JPH10502623A - O−グリコシル化真正igf−iおよびその切断変種、その製造方法、並びに医薬組成物 - Google Patents

O−グリコシル化真正igf−iおよびその切断変種、その製造方法、並びに医薬組成物

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JPH10502623A JP8503823A JP50382395A JPH10502623A JP H10502623 A JPH10502623 A JP H10502623A JP 8503823 A JP8503823 A JP 8503823A JP 50382395 A JP50382395 A JP 50382395A JP H10502623 A JPH10502623 A JP H10502623A
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フアーマシア・アンド・アツプジヨン・アー・ベー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、IGF−ポリペプチド鎖のSer69アミノ酸に対し3個もしくはそれ以上のマンノース残基を有する或いは切断された切断IGF−ポリペプチド鎖のThr29アミノ酸に対し2個のマンノース残基を有するO−グリコシル化された真正IGF−Iに関するものである。本発明によるO−グリコシル化IGF−Iは実質的にインシュリンリセプタ親和性を持たず、治療処置に使用するのに価値がある。さらに本発明は、酵母細胞にてIGF−Iを発現させると共に培地から本発明のO−グリコシル化IGF−Iを分離することにより上記IGF−Iを得る方法、およびこれらIGF−1を医薬上許容しうるキャリヤ、希釈剤もしくは賦形薬と共に含有する医薬組成物にも関するものである。さらに、たとえば成長不全およびインシュリン耐性状態を処置する薬剤を製造する際のO−グリコシル化IGF−Iの使用にも関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】 O−グリコシル化真正IGF−Iおよびその 切断変種、その製造方法、並びに医薬組成物 本発明は、IGF−ポリペプチド鎖のSer69アミノ酸に対し3個もしくは それ以上のマンノース残基を有する或いは切断(truncate)された切断(truncated )IGF−ポリペプチド鎖のThr29アミノ酸に対し2個のマンノース残基を 有するO−グリコシル化された真正IGF−Iに関するものである。本発明によ るO−グリコシル化IGF−Iは実質的にインシュリンリセプタ親和性を持たず 、治療処置に使用するのに価値がある。さらに本発明は、酵母細胞にてIGF− Iを発現させると共に培地から本発明のO−グリコシル化IGF−Iを分離する ことにより上記IGF−Iを得る方法、およびこれらIGF−Iを医薬上許容し うるキャリヤ、希釈剤もしくは賦形薬と共に含有する医薬組成物に関するもので ある。さらに本発明は、たとえば成長不全およびインシュリン耐性状態を処置す る薬剤を製造する際のO−グリコシル化IGF−Iの使用にも関するものである 。序文 インシュリン様成長因子−I(IGF−I)は、プロインシュリンに対し比較 的高い相同性を示す70個のアミノ酸を単一ポリペプチド鎖として含む成長因子 である。細胞成長および分化を促進すると共にインシュリン様の性質をも示して 、成長ホルモンの作用を部分的に媒介することが知られている。内生ヒト型は非 グリコシル化されていない。 組換ヒトインシュリン様成長因子I(rhIGF−I)は酵母S.セレビシで 発現させて産生され、分泌システムにより発酵培地中に移される。酵母における 外来蛋白質の発現は翻訳後の修飾をもたらす。酵母にて産生される蛋白質におい て観察された修飾の一つはグリコシル化である。 酵母における蛋白質グリコシル化はN−およびO−結合の両者が生じうるが、 IGF−IはN−グリコシル化のための認識部位(Asn−Xaa−Ser/T hr)を欠くので、IGF−Iでは新たな(de novo)O−グリコシル化のみが 予想される。