燃料制御装置を作動させることを特徴とする請求項1
5に記載の内燃エンジンの制御方法。
17. 燃料噴射内燃エンジンの回転速度を制御する方法であって、燃料が圧
縮ガスに搬送されて噴射されるとともに、少なくとも前記内燃エンジンがアイド
ル状態、若しくは選択された速度範囲において作動しているときに、燃料制御部
材の物理的な動きによって燃料供給率が制御され、かつ前記ガスの圧力に応じて
発生させられた力によって前記燃料制御部材の動きを生じさせる段階を備えるこ
とを特徴とする燃料噴射内燃エンジンの回転速度制御方法。
18. 前記内燃エンジンがアイドル状態になく、若しくは前記選択された速
度範囲の外側で作動しているときに、前記内燃エンジンの回転速度が、前記ガス
圧とは独立して制御されることを特徴とする請求項17に記載の燃料噴射内燃エ
ンジンの回転速度を制御する方法。
19. 前記内燃エンジンが前記選択された速度範囲の外側で、かつ第2の速
度範囲内で作動しているときに、前記内燃エンジンの回転速度を制御するために
前記圧力が適用されることを特徴とする請求項18に記載の燃料噴射内燃エンジ
ンの回転速度制御方法。
20. 前記圧縮ガス供給源が、前記内燃エンジンの作動からもたらされるこ
とを特徴とする請求項17に記載の内燃エンジンの回転速度制御方法。
21. 前記内燃エンジンが、クランク室掃気形の2サイクル内燃エンジンと
され、かつ前記流体圧力が、前記エンジン・クランク室内のガス圧からもたらさ
れることを特徴とする請求項17に記載の内燃エンジンの制御方法。
22. 前記圧縮ガスが、前記内燃エンジンによって駆動されるコンプレッサ
ーからもたらされることを特徴とする請求項17に記載の燃料噴射内燃エンジン
の回転速度制御方法。
23. 前記圧縮ガス供給源が、前記内燃エンジンの少くともひとつの燃焼室
内におけるガスの圧縮によってもたらされる圧縮ガスを受け取ることを特徴とす
る請求項20に記載の内燃エンジンの回転速度制御方法。
24. 燃料が搬送される前記ガスが、前記内燃エンジンの少くともひとつの
燃焼室から供給されることを特徴とする請求項17乃至19のいずれかに記載の
燃料噴射内燃エンジンの回転速度制御方法。
25. 前記ガスの圧力が、前記燃焼室のサイクルにおいて、前記燃焼室から
のガスの供給タイミングの制御によって制御されることを特徴とする請求項24
に記載の燃料噴射内燃エンジンの回転速度制御方法。
26. 圧縮ガスによって搬送される燃料をエンジンの燃焼室に噴射する燃料
噴射システムを有した内燃エンジンであって、流体圧力の変化に応じて作動可能
な機構と、前記機構を作動させるために前記流体圧力を供給するべく作動可能な
作動手段とを備え、前記機構の制御は電子制御ユニットによって行われ、かつ前
記流体圧力が前記内燃エンジンの作動に関連する供給源から調達可能とされるこ
とを特徴とする内燃エンジン。
27. 前記機構が、少なくとも前記内燃エンジンの回転速度範囲および負荷
範囲の一部分にわたって、エンジンに供給する燃料の供給率を制御するように適
合されていることを特徴とする請求項26に記載の内燃エンジン。
28. 前記機構が、少なくとも前記内燃エンジンの回転速度範囲および負荷
範囲の一部分にわたって、エンジンの点火時期を制御するように適合されている
ことを特徴とする請求項26に記載の内燃エンジン。
29. 前記機構が、少なくとも前記内燃エンジンの回転速度範囲および負荷
範囲の一部分にわたって、エンジンに供給する燃料の噴射タイミングを制御する
ように適合されていることを特徴とする請求項26に記載の内燃エンジン。
30. 前記内燃エンジンがクランク室掃気形2サイクル内燃エンジンとされ
、かつ前記流体圧力を供給する手段が、前記2サイクル・エンジンのクランク室
とされることを特徴とする請求項26乃至29のいずれかに記載の内燃エンジン
。
31. 前記内燃エンジンが一つ若しくは複数の燃焼室を有するとともに、燃
料が圧縮ガスによって搬送されて各燃焼室に供給され、かつ前記流体圧力を供給
するべく作動可能とされている手段が、前記圧縮ガスを供給する手段とされてい
ることを特徴とする請求項26乃至29のいずれかに記載の内燃エンジン。
32. 前記圧縮ガスが、前記エンジンの一つ若しくは複数の燃焼室から供給
されることを特徴とする請求項31に記載の内燃エンジン。
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DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
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H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M
N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU
,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT,
UA,US,UZ,VN