Thr29におけるO−グリコシル化のための1部位が決定されて いる(WO 90/02198号、Gellerfors,Pら(1989)、 Isolation and Characterization of a glycosylated vaariant of human insulin-like growth factor I produce d in Saccharomyces cerevisiae,J.Biol.,Chem.,264,11444-11449およびEll iott,S.ら(1990),Yeast-derived recombinant human insulin-like growth fac tor I:Production, purification,and structural Characterization,J. Prot . Chem,, 9, 95-104)。 酵母はカルボキシペプチダーゼを含有することが知られている(Jones, E. W. , (1990), Tackling the protease problem in Saccharomyces cerevisiae,Met hods Enzymol., 194, 428-453)。したがって、酵母における外来蛋白質の発現 はC−末端切断変種の産生をもたらしうる。 IGF−Iポリペプチド鎖のThr29アミノ酸に2個もしくはそれ以上のマ ンノース残基を付着させたIGF−Iのグリコシル化IGF−I変種がWO 9 0/02198号により公知である。このIGF−Iのグリコシル化変種は、真 正IGF−Iよりも顕著に血中グルコースを低下させる作用を有することが示唆 されている。 IGF−Iの切断変種がWO 91/18621号により従来知られており、 これはdes(1−3−)−IGF−Iが糖 尿病の処置に有用であることを開示している。切断変種des(1−3−)IG F−IがCNS損傷の程度を減少させることも知られている(WO 93/02 695号)。 WO 93/08826号は(4−70)IGF−Iおよび(54−67)I GF−Iを開示しており、これら切断変種は眼薬組成物にて網膜神経細胞の生存 を促進する。 WO 87/01038号は、1−5個のアミノ酸残基がN−末端から欠損し ているIGF−Iのペプチド類似体を開示している。これらは、たとえば成長不 全および異化作用状態を処置するのに有用である向上した生物学的能力を有する といわれる。位置3におけるグルタミン酸が他のアミノ酸により置換され或いは 欠失している真正IGF−Iも知られている(WO 91/10348号参照) 。 本明細書においては、グリコシル化された真正IGF−I(gIGF−I)の 2種の他の変種および分離されると共に特性化されたC−末端切断IGF−Iの 新規な2種の変種の分離および特性化につき説明する。本発明者等は、IGF− ポリペプチド鎖のSer69アミノ酸に対し4個もしくは5個のマンノース残基 を有する真正O−グリコシル化IGF−Iおよび IGF−ポリペプチド鎖のSer69アミノ酸に対し3個のマンノース残基を有 するO−グリコシル化IGF−Iを分離した。さらに本発明者等は、C−末端A la70残基を欠如すると共にThr29にてグリコシル化された変種をも分離 した。他の変種はC−末端トリペプチドLys68Ser69Ala70を欠如 すると共にThr29にてグリコシル化されている。 IGF−Iのこれら新規なO−グリコシル化変種は、正常なIGF−I作用を 有すると予想される一方、特にたとえばインシュリン様作用減少のような悪影響 が少い点で、治療剤として有望である。したがって、これらは成長障害の処置に ヒト真正IGF−Iよりも高い投与量にて与えることができ、しかも低血糖症に 伴う問題を生ぜしめない。さらにこれらは、IGF結合性蛋白質1(IGFBP −1)に対する結合能が低下しているので、たとえば外傷、インシュリンリセプ タ抗体産生、貧弱に制御された糖尿病または子宮内成長遅延(IUGR)の後の 、インシュリン耐性を有する患者の処置に使用することができる。 第1〜6図は本発明を示す。 第1図はS.アウレウスV8プロテアーゼ(SAP−V8) で消化した後のIGF−Iペプチドを示す。得られたペプチドはその一次構造に おける形状によりラベルされる。 第2図はrhIGF−Iの疎水性相互作用に基づく精製工程を示す。フラクシ ョン8を回収して特性化された新規なIGF−I変種を分離した。 第3図はコンカナバリンAカラムにおける「フラクション8」の親和性クロマ トグラフィーの溶出プロフィルを示す。2種のプール(xおよびz)を反復調製 物から回収した。 第4図は第3図のフラクション×プールの逆層クロマトグラフィー(RP−H PLC)の溶出プロフィルを示す。 第5図は真正rhIGF−I(DSQ93)と比較した2種の主たる変種zお よびx2のSAP V8消化物のペプチド マップを示す。 第6図は真正rhIGF−I(DSQ93)と比較したx3、x4およびx5 変種のSAP V8消化物のペプチド マップを示す。 本発明はIGF−ポリペプチド鎖のSer69アミノ酸に対し3個もしくはそ れ以上のマンノース残基を有する或いは切断された切断IGF−ポリペプチド鎖 のThr29アミノ酸に対 し2個のマンノース残基を有するO−グリコシル化された真正IGF−Iに関す るものである。本発明によるO−グリコシル化IGF−Iは実質的にインシュリ ンリセプタ親和性を持たず、治療処置に使用するのに貴重である。 本発明は特にIGF−ポリペプチド鎖のSer69アミノ酸に対し4個および /または5個のマンノース残基を有する或いはSer69アミノ酸に対し3個の マンノース残基を有するものに関する。 さらに本発明は、特にIGF−ポリペプチド鎖のThr29アミノ酸に対し2 個のマンノース残基を有するO−グリコシル化(1−67)IGF−I、または IGF−ポリペプチド鎖のThr29アミノ酸に対し2個のマンノース残基を有 するO−グリコシル化(1−69)IGF−IであるO−グリコシル化IGF− Iの切断変種に関するものである。 さらに本発明は、酵母細胞にてIGF−Iを発現させると共に本発明のO−グ リコシル化IGF−Iを培地から分離することにより上記IGF−Iを得る方法 に関するものである。 さらに本発明は、これらIGF−Iを医薬上許容しうるキャリヤ、希釈剤もし くは賦形薬と共に含有する医薬組成物、およ び本発明のIGF−I変種を医薬上許容しうるキャリヤ、希釈剤もしくは賦形薬 と混合することによる医薬組成物の製造方法にも関するものである。本発明のI GF−Iの変種は成長不全の処置または同化作用のための薬物を製造する際に有 用である。さらに、IGF結合性蛋白質1(IGFBP−1)に対する結合能が 低下しているので、これらはたとえば外傷、インシュリンリセプタ機能における 遺伝子欠損、インシュリンリセプタに対する自己抗体産生および子宮内成長遅延 (IUGR)の後のインシュリン耐性状態を有する患者の処置、並びに異常上昇 したIGFBPレベル(特にIGFBPI)を有する患者の処置にも使用するこ とができる。 新規なグリコシル化IGF変種は20μgから1mg/kg、好ましくは20 から250μg/kgの範囲の投与量で投与することができる。グリコシル化変種の分離および特性化 α−交配因子リーダーペプチド−IGF−1発現プラスミド、すなわちp53 9/12を用いて、IGF−I遺伝子をサッカロミセス・セレビシエで発現させ た。この方法はWO 90/02198号、第6頁(実施例)から第7頁まで詳 細に記載さ れている。酵母発酵培地は真正ヒトIGF−Iおよびその変種を含有していた。 真正ヒトIGF−IからのIGF−変種の最初の分離は疎水性相互作用クロマト グラフィー(HI−HPLC)により行った。真正rIGF−Iのピークの前フ ラクション(フラクション8)を回収して、グリコシル化変種を分離した。第2 図参照。 コンカナバリンA(ConA)親和性カラムにおけるクロマトグラフィーが、 天然型からグリコシル化IGF−Iを分離する効果的方法であった。第3図は、 コンカナバリンAカラムにおける「フラクション8」の親和性クロマトグラフィ ーの溶出プロフィルを示す。2つの部分分割されたフラクションを2種のプール 、すなわちxおよびzとして回収した。これらプールを反復調製物から回収した 。ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAG E)に続くConAブロッチングは、zが比較的均質であるのに対しxが2種の 主たるバンドで構成されていることを示した。 GC−MSを用いる精製された変種の炭水化物分析(KENNE, sis of hexoses in glycoproteins, Carbohydr. Res., 198, 173-179)は、両変種xおよびzが1種のみの糖(すなわちマンノース)を含有す るが、相対量が異なることを示した(データ示さず)。 xフラクションをさらにRPV−HPLCにて精製し、主ピークをさらに特性 化した。第4図はピークx2、x3、x4およびx5を示す。 IGF−IのC−末端に対し特異的な抗体による免疫ブロッチングは、これら 変種間における相違点をさらに示した。すなわち、C−末端における修飾が予想 された。グリコシル化IGF−I変種間の構造上の相違点をさらに、SAP V 8酵素マッピング法により明かにした。これにより、天然ペプチドとの比較にお ける特定ペプチドに与えた変化を示した。第5図は真正rhIGF−I(DSQ 93)と比較した2種の主たる変種zおよびx2のSAP V8消化物のペプチ ドマップを示し、第6図は真正rhIGF−I(DSQ93)と比較したx3、 x4およびx5変種のSAP V8消化物のペプチドマップを示す。SAP V 8マップにおいて、zの唯一の修飾断片はC−末端SAP9であった(命名につ き第1図)。SAP9断片のアミノ酸組成は正確であると判明(第I表:この表 は問題 とするSAPペプチドのアミノ酸分析の結果を示す)したのに対し、質量分析は 理論値1279.6よりも484.1単位高い分子量を示した(第II表:この 表は問題とするSAPペプチドの質量分析の結果を示す)。マンノースの分子量 は162.1であり、質量におけるこの差は3個の追加マンノース残基の示唆と 良好に一致した。インタクトポリペプチドの質量分析(第III表)は、非消化 IGF−I変種の質量分析の結果を示し、前記示唆を裏付ける。 変種zの場合と同様に、x2の唯一の修飾SAP断片はSAP9であった(第 5図参照)。さらに、断片は純粋でないことも観察された。アミノ酸組成はx2 の場合にも不変であった(第I表)。x2のSAP9断片につき、質量分析は理 論値1279.6よりも645.9単位高い分子量を与えた(第III表)。し たがって、この場合は追加マンノース残基の示唆される個数は4である。他方、 未消化ポリペプチドの質量分析は5個のマンノース残基を示したが(第III表 )、この数値は完全には正確でない。その説明は、x2がテトラ−およびペンタ −置換IGF−Iの混合物であったからであり、SDS−PAGEおよびSAP 9ピークにおけるショルダー(第5図) の両者によっても不均一性が示される。かくして、異なる調製物は異なる相対量 の2種の変種を含有していると思われる。 SAP9断片のアミノ酸配列に関し、O−グリコシル化を可能にすることが知 られた唯一の残基はSer69であり、したがってこれが提案されるグリコシル 化部位であった。 SAP V8マップにおいて、x3、x4およびx5に共通の修飾SAP5断 片(第6図)は、Thr29におけるジマンノース−グリコシル化により生じた 。x4およびx5SAP9断片の各C−末端も修飾されていた。 変種x4のSAP V8マップは、SAP9断片の2種の修飾物、すなわちラ ベルされたSAP9:1およびSAP9:2を示した(第1図)。アミノ酸配列 分析(第I表)によれば、1個のAla残基(恐らくC−末端Ala70)が両 断片において喪失していた。断片SAP9:1の質量分析はこの修飾を裏付けた 。SAP9:2断片については、質量分析は追加26.6単位を与えた(第II 表)。この相違は、未消化ペプチドにつき質量分析を行った場合と一致した(第 III表)。分子量におけるこの差については合理的説明が見出されなかった。 変種x5のSAP9に対応する断片は、x4 SAP9:2よりも若干長い保 持時間を有した(第4図参照)。この断片のアミノ酸分析(第I表)は、1個の リジンと1個のセリンと1個のアラニン残基との欠如を示し、C−末端トリペプ チドLys68−Ser69−Ala70の切断を提案した。この示唆された修 飾は、SAP9断片(第II表)および未消化ポリペプチド(第III表)の両 者の質量分析により確認された。 かくして、次のことが確認された: x2はIGF−ポリペプチド鎖のSer69アミノ酸に対し4個もしくは5個 のマンノース残基を有するO−グリコシル化された真正IGF−Iを意味する。 zはIGF−ポリペプチド鎖のSer69アミノ酸に対し3個のマンノース残基 を有するO−グリコシル化された真正IGF−Iを意味する。 x4はIGF−ポリペプチド鎖のThr29アミノ酸に対し2個のマンノース 残基を有するO−グリコシル化(1−69)IGF−Iを意味する。 x5はIGF−ポリペプチド鎖のThr29アミノ酸に対し2個のマンノース 残基を有するO−グリコシル化(1−67)IGF−Iを意味する。 生物学的活性 核磁気共鳴データは、IGF−Iのコアがインシュリンに構造上極めて類似す ることを示す。この領域におけるインシュリンおよびタイプIリセプタに対する IGF−Iの結合に関する構造決定因子は重なり合う。したがって、IGF−I は、それ自身のリセプタに結合する他にインシュリンリセプタとも交差 反応するが、大抵の場合親和性は低い。 IGF−Iリセプタの構造−機能の関係もインシュリンリセプタに類似する。 それらの各リガンドに対する結合親和性が異なるものの、インシュリンリセプタ およびIGF−Iリセプタは少なくともリガンド結合後のシグナル転送における 初期ステップが同一であると思われる。これは、IGF−Iとインシュリンとの 間の生物作用の相違点が主として異なる標的細胞におけるこれらのリセプタ発現 とシグナル経路の相異に基づくことを示唆する。したがって、IGF−Iもしく はIGF−I変種の標的器官の生物作用に関する重要な決定因子は、2種のリセ プタ種類に対する親和性であって、生物作用はこれら2種のリセプタ種類への結 合により媒介される。 IGFの生物学的利用性および作用は、特定結合性蛋白質(IGF BP1〜 6)群との結合によっても影響を受ける。IGF BP3は成人における主たる 循環IGF BP型であり、一般に150kDa三成分複合体にて血清中のIG F−Iの95%以上を結合する。三成分複合体は比較的長い半減期を有し、イン タクトで循環し続けることができない。遊離した非複合化型のIGFのみが生物 学上活性であると思われるので、 リセプタとの結合のために、IGFを標的細胞まで循環系からシャトルさせうる 特定メカニズムを与える必要がある。IGF BP1は標的細胞へのIGF−I の輸送および標的細胞のIGF反応性の調節の両者につき重要であると思われる 。幾つかの研究が、グルコース恒常性につきIGF利用性を調節する際のIGF BP1の生理学的役割を裏づけている。IGFBP−1はインビトロおよびイ ンビボの両者にてIGF−Iのインシュリン様活性を抑制することが示されてい る。IGFBP−1はグルコース反対制御(counterregulators)に特徴的な所 定の制御パターンを示し、顕著な日周期を以って血清中で急速な変動を示す唯一 のIGFBPである。循環インシュリンとIGFBP−1との間には逆の関係が 存在し、インシュリンは肝臓IGFBP−1の産生を調節することが知られてい る。IGFBP−1は血糖調節(および他のインシュリン様作用)に関しIGF 作用を急激に調節するだけでなく、長期にわたり成長を調節する点でも極めて重 要であると思われる。臨床的観察は、循環IGFBP−1レベルと各種の成長パ ラメータとの間の逆相関を指摘している。最高IGF−Iレベルおよび加速成長 を伴う思春期にて低レベルが見られる。逆に、貧弱に制御 された糖尿病の成長阻害はIGFBP−3およびIGF−Iの低下を伴う一方、 IGFBP−1血清レベルが高い。さらにIGFBP−1は胎児成長を調節する と思われ、高いレベルは出産時における低い体重と相関する。 したがって、各種のIGFBP型の間におけるIGFの分布は、IGFのクリ アランス、組織分布および生物活性につき重要な決定因子であることは明かであ る。その結果、リセプタへの結合の変化を伴うIGFBPに対する変化した結合 親和性を有するIGF変種は著しく異なるバイオプロフィルを示しうる。 グリコシル化IGF−I変種のIGF−Iリセプタ結合能を、ヒト胎盤膜調製 物を用いてリセプタ結合分析で試験した(Hall Kら、A.J.Clin. Endocrinol. Metabol. 39:973-976, 1974)。zおよびx2変種の両者は、非グリコシル化真 正IGF−I調製物と比較して、IGF−Iリセプタ結合能が60〜70%低下 していた。1−69ジマンノシルThr29変種(x4)は、真正ヒトIGF− Iと比較して、50%の能力を示すと共に、1−67ジマンノシルThr29変 種(x5)は30%の能力を示した(第IV表参照)。したがって、タイプIリ セプタ結合はposTHR29におけるグリコシル化に より顕著には低下しなかったが、さらにC−末端トランケーションと組合せれば リセプタ結合能力の徐々に変化する顕著な喪失をもたらした。 グリコシル化rhIGF−I変種のインビトロ骨成長刺激作用を胎児雛大腿骨 分析(Endo Hら、Nalure(London)、286:262-264, 1980)にて試験した。このモ デルにおけるIGF−Iの刺激作用は主として雛IGF−Iリセプタにより媒介 される。全てのグリコシル化rhIGF−I変種は、骨成長刺激に関し非グリコ シル化真正IGF−Iと同等の能力であると判明した(第IV表参照)。これは 、雛IGF−Iリセプタを結合する能力がインタクトであるか或いはこのリセプ タに対する結合能力がヒトIGF−Iリセプタの場合と同様に僅かに影響を受け るが、この作用はたとえばIGF−I結合性蛋白質に対する親和性変化によって 補償されていることを示唆する。骨におけるIGF−I局在結合性蛋白質が確認 される。グリコシル化された変種の成長促進作用は多かれ少なかれ変化はなかっ た。 IGF−I変種のインシュリン様特性をラット一次脂肪細胞を用いる脂質生成 分析(Small J.ら、J. Biol. Chem. 262:1107-79、1987)にて試験したところ 、脂質生成活性の大きい 低下が示された。全変種の脂質生成能力は非グリコシル化真正rhIGF−Iと 比較して30%もしくはそれ以下まで低下していた(第IV表参照)。これは、 これらIGF−I同族体のインシュリンリセプタへの結合能が著しく低下してい ることを示す。ラット一次脂肪細胞は僅かながら機能的IGF−Iリセプタを有 することが知られているので、O−グリコシル化はインシュリンリセプタ結合の 低下、したがって低下したインシュリン様能力をもたらすことが示唆される。こ れは成長作用につきIGF−Iを必要とする患者に有利である。 大型BP3(BP=結合性蛋白質)および小分子量BP1に対する親和性をビ アコア(商標)法にて試験した。この方法は Techniques 11:5、1991)によりバイオセンサチップ表面に固定化されたIG FBPに対するIGFの結合を測定する。zおよびx2変種は低下したIGFB PI結合能を示した(非グリコシル化真正IGF−Iの約60%)のに対し、こ の2種の変種のIGFBP3への親和性は不変であった(第IV表参照)。 これらの結果は、投与されたSer69変種が真正IGF− Iと類似するBP複合体を形成するのに対し、従来特性化されている1−70T hr29変種は形成しないことを示唆する。全変種について、減少したIGFB P1結合性はより高い生物利用能およびより低い生物活性の阻害を示唆する。 結論として、インビトロのデータは、位置Ser69におけるO−グリコシル 化および切断物の位置Thr29におけるO−グリコシル化により、薬理学的プ ロフィルが変化することを示す。インシュリン様活性低下は、変化したIGFB P1親和性と共に、生物作用選択性および利用能における変化をもたらし、この 変化は臨床にて有利に使用しうると予想される。 結論 rhIGF−IのO−グリコシル化の第2番目の部位が断片SAP9の残基S er69に存在している。グリコシル化の程度は3〜5個のマンノース残基の範 囲であると判明した。特性化されたマンノシル化(Ser69)rhIGF−I 変種は他 の部位ではグリコシル化されなかった。 生物学的結果は、すべての変種が、IGF−Iリセプタへの結合が真正IGF −Iに類似する(1−70 Thr29IGF)が或いは減少する(z、x2、 x4、x5変種)にも拘らず、雛胎児大腿骨のインビトロ成長に対し正常な予想 されたIGF−I作用を有することを示している。これは予想外であったが、リ セプタ結合能の損失が各変種の他の本質的性質(たとえばIGFBP結合変化) により補償されうることを示すので極めて興味がある。各変種は脂質生成分析に より示されるようにIGF−Iリセプタに対しインシュリンリセプタよりも増大 した選択性を有する。この分析は、各変種が骨および筋肉につき選択性であるが 脂肪もしくは肝臓には選択性でないことを示す。何故なら、後者の組織はIGF −Iにつき低濃度のリセプタと顕著な濃度のインシュリンリセプタとを含有する ことが知られているからである。インシュリン様作用が低下するにつれ、たとえ ば低血糖症のような悪作用が低くなると予想され、投与量をより多量にすること ができる。 全変種は、 1. 細胞増殖および分化に対する従来のIGF−I作用の選 択的強化を達成するために、インシュリンリセプタ媒介の「インシュリン様」作 用の負担にて使用しうる段階的リセプタ選択性を提供し、 2. グリコシル化の存在もしくは不存在のいずれかの結果として、さらにIG F結合性蛋白質(IGFBPs)に対する親和性変化による、動態および生物利 用性における相違を示すと思われる ので臨床的に極めて興味がある。 C−末端切断およびグリコシル化の両者が重要である。脂質生成の低下と真正 IGF−Iとの関係が全変種につき示された。IGFBP1結合は真正IGF− Iの場合よりも低いが、Thr29にマンノースを有するグリコシル化変種の場 合ほど低くない。IGFBP3結合はIGF−Iの場合と同じであって、半減期 が同等であることを示す。Thr29にマンノースを有する従来同定されたグリ コシル化変種はずっと低いIGFBP3結合能を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI // C07K 1/22 A61K 37/36 ABA C12P 21/02 ADP (72)発明者 レーンホルム,ハリエト スウエーデン国、エス−142 61・トロン シユンド、トーンスリンガン・8 (72)発明者 スコツトネル,アンナ スウエーデン国、エス−178 32・エーケ ーレ、ローブベーゲン・3 (72)発明者 ソーネツソン,カーリン スウエーデン国、エス−122 37・エンシ エーデ、ダーイエベーゲン・32

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. IGF−ポリペプチド鎖のSer69アミノ酸に対し3個もしくはそれ以 上のマンノース残基を有し、または切断された切断IGF−ポリペプチド鎖のT hr29アミノ酸に対し2個のマンノース残基を有するO−グリコシル化された 真正IGF−I。 2. 実質的にインシュリンリセプタ親和性を持たない請求の範囲第1項に記載 のO−グリコシル化IGF−I。 3. IGF−ポリペプチド鎖のSer69アミノ酸に対し4個もしくは5個の マンノース残基を有する請求の範囲第1項または第2項に記載のO−グリコシル 化IGF−I。 4. IGF−ポリペプチド鎖のSer69アミノ酸に対し3個のマンノース残 基を有する請求の範囲第1項または第2項に記載のO−グリコシル化IGF−I 。 5. IGF−ポリペプチド鎖のThr29アミノ酸に対し2個のマンノース残 基を有するO−グリコシル化(1−67)IGF−Iである請求の範囲第1項ま たは第2項に記載のO−グリコシル化IGF−Iの切断変種。 6. IGF−ポリペプチド鎖のThr29アミノ酸に対し2個のマンノース残 基を有するO−グリコシル化(1−69)IGF−Iである請求の範囲第1項ま たは第2項に記載のO−グリコシル化IGF−Iの切断変種。 7. 酵母細胞にてIGF−Iを発現させると共に、培地からO−グリコシル化 IGF−Iを分離することにより請求の範囲第1ないし6項のいずれか一項に記 載のO−グリコシル化IGF−Iを得る方法。 8. 請求の範囲第1ないし6項のいずれか一項に記載のO−グリコシル化IG F−Iを医薬上許容しうるキャリヤ、希釈剤もしくは賦形薬と共に含有する医薬 組成物。 9. 請求の範囲第1ないし6項のいずれか一項に記載のO−グリコシル化IG F−Iを医薬上許容しうるキャリヤ、希釈剤もしくは賦形薬と混合することを特 徴とする医薬組成物の製造方法。 10. 成長不全を処置する薬剤を製造する際の請求の範囲第1ないし6項のい ずれか一項に記載のO−グリコシル化IGF−Iの使用。 11. インシュリン耐性状態、たとえば外傷、インシュリン リセプタ機能における遺伝子欠陥、インシュリンリセプタに対する自己抗体産生 および子宮内成長遅延(IUGR)、の後を処置する薬剤を製造する際の請求の 範囲第1ないし6項のいずれか一項に記載のO−グリコシル化IGF−Iの使用 。 12. 異常上昇したIGFBPレベル特にIGFBP1を有する患者を処置す る薬剤を製造する際の請求の範囲第1ないし6項のいずれか一項に記載のO−グ リコシル化IGF−Iの使用。
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